JP2011232486A - 静電潜像現像用トナー - Google Patents

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宏二 須釜
Masahiro Yasuno
政裕 安野
Masahiko Nakamura
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靖彦 村松
Shiro Hirano
史朗 平野
Junya Onishi
隼也 大西
Tatsuya Fujisaki
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Abstract

【課題】高速で高画質画像を形成でき、低温定着性が良好で、トナーの耐ブロッキング性や耐破砕性、耐オフセット性が高いので定着時の画像支持体分離性もよく、白スジ、画像濃度ムラも生じない静電潜像現像用トナーとそれを用いた画像形成装置を提供する。
【解決手段】少なくとも結着樹脂と離型剤及び着色剤を水系媒体中に分散させて分散液を作製し、液中の分散粒子を凝集・融着させて作製された静電潜像現像用トナーにおいて、該結着樹脂が少なくともポリエステル成分を含有する樹脂であり、且つ、該離型剤が下記A、B、Cの3種のワックスを併用した離型剤組成物であることを特徴とする静電潜像現像用トナー。 A:エステル化合物であるワックス、 B:少なくとも分岐または環状構造のいずれかを有する炭化水素系ワックス、 C:スチレン系またはスチレン/アクリル系重合体がグラフトしたワックス
【選択図】なし

Description

本発明は、静電潜像現像用トナー(以後、単にトナーともいう)に関するものである。
近年、電子写真技術が向上し、従来からの手軽で少数部の画像形成に向いているという利点に加え、高速化、高画質化、カラー化にも対応できる様になってきている。
それに伴い、軽印刷分野(所謂、Print On Demand「POD」市場)へ適用される製品も出されているが、それに伴い現行の印刷機に対抗できるより高速な出力、低エネルギー消費、高画質なアウトプット画像が求められている。
電子写真技術とは、要するに静電潜像を現像して形成されたトナー画像を画像支持体に転写後、熱定着する技術であるが、特に省エネルギーの観点で熱定着工程での消費電力が問題となり、トナーの低温定着性と、トナー保管時や現像器内での撹拌等における耐ブロッキング性や耐破砕性が問題となる。さらに、熱定着時のトナーオフセット等による画像故障や画質劣化が問題となっている。
しかしながら、これらの特性は互いに両立させることが本質的に困難なものであり、一方の特性を改善するには、他の性能は劣化する方向に動く対策を打たざるを得ないことが多い。
即ち、トナーを構成する結着樹脂の溶融温度/溶融粘度を下げて、より低温定着化を進めることが重要であるが、結着樹脂の溶融温度/溶融粘度を下げるためには、ガラス転移点(Tg)や分子量を低くすることが有効である。しかし、この対応ではトナーの耐熱保管性の低下が問題となることが多い。トナーに低温定着性を持たせるため、低ガラス転移点(Tg)で低軟化点の結着樹脂を用いることは、トナーの耐ブロッキング性や耐破砕性並びに耐オフセット性を劣化させる要因となる。さらに離型剤としては、融点の低いものを用いることにより低温での定着性、離型性が向上すると考えられるが、低融点の離型剤は比較的気化しやすい成分を多く含んでいるため、機内の熱にて気化成分が帯電器のワイヤーなどに付着して帯電ムラを引き起こしたり、ポリゴンミラーに付着し露光においてスジ状欠陥を引き起こしたりすることにより、画像故障が発生することが知られている。
そこで、低融点でありながら気化成分が少なく、十分な定着強度と帯状・スジ状の画像欠陥を発生させないトナーが提案されている(特許文献1)。しかしながら、出力が高速化した画像形成プロセスに適用すると、低温領域において十分な定着強度、離型性が得られず定着器の温度を高くする必要が生じ、それでは省エネルギー効果が得られず、さらに離型剤の気化が生じやすく、これにより長期使用時に帯状・スジ状の画像欠陥が発生する場合があった。
ところで、一般的に結着樹脂にポリエステル樹脂を用いると、低温定着性と耐熱保管性の両立がスチレン/アクリル系樹脂を用いた場合よりも、やりやすいことが知られている。しかし、ポリエステル樹脂を用いたトナーにおいて、トナーカートリッジ内や現像器内での撹拌等で、トナーに大きなストレスがかかった際に、分散不良の離型剤がトナー表面に滲み出したり、離型剤の遊離が起こりやすい。これを防ぐために離型剤の分散状態を制御する技術が提案されている(特許文献2)。
しかしながら、ポリエステル樹脂を水系媒体中で凝集・融着させてトナーを形成する乳化会合法でトナーを形成した場合、上記技術を用いても離型剤がトナー内部に均一に分散されずトナー表面に露出しやすく、トナーの流動性が悪化し、ベタ画像の濃度ムラが顕在化するという問題があった。
結局、現在まで上記の問題を総合的に解決する手段が見いだされていないのが実情である。
特開2007−206179号公報 特開2008−145476号公報
本発明は、上記問題を解決する為になされた。
即ち、本発明の目的は、高速で高画質画像を形成でき、低温定着性が良好で、トナーの耐ブロッキング性や耐破砕性、耐オフセット性が高く、定着時の画像支持体分離性もよく、白スジ、画像濃度ムラも生じない静電潜像現像用トナーを提供することにある。
本発明の目的を達成すべく、本発明者が鋭意検討した結果、下記の構成を採ることにより、現在の水準を遙かにしのぐ特性が得られることがわかった。
(1)
少なくとも結着樹脂と離型剤及び着色剤を水系媒体中に分散させて分散液を作製し、液中の分散粒子を凝集・融着させて作製された静電潜像現像用トナーにおいて、該結着樹脂が少なくともポリエステル成分を含有する樹脂であり、且つ、該離型剤が下記A、B、Cの3種のワックスを併用した離型剤組成物であることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
A:エステル化合物であるワックス
B:少なくとも分岐または環状構造のいずれかを有する炭化水素系ワックス
C:スチレン系またはスチレン/アクリル系重合体がグラフトしたワックス
(2)
前記結着樹脂と前記離型剤を水系媒体中に混合分散した分散液と、前記着色剤を水系媒体中に分散させた分散液を別に作製し、両分散液を混合した後、液中の分散粒子を凝集・融着させて作製されたことを特徴とする前記(1)記載の静電潜像現像用トナー。
本発明により、高速で高画質画像を形成でき、低温定着性が良好で、トナーの耐ブロッキング性や耐破砕性、耐オフセット性が高く、定着時の画像支持体分離性もよく、白スジ、画像濃度ムラも生じない静電潜像現像用トナーを提供することができる。
本発明につき更に説明を加える。
まず、本発明の構成により如何にして本発明の効果が得られるかは、特に解析したわけではない。
その理由を推測するに、結着樹脂にポリエステル樹脂を用いると、低温定着性と耐熱保管性の両立がなされやすいことは一応知られていた。しかしながら、ポリエステル系結着樹脂は離型剤との親和性が一般的に悪く、ポリエステル系結着樹脂は離型剤を均一に微分散させ難い。何とかポリエステル系結着樹脂に離型剤を均一分散してもその分散粒径はあまり細かくならず、トナー形成後に機械的或いは熱的ストレスが加えられると、離型剤が分離してトナー粒子表面へとしみ出してくる傾向がある。
一方、現在、高画質化を目指してトナー粒径は小さく、粒径分布を狭くする必要に迫られており、トナー製造時には結着樹脂と離型剤及び着色剤を水系媒体中に分散させた水系分散液を作製し、該液中の分散粒子を凝集・融着させて製造される。しかし、特に分散粒子を凝集・融着させる製造方法を用いたとき、特に融着工程で熱が加えられる為か、離型剤粒子を微分散させることが困難である。
本発明の構成は、上記難問を解決し、離型剤粒子を微分散させ離型剤が分離してトナー粒子表面へとしみ出してくるのを防止する対策を、鋭意検討した結果見いだされたものである。本発明の構成により、離型剤との親和性が一般的には悪いポリエステル系結着樹脂を用いながら、スチレン/アクリル系結着樹脂を使用した以上の耐熱保管性を達成できる。
以下、本発明に用いられる化合物、トナー等の作製方法について、さらに説明をおこなう。
〔エステル化合物よりなるワックス〕
本発明で用いられるエステル化合物よりなるワックスとは、下記一般式で示されるエステル系ワックスである。
−(OCO−R
(式中、R、Rは置換基を有しても良い炭化水素基を示す。nは1〜4の整数である。)
具体的にはトリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート、ベヘン酸ベヘネート、ベヘン酸ステアレート等が挙げられる。
〔分岐鎖状構造および/または環状構造を有する炭化水素系ワックス〕
本発明のトナーを構成する分岐鎖状構造および/または環状構造を有する炭化水素化合物における分岐の割合、即ち、分岐鎖状構造および/または環状構造を有する炭化水素化合物を構成する全炭素原子中の3級炭素原子および4級炭素原子の合計の割合は、下記の方法によって得られる値である。この値は0.1〜20%であることが好ましく、0.3〜1.0%であることがさらに好ましい。
分岐鎖状構造および/または環状構造を有する炭化水素化合物における分岐の割合は、具体的には、下記条件における13C−NMR測定方法により得られるスペクトルにより、下記式により算出することができる。
分岐の割合(%)={(C3+C4)/(C1+C2+C3+C4)}×100
(上記式において、C3は3級炭素原子に係るピーク面積、C4は4級炭素原子に係るピーク面積、C1は1級炭素原子に係るピーク面積、C2は2級炭素原子に係るピーク面積を示す。)
13C−NMR測定方法の条件)
測定装置 :FT NMR装置 Lambda400(日本電子社製)
測定周波数 :100.5MHz
パルス条件 :4.0μs
データポイント:32768
遅延時間 :1.8sec
周波数範囲 :27100Hz
積算回数 :20000回
測定温度 :80℃
溶媒 :ベンゼン−d6/o−ジクロロベンゼン−d4=1/4(v/v)
試料濃度 :3質量%
試料管 :径5mm
測定モード :1H完全デカップリング法
分岐鎖状構造および/または環状構造を有する炭化水素化合物を構成する全炭素原子中の3級炭素原子および4級炭素原子の合計の割合が0.1〜20%の範囲であることにより、当該分岐鎖状構造および/または環状構造を有する炭化水素化合物が、低融点でありながら気化成分を発生させにくいものとなる。
分岐鎖状構造および/または環状構造を有する炭化水素化合物としては、例えば、日本精鑞(株)製のHNP−0190、Hi−Mic−1045、Hi−Mic−1070、Hi−Mic−1080、Hi−Mic−1090、Hi−Mic−2045、Hi−Mic−2065、Hi−Mic−2095などのマイクロクリスタリンワックスや、イソパラフィンが主成分であるワックスEMW−0001、EMW−0003なども挙げられる。
ここに、マイクロクリスタリンワックスとは、石油ワックスの中で、主成分が直鎖状炭化水素(ノルマルパラフィン)であるパラフィンワックスとは異なり分岐鎖状炭化水素(イソパラフィン)や、環状炭化水素(シクロパラフィン)の割合が多いワックスをいい、一般に、マイクロクリスタリンワックスは、低結晶性のイソパラフィンやシクロパラフィンが多く含有されているために、パラフィンワックスに比べて結晶が小さく、パラフィンワックスに比べて分子量が大きいものである。
(分岐鎖状構造および/または環状構造を有する炭化水素化合物の製造方法)
以上のような分岐鎖状構造および/または環状構造を有する炭化水素化合物系ワックスを得るための製造方法としては、原料油を特定温度に維持した状態で固化した炭化水素を分離して取り出すプレス発汗法、および石油の減圧蒸留残渣油または重質留出油である原料油に溶剤を加えて結晶化させ、濾別する溶剤抽出法の2つが挙げられるが、後者の溶剤抽出法が好ましい。
また、上記の製造方法によって得られる分岐鎖状構造および/または環状構造を有する炭化水素化合物は着色されているため、硫酸白色土などを用いて精製してもよい。
〔スチレン系またはスチレン/アクリル系重合体がグラフトしたワックス〕
ワックスに、スチレン系又はスチレンアクリル系ポリマーがグラフト重合したワックスをいう。
スチレン系モノマーとしてはスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等が挙げられる。
また、スチレンアクリル系ポリマーに用いられるアクリル酸系モノマーとして、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等が挙げられる。
スチレン系又はスチレンアクリル系ポリマーをグラフトさせる前の原体のワックスとしては、天然パラフィンワックス、合成パラフィンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス等が挙げられる。
合成方法としては、ワックスとスチレン系或いはスチレン/アクリル系モノマーを用い、通常の方法及び条件に従ってグラフト化したワックスを得ることができる。具体的には例えば、放射線を利用する方法、ラジカル触媒を用いる方法等を利用することができるが、ラジカル触媒を用いる方法が特に好ましい。
離型剤の含有量は、エステル化合物よりなるワックス、分岐および/または環状構造を有する炭化水素系ワックス、スチレン系またはスチレン/アクリル系重合体がグラフトしたワックスの合計含有量として、トナー全体に対して2〜30質量%が好ましく、3〜20質量%がより好ましい。
上記ワックスの配合比は、エステル化合物よりなるワックスが40〜85質量%、分岐および/または環状構造を有する炭化水素系ワックスが2〜58質量%、スチレン系またはスチレン/アクリル系重合体がグラフトしたワックスが2〜40質量%が好ましい。
分岐および/または環状構造を有する炭化水素系ワックスエステル化合物、スチレン系またはスチレン/アクリル系重合体がグラフトしたワックスは低融点でありながら気化成分を発生しにくいものであり、さらに低温での定着性、離型性が良好なエステル化合物よりなるワックスと、3種が上記比率で同時に存在することによって、ワックス同士が互いに適度に相溶しポリエステル系結着樹脂に対する親和性が高まり、乳化会合法でトナーを形成した場合でもトナー内部への離型剤の取り込みが良好となり均一に微分散されるようになる。したがって、低温での定着性、分離性が十分に確保できるようになり、さらにワックスの表面露出が少なく気化成分も少ないため、ベタ画像ムラや白スジなどの画像劣化もおこさないトナーを得ることが可能となる。
〔ポリエステル成分を含有する樹脂〕
ポリエステル成分を含有する樹脂は、モノマー成分として多価カルボン酸と多価アルコールを用いて形成することができる。
多価カルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族カルボン酸類、無水マレイン酸、フマル酸、コハク酸、アルケニル無水コハク酸、アジピン酸等の脂肪族カルボン酸類、シクロヘキサジカルボン酸等の脂環式カルボン酸類が挙げられる。これらの多価カルボン酸類を1種又は2種以上用いることができる。これら多価カルボン酸の中でも、芳香族カルボン酸を使用することが好ましく、また良好なる定着性を確保するためにジカルボン酸とともに3価以上のカルボン酸(トリメリット酸やその酸無水物等)を併用し、架橋構造或いは分岐構造を構成することが好ましい。
多価アルコールとしては、例えば、ブタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリンなどの脂肪族ジオール類、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環式ジオール類、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳香族ジオール類、これら多価アルコールの1種又は2種以上を用いることができる。これら多価アルコールの中では、芳香族ジオール類、脂環式ジオール類が好ましく、このうち芳香族ジオールがより好ましい。また、良好な定着性を確保するため、架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジオールとともに3価以上の多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール)を併用しても良い。
なお、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合によって得られた非結晶性ポリエステル樹脂に、さらにモノカルボン酸、及び/又はモノアルコールを加えて、重合末端のヒドロキシル基、及び/又はカルボキシル基をエステル化し、ポリエステル樹脂の酸価を調整しても良い。モノカルボン酸としては酢酸、無水酢酸、安息香酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、無水プロピオン酸等を挙げることができ、モノアルコールとしてはメタノール、エタノール、プロパノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、トリフルオロエタノール、トリクロロエタノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、フェノールなどを挙げることができる。
また、本発明に用いられる結着樹脂として、ポリエステル成分が含まれていればよく、ポリエステル樹脂に、スチレン系またはスチレンアクリル系重合体等がグラフトした樹脂を用いることができる。
〔トナー製造方法〕
トナーの製造工程のその一例を用いて説明するが、無論、本発明の実施態様はこの方法に限られるものではない。
(1)少なくとも重合性の多価カルボン酸成分と多価アルコール成分を有する重合性単量体溶液を重合してポリエステル樹脂を作製する工程、
(2)該ポリエステル樹脂とワックスとを水系媒体中に分散して、ワックスを含むポリエステルの樹脂粒子の分散液を作製する工程、
(3)水系媒体中に着色剤を分散して、着色剤の分散液を作製する工程、
(4)ワックスを含むポリエステルの樹脂粒子の分散液と着色剤の分散液を混合した後、混合液のpHを調整し、樹脂粒子と着色剤粒子とを凝集・融着させて会合粒子の分散液を作製する凝集・融着工程、
(5)会合粒子を熱エネルギーにより熟成させて形状を調整し、トナー母体粒子の分散液を得る工程、
(6)トナー母体粒子の分散液を冷却する工程、
(7)冷却されたトナー母体粒子の分散液から、トナー母体粒子を固液分離し、当該トナー母体粒子から界面活性剤などを除去する洗浄工程、
(8)洗浄処理されたトナー母体粒子を乾燥させる乾燥工程、
(9)乾燥処理されたトナー母体粒子に外添剤を添加してトナー粒子を得る外添剤添加工程、
から構成される。
以下、各工程について詳細に説明する。
(1)ポリエステル樹脂を作製する工程
多価カルボン酸モノマー及び多価アルコールモノマーを混合し重合性単量体溶液を調製する。さらに加熱しながら反応系内を均一撹拌し、触媒を投入することで重縮合反応させ、生成する水を除去しながら加熱を継続することで、ポリエステル樹脂を合成することができる。
(2)ワックスを含むポリエステルの樹脂粒子の分散液を作製する工程
ワックスを含むポリエステル樹脂の分散液の製造は、公知の乳化方法を用いることができる。
例えば水に混和せずポリエステル樹脂とワックスとを溶解する酢酸エチル等の有機溶媒にポリエステル樹脂とワックスを溶解した後、界面活性剤水溶液に該溶解液を加え、機械的手段により微分散した後、溶媒を除去する方法を用いることができる。機械的手段としては、超音波ホモジナイザー(日本精機株式会社)、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社)、マイクロフルイダイザー(みずほ工業株式会社)、クレアミックス(エムテクニック株式会社)等が挙げられる。
(3)着色剤の分散液を作製する工程
着色剤の分散液を作製する工程は、界面活性剤を含む水系媒体中に着色剤粒子を分散する工程である。
着色剤微粒子の分散処理は、水中で界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度(CMC)以上にした状態で行われる。着色剤微粒子の分散処理に使用する分散機としては特に限定されないが、好ましくは超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザーなどの加圧分散機、サンドグラインダー、ゲッツマンミルやダイヤモンドファインミルなどの媒体型分散機が挙げられる。
(4)会合粒子を得る凝集・融着工程
この工程では、ワックスを含むポリエステル樹脂粒子の分散液と着色剤とを凝集・融着して会合粒子を作製する工程である。例えば、ワックスを含むポリエステル樹脂粒子の分散液と着色剤とが存在している水系媒体中のpHを調整し、多価金属イオン化合物からなる凝集剤を添加し、次いで、前記樹脂粒子のガラス転移点以上の温度に加熱することで塩析を進行させると同時に融着を行うことができる。
(5)トナー母体粒子の分散液を得る工程
この工程では、凝集・融着した粒子に加熱撹拌を継続することにより、粒子の形状を制御する工程である。加熱撹拌時間は、1〜7時間が好ましく、2〜5時間がより好ましい。
(6)冷却工程
この工程は前述の工程で作製された着色粒子の分散液を冷却処理する工程で、1〜20℃/分の冷却速度で処理するものである。この工程で用いられる冷却処理方法としては、例えば、反応容器外部より冷媒を投入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法等が挙げられる。
(7)洗浄工程
この工程は、所定温度まで冷却後、冷却されたトナー母体粒子の分散液からトナー粒子を固液分離し、固液分離して得られたトナーケーキ(ウェット状のトナー粒子をケーキのような円筒形状に整えたもの)を洗浄し、界面活性剤等の付着物を除去する洗浄工程である。
尚、固液分離は、遠心分離の他、ヌッチェ等を用いた減圧濾過、フィルタープレス等を用いた濾過等、何れの方法でもよい。
(8)乾燥工程
この工程は、洗浄されたトナーケーキを乾燥処理する工程である。乾燥処理には、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機等を用いることができる。乾燥されたトナー母体粒子の水分は、1質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.5質量%以下である。なお、乾燥されたトナー母体粒子同士が弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体をジェットミル、ヘンシェルミキサー等によって解砕処理してもよい。
(9)外添剤添加工程
この工程は、乾燥によって得られたトナー母体粒子に外添剤を混合する工程である。トナー母体粒子に外添剤を混合することで静電荷像現像用トナーが得られる。
〔着色剤〕
本発明に係わるトナーは、画像の可視化のために着色剤を含有する。着色剤としては、公知のものが使用できる。
例えば、カーボンブラック、黒色酸化鉄、染料、顔料等を任意に使用することができ、カーボンブラックとしてはチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等が使用される。黒色酸化鉄としてはマグネタイト、ヘマタイト、三酸化チタン鉄等を用いることができる。
染料としてはC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等を用いることができ、又これらの混合物も用いることができる。顔料としてはC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同48:3、同53:1、同57:1、同81:4、同122、同139、同144、同149、同150、同166、同177、同178、同222、同238、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同156、同158、同180、同185、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントブルー15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同60等を用いることができ、これらの混合物も用いることができる。数平均1次粒子径は種類により多様であるが、概ね10〜200nm程度が好ましい。
着色剤の含有量はトナー全体に対して、2〜30質量%が好ましく、3〜20質量%であることがより好ましい。
〔荷電制御剤〕
本発明に係わるトナーは、その帯電特性を調整するために公知の荷電制御剤を添加することができる。荷電制御剤としては、サルチル酸錯体、ベンジル酸錯体等のオキシカルボン酸錯体が挙げられ、その酸錯体を構成する中心金属としてはアルミニウム、カルシウム、亜鉛等が挙げられる。また、オキシカルボン酸錯体の他に、4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミニウム、鉄、クロム等のアゾ錯体染料、トリフェニルメタン系顔料などが挙げられる。
〔トナーの粒径・形状〕
本発明のトナーの粒径は体積平均粒径で2.5〜7.0μmであることが好ましい。2.5μmより小さいとトナーの製造安定性が確保しにくく、画像形成時にクリーニングプロセスにおいて、すり抜けなどの不具合が生じやすくなる。また、7.0μmを超えると、定着プロセスにおいてトナーへの熱伝達時に不利になり、定着装置の加熱部材の温度を150℃以下に設定した際の低温定着性が確保しにくくなる。
〔現像剤〕
本発明のトナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤およびキャリアと混合して二成分現像剤として使用することができる。本発明のトナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなる分散型キャリアなど用いてもよい。
キャリアの体積基準のメジアン径としては15〜100μmであることが好ましく、更に好ましくは20〜80μmとされる。
〔画像形成方法〕
本発明のトナーは、モノクロの画像形成方法やフルカラーの画像形成方法など電子写真方式の公知の種々の画像形成方法において用いることができる。
本発明のトナーが用いられる画像形成方法は、像担持体上に均一な帯電電位を付与する帯電工程、均一な帯電電位が付与された像担持体上に静電潜像を形成する露光工程、静電潜像をトナーにより現像してトナー像に顕像化する現像工程、トナー像を転写材上に転写する転写工程、転写材上のトナー像を定着する定着工程を少なくとも有する。
次に本発明の代表的実施態様を示し、本発明の構成とその効果につき具体的な説明を行う。しかしながら、本発明の権利範囲は、無論これらに限定されるわけではない。
尚、文中「部」とは、「質量部」を表す。
〔離型剤の作製〕
(エステル化合物よりなるワックス)
エステル化合物よりなるワックスは、表1に記載のベヘン酸ベヘニル(融点:73℃)とペンタエリスリトールテトラステアレート(融点:77℃)を準備した。これをワックスNo.1及び2とする。
(分岐鎖状構造および/または環状構造を有する炭化水素系ワックスの精製)
石油減圧蒸留残渣油または重質留出油である原料油を、溶剤抽出法により分離して、表1のワックスNo.3に示す分岐鎖状構造および/または環状構造を有する炭化水素系ワックスを得た。
(スチレン系重合体によりグラフトしたワックスの作製)
(グラフトワックス(1)の作製)
撹拌装置、窒素導入管、温度制御装置、精留塔を備えたフラスコにパラフィンワックス(融点78℃)500質量部を撹拌しながら加熱溶融した。その後、スチレンモノマー100質量部に反応開始剤ジクミルパーオキシド5質量部を混合した液を滴下し、5時間にわたり反応を継続し、グラフトワックス(1)を得た。これをワックスNo.4とする。
(グラフトワックス(2)の作製)
スチレンモノマーの量を50質量部に変更した以外は、グラフトワックス(1)と同様にして、グラフトワックス(2)を得た。これをワックスNo.5とする。
Figure 2011232486
〔ポリエステル成分を含有する樹脂〕
(非結晶性ポリエステル樹脂の合成)
撹拌装置、窒素導入管、温度制御装置、精留塔を備えたフラスコに、下記に示す多価カルボン酸モノマー及び多価アルコールモノマーを混合し、反応液を調製した。この反応液を1時間かけて190℃まで昇温し、反応系内が均一に撹拌されていることを確認した後、触媒Ti(OBu)(非結晶性ポリエステル樹脂のカルボン酸成分の全量に対し、0.003質量%分)を投入した。
反応液(多価カルボン酸モノマー)
テレフタル酸 12.50質量部
フマル酸 13.90質量部
イソフタル酸 0.55質量部
トリメリット酸 5.20質量部
(多価アルコールモノマー)
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
76質量部
ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
24質量部
生成される水を留去しながら、同温度から6時間を要して240℃まで昇温し、240℃でさらに6時間、脱水縮合反応を継続して重合を行って、「非結晶性ポリエステル樹脂」を得た。
得られた非結晶性ポリエステル樹脂を示差走査熱量計「DSC−7」(パーキンエルマー製)を用い、昇温速度3℃/minにて得られた樹脂の熱特性を測定した結果、ガラス転移温度Tgは64℃であった。
(樹脂粒子の分散液(1)の調製)
得られた「非結晶性ポリエステル樹脂」300質量部を、1200質量部の酢酸エチル(関東化学社製)に撹拌しながら添加し溶解した後、表2に示す離型剤 計30質量部を添加し加熱溶解させた。次いで、予め作製した0.26質量%濃度のラウリル硫酸ナトリウム溶液1914質量部と混合し、撹拌しながら超音波ホモジナイザー「US−150T」(日本精機製作所製)でV−LEVEL 300μA で30分間超音波分散した後、50℃に加温した状態でダイヤフラム真空ポンプV−700(BUCHI社製)を使用し、減圧下で6時間撹拌しながら酢酸エチルを完全に除去して、平均粒径(体積基準におけるメジアン径(D50))が180nm、固形分量が20質量部の「樹脂粒子の分散液(1)」を得た。
(樹脂粒子の分散液(2)〜(8)の調製)
それぞれ離型剤として表2に示されるものを用いたこと以外は「樹脂粒子の分散液(1)」と同様にして、樹脂粒子分散液(2)〜(8)を得た。
〔顔料粒子の調製〕
(顔料粒子分散液(1)の調製)
アニオン系界面活性剤としてポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム59gをイオン交換水1600mlに撹拌溶解した。この溶液を撹拌しながら、青色顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)420gを徐々に添加し、次いで「クレアミックス」(エムテクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤粒子の分散液を調製した。分散させた青色顔料の粒径を動的光散乱粒度分布測定装置、ELS−800(大塚電子工業社製)を用いて測定したところ、平均粒径は172nmであった。これを顔料粒子分散液(1)とする。
〔トナー(1)の製造〕
《着色粒子(1)の調製》
樹脂粒子の分散液(1)、300.0質量部(固形分換算)と顔料粒子分散液(1)、12.0質量部(固形分換算)の混合液とイオン交換水1400質量部とを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた反応容器(四つ口フラスコ)に入れ撹拌した。容器内の温度を30℃に調製した後、この溶液に5モル/L(リットル)の水酸化ナトリウム水溶液を加えて、pHを10.0に調製した。
次いで塩化マグネシウム・6水和物35.0質量部をイオン交換水35.0質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に80℃まで昇温し、会合粒子の生成を行った。この状態で、「マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)」にて会合粒子の粒径を測定し、体積基準におけるメジアン径が6.5μmになった時点で、塩化ナトリウム150gをイオン交換水600mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、更に熟成処理として液温度90℃にて加熱撹拌することにより、粒子の融着を進行させた。この状態で「FPIA−2100」にて会合粒子の形状を測定し、形状係数が0.965になった時点で30℃まで冷却し、撹拌を停止した。生成した会合粒子を濾過し、40℃のイオン交換水で繰り返し洗浄を行い、その後、40℃の温風で乾燥することにより、着色粒子(1)を得た。着色粒子の個数基準メジアン径と円形度を再度測定したところ、それぞれ6.5μm、0.966であった。
《外添処理》
疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)を1.0質量%となる割合で添加するとともに、疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)を1.2質量%となる割合でそれぞれ添加し、ヘンシェルミキサーにより混合することにより、トナー(1)を製造した。
〔トナー(2)〜(8)の製造〕
樹脂粒子の分散液(1)をそれぞれ樹脂粒子の分散液(2)〜(8)に変更した以外は同様にして、トナー(2)〜(8)を作製した。
Figure 2011232486
〔現像剤の調製〕
トナー(1)〜(8)に対して、それぞれシリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径35μmのフェライトキャリアをトナー濃度が7%になるよう混合することにより、現像剤(1)〜(8)を調製した。
〔トナーの特性評価〕
評価用の画像形成装置としては、複写機「bizhub PRO C6500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)を用いた。
尚、定着装置は、加熱ローラの表面温度を120〜170℃の範囲で、10℃刻みで変更できるように改造したものを用いた。
この画像形成装置に上記で作製した各トナーと現像剤を順次装填し、A4サイズの上質紙(64g/m)にプリントを行った。
(低温定着性)
常温常湿(20℃、55%RH)の環境下において、定着温度を120〜170℃の範囲で5℃刻みで変化させながら、複写機「bizhub PRO C6500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)にて、1.5cm×1.5cmのベタ画像(付着量2.0mg/cm)をとり、それぞれの画像を真中から2つに折り曲げてその画像の耐剥離性を目視にて評価した。画像が若干剥離した時の定着温度と全く剥離しない下限の定着温度との間の温度を定着下限温度とした。
○:定着下限温度が140℃未満であった
△:定着下限温度が140℃以上、150℃未満であった(実用上問題なし)
×:定着下限温度が150℃以上であった(実用上問題あり)。
(定着分離性)
常温常湿(20℃、55%RH)の環境下において、加熱ローラの表面温度を120℃、140℃、160℃と変化させ、それぞれの表面温度の際に、搬送方向に対して垂直方向に5mm幅のベタ帯状画像を有するA4画像をA4判上質紙(64g/m)上に形成し、縦送りで搬送した際における画像側の加熱ローラと紙との分離性を評価した。
○:A4判上質紙がカールすることなく加熱ローラと分離する
△:A4判上質紙が加熱ローラと分離爪で分離するが、画像上に分離爪の後はほとんど目立たない(実用上問題なし)
×:A4判上質紙が加熱ローラと分離爪で分離し、画像上に分離爪跡が残る、もしくは加熱ローラに巻きついてしまい当該加熱ローラと分離できない。
(帯状・スジ状画像欠陥)
常温常湿(20℃、55%RH)の環境下において、定着ベルトの表面温度を140℃とした状態でA4サイズの上質紙(64g/m)上に、画素率7%の文字画像、人物顔写真画像、相対画像濃度0.6のシアンハーフトーンベタ画像を形成した混合画像をテスト画像として10000枚形成し、10000枚目に得られたテスト画像について、帯状または白スジ状の画像欠陥を目視により観察し、評価を行った。
◎:全く発生なしである
○:シアンハーフトーンベタ画像においてスジ状に若干濃度が薄くなっている箇所がある
△:シアンハーフトーンベタ画像においては白スジが数本あるものの、文字画像、人物顔写真画像では目立たない(実用上問題なし)
×:シアンハーフトーンベタ画像において、はっきりと白スジが確認される(実用上問題あり)
(画像濃度ムラ)
常温常湿(20℃、55%RH)の環境下において、定着ベルトの表面温度を140℃とした状態でA4サイズの上質紙(64g/m)上に、原稿画像濃度1.30の全面ベタ画像を100枚形成した。
その後、画像の四隅と中央部の合計5ヶ所に原稿反射濃度1.30のベタ画像を設定した原稿を複写し、白紙に対する出力画像の相対反射濃度を5ヶ所について測定した。上記の方法にて求めた5ヶ所の画像反射濃度の最大値と最小値の差分を画像濃度ムラとした。
○:画像濃度ムラは0.05未満
△:画像濃度ムラは0.05以上0.10未満(実用上問題なし)
×:画像濃度ムラは0.10以上(実用上問題あり)
評価結果は下記「表3」に示す。
Figure 2011232486
本発明内の実施例1〜5はいずれの特性も実用可能な範囲にあるが、本発明外の比較例1〜3は少なくともいずれかの特性に問題があることがわかる。

Claims (2)

  1. 少なくとも結着樹脂と離型剤及び着色剤を水系媒体中に分散させて分散液を作製し、液中の分散粒子を凝集・融着させて作製された静電潜像現像用トナーにおいて、該結着樹脂が少なくともポリエステル成分を含有する樹脂であり、且つ、該離型剤が下記A、B、Cの3種のワックスを併用した離型剤組成物であることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
    A:エステル化合物であるワックス
    B:少なくとも分岐または環状構造のいずれかを有する炭化水素系ワックス
    C:スチレン系またはスチレン/アクリル系重合体がグラフトしたワックス
  2. 前記結着樹脂と前記離型剤を水系媒体中に混合分散した分散液と、前記着色剤を水系媒体中に分散させた分散液を別に作製し、両分散液を混合した後、液中の分散粒子を凝集・融着させて作製されたことを特徴とする請求項1記載の静電潜像現像用トナー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017044980A (ja) * 2015-08-28 2017-03-02 キヤノン株式会社 トナー

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