JP2011231826A - エンジンの軸受構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンケースの内部に回転可能に軸支される回転軸の位置ずれを防止でき、かつ組み立てが容易なエンジンの軸受構造を提供することを目的とする。
【解決手段】エンジンケース12と、前記エンジンケース12に取り付けられた軸受ホルダー79、83と、前記軸受ホルダー79、83に支持された軸受部材(ボールベアリング80、ニードルベアリング71)と、前記軸受部材(ボールベアリング80、ニードルベアリング71)に回転自在に軸支された変速軸(変速出力軸33)と、を有する変速装置72を備えたエンジン11において、前記エンジンケース12と前記軸受ホルダー79、83との間に、当該エンジンケース12および当該軸受ホルダー79、83よりも熱膨張率の高い膨張部材80を配設した。
【選択図】図6

Description

本発明は、エンジンの軸受構造に関するものである。特に、エンジン内部に回転自在に軸支された変速軸の軸受構造に関するものである。
例えば自動二輪車のエンジンには、変速装置の一部を構成する変速出力軸が組み付けられているものがある。特許文献1および特許文献2には、変速出力軸がエンジンケースの側壁に設けられた開口部に挿入され、軸受部材及び軸受ホルダーを介してエンジンケースに組み付けられたエンジンの構造および組み立て方法が開示されている。このように変速出力軸を開口部から挿入して組み立てる方法では、組み立てを容易に行うために、軸受ホルダーとエンジンケースとの間および軸受ホルダーと軸受部材との間に十分な隙間を設けている。
特開2007−85325号公報 特開2007−85326号公報
しかしながら、上述した隙間は、エンジン運転状態および変速装置の作動時において、変速出力軸の位置ずれの原因となり、変速装置の作動精度に影響を与えてしまうという問題があった。また、一般的に、エンジンケースはアルミニウム合金により鋳造成型され、軸受ホルダーは鉄(より詳しくは鋼)により構成される。アルミニウム合金は鉄と比して熱膨張率が高いため、エンジン暖機時においては、エンジンケースと軸受ホルダーとの間の隙間がより大きくなってしまう。したがって、この拡大した隙間によって、変速装置の作動精度により影響を与えてしまうことになる。また、軸受ホルダーをアルミニウム合金で構成し、軸受部材を鉄で構成した場合も同様の問題が発生する。
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、エンジンケースの内部に回転自在に軸支された変速軸の位置ずれを防止し、かつ組み立てが容易なエンジンの軸受構造を提供することを目的とする。
本発明に係るエンジンの軸受構造は、エンジンケースと、前記エンジンケースに取り付けられた軸受ホルダーと、前記軸受ホルダーに支持された軸受部材と、前記軸受部材に回転自在に軸支された変速軸と、を有する変速装置を備えたエンジンにおいて、前記エンジンケースと前記軸受ホルダーとの間に、当該エンジンケースおよび当該軸受ホルダーよりも熱膨張率の高い膨張部材を配設したことを特徴とする。
また、本発明に係るエンジンの軸受構造は、エンジンケースと、前記エンジンケースに取り付けられた軸受ホルダーと、前記軸受ホルダーに支持された軸受部材と、前記軸受部材に回転自在に軸支された変速軸と、を有する変速装置を備えたエンジンにおいて、前記軸受ホルダーと前記軸受部材との間に、当該軸受ホルダーおよび当該軸受部材よりも熱膨張率の高い膨張部材を配設したことを特徴とする。
また、本発明に係るエンジンの軸受構造は、エンジンケースと、前記エンジンケースに取り付けられた軸受部材と、前記軸受部材に回転自在に軸支された変速軸と、を有する変速装置を備えたエンジンにおいて、前記エンジンケースと前記軸受部材との間に、当該エンジンケースおよび当該軸受部材よりも熱膨張率の高い膨張部材を配設したことを特徴とする。
本発明によれば、膨張部材は、常温時には部材間の十分な隙間によって変速軸の組み付け性を良好に確保することができ、エンジン暖機時には膨張部材が上述した隙間を埋めることによって変速軸の位置ずれを防止でき、変速装置の作動精度を向上させることができる。
本実施形態に係る自動二輪車の左側面図である。 エンジンと排気装置との結合状態を示す拡大左側面図である。 エンジン周辺の拡大左側面図である。 図3に示すI−I線に沿うエンジンケースの展開図である。 ミッション室の拡大断面図である。 第1の実施形態に係る変速出力軸周辺の構成を示す拡大断面図である。 第2の実施形態に係る変速出力軸周辺の構成を示す拡大断面図である。 第3の実施形態に係る変速出力軸周辺の構成を示す拡大断面図である。
以下、図面に基づき、本発明に係るエンジンの軸受構造を有する自動二輪車の好適な実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
まず、図1を参照して自動二輪車の全体構成について説明する。図1は本実施形態に係る自動二輪車の左側面図である。なお、以下で説明する図には、必要に応じて車体の前方を矢印Frにより、車体の後方を矢印Rrにより、車体の右側を矢印Rにより、車体の左側を矢印Lによりそれぞれ示す。
図1において、自動二輪車の車体1は、鋼製あるいはアルミニウム合金材からなる複数の車体フレーム2を骨格としている。車体1は、前半部が樹脂製の流線型なフロントカウリング3によって覆われ、後半部がリアカウリング4によって覆われている。
車体1の上部中央には、燃料タンク5が車体フレーム2によって支持されている。燃料タンク5の後方には、ライダーシート6および同乗者用シート7が配置されている。
車体1の前方であって、車体フレーム2の前頭部には、ハンドルバー8が車幅方向に沿って配設されている。ハンドルバー8の前方下部には、ハンドルバー8の回動によって左右に向きが変動する一対のフロントフォーク9が設けられている。一対のフロントフォーク9は、前輪10を回動自在に軸支する。
車体1の略中央には、並列4気筒の水冷4サイクル形式のエンジン11が車体フレーム2に懸架搭載されている。エンジン11は、そのエンジンケース12の前上部にシリンダーアッセンブリー13が設置され、エンジンケース12の下面にオイルパン14が設けられている。シリンダーアッセンブリー13の後部には燃料噴射装置(スロットルボディー)15が接続され、さらに燃料タンク5の下面に設けられた凹部内に設置されたエアクリーナー16が接続されている。また、シリンダーアッセンブリー13の前方にラジエーター17が設けられている。
車体フレーム2の中央下部、すなわちエンジン11の直後にて車幅方向に架設されたピボット軸18に後輪19を支持するスイングアーム20が上下揺動自在に軸支されている。スイングアーム20の基端部かつエンジン11の後方に、後輪懸架装置21が配設されている。後輪懸架装置21は、クッションユニット22を備え、その上端が車体フレーム2に連結され、下端がリンク23等を介してスイングアーム20に連結されている。
また、エンジン11には排気装置24が設置されている。
図2は、エンジンと排気装置との結合状態を示す拡大左側面図である。図2に示すように、排気装置24は、エンジン11の気筒数分(本実施形態では4本)の第一排気管25aと、第一集合部25bと、第二集合部25cと、第二排気管25dと、膨張室本体25eと、消音器25fとを備えている。
図3は、エンジン周辺の拡大左側面図である。図2および図3に示すように、エンジンケース12はアッパーケース26とロアーケース27とを備えた上下2分割構造である。アッパーケース26とロアーケース27との合わせ面28は、車体側面視で直線状(即ち単一平面状)に形成され、車体側面視では前下がりに傾斜している。なお、図2に示すように、エンジンケース12の前面にはオイルフィルター29が配設されている。また、図3に示すように、エンジンケース12の左側面にはウォーターポンプ30が配設され、シリンダーアッセンブリー13の背面にはスタータモータ31が配設されている。
エンジンケース12の合わせ面28の位置には、図2に示すように、車幅方向に延びるクランクシャフト32と変速軸としての変速入力軸33と二次バランサシャフト34が軸支されている。また、ロアーケース27には、変速軸としての変速出力軸35が軸支されている。合わせ面28の位置に軸支される回転軸の順番は、前方から二次バランサシャフト34、クランクシャフト32、変速入力軸33の順である。変速出力軸35は、変速入力軸33の下方に配置されている。変速出力軸35にはドライブスプロケット36が結合されていて、後輪19に設けられたドリブンスプロケット37との間にドライブチェーン38が巻装されている(図1を参照)。
シリンダーアッセンブリー13は、アッパーケース26の前側上方に、車両側面視で前傾するような態様で設置されている。具体的に、シリンダーアッセンブリー13は、エンジンケース12の合わせ面28に対して直交する方向に起立している。また、シリンダーアッセンブリー13は、アッパーケース26に一体成形されたシリンダーブロック39と、シリンダーヘッド40と、シリンダーヘッドカバー41とを備えて構成されている。また、図2に示すように、燃料噴射装置15は、シリンダーヘッド40の後面に開口する吸気ポート42に接続されている。また、排気装置24は、シリンダーヘッド40の前面に開口する排気ポート43に接続されている。
図4は、図3に示すI−I線に沿うエンジンケース12の展開図である。図5は、図4に示す変速装置の拡大図である。図4に示すように、エンジンケース12の前側には、クランクシャフト32が収容されるクランク室50が形成されている。クランク室50の前方には二次バランサシャフト34が収容されるバランサシャフト室51が形成され、後方にはミッションギヤ52が収容されるミッション室53がそれぞれ形成されている。また、クランク室50の左側面にはマグネトカバー54が被装されている。さらに、エンジンケース12の右側面全体には、クラッチカバー55が被装されている。
クランクシャフト32は、クランク室50内に設けられた5つのメタル軸受56に軸支されている。クランクシャフト32は、4本のコンロッド57が連接されるクランクピン58とクランクウェブ59が一体に形成されている。左から3番目のクランクウェブ59の外周には、バランサドライブギヤ60が形成されている。また、右から2番目のクランクウェブ59の外周に、1次ドライブギヤ61が形成されている。クランクシャフト32の左端にはフライホイールマグネト62とスタータドリブンギヤ63とが設けられている。
二次バランサシャフト34は、バランサシャフト室51内でメタル軸受64に軸支されている。二次バランサシャフト34にはバランサドライブギヤ60と噛合するバランサドリブンギヤ65が一体で設けられている。この二次バランサシャフト34はエンジン11の二次振動を打ち消す働きをする。
次に、変速装置72は、変速入力軸33、変速出力軸35、各種変速ドライブギヤ等を備えている。変速入力軸33は、ミッション室53内で軸受部材としてのニードルベアリング66とボールベアリング67とによって回転自在に軸支されている。また、変速出力軸35も同様に、ミッション室53内でボールベアリング70とニードルベアリング71により軸支されている。変速入力軸33の右端にはクラッチユニット68が軸装され、クラッチユニット68の内側には1次ドライブギヤ61に噛合する1次ドリブンギヤ69が一体で設けられている。1次ドリブンギヤ69の歯数は1次ドライブギヤ61の歯数よりも大きいため、クラッチユニット68はクランクシャフト32から減速されて回転駆動される。
変速入力軸33と変速出力軸35とには、それぞれ6段ずつの変速ドライブギヤA1〜A6と変速ドリブンギヤB1〜B6とが軸装されている。変速ドライブギヤA1〜A6と変速ドリブンギヤB1〜B6とは、互いに常時噛合している。変速ドライブギヤA1〜A6と変速ドリブンギヤB1〜B6との任意のギヤ比が選択されることにより変速出力軸35が変速して回転駆動される。
また、変速入力軸33は中空軸であり、その軸心部に左端側からクラッチレリーズロッド73が挿入されている。エンジンケース12の左側には、クラッチレリーズロッド73を押圧するクラッチレリーズ機構74が設けられている。通常時では、クラッチユニット68と1次ドリブンギヤ69とは、変速入力軸33と一体に回転し、クランクシャフト32の回転を変速入力軸33に伝達する。ライダーが車体1のハンドルバー8に設けられたクラッチレバー75(図1を参照)を握ると、クラッチレリーズ機構74がクラッチレリーズロッド73を軸方向右側に押圧し、クラッチユニット68のクラッチ接続が解除される。このとき、クラッチユニット68と1次ドリブンギヤ69が変速入力軸33に対し回転自在になる。
クランクシャフト32の回転は、1次ドライブギヤ61、1次ドリブンギヤ69、クラッチユニット68、変速入力軸33、変速ドライブギヤA1〜A6、変速ドリブンギヤB1〜B6、変速出力軸35、ドライブスプロケット36、ドライブチェーン38、ドリブンスプロケット37、後輪19の順に伝達される。なお、スタータモータ31の駆動力はスタータ減速ギヤ76とスタータアイドルギヤ77を経て減速されてスタータドリブンギヤ63に伝達される。
次に、本実施形態に係る変速出力軸35の軸受構造について図6を参照して説明する。図6は、変速出力軸35の周辺の構造を示す拡大断面図である。エンジンケース12のロアーケース27の左側の側壁には、真円形であって大径の開口部78が形成され、開口部78の内周に軸受ホルダー79が嵌合されている。軸受ホルダー79の内周には変速出力軸35の左側を軸支するボールベアリング70が支持されている。
また、エンジンケース12のロアーケース27の右側の側壁には、真円形であって小径の開口部82が形成され、開口部82の内周に軸受ホルダー83が嵌合されている。軸受ホルダー83の内周には変速出力軸35の右端を軸支するニードルベアリング71が支持されている。このように、変速出力軸35は、その左側が軸受ホルダー79を介してボールベアリング70によって軸支され、その右端が軸受ホルダー83を介してニードルベアリング71によって軸支されている。
次に、エンジンケース12に変速出力軸35を組み付ける場合について説明する。
変速出力軸35は、アッパーケース26とロアーケース27との合わせ面28に配設される変速入力軸33と異なり、ロアーケース27内に配設されている。したがって、変速出力軸35をエンジンケース12に組み付ける場合、変速出力軸35をエンジンケース12の左側の側壁の開口部82を通して挿入することで、エンジンケース12内に配設させる。
具体的には、変速ドリブンギヤB1〜B6が軸装された変速出力軸35に、予めボールベアリング70および軸受ホルダー79を結合しておく。次に、変速出力軸35をエンジンケース12の左側から開口部78に挿入する。このとき、開口部78は、その内径が変速出力軸35に軸装される最大外径の変速ドリブンギヤB6よりも大きく形成されているので、変速ドリブンギヤB1〜B6と干渉することなく挿入できる。
エンジンケース12の開口部78に軸受ホルダー79を当接させるまで挿入することで、開口部78は軸受ホルダー79によって密閉された状態で閉塞される。
一方、ニードルベアリング71を嵌合させた軸受ホルダー83を、エンジンケース12の右側から開口部82に挿入する。エンジンケース12の開口部82に軸受ホルダー83を当接するまで挿入することで、開口部82が軸受ホルダー83によって密閉された状態で閉塞されるとともに、変速出力軸35の右端がニードルベアリング71によって軸支される。
ここで、変速出力軸35を開口部82に挿入して組み付けるとき、組み立てを容易に行うためには、軸受ホルダー79、83とエンジンケース12との間に十分な隙間を設ける必要がある。しかしながら、軸受ホルダー79、83とエンジンケース12との間の隙間は、エンジン運転状態および変速装置72の作動時において、変速出力軸35に位置ずれを発生させてしまい変速装置72の作動精度に影響を与えてしまう。
そこで、本実施形態では、エンジンケース12と軸受ホルダー79との間およびエンジンケース12と軸受ホルダー83との間に、それぞれ2つの円環状の膨張部材80を軸方向に一定間隔、離間して配設している。具体的には、図6の丸で囲んだ各部分拡大図に示すように、軸受ホルダー79、83の外周面の全周に2つの全周溝81が形成され、その全周溝81に円環状の膨張部材80が嵌合している。膨張部材80は、エンジンケース12および軸受ホルダー79、83よりも熱膨張率が高い材質で形成されている。すなわち、膨張部材80の熱膨張率は次の条件となっている。
膨張部材の熱膨張率>エンジンケースの熱膨張率
かつ、膨張部材の熱膨張率>軸受ホルダーの熱膨張率
本実施形態では、エンジンケース12の材質がアルミダイカスト等の軽合金で形成され、軸受ホルダー79、83がアルミニウム、鉄またはマグネシウム等で形成されている。一方、膨張部材80は、エンジンケース12および軸受ホルダー79、83よりも熱膨張率が高い、例えばナイロン等の樹脂部材や合金部材等を用いて形成されている。
このようにエンジンケース12と軸受ホルダー79、83との間に膨張部材80を介在させることで、エンジンケース12と軸受ホルダー79、83との間に隙間を有していたとしても、エンジン暖機時には膨張部材80が膨張することで、エンジンケース12と軸受ホルダー79、83との間の隙間を埋める働きをする。したがって、エンジン運転状態および変速装置の作動時において、変速出力軸35の位置ずれを防止し、変速装置72の作動精度を向上させることができる。
一方、常温時には膨張部材80が膨張していないことにより、エンジンケース12と軸受ホルダー79、83との間の隙間により、変速出力軸35の組み立てを容易に行うことができる。なお、本実施形態では、膨張部材80を嵌合させる全周溝81を軸受ホルダー79、83の外周面に設ける場合について説明したが、この場合に限られず、エンジンケース12の開口部78、82の内周面に設けてもよい。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、エンジンケース12と軸受ホルダー79、83との間に膨張部材80を介在させる場合について説明した。本実施形態では、膨張部材80を軸受ホルダー79とボールベアリング70との間および軸受ホルダー83とニードルベアリング71との間に配設する。
図7は、本実施形態に係る変速出力軸の周辺の構造を示す拡大断面図である。なお、図7では、第1の実施形態と同一部材には同一符号を付している。
図7に示すように、本実施形態では軸受ホルダー79とボールベアリング70との間および軸受ホルダー83とニードルベアリング71との間に、それぞれ2つの円環状の膨張部材80を軸方向に一定間隔、離間させて配設している。具体的には、図7の丸で囲んだ各部分拡大図に示すように、軸受ホルダー79、83の内周面の全周に2つの全周溝81が形成され、その全周溝81に円環状の膨張部材80が嵌合している。膨張部材80は、軸受ホルダー79、83、ボールベアリング70およびニードルベアリング71よりも熱膨張率が高い材質で形成されている。すなわち、膨張部材80の熱膨張率は次の条件となっている。
膨張部材の熱膨張率>ベアリングの熱膨張率
かつ、膨張部材の熱膨張率>軸受ホルダーの熱膨張率
このように軸受ホルダー79とボールベアリング70との間および軸受ホルダー83とニードルベアリング71との間に膨張部材80を介在させることで、軸受ホルダー79とボールベアリング70との間および軸受ホルダー83とニードルベアリング71との間に隙間を有していたとしても、エンジン暖機時には膨張部材80が膨張することで、軸受ホルダー79とボールベアリング70との間および軸受ホルダー83とニードルベアリング71との間の隙間を埋める働きをする。
なお、本実施形態では、膨張部材80を嵌合させる全周溝81を軸受ホルダー79、83の内周面に設ける場合について説明したが、この場合に限られず、ボールベアリング70およびニードルベアリング71の外周面に設けてもよい。
(第3の実施形態)
第1の実施形態および第2の実施形態では、ボールベアリング70およびニードルベアリング71を、軸受ホルダー79、83を介してエンジンケース12に取り付ける場合について説明した。本実施形態では、軸受ホルダーを省略し、膨張部材80をエンジンケース12とボールベアリング70との間およびエンジンケース12とニードルベアリング71との間に配設する。
図8は、本実施形態に係る変速出力軸の周辺の構造を示す拡大断面図である。なお、図8では、第1の実施形態と同一部材には同一符号を付している。
図8に示すように、本実施形態ではエンジンケース12とボールベアリング70との間およびエンジンケース12とニードルベアリング71との間に、それぞれ2つの円環状の膨張部材80を軸方向に一定間隔、離間させて配設している。具体的には、図8の丸で囲んだ各部分拡大図に示すように、ボールベアリング70およびニードルベアリング71の外周面の全周に2つの全周溝81が形成され、その全周溝81に円環状の膨張部材80が嵌合している。膨張部材80は、エンジンケース12、ボールベアリング70およびニードルベアリング71よりも熱膨張率が高い材質で形成されている。すなわち、膨張部材80の熱膨張率は次の条件となっている。
膨張部材の熱膨張率>エンジンケースの熱膨張率
かつ、膨張部材の熱膨張率>ベアリングの熱膨張率
このようにエンジンケース12とボールベアリング70との間およびエンジンケース12とニードルベアリング71との間に膨張部材80を介在させることで、エンジンケース12とボールベアリング70との間およびエンジンケース12とニードルベアリング71との間に隙間を有していたとしても、エンジン暖機時には膨張部材80が膨張することで、エンジンケース12とボールベアリング70との間およびエンジンケース12とニードルベアリング71との間の隙間を埋める働きをする。
なお、本実施形態では、膨張部材80を嵌合させる全周溝81をボールベアリング70およびニードルベアリング71の外周面に設ける場合について説明したが、この場合に限られず、エンジンケース12の開口部78、82の内周面に設けてもよい。
このように上述した各実施形態によれば、常温時には部材間の十分な隙間によって変速出力軸35の組み付け性を良好に確保することができ、エンジン暖機時には膨張部材80が上述した隙間を埋めることによって変速出力軸35の位置ずれを防止でき、変速装置72の作動精度を向上させることができる。
以上、本発明を種々の実施形態と共に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。例えば、上述した各実施形態では軸受部材としてボールベアリングおよびニードルベアリングを用いる場合について説明したが、この場合に限られず、変速軸を軸支する軸受部材であれば、どのようなものであってもよい。
また、上述した各実施形態では、変速出力軸の1つの軸受箇所において、2つの膨張部材80を軸方向に一定間隔、離間して配設することで、膨張部材80の内側の部材と外側の部材とのガタを防止させているが、この場合に限られず、軸方向に幅広に形成した1つの膨張部材を配設してもよい。
また、上述した各実施形態では、変速出力軸を軸支する軸受構造について説明したが、この場合に限られず、変速入力軸やその他の回転軸を軸支する場合であっても適用することができる。
また、上述した実施形態では、自動二輪車に用いられるエンジンを例にして説明したが、この場合に限られず、他のエンジンの軸受構造であっても適用することができる。
1:車体 2:車体フレーム 11:エンジン 12:エンジンケース 13:シリンダーアッセンブリー 26:アッパーケース 27:ロアーケース 28:合わせ面 32:クランクシャフト 33:変速入力軸 34:二次バランサシャフト 35:変速出力軸 36:ドライブスプロケット 37:ドリブンスプロケット 38:ドライブチェーン 39:シリンダーブロック 40:シリンダーヘッド 41:シリンダーヘッドカバー 50:クランク室 51:バランサシャフト室 52:ミッションギヤ 53:ミッション室 60:バランサドライブギヤ 61:1次ドライブギヤ 65:バランサドリブンギヤ 66:ニードルベアリング 67:ボールベアリング 68:クラッチユニット 69:1次ドリブンギヤ 70:ボールベアリング 71:ニードルベアリング 72:変速装置 73:クラッチレリーズロッド 74:クラッチレリーズ機構 75:クラッチレバー 76:スタータ減速ギヤ 77:スタータアイドルギヤ 78:開口部 79:軸受ホルダー 80:膨張部材 81:全周溝 82:開口部 83:軸受ホルダー

Claims (4)

  1. エンジンケースと、
    前記エンジンケースに取り付けられた軸受ホルダーと、
    前記軸受ホルダーに支持された軸受部材と、
    前記軸受部材に回転自在に軸支された変速軸と、を有する変速装置を備えたエンジンにおいて、
    前記エンジンケースと前記軸受ホルダーとの間に、当該エンジンケースおよび当該軸受ホルダーよりも熱膨張率の高い膨張部材を配設したことを特徴とするエンジンの軸受構造。
  2. エンジンケースと、
    前記エンジンケースに取り付けられた軸受ホルダーと、
    前記軸受ホルダーに支持された軸受部材と、
    前記軸受部材に回転自在に軸支された変速軸と、を有する変速装置を備えたエンジンにおいて、
    前記軸受ホルダーと前記軸受部材との間に、当該軸受ホルダーおよび当該軸受部材よりも熱膨張率の高い膨張部材を配設したことを特徴とするエンジンの軸受構造。
  3. エンジンケースと、
    前記エンジンケースに取り付けられた軸受部材と、
    前記軸受部材に回転自在に軸支された変速軸と、を有する変速装置を備えたエンジンにおいて、
    前記エンジンケースと前記軸受部材との間に、当該エンジンケースおよび当該軸受部材よりも熱膨張率の高い膨張部材を配設したことを特徴とするエンジンの軸受構造。
  4. 前記変速軸の軸方向に沿って、2つの前記膨張部材を所定間隔、離間して配設したことを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載のエンジンの軸受構造。
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