JP2011231744A - 容積型ガス圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化、低騒音化、長寿命化を達成できるように、吸入・吐出用のバルブ機構が構成されている容積型ガス圧縮機を提案すること。
【解決手段】容積型ガス圧縮機1の気筒6の圧縮室45は吸入吐出用のバルブ機能が備わっているディスクバルブ9によって封鎖されている。ディスクバルブ9は、吸入バルブプレート71、バルブ座プレート72、吐出バルブプレート73がこの順序で圧縮室45の側から積層された構成の偏平な積層体である。吸入バルブプレート71は、プレート面外方向に弾性変位可能な吸入バルブと第1吐出穴が形成されており、バルブ座プレートには、第1吸引穴と第2吐出穴が形成されており、吐出バルブプレートには、プレート面外方向に弾性変位可能な吐出バルブと第2吸引穴が形成されている。
【選択図】図5
【解決手段】容積型ガス圧縮機1の気筒6の圧縮室45は吸入吐出用のバルブ機能が備わっているディスクバルブ9によって封鎖されている。ディスクバルブ9は、吸入バルブプレート71、バルブ座プレート72、吐出バルブプレート73がこの順序で圧縮室45の側から積層された構成の偏平な積層体である。吸入バルブプレート71は、プレート面外方向に弾性変位可能な吸入バルブと第1吐出穴が形成されており、バルブ座プレートには、第1吸引穴と第2吐出穴が形成されており、吐出バルブプレートには、プレート面外方向に弾性変位可能な吐出バルブと第2吸引穴が形成されている。
【選択図】図5
Description
本発明はスコッチヨーク機構を備えた多気筒の容積型ガス圧縮機に関し、特に、その小型化、低騒音化および長寿命化を達成するための改良技術に関する。
容積型ガス圧縮機の分野においては、小型で高性能な騒音の低い、中圧から高圧まで圧縮できるオイルフリーの圧縮機が望まれている。小型の容積型ガス圧縮機、すなわち、概ね1.5kW以下の容積型ガス圧縮機においてはレシプロ式のものが主流である。レシプロ式の容積型ガス圧縮機は、複雑な形状の吸入バルブと吐出バルブが必要であり、金属製の弁体が金属製の弁座に繰り返し当たるので、運転時の騒音が大きく、寿命も短い。また、回転クランク機構を介して回転運動をピストンの往復運動に変換しており、ピストン荷重を大きくするとピストンリングに高荷重が掛る。したがって、圧縮比を高めるとピストン荷重が大きくなり、ピストンリングの寿命が短い。
騒音の低減化を図ったレシプロ式の容積型ガス圧縮機は特許文献1に開示されている。ここに開示のピストンポンプでは、複数のピストン間の軸方向間隙を最小にし、動揺遇力と往復運動による雑音を減少させるようにしている。しかしながら、特許文献1に開示の方法では、本質的な騒音の低減、バルブ、ピストンリング等の主要パーツの寿命延長には寄与できない。さらに、圧力の高い過酷な運転条件が要求される用途には適していない。
本発明の課題は、特に中圧から高圧までに適した小型で、騒音が少なく、寿命の長い容積型ガス圧縮機を提案することにある。
すなわち、本発明の課題は、小型で、騒音が少なく、寿命の長い吸入・吐出用のバルブ機構を備えた容積型ガス圧縮機を提案することにある。
また、小型で、騒音が少なく、寿命の長い、回転運動をピストンの往復運動に変換する変換機構を備えた容積型ガス圧縮機を提案することにある。
さらに、回転運動をピストンの往復運動に変換する変換機構からのグリース漏れを確実に防止可能なシール機構を備えた容積型ガス圧縮機を提案することにある。
さらには、バランスウエイトおよびフライホイールがコンパクトな形態で設置スペースを多く必要とすることなく組み込まれている容積型ガス圧縮機を提案することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の容積型ガス圧縮機(1)は、
回転入力軸(22)と、
前記回転入力軸(22)に対して一定量だけ偏心した状態で平行に延びるクランク軸(23)と、
前記クランク軸(23)および前記回転入力軸(22)を相互に締結固定しているクランクアーム(27)と、
前記クランク軸(23)を取り囲む状態に配置され、当該クランク軸(23)の偏心回転によって揺動運動する筒状のスコッチヨーク(32)と、
前記スコッチヨーク(32)の揺動運動によって直線往復運動するピストン(43、44)によって流体の吸引、圧縮、吐出動作が行われる圧縮室(45、46)を備えた少なくとも1組の気筒(6、7)とを有し、
前記気筒は、シリンダ(8、11)と、当該シリンダ(8、11)の先端開口を封鎖しているディスクバルブ(9、12)とを備え、
前記圧縮室(45、46)は、前記シリンダ(8、11)、前記ディスクバルブ(9、12)の内側端面、および、前記ピストン(43、44)によって区画形成されており、
前記ディスクバルブ(9、12)は、吸入バルブプレート(71)、バルブ座プレート(72)、および、吐出バルブプレート(73)がこの順序で前記圧縮室(45、46)の側から積層された構成の積層体であり、
前記吸入バルブプレート(71)は、当該吸入バルブプレートにおける前記圧縮室に露出しているプレート部分に切り込みを入れることにより形成したプレート面外方向に弾性変位可能な吸入バルブ(74)と、前記プレート部分の一部を切り取ることにより形成した第1吐出穴(75)とを備えており、
前記バルブ座プレート(72)は、当該バルブ座プレートの一部を切り取ることにより形成した第1吸入穴(76)と、当該バルブ座プレートの一部を切り取ることにより形成した第2吐出穴(77)とを備えており、
前記吐出バルブプレート(73)は、当該吐出バルブプレートの一部に切り込みを入れることにより形成したプレート面外方向に弾性変位可能な吐出バルブ(78)と、当該吐出バルブプレートの一部を切り取ることにより形成した第2吸入穴(79)とを備えており、
前記第1吐出穴(75)および前記第2吐出穴(77)は相互に連通しており、前記吐出バルブ(78)によって封鎖されており、
前記第1吸引穴(76)および前記第2吸引穴(79)は相互に連通しており、前記吸入バルブ(74)によって封鎖されていることを特徴としている。
回転入力軸(22)と、
前記回転入力軸(22)に対して一定量だけ偏心した状態で平行に延びるクランク軸(23)と、
前記クランク軸(23)および前記回転入力軸(22)を相互に締結固定しているクランクアーム(27)と、
前記クランク軸(23)を取り囲む状態に配置され、当該クランク軸(23)の偏心回転によって揺動運動する筒状のスコッチヨーク(32)と、
前記スコッチヨーク(32)の揺動運動によって直線往復運動するピストン(43、44)によって流体の吸引、圧縮、吐出動作が行われる圧縮室(45、46)を備えた少なくとも1組の気筒(6、7)とを有し、
前記気筒は、シリンダ(8、11)と、当該シリンダ(8、11)の先端開口を封鎖しているディスクバルブ(9、12)とを備え、
前記圧縮室(45、46)は、前記シリンダ(8、11)、前記ディスクバルブ(9、12)の内側端面、および、前記ピストン(43、44)によって区画形成されており、
前記ディスクバルブ(9、12)は、吸入バルブプレート(71)、バルブ座プレート(72)、および、吐出バルブプレート(73)がこの順序で前記圧縮室(45、46)の側から積層された構成の積層体であり、
前記吸入バルブプレート(71)は、当該吸入バルブプレートにおける前記圧縮室に露出しているプレート部分に切り込みを入れることにより形成したプレート面外方向に弾性変位可能な吸入バルブ(74)と、前記プレート部分の一部を切り取ることにより形成した第1吐出穴(75)とを備えており、
前記バルブ座プレート(72)は、当該バルブ座プレートの一部を切り取ることにより形成した第1吸入穴(76)と、当該バルブ座プレートの一部を切り取ることにより形成した第2吐出穴(77)とを備えており、
前記吐出バルブプレート(73)は、当該吐出バルブプレートの一部に切り込みを入れることにより形成したプレート面外方向に弾性変位可能な吐出バルブ(78)と、当該吐出バルブプレートの一部を切り取ることにより形成した第2吸入穴(79)とを備えており、
前記第1吐出穴(75)および前記第2吐出穴(77)は相互に連通しており、前記吐出バルブ(78)によって封鎖されており、
前記第1吸引穴(76)および前記第2吸引穴(79)は相互に連通しており、前記吸入バルブ(74)によって封鎖されていることを特徴としている。
ここで、前記吸入バルブに前記第1吐出穴を形成しておくことができる。また、前記吸入バルブプレート、前記バルブ座プレートおよび前記吐出バルブプレートを同一輪郭形状のプレートとすることができる。さらに、前記吸入バルブプレート、前記バルブ座プレート、前記吐出バルブプレートのそれぞれは、一枚のプレートから形成してもよいが、複数枚のプレートを重ね合わせた構成とすることもできる。
さらには、前記シリンダの先端開口に、前記ディスクバルブを挟み、シリンダヘッドを固定することにより、シリンダの先端開口にディスクバルブを固定することができる。この場合、前記シリンダヘッドに、前記第1吸引穴に連通している吸入室と、前記吐出バルブに対峙する吐出室とを形成しておけばよい。また、前記シリンダの前記ディスクバルブとの接合面を、当該ディスクバルブと同一輪郭形状をした平坦面とし、前記シリンダヘッドの前記ディスクバルブとの接合面を、当該ディスクバルブと同一輪郭形状をした平坦面とすることが望ましい。
本発明の容積型ガス圧縮機では、圧縮室の容積を増加させる方向にピストンが移動する空気吸入動作においては、圧縮室が負圧状態になり、吸入バルブプレートの吸入バルブが圧縮室側に弾性変位する。これにより、当該吸入バルブによって封鎖されていた第1吸入穴および当該第1吸入穴に連通している第2吸入穴が開き、これらを介して外部から圧縮室に空気が吸入される。空気吸入動作においては、吐出バルブプレートに形成されている吐出バルブはバルブ座プレートに着座しており閉じ状態に保持される。逆に、圧縮動作においては、圧縮室が所定の正圧状態になり、吸入バルブがバルブ座プレートに着座して第2吸入穴を閉じ、吐出バルブが弾性変位して第2吐出穴が開く。この結果、第1吐出穴および第2吐出穴を介して圧縮室内の圧縮ガスが吐き出される。
本発明のディスクバルブは、複数枚のプレートの積層体から構成されているので偏平でシンプルな構造とすることができる。また、各プレートの枚数を増やすことにより、その面外剛性を高めることができる。よって、プレート枚数を増やすことにより、ガス圧に応じて、必要な強度を備えたバルブを簡単に構成できる。
次に、本発明の容積型ガス圧縮機(1)は、
回転入力軸(22)と、
前記回転入力軸(22)に対して一定量だけ偏心した状態で平行に延びるクランク軸(23)と、
前記回転入力軸(22)の先端部および前記クランク軸(23)の後端部を相互に締結固定している後側クランクアーム(27)と、
前記クランク軸(23)の先端部の側において前記回転入力軸と同軸状態に延びる支持軸(24)と、
前記クランク軸(23)の先端部および前記支持軸(24)の後端部を相互に連結固定している前側クランクアーム(28)と、
前記クランク軸(23)を取り囲む状態に配置され、当該クランク軸の偏心回転によって揺動運動する筒状のスコッチヨーク(32)と、
前記スコッチヨーク(32)の揺動運動によって直線往復運動するピストン(43、44)によって流体の吸引、圧縮、吐出動作が行われる圧縮室(45、46)を備えた少なくとも1組の気筒(6、7)とを有し、
前記回転入力軸(22)の先端部の外周面には、当該回転入力軸の軸線方向に延びる入力軸平坦面(22d)が形成され、前記クランク軸(23)の前記後端部の外周面には、当該クランク軸の軸線方向に延びる後側平坦面(23d)が形成されており、
前記クランク軸(23)の後端部の外周面には、当該クランク軸(23)の軸線方向に延びる前側平坦面(23e)が形成され、前記支持軸(24)の前記後端部の外周面には、当該支持軸の軸線方向に延びる支持軸平坦面(24d)が形成されており、
前記後側クランクアーム(27)は、
前記クランク軸に平行に延びるすり割り(27b)によって分離されている左右のすり割り部分(27c、27d)と、
前記すり割り部分(27c、27d)の間に形成されている軸挿入穴(27e)と、
前記すり割り部分(27c、27d)を相互に締結固定するための締結ボルト(29)とを備えており、
前記軸挿入穴(27e)は、前記入力軸平坦面(22d)および前記後側平坦面(23d)を相互に重ね合わせた状態における前記回転入力軸(22)および前記クランク軸(23)の外周面輪郭形状に対応する内周面輪郭形状の穴であり、
前記前側クランクアーム(28)は、
前記クランク軸(23)に平行に延びるすり割りによって分離されている左右のすり割り部分(28c、28d)と、
前記すり割り部分の間に形成されている軸挿入穴(28e)と、
前記すり割り部分を相互に締結固定するための締結ボルトとを備えており、
前記軸挿入穴(28e)は、前記前側平坦面(23e)および前記支持軸平坦面(24d)を相互に重ね合わせた状態における前記クランク軸(23)および前記支持軸(24)の外周面輪郭形状に対応する内周面輪郭形状の穴であることを特徴としている。
回転入力軸(22)と、
前記回転入力軸(22)に対して一定量だけ偏心した状態で平行に延びるクランク軸(23)と、
前記回転入力軸(22)の先端部および前記クランク軸(23)の後端部を相互に締結固定している後側クランクアーム(27)と、
前記クランク軸(23)の先端部の側において前記回転入力軸と同軸状態に延びる支持軸(24)と、
前記クランク軸(23)の先端部および前記支持軸(24)の後端部を相互に連結固定している前側クランクアーム(28)と、
前記クランク軸(23)を取り囲む状態に配置され、当該クランク軸の偏心回転によって揺動運動する筒状のスコッチヨーク(32)と、
前記スコッチヨーク(32)の揺動運動によって直線往復運動するピストン(43、44)によって流体の吸引、圧縮、吐出動作が行われる圧縮室(45、46)を備えた少なくとも1組の気筒(6、7)とを有し、
前記回転入力軸(22)の先端部の外周面には、当該回転入力軸の軸線方向に延びる入力軸平坦面(22d)が形成され、前記クランク軸(23)の前記後端部の外周面には、当該クランク軸の軸線方向に延びる後側平坦面(23d)が形成されており、
前記クランク軸(23)の後端部の外周面には、当該クランク軸(23)の軸線方向に延びる前側平坦面(23e)が形成され、前記支持軸(24)の前記後端部の外周面には、当該支持軸の軸線方向に延びる支持軸平坦面(24d)が形成されており、
前記後側クランクアーム(27)は、
前記クランク軸に平行に延びるすり割り(27b)によって分離されている左右のすり割り部分(27c、27d)と、
前記すり割り部分(27c、27d)の間に形成されている軸挿入穴(27e)と、
前記すり割り部分(27c、27d)を相互に締結固定するための締結ボルト(29)とを備えており、
前記軸挿入穴(27e)は、前記入力軸平坦面(22d)および前記後側平坦面(23d)を相互に重ね合わせた状態における前記回転入力軸(22)および前記クランク軸(23)の外周面輪郭形状に対応する内周面輪郭形状の穴であり、
前記前側クランクアーム(28)は、
前記クランク軸(23)に平行に延びるすり割りによって分離されている左右のすり割り部分(28c、28d)と、
前記すり割り部分の間に形成されている軸挿入穴(28e)と、
前記すり割り部分を相互に締結固定するための締結ボルトとを備えており、
前記軸挿入穴(28e)は、前記前側平坦面(23e)および前記支持軸平坦面(24d)を相互に重ね合わせた状態における前記クランク軸(23)および前記支持軸(24)の外周面輪郭形状に対応する内周面輪郭形状の穴であることを特徴としている。
本発明では、クランク軸の両端部を上記構成により回転入力軸および支持軸に対して偏心させた状態で連結しているので、一般的に使用されている回転クランク機構に比べて、シンプルな構造の部品を組み付けて構成することができ、安価で信頼性の高いクランクを実現できる。
次に、本発明の容積型ガス圧縮機(1)は、
前記クランク軸(23)の外周面に同心状態に固定した内輪(33)および前記スコッチヨークの内周面に沿って転動する外輪(34)を備えたベアリング(31)と、
前記スコッチヨーク(32)における前記後側クランクアーム(27)に対峙する後端面に取り付けられ、中心に前記クランク軸(23)が貫通している軸穴が形成されている後側ヨークカバー(36)と、
前記内輪(33)および前記後側クランクアーム(27)の間隔を保持するために前記クランク軸(23)の外周面に固定した後側環状スペーサ(41)と、
前記後側環状スペーサ(41)に、固定あるいは一体形成した後側回転板(53)と、
前記スコッチヨーク(32)における前記前側クランクアーム(28)に対峙する前端面に取り付けられ、中心に前記クランク軸が貫通している軸穴が形成されている前側ヨークカバー(37)と、
前記内輪(33)および前記前側クランクアーム(28)の間隔を保持するために前記クランク軸(23)の外周面に固定した前側環状スペーサ(42)と、
前記前側環状スペーサ(42)に、固定あるいは一体形成した前側回転板(55)とを有し、
前記後側ヨークカバー(36)における内周縁部分(36a)は、前記ベアリングの前記内輪(33)の後側端面に沿って前記後側環状スペーサ(41)の外周面近傍位置まで延びており、
前記後側回転板(53)は、前記後側ヨークカバー(36)と前記後側クランクアーム(27)の間において、前記後側ヨークカバー(36)に対して微小間隔で対峙しており、
前記前側ヨークカバー(37)における内周縁部分は、前記ベアリングの前記内輪(33)の前側端面に沿って前記前側環状スペーサ(42)の外周面近傍位置まで延びており、
前記前側回転板(55)は、前記前側ヨークカバー(37)と前記前側クランクアーム(28)の間において、前記前側ヨークカバー(37)に対して微小間隔で対峙していることを特徴としている。
前記クランク軸(23)の外周面に同心状態に固定した内輪(33)および前記スコッチヨークの内周面に沿って転動する外輪(34)を備えたベアリング(31)と、
前記スコッチヨーク(32)における前記後側クランクアーム(27)に対峙する後端面に取り付けられ、中心に前記クランク軸(23)が貫通している軸穴が形成されている後側ヨークカバー(36)と、
前記内輪(33)および前記後側クランクアーム(27)の間隔を保持するために前記クランク軸(23)の外周面に固定した後側環状スペーサ(41)と、
前記後側環状スペーサ(41)に、固定あるいは一体形成した後側回転板(53)と、
前記スコッチヨーク(32)における前記前側クランクアーム(28)に対峙する前端面に取り付けられ、中心に前記クランク軸が貫通している軸穴が形成されている前側ヨークカバー(37)と、
前記内輪(33)および前記前側クランクアーム(28)の間隔を保持するために前記クランク軸(23)の外周面に固定した前側環状スペーサ(42)と、
前記前側環状スペーサ(42)に、固定あるいは一体形成した前側回転板(55)とを有し、
前記後側ヨークカバー(36)における内周縁部分(36a)は、前記ベアリングの前記内輪(33)の後側端面に沿って前記後側環状スペーサ(41)の外周面近傍位置まで延びており、
前記後側回転板(53)は、前記後側ヨークカバー(36)と前記後側クランクアーム(27)の間において、前記後側ヨークカバー(36)に対して微小間隔で対峙しており、
前記前側ヨークカバー(37)における内周縁部分は、前記ベアリングの前記内輪(33)の前側端面に沿って前記前側環状スペーサ(42)の外周面近傍位置まで延びており、
前記前側回転板(55)は、前記前側ヨークカバー(37)と前記前側クランクアーム(28)の間において、前記前側ヨークカバー(37)に対して微小間隔で対峙していることを特徴としている。
本発明では、クランク軸に固定したベアリングの内輪とクランクアームの間に、ベアリングの側からのグリース漏れを防止するためのラビリンスシール構造が構成される。すなわち、ベアリングの内輪の端面とヨークカバーの内周縁部分の間には、クランク軸半径方向に延びる微小隙間が形成される。また、この微小隙間に繋がるヨークカバーの内周縁部分の内周面と環状スペーサの間には、クランク軸の軸線方向に延びる微小隙間が形成される。さらに、この微小隙間に繋がるヨークカバーとクランクアームの間には、クランク軸半径方向に延びる微小隙間が形成される。したがって、グリース漏れを確実に防止することができる。
次に、本発明の容積型ガス圧縮機(1)は、
前記後側クランクアーム(27)および前記前側クランクアーム(28)のうちの少なくとも一方のクランクアームには、当該クランクアームを取り囲む状態に前記クランク軸(23)の軸芯を中心とする円環状のフライホイール(61)が取り付けられていると共に、当該クランクアームの一部を取り囲む状態に前記軸芯を中心とする所定の角度を張る扇形のバランスウエイト(62)が取り付けられていることを特徴としている。この場合、前記フライホイールと前記バランスウエイトは単一部品とすることが望ましい。
前記後側クランクアーム(27)および前記前側クランクアーム(28)のうちの少なくとも一方のクランクアームには、当該クランクアームを取り囲む状態に前記クランク軸(23)の軸芯を中心とする円環状のフライホイール(61)が取り付けられていると共に、当該クランクアームの一部を取り囲む状態に前記軸芯を中心とする所定の角度を張る扇形のバランスウエイト(62)が取り付けられていることを特徴としている。この場合、前記フライホイールと前記バランスウエイトは単一部品とすることが望ましい。
本発明では、クランク軸を偏心させた状態で回転入力軸、支持軸に連結固定しているクランクアームにバランスウエイトとフライホイールを一体に取り付けた構造としてあるので、これらの部品を、設置スペースを多く必要とすることなくコンパクトに組み付けることができる。また、扇形のバランスウエイトは回転送風機として機能して、クランクケース内を効率良く冷却することができる。
本発明の容積型ガス圧縮機では、吸入バルブを備えた吸入バルブプレートと、バルブ座プレートと、吐出バルブを備えた吐出バルブプレートを積層した構成のディスクバルブを備えている。ディスクバルブは偏平な構造であり、バルブ開閉に伴う振動、騒音も少なく、寿命も長いので、容積型ガス圧縮機の小型化、低騒音化、長寿命化に有利である。
本発明の容積型ガス圧縮機では、円形断面のクランク軸の端部に形成した平坦面と回転入力軸の端部に形成した平坦面とを重ね合わせ、この状態で、すり割りの付いたクランクアームを用いて双方の軸を偏心状態で締結固定することにより、クランク機構が構成されている。少ない部品点数でコンパクトにクランク機構を構成できるので、容積型ガス圧縮機の小型化、低コスト化に有利である。
本発明の容積型ガス圧縮機では、スコッチヨーク機構のベアリングの内輪、ヨークカバー、環状スペーサに一体形成した回転板およびクランクアームを利用して、ラビリンスシールを構成してある。したがって、スコッチヨーク内の摺動部分をグリース潤滑して長寿命化を図った場合に、グリースが外部に漏れ出ることを確実に防止できる。また、ラビリンスシール構造を部品点数の増加を伴うことなく構成できる。よって、容積型ガス圧縮機の長寿命化、小型化に有利である。
本発明の容積型ガス圧縮機では、クランク機構を構成するために用いたクランクアームにバランスウエイトおよびフライホイールを一体的に取り付けているので、これらの部品を、設置スペースを多く必要とすることなくコンパクトに組み付けることができる。また、扇形のバランスウエイトは回転送風機として機能して、クランクケース内を効率良く冷却することができる。よって、容積型ガス圧縮機の小型化、長寿命化、低コスト化に有利である。
以下に、図面を参照して、本発明を適用した2気筒単段圧縮方式の容積型ガス圧縮機の実施の形態を説明する。なお、本発明は、2気筒単段圧縮方式以外の容積型ガス圧縮機にも同様に適用可能である。例えば、4気筒多段圧縮方式の容積型ガス圧縮機にも同様に適用可能である。
図1は本実施の形態に係る容積型ガス圧縮機を示す外観斜視図である。容積型ガス圧縮機1は、圧縮機本体ユニット2と、この圧縮機本体ユニット2の後端面に固定したモータユニット3とを備えている。
圧縮機本体ユニット2は矩形筒状のクランクケース4と、このクランクケース4の先端開口を封鎖している矩形板状のクランクケースカバー5とを備えており、クランクケース4における対向する2つの側面、図1においては上側の側面4aおよび下側の側面4bを貫通する状態に第1気筒6および第2気筒7が組み付けられている。上側の側面4aからは、第1気筒6を構成しているシリンダ8、ディスクバルブ9およびシリンダヘッド10が上方に突出しており、下側の側面4bからは、第2気筒7を構成しているシリンダ11、ディスクバルブ12およびシリンダヘッド13が露出している。
モータユニット3は、円筒状のモータケース14と、モータケース14の先端面に取り付けられている矩形板状の取付フランジ15とを備えている。取付フランジ15は圧縮機本体ユニット2のクランクケース4の後側開口を封鎖する状態に、当該クランクケース4に同軸に取り付けられている。
図2(a)は容積型ガス圧縮機1における圧縮機本体ユニット2の内部構造を示すために、当該圧縮機本体ユニット2の縦断面が現れるように切断した状態で示す内部斜視図であり、図2(b)は部分拡大断面図である。図3は、容積型ガス圧縮機1の圧縮機本体ユニット2におけるクランクケース4の内部に組み込まれている駆動機構を示す斜視図である。図4は、図3に示す駆動機構におけるクランク機構・スコッチヨーク機構を示す斜視図である。
図2〜図4を参照して説明すると、圧縮機本体ユニット2は、クランクケース4によって回転自在の状態で支持されているクランク機構20と、クランク機構20の偏心回転運動によって揺動運動を行うスコッチヨーク機構21と、スコッチヨーク機構21の揺動運動によって直線往復運動を行ってガスの吸入、圧縮、吐出動作を行う第1気筒6および第2気筒7とを備えている。
(クランク機構)
クランク機構20は、モータユニット3からクランクケース4内に突出しているモータ軸22(回転入力軸)の先端部に一定量だけ偏心した状態で平行に連結固定されているクランク軸23を備えている。また、クランク軸23の先端部に対して一定量だけ偏心した状態で平行に連結固定されている支持軸24を備えており、支持軸24はモータ軸22と同軸状態に配置されている。モータ軸22はクランクケース4の後側の端板部分4aの軸穴に取り付けた後側ベアリング25によって回転自在の状態で支持されており、支持軸24はクランクケースカバー5に取り付けた前側ベアリング26によって回転自在の状態で支持されている。
クランク機構20は、モータユニット3からクランクケース4内に突出しているモータ軸22(回転入力軸)の先端部に一定量だけ偏心した状態で平行に連結固定されているクランク軸23を備えている。また、クランク軸23の先端部に対して一定量だけ偏心した状態で平行に連結固定されている支持軸24を備えており、支持軸24はモータ軸22と同軸状態に配置されている。モータ軸22はクランクケース4の後側の端板部分4aの軸穴に取り付けた後側ベアリング25によって回転自在の状態で支持されており、支持軸24はクランクケースカバー5に取り付けた前側ベアリング26によって回転自在の状態で支持されている。
モータ軸22の先端部22aとクランク軸23の後端部23bは、これらに対して直交する方向に延びる後側クランクアーム27によって相互に締結固定されている。同様に、クランク軸23の先端部23aと支持軸24の後端部24bも、これらに対して直交する方向に延びる前側クランクアーム28によって相互に締結固定されている。
モータ軸22の先端部22aの外周面には、当該モータ軸22の軸線22cの方向に延びる平坦なカット面22d(入力軸平坦面)が形成されている。クランク軸23の後端部23bの外周面にも、当該クランク軸23の軸線23cの方向に延びる平坦なカット面23d(後側平坦面)が形成されている。これらのカット面22d、23dは同一幅であり、モータ軸22の側のカット面22dの方が長い。したがって、カット面22d、23dを重ね合わせた状態では、モータ軸22の先端面がクランク軸23のカット面23dの端の段面に当接した状態が形成される。
後側クランクアーム27は、図4から分かるように、全体として上下に長い直方体ブロックの前側端面の下側部分を段状に切り取った形状のアーム本体27aを備えている。アーム本体27aの上端面には、その幅方向の中心に、クランク軸23に平行な方向に延びる一定幅のすり割り27bが形成されている。このすり割り27bによって、アーム本体27aの上端部分は左右のすり割り部分27c、27dに分離されている。
すり割り部分27c、27dの下端部分には、これらの間に軸挿入穴27eが形成されている。これら左右のすり割り部分27c、27dの上端部分には、これらの幅方向に延びるボルト穴27fが形成されており、ここに、締結ボルト29、例えば十字穴付きボルトをねじ込み固定することにより、左右のすり割り部分27c、27dを相互に締結固定できるようになっている。軸挿入穴27eは、その後側の穴部分は、カット面22d、23dを相互に重ね合わせた状態におけるモータ軸22、クランク軸23の外周面輪郭形状に対応する内周面輪郭形状の穴となっており、その前側の穴部分はクランク軸23を差し込み可能な円形の穴となっている。
後側クランクアーム27の軸挿入穴27eに対して、その後側からモータ軸22の先端部22aを差し込み、その後側からクランク軸23の後端部23bを差し込む。この結果、図2に示すように、双方のカット面22d、23dが重ね合わされ、相互に一定量の偏心状態で連結された状態が形成される。この状態で、締結ボルト29をねじ込み、左右のすり割り部分27c、27dに締結固定すると、これらが相互に押し付けられ、クランク軸23がモータ軸22に締結固定された状態が形成される。
前側クランクアーム28によるクランク軸23と支持軸24の締結固定構造は、後側クランクアーム27の場合と同様に構成されている。すなわち、前側クランクアーム28は、クランク軸23に平行に延びるすり割り28bによって分離されている左右のすり割部分28c、28dと、すり割り部分28c、28dの下端部の間に形成されている軸挿入穴28eを備えている。また、すり割り部分28c、28dを相互に締結固定するための締結ボルト(図示せず)を備えている。軸挿入穴28eは、その前側部分が、クランク軸23の先端部23aに形成したカット面23e(前側平坦面)と、支持軸24の後端部24bに形成したカット面24d(支持軸平坦面)を相互に重ね合わせた状態におけるクランク軸23および支持軸24の外周面輪郭形状に対応する内周面輪郭形状の穴であり、その後側部分が、クランク軸23の先端部23aを挿入可能な円形の穴である。
前側クランクアーム28の軸差込穴28e対して、その後側からクランク軸23の先端部23aを差し込み、その後側から支持軸24の後端部24bを差し込む。この結果、図2に示すように、双方のカット面23e、24dが重ね合わされ、相互に一定量の偏心状態で連結された状態が形成される。この状態で、締結ボルト30を左右のすり割り部分28c、28dに締結固定すると、これらが相互に押し付けられてクランク軸23が支持軸24に締結固定された状態が形成される。
このように、クランク機構20は、クランク軸23の両端部を、クランクアーム27、28を介して、偏心させた状態でモータ軸22および支持軸24に締結固定した構成となっている。従来の回転クランク機構は、モータ軸とクランク軸を一体化した構造、または、回転入力軸、クランク軸およびピストンピンなどの間をキーを介して構成したカップリングによって連結している構造が一般的である。これらの回転クランク機構は大型になるとともに、部品点数が多く、製造コストも高いという欠点がある。これに対して、本例のクランク機構20は、シンプルな構造のクランクアームを用いて構成できるので、安価で信頼性の高いクランクを実現できる。
(スコッチヨーク機構)
図2〜図4を参照して圧縮機本体ユニット2に内蔵されているスコッチヨーク機構21を説明する。スコッチヨーク機構21は、後側クランクアーム27および前側クランクアーム28の間に位置するクランク軸23の外周面部分に、同軸に固定したローラフォロワ31を備えている。また、このローラフォロワ31を取り囲む状態に配置されている円環状のスコッチヨーク32を備えている。ローラフォロワ31は、クランク軸23に固定した内輪33と、内輪33を同心状態に取り囲む外輪34と、これら内輪33および外輪34の間に転動可能な状態で挿入されている複数本のローラ35を備えたローラベアリングから構成されている。
図2〜図4を参照して圧縮機本体ユニット2に内蔵されているスコッチヨーク機構21を説明する。スコッチヨーク機構21は、後側クランクアーム27および前側クランクアーム28の間に位置するクランク軸23の外周面部分に、同軸に固定したローラフォロワ31を備えている。また、このローラフォロワ31を取り囲む状態に配置されている円環状のスコッチヨーク32を備えている。ローラフォロワ31は、クランク軸23に固定した内輪33と、内輪33を同心状態に取り囲む外輪34と、これら内輪33および外輪34の間に転動可能な状態で挿入されている複数本のローラ35を備えたローラベアリングから構成されている。
スコッチヨーク32の内周面32aは、第1、第2気筒6、7の軸線6a、7aの方向の内径がローラフォロワ31の外径と同一であり、これに直交する方向の内径が外径よりも大きな内径の長円形輪郭のものである。クランク軸23の偏心回転に伴ってローラフォロワ31はスコッチヨーク32の内周面32aに沿って摺動し、これにより、スコッチヨーク32は第1、第2気筒6、7の軸線6a、7aの方向に揺動運動を行う。
スコッチヨーク32の後端面および前端面には、円盤状のヨークカバー36、37が取り付けられている。これらのヨークカバー36、37の中心には、それぞれクランク軸23が貫通している軸穴38、39が形成されている。また、ローラフォロワ31の内輪33とクランクアーム27、28のそれぞれとの間には、これらの間隔を保持するための環状スペーサ41、42がクランク軸23の外周面に固定されている。
ここで、第1気筒6のピストン43および第2気筒7のピストン44は、スコッチヨーク32の外周面における180度離れた位置において同軸状態に固定されている。したがって、スコッチヨークの揺動運動によって、双方のピストン43、44は180度の位相差で往復直線運動を行う。
第1気筒6は、シリンダ8と、当該シリンダ8の先端開口に、ディスクバルブ9を介して取り付けたシリンダヘッド10とを備えている。シリンダ8の内周側面、ディスクバルブ9の内側端面、および、当該ディスクバルブ9の内側端面に対峙しているピストン43の先端面によって、圧縮室45が区画形成されている。同様に、第2気筒7は、シリンダ11と、当該シリンダ11の先端開口に、ディスクバルブ12を介して取り付けたシリンダヘッド13とを備えており、シリンダ11の内周側面、ディスクバルブ12の内側端面、および、当該ディスクバルブ12の内側端面に対峙しているピストン44の先端面によって、圧縮室46が区画形成されている。なお、ピストン、この外周面に嵌めたピストンリングなどの材質はエンジニアリングプラスチックを採用し軽量化を図ることができる。
(グリース漏れ防止機構)
ここで、スコッチヨーク32の内側の摺動部分はグリース潤滑が行われるようになっている。グリースがスコッチヨーク32の内側から外側に漏れ出ることを防止するために、本例では、スコッチヨーク32の前後の端面部分には、ラビリンスシール構造のグリース漏れ防止機構が組み込まれている。
ここで、スコッチヨーク32の内側の摺動部分はグリース潤滑が行われるようになっている。グリースがスコッチヨーク32の内側から外側に漏れ出ることを防止するために、本例では、スコッチヨーク32の前後の端面部分には、ラビリンスシール構造のグリース漏れ防止機構が組み込まれている。
図2(b)から分かるように、後側ヨークカバー36における内周縁部分36aは、ローラフォロワ31の内輪33の後側端面に沿って後側環状スペーサ41の外周面近傍位置まで延びている。これにより、内周縁部分36aと内輪33の後側端面との間にはクランク軸半径方向に延びる微小隙間51が形成されている。また、当該微小隙間51の内側端に連続して、内周縁部分36aの円形内周面と後側環状スペーサ41の外周面との間に、クランク軸線方向に延びる微小隙間52が形成されている。また、後側環状スペーサ41には後側回転板53が一体形成されており、この後側回転板53は、後側ヨークカバー36と後側クランクアーム27の間に位置しており、後側ヨークカバー36との間に半径方向に延びる微小隙間54を形成している。後側回転板53を後側環状スペーサ41とは別部材として製造し、後側環状スペーサ41に固定することも可能である。この微小隙間54の内側端が微小隙間52に連通している。このように、微小隙間51、52、54によってラビリンスシール構造のグリース漏れ防止機構が構成されている。
同様に、スコッチヨーク32の前側端面と前側クランクアーム28との間にも同様なラビリンスシール構造からなるグリース漏れ防止機構が構成されている。すなわち、前側環状スペーサ42に一体形成した前側回転板55を備えており、前側ヨークカバー37における内周縁部分は、内輪33の前側端面に沿って前側環状スペーサ42の外周面近傍位置まで延びており、前側回転板55は、前側ヨークカバー37と前側クランクアーム28の間において前側ヨークカバー37に対して微小間隔で対峙している。前側回転板55は前側環状スペーサ42とは別部材として製造し、前側環状スペーサ42に固定することも可能である。これにより、ラビリンスシール構造のグリース漏れ防止機構が構成されている。したがって、スコッチヨーク32の内側から外部にグリースが漏れ出ることを確実に防止できる。
(バランスウエイトおよびフライホイール)
次に、クランク機構20にはフライホイールおよびバランスウエイトが取り付けられている。図2、図3を参照して説明すると、後側クランクアーム27には、当該後側クランクアーム27を取り囲む状態に、クランク軸23の軸芯を中心とする円環状の後側フライホイール61が取り付けられている。また、フライホイール61の円環状の前端面には、その下半部分に180度の円弧を張る扇形(略半円形)の後側バランスウエイト62が一体形成されている。
次に、クランク機構20にはフライホイールおよびバランスウエイトが取り付けられている。図2、図3を参照して説明すると、後側クランクアーム27には、当該後側クランクアーム27を取り囲む状態に、クランク軸23の軸芯を中心とする円環状の後側フライホイール61が取り付けられている。また、フライホイール61の円環状の前端面には、その下半部分に180度の円弧を張る扇形(略半円形)の後側バランスウエイト62が一体形成されている。
同様に、前側クランクアーム28には、当該前側クランクアーム28を取り囲む状態にクランク軸23の軸芯を中心とする円環状の前側フライホイール63が取り付けられている。また、前側フライホイール63の円環状の前端面には、その下半部分に180度の円弧を張る扇形(略半円形)の前側バランスウエイト64が一体形成されている。
本例では、前後において、フライホイールとバランスウエイトを単一部品としているが別個の部品として製作してクランクアームに固定することも可能である。本例のように単一部品として構成すると、部品点数を削減でき、組み付け作業も簡単になる。
このように、クランク軸23を偏心させた状態でモータ軸22、支持軸24に連結固定している前後のクランクアーム28、27にフライホイール63、61とバランスウエイト64、62を一体に取り付けた構造としてあるので、これらの部品を、設置スペースを多く必要とすることなくコンパクトに組み付けることができる。また、扇形のバランスウエイト62、64は回転送風機として機能して、クランクケース3の内部を効率良く冷却することができるという効果も奏する。
(ディスクバルブ)
次に、図5(a)は第1気筒6のディスクバルブを中心に示す分解斜視図であり、図5(b)はディスクバルブの平面図であり、図5(c)はディスクバルブの動作説明図である。第2気筒7も同様に構成されているので、その説明は省略するものとする。
次に、図5(a)は第1気筒6のディスクバルブを中心に示す分解斜視図であり、図5(b)はディスクバルブの平面図であり、図5(c)はディスクバルブの動作説明図である。第2気筒7も同様に構成されているので、その説明は省略するものとする。
これらの図を参照して説明すると、ディスクバルブ9は、一定厚さの円形輪郭の吸入バルブプレート71と、同一の円形輪郭形状の3枚のバルブ座プレート72と、一定厚さの円形輪郭の吐出バルブプレート73がこの順序で圧縮室45の側から積層された構成の積層体アセンブリである。
吸入バルブプレート71は、当該吸入バルブプレート71における圧縮室45に露出しているプレート部分に切り込みを入れることにより形成したプレート面外方向に弾性変位可能な吸入バルブ74と、プレート部分の一部を切り取ることにより形成した第1吐出穴75とを備えている。吸入バルブ74は、吸入バルブプレート71の中心を通って直径方向に延びる一定幅のものであり、その後端が吸入バルブプレート71に繋がっており、その先端部分が半円形輪郭となっている。第1吐出穴75は吸入バルブ74に形成されており、吸入バルブプレート71の中心に位置している。
バルブ座プレート72のそれぞれは、当該バルブ座プレート72の一部を切り取ることによる形成した第1吸入穴76と、当該バルブ座プレート72の一部を切り取ることにより形成した第2吐出穴77とを備えている。第2吐出穴77はバルブ座プレート72の中心に形成された円形穴である。第1吸入穴76はバルブ座プレート72の中心から外れた位置にあり、吸入バルブ74の先端部分によって封鎖可能な円形穴である。
吐出バルブプレート73は、当該吐出バルブプレート73の一部に切り込みを入れることにより形成したプレート面外方向に弾性変位可能な吐出バルブ78と、当該吐出バルブプレート73の一部を切り取ることにより形成した第2吸入穴79とを備えている。吐出バルブ78は、本例では、吸入バルブ74と同一幅であるが吸入バルブ74よりも短く、その後端は吸入バルブ74と同一位置にあるが、半円形の先端部分は吸入バルブ74の先端よりも中心側に位置している。この先端部分から外れた位置に第2吸入穴79が形成されており、当該第2吸入穴79は第1吸入穴76と同一位置にある。
したがって、積層状態においては、第1吐出穴75および第2吐出穴77は相互に連通しており、吐出バルブ78によって封鎖されている。また、第1吸入穴76および第2吸入穴79は相互に連通しており、吸入バルブ74によって封鎖されている。
先に述べたように、シリンダ8の先端開口には、ディスクバルブ9を挟み、シリンダヘッド10が固定されている。シリンダ8の先端面は平坦な円環状端面でありディスクバルブ9と同一の円形輪郭のものである。同様にシリンダヘッド10の接合面も平坦な円環状端面であり、ディスクバルブ9と同一の円形輪郭のものである。シリンダヘッド10には、第2吸入穴79に連通している吸入室10aと、吐出バルブ78に対峙している吐出室10bとが形成されており、吐出バルブ78は吐出室10bの側に弾性変位可能である。
この構成の第1気筒6において、圧縮室45の容積を増加させる方向にピストン43が移動する空気吸入動作においては、圧縮室45が負圧状態になり、吸入バルブプレート71の吸入バルブ74が圧縮室側に弾性変位する。これにより、当該吸入バルブ74によって封鎖されていた第1吸入穴76および当該第1吸入穴76に連通している第2吸入穴79が開き、これらを介して外部から圧縮室に空気が吸入される。空気吸入動作においては、吐出バルブプレート73に形成されている吐出バルブ78はバルブ座プレート72に着座しており閉じ状態に保持される。
逆に、圧縮動作においては、圧縮室45が所定の正圧状態になり、吸入バルブ74がバルブ座プレート72に着座して第2吸入穴79を閉じ、吐出バルブ78が弾性変位して第2吐出穴77が開く。この結果、第1吐出穴75および第2吐出穴77を介して圧縮室45内の圧縮ガスが吐き出される。
例えば、吸入バルブプレート71および吐出バルブプレート73は、板ばね鋼で板厚さは0.25mm程度の板ばね鋼から製作される。また、バルブ座プレート72のそれぞれも同一厚さの同一材料から製作され、吐出圧力により積層枚数を変えることができる。吐出圧力0.2MPa以下の低圧の圧縮機では一枚で構成できる。この場合には、ディスクバルブ9の厚さは0.75mmであり、従来技術にない薄さでバルブ機能を発揮できる。
一方、バルブ座プレート72の材質をエンジニアリングプラスチック等の異種材料に置き換えることにより、また、バルブ座プレート72を複数枚使用することにより、各バルブ座プレート72の層間にエアーギャップが形成されるので、これより制振効果が表れ、吸入バルブ74、吐出バルブ78とバルブ座プレート72の衝突による騒音発生の減衰を図ることができる。同様に、吸入バルブプレート71、吐出バルブプレート83をそれぞれ複数枚のプレートで構成することにより、圧縮機1の圧力条件に適したばね力を与えることができ、同時に、制振効果により、騒音低減、寿命向上効果を発揮できる。
また、ピストン43の上死点を規定している面、すなわち、ディスクバルブ9の吸入バルブプレート71の表面は凹凸のない平面であるので、ピストンディスプレースメントの容積を極小にでき、圧縮ガスの再膨張によるロスを少なくできるので高いレベルの体積効率を維持できる。
さらに、シリンダ8とディスクバルブ9のシール面、および、ディスクバルブ9とシリンダヘッド10の接触面は、共に同一輪郭形状の平坦な面である。よって、液体シールや接着剤によるシール処理が容易であり、ガス漏れを皆無にすることができる。以上の効果により、低騒音で高効率のバルブシステムを実現できる。
(ピストン)
次に、図6は第1気筒6の縦断面を示す斜視図であり、図7は第1気筒6の分解斜視図である。これらの図においてはシリンダヘッド10を省略してある。他方の第2気筒7の側も同様に構成されているので、以下においては第1気筒6について説明し、第2気筒7の説明は省略する。
次に、図6は第1気筒6の縦断面を示す斜視図であり、図7は第1気筒6の分解斜視図である。これらの図においてはシリンダヘッド10を省略してある。他方の第2気筒7の側も同様に構成されているので、以下においては第1気筒6について説明し、第2気筒7の説明は省略する。
図6、7に示すように、第1気筒6のピストン43は、円環状の皿板101と円環状の端板102の間に、複数枚の円環状のシール板103(リップシール)が積層状態で挟まれた構造となっている。図において4枚のシール板103が挟まれている。皿板101、4枚のシール板103および端板102には、それらの中心に軸孔101a、103a、102aが形成されており、端板102の側から締結用ボルト104の軸部104aが装着されている。締結用ボルト104の軸部104aの先端からは、外周面に雄ねじが形成されたねじ部104bが同軸状態に突出している。スコッチヨーク32の外周面には、ねじ部104bをねじ込み固定可能なねじ孔32bが形成されており、締結ボルト104によってピストン43がスコッチヨーク32に締結固定されている(図2(a)参照)。
ピストン43の後端を規定している皿板101は、軸孔101aが形成されている一定厚さの円筒部101bと、この先端から半径方向の外方に広がっている一定厚さの円環部101cと、円環部101cの外周縁からピストン先端側に突出している外周縁部101dとを備えている。外周縁部101dの円形外周面はシリンダ8の円形内周面8aに沿って摺動可能である。
シール板103はプラスチック素材から成形されたものであり、中心に軸孔103aが形成されている一定厚さの円盤部103bと、この円盤部103bの外周縁からピストン先端側に向けて斜め外方に突出している円環状シール部103cとを備えている。円環状シール部103cはその外周縁に向けて肉厚が漸減していると共に内径寸法が漸増している。また、円環状シール部103cの外周縁の外径寸法はシリンダ8の円形内周面8aの内径寸法よりも僅かに大きい。
したがって、シリンダ8に装着された状態においては、円環状シール部103cは僅かに内側に弾性変形した状態で、シリンダ8の円形内周面8aに押し付けられて密着している。ピストン43の動作状態においては、円形内周面8aに密着した状態で当該円形内周面8aに沿って摺動する。また、シール板103を積層した状態においては、各シール板103の各円環状シール部103cの間には、それらの間には隙間105が形成されている。
この構成のピストン43においては、積層されたシール板103のそれぞれによって、ピストン43とシリンダ8の間のシール状態が形成される。また、複数枚のシール板103の円環状シール部103cによって、ピストン43とシリンダ8の間にはラビリンス構造のシールが形成される。したがって、これらの間が確実にシールされる。また、ピストン43は、皿板101、複数枚のシール板103および端板102を積層して、締結ボルト104によってスコッチヨーク32に締結固定することにより構成されている。したがって、一体物の円筒状のピストンと、その外周面に装着したピストンリングから構成されるピストンに比べて、廉価に製造することができる。
1 容積型ガス圧縮機
2 圧縮機本体ユニット
3 モータユニット
4 クランクケース
4a、4b 側面
4c 端板部分
5 クランクケースカバー
6 第1気筒
6a 軸線
7 第2気筒
7a 軸線
8 シリンダ
9 ディスクバルブ
10 シリンダヘッド
10a 吸入室
10b 吐出室
11 シリンダ
12 ディスクバルブ
13 シリンダヘッド
20 クランク機構
21 スコッチヨーク機構
22 モータ軸
22a 先端部
22b 後端部
22c 軸線
22d カット面
23 クランク軸
23a 先端部
23b 後端部
23c 軸線
23d カット面
23e カット面
24 支持軸
24b 後端部
24d カット面
25 後側ベアリング
26 前側ベアリング
27 後側クランクアーム
27a クランクアーム本体
27b すり割り
27c、27d すり割り部分
27e 軸挿入穴
27f ボルト穴
28 前側クランクアーム
28b すり割り
28c、28d すり割り部分
28e 軸挿入穴
29 締結ボルト
31 ローラフォロワ
32 スコッチヨーク
32a 内周面
33 内輪
34 外輪
35 ローラ
36、37 ヨークカバー
36a 内周縁部分
41、42 環状スペーサ
43、44 ピストン
45、46 圧縮室
51 微小隙間
52 微小隙間
53 後側回転板
54 微小隙間
55 前側回転板
61、63 フライホイール
62、64 バランスウエイト
71 吸入バルブプレート
72 バルブ座プレート
73 吐出バルブプレート
74 吸入バルブ
75 第1吐出穴
76 第1吸入穴
77 第2吐出穴
78 吐出バルブ
79 第2吸入穴
2 圧縮機本体ユニット
3 モータユニット
4 クランクケース
4a、4b 側面
4c 端板部分
5 クランクケースカバー
6 第1気筒
6a 軸線
7 第2気筒
7a 軸線
8 シリンダ
9 ディスクバルブ
10 シリンダヘッド
10a 吸入室
10b 吐出室
11 シリンダ
12 ディスクバルブ
13 シリンダヘッド
20 クランク機構
21 スコッチヨーク機構
22 モータ軸
22a 先端部
22b 後端部
22c 軸線
22d カット面
23 クランク軸
23a 先端部
23b 後端部
23c 軸線
23d カット面
23e カット面
24 支持軸
24b 後端部
24d カット面
25 後側ベアリング
26 前側ベアリング
27 後側クランクアーム
27a クランクアーム本体
27b すり割り
27c、27d すり割り部分
27e 軸挿入穴
27f ボルト穴
28 前側クランクアーム
28b すり割り
28c、28d すり割り部分
28e 軸挿入穴
29 締結ボルト
31 ローラフォロワ
32 スコッチヨーク
32a 内周面
33 内輪
34 外輪
35 ローラ
36、37 ヨークカバー
36a 内周縁部分
41、42 環状スペーサ
43、44 ピストン
45、46 圧縮室
51 微小隙間
52 微小隙間
53 後側回転板
54 微小隙間
55 前側回転板
61、63 フライホイール
62、64 バランスウエイト
71 吸入バルブプレート
72 バルブ座プレート
73 吐出バルブプレート
74 吸入バルブ
75 第1吐出穴
76 第1吸入穴
77 第2吐出穴
78 吐出バルブ
79 第2吸入穴
Claims (9)
- 回転入力軸(22)と、
前記回転入力軸(22)に対して一定量だけ偏心した状態で平行に延びるクランク軸(23)と、
前記クランク軸(23)および前記回転入力軸(22)を相互に締結固定しているクランクアーム(27)と、
前記クランク軸(23)を取り囲む状態に配置され、当該クランク軸(23)の偏心回転によって揺動運動する筒状のスコッチヨーク(32)と、
前記スコッチヨーク(32)の揺動運動によって直線往復運動するピストン(43、44)によって流体の吸引、圧縮、吐出動作が行われる圧縮室(45、46)を備えた少なくとも1組の気筒(6、7)とを有し、
前記気筒は、シリンダ(8、11)と、当該シリンダ(8、11)の先端開口を封鎖しているディスクバルブ(9、12)とを備え、
前記圧縮室(45、46)は、前記シリンダ(8、11)、前記ディスクバルブ(9、12)の内側端面、および、前記ピストン(43、44)によって区画形成されており、
前記ディスクバルブ(9、12)は、吸入バルブプレート(71)、バルブ座プレート(72)、および、吐出バルブプレート(73)がこの順序で前記圧縮室(45、46)の側から積層された構成の積層体であり、
前記吸入バルブプレート(71)は、当該吸入バルブプレートにおける前記圧縮室に露出しているプレート部分に切り込みを入れることにより形成したプレート面外方向に弾性変位可能な吸入バルブ(74)と、前記プレート部分の一部を切り取ることにより形成した第1吐出穴(75)とを備えており、
前記バルブ座プレート(72)は、当該バルブ座プレートの一部を切り取ることにより形成した第1吸引穴(76)と、当該バルブ座プレートの一部を切り取ることにより形成した第2吐出穴(77)とを備えており、
前記吐出バルブプレート(73)は、当該吐出バルブプレートの一部に切り込みを入れることにより形成したプレート面外方向に弾性変位可能な吐出バルブ(78)と、当該吐出バルブプレートの一部を切り取ることにより形成した第2吸引穴(79)とを備えており、
前記第1吐出穴(75、77)および前記第2吐出穴は相互に連通しており、前記吐出バルブ(78)によって封鎖されており、
前記第1吸引穴(76)および前記第2吸引穴(79)は相互に連通しており、前記吸入バルブ(74)によって封鎖されていることを特徴とする容積型ガス圧縮機(1)。 - 請求項1において、
前記吸入バルブ(74)に前記第1吐出穴(75)が形成されていることを特徴とする容積型ガス圧縮機(1)。 - 請求項2において、
前記吸入バルブプレート(81)、前記バルブ座プレート(72)および前記吐出バルブプレート(73)は同一輪郭形状のプレートであることを特徴とする容積型ガス圧縮機(1)。 - 請求項3において、
前記吸入バルブプレート(71)、前記バルブ座プレート(72)および前記吐出バルブプレート(73)のうちの少なくとも一つは、同一形状の複数枚のプレートを重ね合わせた構成となっていることを特徴とする容積型ガス圧縮機(1)。 - 請求項4において、
前記シリンダ(8、11)の先端開口には、前記ディスクバルブ(9、12)を挟み、シリンダヘッド(10、13)が固定されており、
前記シリンダヘッド(10、13)には、前記第1吸引穴(76)に連通している吸入室(10a)と、前記吐出バルブ(78)に対峙する吐出室(10b)とが形成されており、
前記シリンダ(8、11)の前記ディスクバルブ(9、12)との接合面は、当該ディスクバルブと同一輪郭形状をした平坦面であり、
前記シリンダヘッド(10、13)の前記ディスクバルブ(9、12)との接合面は、当該ディスクバルブと同一輪郭形状をした平坦面であることを特徴とする容積型ガス圧縮機(1)。 - 回転入力軸(22)と、
前記回転入力軸(22)に対して一定量だけ偏心した状態で平行に延びるクランク軸(23)と、
前記回転入力軸(22)の先端部および前記クランク軸(23)の後端部を相互に締結固定している後側クランクアーム(27)と、
前記クランク軸(23)の先端部の側において前記回転入力軸と同軸状態に延びる支持軸(24)と、
前記クランク軸(23)の先端部および前記支持軸(24)の後端部を相互に連結固定している前側クランクアーム(28)と、
前記クランク軸(23)を取り囲む状態に配置され、当該クランク軸の偏心回転によって揺動運動する筒状のスコッチヨーク(32)と、
前記スコッチヨーク(32)の揺動運動によって直線往復運動するピストン(43、44)によって流体の吸引、圧縮、吐出動作が行われる圧縮室(45、46)を備えた少なくとも1組の気筒(6、7)とを有し、
前記回転入力軸(22)の先端部の外周面には、当該回転入力軸の軸線方向に延びる入力軸平坦面(22d)が形成され、前記クランク軸(23)の前記後端部の外周面には、当該クランク軸の軸線方向に延びる後側平坦面(23d)が形成されており、
前記クランク軸(23)の後端部の外周面には、当該クランク軸(23)の軸線方向に延びる前側平坦面(23e)が形成され、前記支持軸(24)の前記後端部の外周面には、当該支持軸の軸線方向に延びる支持軸平坦面(24d)が形成されており、
前記後側クランクアーム(27)は、
前記クランク軸に平行に延びるすり割り(27b)によって分離されている左右のすり割り部分(27c、27d)と、
前記すり割り部分(27c、27d)の間に形成されている軸挿入穴(27e)と、
前記すり割り部分(27c、27d)を相互に締結固定するための締結ボルト(29)とを備えており、
前記軸挿入穴(27e)は、前記入力軸平坦面(22d)および前記後側平坦面(23d)を相互に重ね合わせた状態における前記回転入力軸(22)および前記クランク軸(23)の外周面輪郭形状に対応する内周面輪郭形状の穴であり、
前記前側クランクアーム(28)は、
前記クランク軸(23)に平行に延びるすり割り(28b)によって分離されている左右のすり割り部分(28c、28d)と、
前記すり割り部分の間に形成されている軸挿入穴(28e)と、
前記すり割り部分を相互に締結固定するための締結ボルトとを備えており、
前記軸挿入穴(28e)は、前記前側平坦面(23e)および前記支持軸平坦面(24d)を相互に重ね合わせた状態における前記クランク軸(23)および前記支持軸(24)の外周面輪郭形状に対応する内周面輪郭形状の穴であることを特徴とする容積型ガス圧縮機(1)。 - 請求項6において、
前記クランク軸(23)の外周面に同心状態に固定した内輪(33)および前記スコッチヨークの内周面に沿って転動する外輪(34)を備えたベアリング(31)と、
前記スコッチヨーク(32)における前記後側クランクアーム(27)に対峙する後端面に取り付けられ、中心に前記クランク軸(23)が貫通している軸穴が形成されている後側ヨークカバー(36)と、
前記内輪(33)および前記後側クランクアーム(27)の間隔を保持するために前記クランク軸(23)の外周面に固定した後側環状スペーサ(41)と、
前記後側環状スペーサ(41)に、固定あるいは一体形成した後側回転板(53)と、
前記スコッチヨーク(32)における前記前側クランクアーム(28)に対峙する前端面に取り付けられ、中心に前記クランク軸が貫通している軸穴が形成されている前側ヨークカバー(37)と、
前記内輪(33)および前記前側クランクアーム(28)の間隔を保持するために前記クランク軸(23)の外周面に固定した前側環状スペーサ(42)と、
前記前側環状スペーサ(42)に、固定あるいは一体形成した前側回転板(55)とを有し、
前記後側ヨークカバー(36)における内周縁部分(36a)は、前記ベアリングの前記内輪(33)の後側端面に沿って前記前側環状スペーサ(41)の外周面近傍位置まで延びており、
前記後側回転板(53)は、前記後側ヨークカバー(36)と前記後側クランクアーム(27)の間において、前記後側ヨークカバー(36)に対して微小間隔で対峙しており、
前記前側ヨークカバー(37)における内周縁部分は、前記ベアリングの前記内輪(33)の前側端面に沿って前記前側環状スペーサ(42)の外周面近傍位置まで延びており、
前記前側回転板(55)は、前記前側ヨークカバー(37)と前記前側クランクアーム(28)の間において、前記前側ヨークカバー(37)に対して微小間隔で対峙していることを特徴とする容積型ガス圧縮機(1)。 - 請求項6または7において、
前記後側クランクアーム(27)および前記前側クランクアーム(28)のうちの少なくとも一方のクランクアームには、当該クランクアームを取り囲む状態に前記クランク軸(23)の軸芯を中心とする円環状のフライホイール(61)が取り付けられていると共に、当該クランクアームの一部を取り囲む状態に前記軸芯を中心とする所定の角度を張る扇形のバランスウエイト(62)が取り付けられていることを特徴とする容積型ガス圧縮機(1)。 - 請求項8において、
前記フライホイール(61)と前記バランスウエイト(62)は単一部品からなることを特徴とする容積型ガス圧縮機(1)。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010105567A JP2011231744A (ja) | 2010-04-30 | 2010-04-30 | 容積型ガス圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010105567A JP2011231744A (ja) | 2010-04-30 | 2010-04-30 | 容積型ガス圧縮機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2011231744A true JP2011231744A (ja) | 2011-11-17 |
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ID=45321299
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2010105567A Pending JP2011231744A (ja) | 2010-04-30 | 2010-04-30 | 容積型ガス圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2011231744A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20190000330U (ko) * | 2017-07-27 | 2019-02-11 | 주식회사 한국가스기술공사 | 가스 압축기의 크랭크 샤프트용 터닝장치 |
US10295057B2 (en) | 2015-12-11 | 2019-05-21 | Hyundai Motor Company | Piston pin with eccentric center of gravity using different materials and method for manufacturing the same |
-
2010
- 2010-04-30 JP JP2010105567A patent/JP2011231744A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10295057B2 (en) | 2015-12-11 | 2019-05-21 | Hyundai Motor Company | Piston pin with eccentric center of gravity using different materials and method for manufacturing the same |
KR20190000330U (ko) * | 2017-07-27 | 2019-02-11 | 주식회사 한국가스기술공사 | 가스 압축기의 크랭크 샤프트용 터닝장치 |
KR200489043Y1 (ko) | 2017-07-27 | 2019-04-22 | 주식회사 한국가스기술공사 | 가스 압축기의 크랭크 샤프트용 터닝장치 |
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