JP2011231541A - 暗渠、これを用いた地下水の排水構造および排水網 - Google Patents

暗渠、これを用いた地下水の排水構造および排水網 Download PDF

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Abstract

【課題】上面に集水した地下水の小口部分からの流出を抑制することのできる暗渠、これを用いた地下水の排水構造および排水網を提供する。
【解決手段】地中に構築した地下水の導水構造体6の下側に埋設され、導水構造体6から流下した地下水を集水して排水する暗渠5であって、延在方向に貫通して排水流路71が形成された暗渠本体51と、暗渠本体51の上面と排水流路71とを連通させる集水開口部52と、暗渠本体51の上面の全周に亘って突設された水返し部54と、を備え、水返し部54の内側面は、集水開口部52側に下り傾斜となる傾斜面で構成され、水返し部54の外側面は、暗渠本体51の各側面上部および各小口面上部と面一に形成されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、地中に埋設され、地下水を集水して排水するための暗渠、これを用いた地下水の排水構造および排水網に関する。
従来、管内に連通する開口部を上面に有し、その開口部を挟むように一対の突出部が立設した定尺の暗渠が知られている(特許文献1参照)。この暗渠は、長手方向に複数接続して地中に埋設され、上側に埋設した任意の集水手段(透水性材料等)により導かれた地下水を、その上面で集水する。この上面に集水した地下水は、一対の突出部によって開口部に導かれ、さらに暗渠の内部流路に流下して排水されるようになっている。
特開2009−215872号公報
ところで、暗渠と暗渠との接続部分(接合部分)は、耐震性等を考慮して「接合代」が十分に確保されており、この部分から排水(地下水)が漏れ出ることはない。しかし、上記した従来の暗渠では、流下した地下水が勾配に従って上面を流れるときに、その一部が各突出部の存在しない当該接合部分(突き当てた相互の小口部分)の僅かな間隙から外部に流れ出してしまい、暗渠の内部へと地下水を効果的に導入することができず、集水効率が低下するという問題があった。特に、暗渠を埋設した後、地盤沈下や地震等によって接合部分に僅かな抜けが生じた場合に、各暗渠の上面に集水した地下水の小口部分からの流出が顕著となる。
本発明は、上面に集水した地下水の小口部分からの流出を抑制することのできる暗渠、これを用いた地下水の排水構造および排水網を提供することを課題とする。
本発明の暗渠は、地中に構築した地下水の導水構造体の下側に埋設され、導水構造体から流下した地下水を集水して排水する暗渠であって、延在方向に貫通して排水流路が形成された暗渠本体と、暗渠本体の上面と排水流路とを連通させる集水開口部と、暗渠本体の上面の全周に亘って突設された水返し部と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、水返し部が繞設された暗渠本体の上面が、導水構造体に導かれた地下水の受けとなり、暗渠本体の上面に集められた地下水は、当該上面に開口した集水開口部を介して排水流路に流れ込む。すなわち、暗渠ごとに繞設された水返し部の内側に集水した地下水は、暗渠本体の上面から漏れることなく排水流路に流下する。この場合、水返し部は暗渠本体の延在方向のみならず、小口方向にも設けられており、暗渠本体の上面に集水した地下水が、隣接する暗渠の相互の小口部分から漏れ、再び地中に流出してしまうことを確実に阻止することができる。特に、地震等の事後的な要因によって隣接した各暗渠同士が僅かに離間したとしても、小口部分からの地下水の流出を適切に防止することができる。したがって、地下水の集水効率が低下することがない。さらに、水返し部が繞設された暗渠本体の上面に導水構造体を臨ませることにより、水返し部が導水構造体の水平方向の移動(位置ずれ)を規制するため、側方からの土圧等による導水構造体と暗渠本体との位置ずれを抑制することができる。一方、上方からの導水構造体の荷重や土圧等に対し、小口方向の水返し部は梁として機能するため、暗渠全体として強度アップを図ることができる。なお、暗渠を製造する際の型抜きを考慮して、集水開口部は、下方に向い狭窄形状となっている。
なお、水返し部を、暗渠の排水勾配の下流側の小口方向と、当該下流側の暗渠本体の両側面の延在方向と、に突設してもよい。つまり、暗渠の排水勾配の下流側にのみ、水返し部を設けてもよい。この場合、集水した地下水は、排水勾配の下流側にのみ配設された水返し部により、暗渠本体の上面からの流出が阻止される。この構成は、暗渠の排水勾配が大きい場合に、特に有効である。
この場合、水返し部の内側面は、集水開口部側に下り傾斜となる傾斜面で構成され、水返し部の外側面は、暗渠本体の各側面上部および各小口面上部と面一に形成されていることが好ましい。
この構成によれば、地下水を受ける面、すなわち集水面積を最大限広く確保することができ、上面に流下した地下水を、漏れなく且つ効率良く集水することができる。なお、断面方向において、暗渠本体の上部から水返し部に至る部分を拡幅した形状としてもよい。
この場合、水返し部の各小口方向部位の外側面は、外側に下り傾斜となる傾斜面で構成されていることが好ましい。
この構成によれば、地盤の不等沈下等によって隣接した各暗渠の接合部分で屈曲し「V」字型に変形した場合でも、小口側の水返し部の外側面を外側に傾斜させているため、各暗渠の互いの小口面の水返し部が接触し、この部分に応力集中が生ずることがない。これにより、各小口面の水返し部が破損することがない。また、「V」字型に変形した場合、隣接した暗渠の接合部分の下側が離間することとなるが、隣接した暗渠の接合部分で互いの水返し部が接触しづらくなるため、当該接合部分の下側の離間(抜け出し)を最小限に抑えることができる。さらに、水返し部の内側面を集水開口部側に下り傾斜させることで、暗渠を製造する際の型抜きが容易になるだけでなく、水返し部の構造的な強度を確保することができる。
また、この場合、集水開口部の複数個が、延在方向に沿って相互に平行に配設されていることが好ましい。
この構成によれば、地下水の集水面積に対する集水開口部の割合を大きくすることができ、集水した地下水の排水効率を向上させることができる。
この場合、複数個の集水開口部の間に位置して暗渠本体の上面に突設され、水返し部の両小口方向部位の間を結ぶ縦断突出部を、更に備えたことが好ましい。
この構成によれば、暗渠本体の上面に突設された縦断突出部は桁として機能するため、(特に上方からの)土圧に対する強度の高い暗渠を構成することができる。
また、この場合、暗渠本体の上面の少なくとも両小口側には、集水開口部が存在しない非開口部がそれぞれ配設されていることが好ましい。
ところで、集水開口部を大きく確保した方が、暗渠本体の上面に集水した地下水の排水効率は良好なものとなるが、この場合、暗渠の構造的な強度が低下してしまうという問題がある。
しかし、この構成によれば、非開口部が支えとなり、土圧により暗渠本体が排水流路内側に撓むことを防止することができる(いわゆる拝み止め)。これにより、暗渠の強度確保のために、鉄筋の量を増加させる必要もなく、暗渠本体(躯体)の肉厚を厚くする必要もないため、暗渠製造のコストを低廉にすることができる。そして、高い耐圧強度と、排水効率の良さと、を両立した暗渠を構成することができる。
この場合、暗渠本体の一方の小口に突出形成され、排水流路に連なる接合凸部と、他方の小口に没入形成され、排水流路に連なる接合凹部と、を更に備え、非開口部は、接合凸部側に位置する凸部側非開口部と、接合凹部側に位置する凹部側非開口部からなり、凸部側非開口部における、接合凸部の基端と集水開口部の接合凸部側の端との間の距離と、凹部側非開口部における、接合凹部の奥端と集水開口部の接合凹部側の端との間の距離と、が延在方向において同一距離に形成されていることが好ましい。
この構成によれば、暗渠本体の両小口側に配設された凸部側非開口部および凹部側非開口部が梁やスラブとして機能するため、上方および両側方からの土圧に対する暗渠本体の強度を十分に確保することができる。また、接合凸部側および接合凹部側の耐圧強度のバランスを良好に維持することができ、暗渠本体の微小な歪みや応力集中等を防止することができる。
この場合、集水開口部は、相互間に中間非開口部を存して延在方向に配設した複数の個別開口部を有していることが好ましい。
この構成によれば、暗渠本体の上面から排水流路への地下水の排水性能を高く維持しつつ、暗渠の耐圧強度も高く確保できる。これにより、水返し部(特に小口側の水返し部)からの地下水のオーバーフローを防止でき、高い集水効率を維持することができる。また、隣接する個別開口部間の非開口部分は、両側壁の梁として機能するため、暗渠本体の耐圧強度を高く維持することができる。
また、この場合、各中間非開口部の上面に突設され、水返し部の両延在方向部位間を結ぶ横断突出部を、更に備えたことが好ましい。
この構成によれば、横断突出部を複数形成することで、暗渠本体の上面が勾配方向(延在方向)に細分化されるため、水返し部と横断突出部とで囲まれた各範囲における勾配の鉛直方向の距離の絶対値が小さくなる。したがって、暗渠を急勾配に配設した場合でも、水返し部および横断突出部の高さ(突出量)を低く抑えた状態で、水返し部と横断突出部とで囲まれる各範囲に、オーバーフローを防止しつつ所定量の地下水を貯留することができる。これにより、暗渠の構造(強度)に不利となる各個別開口部の開口面積を小さくしても、集水した地下水を排水流路へと漏れなく排水することができる。また、水返し部および横断突出部を低く形成することで、暗渠を製造する際の型抜きが容易になる。
さらに、横断突出部は、暗渠本体の上面において梁として機能するため、鉄筋量の増加等の補強をする(コストアップする)ことなく、延在方向(排水流路方向)に直交する方向および上方に対する耐圧強度の高い暗渠を構成することができる。
また、この場合、複数の個別開口部は、各個別開口部間の距離が等しくなるように配設されていることが好ましい。
この構成によれば、暗渠本体の上面に複数の個別開口部をバランス良く配置することで、暗渠全体における耐圧強度を均一にすることができる。また、複数の個別開口部間を等間隔に配設することで、暗渠の延在方向のどちらを勾配の上流側(または下流側)にしても、排水能力が変わることがない。これにより、勾配の方向によって個別開口部の配置を変更する必要がないため、暗渠の設計および製造に係る負担・コストの低減を図ることができる。さらに、施工者は、暗渠の向きを気にすることなく暗渠の埋設作業を行うことができる(施工者負担の軽減)。
この場合、延在方向において、集水開口部の長さが、排水流路の全長比10%から95%であることが好ましい。
この構成によれば、高い耐圧強度と、排水効率の良さとを、両立した暗渠を構成することができる。
この場合、暗渠本体の両小口側の両側面には、隣接する暗渠との接合状態を維持するための接合部材がボルト留めされる小口側インサートナットがそれぞれ埋め込まれていることが好ましい。
この構成によれば、隣接する暗渠のそれぞれの小口側インサートナットに接合部材を固定することにより、暗渠相互間の接合状態が維持される。これにより、埋設後に発生した地震等が原因で、暗渠間の接合部分において、一方の暗渠から他方の暗渠が必要以上に抜け出してしまうリスクを低減させることができる。なお、隣接する暗渠同士の接合は、許容範囲内(漏水しない範囲)の抜け出しを許容した状態でなされることが好ましい。また、小口側インサートナットに代えて、暗渠本体にインサートねじ(ボルト)等を埋め込んでもよい。
この場合、導水構造体は、導水用の空隙を構成した空隙部材を有し、暗渠本体の上面には、集水開口部に臨むように空隙部材の下端部を固定するための固定部材がボルト留めされる上部インサートナットが埋め込まれていることが好ましい。
この構成によれば、上面インサートナットにボルト留めした固定部材を介して空隙部材が集水開口部上に固定されるため、空隙部材を通じて集水された地下水は、適切に暗渠本体の上面に導かれ、集水開口部を介して排水流路に流入する。なお、上面インサートナットに代えて、暗渠本体の上面にインサートねじ(ボルト)等を埋め込んでもよい。
本発明の地下水の排水構造は、上記した暗渠と、導水構造体と、を備えたことを特徴とする。
この場合、導水構造体は、暗渠の水返し部上に、延在方向に沿って相互に平行に載置された一対の壁体と、一対の壁体の間に配設された空隙部材と、を有し、且つ、暗渠の延在方向に沿って埋設されると共に、地下水をせき止めるように埋設されていることが好ましい。
これらの構成によれば、広範囲の地下水を集水し、効率的に排水することができる。特に、地下水は、主に地山と盛土との境界に沿って流入してくるため、この境界付近に当該暗渠を埋設することで、地下水の集水の効率を向上させることができる。これにより、的確に地下水を排除することができ、地盤の安定性を向上させることができる。また、壁体は、水返し部上に載置されることで、壁体の底面は、水返し部に食い込む。これにより、壁体(導水構造体)は、水平方向(延在方向に直交する方向)にずれることなく固定される。
本発明の地下水の排水網は、上記した地下水の排水構造を、複数連ねてなる暗渠排水ラインと、暗渠排水ラインの要点検位置に介設した排水枡と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、地形に合わせて、柔軟に排水構造を構築することができると共に、適宜配設された排水枡により、暗渠排水ラインの維持管理(詰まり防止・点検等)が可能となる。排水枡の配設位置としては、例えば、一の暗渠排水ラインと他の暗渠排水ラインとの間やコーナー部分、その他暗渠排水ラインに所定の間隔で配設することが考えられる。
本発明の排水網の埋設範囲を示した模式図である。 本発明の第1実施形態に係る排水構造を模式的に示した断面図である。 本発明の第1実施形態に係る暗渠排水ラインを模式的に示した斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る暗渠(長管型)の四面図である。 暗渠の端面を閉塞する凸部端面部材および凹部端面部材の取り付けを説明するための部分平面図である。 (a)は接合部材の平面図、(b)は暗渠本体の上面に固定された固定部材および空隙部材の断面図である。 第1実施形態に係る暗渠の変形例を示した平面図および側面図である。 第1実施形態に係る暗渠の他の変形例を示した四面図である。 第1実施形態に係る短管型の暗渠を示した平面図および側面図である。 第1実施形態に係る曲管型の暗渠を示した平面図および側面図である。 本発明の第2実施形態に係る暗渠(長管型)の平面図および側面図である。 本発明の第3実施形態に係る暗渠(長管型)の平面図および側面図である。 本発明の第4実施形態に係る暗渠(長管型)の平面図および側面図である。 本発明の第5実施形態に係る暗渠(長管型)の平面図および側面図である。
以下、添付した図面を参照して、本発明の第1実施形態に係る暗渠について説明する。この暗渠は、その上面で地中に構築した導水構造体から流下した地下水を受け、集水して排水する排水網に用いられるものである。そこで、先ず、地下水の排水網について説明する。
図1ないし図3に示すように、地下水の排水網1は、原地盤面である地山Mの上に埋め立てた盛土H中に埋設された暗渠排水ライン2と、各暗渠排水ライン2の要点検位置に介設された複数の排水枡3と、を備えている。谷筋に埋め立てた盛土Hの上には、宅地Eが造成され、各宅地Eを囲むように道路Rが設けられている。盛土Hの周縁部に設けられた道路Rの直下には、排水網1(暗渠排水ライン2)が埋設されている。そして、複数の排水枡3は、暗渠排水ライン2のコーナー部、合流部若しくは長い直線部分または排水勾配が極端に変化する部分等の要点検箇所に設けられている。このように配設された排水枡3により、排水網1の維持管理(詰り防止・点検等)が可能となっている。
暗渠排水ライン2は、暗渠5、および暗渠5に地下水を集水する導水構造体6を有する地下水の排水構造4から構成されている。暗渠排水ライン2は、地山Mの谷底の地形に合わせて広範囲に複数の排水構造4を連ねることで構築されており、主に地山Mの山側から流下する地下水を処理する。暗渠排水ライン2の下流側の端部は、河川等に連なっており、集水した地下水を河川等に放流することができるようになっている。他方、上流側の端部には、土砂等が入り込まないように端面部材83,84(図5参照)により閉塞されている。なお、上流側の端部に、排水枡3を設けるようにしてもよい。
地下水は、主に地山Mと盛土Hとの境界に沿って流れ、図2の符号L1で示す水位線まで盛土H中に蓄積することとなる。
そこで、本実施形態では、各排水構造4を構成する暗渠5を地山Mと盛土Hとの境界部分(境界付近を含む)に埋設することで、主に地山Mと盛土Hとの境界に沿って流れる地下水の集水および排水を効率良く行うことができるようになっている。これにより、図2の符号L2で示す水位線まで地下水の水位が下がり、盛土H中に地下水が蓄積することがなく、盛土Hを安定させることができる。
導水構造体6は、盛土H中に埋設された複数の土嚢62が積層されて形成された一対の土嚢壁61と、一対の土嚢壁61に挟み込まれるように配設された空隙部材63と、を有している。なお、盛土Hの上には路床Fおよび舗装Sがされ、上記の道路Rが形成される。
一対の土嚢壁61は、暗渠5の延在方向に沿って、暗渠5の上面の両側部に突設された水返し部54(詳細は後述する。)にそれぞれ載置され、互いに所定の間隙を有して対峙している。すなわち、一対の土嚢壁61は、地山Mの山側と谷川とにそれぞれ各暗渠5の排水勾配の方向(延在方向)に沿って、主に地山Mの上流から流下する地下水をせき止めるように埋設されている。
各土嚢62には、土嚢壁61を埋設する際に掘削された掘削土が詰めてある。なお、土嚢壁61(土嚢62)は、盛土Hよりも透水性が高い材料で構成することが好ましく、掘削土(その他の土)に代えて、廃材、プラスチック、その他の代替物を土嚢62への収納物としてもよい。
土嚢壁61と土嚢壁61との間隙には、導水用の空隙を構成した空隙部材63が挟み込まれている。空隙部材63は、盛土Hより透水性が高い材料であればよく、例えば、樹脂製の透水性材料、砕石、中空の構造体等で構成されている。このように、空隙部材63が一対の土嚢壁61に挟み込まれることにより、一対の土嚢壁61の所定の間隙が確保され、盛土H中の地下水を効果的に吸収(集水)することができる。さらに、空隙部材63の下端部は、暗渠5の上面に配設された複数の固定部材85(詳細は後述する。)によって暗渠5の上面(集水開口部52)に臨む位置に固定されている。これにより、空隙部材63を伝わり流下する地下水は、確実に暗渠5へと導かれる。
次に、図4ないし図10を参照して、暗渠5について詳細に説明する。以降、説明を簡単にするために、暗渠排水ライン2を真っ直ぐ構成する場合に用いられる直管型の暗渠5について説明する。なお、以下、各図において、暗渠5の長手方向を「X軸方向」と、これに直交する方向を「Y軸方向」と、X軸方向およびY軸方向に直交する方向を「Z軸方向」と、規定して説明する。図4に示すように、暗渠5は、X軸方向に貫通して排水流路71が形成された暗渠本体51と、暗渠本体51の上面と排水流路71とを連通させる集水開口部52と、暗渠本体51の上面の全周に亘って突設された水返し部54と、を備えている。
暗渠本体51は、略直方体形状の外観を有しており、その矩形断面の略中心部分には、円形断面の排水流路71がX軸方向に沿って貫通形成されている。なお、排水流路71の断面形状は、円形に限られたものではなく、矩形、楕円形(卵形)等でもよい。
また、暗渠本体51は、その一方の小口に突出形成され、排水流路71に連なる接合凸部72と、他方の小口に没入形成され、排水流路71に連なる接合凹部73と、を備えている。接合凸部72は、段部72aを有する段付きのテーパー形状に形成されている。接合凸部72には、環状の止水ゴム(図示省略)が嵌合し、止水ゴムは、段部72aに当接している。他方、接合凹部73は、接合凸部72と略相補的なテーパー形状に形成されている。
各暗渠5間の接続(接合)は、一の暗渠5における接合凸部72を、他の暗渠5における接合凹部73に嵌合させることで行われる。これにより、止水ゴムの部分で接合凸部72と接合凹部73とが密着し、各暗渠5は互いに止水状態で接合される。各暗渠5間の接合部分は、地震等によって、接合凸部72が接合凹部73から僅かに(数mm〜数cm程度)抜け出した場合でも止水性能が低下しないように構成されており、かつ、十分な「接合代」(本実施形態では、約60mm)が確保されている。すなわち、数mm〜数cm程度の許容範囲内での抜け出しを許容する構造(差し込み形式)となっている。なお、接合した際に、暗渠5相互間の小口面が密接するように、接合凸部72の長さは、接合凹部73の没入部分の長さよりも僅かに(数mm)短く形成されている。また、接合凸部72および接合凹部73の各テーパーの傾斜角度は、暗渠5の製造時の型抜き、および、暗渠5同士の接合作業が容易となるように設計されている。
また、暗渠本体51の両小口側の両側面には、隣接する暗渠5との接合状態を維持するための接合部材81がボルト留めされる複数の小口側インサートナット74がそれぞれ埋め込まれている。小口側インサートナット74は、各側面においてZ軸方向に2箇所に並んで配設されている。
なお、図5に示すように、暗渠排水ライン2の上流端に位置する暗渠5には、接合凸部72側または接合凹部73側の小口面に複数の端面インサートナット75が埋め込まれている。そして、接合凸部72側または接合凹部73に対し、止水部材82(環状の止水ゴム)を介して凸部端面部材83または凹部端面部材84を係合させ、各端面インサートナット75にボルトで固定することで、接合凸部72側または接合凹部73側が閉塞される。この場合、端面部材83,84により閉塞される側の小口側インサートナット74は省略される。なお、言うまでもないが、各小口側インサートナット74および各端面インサートナット75は、暗渠5を製造する際、型(仮枠)にセットした状態でコンクリートを流し込むことで暗渠5に埋め込まれる。
図6(a)に示すように、接合部材81は、金属製の矩形に形成された板状の部材であり、その両端には、ボルトが貫通する一対の孔が開口している。接合部材81は、隣接する各暗渠5の小口側インサートナット74に対し、ボルトでそれぞれ固定される(図3参照)。すなわち、隣接する暗渠5相互間の接合は、4枚の接合部材81を各小口側インサートナット74にボルト留めすることで行われる。この一対の孔のうち、一方の孔は、円形に形成され、他方の孔は、X軸方向に長辺を有する楕円形に形成されている。接合部材81の孔の1つが楕円形に形成されているため、隣接する暗渠5相互間では、許容範囲内(漏水しない範囲)の抜け出しは許容される。これにより、接合部分にフレキシブル性を持たせ得ると共に、万が一、許容範囲より大きな抜け出しが生じ得る地盤の変形(地震等)が生じた場合でも、許容範囲以上の抜け出しを有効に阻止することができる。なお、小口側インサートナット74および各端面インサートナット75の配設数は任意であり、接合部材81の材質および形状も任意である。また、小口側インサートナット74および各端面インサートナット75に代えて、暗渠本体51にインサートねじ(ボルト)等を埋め込んでもよい。
また、図4に示すように、暗渠本体51の上面には、集水開口部52上に臨むように空隙部材63の下端部を固定するための固定部材85がボルト留めされる上部インサートナット76が、複数埋め込まれている。複数の上部インサートナット76は、集水開口部52のY軸方向の両端から逃げた部分に、それぞれX軸方向に沿って等間隔に3つずつ埋め込まれている。なお、上部インサートナット76の配設数は任意である。また、詳細な説明は省略するが、暗渠本体51の上面には、玉掛用の治具(リング治具)を取り付けるための取付治具77が埋め込まれている。
図6(b)に示すように、固定部材85は、L字型の金具であり、各上部インサートナット76にボルトで固定され、集水開口部52上に臨んだ空隙部材63をY軸方向両側面から挟み込むように配設されている。そして、空隙部材63は、Y軸方向の一方から貫通したボルトにナットを螺合させることで、複数の固定部材85に対して固定される。このように、上部インサートナット76および固定部材85を介して空隙部材63が集水開口部52上に臨むように固定されるため、空隙部材63を通じて集水された地下水は、適切に暗渠本体51の上面に導かれ、集水開口部52を介して排水流路71に流入する。なお、上部インサートナット76に代えて、暗渠本体51の上面にインサートねじ(ボルト)等を埋め込んでもよい。
図4に示すように、集水開口部52は、暗渠本体51の上面から排水流路71に貫通した複数の個別開口部52aを有している。そして、各個別開口部52aが存在しない暗渠本体51の上面は、非開口部53となっている。本実施形態では、平面視矩形に開口した4つの個別開口部52aが、暗渠本体51の上面のY軸方向の中央において、X軸方向に沿って1列に並んで配設されている。このように、複数の個別開口部52aを有することで、暗渠本体51の上面から排水流路71への地下水の排水性能を高く維持しつつ、暗渠5の耐圧強度も高く確保できる。これにより、水返し部54(特に小口方向部位54a)からの地下水のオーバーフローを防止でき、高い集水効率を維持することができる。
また、各個別開口部52aは、上から下に向って狭窄した形状に開口している。このように、集水開口部52を下方に向かって狭窄形状とすることで、暗渠5を製造する際の型抜きが容易になる。
なお、集水開口部52(個別開口部52a)の形状および形成数は任意であり、少なくとも1つが形成されていればよいため、例えば、図7に示すような構成であってもよい。また、図示は省略するが、X軸方向に沿う集水開口部52をY軸方向に複数個並べて形成してもよいし、個別開口部52aをマトリクス状や千鳥状に形成してもよく、集水開口部52(個別開口部52a)を大きくまたは(および)多数形成することで地下水の排水効率が良好となる。
しかし、暗渠本体51の上面に対する集水開口部52の開口部分が拡大すると、暗渠5の構造的な強度が低下してしまうという問題があるため、本実施形態では、非開口部53を設け、支えとすることで、土圧により暗渠本体51が排水流路71内側に撓むことを防止している(いわゆる拝み止め)。これにより、暗渠5の強度確保のために、鉄筋の量を増加させる必要もなく、暗渠本体51(躯体)の肉厚を厚くする必要もないため、暗渠5の製造のコストを低廉にすることができる。
非開口部53は、個別開口部52aが存在しない暗渠本体51の上面であり、各個別開口部52aの相互間に設けられた複数の中間非開口部53aと、接合凸部72側に位置する凸部側非開口部53bと、接合凹部73側に位置する凹部側非開口部53cと、を有している。非開口部53は、両側壁の梁として機能するため、暗渠本体51の耐圧強度を高く維持することができる。なお、上記した図7に示すような構成の暗渠5の場合、その構成上、中間非開口部53aは存在しない。
複数の中間非開口部53a(本実施形態では3つ)は、X軸方向の長さがそれぞれ等しく形成されている。すなわち、各個別開口部52aは、等間隔に配設されている。これにより、暗渠本体51の上面に複数の個別開口部52aがバランス良く配置されるため、暗渠5全体における耐圧強度を均一にすることができ、高い耐圧強度と、排水効率の良さと、を両立した暗渠5を構成することができる。また、複数の個別開口部52a間を等間隔に配設することで、暗渠5の小口のどちらを勾配の上流側(または下流側)にしても、排水能力が変わることがない。これにより、勾配の方向によって個別開口部52aの配置を変更する必要がないため、暗渠5の設計および製造に係る負担・コストの低減を図ることができる。さらに、施工者は、暗渠5の向きを気にすることなく暗渠5の埋設作業を行うことができる(施工者負担の軽減)。
また、本実施形態では、凸部側非開口部53bにおける、接合凸部72の基端と集水開口部52の接合凸部72側の端との間の距離(図4において「A」と表示)と、凹部側非開口部53cにおける、接合凹部73の奥端と集水開口部52の接合凹部73側の端との間の距離(図4において「A´」と表示)と、が延在方向において同一距離に形成されている。これにより、暗渠本体51の両小口側に配設された凸部側非開口部53bおよび凹部側非開口部53cが梁やスラブとして機能するため、上方および両側方からの土圧に対する暗渠本体51の強度を十分に確保することができる。また、接合凸部72側および接合凹部73側の耐圧強度のバランスを良好に維持することができ、暗渠本体51の微小な歪みや応力集中等を防止し、各暗渠5相互間の接合状態を良好に維持することができる。
なお、詳細には、水返し部54の各小口方向部位54a(後述する。)は、接合凸部72側では、凸部側非開口部53bの直上に配置され、接合凹部73側では、この接合凹部73側の直上に配置されている。また、各中間非開口部53aが同一長に形成され、かつ、凸部側非開口部53bおよび凹部側非開口部53cが同一長に形成されているため、図4において右側の個別開口部52aは、他の個別開口部52aよりも短く形成されている。
なお、本実施形態では、X軸方向において、集水開口部52の長さ(複数の個別開口部52aの長さの総計)が、排水流路71の全長比10%以上95%以下になるように形成されている。これにより、高い耐圧強度と、排水効率の良さとを、両立した暗渠5を構成することができる。なお、より好ましい排水流路71の全長比40%以上60%以下である。
水返し部54は、暗渠本体51の上面の外周に沿って、暗渠本体51の上面から突出するように設けられており、各小口側においてY軸方向に沿って立設した小口方向部位54aと、各側面側においてX軸方向に沿って立設した延在方向部位54bと、で一体に形成されている。このように、水返し部54が繞設された暗渠本体51の上面が、導水構造体6(空隙部材63)に導かれた地下水の受けとなり、暗渠本体51の上面に集められた地下水は、当該上面に開口した集水開口部52(複数の個別開口部52a)を介して、上面から漏れることなく排水流路71に流れ込む。
各小口方向部位54aは、内側面を集水開口部52側に下り傾斜となる傾斜面とし、他方、外側面を小口面と面一に形成し、略台形の断面を有している。同様に各延在方向部位54bは、内側面を集水開口部52側に下り傾斜となる傾斜面とし、他方、外側面を暗渠本体51の各側面と面一に形成し、略台形断面を有している。このように、各小口方向部位54aおよび各延在方向部位54bを略台形断面とすることで、暗渠5を製造する際の型抜きが容易になるだけでなく、水返し部54の構造的な強度を確保することができる。
また、水返し部54は、暗渠本体51の上面の外周に沿って水返し部54が繞設されているため、地下水を受ける面積を最大限広く確保することができ、暗渠本体51の上面に流下した地下水を漏れなく且つ効率良く集水することができる。さらに、小口方向部位54aは、上方からの導水構造体6の荷重や土圧等に対し、梁として機能するため、暗渠5全体として強度アップを図ることができる。なお、図8に示すように、暗渠本体51の上面において、両側面から内側に水返し部54を設けてもよい。しかし、集水効率を考慮した場合には、上記のように暗渠本体51の上面の外周に沿って水返し部54を繞設することが好ましく、さらには、断面方向において、暗渠本体51の上部から水返し部54に至る部分を拡幅した形状(図示省略)としてもよい。
さらに、一対の土嚢壁61の最下層の土嚢62は、延在方向部位54bの上に載置される。最下層の各土嚢62の底面は、各延在方向部位54bに食い込むため、各土嚢壁61の最下層の土嚢62のY軸方向への位置ずれが阻止される(図2および図3参照)。これにより、各土嚢壁61のY軸方向への位置ずれを防止することができる。
以上の構成によれば、水返し部54は暗渠本体51の延在方向のみならず、小口方向にも設けられており、暗渠本体51の上面に集水した地下水が、隣接する暗渠5の相互の小口部分から漏れ、再び地中に流出してしまうことを確実に阻止することができる。特に、地震等の事後的な要因によって隣接した各暗渠5同士が僅かに離間したとしても、小口部分からの地下水の流出を適切に防止することができる。したがって、地下水の集水効率が低下することがない。また、上方からの導水構造体6の荷重や土圧等に対し、小口方向部位54aは梁として機能するため、暗渠5全体として強度アップを図ることができる。
なお、第1実施形態の暗渠5では、水返し部54が暗渠本体51の上面の外周に繞設されていたが、水返し部54を、暗渠5の排水勾配の下流側の小口方向部位54aと、排水勾配の下流側にのみに突設した延在方向部位54bと、で構成するようにしてもよい。つまり、暗渠5の排水勾配の上流側の小口方向部位54aを省略し、排水勾配の下流側にのみ水返し部54を設けてもよい。この場合、集水した地下水は、排水勾配の下流側にのみ配設された水返し部54により、暗渠本体51の上面からの流出が阻止される。この構成は、暗渠5の排水勾配が大きい場合に、特に有効である。
また、これまで説明してきた直管型の暗渠5は、長管型(本実施形態では、長さ2m)の他に、図9に示すように、長管型の半分の長さ(長さ1m)の短管型の暗渠5も存在する。この短管型の暗渠5には、X軸方向に沿って1列に並んだ2つの個別開口部52aが開口している。なお、個別開口部52aの開口数以外は、長管型の暗渠5と同様であるため詳細な説明は省略する。また、直管型の暗渠5の長さ(X軸方向の長さ)は任意に設定してよい。
さらに、直管型の暗渠5の他に、図10に示すように、曲管型の暗渠5も存在する。この曲管型の暗渠5には、暗渠本体51の上面の略中央に円形の集水開口部52が開口している。なお、屈曲していること、集水開口部52の形状および開口数以外は、直管型の暗渠5と同様であるため詳細な説明は省略する。また、図10には、屈曲角度が15°の暗渠5を示しているが、屈曲角度および屈曲する方向は任意に設定してよい。
直管型(長管型、短管型)および曲管型の各暗渠5を任意に連ねて暗渠排水ライン2を形成することで、地下水の排水網1は、地形に合わせて構成される。
(第2実施形態)
図11を参照して、第2実施形態に係る暗渠5について説明する。なお、第1実施形態に係る暗渠5と同様の構成部分の説明は省略する。
この暗渠5において水返し部54の各小口方向部位54aは、内側面だけでなく、外側面も外側に下り傾斜となる傾斜面(以下、面取り部55と呼ぶ。)が形成され、台形の断面を有している。このように、各小口方向部位54aをテーパー形状とすることで、暗渠5を製造する際の型抜きが更に容易になる。また、各小口方向部位54aに面取り部55を設けることで、地盤の不等沈下等によって隣接した各暗渠5の接合部分で屈曲し「V」字型に変形した場合でも、各暗渠5の互いの小口方向部位54aが接触し、この部分に応力集中が生ずることがない。これにより、各小口方向部位54aが破損することがない。また、「V」字型に変形した場合、隣接した暗渠5の接合部分の下側が離間することとなるが、隣接した暗渠5の接合部分で互いの小口方向部位54aが接触しづらくなるため、当該接合部分の下側の離間(抜け出し)を最小限に抑えることができる。なお、小口方向部位54aと同様に、各延在方向部位54bの外側面を傾斜面として(面取りして)もよい。
(第3実施形態)
図12を参照して、第3実施形態に係る暗渠5について説明する。なお、第1実施形態に係る暗渠5と同様の構成部分の説明は省略する。
この暗渠5は、複数(4つ)の個別開口部52aからなる集水開口部52がY軸方向に2列並んで形成されている。すなわち、8つの個別開口部52aがマトリクス状に形成されている。そして、一対の集水開口部52の間には、暗渠本体51の上面に突設され、水返し部54の両小口方向部位54aの間を結ぶ縦断突出部56が設けられている。この縦断突出部56は桁として機能するため、(特に上方からの)土圧に対する強度の高い暗渠5を構成することができる。なお、集水開口部52(複数の個別開口部52a)を2列以上形成した場合、縦断突出部56は、任意の集水開口部52の間に形成してよい。例えば、4列の集水開口部52を形成した場合には、縦断突出部56を、それぞれの列の間に設けてもよいし、2列毎に設けてもよい。また、縦断突出部56は、左右(Y軸方向)非対称となる位置に設けてもよいが、重量や排水のバランスを考慮すると左右対称となる位置に設けることが好ましい。
(第4実施形態)
図13を参照して、第4実施形態に係る暗渠5について説明する。なお、第1実施形態に係る暗渠5と同様の構成部分の説明は省略する。
この暗渠5は、第1実施形態に係る暗渠5の各中間非開口部53aの上面に、水返し部54の両延在方向部位54bの間を結ぶ横断突出部57が突設されている。このように、横断突出部57を複数形成することで、暗渠本体51の上面が勾配方向(X軸方向)に細分化されるため、水返し部54と横断突出部57とで囲まれた各範囲における勾配の鉛直方向の距離の絶対値が小さくなる。したがって、暗渠5を急勾配に配設した場合でも、水返し部54および横断突出部57の高さ(突出量)を低く抑えた状態で、水返し部54と横断突出部57とで囲まれる各範囲に、オーバーフローを防止しつつ所定量の地下水を貯留することができる。これにより、各個別開口部52aの開口面積を小さくしても、集水した地下水を排水流路71へと漏れなく排水することができるため、暗渠5の構造(強度)に不利となることがない。また、水返し部54および横断突出部57を低く形成することで、暗渠5を製造する際の型抜きが容易になる。さらに、横断突出部57は、暗渠本体51の上面において梁として機能するため、鉄筋量の増加等の補強をする(コストアップする)ことなく、上方およびY軸方向に対する耐圧強度の高い暗渠5を構成することができる。
(第5実施形態)
また、図14に示すように、第3実施形態に係る縦断突出部56と、第4実施形態に係る横断突出部57と、を備えた構成としてもよい。これにより、地下水の集水効率および排水効率の高く維持しつつ、高い耐圧強度を備えた暗渠5を構成することができる。
なお、言うまでもないが、第3実施形態ないし第5実施形態に係る暗渠5の各小口方向部位54aに、第2実施形態の面取り部55を形成してもよい。また、上記した第2実施形態ないし第5実施形態に係る暗渠5の説明および図示は、長管型の暗渠5に係るものであったが、短管型または曲管型の暗渠5を構成することもできる。
1:排水網、2:暗渠排水ライン、3:排水枡、4:排水構造、5:暗渠、6:導水構造体、51:暗渠本体、52:集水開口部、52a:個別開口部、53:非開口部、53a:中間非開口部、53b:凸部側非開口部、53c:凹部側非開口部、54:水返し部、54a:小口方向部位、54b:延在方向部位、56:縦断突出部、57:横断突出部、61:土嚢壁、63:空隙部材、71:排水流路、72:接合凸部、73:接合凹部、74:小口側インサートナット、76:上部インサートナット

Claims (16)

  1. 地中に構築した地下水の導水構造体の下側に埋設され、前記導水構造体から流下した前記地下水を集水して排水する暗渠であって、
    延在方向に貫通して排水流路が形成された暗渠本体と、
    前記暗渠本体の上面と前記排水流路とを連通させる集水開口部と、
    前記暗渠本体の上面の全周に亘って突設された水返し部と、を備えたことを特徴とする暗渠。
  2. 前記水返し部の内側面は、前記集水開口部側に下り傾斜となる傾斜面で構成され、
    前記水返し部の外側面は、前記暗渠本体の各側面上部および各小口面上部と面一に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の暗渠。
  3. 前記水返し部の各小口方向部位の外側面は、外側に下り傾斜となる傾斜面で構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の暗渠。
  4. 前記集水開口部の複数個が、前記延在方向に沿って相互に平行に配設されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の暗渠。
  5. 前記複数個の前記集水開口部の間に位置して前記暗渠本体の上面に突設され、前記水返し部の両小口方向部位の間を結ぶ縦断突出部を、更に備えたことを特徴とする請求項4に記載の暗渠。
  6. 前記暗渠本体の上面の少なくとも両小口側には、前記集水開口部が存在しない非開口部がそれぞれ配設されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の暗渠。
  7. 前記暗渠本体の一方の小口に突出形成され、前記排水流路に連なる接合凸部と、他方の小口に没入形成され、前記排水流路に連なる接合凹部と、を更に備え、
    前記非開口部は、前記接合凸部側に位置する凸部側非開口部と、前記接合凹部側に位置する凹部側非開口部からなり、
    前記凸部側非開口部における、前記接合凸部の基端と前記集水開口部の前記接合凸部側の端との間の距離と、前記凹部側非開口部における、前記接合凹部の奥端と前記集水開口部の前記接合凹部側の端との間の距離と、が前記延在方向において同一距離に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の暗渠。
  8. 前記集水開口部は、相互間に中間非開口部を存して前記延在方向に配設した複数の個別開口部を有していることを特徴とする請求項6または7に記載の暗渠。
  9. 前記各中間非開口部の上面に突設され、前記水返し部の両延在方向部位間を結ぶ横断突出部を、更に備えたことを特徴とする請求項8に記載の暗渠。
  10. 前記複数の個別開口部は、各個別開口部間の距離が等しくなるように配設されていることを特徴とする請求項8または9に記載の暗渠。
  11. 前記延在方向において、前記集水開口部の長さが、前記排水流路の全長比10%から95%であることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の暗渠。
  12. 前記暗渠本体の両小口側の両側面には、隣接する暗渠との接合状態を維持するための接合部材がボルト留めされる小口側インサートナットがそれぞれ埋め込まれていることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の暗渠。
  13. 前記導水構造体は、導水用の空隙を構成した空隙部材を有し、
    前記暗渠本体の上面には、前記集水開口部に臨むように前記空隙部材の下端部を固定するための固定部材がボルト留めされる上部インサートナットが埋め込まれていることを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の暗渠。
  14. 請求項1ないし13のいずれかに記載の暗渠と、
    前記導水構造体と、を備えたことを特徴とする地下水の排水構造。
  15. 前記導水構造体は、前記暗渠の前記水返し部上に、前記延在方向に沿って相互に平行に載置された一対の壁体と、前記一対の壁体の間に配設された前記空隙部材と、を有し、
    且つ、前記暗渠の延在方向に沿って埋設されると共に、地下水をせき止めるように埋設されていることを特徴とする請求項14に記載の地下水の排水構造。
  16. 請求項14または15に記載の地下水の排水構造を、複数連ねてなる暗渠排水ラインと、
    前記暗渠排水ラインの要点検位置に介設した排水枡と、を備えたことを特徴とする地下水の排水網。
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