JP2011230048A - 気流式分級装置及び微小粒子製造装置 - Google Patents

気流式分級装置及び微小粒子製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】粒子の目標粒径に対し、過剰微粉や過剰粗粉混入を容易に抑制することができる気流式分級装置及び微小粒子製造装置を提供する。
【解決手段】高圧エア及び粉体材料が導入される分散室1と、分散室1の下部に位置し、上側にセンターコア5、下側に中心に開口部7を有するセパレータコア8が設けられ、分散室1から流入する粉体材料を微粉と粗粉とに遠心分離する分級室2と、セパレータコア8の開口部7の下側に連結される微粉排出管13と、セパレータコア8の開口部7の直上部分を囲う遮蔽リング部材2FRと、少なくとも遮蔽リング部材2FRよりも上側に、開口部7の開口端に対応して複数の羽根板を一定間隔を空けて環状に配置してなるルーバー管2Fと、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、微粉や粗大粒子の混入を抑制し、効率良く粒度分布のシャープなトナー粉などの粉体材料を製造するための気流式分級装置及び該気流式分級装置を備える微小粒子製造装置に関する。
従来、トナーの微粉砕粗粉装置としては、1台の分級機と1台の粉砕機からなるものを2組組み合わせたもの、又は2台の分級機と1台の粉砕機からなるものが知られている。またその例としては、高圧気流をジェットノズルから噴出させ、そのジェット気流中に原料粒子を巻き込み、粒子の相互衝突又は壁その他の衝突体との衝突で粉砕を進めるいわゆるジェット式粉砕手段であるジェットミル、または表面に凹凸のあるロータを高速回転し、その周囲内面に凹凸面を固定配置したステータ間によって発生するうず流によりトナーを粉砕する機械式粉砕機を粉砕手段として用い、該粉砕手段1つまたは2つと、粗粉分級手段2つが結合されて、粉砕に供された後、分級手段2つが結合されて微粉分級する構成のものがある。
図1は、それぞれ従来行われているトナー製造方法(微小粒子製造装置)における各工程のフローの例である。例えば微粉砕粗粉分級工程は閉回路粉砕で行われ、原料は原料供給管81を経て粉砕手段82で粉砕された後、サイクロン84で一旦捕集され、粗粉分級手段85へ導入され粉砕物と微粉とに分けられる。粗粉は配管83を経て戻り再び粉砕機82で粉砕される。粉砕工程で生じた微粉は経路86を通じてサイクロン87で捕集された後、微粉分級工程に供される。微粉分級工程において分級手段に供給される粉体は、原料の粉体の他、粉砕の過程にある広範囲の粒径のトナーが粉砕手段と分級手段との間を循環して供給されるため、粒度がブロードであり、目的の粒度を得るためには製品回収率が悪く、閉回路粉砕を行っている機械式粉砕機へのトナー戻し量が増加し、非常に負荷の大きい状態で運転しなくてはならない。微粉分級工程において、トナーは微粉分級機88でさらに分級され、製品は製品回収器89に回収される。
分級された微粉は経路90を経由してサイクロン91に一旦捕集された後、経路92を経由して微粉分級機94で再度分級され、粗粒子は経路93を経て分級機88に再び戻される。また微粉は経路95を経由してサイクロン96に捕集された後、微粉97として回収される。この微粉分級機88、94は、処理能力に応じて一段分級機および二段分級機の中から好適なものを用いることができる。
しかしながら、この系では、分級手段に供給される粉体は、原料の粉体の他、粉砕の過程にある種々の粒径のトナーが粉砕手段と分級手段の間を循環して供給されるため、粒度が非常にブロードであり、且つ目的の粒度を得るためには、非常に負荷の大きい状態で運転されることになる。従って、分級された製品には、品質上悪影響を及ぼす粗粒子が多くなる。一方、再度粉砕へ戻される粗粉側には、本来、これ以上粉砕の必要のない微粉が多く混入してこれらの微粉がさらに粉砕されることから、粉砕品中の微粉の割合が多くなって、微粉の凝集物等が発生することもあり、次工程の分級工程で微粉除去を行って所望の粒度を得ても収率が低い。
また上述のとおり、従来のトナー製造方法では粗粉や微粉の割合が多くなるので、このよういにして製造された現像剤を用いて得られた画像は帯電量が安定せず、濃度も一定とならない。即ち、トナーの帯電量に影響を与える過粉砕されたトナーは地汚れ現象を引き起こし、粉砕不足であるトナーは転写不良で画像欠陥や品質の低下を引き起こす。また、生産においては分級機に過大な負荷がかかるため分級の効率が悪く、粉砕における粉砕エネルギー効率も悪いという問題がある。
ところで、近年の乾式トナーにおいては、高画質を目指してデジタル化が進み、粒径の制御すなわちトナー要求粒径に対し、過剰微粉や粗大粒子混入が少ないシャープな粒径が要求されている。従来の粉砕プロセスでは、微粉砕工程での消費エネルギーが大きく経済的に有利な方法とは言えない。また、ジェット式粉砕機による粉砕では、製品として不要な粗粉の発生が重量割合で1〜15%とかなり多く、それがために、製品トナーへの粗粉の混入を招き易く、粗粉を除去するための生産効率が悪く、結果さらに小粒径化させるため追加エネルギーを必要とする。さらに上記従来の分級機では粉砕処理能力および消費動力などの点で粉砕性能が不十分であるだけでなく、画像品質面で粒度や分布が重要で、帯電量分布などに悪影響を与える問題があった。
そこで、特許文献1,2では、微粉や粗大粒子の混入を抑制し、効率よく粒度分布のシャープな粉体材料を製造するために分散室や分級室を改良した気流式分級装置が提案されている。
しかしながら、体積平均粒径5μm以下で上記トナー要求粒径(粒度分布)を満足させるためには更なる粗粉分級精度の向上が必要であった。
本発明は、以上の従来技術における課題に鑑みてなされたものであり、粒子の目標粒径に対し、過剰微粉や過剰粗粉混入を容易に抑制することができる気流式分級装置及び微小粒子製造装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために提供する本発明は、以下の通りである。
〔1〕 高圧エア及び粉体材料が導入される分散室(分散室1)と、前記分散室の下部に位置し、上側にセンターコア(センターコア5)、下側に中心に開口部(開口部7)を有するセパレータコア(セパレータコア8)が設けられ、前記分散室から流入する粉体材料を微粉と粗粉とに遠心分離する分級室(分級室2)と、前記セパレータコアの開口部の下側に連結される微粉排出管(微粉排出管13)と、前記セパレータコアの開口部の直上部分を囲う遮蔽リング部材(遮蔽リング部材2FR)と、少なくとも前記遮蔽リング部材よりも上側に、前記開口部の開口端に対応して複数の羽根板(羽根板2Fa)を一定間隔を空けて環状に配置してなるルーバー管(ルーバー管2F)と、を備えることを特徴とする気流式分級装置(気流式分級装置100、図2,図3)。
〔2〕 前記遮蔽リング部材の高さTは、1/5H≦T≦3/5H(H:前記ルーバー管の高さ)を満足することを特徴とする前記〔1〕に記載の気流式分級装置。
〔3〕 前記遮蔽リング部材は、上部に円周外側に張り出した鍔部(鍔部2FRa)を有することを特徴とする前記〔1〕または〔2〕に記載の気流式分級装置(図4)。
〔4〕 前記鍔部の張り出し幅Dは、1/20R≦D≦5/20R(R:前記遮蔽リング部材のリング径)を満足することを特徴とする前記〔3〕に記載の気流式分級装置。
〔5〕 前記センターコアは、その中心に設けられる微粉排出口(微粉排出口5a)と、前記微粉排出口に接続され該微粉排出口から前記セパレートコアの開口部に延びる第2微粉排出管(第2微粉排出管5b)と、を有することを特徴とする前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の気流式分級装置(図2)。
〔6〕 前記分散室は、その上部中心に該分散室の内部から外部に貫通する気流排出管(気流排出管15)を有し、該気流排出管の内径Aは、1/2B≦A≦3B(B:前記微粉排出口の内径)を満足することを特徴とする前記〔5〕に記載の気流式分級装置(図2,図5)。
〔7〕 前記分散室は、その上部中心に該分散室の内部から外部に貫通する気流排出管(気流排出管15)を有し、該気流排出管の前記分散室内への挿入長さULは、1/5DL≦UL≦3/5DL(DL:分散室高さ)を満足することを特徴とする前記〔5〕または〔6〕に記載の気流式分級装置(図2,図5)。
〔8〕 機械式粉砕機または気流式粉砕機(粉砕機FZ1,FZ2)と、前記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の気流式分級装置(気流式分級装置100)と、をそれぞれ1または2以上を連結してなる粉砕粗粉分級装置を備えることを特徴とする微小粒子製造装置(図1,図6〜図8)。
本発明の気流式分級装置によれば、遮蔽リング部材とルーバー管により目標粒径に対して過剰な大きさとなる粗粉の混入が抑制されるので、従来の分級装置に比べて分級精度が向上する。
また本発明の微小粒子製造装置によれば、本発明の気流式分級装置を備えるので、シャープな粒度分布の微小粒子群からなる微粉を得ることができる。また分級された粗粉は粉砕機にて再度粉砕され再利用可能とするので消費動力の効率化を図ることができ、とくに乾式トナーの製造に好適なものとなる。
微小粒子製造装置の構成を示す概略図である。 本発明に係る気流式分級装置の構成を示す断面図である。 図2の気流式分級装置の開口部付近の構成を示す概略図である。 図2の気流式分級装置で適用可能な遮蔽リング部材の構成を示す斜視図である。 図2の気流式分級装置の分散室の構成を示す断面図である。 本発明の微小粒子製造装置の粉砕粗粉分級装置に関する構成例(1)を示す概略図である。 本発明の微小粒子製造装置の粉砕粗粉分級装置に関する構成例(2)を示す概略図である。 本発明の微小粒子製造装置の粉砕粗粉分級装置に関する構成例(3)を示す概略図である。
以下に、本発明に係る気流式分級装置について説明する。
図2は、本発明に係る気流式分級装置の構成例を示す概略断面図である。図2(a)は、気流式分級装置の縦断面図であり、図2(b)は図2(a)におけるb−b´断面図である。
図2(a)に示すように、気流式分級装置100は、上部に高圧エア及び粉体材料(粉状の原料及び原料の粉砕物)を供給する粉体材料供給口1aを有する円筒形状のケーシング10内に、上から順に笠形状のセンターコア5と、笠形状で中心に開口部7を有するセパレータコア8とを備え、前記ケーシング10の上部内壁とセンターコア5とで囲われ、前記高圧エアと共に供給される粉体材料を分散する分散室1と、前記センターコア5、セパレータコア8、ケーシング10の内壁で囲われ、前記分散室1から流入する粉体材料を微粉と粗粉とに遠心分離する分級室2と、下部ホッパー3と、から構成されている。
また、分散室1内に、複数の案内羽根1qを一定間隔を空けて環状に配置してなるルーバー環1Qと、該ルーバー環1Qの外周に粉体材料供給口1aから供給される高圧エア及び粉体材料の流路となる空間1bと、を設けている(図2(b))。案内羽根1q同士の間隔は、1〜15mmであることが好ましい。
分散室1内にルーバー環1Qを設けることにより、粉体材料供給口1aから供給される高圧エア及び粉体材料(粉流体)は、空間1bの流路を通ってルーバー環1Qの外周全周に行き渡るとともに、ルーバー環1Qの案内羽根1qの間を通って分散室1内部1cに流入することから、粉流体がルーバー環1Qの外周から均等に該ルーバー環1Qの内側(分散室1内部1c)に流入することとなり、分散室1における粉体材料の分散をさらに向上させることができる。
また、センターコア5は、その中心に微粉排出口5aを有しており、さらに該微粉排出口5aからセパレータコア8の開口部7に延びる第2微粉排出管5bを有する。
これにより、ルーバー環1Qから分散室1内部に流入した粉体物は、分散室1内で旋回流を形成する際、第2微粉排出管5bの吸引作用によって更に旋回速度を増し、その分散性が向上する。同時に粉流体中の超微粉砕の粉体(粒径2μm以下)を、上記分散作用によって微粉排出口5aから第2微粉排出管5bを通し、さらにセパレータコア8の開口部7、開口部7の下側に連結した微粉排出管13を通過させて微粉として排出することができる。
また、分級室2の周壁外周部には二次空気流が流入して半自由渦を形成するための流路として羽形状をした二次空気流入口9(分級ルーバー)が具備され、粉体材料を分散させると共に旋回速度を加速させるように構成されている。したがって、分級室2内の微粉(粒径2〜3μm)は、空気流に乗ってセパレータコア8の開口部7に導かれ、微粉排出管13よりブロアの吸引力によって排出される。また、粗粉(粒径8μm以上)は、セパレータコア8上を旋回する際に遠心力によりセパレータコア8の下縁外周囲に設けられたセパレータコア8と二次空気流入口9の境界部であって環状の粗粉排出口6から下部ホッパー3に重力落下し排出される。
なお、開口部7の上側には、図3に示すように、開口部7の上端部の縁に沿って複数の羽根板2Faを一定間隔を空けて環状に配置してパイプ形状のルーバー管2Fを構成している。このルーバー管2Fにより、分級室2から開口部7に流れ込む空気流を羽根板2Faの間の隙間で通過させつつ、分級室2内の微粉中に紛れ込む粗粉を羽根板2Faで跳ね返して開口部7への流入を阻止することができる。なお、このルーバー管2Fをセパレータコア8からセンターコア5の下面近傍まで延ばして分級室2の中心部全体を覆うようにするとよい。
また、開口部7の上側には、該開口部7の直上部分を囲う遮蔽リング部材2FRが設けられている。これにより、セパレータコア8の上面に沿って開口部7側に這い上がってくる粗粉を遮蔽リング部材2FRでせき止めあるいは跳ね返して開口部7に流入することを防止することが可能となる。また、遮蔽リング部材2FRは導電性部材で構成され、ルーバー管2Fと同様にセパレータコア8に固定して使用されるものである。
なお、遮蔽リング部材2FRと後述するルーバー管2Fとの配置関係としては、図3に示すように、開口部7直上に設けられたルーバー管2Fの開口部7側の外周を遮蔽リング部材2FRで覆うようにルーバー管2Fに装着して、羽根板2Fa間の隙間を塞ぐようにするとよい。あるいは、開口部7直上に遮蔽リング部材2FRを設け、ついで該遮蔽リング部材2FRの端部上にルーバー管2Fを設けるようにしてもよい。
ここで、図3に示す構成において、遮蔽リング部材2FRの高さTは、1/5H≦T≦3/5H(H:ルーバー管の高さ)を満足することが好適である。
また、遮蔽リング部材2FRは、図4に示すように、その上部(セパレータコア8とは反対側)にリング円周外側に張り出した鍔部2FRaを有することが好ましい。これにより、セパレータコア8の上面に沿って分級室2中央部の遮蔽リング部材2FRに到達した粗粉は、該遮蔽リング部材2FRの壁面に沿って上方に移動するが鍔部2FRaで移動方向が反転されてセパレータコア8の外周側の粗粉排出口6に跳ね返されるようになり、効率的に粗粉が微粉に混入することを排除することが可能となる。
このとき、図4に示すように、鍔部2FRaの張り出し幅Dは、1/20R≦D≦5/20R(R:前記遮蔽リング部材2FRのリング径)を満足することが好適である。このように鍔部2FRaの張り出し幅Dを調整することにより、粉砕粗粉分級工程における体積平均粒度や粗粉含有量をコントロールすることが可能となる。また、処理能力により選定される気流式分級装置の型式によっては鍔部2FRaの張り出し幅Dを自在に変更可能な構成とすることも可能である。
また、図2に示すように、分散室1は、その上部中心に分散室1内部から外部に貫通する気流排出管15を有する。このとき、気流排出管15の内径Aが1/2B≦A≦3B(B:微粉排出口5aの内径)を満足することが好ましい(図5)。
これにより、粉砕分級対象の粒子の体積平均粒度によって固気分離を促進させつつ、分散室1内を旋回する粒子群のうち、小粒径である中心集合粉を限りなく旋回させ、かつ気流排出管15からの排出を防止する機能を付加することができる。
また、気流排出管15の分散室1内への挿入長さULは、1/5DL≦UL≦3/5DL(DL:分散室1の高さ)を満足することが好ましい(図5)。
これにより、粉砕分級対象の粒子の体積平均粒度によって固気分離を促進させつつ、分散室1内を旋回する粒子群のうち、小粒径である中心集合粉の固気分離点を調整可能とし、かつ小粒径である中心集合粉を限りなく旋回させ気流排出管15からの排出を防止する機能を付加することができる。
つぎに、本発明に係る微小粒子製造装置について説明する。
本発明の微小粒子製造装置は、図1に示した微小粒子製造装置において、粉砕粗粉分級工程に前述した本発明の気流式分級装置100を適用したものである。すなわち、本発明に係る微小粒子製造装置は、機械式粉砕機または気流式粉砕機と、本発明の気流式分級装置100と、をそれぞれ1または2以上を連結して粉砕粗粉分級装置として備えるものである。
図6〜図8に、本発明の微小粒子製造装置の粉砕粗粉分級装置に関する構成例を示す。
図6は、粉砕粗粉分級装置として、1台の本発明の気流式分級装置BZ1と1台の粉砕機FZ1の組合せを備える構成を示している。また図7は、粉砕粗粉分級装置として、2台の本発明の気流式分級装置BZ1,BZ2と1台の粉砕機の組合せを備える構成を示している。また図8は、粉砕粗粉分級装置として、2台の本発明の気流式分級装置BZ1,BZ2と2台の粉砕機FZ1,FZ2の組合せを備える構成を示している。
図6〜図8における気流式分級装置及び粉砕機の機能はいずれも同じであるため、ここでは、図8の構成を例に取り、粉砕粗粉分級装置で行われる粉砕粗粉分級工程について説明する。
図8に示すように、原料は原料供給管FE1を経て供給され、粉砕物と共に原料は、第1分級機(本発明の気流式分級装置100)BZ1にブロアBL1により高圧エアと共に導入され、粗粉と微粉に分けられる。分けられた粗粉は第1粉砕機FZ1で粉砕され、再度第1分級機BZ1に導入される。一方、分けられた微粉はサイクロンCY1で一旦捕集され、再び第2分級機(本発明の気流式分級装置100)BZ2にブロアBL2により高圧エアと共に導入され粗粉と微粉にわけられる。ついで、分けられた粗粉は第2粉砕機FZ2で粉砕され、再度第2分級機BZ2に導入される。一方、分けられた微粉はサイクロンCY2で捕集される。そして、次工程(微粉分級工程)に送られ微粉と製品に分けられる。
このように、第1分級機BZ1で分けられた微粉はさらに第2分級機BZ2にて分級されることから、シャープな粒度分布の微粉を得ることができる。また、分級装置及び粉砕機を2組以上の直列配列によって使用することで小粒径化や生産能力増大に対し最小限のインフラで実現可能となる。
なお、この系では、分級手段に供給される粉体は、原料の粉体の他、粉砕の過程にある種々の粒径のトナーが粉砕手段と分級手段の間を循環して供給される閉回路となっている。
また、ここで用いられる粉砕機は機械式粉砕機または気流式粉砕機であるが、その例として高圧気流をジェットノズルから噴出させ、そのジェット気流中に原料粒子を巻き込み、粒子の相互衝突又は壁その他の衝突体との衝突で粉砕を進めるいわゆるジェット式粉砕手段があり、例えば日本ニューチック社製のI式ミル粉砕機が挙げられる。
以下、本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
図7に示す粉砕粗粉分級装置を適用した微小粒子製造装置(図1)に、ポリエステル樹脂75重量%とスチレンアクリル共重合樹脂10重量%とカーボンブラック15重量%の混合物をロールミルにて溶融混練し、冷却固化した後ハンマーミルで粗粉砕したトナー原料を200kg/hrで投入し、微粉(トナー)を得た。
なお、粉砕粗粉分級装置の詳細構成は次の通りである。
・第1,2分級機BZ1、BZ2;図2に示す気流式分級装置を適用した。
・・遮蔽リング部材2FRの高さT(mm);0.8/5H(Hはルーバー管2Fの高さ(mm))
・・気流排出管15の内径A(mm);1/3B(Bは微粉排出口5aの内径(mm))
・・気流排出管15の分散室1への挿入長さUL(mm);3.5/5DL(DLは分散室1の高さ(mm))
その結果、重量平均粒径5.0μm、4μm以下微粉含有率が個数平均で90POP.%、8μm以上粗粉含有率が重量平均で1.5Vol%の粒度分布の微粉(トナー)を収率97%で得ることができた。なお、本実施例及びこれ以降の実施例、比較例におけるトナーの粒径測定に際してコールターカウンター社のマルチサイザーを用いた。
(比較例1)
実施例1において、遮蔽リング部材2FRを省略し、それ以外は実施例1と同じ条件で微粉(トナー)を得た。
その結果、重量平均粒径5.1μm、4μm以下微粉含有率が個数平均で92POP.%、8μm以上粗粉含有率が重量平均で2.5Vol%の粒度分布の微粉(トナー)を収率80%で得た。
(実施例2)
実施例1において、遮蔽リング部材2FRの高さT=2/5Hとし、それ以外は実施例1と同じ条件で微粉(トナー)を得た。
その結果、重量平均粒径5.0μm、4μm以下微粉含有率が個数平均で90POP.%、8μm以上粗粉含有率が重量平均で1.0Vol%の粒度分布の微粉(トナー)を収率97%で得ることができた。
(実施例3)
実施例2において、遮蔽リング部材2FRを図4に示す鍔部2FRa(張り出し幅D(mm)=5.5/20 R(Rは遮蔽リング部材2FRのリング径(mm)))を有する遮蔽リング部材2FRとし、それ以外は実施例2と同じ条件で微粉(トナー)を得た。
その結果、重量平均粒径4.9μm、4μm以下微粉含有率が個数平均で88POP.%、8μm以上粗粉含有率が重量平均で0.9Vol%の粒度分布の微粉(トナー)を収率97%で得ることができた。
(実施例4)
実施例3において、鍔部2FRaの張り出し幅D=3/20Rとし、それ以外は実施例3と同じ条件で微粉(トナー)を得た。
その結果、重量平均粒径4.9μm、4μm以下微粉含有率が個数平均で85POP.%、8μm以上粗粉含有率が重量平均で0.8Vol%の粒度分布の微粉(トナー)を収率98%で得ることができた。
(実施例5)
実施例4において、気流排出管15の内径A=3/2Bとし、それ以外は実施例4と同じ条件で微粉(トナー)を得た。
その結果、重量平均粒径4.8μm、4μm以下微粉含有率が個数平均で85POP.%、8μm以上粗粉含有率が重量平均で0.6Vol%の粒度分布の微粉(トナー)を収率98%で得ることができた。
(実施例6)
実施例5において、気流排出管15の分散室1への挿入長さUL=2/5DLとし、それ以外は実施例5と同じ条件で微粉(トナー)を得た。
その結果、重量平均粒径4.8μm、4μm以下微粉含有率が個数平均で85POP.%、8μm以上粗粉含有率が重量平均で0.4Vol%の粒度分布の微粉(トナー)を収率98%で得ることができた。
以上の実施例1〜6で得られたトナーはシャープな粒度分布であり、トナーの帯電量も安定し、これらのトナーを用いた電子写真方式の画像形成においても地汚れや転写不良のない良好で安定した画像品質のものが得られた。
なお、これまで本発明を図面に示した実施形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
1 分散室
1a 粉体材料供給口
1b 空間
1c 分散室内部
1q 案内羽根
1Q ルーバー環
2 分級室
2F ルーバー管
2Fa 羽根板
2FR 遮蔽リング部材
2FRa 鍔部
3 下部ホッパー
5 センターコア
5a 微粉排出口
5b 第2微粉排出管
6 粗粉排出口
7 開口部
8 セパレータコア
9 二次空気流入口
10 ケーシング
13 微粉排出管
15 気流排出管
81 原料供給管
82 粉砕手段
83 配管
84,87,91,96 サイクロン
85 粗粉分級手段
86,90,92,93,95 経路
88,94 微粉分級機
89 製品回収器
97 微粉
100,BZ1,BZ2 気流式分級装置(分級機)
BF1,BF2 バグフィルター
BL1,BL2 ブロア
CY1,CY2 サイクロン
FE1,FE2 原料供給管
FZ1,FZ2 粉砕機
特開2006−55838号公報 特開2009−189980号公報

Claims (8)

  1. 高圧エア及び粉体材料が導入される分散室と、
    前記分散室の下部に位置し、上側にセンターコア、下側に中心に開口部を有するセパレータコアが設けられ、前記分散室から流入する粉体材料を微粉と粗粉とに遠心分離する分級室と、
    前記セパレータコアの開口部の下側に連結される微粉排出管と、
    前記セパレータコアの開口部の直上部分を囲う遮蔽リング部材と、
    少なくとも前記遮蔽リング部材よりも上側に、前記開口部の開口端に対応して複数の羽根板を一定間隔を空けて環状に配置してなるルーバー管と、
    を備えることを特徴とする気流式分級装置。
  2. 前記遮蔽リング部材の高さTは、1/5H≦T≦3/5H(H:前記ルーバー管の高さ)を満足することを特徴とする請求項1に記載の気流式分級装置。
  3. 前記遮蔽リング部材は、上部に円周外側に張り出した鍔部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の気流式分級装置。
  4. 前記鍔部の張り出し幅Dは、1/20R≦D≦5/20R(R:前記遮蔽リング部材のリング径)を満足することを特徴とする請求項3に記載の気流式分級装置。
  5. 前記センターコアは、その中心に設けられる微粉排出口と、前記微粉排出口に接続され該微粉排出口から前記セパレートコアの開口部に延びる第2微粉排出管と、を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の気流式分級装置。
  6. 前記分散室は、その上部中心に該分散室の内部から外部に貫通する気流排出管を有し、該気流排出管の内径Aは、1/2B≦A≦3B(B:前記微粉排出口の内径)を満足することを特徴とする請求項5に記載の気流式分級装置。
  7. 前記分散室は、その上部中心に該分散室の内部から外部に貫通する気流排出管を有し、該気流排出管の前記分散室内への挿入長さULは、1/5DL≦UL≦3/5DL(DL:分散室高さ)を満足することを特徴とする請求項5または6に記載の気流式分級装置。
  8. 機械式粉砕機または気流式粉砕機と、請求項1〜7のいずれかに記載の気流式分級装置と、をそれぞれ1または2以上を連結してなる粉砕粗粉分級装置を備えることを特徴とする微小粒子製造装置。
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