JP2011228470A - 電子部品およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】煩雑な工程管理を要さず生産性に優れると共に、明瞭で識別信頼性の高いマーキングを有した電子部品を提供することを目的とする。
【解決手段】金属基材13bとこの金属基材13bの外表面の少なくとも一部に透明若しくは半透明の接着剤13cを介して積層された透明若しくは半透明の樹脂シート13dとを備えた有底筒状の外装ケース13と、この外装ケース13内に収納されたコンデンサ素子12と、前記外装ケース13の開口端を封じた封口体14とからなる電子部品において、前記外装ケース13の金属基材13bの外表面の一部に設けた凹部13eとこの凹部13eの開口部を塞いだ前記樹脂シート13dによって形成された空間内に、前記接着剤13cの一部を着色した着色部13fを閉じ込めてマーキングとした構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子部品およびその製造方法に関するもので、特に外装ケースにレーザーを用いて製品情報をマーキングした電子部品およびその製造方法に関するものである。
各種電子機器に適用される電子部品は、極性や定格電圧などの製品情報を知る手段として、電子部品を構成する外装部分に視認可能なマーキングが施されている。このマーキングの一般的な形成方法として、インクを用いて印刷する方法があるが、インク剤の管理、高頻度の印判作製、インク乾燥工程など必要であることから生産性が悪い。この課題を改善するマーキングの形成方法の一つとして、レーザーを用いた方法が提案されている。
ここで、図5は、従来の電子部品の一例である面実装型電解コンデンサの構成を示した断面図である。
この従来の面実装型電解コンデンサは、図5に示すように、機能素子であるコンデンサ素子2と、このコンデンサ素子2にそれぞれ一方の端部を接続した一対のリード線1a、1bと、これらリード線1a、1bの他方の端部を外部に導出するようにして、コンデンサ素子2を液体電解質である駆動用電解液(図示せず)と共に封じた外装体5と、この外装体5の一部に当接するように配設され、リード線1a、1bが夫々挿通する貫通孔6a、6bならびにこれらの貫通孔6a、6bを挿通して略直角方向に折り曲げられたリード線1a、1bの端部を夫々収納する溝部6c、6dを設けた絶縁端子板6とからなっている。
また、前記コンデンサ素子2は、アルミニウム等の弁金属からなる箔をエッチング処理により粗面化しさらにその表面に誘電体である陽極酸化皮膜を化成処理によって形成した陽極箔(図示せず)と、アルミニウム等の弁金属からなる陰極箔(図示せず)とを、セパレータ(図示せず)を介して積層して巻回されている。そして、前記リード線1a、1bは、それらの一方の端部が陽極箔と陰極箔にそれぞれ接続されており、それらの他方の端部はコンデンサ素子2の同一端面より引出されている。
また、前記外装体5は、駆動用電解液を含浸したコンデンサ素子2を収納した有底筒状の外装ケース3と、前記リード線1a、1bをそれぞれ挿通させる貫通孔4a、4bを備えると共に外装ケース3の開口部に配置され、外装ケース3の外周面に設けた絞り加工部3aで絞ることによって外装ケース3の開口部を封止したゴムパッキング等の封口体4とで構成されている。
またさらに、外装ケース3は、アルミニウム製の金属基材3bと、その外表面に形成した印字表示膜3cとで構成されており、この印字表示膜3cは、レーザーに反応して発色する発色剤を含んでいる。
以上のように構成された従来の面実装型電解コンデンサは、外装ケース3を構成する金属基材3bの外表面にレーザーに反応して発色する発色剤を含む印字表示膜3cが形成されていることから、その印字表示膜3cにレーザーを照射することにより、印字表示膜3cに含まれた発色剤を発色させて着色部3fを形成し、所望とする製品情報を簡単に印字することができ、インク印刷のような煩雑な工程管理を要さず、生産性を高めることができるとされている。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開平9−36000号公報
上述したマーキング時の生産性を高める要望に加え、昨今では品質管理や営業秘密情報管理における高度のトレーサビリティ(追跡可能性)を求められるようになってきていることから、表示する文字や数字の桁数が増加してきており、生産性を高めると共に、より精細に表示ができるマーキング方法が必要となってきている。
ここで、上記の従来の面実装型電解コンデンサは、外装ケース3を構成する金属基材3bの外表面にレーザーに反応して発色する発色剤を含む印字表示膜3cを設けており、この印字表示膜3cにレーザーを照射して外部から着色させてマーキングしている。このマーキング方法は、インク印刷のような煩雑な工程管理を要しないものの、サイズの小さなコンデンサに桁数の多いロット番号を表示する場合など、特に高精細なマーキングを必要とする場合、マーキングした文字や数値の輪郭がぼやけて不明瞭となってしまう恐れがあった。
さらに、コンデンサの組み立て工程やコンデンサの回路基板への実装工程において、パーツフィーダーやチャッキング冶具等によって、コンデンサの外表面を機械的に擦った場合にマーキング部分に傷を生じてしまうことや、また、コンデンサが有機溶剤や水分を多く含んだ外部環境に晒された場合には、マーキング部分が直接劣化して不鮮明となってしまうことにより、マーキングの識別性が低下するという課題もあった。
そこで、本発明は、このような従来の課題を解決し、煩雑な工程管理を要さず生産性に優れると共に、明瞭で識別信頼性の高いマーキングを有した電子部品を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、金属基材とこの金属基材の外表面の少なくとも一部に透明若しくは半透明の接着剤を介して積層された透明若しくは半透明の樹脂シートとを備えた有底筒状の外装ケースと、この外装ケース内に収納された機能素子と、前記外装ケースの開口端を封じた封口体とからなる電子部品において、前記外装ケースの金属基材の外表面の一部に設けた凹部とこの凹部の開口部を塞いだ前記樹脂シートによって形成された空間内に、前記接着剤の一部を着色したものを閉じ込めてマーキングとした構成となっている。
以上のように本発明によれば、接着剤の一部を着色したものが外装ケースの金属基材の外表面の一部に設けた凹部の中に入り込んでいることから、文字、数字等で表されたマーキングの輪郭が前記凹部の開口部のエッジによって強調されるため、マーキングの輪郭がぼやけず、微細で桁数の多い文字、数字など高精細を要求されるマーキングであっても、非常に明瞭に表示することができる。さらに、着色した接着材の入り込んだ前記凹部の開口部は樹脂シートで塞がれており、外部環境によって機械的ストレスや化学的ストレスを受けても、前記樹脂シートによって外部環境の影響を抑制してマーキング部分の直接的な劣化を防ぐことができる。この結果、明瞭であると共に識別信頼性に優れたマーキングを有する電子部品を提供することができる。
本発明の実施の形態における電子部品の一例である面実装型電解コンデンサ(巻回形コンデンサ素子タイプ)の構成を示した断面図 同面実装型電解コンデンサのコンデンサ素子の展開斜視図 同面実装型電解コンデンサの外装ケースのマーキング部分の断面拡大図 同面実装型電解コンデンサの上面図 従来の電子部品の一例である面実装型電解コンデンサ(巻回形コンデンサ素子タイプ)の構成を示した断面図
本発明の実施の形態の電解コンデンサについて説明する。
ここで、図1は、本発明の実施の形態における電子部品の一例である面実装型電解コンデンサ(巻回形コンデンサ素子タイプ)の構成を示した断面図、図2は、同面実装型電解コンデンサのコンデンサ素子の展開斜視図、図3は、同面実装型電解コンデンサの外装ケースのマーキング部分の断面図、図4は、同面実装型電解コンデンサの上面図である。
まず、本発明の実施の形態における電子部品の一例である面実装型電解コンデンサの構成について図1〜4を用いて説明する。
図1に示すように、本発明の面実装型電解コンデンサは、機能素子であるコンデンサ素子12と、このコンデンサ素子12にそれぞれ一方の端部を接続した一対のリード線11a、11bと、これらリード線11a、11bの他方の端部を外部に導出するようにして、コンデンサ素子12を駆動用電解液(図示せず)と共に封じた外装体15と、この外装体15の一部に当接するように配設され、リード線11a、11bが夫々挿通する貫通孔16a、16bならびにこれらの貫通孔16a、16bを挿通して略直角方向に折り曲げられたリード線11a、11bの端部を夫々収納する溝部16c、16dを設けた絶縁端子板16とからなる。
また、前記コンデンサ素子12は、図2に示すように、アルミニウム等の弁金属からなる箔をエッチング処理により粗面化しさらにその表面に誘電体酸化皮膜を化成処理によって形成(図示せず)した陽極箔12aと、アルミニウム等の弁金属からなる陰極箔12bとを、セパレータ12cを介して積層して巻回し、さらに前記陽極箔12aと陰極箔12bとの間に、電解質層(図示せず)を形成している。そして、前記リード線11a、11bは、それらの一方の端部が陽極箔12aと陰極箔12bにそれぞれ接続されており、それらの他方の端部はコンデンサ素子12の同一端面より引出されている。
なお、前記コンデンサ素子12を構成する電極は、電極箔を巻回する以外に複数枚の電極箔を積層する構成であってもよい。
なお、前記セパレータ12cは、セルロース、クラフト、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ナイロン、芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、レーヨン、ガラス質等を含有する不織布を用いることができる。
なお、前記電解質層は、ポリチオフェンやその誘導体等の導電性ポリマーなどからなる固体電解質や、駆動用電解液などからなる液体電解質で構成されている。駆動用電解液は、溶媒に溶質を溶解する形で構成されており、その溶媒としては、エチレンクリコール、γ−ブチロラクトン等をはじめとした有機溶媒を用いることができ、溶質としては、溶媒中で解離してイオン化し、駆動用電解液に電気電導性を与えるとともに、誘電体酸化皮膜の欠陥部を修復する作用を有するものが用いられ、例えば無機酸アンモニウム塩、無機酸アミン塩、無機酸アルキル置換アミジン塩またはその4級化物、有機酸アンモニウム塩、有機酸アミン塩、有機酸アルキル置換アミジン塩またはその4級化物等が挙げられる。また、ガス発生の抑制や耐電圧を高めるといった目的でニトロ化合物やホウ酸、マンニット等の添加剤も適宜用いることができる。
また、図1に示すように、前記外装体15は、駆動用電解液を含浸したコンデンサ素子12を収納した有底筒状の外装ケース13と、前記リード線11a、11bをそれぞれ挿通させる貫通孔14a、14bを備えると共に外装ケース13の開口部に配置され、外装ケース13の外周面に設けた絞り加工部13aで絞ることによって外装ケース13の開口部を封止した封口体14とで構成されている。
なお、前記封口体14は、EPTやIIR等のゴム材料のほか、エポキシ樹脂などの樹脂材料を用いることができる。
また、前記外装ケース13は、金属基材13bとこの金属基材の外表面の少なくとも一部に透明若しくは半透明の接着剤13cを介して積層された透明若しくは半透明の樹脂シート13dとを備えた構成となっている。この外装ケース13の外表面の樹脂シート13dで被覆された部分が、面実装型電解コンデンサの極性や定格電圧などの製品情報のマーキング可能な部分となる。
また、図3は、これらのマーキングを施す部分を拡大して示している。この図3からもわかるように、前記金属基材13bの外表面の一部に凹部13eが設けられており、この凹部13eの内部表面には樹脂シート13dが接着しておらず、凹部13eの開口端が接着剤13cを介して樹脂シート13dと接着された状態となっており、この結果、凹部13eとこの凹部13eの開口部を塞いだ樹脂シート13dによって空間が形成されている。そして、この空間内に、前記接着剤13cの一部を着色した着色部13fが閉じ込められた構成となっている。
なお、前記空間内は着色部13fで完全に満たされていてもよいし、空洞を含む状態であってもよい。
また、前記金属基材13bは、各種の金属を用いることができる。なお、電解コンデンサの場合、コンデンサ素子12を構成する陽極箔12aや陰極箔12bにアルミニウム等の弁金属を用いることから、外装ケース13の金属基材13bも同様にアルミニウム等の弁金属を用いることが好ましい。金属基材13bとしてアルミニウム主体の板材を適用する場合は、純度95%以上のアルミニウム単体やアルミニウムとマグネシウム等との合金のものが好適であり、例えば、純アルミニウム系としてA1100材、アルミニウム合金系としてA3304材といったものが挙げられる。さらにその表面を化成処理や電解エッチング等のエッチング処理を施したものも使用できる。
また、前記樹脂シート13dは、電子部品が晒される外部環境下でかかる物理的、化学的、機械的なストレスに対する耐久性を備え、さらにレーザー光を透過し、かつ着色部13fと凹部13eの輪郭によって表されるマーキングを外部から視認できるようにするために透明若しくは半透明であることが必要である。この樹脂シート13dの具体的な材質としては、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと他の共重合成分との共重合体などの塩化ビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、これら樹脂を無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性させた酸変性オレフィン系樹脂などのオレフィン系樹脂、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン12などのポリアミド類など熱可塑性樹脂等が挙げられる。
また、前記接着剤13cは、金属基材13bと樹脂シート13d間を強固に接着することができ、かつ着色部13fと凹部13eの輪郭によって表されるマーキングを外部から視認できるようにするために透明若しくは半透明であるものを選定する。なお、電解コンデンサのように、外装ケース13の外周面に設けた絞り加工部13aで絞ることによって外装ケース13の開口部を封止する構成となっている場合、特に機械的なストレスに対して剥離しない接着強度が必要とされる。この接着剤13cの具体的な材質としては、ポリエステル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、コポリアミド系接着剤、酸変性オレフィン系接着剤、ポリ酢酸ビニル系接着剤などが挙げられ、これらのものを複合して用いてもよい。
また、前記着色部13fは、接着剤13cの一部を着色したものであり、接着剤13c自身を熱等によって無色から有色へ変化させる、例えば炭化させる等によって形成される。または、接着剤13cの中に、熱等によって無色から有色へと変化する発色剤、例えばエポキシ発色剤等を含有させる等によって形成してもよい。
次に、以上のように構成した本発明の実施の形態における電子部品の一例である面実装型電解コンデンサ(巻回形コンデンサ素子タイプ)の製造方法について図1〜4を用いて説明する。
まず、図2に示すように、酸化皮膜の誘電体層を表面に有するアルミニウム等の弁金属からなる陽極箔12aと、陰極箔12bと、セパレータ12cとを一定の幅と長さに切断し、一対のリード線11a、11bの一方の端部をそれぞれ陽極箔12aと陰極箔12bにカシメ、超音波などの方法によって接続した後、その陽極箔12aと陰極箔12bとの間にセパレータ12cを介在させてロール状に巻回して略円筒形とし、その外周側面を絶縁テープ等(図示せず)で巻き止めて固定し、コンデンサ素子12を形成する。
なお、陽極箔12aの表面は、エッチングや金属粒子の蒸着等によって表面積を適宜拡大する。酸化皮膜からなる誘電体層は、電極材であるアルミニウム等の弁金属を陽極酸化することにより誘電体酸化皮膜として得られる他、電極材に誘電体層を蒸着や塗布によって形成してもよい。
なお、陰極箔12bの表面も、電解質層との接触状態をよくするため、必要に応じて、エッチング、酸化皮膜、金属粒子蒸着、カーボン等の導電粒子付着等の表面処理を行う。
次に、封口体14に設けた一対の貫通孔14a、14bにコンデンサ素子12から引出された一対のリード線11a、11bをそれぞれ挿通させ、コンデンサ素子12に封口体14を装着する。
その後、そのコンデンサ素子12の陽極箔12aと陰極箔12bの間に、電解質層を形成する。この電解質として固体電解質である導電性高分子、例えばポリ3,4エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)等を用いた場合、形成方法としては、コンデンサ素子12を、PEDOTの微粒子を分散させた分散体溶液に含浸した後引き上げ、乾燥させることによって形成する。なお、3,4エチレンジオキシチオフェン等のモノマー溶液、p−トルエンスルホン酸第二鉄塩等を含む酸化剤溶液、および溶媒としてエタノール等を用い、これらの溶液にコンデンサ素子12を含浸し、コンデンサ素子12内での化学重合反応でPEDOTを形成するようにしてもよい。
また、電解質として液体電解質である駆動用電解液を用いた場合、電解質層の形成方法としては、外装ケース13内に予め一定量の駆動用電解液を注入しておき、コンデンサ素子12を外装ケース13に収納する際に含浸させる他、コンデンサ素子12を、駆動用電解液が蓄えられた含浸槽に浸漬含浸(場合によって真空度を調整する)して引き上げた後に外装ケース13に収納するようにしてもよい。
なお、電解質として、固体電解質と液体電解質とを両方含むようにしてもよい。
なお、封対口体14は、コンデンサ素子12に電解質層を形成した後に装着するようにしてもよい。
次に、コンデンサ素子12を外装ケース13に収納すると共に、コンデンサ素子に装着した封口体14を外装ケース13の開口部に配置し、外装ケース13の開口部付近の外周側面から巻き締めて絞り加工部13aを形成することによって封口体14に応力を加えて外装ケース13の開口部を封止する。
なお、外装体15として、エポキシ樹脂等からなる絶縁性の外装樹脂を用い、コンデンサ素子12を被覆すると共に、その外装樹脂の外部にリード線11a、11bの他方の端部を導出するようにしてもよい。
その後、面実装型電解コンデンサの極性や定格電圧などの製品情報を外部から視認できるようにするため、外装ケース13の天面部にマーキングを施す。
ここで、このマーキングを施す外装ケース13の天面部は、金属基材13bに接着剤13cを介して樹脂シート13dを積層した構成となっており、金属基材13b上に樹脂シート13dを積層する方法としては、あらかじめ製膜した樹脂シート13dを、接着剤13cを介して樹脂シート13dの溶融温度以上の温度で溶融積層する方法や、共押出し機により金属板上へ押出し積層する方法によればよい。例えば、電解コンデンサの場合、金属基材13bとしてアルミニウム板(A1100材)を使用し、その表面に接着剤13cとしてビスフェノール型エポキシ樹脂を塗布した後、樹脂シート13dとして透明なナイロン6を溶融ラミネートする方法等が挙げられる。
なお、金属基材13bと樹脂シート13dの接着力を向上させるため、金属基材13bのアルミニウム板(A1100材)の表面に、クロメート処理等の表面処理を適宜施してもよい。
なお、金属基材13bに接着剤13cを介して樹脂シート13dを積層した部分は、少なくともマーキングを施す範囲にあればよいが、板状の金属基材13bの外表面全体に接着剤13cを介して樹脂シート13dを積層したラミネート板材を用い、このラミネート板材をプレス加工等によって有底筒状の外装ケース13とすることが生産上合理的である。
そして、外装ケース13の天面部にマーキングする方法は、図3に示すように、前記外装ケース13の天面部において、後述する条件の下でレーザーを照射することによって、照射箇所に着色した数値、文字、記号、図形等のマーキングを施すものである。
まず、外装ケース13の天面部において、樹脂シート13d側から、この樹脂シート13dを透過し、かつ金属基材13bに吸収される波長を有したレーザーを照射する。このレーザーの照射は、金属基材13bの外表面の一部がレーザー照射に起因する熱によって溶融して凹部13eを形成すると共に、この凹部13eの開口部を、レーザーが透過した前記樹脂シート13dによって塞いだ状態、つまり、凹部13eとこの凹部13eの開口部を塞いだ樹脂シート13dによって空間が形成されるまで継続する。この空間は、金属基材13bのレーザー照射部分にもともと接着被覆していた樹脂シート13dが、金属基材13bの溶融によって、金属基材13bから部分的に剥離して形成されたものである。
また、凹部13eとこの凹部13eの開口部を塞いだ樹脂シート13dによって空間が形成される際に、この空間の内部には、接着剤13cの一部が閉じ込められた状態となる。この空間に閉じ込められた接着剤13cは、レーザーの波長を吸収しない材質の場合、レーザーを透過させてしまい直接的に発熱しないが、レーザーの波長を吸収する金属基材13bの発熱に伴い間接的に熱せられる。この熱によって、接着剤13cを炭化等するまで熱して着色させ、凹部13eとこの凹部13eの開口部を塞いだ樹脂シート13dによって形成された空間内に、着色部13fを形成する。なお、接着剤13cに予め発色剤を含ませておき、その発色剤を熱によって着色させて、着色部13fを形成してもよい。
また、接着剤13cがレーザーの波長を吸収するものを含んだ材質である場合、接着剤13cが直接的に発熱することによって、接着剤13c自身が炭化等して着色し、若しくは接着剤13cに含まれた発色剤が着色し、着色部13fを形成する。
なお、樹脂シート13dは、レーザーの波長を吸収しないものを選定してあるため、レーザーを透過させてしまい直接的に発熱しないが、レーザーの波長を吸収する金属基材13bおよび/または接着剤13cの発熱に伴い、間接的に熱せられる。このため、この間接的な熱によって、凹部13eの開口部を塞いだ樹脂シート13dが、溶融や炭化して破れてしまわないようにレーザーの照射時間・出力等の設定を制御する必要がある。ただし、前記の間接的な熱による影響で樹脂シート13dの内面側が多少炭化されても、樹脂シート13dの外面側まで及ばない場合は許容できる。
なお、レーザーの種類は、各種のものを適用することができるが、金属基材表面の微細加工によってマーキングを施すため、特にファイバーレーザーが好ましい。
なお、このマーキングは、電解コンデンサの組立過程のいずれで行ってもよく、外装ケース13に予めマーキングを施しておいてもよいが、極性を有する場合は、外装ケース13の開口部を封止した後のほうが極性マークとリード線11a、11bとの位置関係を合わせ易い。
次に、絶縁端子板16を、外装ケース13の開口部側に接するように配置し、外装ケース13の開口部を封止した封口体14の外面より導出した一対のリード線11a、11bの他方の端部を、その絶縁端子板16に設けた一対の貫通孔16a、16bに夫々挿通した後、リード線11a、11bを、互いに相反する方向へ略直角に折り曲げて、絶縁端子板の外表面に設けた溝部16c、16dに夫々収納するようにし、面実装タイプの電解コンデンサを作製した。
なお、外装ケース13の開口部を封止した後、もしくは絶縁端子板16を取り付けた後に、適宜、リード線11a、11bの間に電圧を印加し、再化成を行う。
なお、本実施の形態では、電子部品の一例として電解コンデンサを取り上げたが、金属基材を外装体として用い、その外装体の外表面にマーキングを施すものであれば、本願発明を適用することができる。特に、品質管理や営業秘密情報管理における高度のトレーサビリティを要求される電子部品や、外部環境の物理的、化学的、機械的なストレスに対する高い耐久性を要求される電子部品にとって有用である。
以上のように、本発明の実施の形態における電子部品およびその製造方法によれば、接着剤の一部を着色したものが外装ケース13の金属基材13bの外表面の一部に設けた凹部13eの中に入り込んでいることから、図形、文字、数字等で表されたマーキングの輪郭が凹部13eの開口部のエッジによって強調されるため、マーキングの輪郭がぼやけず、微細で桁数の多い文字、数字など高精細を要求されるマーキングであっても、非常に明瞭に表示することができる。そしてさらに、着色部13fの入り込んだ凹部13eの開口部は樹脂シート13dで塞がれており、外部環境によって機械的ストレスや化学的ストレスを受けても、前記樹脂シート13dによって外部環境の影響を抑制してマーキング部分の直接的な劣化を防ぐことができる。この結果、明瞭であると共に識別信頼性に優れたマーキングを有する電子部品を提供することができる。
また、本発明の実施の形態における電子部品がリフロー法等により200℃以上の高温環境下に晒されるような場合、前記凹部13eとこの凹部13eの開口部を塞いだ樹脂シート13dによって形成された空間が、連続した単一のもので金属基材13bの面方向に大きく広がっていると、環境温度の上昇に伴い、この空間の内圧上昇と樹脂シート13dの軟化が進行し、樹脂シート13dが破断してしまう恐れがある。そこで、金属基材13bの面方向に大きく広がるようなマーキングを施す必要がある場合、そのマーキングの中の一つの閉じられた範囲において、前記凹部13eとこの凹部13eの開口部を塞いだ樹脂シート13dによって形成された空間が存在しない部分を非連続に複数存在させるように構成することにより、凹部13eの開口部を塞いだ樹脂シート13dの強度を増すことができ、その結果、樹脂シート13dの破断を防止し、マーキングの高信頼化を図ることができる。
なお、マーキングの中の一つの閉じられた範囲とは、例えば、マーキングとして陰極側の極性を表す方形状若しくは半円状等の図形や、静電容量、定格電圧、シリーズ記号、ロット番号等を表す文字や数字などを合わせて有するような場合、独立して一つの閉じられた範囲となっている極性表示図形の部分や、文字や数値の一つ一つの部分のことを指している。
なお、前記凹部13eとこの凹部13eの開口部を塞いだ樹脂シート13dによって形成された空間が存在しない部分を非連続に複数存在させるようにするには、具体的には、レーザーの照射の仕方を工夫することによって行うことができる。
例えば、図4に示すように、外装ケース13の天面部に陰極側の極性表示をする方形状の図形を形成する場合、レーザーを直線状に照射することを一定の間隔を開けながら複数回繰り返し、凹部13eとこの凹部13eの開口部を塞いだ樹脂シート13dによって形成される空間を格子状にすれば、極性表示の図形の中に、金属基材13bと樹脂シート13dとが接着剤13cで接着した部分を非連続で存在させるようにできると共に、識別に十分な着色部13fの色合いを確保することができる。
また、電解コンデンサのように有底筒状の外装ケース13を用いる場合、特に、アルミニウムを含む金属基材13b、およびナイロン6のようなポリアミド系樹脂を含む樹脂シート13dを選択すると、封止時に行う絞り加工のような機械ストレスに対して、金属基材13bと樹脂シート13dの接着強度を確保できると同時に、高品質のマーキングも施すことができる。
また、レーザー波長の吸収帯の相違する金属基材13bと樹脂シート13dとを接着剤を介して積層して外装ケース13を作製しておき、レーザーを透過する樹脂シート13d側から、レーザー波長を吸収して発熱する金属基材13bに向けてレーザーを照射し、金属基材13bに凹部13eを形成すると共にその凹部13eの開口部を塞いで密閉空間を形成し、その空間内に閉じ込めた接着剤13cを熱で着色して着色部13fを形成するマーキング方法により、明瞭な輪郭と色彩を長期間維持できる高品質なマーキングを、複雑な工程を要さずに、極めて合理的に行うことができる。
また、接着剤13cを熱で着色する際に、接着剤13cの周囲が密閉されていない条件下で熱エネルギーを加えて続けていくと、炭化等の変質状態からさらに進んで蒸散してしまい、着色部13fの着色濃度が薄くなる恐れがあるが、本発明の構成では、着色部13fが金属基材13b上に設けた凹部13eとこの凹部13eの開口部を塞いた樹脂シート13dで形成された密閉空間の中に閉じ込められるため、着色部13fの蒸散を防止できる。この結果、レーザー照射状態の変動や接着剤13cの塗布量ばらつきなどに起因する着色部13fの着色濃度ばらつきを低減でき、高品質のマーキングを安定して施すことができる。
以下、具体的な実施例について説明をする。
(実施例1)
本発明の実施の形態における電解コンデンサの実施例として、最高使用温度125℃、定格電圧35V、静電容量1000μFの巻回形コンデンサ素子タイプの面実装型電解コンデンサ(直径φ18mm、高さ16.5mm)を作製した。
まず、図2に示すように、酸化アルミ皮膜の誘電体層を表面に有するアルミニウムからなる陽極箔12aと、陰極箔12bと、セパレータ12cとを一定の幅と長さに切断し、一対のリード線11a、11bの一方の端部をそれぞれ陽極箔12aと陰極箔12bに針カシメによって接続した後、その陽極箔12aと陰極箔12bとの間にセパレータ12cを介在させてロール状に捲回して略円筒形とし、その外周側面を絶縁テープ(図示せず)で捲き止めて固定し、コンデンサ素子12を形成した。
なお、陽極箔12aの表面は、エッチング法によって表面積を拡大し、さらに、陽極酸化法により酸化アルミ皮膜からなる誘電体層を形成した。また、陰極箔12bの表面も、エッチング法によって表面積を拡大した。
なお、セパレータ12cには、合成繊維を主材料とした不織布を用いた。
また、一方で、外装ケース13を準備した。この外装ケース13には、金属基材13bの一方の面上に透明な接着剤13cを介して透明な樹脂シート13dを積層したラミネート板材を用い、このラミネート板材を樹脂シート13d側が外表面になるようにして有底筒状にプレス加工した。なお、ラミネート板材は、金属基材13bとして、厚さ0.3mmのアルミニウム板(A1100材)を用い、その表面をクロメート処理し、当該クロメート処理した表面に透明なビスフェノール型エポキシ樹脂を塗布した後、厚さ20μmの透明なナイロン6からなる樹脂シート13dを溶融ラミネートして形成した。
次に、IIRを主成分としたゴムパッキングからなる封口体14に設けた一対の貫通孔14a、14bにコンデンサ素子12から引出された一対のリード線11a、11bをそれぞれ挿通させ、コンデンサ素子12に封口体14を装着した。
その後、所定量の駆動用電解液を注入した外装ケース13を用意し、この外装ケース13内にコンデンサ素子12を挿入してコンデンサ素子12に駆動用電解液を含浸させると共に、コンデンサ素子12に装着した封口体14を外装ケース13の開口部に配置した。
次に、外装ケース13の開口部付近の外周側面から巻き締めて絞り加工部13aを形成し、ゴム弾性体である封口体14に圧縮応力を発生させることによって外装ケース13の開口部を封止した。
その後、外部に導出された一対のリード線11a、11b間に電圧44Vを60分印加して再化成を行い、電解コンデンサの本体部を作製した。
次に、電解コンデンサの極性、製品シリーズ記号、定格電圧、静電容量、製造ロット番号等の製品情報を外部から視認できるように、外装ケース13の天面部にレーザーを照射することによってマーキングを施した。
レーザーにはファイバーレーザーを用いた。レーザーの照射条件として、波長を1.06μm、周波数を30Hz、出力9〜12Wとし、大気中で常温常圧の環境下にて照射した。
そして、このレーザー照射によって、金属基材13bのレーザー照射部分を溶融させて凹部13eを形成すると共に、金属基材13bの溶融によって金属基材13bのレーザー照射部分にもともと接着被覆していた樹脂シート13dを金属基材13bから部分的に剥離させ、凹部13eの開口部を塞いだ状態とし、さらに、凹部13eとこの凹部13eの開口部を塞いだ樹脂シート13dによって空間が形成される際に、この空間に閉じ込められる接着剤13cを、金属基材13bの発熱に伴う間接的な熱によって炭化させ、着色部13fを形成した。
次に、絶縁端子板16を、外装ケース13の開口部側に接するように配置し、外装ケース13の開口部を封止した封口体14の外面より導出した一対のリード線11a、11bの他方の端部を、その絶縁端子板16に設けた一対の貫通孔16a、16bに夫々挿通した後、リード線11a、11bを、互いに相反する方向へ略直角に折り曲げて、絶縁端子板の外表面に設けた溝部16c、16dに夫々収納するようにし、面実装型電解コンデンサを作製した。
(比較例1)
比較例1は、実施例1に用いた外装ケース13の代わりに、アルミニウム製の金属基材と、その外表面に形成した印字表示膜とで構成された外装ケースを用いて電解コンデンサの本体部を作製した。なお、印字表示膜には、レーザーに反応して発色する発色剤を含むようにした。そして、外装ケースの天面部にレーザーを照射し、印字表示膜に含まれた発色剤を着色させ、着色部を形成することによってマーキングを施した。これ以外は実施例1と同様として、面実装型電解コンデンサを作製した。
(比較例2)
比較例2は、実施例1のように外装ケース13の天面部にレーザーを照射してマーキングを行う代わりに、外装ケース13の天面部のナイロン6からなる樹脂シート13dに直接UVインクを凹版印刷によって塗布し、紫外線で硬化させて着色部を形成することによってマーキングを施した。これ以外は実施例1と同様として、面実装タイプの電解コンデンサを作製した。
ここで、上記実施例1および比較例1、2の面実装型電解コンデンサの製品サンプルを100個ずつ作製した。そしてこれらの製品サンプルのマーキングについて評価試験を行い、その後のマーキング品質状態を比較した。
なお、評価試験は、機械ストレスに対する耐久性評価試験と熱ストレスに対する耐久性評価試験とを行った。機械ストレスに対する耐久性評価試験としては、複数の電解コンデンサ同士がパーツフィーダー等で干渉した場合を想定し、電解コンデンササンプルの天面部に金属ワイヤ(電解コンデンサの外部に導出したリード線と同材質の鋼材)の先端を0.3kgfの荷重をかけながら擦り付けた。また、熱ストレスに対する耐久性評価試験としては、電解コンデンササンプルをリフロー槽に入れて加熱(ピーク温度230℃で5秒、200℃以上で20秒)した。これらの試験後の評価は、特にマーキングの識別性に関して行った。その結果を(表1)に示す。
Figure 2011228470
(表1)からわかるように、初期状態においては、比較例1に示す面実装型電解コンデンサのマーキングは、輪郭が若干ぼやける場合があり、また、比較例2に示す面実装型電解コンデンサのマーキングは、インクのにじみが生じ輪郭が若干ぼやける場合が認められた。一方、実施例1に示す本発明の実施の形態における面実装型電解コンデンサのマーキングは、着色部13fが凹部13eの中に入り込み、マーキングの輪郭が凹部13eの開口部のエッジによって強調されていることから、輪郭がぼやけることなく非常に明瞭であった。
また、機械ストレスに対する耐久性については、比較例1、2に示す面実装型電解コンデンサのマーキングは、着色部が外部に露出しているため、擦れによって着色部の一部が欠けてしまい、識別性が低下する結果となった。一方、実施例1に示す本発明の実施の形態における面実装型電解コンデンサのマーキングは、着色部13fが、凹部13eとこの凹部13eの開口部を塞いだ樹脂シート13dによって形成された空間の中に閉じ込められた状態となっていることから、外装ケース13の外表面を擦っても着色部13fが欠けることなく、良好な識別性を保つことができた。
また、熱ストレスに対する耐久性については、比較例2に示す面実装型電解コンデンサのマーキングは、着色部にひび割れが発生する場合が認められ、識別性が低下する結果となった。一方、実施例1に示す本発明の実施の形態における面実装型電解コンデンサのマーキングは、着色部13fが、凹部13eとこの凹部13eの開口部を塞いだ樹脂シート13dによって形成された空間の中に閉じ込められた状態となっていることから、着色部13fにひび割れを生じることもなく、良好な識別性を保つことができた。
本発明の電子部品は、接着剤の一部を着色したものが外装ケースの金属基材の外表面の一部に設けた凹部の中に入り込んでいることから、文字、数字等で表されたマーキングの輪郭が前記凹部の開口部のエッジによって強調されるため、マーキングの輪郭がぼやけず、微細で桁数の多い文字、数字など高精細を要求されるマーキングであっても、非常に明瞭に表示することができる。さらに、着色した接着剤の入り込んだ前記凹部の開口部は樹脂シートで塞がれており、外部環境によって機械的ストレスや化学的ストレスを受けても、前記樹脂シートによって外部環境の影響を抑制してマーキング部分の直接的な劣化を防ぐことができる。この結果、明瞭であると共に識別信頼性に優れたマーキングを有した電子部品を提供することができ、特に、品質管理や営業秘密情報管理における高度のトレーサビリティを要求される電子部品や、外部環境の物理的、化学的、機械的なストレスに対する高い耐久性を要求される電子部品にとって有用である。
11a、11b リード線
12 コンデンサ素子
13 外装ケース
13a 絞り加工部
13b 金属基材
13c 接着剤
13d 樹脂シート
13e 凹部
13f 着色部
14 封口体
14a、14b 貫通孔
15 外装体
16 絶縁端子板
16a、16b 貫通孔
16c、16d 溝部

Claims (5)

  1. 金属基材とこの金属基材の外表面の少なくとも一部に透明若しくは半透明の接着剤を介して積層された透明若しくは半透明の樹脂シートとを備えた有底筒状の外装ケースと、この外装ケース内に収納された機能素子と、前記外装ケースの開口端を封じた封口体とからなる電子部品において、前記外装ケースの金属基材の外表面の一部に設けた凹部とこの凹部の開口部を塞いだ前記樹脂シートによって形成された空間内に、前記接着剤の一部を着色したものを閉じ込めてマーキングとしたことを特徴とする電子部品。
  2. 前記外装ケースに施されたマーキングが一つの閉じられた範囲を複数有し、そのうちの少なくとも一つに、前記凹部とこの凹部の開口部を塞いだ前記樹脂シートによって形成された空間が存在しない部分を非連続に複数存在させた構成の請求項1に記載の電子部品。
  3. 前記金属基材がアルミニウムを含むと共に、前記樹脂シートがポリアミド樹脂を含む請求項1または請求項2に記載の電子部品。
  4. 金属基材とこの金属基材の外表面の少なくとも一部に透明若しくは半透明の接着剤を介して積層された透明若しくは半透明の樹脂シートとを備えた有底筒状の外装ケースに機能素子を収納した後、前記外装ケースの開口部を封口体で封じ、次に、前記外装ケースの樹脂シート側からこの樹脂シートを透過しかつ金属基材に吸収される波長を有したレーザーを照射することにより、前記金属基材の外表面の一部にレーザービームに起因する熱によって凹部を形成すると共にこの凹部の開口部をレーザーが透過した前記樹脂シートによって塞ぎ、前記凹部とこの凹部の開口部を塞いだ樹脂シートによって空間を形成し、この空間内に閉じ込められた前記接着剤の一部をレーザーに起因する熱によって着色させてマーキングを施すようにした電子部品の製造方法。
  5. 前記空間内に閉じ込められた接着剤の一部を、レーザーに起因する熱によって炭化させて着色した請求項4に記載の電子部品の製造方法。
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