JP2011228385A - 洗浄乾燥方法および洗浄乾燥装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】汚れの除去と乾燥を同じ工程で行う洗浄であって、洗浄時間の高速化と洗浄処理物面積の広域化を可能とする省エネルギー型で、小型で高速の洗浄乾燥を可能にする、洗浄乾燥方法および装置を提供する。
【解決手段】洗浄除去すべき物質を含む被処理物11の洗浄乾燥方法であって、該被処理物11を大気圧下の洗浄乾燥室18に搬入する工程、加圧過熱液体または加圧過熱蒸気の状態にある洗浄溶剤を該洗浄乾燥室18内に噴射する工程、および洗浄乾燥された該被処理物11を該洗浄乾燥室18から搬出する工程を含み、該洗浄乾燥室18内に噴射された該洗浄溶剤から発生する該洗浄溶剤の蒸気の大気圧での体積が、該被処理物11を該洗浄乾燥室18に搬入した際の該洗浄乾燥室18内における空隙容積の100倍以上であることを特徴とする、洗浄乾燥方法、およびその方法を実施するための洗浄乾燥装置を提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は、エレクトロニクス部品や機械加工部品などの製造工程等における、それらの部品等の被処理物に付着した汚れを実質的に除去するための被処理物の洗浄乾燥方法、及び被処理物の洗浄乾燥装置に関するものである。
液晶用基板、マスク基板、シリコン基板、LCD実装基板などのエレクトロニクス部品や機械加工部品などの製造工程では、後工程の品質や製品性能を確保するために、部品に付着した汚れを除去するための洗浄処理が行われる。
近年、そのようなエレクトロニクス部品や機械加工部品などの部品に付着した汚れを洗浄除去するために、過熱水蒸気を用いた洗浄方法、および洗浄装置が考案されている。
例えば、特許文献1において、蒸気ノズルと噴霧水ノズルを組み合わせ、純水のみでクリーンで低コストの洗浄技術を提供することを目的として、基板表面を、水蒸気を利用して洗浄する方法であって、蒸気ノズルは基板表面の近傍に設置し、蒸気噴射直下の基板上に噴霧水を噴射させることを特徴とする洗浄方法、並びに蒸気を基板表面に噴射する蒸気ノズル、蒸気噴射直下の基板上に噴霧水を噴射させる噴霧ノズル、剥離物を排出搬送させる洗浄ノズルなどを備えていることを特徴とする装置が提案されており、そこでは蒸気として過熱蒸気または飽和蒸気を使用されることが開示されている。
また、特許文献2において、それまで除去することが困難であった、粘着性有機異物を効果的に除去することが可能な洗浄装置を提供することを目的として、被洗浄体の移動経路上で被洗浄体を洗浄する洗浄装置であって、被洗浄体を移動させる被洗浄体搬送手段、先端に設けた水供給ノズルから水を噴出して被洗浄体の表面に水膜を形成させる水供給手段、及び、先端に設けた過熱水蒸気供給ノズルから水膜の温度よりも高い温度の過熱水蒸気を噴出して水膜に当てる加熱水蒸気供給手段を備えることを特徴とする洗浄装置、並びに水供給ノズルから水を噴出して被洗浄体の表面に水膜を形成させ、次いで、過熱水蒸気供給ノズルから水膜の温度よりも高い温度の過熱水蒸気を噴出して水膜に当てることを特徴とする洗浄方法が提案されている。
しかしながら、これらの方法では、水系の洗浄であり、水による腐食など水を嫌う被洗浄体への適用や加熱エネルギー消費等の点で更なる改良が求められていた。
また、本願に対して先願に該当する特許文献3において、以下の省エネルギー型で小型の連続式洗浄装置が提案されている。即ち、大気圧時と加圧時とで顕著に沸点が変化する溶剤で、なおかつ分子構造上、塩素原子を含まず油脂類に対し疎油性を示す不活性溶剤、たとえば、ハイドロフルオロカーボン(HFC)やハイドロフルオロエーテル(HFE)などのフッ素系化合物で、大気圧の沸点(飽和温度)が40℃以上の溶剤を加圧し、大気圧沸点以上の過熱液、望ましくは加圧時の沸点近くの過熱液の状態として、大気圧下にある被洗浄部品に当該加圧過熱溶剤を噴射させる。噴射された加圧過熱溶剤は、瞬時にあるいは被洗浄部品表面で気化膨張し、その膨張による流速と熱エネルギーなどの作用で、被洗浄部品表面の油脂や異物を除去する。特に、噴射された溶剤分子は、油脂類に対し疎油性を示すため、気化膨張に伴う衝突力が、斥力として作用し、油脂の除去効果を高める。
気化したフッ素系化合物の溶剤蒸気は、空気よりも重く回収しやすく、40℃以下とすれば凝縮することができる。また、溶剤の密度は油脂類よりも大きいので、凝縮液化した溶剤を静置すれば、疎油性を有する性質から比重差で溶剤と油脂類を相分離することができ、蒸留再生装置などの分離装置を付帯する必要がない。なお、HFCやHFEなどのフッ素系化合物は、水よりも蒸発潜熱が小さく、乾燥性がよく、過熱水蒸気洗浄のように、飽和温度以上に加熱する必要もない。したがって、被洗浄部品に対する熱負荷が水蒸気より小さい。また、これらのフッ素系化合物は、水より比熱も小さいので、容易に加熱することができ、エネルギーの消費も少ない。さらに、大気圧下で洗浄するため、部品を連続的に処理できる。
しかしながら、かかる特許文献3に開示される洗浄装置では、加圧過熱の洗浄溶剤が噴射された局所的な洗浄効果は認められるが、その洗浄領域を広げるには、洗浄溶剤噴射部あるいは被洗浄物を移動させるか洗浄液噴射部を増やす必要がある。したがって洗浄領域を広げるには、溶剤の噴射量が増えることになり、洗浄溶剤噴射部あるいは被洗浄物を移動させるとその移動量に応じ洗浄時間も増加する。また、洗浄溶剤噴射部を増やし溶剤の噴射量が増えれば、溶剤を過熱状態とする加熱手段と噴射した溶剤蒸気の回収に関わる負荷が増大し、エネルギーの消費と設備のコストアップおよび設備の大型化が避けられない。さらに、洗浄溶剤噴射部から被洗浄物表面までの距離が離れるほど洗浄効果は低減し、ある距離以上となると洗浄効果は消失するため、洗浄溶剤噴射部を被洗浄物表面に近接しなければならず、適用可能な被洗浄物が限定される課題がある。
特開2007−180117号公報 特開2009−195832号公報 特願2009−162797号公報
本発明は、かかる従来の問題点、特に先願に該当する特許文献3における問題点に鑑みてなされたものであり、被処理物に付着した油脂や異物などの汚れを除去する物品の洗浄において、簡易な機構で洗浄溶剤を循環再使用でき、省エネルギー型で低コストの高速洗浄乾燥方法、および省エネルギー型で小型、低コストの高速洗浄乾燥装置を得ることを目的とするものである。
本発明の態様である洗浄乾燥方法は、請求項1に記載のように、洗浄除去すべき物質を含む被処理物(11)の洗浄乾燥方法であって、被処理物(11)を大気圧下の洗浄乾燥室(18)に搬入する工程、加圧過熱液体または加圧過熱蒸気の状態にある洗浄溶剤を洗浄乾燥室(18)内に噴射する工程、および洗浄乾燥された被処理物(11)を洗浄乾燥室(18)から搬出する工程を含み、洗浄乾燥室(18)内に噴射された洗浄溶剤から発生する洗浄溶剤の蒸気の大気圧での体積が、被処理物(11)を洗浄乾燥室(18)に搬入した際の洗浄乾燥室(18)内における空隙容積の100倍以上であることを特徴とするものである。
かかる態様では、被処理物(11)の汚れの除去と乾燥を同じ工程で行う洗浄であって、洗浄時間の短縮化と洗浄処理面積の広域化を可能とする省エネルギー型の高速の洗浄乾燥が可能である。即ち、従来よりも被処理物(11)を短時間で広い領域を洗浄乾燥でき、なおかつ少ない洗浄液量で処理することがでる。また、そのように少ない洗浄液量で処理できることで、噴射した洗浄液蒸気の回収負荷が軽減するとともに、加圧過熱液状態等とする加熱エネルギーも低減できる。さらに、比熱が大きくエネルギーの消費が課題であった水や含水アルコールなどの水溶液も洗浄液として用いることも容易となり、環境に優しい省エネルギー型で低コストの高速洗浄乾燥方法を提供できることとなる。
その態様の一つの好ましい形態として、噴射された洗浄溶剤から発生する洗浄溶剤の蒸気の大気圧での体積が、被処理物(11)を洗浄乾燥室(18)に搬入した際の洗浄乾燥室(18)内における空隙容積の100倍〜2000倍であることを特徴とする洗浄乾燥方法が挙げられる。かかる形態によれば、被洗浄物の付着汚れが目視レベルで除去される。
その態様のもう一つの好ましい形態として、洗浄除去すべき物質が油脂類であり、洗浄溶剤が、油脂類に対する疎油性を有し、且つ大気圧で40℃以上の沸点を有するものであることを特徴とする洗浄乾燥方法が挙げられる(請求項2参照)。かかる形態によれば、液化回収が容易となり、除去した汚れと洗浄溶剤の分離再生も容易となる。
その態様のもう一つの好ましい形態として、噴射工程において噴射された洗浄溶剤の少なくとも一部を回収する工程、回収された洗浄溶剤に混入される、洗浄により被処理物(11)から除去された洗浄除去物質を分離する工程、洗浄除去物質を分離された後の洗浄溶剤を再加圧過熱する工程、並びに再加圧過熱されて、加圧過熱液体または加圧過熱蒸気の状態にある洗浄溶剤を洗浄乾燥室(18)内に再噴射する工程を含む、洗浄溶剤のリサイクル工程を更に含むことを特徴とする洗浄乾燥方法が挙げられる(請求項3参照)。かかる形態によれば、洗浄溶剤の廃棄の必要がなくなる。
その態様のもう一つの好ましい形態として、被処理物(11)の搬入工程および搬出工程において、被処理物(11)が連続的または間欠的に搬送されることを特徴とする洗浄乾燥方法が挙げられる(請求項4参照)。かかる形態によれば、部品の製造工程へ洗浄乾燥工程をインライン化することが可能になる。
本発明のもう一つの態様である洗浄乾燥装置は、請求項6に記載のように、洗浄除去すべき物質を含む被処理物(11)の洗浄乾燥装置であって、加圧過熱液体または加圧過熱蒸気の状態にある洗浄溶剤の供給手段(19)、被処理物(11)の搬入口および搬出口を備えて大気圧下にある洗浄乾燥室(18)、搬入口から被処理物(11)を洗浄乾燥室(18)に搬入する手段(12)、供給手段(19)からの加圧過熱液体または加圧過熱蒸気の状態にある洗浄溶剤を洗浄乾燥室(18)内に噴射する手段(16)、および洗浄乾燥された被処理物(11)を洗浄乾燥室(18)の搬出口から搬出する手段(12’)を含み、洗浄乾燥室(18)内に噴射された洗浄溶剤から発生する洗浄溶剤の蒸気の大気圧での体積が、被処理物(11)を洗浄乾燥室(18)に搬入した際の洗浄乾燥室(18)内における空隙容積の100倍以上であることを特徴とするものである。
かかる態様では、被処理物(11)の汚れの除去と乾燥を同じ工程で行う洗浄乾燥装置であって、洗浄時間の短縮化と洗浄処理面積の広域化を可能とする省エネルギー型で、小型の高速洗浄乾燥装置の提供が可能である。即ち、従来よりも被処理物(11)を短時間で広い領域を洗浄乾燥でき、なおかつ少ない洗浄液量で処理することがでる。また、そのように少ない洗浄液量で処理できることで、噴射した洗浄液蒸気の回収負荷が軽減するとともに、加圧過熱液状態等とする加熱エネルギーも低減できる。さらに、比熱が大きくエネルギーの消費が課題であった水や含水アルコールなどの水溶液も洗浄液として用いることも容易となり、環境に優しい省エネルギー型、小型で低コストの高速洗浄乾燥装置を提供できることとなる。
その態様の一つの好ましい形態として、噴射された洗浄溶剤の少なくとも一部を回収する手段(17)、回収された洗浄溶剤に混入される、洗浄により被処理物(11)から除去された洗浄除去物質を分離する手段(13)、洗浄除去物質を分離された後の洗浄溶剤を再加圧過熱する手段(15)、並びに再加圧過熱されて、加圧過熱液体または加圧過熱蒸気の状態にある洗浄溶剤を供給手段(19)に供給する手段を含む、洗浄溶剤のリサイクル手段を更に含むことを特徴とする洗浄乾燥装置が挙げられる(請求項6参照)。かかる形態によれば、洗浄溶剤の廃棄の必要がなくなる。
その態様のもう一つの好ましい形態として、被処理物(11)を搬入する手段(12)および搬出する手段(12’)が、それぞれ連続的または間欠的に被処理物(11)を搬送する手段(12)および搬出する手段(12’)であることを特徴とする、洗浄乾燥装置が挙げられる(請求項7参照)。かかる形態によれば、部品の製造工程へ洗浄乾燥装置をインライン化することが可能になる。
なお、上記の括弧内に記載した符号は、後述する実施形態における具体的記載との対応関係を示す一例である。
従来例として先願に該当する特許文献3において開示されている洗浄乾燥装置を模式的に示した概略図である。 本発明の一実施形態例における洗浄乾燥装置を模式的に示した概略図である。
本発明は、被処理物11に付着した油脂類等の汚れに対して疎油性を示す所定量の洗浄溶剤を、大気圧沸点以上の加圧過熱液体の状態または加圧過熱蒸気の状態で、洗浄乾燥室18内で被処理物11に噴射することで、汚れの除去と乾燥を同じ工程で行う洗浄であって、洗浄時間の短縮化と洗浄処理面積の広域化を可能とする、省エネルギー型の高速洗浄乾燥方法、および省エネルギー型で、小型の高速洗浄乾燥装置を提供する。
本発明において、「加圧過熱液体の状態にある洗浄溶剤」とは、洗浄溶剤が、大気圧以上の圧力において、その圧力での沸点以上の温度に加熱された液体の状態にあることを意味し、「加圧過熱蒸気の状態にある洗浄溶剤」とは、洗浄溶剤が、大気圧以上の圧力において、その圧力での沸点以上に加熱した過熱溶剤蒸気の状態にあることを意味する。尚、かかる大気圧以上の圧力は、使用される洗浄溶剤の種類やその必要量等によって異なるが、通常0.2〜0.6MPaが好ましく、0.3〜0.4MPaが特に好ましい。
本発明における洗浄乾燥室18としては、洗浄除去すべき物質を含む被処理物11を1個または複数個で、好ましくは1個毎に収納し得るものであって、洗浄乾燥室18内に噴射された洗浄溶剤から発生する洗浄溶剤の蒸気の大気圧での体積が、被処理物11を洗浄乾燥室18に搬入した際の洗浄乾燥室18内における空隙容積の100倍以上であることを満たして、且つ洗浄溶剤の噴射量をできるだけ少量にするために、被処理物11を洗浄乾燥室18に搬入した際の洗浄乾燥室18内における空隙容積が大きくならないようなものが望ましい。
被処理物11を洗浄乾燥室18に搬入した際の洗浄乾燥室18内における空隙容積としては、被処理物11の形状や大きさによって異なるが、被処理物11の見かけの体積、即ち、被処理物11が内部空隙を有する場合にはその内部空隙も含む被処理物11の体積の、10倍以下、より好ましくは1倍以下の範囲内であることが望ましい。そのように被処理物11を洗浄乾燥室18に搬入した際の洗浄乾燥室18内における空隙容積を小さくすることによって、洗浄乾燥室18内に噴射される洗浄溶剤の量を少なくして、且つ洗浄溶剤の噴射による被処理物11の洗浄効果を維持または向上させることが可能になる。
被処理物11は、特に限定されるものではなく、その具体例として、自動車の燃料噴射装置の小物部品等が挙げられる。また、被処理物11の形状としては、特に限定されるものではないが、内部空隙を有する場合には内部空隙の形状によってはその洗浄が不十分になる可能性があるので、内部空隙を有さないものが望ましい。
本発明において、洗浄乾燥室18内に噴射された洗浄溶剤から発生する洗浄溶剤の蒸気の大気圧での体積は、被処理物11を洗浄乾燥室18に搬入した際の洗浄乾燥室18内における空隙容積の100倍以上である。洗浄乾燥室18内に噴射された洗浄溶剤から発生する洗浄溶剤の蒸気の大気圧での体積が、被処理物11を洗浄乾燥室18に搬入した際の洗浄乾燥室18内における空隙容積の100倍より小さい場合には、洗浄溶剤の噴射による被処理物11の洗浄効果が維持できなくなり、好ましくない。尚、洗浄乾燥室18内に噴射された洗浄溶剤から発生する洗浄溶剤の蒸気の大気圧での体積は、噴射時の洗浄乾燥室18内の温度における体積を意味する。
このように、洗浄乾燥室18内に噴射された洗浄溶剤から発生する洗浄溶剤の蒸気の大気圧での体積が、被処理物11を洗浄乾燥室18に搬入した際の洗浄乾燥室18内における空隙容積の100倍以上であるような、所定量の加圧過熱液体又は加圧加熱蒸気の状態にある洗浄溶剤を洗浄乾燥室18内に噴射することによって、被処理物11において洗浄溶剤が直接噴射されない領域であっても、噴射された洗浄溶剤から発生する洗浄溶剤の蒸気が、洗浄除去すべき物質を被処理物11から除去するのに十分な衝撃で作用し得るので、洗浄除去すべき物質が被処理物11からスムーズに除去され得る。即ち、噴射された加圧過熱溶剤は、瞬時にあるいは被洗浄部品表面で気化膨張し、その膨張による流速と熱エネルギーなどの作用で、被洗浄部品表面の油脂や異物を除去する。
かかる洗浄乾燥室18内に噴射された洗浄溶剤から発生する洗浄溶剤の蒸気の大気圧での体積としては、洗浄溶剤の噴射による被処理物11の洗浄効果がより有効に発揮されるために、被処理物11を洗浄乾燥室18に搬入した際の洗浄乾燥室18内における空隙容積の100倍以上が好ましく、100倍〜2000倍がより好ましく、130倍〜1800倍が特に好ましい。尚、洗浄乾燥室18内に噴射された洗浄溶剤から発生する洗浄溶剤の蒸気の大気圧での体積の上限は、洗浄溶剤の噴射量が増えて溶剤を加圧過熱状態とする加熱に要するエネルギー、および噴射した溶剤蒸気の回収に関わる負荷が増大し過ぎることを防ぐように設定される。
本発明において、被処理物11から洗浄除去すべき物質としては、特に限定されるものではないが、洗浄除去しやすいものとして油脂類が挙げられる。かかる油脂類の具体例としては、成形加工油、切削加工油やはんだ付けフラックス等が挙げられる。
本発明における洗浄溶剤は、特に限定されるものではないが、大気圧時と加圧時とで顕著に沸点が変化し室温において液体であって、油脂類に対する疎油性を有し、且つ大気圧で40℃以上の沸点を有するものであるものが望ましい。噴射された溶剤分子は、油脂類に対し疎油性を示すため、気化膨張に伴う衝突力が、斥力として作用し、油脂の除去効果を高める。40℃以上の沸点を有する洗浄溶剤は、容易に液化し、液として回収が可能になるので好ましい。40℃未満の沸点を有する洗浄溶剤は、液化回収が困難であって、好ましくない。
そのような洗浄溶剤の具体例として、水、含水アルコール、フッ素系化合物等が挙げられる。その含水アルコールにおけるアルコールとしては、エチルアルコールやイソプロピルアルコール等が好ましく、かかる含水アルコール中の含水量としては通常20〜60重量%が望ましい。フッ素系化合物の具体例としては、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、ハイドロフルオロエーテル(HFE)、パーフルオロカーボン(PFC)やパーフルオロアミン等が挙げられる。これらの中でも、本発明における洗浄溶剤としては、蒸発潜熱が小さく、乾燥性がよく、さらに比熱も小さいので、容易に加熱することができ、エネルギーの消費も少ないフッ素系化合物が適しており、中でもHFCおよびHFEが望ましい。
本発明の洗浄乾燥方法では、高速洗浄乾燥を行うために、洗浄乾燥室18内への被処理物11の搬入工程および搬出工程において、被処理物11が連続的または間欠的に搬送されることが望ましい。洗浄乾燥室18内での、洗浄溶剤の噴射による被処理物11の洗浄乾燥が短時間で実施される場合には、洗浄乾燥室18内への被処理物11の搬入工程および搬出工程が連続的に実施されることが望ましい。また、洗浄乾燥室18内での、洗浄溶剤の噴射による被処理物11の洗浄乾燥に多少時間を要する場合であっても、洗浄乾燥室18内への被処理物11の搬入工程および搬出工程を間欠的に行って、洗浄乾燥室18内での被処理物11の滞留時間を調整することによって、スムーズな洗浄乾燥が可能である。
本発明の洗浄乾燥方法では、上記の噴射工程において噴射された洗浄溶剤の少なくとも一部を回収する工程、回収された洗浄溶剤に混入される、洗浄により被処理物11から除去された洗浄除去物質を分離する工程、洗浄除去物質を分離された後の洗浄溶剤を再加圧過熱する工程、並びに再加圧過熱されて、加圧過熱液体または加圧過熱蒸気の状態にある洗浄溶剤を洗浄乾燥室18内に再噴射する工程を含む、洗浄溶剤のリサイクル工程を更に含むことが望ましい。
かかる回収工程では、洗浄乾燥室18内に噴射された洗浄溶剤に被処理物11に付着していた洗浄除去物質が混入されたものが回収される。また、分離工程では、回収された洗浄溶剤に洗浄除去物質が混入されたものからその洗浄除去物質が分離される。上記の如く、洗浄除去物質が油脂類であり、洗浄溶剤がその油脂類に対する疎油性を有するものである場合には、洗浄溶剤と洗浄除去物質が容易に相分離するので、分離工程ではそのように相分離して得られる洗浄除去物質の相を分離除去すれば良い。次いで、再加圧過熱する工程において、そのようにして洗浄除去物質が分離された洗浄溶剤を、再度加圧過熱することによって、加圧過熱液体または加圧過熱蒸気の状態にある洗浄溶剤が調整され、さらに噴射工程において、その加圧過熱液体または加圧過熱蒸気の状態にある洗浄溶剤が再度洗浄乾燥室18内に噴射される。
洗浄乾燥室18内に噴射された洗浄溶剤の少なくとも一部を回収する工程において、必要に応じて、噴射された洗浄溶剤から発生した洗浄溶剤の蒸気を液体に戻すために冷却することが望ましい。かかる冷却の温度としては、40℃以下が好ましく、10℃以下が特に好ましい。
本発明の洗浄乾燥装置は、上記のような洗浄乾燥方法を実施し得るものであって、高速洗浄乾燥を行うために、被処理物11の搬入手段12および搬出手段12’が、それぞれ連続的または間欠的に被処理物11を搬送する手段12および搬出する手段12’であることが望ましい。即ち、洗浄乾燥室18内への被処理物11の搬入および搬出において、被処理物11が連続的または間欠的に搬送されることが望ましい。洗浄乾燥室18内での、洗浄溶剤の噴射による被処理物11の洗浄乾燥が短時間で実施される場合には、連続的に被処理物11を搬送する手段12および搬出する手段12’を有することが望ましい。また、洗浄乾燥室18内での、洗浄溶剤の噴射による被処理物11の洗浄乾燥に多少時間を要する場合であっても、間欠的に被処理物11を搬送する手段12および搬出する手段12’を有する洗浄乾燥装置であれば、洗浄乾燥室18内での被処理物11の滞留時間を調整することによって、スムーズな洗浄乾燥が可能である。
かかる被処理物11を搬入する手段12および搬出する手段12’は、その形状等について特に限定されるものではなく、その具体例としては、搬入手段12および搬出手段12’が一本につながった形の、治具付きの搬送コンベア、チェーンコンベア等が挙げられる。尚、そのような搬送コンベア等には、複数の被処理物11が所定の間隔で着脱可能に搭載される。
本発明の洗浄乾燥装置において、被処理物11を搬入する手段12および搬出する手段12’が、それぞれ連続的または間欠的に被処理物11を搬送する手段12および搬出する手段12’である場合に、洗浄乾燥室18の搬入口および搬出口としては、搬入手段12および搬出手段12’ が一本につながった形のものが連続的または間欠的に通過し得るものであって、さらにその搬入手段12および搬出手段12’に所定の間隔で着脱可能に配置された複数の被処理物11も通過し得るものであることが望ましい。
そのような洗浄乾燥室18の搬入口および搬出口は、加圧過熱液体または加圧過熱蒸気の状態にある洗浄溶剤の洗浄乾燥室18内での噴射時における、噴射された洗浄溶剤から発生した洗浄溶剤の蒸気の洗浄乾燥室18外への放出を防止し、また噴射された洗浄溶剤の少なくとも一部を回収する際の回収効率を高めるために、搬入口および搬出口を被処理物11が通過していないときは、搬入手段12および搬出手段12’が通過し得る範囲で可能な限り閉鎖されるような構造を有することが望ましい。尚、搬入、搬出が連続的または間欠的ではない場合、即ち洗浄乾燥操作がバッチ形式でなされる場合には、搬入口が搬出口を兼ねるものであっても良い。
本発明の洗浄乾燥装置では、上記の噴射された前記洗浄溶剤の少なくとも一部を回収する手段17、回収された洗浄溶剤に混入される、洗浄により被処理物11から除去された洗浄除去物質を分離する手段13、洗浄除去物質を分離された後の洗浄溶剤を再加圧過熱する手段15、並びに再加圧過熱されて、加圧過熱液体または加圧過熱蒸気の状態にある洗浄溶剤を供給手段19に供給する手段を含む、洗浄溶剤のリサイクル手段を更に含むことが望ましい。
かかる回収手段17では、洗浄乾燥室18内に噴射された洗浄溶剤に被処理物11に付着していた洗浄除去物質が混入されたものが回収される。また、分離手段13では、回収手段17により回収された洗浄溶剤に洗浄除去物質が混入されたものからその洗浄除去物質が分離される。尚、洗浄除去物質が油脂類であり、洗浄溶剤がその油脂類に対する疎油性を有するものである場合には、洗浄溶剤と洗浄除去物質が容易に相分離するので、例えば貯液槽のような分離手段13においてそのように相分離して得られる洗浄除去物質の相を分離除去すれば良い。次いで、例えば必要に応じて加圧ポンプを備えた熱交換器のような再加圧過熱する手段15において、そのようにして洗浄除去物質が分離された洗浄溶剤を、再度加圧過熱することによって、加圧過熱液体または加圧過熱蒸気の状態にある洗浄溶剤が調整され、さらに供給手段19によって、その加圧過熱液体または加圧過熱蒸気の状態にある洗浄溶剤が再度洗浄乾燥室18内に噴射される。
洗浄乾燥室18内に噴射された洗浄溶剤の少なくとも一部を回収する手段17において、必要に応じて、噴射された洗浄溶剤から発生した洗浄溶剤の蒸気を液体に戻すために、例えばコイル状、フィン状等の熱交換器等の冷却手段を備えることが望ましい。かかる冷却の温度としては、40℃以下が好ましく、10℃以下が特に好ましい。
以下に本願発明についての実施例および参考例を挙げて、更に具体的に本願発明を説明するが、それらの実施例によって本願発明が何ら限定されるものではない。
参考形態例1
従来例を、概略図として図1に示す。図1において、治具付きのコンベア2に被洗浄部品1の単体を搭載して連続的に搬送する例を説明する。油脂類が付着した被洗浄部品1は、搬送コンベア2で、洗浄乾燥ゾーンAの位置へ順次送られる。洗浄装置には、洗浄溶剤を貯液する貯液槽3が備えられている。貯液槽3には、大気圧時と加圧時とで顕著に沸点が変化する溶剤で、なおかつ分子構造上、塩素原子を含まず油脂類に対し疎油性を示す不活性溶剤、たとえば、ハイドロフルオロカーボン(HFC)やハイドロフルオロエーテル(HFE)などのフッ素系化合物で、大気圧の沸点(飽和温度)が40℃以上の洗浄溶剤を貯液する。
貯液槽3から加圧手段としての循環ポンプ4により、配管9を通し、洗浄溶剤は噴射手段としてのノズル6へ圧送される。圧送途中に加熱手段としての熱交換器5が設けられ、洗浄溶剤の大気圧沸点(飽和温度)以上の過熱液、望ましくはその圧力における沸点近くの過熱液の状態まで加熱する。その加圧過熱溶剤を噴射手段としてのノズル6から大気圧下にある被洗浄部品1に噴射することで、洗浄と乾燥を同じ洗浄乾燥ゾーンAで行う。ノズル6から噴射された溶剤と被洗浄部品1に付着していた汚れは貯液槽3へ回収する。洗浄溶剤の飽和蒸気相が洗浄乾燥ゾーンAの周囲に形成される。溶剤の蒸発ロスを抑制するため、洗浄槽上部の開口部近くに洗浄溶剤の回収手段として冷却管などの冷却器7を設ける。冷却器7で凝縮液化した溶剤は、水分離器8を経由して貯液槽3へ戻される。連続的に洗浄乾燥処理を繰り返すと、被洗浄部品1により持ち込まれる汚れは貯液槽3に蓄積することになる。貯液槽3に蓄積した油脂類は、洗浄溶剤には溶解しないので、洗浄溶剤よりも比重が小さい油脂類であれば、貯液槽3内で浮上し、上層部に油脂類、下層部に洗浄溶剤を形成し、貯液槽3は油分離槽としての機能を果たす。上層部の油脂類を汚れ排出手段としてのドレン10より、持ち込まれた汚れを取り除く。
実施形態例1
本発明の一実施の形態を、概略図として図2に示す。図2において、被洗浄部品11は、洗浄カゴに多数個入れてもよいが、治具付きのコンベアに被洗浄部品11の単体を搭載して連続的に搬送する例で解説する。油脂類が付着した被洗浄部品11は、搬送コンベア12,12’で、洗浄乾燥室18である洗浄乾燥ゾーンBの位置へ送られる。洗浄装置には、洗浄溶剤を貯液する貯液槽13が備えられている。貯液槽13には、大気圧時と加圧時とで顕著に沸点が変化する液体で、油脂類に対し疎油性を示す液体、たとえば、水や含水アルコールあるいはハイドロフルオロカーボン(HFC)やハイドロフルオロエーテル(HFE)などのフッ素系化合物で、大気圧の沸点(飽和温度)が40℃以上の液体を貯液する。
貯液槽13から加圧手段としての循環ポンプ14により、洗浄溶剤の供給手段である配管19を通し、洗浄液は噴射手段としてのノズル16へ圧送される。圧送途中に再加圧過熱手段としての熱交換器15が設けられ、洗浄溶剤の大気圧沸点(飽和温度)以上の過熱液、望ましくはその圧力における沸点近くの過熱液の状態まで加熱する。その加圧過熱液を噴射手段としてのノズル16から大気圧下にある被洗浄部品11に噴射することで、洗浄と乾燥を同じ洗浄乾燥ゾーンBで行う。なお、過熱液の状態ではなく、それ以上に加熱して加圧時の沸点(飽和温度)以上とした過熱溶剤蒸気の状態で、ノズル16から噴射してもよい。
ただし、洗浄乾燥ゾーンBは、被洗浄部品11を囲う洗浄乾燥室18を設け、噴射洗浄溶剤の下流には、洗浄溶剤蒸気を排出し回収する、回収手段としての蒸気回収口17が設けられ、ノズル16の洗浄溶剤噴射孔から蒸気回収口17までに形成される空隙容積よりも、洗浄乾燥室に噴射した洗浄溶剤蒸気の大気圧下の容積が大きくなるように設計されている。
ノズル16から噴射された洗浄溶剤と被洗浄部品11に付着していた汚れは貯液槽13へ回収する。連続的に洗浄乾燥処理を繰り返すと、被洗浄部品11により持ち込まれる汚れは貯液槽13に蓄積することになる。貯液槽13に蓄積した油脂類は、洗浄溶剤には溶解しないので、洗浄溶剤よりも比重が小さい油脂類であれば、貯液槽13内で浮上し、上層部に油脂類、下層部に洗浄液を形成し、貯液槽13は油分離槽としての機能も果たす。上層部の油脂類を汚れ排出手段としてのドレン20より排出すれば、持ち込まれた汚れを取り除くことができる。
実施例1
円筒状の洗浄乾燥室18に、円柱状の被洗浄部品11(直径6mm、長さ8mm)を空隙容積が2cmとなるように配置し、円筒状洗浄乾燥室18の下流の円端部は開放とした。被洗浄部品11には、あらかじめユシロ化学工業社の不水溶性油ユシロンカットアーバスKZ216を約100mg/dmで塗布し、洗浄溶剤として、大気圧沸点が55℃で加圧(0.312MPa)時の沸点が90℃のフッ素化合物HFC‐43‐10mee(C10)を、約90℃の加圧過熱液体の状態として、洗浄乾燥室18へ5秒間噴射した。その結果、洗浄後の被洗浄部品11の付着油分量は10mg/dm以下まで除去することができた。この場合、洗浄溶剤の噴射量は、5秒間でおよそ1.5cmであり、大気圧下の洗浄乾燥室18に噴射した洗浄溶剤蒸気の体積は、およそ280cmと計算され、即ち、洗浄乾燥室18内に噴射された洗浄溶剤から発生する洗浄溶剤の蒸気の大気圧での体積が、被洗浄部品11を洗浄乾燥室18に搬入した際の洗浄乾燥室18内における空隙容積の140倍であった。噴射洗浄直後、被洗浄部品11の外表面には洗浄溶剤の凝縮など認められず、短時間で被洗浄部品11全体を洗浄乾燥できることを確認した。
実施例2
円筒状の洗浄乾燥室18に、円柱状の被洗浄部品11(直径6mm、長さ8mm)を空隙容積が2cmとなるように配置し、円筒状洗浄乾燥室18の下流の円端部は開放とした。被洗浄部品11には、あらかじめユシロ化学工業社の不水溶性油ユシロンカットアーバスKZ216を約100mg/dmで塗布し、水を約130℃の加圧過熱液体の状態として、洗浄乾燥室18へ5秒間噴射した。その結果、洗浄後の被洗浄部品11の付着油分量は10mg/dm以下まで除去することができた。この場合、水の噴射量は、5秒間でおよそ1.5cmであり、大気圧下の洗浄乾燥室18に噴射した水蒸気の体積は、およそ2700cmと計算され、即ち、洗浄乾燥室18内に噴射された水から発生する水蒸気の大気圧での体積が、被洗浄部品11を洗浄乾燥室18に搬入した際の洗浄乾燥室18内における空隙容積の1350倍であった。
A 洗浄乾燥ゾーン
1 被処理部品
2 部品搬送コンベア
3 貯液槽(油分離槽)
4 循環ポンプ(加圧手段)
5 熱交換器(加熱手段)
6 ノズル(噴射手段)
7 冷却管(回収手段)
8 水分分離器
9 配管(洗浄溶剤供給手段)
10 ドレン(汚れ排出手段)
B 洗浄乾燥ゾーン
11 被処理部品
12 部品搬送コンベア
13 貯液槽(油分離槽)
14 循環ポンプ(加圧手段)
15 熱交換器(加熱手段)
16 ノズル(噴射手段)
17 蒸気回収口(回収手段)
18 洗浄乾燥室
19 配管(洗浄溶剤供給手段)
20 ドレン(汚れ排出手段)

Claims (7)

  1. 洗浄除去すべき物質を含む被処理物(11)の洗浄乾燥方法であって、該被処理物(11)を大気圧下の洗浄乾燥室(18)に搬入する工程、加圧過熱液体または加圧過熱蒸気の状態にある洗浄溶剤を該洗浄乾燥室(18)内に噴射する工程、および洗浄乾燥された該被処理物(11)を該洗浄乾燥室(18)から搬出する工程を含み、該洗浄乾燥室(18)内に噴射された該洗浄溶剤から発生する該洗浄溶剤の蒸気の大気圧での体積が、該被処理物(11)を該洗浄乾燥室(18)に搬入した際の該洗浄乾燥室(18)内における空隙容積の100倍以上であることを特徴とする、洗浄乾燥方法。
  2. 前記洗浄除去すべき物質が油脂類であり、前記洗浄溶剤が、該油脂類に対する疎油性を有し、且つ大気圧で40℃以上の沸点を有するものであることを特徴とする、請求項1に記載の洗浄乾燥方法。
  3. 前記噴射工程において噴射された前記洗浄溶剤の少なくとも一部を回収する工程、回収された前記洗浄溶剤に混入される、前記洗浄により前記被処理物(11)から除去された前記洗浄除去物質を分離する工程、前記洗浄除去物質を分離された後の前記洗浄溶剤を再加圧過熱する工程、並びに再加圧過熱されて、加圧過熱液体または加圧過熱蒸気の状態にある前記洗浄溶剤を前記洗浄乾燥室(18)内に再噴射する工程を含む、前記洗浄溶剤のリサイクル工程を更に含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の洗浄乾燥方法。
  4. 前記被処理物(11)の搬入工程および搬出工程において、前記被処理物(11)が連続的または間欠的に搬送されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の洗浄乾燥方法。
  5. 洗浄除去すべき物質を含む被処理物(11)の洗浄乾燥装置であって、加圧過熱液体または加圧過熱蒸気の状態にある洗浄溶剤の供給手段(19)、該被処理物(11)の搬入口および搬出口を備えて大気圧下にある洗浄乾燥室(18)、該搬入口から該被処理物(11)を該洗浄乾燥室(18)に搬入する手段(12)、該供給手段(19)からの加圧過熱液体または加圧過熱蒸気の状態にある該洗浄溶剤を該洗浄乾燥室(18)内に噴射する手段(16)、および洗浄乾燥された該被処理物(11)を該洗浄乾燥室(18)の該搬出口から搬出する手段(12’)を含み、該洗浄乾燥室(18)内に噴射された該洗浄溶剤から発生する該洗浄溶剤の蒸気の大気圧での体積が、該被処理物(11)を該洗浄乾燥室(18)に搬入した際の該洗浄乾燥室(18)内における空隙容積の100倍以上であることを特徴とする、洗浄乾燥装置。
  6. 噴射された前記洗浄溶剤の少なくとも一部を回収する手段(17)、回収された前記洗浄溶剤に混入される、前記洗浄により前記被処理物(11)から除去された前記洗浄除去物質を分離する手段(13)、前記洗浄除去物質を分離された後の前記洗浄溶剤を再加圧過熱する手段(15)、並びに再加圧過熱されて、加圧過熱液体または加圧過熱蒸気の状態にある前記洗浄溶剤を供給手段(19)に供給する手段を含む、前記洗浄溶剤のリサイクル手段を更に含むことを特徴とする、請求項5に記載の洗浄乾燥装置。
  7. 前記被処理物(11)を搬入する手段(12)および搬出する手段(12’)が、それぞれ連続的または間欠的に前記被処理物(11)を搬送する手段(12)および搬出する手段(12’)であることを特徴とする、請求項5または6に記載の洗浄乾燥装置。
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