JP2011228214A - 基板用端子付きプリント基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】タブ端子に対する所期の接触圧を長期に亘って維持することが出来ると共に、高さ寸法の小型化を図ることの出来る、新規な構造を備えた基板用端子付きプリント基板を提供すること。
【解決手段】一対の対向壁20,20の各一方の端縁部21,21同士が接続壁22で連結された溝形の金属板で基板用端子12を構成して、プリント基板16の導電路48に半田付けされる導通部40と、前記一対の対向壁20,20からそれぞれ接近方向に突出して電気部品18のタブ端子50を挟んで接続状態に保持する一対の弾性舌片36,36と、前記プリント基板16に当接して変位規制されることで前記一対の対向壁20,20の離隔方向への変形を阻止する変形阻止部38とを、前記金属板に一体形成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板用端子が設けられた基板用端子付きプリント基板に係り、特に、金属板から屈曲形成された基板用端子が設けられた基板用端子付きプリント基板に関するものである。
従来から、ヒューズやリレー等の電気部品を接続可能とするために、基板用端子が設けられた基板用端子付きプリント基板が知られている。このような基板用端子としては、例えば、特開2003−217437号公報(特許文献1)に記載されているように、一端側にプリント基板のスルーホールに挿通されて半田付けされる固定脚部を備える一方、他端側に電気部品のタブ端子が接続される二股状の圧接刃から構成された接続部を備えた音叉形状の基板用端子が広く用いられている。
ところが、このような従来構造の基板用端子においては、圧接刃とタブ端子との接触面積(導通面積)が小さいことから、所期の接続信頼性が確保し難く、タブ端子との導通不良を起こすおそれがあった。また、圧接刃の挟み込み方向でのばね力はその断面係数(Z)が大きいことから、電気部品のタブ端子を圧接刃間に挿抜する際に大きな挿抜力が必要となり、作業者の負担となっていた。
そこで、例えば特開2006−66123号公報(特許文献2)には、金属板を屈曲形成して一対の板状の弾性舌片を形成し、それら一対の弾性舌片でタブ端子を挟んで接続する基板用端子が提案されている。このようにすれば、弾性舌片とタブ端子との接触面積を大きく確保することが出来ると共に、弾性舌片の断面係数(Z)が金属板の板厚方向で比較的小さくされることから、タブ端子の挿抜を容易に行なうことが出来る。
しかし、特許文献2に記載の基板用端子では、タブ端子の繰り返しの挿抜によって、弾性舌片が開き変形してしまい、所期の接触圧を長期に亘って維持することが困難であるという問題があった。また、電気部品の基板用端子への挿通量が基板用端子自体で制限されて、電気部品の本体部分が基板用端子の上方に位置されることから、高さ寸法の小型化を図ることが困難であるという問題もあった。
特開2003−217437号公報 特開2006−66123号公報
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、タブ端子に対する所期の接触圧を長期に亘って維持することが出来ると共に、高さ寸法の小型化を図ることの出来る、新規な構造を備えた基板用端子付きプリント基板を提供することにある。
本発明の第一の態様は、プリント基板の導電路に対して電気部品を接続する基板用端子が設けられた基板用端子付きプリント基板において、一対の対向壁の各一方の端縁部同士が接続壁で連結された溝形の金属板で前記基板用端子を構成して、前記プリント基板の導電路に半田付けされる導通部と、前記一対の対向壁からそれぞれ接近方向に突出して前記電気部品のタブ端子を挟んで接続状態に保持する一対の弾性舌片と、前記プリント基板に当接して変位規制されることで前記一対の対向壁の離隔方向への変形を阻止する変形阻止部とを、前記金属板に一体形成したことを、特徴とする。
本発明に従う構造とされた基板用端子付きプリント基板によれば、電気部品のタブ端子が、基板用端子の一対の弾性舌片で挟まれて接続状態に保持される。各弾性舌片は、基板用端子を構成する金属板の板厚方向に弾性変形することでタブ端子に接触される。これにより、板厚方向の比較的小さな断面係数(Z)を利用して、タブ端子の基板用端子への挿抜を比較的小さな力で容易に行なうことが出来る。それと共に、弾性舌片が金属板の板面でタブ端子に接触されることから、基板用端子とタブ端子との接触面積を大きく確保して、接続状態を安定的に維持することが出来る。
さらに、本発明においては、基板用端子に設けられた変形阻止部がプリント基板に接触することによって、弾性舌片が形成された一対の対向壁の離隔方向の変位が阻止されるようになっている。これにより、対向壁に設けられた弾性舌片の開き変形を防止することが出来て、タブ端子に対する所期の接触圧をより長期に亘って安定的に維持することが出来る。特に、プリント基板を巧く用いたことにより、部品点数の増加や基板用端子の大型化等を招くこと無しに対向壁の変形を強固に阻止することが出来て、所期の接触圧をより長期に亘って維持することが出来る。
また、基板用端子が溝形の金属板で構成されていることにより、基板用端子は、接続壁と反対側に開口する形状とされている。これにより、例えば一対の基板用端子の開口部を相互に対向させてヒューズ装着部を構成することにより、電気部品としてのヒューズの本体部分を一対の基板用端子の開口部の間に挿入することが可能となる。その結果、ヒューズをプリント基板により接近させて装着することが可能となり、電気部品の装着状態でのプリント基板の高さ寸法の小型化を図ることが出来る。
本発明の第二の態様は、前記第一の態様に記載のものにおいて、前記接続壁の端縁部から突出形成され、前記プリント基板のスルーホールに挿通されて半田付けされる突出脚部によって前記導通部が構成されているものである。
本態様によれば、導電路に接続される導通部を、一対の対向壁を支持する接続壁に形成した。これにより、電気部品の挿抜に際して、対向壁の変形が導通部に及ぼす影響を軽減することが出来て、基板用端子の導電路への接続状態をより安定的に維持することが出来る。
本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に記載のものにおいて、前記基板用端子が前記プリント基板の面上に立ち上がって縦溝形に突設されていると共に、前記基板用端子における前記一対の対向壁には各下端縁部からそれぞれ下方に突出して前記プリント基板に挿通されることにより前記変形阻止部を構成する挿通脚部が形成されているものである。
本態様によれば、変形阻止部を構成する挿通脚部が対向壁に設けられていることにより、対向壁の開き変形をより効果的に阻止することが出来る。なお、本態様において、より好適には、前記挿通脚部が、前記一対の対向壁における前記接続壁と反対側の端縁部に設けられる。このようにすれば、対向壁において接続壁から最も離隔した位置でプリント基板に固定されることにより、対向壁の開き変形をより効果的に阻止することが出来る。
本発明の第四の態様は、前記第一又は第二の態様に記載のものにおいて、前記プリント基板に装着窓が貫通形成されて、該装着窓に前記基板用端子が嵌め入れられており、前記基板用端子における前記一対の対向壁が各外面において前記装着窓の内周面に当接されることにより前記変形阻止部が構成されているものである。
本態様によれば、基板用端子を装着窓内に嵌め入れることによって、対向壁の開き変形を有効に阻止することが出来る。本態様において、より好適には、前記対向壁が、前記タブ端子の挿抜方向の中央部分で前記装着窓の内周面に当接されるようになっている。このようにすれば、対向壁の開き変形をより効果的に阻止することが出来る。
また、本態様によれば、電気部品を基板用端子との接続状態で、装着窓内に挿入することが出来る。これにより、電気部品のプリント基板からの突出寸法をより小さくすることが出来て、プリント基板の高さ寸法をより小さくすることが出来る。
本発明によれば、基板用端子において、プリント基板に当接されることにより対向壁の離隔方向変位を阻止する変形阻止部を設けた。これにより、電気部品の繰り返しの挿抜に対する対向壁の開き変形を阻止することが出来て、対向壁に形成された弾性舌片の所期の接触圧をより長期に亘って安定的に維持することが出来る。更に、基板用端子が溝形とされていることにより、一対の基板用端子の間に電気部品を挿入して、プリント基板により接近させて装着することが可能となり、電気部品装着状態でのプリント基板の高さ寸法をより小さくすることが出来る。
本発明の第一の実施形態としての基板用端子付きプリント基板の、ヒューズ装着状態の側面図。 図1に示した基板用端子付きプリント基板を構成する基板用端子の斜視図。 図2に示した基板用端子の側面図。 図2に示した基板用端子の上面図。 図1に示した基板用端子付きプリント基板を構成するプリント基板の要部の平面図。 本発明の第二の実施形態としての基板用端子付きプリント基板の、ヒューズ装着状態の側面図。 図6に示した基板用端子付きプリント基板を構成する基板用端子の斜視図。 図7に示した基板用端子の側面図。 図7に示した基板用端子の上面図。 図6に示した基板用端子付きプリント基板を構成するプリント基板の要部の平面図。 図10に示したプリント基板に基板用端子を組み付けた状態の、図10におけるXI−XI断面に相当する断面図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
先ず、図1に、本発明の第一の実施形態としての基板用端子付きプリント基板10を示す。基板用端子付きプリント基板10は、一対の基板用端子12,12からなるヒューズ装着部14がプリント基板16上に設けられた構造とされており、ヒューズ装着部14に、電気部品としてのヒューズ18が装着されるようになっている。
一対の基板用端子12,12は、互いに同様の形状とされている。図2〜図4に、基板用端子12を示す。基板用端子12は、表面に錫などのメッキが施された例えば鉄や銅、黄銅などの金属板が展開形状でプレス打ち抜き加工されて、屈曲されることによって形成された一体品とされている。基板用端子12は、一対の対向壁20,20が一方の端縁部21,21において接続壁22で相互に連結されて、上下(図3中、上下方向)および側方の一方(図4中、右方向)に開口する溝形状とされている。
対向壁20,20は、接続壁22の両端縁部が直角に屈曲されて形成されている。これにより、対向壁20,20は所定距離を隔てて対向位置されており、基板用端子12には、対向壁20,20の上端縁部24,24が開放されることによって上方開口部26が形成されていると共に、対向壁20,20の下端縁部28,28が開放されることによって下方開口部30が形成されており、更に、対向壁20,20における接続壁22と反対側の側端縁部32,32が開放されることによって、側方開口部34が形成されている。なお、上方開口部26の開口端となる対向壁20,20の上端縁部24,24と接続壁22の上端縁部には、上方開口部26の開口寸法が開口端に行くに連れて次第に大きくなるテーパ形状が付されており、後述するタブ端子50の挿入が容易とされている。
対向壁20,20の中央部分には、弾性舌片36,36がそれぞれ形成されている。弾性舌片36,36は所定幅寸法を有する板形状とされており、板厚方向で対向壁20,20から相互に接近する方向に突出されて、所定距離を隔てて相互に対向位置されている。各弾性舌片36,36は、その長さ方向(図2中、上下方向)の中間部分において、対向する対向壁20への突出量が両側端部よりも大きくされており、全体として弓状に湾曲されている。そして、弾性舌片36,36の対向面間が、上方開口部26を通じて基板用端子12の上方に開放されていると共に、側方開口部34を通じて基板用端子12の側方に開放されている。なお、弾性舌片36,36は、対向壁20,20が中央部分を残して打ち抜かれると共に、残された中央部分が互いに接近する方向に叩き加工等で突出されることにより、対向壁20,20に一体形成されている。
さらに、対向壁20,20の下端縁部28,28には、それぞれ、一対の挿通脚部38,38が一体形成されている。本実施形態における挿通脚部38,38は、下端縁部28における接続壁22側(図3中、左側)の端縁部と、接続壁22と反対側の端縁部からそれぞれ下方(図3中、下方)に突出されている。なお、挿通脚部38,38は、先細テーパ形状とされた先端縁部を除く略全長に亘って正方形断面とされている。
また、接続壁22は、一対の対向壁20,20の一方の端縁部21,21を相互に連結する板形状とされている。接続壁22の下端縁部39における幅方向中央部分には、下方(図3中、下方)に突出する突出脚部40が一体形成されている。突出脚部40は、先細テーパ形状とされた先端縁部を除く略全長に亘って、長方形断面とされている。
一方、図5に示すように、プリント基板16には、一対の端子取付部42,42が設けられている。端子取付部42,42は互いに同様の構造とされており、1つのスルーホール44と、4つの圧入孔46が貫設されている。スルーホール44は、基板用端子12における突出脚部40の断面形状に対応する長孔形状とされており、プリント基板16上に形成された導電路としてのプリント配線48と電気的に接続されている。一方、圧入孔46は、基板用端子12の挿通脚部38を圧入可能なように、挿通脚部38の正方形断面の内接円より僅かに小さな円形の貫通孔とされている。これら1つのスルーホール44と4つの圧入孔46が、基板用端子12の突出脚部40および4つの挿通脚部38と対応する位置に形成されることにより端子取付部42が形成されている。一対の端子取付部42,42は、各スルーホール44,44を各4つの圧入孔46の外側に位置するように、所定距離を隔ててプリント基板16上に形成されている。
そして、各端子取付部42,42に、基板用端子12,12がそれぞれ取り付けられている。基板用端子12は、突出脚部40がスルーホール44に挿通されてプリント配線48に半田付けされることにより、プリント配線48と電気的に接続される。このように、本実施形態においては、突出脚部40によって、プリント配線48と接続される導通部が構成されている。それと共に、一対の対向壁20,20のそれぞれに形成された挿通脚部38,38が圧入孔46に圧入固定される。なお、突出脚部40および挿通脚部38の挿入端位置は、接続壁22の下端縁部39および対向壁20の下端縁部28がプリント基板16に接触することによって規定されるようになっている。これにより、一対の基板用端子12,12が、所定距離を隔ててそれぞれの側方開口部34,34を対向させた状態で、プリント基板16の面上に立ち上がる縦溝形に突設されて、ヒューズ装着部14が構成されている。
そして、図1に示したように、これら一対の基板用端子12,12に、ヒューズ18が装着される。ヒューズ18は従来公知の所謂低背ヒューズであり、図示しない溶断部により連接された一対のタブ端子50, 50を備える一方、部品本体としての略矩形状のケース52内に溶断部を収容すると共に、ケース52の両側壁部において一対のタブ端子50,50を露呈させた構造とされている。これにより、ヒューズ18は、一対のタブ端子50, 50の間にケース52が介在された構造とされている。
このようなヒューズ18のタブ端子50, 50が、それぞれ、基板用端子12の上方開口部26を通じて、弾性舌片36,36の対向面間に挿入される。弾性舌片36,36の対向面間距離は、タブ端子50の厚さ寸法よりもやや小さくされており、タブ端子50は、弾性舌片36,36を相互に離隔する方向に押し広げつつ、弾性舌片36,36間に挿入される。そして、弾性舌片36,36の相互に接近する方向の復元力によって、タブ端子50は、一対の弾性舌片36,36に板厚方向の両側から押圧状態で挟まれて、接続状態に保持される。これにより、ヒューズ18がヒューズ装着部14に装着されて、基板用端子12,12を介して、プリント基板16のプリント配線48と電気的に接続される。
本実施形態に従う構造とされた基板用端子付きプリント基板10によれば、ヒューズ18のタブ端子50が、基板用端子12の一対の弾性舌片36,36で当接保持される。そして、弾性舌片36,36が所定の幅寸法を有していることから、弾性舌片36,36のタブ端子50への食い込みを抑えることが出来て、挿抜力の低減を図ることが出来る。更に、弾性舌片36,36は、従来の音叉形状の端子のように、金属板の板厚面でタブ端子50に接触するのではなく、板平面でタブ端子50に接触することから、弾性舌片36,36とタブ端子50との接触面積をより大きく確保することが可能となり、導通信頼性の向上を図ることが出来る。また、弾性舌片36,36の板厚方向のばね特性を利用してタブ端子50への当接力を得ることにより、従来の音叉形状の端子に比べて、弾性舌片36の弾性変形許容量を大きく確保出来る。それ故、一対の弾性舌片36,36間へのタブ端子50の挿抜力の増大を防ぎつつ、安定した導通信頼性を得ることの出来る当接力を、容易に設定することが出来る。一方、弾性舌片36,36の相互のこじり方向の変形は、板幅方向の大きな断面係数(Z)に基づいて、効果的に防止することが出来る。
そして、弾性舌片36,36が形成された対向壁20,20は、挿通脚部38において圧入孔46に圧入固定されて、挿通脚部38を介してプリント基板16に接触状態で固定されている。これにより、特にタブ端子50の弾性舌片36,36間への挿入に際して、対向壁20,20の相互に離隔する方向への変位が規制される。その結果、対向壁20,20の相互に離隔する方向の変形を阻止することが出来て、弾性舌片36,36の所期の接触圧をより長期に亘って安定的に維持することが出来る。特に本実施形態においては、対向壁20,20において側方への開口端となる側方開口部34側の端縁部に挿通脚部38が設けられていることによって、対向壁20,20の開き変形をより効果的に阻止出来るようにされている。このように、本実施形態においては、挿通脚部38によって、プリント基板16に接触して対向壁20,20の変形を阻止する変形阻止部が構成されている。
さらに、基板用端子12は、側方開口部34によって弾性舌片36,36の対向面間が両側方の一方に開口されていることから、所謂低背のヒューズ18のように、タブ端子50の一方の側にケース52が介在してタブ端子50が両側方に開放されていないものでも、側方開口部34からタブ端子50のケース52側を突出させて、ケース52を一対の基板用端子12の間に位置するまでプリント基板16に接近させることが出来る。これにより、プリント基板16からの突出寸法を抑えつつ、ヒューズ装着部14を構成することが出来る。特に本実施形態においては、基板用端子12において下方開口部30が形成されて、下側にも開放されていることから、ヒューズ18をプリント基板16により接近させることが出来る。
加えて、基板用端子12の対向壁20,20の対向面間において、側方開口部34と反対側は、接続壁22で覆われている。これにより、タブ端子50がスライドして側方開口部34の反対側から抜け出すことが阻止されており、一対の基板用端子12,12の接続壁22,22でヒューズ18を両側から挟むことによって、ヒューズ18をより安定的に保持することが出来る。また、一対の接続壁22,22でヒューズ18を案内することも出来て、ヒューズ18の挿抜をより安定的且つ円滑に行うことも出来る。
また、弾性舌片36,36が対向壁20,20の中央に形成されており、対向壁20,20は、弾性舌片36,36の上下と接続壁22側を囲む略コの字形状を有している。これにより、弾性舌片36,36を他部材との接触等から保護することが出来て、弾性舌片36,36の変形をより効果的に防止することが出来る。更にまた、基板用端子12が半田付けされる突出脚部40が、接続壁22に形成されている。これにより、タブ端子50の挿抜に際する対向壁22,22の変形や変位の影響が半田付け部に及ぼされるおそれが軽減されており、半田クラックのおそれを軽減して、プリント配線48との導通状態をより安定的に維持することも可能とされている。
次に、図6に、本発明の第二の実施形態としての基板用端子付きプリント基板60を示す。なお、以下の説明において、前記第一の実施形態と同様の構造とされた部材および部位には、図中に前記実施形態と同一の符号を付すことにより、その説明を適宜に省略する。本実施形態においては、一対の基板用端子62,62を含んでヒューズ装着部14が構成されている。
一対の基板用端子62,62は互いに同様の形状とされている。図7〜図9に、基板用端子62を示す。基板用端子62の対向壁20,20は、弾性舌片36,36を全周に亘って囲む略矩形枠体形状を有している。これにより、弾性舌片36,36を他部材の衝突等からより効果的に保護出来ると共に、基板用端子62の全体強度の向上が図られている。
さらに、基板用端子62には、接続壁22の上端縁部64から側方開口部34と反対側の外方に突出した後に、下方(図8中、下方)に向けて突出するL字状の支持板部66が一体形成されている。そして、支持板部66における下端縁部68の幅方向中央部分から、下方に突出する突出脚部70が一体形成されている。これにより、突出脚部70は、接続壁22の上端縁部64から下方に折り返されて形成されている。突出脚部70は、先細テーパ形状とされた先端縁部を除く略全長に亘って、長方形断面をもって下方に延び出されている。なお、突出脚部70の下方への突出端縁部は、対向壁20の下端縁部28よりも上方に位置されている。
また、接続壁22の幅方向中央部分には、側方開口部34の開口方向と反対側に突出された当て止め部72が形成されている。当て止め部72は、接続壁22が対向壁20,20の突出方向と反対側(図8中、右側)に叩き出される等することにより、接続壁22に一体形成されている。当て止め部72の下端縁部は、基板用端子62の上下方向(図8中、上下方向)で支持板部66の下端縁部68と同位置に設定されている。
一方、図10に示すように、プリント基板16には、装着窓74が貫設されている。装着窓74は、ヒューズ18の全体を挿入可能なように、ヒューズ18よりもやや大きな開口寸法の略長手矩形状とされており、長手方向の中央部分には、ヒューズ18のケース52の形状に対応して、拡幅部76が形成されている。それと共に、長手方向で拡幅部76の両側の幅寸法:wは、基板用端子62の一対の対向壁20,20を挿入可能なように、対向壁20,20の対向方向での外形寸法と等しいか僅かに大きくされている。更に、装着窓74の長手方向の両外側に離隔して、一対のスルーホール44,44がそれぞれ形成されている。
そして、一対の基板用端子62,62が、プリント基板16に取り付けられる。図6に示したように、基板用端子62は、突出脚部70がスルーホール44に挿通されて、プリント配線48に半田付けされる。それと共に、対向壁20,20と接続壁22が、装着窓74の長手方向端部に嵌め入れられる。これにより、図11にも示すように、対向壁20,20の外面78が、装着窓74の内周面80に対して、接触状態或いは僅かな隙間を隔てて対向位置される。また、対向壁20,20および接続壁22の装着窓74への挿入量は、支持板部66の下端縁部68と当て止め部72がプリント基板16に接触することによって規定される。これにより、対向壁20,20は、タブ端子50の挿抜方向となる上下方向(図11中、上下方向)の中央部分がプリント基板16の肉厚内に位置されて、内周面80と対向される。このようにして、一対の基板用端子62,62が、それぞれ、装着窓74の長手方向両端部に配設されて、それぞれの側方開口部34,34を対向させた状態でプリント基板16に取り付けられることにより、ヒューズ装着部14が構成されている。
本実施形態によれば、図6に示したように、基板用端子62,62との接続状態で、ヒューズ18の全体が装着窓74に挿入される。これにより、ヒューズ装着部14への装着状態で、ヒューズ18のプリント基板16からの突出高さ寸法をより小さくすることが出来る。
そして、タブ端子50が弾性舌片36,36間に挿入されて、対向壁20,20が相互に離隔する方向に変位されようとした場合には、対向壁20,20の外面78,78が装着窓74の内周面80に接触されることにより変位規制される。これにより、対向壁20,20の開き変形を阻止することが出来る。このように、本実施形態においては、対向壁20,20それ自体によって変形阻止部が構成されている。特に本実施形態においては、対向壁20,20が上下方向の中央部分で内周面80に接触されることによって、対向壁20,20の開き変形をより安定的に阻止することが可能とされている。また、タブ端子50の接続に際して、当て止め部72がプリント基板16に接触することによって、対向壁20,20をより安定的に支持することが可能とされている。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、基板用端子における挿通脚部の具体的な形状や個数は適宜に設定可能であり、前記第一の実施形態においては、各対向壁20に2つの挿通脚部38,38が設けられていたが、これら挿通脚部38,38の何れか一方のみを設ける等しても良い。
また、前記実施形態における弾性舌片36は、上下の両端縁部が対向壁20に連結されて、開き変形がより効果的に阻止されるようになっていたが、弾性舌片は必ずしも端縁部の両方が対向壁と連結されている必要は無く、例えば弾性舌片の下端縁部が対向壁から切り離されていても良い。
さらに、溝形の基板用端子の開口方向を適宜に設定することによって、リレーなどの多種の電気部品の装着部を構成することが可能である。また、基板用端子の開口方向を対向させてプリント基板上に配設する場合には、装着される電気部品のタブ間距離に合わせて、基板用端子の対向距離を任意に設定することが可能である。従って、装着される電気部品は前記ヒューズ18の如き所謂低背ヒューズに限定されるものではなく、タブ端子がケースの底壁部から突出された所謂ミニヒューズなどでも良い。
10,60:基板用端子付きプリント基板、12,62:基板用端子、16:プリント基板、18:ヒューズ(電気部品)、20:対向壁、21:端縁部、22:接続壁、36:弾性舌片、38:挿通脚部、40,70:突出脚部(導通部)、44:スルーホール、46:圧入孔、48:プリント配線(導電路)、50:タブ端子、70:突出脚部、74:装着窓、78:外面(対向壁の外面)、80:内周面(装着窓の内周面)

Claims (4)

  1. プリント基板の導電路に対して電気部品を接続する基板用端子が設けられた基板用端子付きプリント基板において、
    一対の対向壁の各一方の端縁部同士が接続壁で連結された溝形の金属板で前記基板用端子を構成して、前記プリント基板の導電路に半田付けされる導通部と、前記一対の対向壁からそれぞれ接近方向に突出して前記電気部品のタブ端子を挟んで接続状態に保持する一対の弾性舌片と、前記プリント基板に当接して変位規制されることで前記一対の対向壁の離隔方向への変形を阻止する変形阻止部とを、前記金属板に一体形成したことを特徴とする基板用端子付きプリント基板。
  2. 前記接続壁の端縁部から突出形成され、前記プリント基板のスルーホールに挿通されて半田付けされる突出脚部によって前記導通部が構成されている請求項1に記載の基板用端子付きプリント基板。
  3. 前記基板用端子が前記プリント基板の面上に立ち上がって縦溝形に突設されていると共に、前記基板用端子における前記一対の対向壁には各下端縁部からそれぞれ下方に突出して前記プリント基板に挿通されることにより前記変形阻止部を構成する挿通脚部が形成されている請求項1又は2に記載の基板用端子付きプリント基板。
  4. 前記プリント基板に装着窓が貫通形成されて、該装着窓に前記基板用端子が嵌め入れられており、前記基板用端子における前記一対の対向壁が各外面において前記装着窓の内周面に当接されることにより前記変形阻止部が構成されている請求項1又は2に記載の基板用端子付きプリント基板。
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