JP2011226964A - 収容袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】袋部材の左右側縁にマチ部材を設けて形成した各膨出縁部の底部を分離させ且つ内端側から外端側へ上向き傾斜して、収容量を増加させ、袋部材内に液体を貯留させたときに自立状態を保つ。
【解決手段】プラスチック製のシート状物の縁部を融着して形成された収容袋1である。表裏面2a、2bを形成する袋部材2の左右一側縁にマチ部材3を設けて一対の膨出縁部4が形成され、これらの膨出縁部4の膨出底部5は、互いに分離され且つ内端5a側から外端5b側へ上向き傾斜されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラスチック製のシート状物の縁部を融着して形成された収容袋、特に、液状の検体を収容するホモジナイズ袋や、検水を収容するディスポーザブルバック等の収容袋に関する。
従来、食品試料と希釈液とを破砕して懸濁化するホモジナイズ処理の際に、食品試料を希釈液と懸濁した液状検体を収容するホモジナイズ袋が知られている。
このホモジナイズ袋は、袋の内部空間を大空間部と小空間部とに区画するフィルタと、小空間部の任意の高さ位置に形成された液溜部とを有している(特許文献1参照)。
特開2001−346571号公報
しかしながら、上記従来のホモジナイズ袋は、表裏面を形成するポリエチレンを底縁部及び左右両縁部を融着して袋状に構成されており、液状検体を収容しても表裏面材の厚み方向へ十分に膨らむことができず、所定表裏面当たりの収容量が少なくなっている。あるいは、自ら起立することができないため、立て掛けるためのラックなど保管時には別部材を必要としたりしている。
本発明は、このような点に鑑みて、袋部材の左右側縁にマチ部材を設けて形成した各膨出縁部の底部を分離させ且つ内端側から外端側へ上向き傾斜させることで、収容袋の容量を増加させ、自立状態を保つことができる収容袋を提供することを目的とする。
また、本発明は、このような点に鑑みて、袋部材の少なくとも左右一側縁にマチ部材を設けて形成した各膨出縁部の底部を分離させることで、収容袋の容量を増加させた収容袋を提供することを目的とする。
本発明における課題解決のための具体的手段は、次の通りである。
第1に、プラスチック製のシート状物の縁部を融着して形成された収容袋であって、
表裏面2a、2bを形成する袋部材2の左右一側縁にマチ部材3を設けて一対の膨出縁部4が形成され、これらの膨出縁部4の膨出底部5は、互いに分離され且つ内端5a側から外端5b側へ上向き傾斜されていることを特徴とする。
第2に、前記袋部材2の表裏面2a、2bがそれぞれ矩形状部材で形成され、前記マチ部材3が2つ折りした矩形状部材で形成されていることを特徴とする。
第3に、前記膨出縁部4の膨出底部5の内端5aが前記袋部材2の底部の左右中途部に配置されていることを特徴とする。
第4に、前記袋部材2の内部に、複数の分室6に仕切り且つ液体Kを濾過可能なフィルタ部材7が設けられていることを特徴とする。
第5に、前記袋部材2のマチ部材3を設けた側とは反対側の縁に袋部材2裂き用の切込み部8を形成していることを特徴とする。
第6に、プラスチック製のシート状物の縁部を融着して形成された収容袋であって、
表裏面2a、2bを形成する袋部材2の少なくとも左右一側縁にマチ部材3を設けて一対の膨出縁部4が形成し、これらの膨出縁部4の膨出底部5は互いに分離されていることを特徴とする。
第7に、前記一対の膨出縁部4は袋部材2の左右両側に形成され、前記左右各対の膨出縁部4の膨出底部5は内端5a側から外端5b側へ上向き傾斜されて、前記左右両対の膨出底部5は袋部材2の底部から外端5bまでの高さが互いに異なっていることを特徴とする。
これらの特徴により、表裏面2a、2bを有した袋部材2の左右側縁にマチ部材3を設けて形成される各膨出縁部4の膨出底部5を分離させ且つ内端5a側から外端5b側へ上向き傾斜させることで、マチ部材3を設けた分だけ膨出縁部4とともに表裏面2a、2bも前後外方へ膨出可能である(つまり、収容袋1の胴回りが広がる)ため収容袋1の容量が増える。収容袋1内に液体Kを貯留させたときには、各膨出縁部4が外方へ膨出すると同時に、液体Kの重みで傾斜した膨出底部5の外端5b側も接地して接地面積が広がり、他の部材を用いることなしに、自ら起立状態を安定して保つことが可能となる。
なお、袋部材2の左右一側縁だけにマチ部材3、つまり2つの膨出縁部4を形成すると、収容袋1がマチ部材3側に前傾して斜めに起立することになる。
また、袋部材2の表裏面2a、2bとマチ部材3とをそれぞれ矩形状に形成することで、プラスチック製の長尺テープから大量生産できるなど、収容袋1製造の容易化が図られるとともに、膨出縁部4の底部5を傾斜状にするだけで、表裏面2a、2bの角形端までを略三角形のヒレ状に形成でき、このヒレ状の部分が起立した収容袋1の支えとなる。
さらに、膨出縁部4の底部5の内端5aを袋部材2の底部の左右中途部に配置することで、膨出底部5が袋部材2の底部から斜めに立ち上がることとなり、収容袋1に液体Kを貯留させたときには、膨出底部5は、袋部材2の底部と連続して1つの面を形成することができるため、さらに安定的に収容袋1の起立状態を保つことが可能となる。
そして、袋部材2の内部を複数の分室6に仕切るフィルタ部材7を有して、マチ部材3を設けることで容量を増やした収容袋1の内部を区画することができる。
また、袋部材2のマチ部材3とは反対側の縁には切込み部8を設けることで、この切込み部8を裂いて袋部材2の内部に連通する開口部を形成したときには、開口部から袋内部の液体Kを吸入するピペット等を差し入れる際に、収容袋1がマチ部材3側に前傾する、つまり収容袋1がピペットを斜めにかわすこととなるため、ピペットの上方からの差入れが容易となる。
さらには、袋部材2の少なくとも左右一側縁にマチ部材3を設けて形成される各膨出縁部4の膨出底部5を分離させることで、マチ部材3を設けた分だけ収容袋1の胴回りが広がって収容袋1の容量を増やすことができる。
一対の膨出縁部4を袋部材2の左右両側に形成した場合には、両方のマチ部材3の分だけ収容袋1の胴回りが広がり、さらなる容量増大を図ることができると同時に、収容袋1内に貯留した液体Kの重みで、両膨出底部5の外端5b側が接地して袋部材2の左右両側で接地面積が広がって安定した起立状態を保てるとともに、左右両対の膨出底部5のそれぞれを、袋部材2の底部から外端5bまでの高さが互いに異なるように上向き傾斜させることで、液体Kが貯留した際に左右いずれか一方の下がり幅のほうが大きくなるため、収容袋1が一方のマチ部材3側に前傾して斜め立ちする。
本発明に係る収容袋によれば、袋部材の左右側縁にマチ部材を設けて形成される各膨出縁部の底部を分離させ且つ内端側から外端側へ上向き傾斜させて、収容袋の容量増加を図り、自ら起立状態を保つことができる。
本発明に係る収容袋によれば、袋部材の少なくとも左右一側縁にマチ部材を設けて形成される各膨出縁部の底部を分離させて、収容袋の容量を増加させることができる。
本発明の第1実施形態に係る収容袋を示す側面図である。 図1のA−A矢視断面図である。 収容袋の膨出縁部の底部を示す斜視図である。 収容袋の使用状態を示す斜視図である。 使用状態の収容袋の要部を示す拡大斜視図である。 図5のB−B矢視断面図である。 使用状態の収容袋の底面図である。 本発明の第2実施形態に係る収容袋を示す側面図である。 使用状態の収容袋の底面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜6には、本発明の第1実施形態に係る収容袋1が示されている。
この収容袋1は、ナイロン、ポリエチレン等のプラスチック素材で形成された矩形状のシート状物を、その縁部を融着することで形成されていて、縦(高さ)300mm、横(幅)190mm、厚み0.065mmであって、上端に開口部10を有している(図1、2参照)。
ここで、融着とは、所定領域(たとえば10mm幅)をヒートシール等をすることによって、プラスチック製のシート状物を互いに固着させることをいう。この場合、収容袋1には高さ290mm、幅170mmの内部空間が与えられることになる。
図1、2に示されるように、収容袋1は、矩形状の表面2a及び裏面2bを有した袋部材2と、この袋部材2の左右一側縁のみに設けられたマチ部材3と、収容袋1(袋部材2)の内部を複数(第1実施形態では2つ)の分室6に仕切る長尺状のフィルタ部材7とを有している。
図2に示す如く、前記袋部材2は、それぞれが矩形状の表面矩形状部材2a及び裏面矩形状部材2bの左右一側同士を融着させることによって、平面視で二叉に分かれた略V字型に形成されている。このように略V字型の袋部材2の内面(表面矩形状部材2aと裏面矩形状部材2bとの互いの対向面)側に、後述するように、フィルタ部材7が袋部材2の高さ方向に沿って融着されている。
前記マチ部材3は、プラスチック製のシート状物を谷折り目3aで2つ折りして矩形状としたものであって、マチ部材3の両側縁が、前記袋部材2で二叉に分かれた先の側縁それぞれに融着されている(図2参照)。
なお、図2、6において、表面矩形状部材2a、裏面矩形状部材2b、マチ部材3及びフィルタ部材7の対向面が互いに接しているように示されているのは、これらが互いに融着(ヒートシール)されていることを示している。
また、袋部材2の表面矩形状部材2a及び裏面矩形状部材2bと、マチ部材3とをそれぞれ矩形状に形成することで、プラスチック製の長尺テープを、流れ作業のなかで所定長さに切断しながら、ヒートシールをしていくことで大量生産が可能となり、収容袋1製造の容易化や、製造効率の向上をも図ることができる。
上述のように、両端が開口した筒部材でありながらも、袋部材2の左右一側縁にマチ部材3を設けたことで、平面視において袋部材2の表面2aとマチ部材3とに挟まれた膨出縁部4と、袋部材2の裏面2bとマチ部材3とに挟まれた膨出縁部4との2つが形成される。
これらの膨出縁部4はマチ部材3の前記谷折り目3aに関して一対を成し、この一対の膨出縁部4における各膨出底部5は、互いに分離されているため(図3参照)、各膨出縁部4は、収容袋1内に液体Kが貯留したときに、それぞれ表裏面2a、2bの厚み方向(前後方向)外方へ膨出可能となっている。
この膨出縁部4の膨出とともに、袋部材2の表裏面2a、2bも前後外方へ膨出可能となっており、マチ部材3を設けた分だけ収容袋1の胴回りが広がることとなる。
なお、各膨出縁部4は、収容袋1の内方(膨出方向の基端)側の2つの端部を内端5aとし、収容袋1の外方(膨出方向の先端)側の端部を外端5bとしている。
膨出縁部4の膨出底部(傾斜底部)5は、内端5a側から外端5b側へ上向き傾斜するように、膨出縁部4を構成する袋部材2とマチ部材3のシート状物を斜めに融着することで、形成している。
傾斜底部5は、これを形成するヒートシールの幅が約5mmであって、側面視において袋部材2の底部とマチ部材3の谷折り目3aとの交点から(つまり、傾斜底部5の内端5aは、袋部材2の底部における左右中途部に配置されている)、袋部材2の左右一側縁(マチ部材3が設けられている側)へ上斜め約45度の向きにヒートシールされている。
このように膨出縁部4の底部5を斜めに形成することで、収容袋1内に液体Kを貯留させたときには、各膨出縁部4が外方へ膨出すると同時に、液体Kの重みで傾斜した膨出底部5の外端5b側で且つ両膨出底部5の間部分も接地することとなる。
なお、両膨出底部5の間の部分を接地部11とする。
さらには、袋部材2の表裏面2a、2bとマチ部材3とをそれぞれ矩形状であるために、膨出底部5を傾斜状にするだけで、膨出底部5から外方に向けて表裏面2a、2bの角形端までを略三角形のヒレ状に形成できる(図3参照)。
このヒレ状の部分(支持ヒレ部12)には、収容袋1の高さ方向(袋部材2の一側縁に沿う方向)に延びる複数(第1実施形態では4本)のヒレ筋12aが形成されている。このヒレ筋12aはヒートシールによって所定幅の範囲が融着されており、収容袋1の高さ方向における支持ヒレ部12の曲げ強度を向上させている。
なお、支持ヒレ部12は、各膨出縁部4の下方に1つずつ形成されており、収容袋1内に液体Kを貯留させたときには、それぞれ外方に広がる。
収容袋1の底部は、2つの膨出縁部4と、各膨出縁部4を構成する部分以外の袋部材2の底縁とを、それぞれ離した状態で所定幅の範囲で融着することで形成される。
つまり、図3に示すように、各膨張底部5は、互いに分離することとなる。
なお、各膨出縁部4を構成する部分以外の袋部材2の底縁とは、袋部材2における左右他端縁から谷折り目3aまでの底縁であって、以下、平底部13とする。
前記フィルタ部材7は、液体Kを濾す長尺状の不織布シートであって、袋部材2の左右方向(幅方向)の偏った位置に略全高にわたって設けられており、収容袋1内部をマチ部材3側の大分室6aと、この大分室6aより容量の小さく且つ後述する切込み部8側に位置する小分室6bとに区画している。
図2に示す如く、長尺状のフィルタ部材7は、両側端部が各所定幅で袋部材2表裏の内面に、それぞれヒートシールされており、このヒートシール部分を除く部位が2つに折り畳まれた状態で大分室6a側に突出している。
したがって、膨出縁部4の膨出及び袋部材2の表裏面2a、2bの前後外方への膨出に合わせて、フィルタ部材7も前後方向へ広がることができる。
ここで、大分室6aは、食品試料と希釈液とを収容し、ホモジナイズ処理で破砕して懸濁化した液状検体(懸濁液)Kとする分室である。大分室6aで得られた懸濁液Kは、フィルタ部材7を通って小分室6bへ移動する。なお、所定時間のホモジナイズ処理によっても懸濁化されなかった食品残渣は大分室6aに残ることとなる。
なお、検査のために懸濁液Kをピペットで吸い出す際には、小分室6b側に差し入れることで、食品残渣がピペットにつまることを防止できる。
また、フィルタ部材7が大分室6a側に突出して折り畳まれているため、フィルタ部材7の広がり始めでも、ピペット差し入れの邪魔にならない。
図1、4に示すように、前記袋部材2のマチ部材3を設けた側縁とは反対側の縁(左右他側縁)には、袋部材2裂き用の切込み部8が形成されている。
この切込み部8は、袋部材2の左右他側縁(マチ部材3とは反対側の縁)における所定高さ位置1又は複数箇所に、収容袋1の内方(左右方向)へ向けて略ホームベース状に切り込むことで形成されている。この切込み部8は、袋部材2の左右他側縁から収容袋1の内方向きへ袋部材2を裂くためのものであって、袋部材2を裂くことで収容袋1の内部に連通する開口部を形成することができる。
上述した切込み部8の所定高さ位置とは、切込み部8から左右方向に延びる裂き高さより下方の収容袋1内の容積を所定量とする目安となるものである。
第1実施形態では、図1、4における下方の切込み部8で裂いた際には、残り内容量が略90ml、上方の切込み部8で裂いた場合には略225mlとなる。
なお、切込み部8は、略ホームベース形状であったが、 袋部材2を内方へ裂けるのであれば、略V字形状や略U字形状等の切込みであってもよい。
図4〜7に示した収容袋1の使用態様を説明する。
まず、収容袋1内に液体(液状検体)Kを上端の開口部10から注ぎ込む。
図4、5に示す如く、注ぎ込まれた液状検体Kが収容袋1の内部に貯留すると、内方へ谷状に折り込まれていたマチ部材3が、液状検体Kの重みで、両外端5bが徐々に外方へ開いてくる。これは、各膨出縁部4の外方へ膨出と、袋部材2の表裏面2a、2bの膨出とを意味しており、マチ部材3を設けた分だけ収容袋1の胴回り(表裏面2a、2bの左右長さと、両膨出底部5の外端5b縁の間の距離とを足した長さ)が広がる(図6、7参照)。つまり、胴回りが広がった分だけ収容袋1内に入れられる容積が増したこととなる。
これによって、表裏面2a、2bを大きくせずとも、収容袋1の容積を増加しながら、同時に、折りたたんだ収容袋1をコンパクトにすることができる。
また、両膨出底部5の外端5b間が広がっていくと、底部5間の接地部11にも液状検体Kの重さがかかり、両膨出縁部4が外方に広がり切ったときに、この接地部11が接地することになる。
さらに、膨出縁部4の底部5が斜めに傾斜しているため、両膨出縁部4が外方に広がる場合、マチ部材3の谷折り目3aも外方へ張り出す。とくに、谷折り目3aの底部側は、斜め下方に下がる(つまり、袋部材2の左右一側縁が斜めに下がってマチ部材3側に傾く)。
したがって、前記接地部11も接地することで、収容袋1としての接地面積が広がり、他の部材を用いなくとも、自ら安定的に起立状態を保ちながら、収容袋1全体としては、マチ部材3側へ前傾することとなる(図4参照)。
すなわち、収容袋1に液状検体Kを貯留させるだけで、収容袋1の容量を増加させながら、自ら斜め立ちをさせることが可能となる。
また、図4に示した如く、所定高さ位置に設けた切込み部8を裂き、袋部材2の内部に連通する開口部を形成した場合には、収容袋1はマチ部材3側に前傾しているため、開けた開口部から袋内部の液状検体Kを吸入するピペット等を差し入れても、収容袋1がピペットを斜めにかわす状態となるため、収容袋1の上部が邪魔にならず、ピペットの上方からの差入れが容易となる。
なお、上述したように、切込み部8を裂いて形成した開口部は、小分室6bと収容袋1の外部とを連通させる位置にあり、ピペットによる吸い出し時に、食物残渣の詰まりを防止できる(図4、5参照)。
また、ピペット差入れの際に、収容袋1と使用者の手などとの接触を防ぎ、雑菌の混入が防止される。
さらには、図6、7に示したように、ヒレ筋12aが入った支持ヒレ部12が左右に張り出し、前後方向(表裏面2a、2bの厚み方向)に幅広となるため、収容袋1の前後方向に対する倒れ込みを抑える。
図4、5で示すように、収容袋1が自立している際には、接地部11以外にも、前記平底部13や、各膨出底部5も接地しており、これら接地部11、平底部13、各膨出底部5が連続して1つの略二等辺三角形状の接地面14を形成している(図4〜7参照)。
なお、図1中の仮想線Xは、この接地面14の左右方向に延びる2つの等辺を示したものであり、外方に開いた両膨出底部5によって接地面14の底辺を示している。
また、上述したフィルタ部材7の広がり幅は、略二等辺三角形状の接地面14の中途位置における横幅と略同一であり、収容袋1の自立時に、表裏面2a、2bが前後に広がりすぎるのを、収容袋1の高さ方向にわたって抑えている。
図8、9は、本発明の第2実施形態に係る収容袋1が示されている。
第2実施形態に係る収容袋1の大きな特徴は、袋部材2の左右両側縁にマチ部材3がそれぞれ設けられている点である。
このように、左右2箇所にマチ部材3を設けることで、表裏面2a、2bの大型化によらず、さらなる収容袋1の容積増加が実現し、これと同時に、折りたたまれた状態の収容袋1がかさばることはない。
なお、図8に示すように、収容袋1において切込み部8を設けた側の膨出底部5の高さ(袋部材2の底部から膨出底部5の外端5bまでの高さ)D1は、その反対側の膨出底部5の高さD2よりも低くなっており、第2実施形態の収容袋1に液状検体Kを貯留させた場合には、切込み部8の反対側の下がり幅のほうが大きくなる。
これは、収容袋1は、自立させたときに、切込み部8とは反対側へ前傾することを意味する。
したがって、所定高さ位置に設けた切込み部8を裂けば、斜め立ちする収容袋1がピペットをかわす位置となり、ピペットの吸い出し操作がスムースに行われる。
なお、図9で示すように、第2実施形態の収容袋1の自立時にも、接地部11、平底部13、各膨出底部5が連続して接地面14が形成されるが、この接地面14の形状は、底面視で略長方形状となる。また、図8中の仮想線Yは、接地面14の左右方向に延びる各長辺を示したものである。
第2実施形態において、切込み部8を設けた側もマチ部材3によって一対の膨出縁部4が二叉に分かれているため、収容袋1の切込み部8は、各膨出縁部4の外端5bの縁にそれぞれ設ける。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
なお、本発明は前記実施形態における各部材の形状は、図1〜9に示すように構成することが最良である。しかし、前記実施形態に限定されるものではなく、部材、構成を種々変形したり、組み合わせを変更したりすることもできる。
収容袋1は、液状の検体を収容するホモジナイズ袋に限らず、パン、菓子等の食物を収容するプラスチック製のシート状物の縁部を融着して形成された収容袋であってもよい。この場合には、収容袋1内に貯留される液体Kは、液状検体でなくとも、飲料などであってもよい。
袋部材2及びマチ部材3は、合計3枚のプラスチック製の矩形状部材を融着して形成されていたが、1枚の矩形状部材を左右側縁同士を融着することで筒状とし、融着部分の反対側を収容袋1の内方へ谷状に折り込むことによって、袋部材2とマチ部材3とを形成することとしてもよい。
支持ヒレ部12は、収容袋1が自立可能であれば必ずしも有さなくともよく、この場合には、袋部材2は下の一角が欠けた形状のものとなる。
1 収容袋
2 袋部材
2a 袋部材の表面
2b 袋部材の裏面
3 マチ部材
4 膨出縁部
5 膨出底部(傾斜底部)
5a 膨出底部の内端
5b 膨出底部の外端
6 分室
7 フィルタ部材
8 切込み部
K 液体(液状検体)

Claims (7)

  1. プラスチック製のシート状物の縁部を融着して形成された収容袋であって、
    表裏面(2a、2b)を形成する袋部材(2)の左右一側縁にマチ部材(3)を設けて一対の膨出縁部(4)が形成され、これらの膨出縁部(4)の膨出底部(5)は、互いに分離され且つ内端(5a)側から外端(5b)側へ上向き傾斜されていることを特徴とする収容袋。
  2. 前記袋部材(2)の表裏面(2a、2b)がそれぞれ矩形状部材で形成され、前記マチ部材(3)が2つ折りした矩形状部材で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の収容袋。
  3. 前記膨出縁部(4)の膨出底部(5)の内端(5a)が前記袋部材(2)の底部の左右中途部に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の収容袋。
  4. 前記袋部材(2)の内部に、複数の分室(6)に仕切り且つ液体(K)を濾過可能なフィルタ部材(7)が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の収容袋。
  5. 前記袋部材(2)のマチ部材(3)を設けた側とは反対側の縁に袋部材(2)裂き用の切込み部(8)を形成していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の収容袋。
  6. プラスチック製のシート状物の縁部を融着して形成された収容袋であって、
    表裏面(2a、2b)を形成する袋部材(2)の少なくとも左右一側縁にマチ部材(3)を設けて一対の膨出縁部(4)が形成し、これらの膨出縁部(4)の膨出底部(5)は互いに分離されていることを特徴とする収容袋。
  7. 前記一対の膨出縁部(4)は袋部材(2)の左右両側に形成され、前記左右各対の膨出縁部(4)の膨出底部(5)は内端(5a)側から外端(5b)側へ上向き傾斜されて、前記左右両対の膨出底部(5)は袋部材(2)の底部から外端(5b)までの高さが互いに異なっていることを特徴とする請求項6に記載の収容袋。
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