JP2011226708A - 製氷機 - Google Patents
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Abstract
【課題】比較的低コストで優れた節水効果が得られるセル型製氷機を実現する。
【解決手段】製氷ケース5のセル内で生成された氷を製氷ケース5から分離させる際に、冷却パイプ4に供給されるホットガスと給水トレー6上に供給される除氷水との間で熱交換が行われるように、給水管10を構成している金属製パイプの少なくとも一部分10Aと、ホットガス循環用の第2配管12を構成している金属製パイプの少なくとも一部分12Aとを、所定の長さ範囲にわたって互いに接触させた状態で平行に配設した構成とする。
【選択図】図1
【解決手段】製氷ケース5のセル内で生成された氷を製氷ケース5から分離させる際に、冷却パイプ4に供給されるホットガスと給水トレー6上に供給される除氷水との間で熱交換が行われるように、給水管10を構成している金属製パイプの少なくとも一部分10Aと、ホットガス循環用の第2配管12を構成している金属製パイプの少なくとも一部分12Aとを、所定の長さ範囲にわたって互いに接触させた状態で平行に配設した構成とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、生成された氷を製氷ケースから分離させる際に圧縮機から吐出されたホットガスの熱を利用するとともに、製氷後の残氷の除去に水を利用するようにした製氷機に関する。
この種の製氷機として、例えば特許文献1には、製氷ケースに設けられた下向きに開口する一群のセルに水を噴射供給して製氷するセル型製氷機が記載されている。この製氷機は、製氷室に、冷却パイプ(冷却器)の直下に配置されて当該冷却パイプによって冷却される製氷ケースと、この製氷ケースの下面側に対向配置されて、その各セルに向かって製氷用の水(製氷水)を噴射供給する噴射部を有する給水トレーと、外部から導入される水を製氷室内の給水トレーに供給する給水管とを備えた構成で、給水トレーが、製氷ケースの下面に対向して噴射部から各セルに向かって製氷水を噴射供給する製氷姿勢と、噴射部を製氷ケースから分離させて下降傾動し、セル内に形成された氷を製氷室内に落とす離氷姿勢との間で、水平軸まわりに姿勢変位可能とされている。そして、製氷時には圧縮機から吐出された冷媒が冷却用の配管(第1配管)を通って循環して冷却パイプで周囲から気化熱を奪うことにより製氷ケースを冷却し、離氷時には圧縮機から吐出された冷媒がホットガス用の配管(第2配管)を通って循環して冷却パイプ直下の製氷ケースを温め、冷却パイプが所定温度まで上昇したときに給水トレーを下降傾動させて製氷された氷を製氷室内に落とし、その後に給水管から離氷姿勢にある給水トレーの上面へ除氷用の水(除氷水)を供給して噴射部上の残氷を除去(除氷)するようになっている。
一方、特許文献2には、給水管を通って製氷部に供給される除氷水と圧縮機から供給されるホットガスとの間で熱交換を行う熱交換器を備えた製氷機が開示されている。この場合の熱交換器は、例えば、給水管の外周部にフィン付き部分を設け、このフィン付き部分の外側を覆う外殻部を形成した構成で、この外殻部内の給水管まわりの空間をホットガスが流れるようにすることによって、当該ホットガスと給水管内を流れる除氷水との間で熱交換が行われるようになっている。
上記の特許文献1に記載の製氷機では、離氷時において、生成された氷を製氷ケースのセル内から分離させるために、圧縮機から吐出された冷媒がホットガス用の第2配管を通って循環して冷却パイプを介して製氷ケースを温め、次いで冷却パイプが所定温度まで上昇したときに給水トレーの先端側が下降傾動して噴射部を製氷ケースから分離させた状態、つまり離氷姿勢となることで、セル内に形成された氷を製氷室内に落とす。その場合に、圧縮機から吐出されたホットガスによって温められる冷却パイプの温度上昇が速すぎると、冷却パイプからの熱が製氷ケース全体に万遍なく伝わる前に冷却パイプが所定温度に達してしまう。このため、冷却パイプから離れたセル下端側あるいは給水トレー上面側の氷部分が離氷可能な状態にまで溶けないうちに給水トレーの先端側が下降傾動して噴射部が開いてしまい、その結果、噴射部上に余分な氷が付着した状態で多く残ってしまうこととなる。なお、上記の所定温度を高めに設定すれば、その分だけ製氷ケースが所定温度に達するまでの時間が長くなるので給水トレーの噴射部を開くタイミングを遅くできるが、このようにすると冷却パイプに近いセル上端側の氷が必要以上に溶けてしまう等の問題が生じる。
また、上記の場合は、冷却パイプが所定温度まで上昇したときに給水トレーの先端側が下降傾動するようになっているが、製氷ケースの外側面の所定位置に温度センサを取り付け、この温度センサによって検知された温度、つまり製氷ケースにおける温度センサ取り付け部位の温度が所定温度まで上昇したときに給水トレーの先端側が下降傾動するように構成される場合もある。この場合も、冷却パイプからの伝熱により製氷ケースにおける温度センサ取り付け部位の温度が所定温度に達したからといってそこから離れた所に位置する他の部位まで所定温度となっているとは限らないから、冷却パイプから離れたセル下端側あるいは給水トレー上面側の氷部分が離氷可能な状態にまで溶けないうちに給水トレーの先端側が下降傾動して噴射部が開いてしまという、上述した問題と同様の問題が生じる。
上記のような残氷は、給水管から離氷姿勢にある給水トレーの上面へ水(除氷水)を流して溶かしつつ除去するが、残氷の量が多くなると、これを除去するために多くの水を流す必要があり、それだけ水の消費量が多くなるという問題が生じる。また、給水管から供給される除氷水の温度が低い場合には残氷が溶けにくくなるため、さらに多くの除氷水が必要となる。
一方、特許文献2に記載の製氷機においては、除氷時に給水管を通って製氷部に供給される除氷水と圧縮機から供給されるホットガスとの間で熱交換を行わせ、ホットガスによって除氷水を温めるので、その分だけ除氷時間を短縮でき、ひいては消費水量も低減することができる。しかし、この製氷機の場合、除氷水とホットガスとの間で熱交換を行わせる手段として、給水管の外周部にフィンを設けてこの部分を外殻部で覆う等の構造を有する熱交換器を別途設ける必要があることから、製造コストが比較的高く付くという問題がある。
本発明は、上記のような問題に対処するもので、比較的低コストで優れた節水効果が得られる製氷機を実現することを目的とする。
本発明に係る製氷機は、図1および図2に示すように、機械室3にそれぞれ設けられた圧縮機7、および凝縮器8と、製氷室2にそれぞれ設けられた冷却パイプ4、およびこの冷却パイプ4の直下に配置されて下向きに開口する一群のセル22を備えた製氷ケース5と、製氷ケース5の下面側に対向配置されて、各セル22に向かって製氷用の水(製氷水)を噴射供給する噴射部25を備えた給水トレー6と、外部から導入される水を製氷室2内の給水トレー6に供給する給水管10と、圧縮機7と凝縮器8と冷却パイプ4とを接続して冷媒循環用の通路を形成する第1配管11と、圧縮機7の冷媒吐出側から凝縮器8に到る第1配管部分11aから分岐されて冷却パイプ4の冷媒吸入側に到るホットガス循環用の通路を形成する第2配管12とを有する。給水管10および第2配管12の全部または一部はそれぞれ金属製パイプで構成されている。
前記給水トレー6は、製氷ケース5の下面に対向して噴射部25から各セル22に向かって製氷水を噴射供給する製氷姿勢と、噴射部25を製氷ケース5から分離して下降傾動し、セル22内に形成された氷を製氷室2内に落とす離氷姿勢との間で、水平軸28まわりに姿勢変位可能に構成されている。そして、製氷時には圧縮機7から吐出された冷媒が第1配管11を通って循環して冷却パイプ4を介して製氷ケース5を冷却し、離氷時には圧縮機7から吐出された冷媒がホットガスとして第2配管12を通って循環して冷却パイプ4を介して製氷ケース5を温め、冷却パイプ4または製氷ケース5が所定温度まで上昇したときに給水トレー6を下降傾動させて製氷された氷を製氷室2内に落とし、その後に給水管10から離氷姿勢にある給水トレー6の上面へ除氷用の水(除氷水)を供給して噴射部25上の残氷を除去するようになっている。
本発明は、このような製氷機1において、離氷時にホットガスと除氷水との間で熱交換が行われるように、前記給水管10を構成している金属製パイプの少なくとも一部分10Aと、前記第2配管12を構成している金属製パイプの少なくとも一部分12Aとを、所定の長さ範囲にわたって互いに接触させた状態で平行に配設した構成としたものである。この場合において、両金属製パイプの接触部分(互いに接触した状態で平行に配設されている部分)40は、ハンダ付けもしくはロウ付けまたは溶接により接合一体化するのが望ましく、更にはその外周側を断熱材42によって被覆した構成とするのが望ましい。
本発明によれば、給水管10を構成している金属製パイプの少なくとも一部分10Aと、第2配管12を構成している金属製パイプの少なくとも一部分12Aとが、所定の長さ範囲にわたって互いに接触した状態で平行に配設されているので、離氷時に圧縮機7から吐出された冷媒がホットガスとして第2配管12を通って循環して冷却パイプ4を介して製氷ケース5を温める際に、前記両金属製パイプの接触部分(互いに接触した状態で平行に配設されている部分)40において、第2配管12内を流れるホットガスと給水管10を通じて給水トレー6に供給される除氷水との間で熱交換が行われて、除氷水はホットガスによって温められる反面、ホットガスは除氷水によって冷やされることとなる。その結果、第2配管12を通じて冷却パイプ4に供給されるホットガスの温度は、圧縮機7から吐出されたときの温度(吐出温度)と比べて少なくとも除氷水との間で熱交換を行った分だけは低下する。
このようにホットガスが吐出温度よりも低い温度となった状態で冷却パイプ4に供給されることで、冷却パイプ4の温度変化は上記の熱交換が行われなかった場合と比べて緩やかになり、その分だけ冷却パイプ4または製氷ケース5が所定温度まで上昇する時間、つまり給水トレー6の噴射部25を開くまでの時間を長くすることができる。こうして、給水トレー6の噴射部25を開くタイミングを遅らせることができ、その間に冷却パイプ4から離れたセル下端側にも冷却パイプ4側からの熱が伝わるようにすることができる。これにより、給水トレー上面側つまり噴射部25上の氷部分も或る程度溶けた状態にすることができるから、製氷完了後に給水トレー6の噴射部25を開いて製氷ケース5のセル22から氷を落とす際、すなわち離氷時に、噴射部25上の残氷を少なくすることができる。
一方、離氷時において給水管10を通じて給水トレー6の上面側に供給される除氷水は、上記金属製パイプの接触部分40を通過する際にホットガスによって温められる。これにより、外部から給水管10に導入されたときの水温よりも高い温度の除氷水を噴射部25上に流すことができるので、その分だけ残氷を溶かす時間を短縮することができる。
加えて、本発明によれば、給水管10を構成している金属製パイプの少なくとも一部分10Aと、第2配管12を構成している金属製パイプの少なくとも一部分12Aとを、所定の長さ範囲にわたって互いに接触させた状態で平行に配設するという極めて簡素な構成で、上記のような作用効果を奏する製氷機1を実現することができる。したがって、比較的低コストで実現でき、別途所定の熱交換器を設ける場合に比べてコスト的に有利である。
上記の両金属製パイプの接触部分(互いに接触した状態で平行に配設されている部分)40を、ハンダ付けもしくはロウ付けまたは溶接により接合一体化すると、両金属製パイプの接触部分40の伝熱性が良くなって熱交換効率が向上する。また、この両金属製パイプの接触部分40の外周側を断熱材42によって被覆すると、外部との不必要な熱交換を遮断できるから、当該接触部分40における熱交換を効率良く行わせることができる。
図1ないし図4は、本発明に係る製氷機の実施例を示している。図1に示すように、この実施例に係る製氷機1は、氷を取り出すためのドア付き開口部(図示せず)が設けられた断熱構造の製氷室2と、この製氷室2の下側に配置された機械室3とを有する。
製氷室2には、上部に配置された冷却パイプ4と、この冷却パイプ4の直下に配置されて当該冷却パイプ4によって冷却される製氷ケース5と、この製氷ケース5の下面側に対向配置された給水トレー6とが備えられている。一方、機械室3には、冷凍装置を構成する圧縮機7と、凝縮器8と、凝縮器用のファン9とが備えられている。
また、この製氷機1には、外部から導入される水を製氷室2内の給水トレー6に供給する給水管10と、圧縮機7と凝縮器8と冷却パイプ4とを接続して冷媒循環用の通路を形成する第1配管11と、圧縮機7の冷媒吐出側から凝縮器8に到る第1配管部分11aから分岐されて冷却パイプ4の冷媒流入側に到るホットガス循環用の通路を形成する第2配管12とが設けられている。給水管10および第2配管12は、これらの少なくとも一部分(後述する接触部分40)が一定の長さ範囲にわたって熱伝導性に優れた金属製パイプ(この実施例では、いずれも銅製パイプ)で構成されている。
このうち、第1配管11は、図示例では、機械室3内の圧縮機7から凝縮器8を通って製氷室2内の冷却パイプ4に到り、そこから再び圧縮機7に戻る一般的な冷媒循環用の通路を形成している。なお、この冷媒循環用の通路上には、凝縮器8と冷却パイプ4との間に膨張弁15が配置されている。
一方、第2配管12は、第1配管11の凝縮器8を通る部分をバイパスするように配置されており、製氷室2側に位置する端部が冷却パイプ4の冷媒流入部の手前側で第1配管11と合流するように設けられている。この第2配管12には、機械室3側に位置する前記第1配管部分11aからの分岐部分aの近傍に、ホットガス循環用の通路を開閉する電磁弁13が設けられており、離氷時に当該電磁弁13を開くことによって、圧縮機7から吐出されたホットガスが第2配管12を通って冷却パイプ4側に流れるようになっている。
給水管10は、機械室3側に設けられる給水口14から製氷室2内の給水トレー6の上方側(図2参照)に到るように設けられている。この給水管10には、製氷室2内に位置する所定箇所に開閉用の電磁弁16が設けられており、この電磁弁16を操作することによって給水トレー6への水の供給を制御できるようになっている。なお、給水口14は、外部から製氷用・除氷用の水を給水管10内に導入できるように、ホースやパイプ等(図示せず)を介して外部の水道管等に接続される。
製氷ケース5は、図2に示すように、製氷室2の上端寄りに固定されたユニットベース17の下面に固定されている。この製氷ケース5の下面側には上述したように給水トレー6が対向配置されている。この給水トレー6の下側には、これと一体に設けられて製氷用の水(以下、製氷水という。)を貯留する水タンク18と、この水タンク18の下方に配置した排水パン19(図1参照)と、水タンク18の下端に取り付けた水ポンプ20とが設けられている。これらの製氷ケース5や給水トレー6等で構成される製氷ユニットには、給水トレー6およびこれと一体の水タンク18を上下方向に揺動操作する姿勢切り換え機構(図示せず)が備えられている。
排水パン19は、製氷されずに残った製氷水などを受け止めて、排水管21(図1参照)を介して製氷機1の外部へ排水する。水ポンプ20は、水タンク18内に貯留した製氷水を給水トレー6へ送給する。給水管10の製氷室2側の端部10bは、給水トレー6の左端側の上方に配されており、管壁の一定間隔おきに下向きの散水口10cが開口している。
製氷ケース5は、熱伝導性に優れた金属製の容器からなり、下向きに開口する一群のセル22が縦横格子状に区画された四角皿状に形成されている。製氷ケース5の上面には、上述した冷却パイプ4が接触状態で配置されている。この冷却パイプ4は、製氷時には冷媒が先の第1配管11(図1参照)を通って循環して製氷ケース5を氷点以下に冷却し、離氷時には圧縮機7から吐出されたホットガスが先の第2配管12(図1参照)を通って循環して製氷ケース5を温めるようになっている。
給水トレー6は、下向きに開口する四角形の皿状のトレー本体23と、トレー本体23の上壁内面に一体に取り付けられる水路枠体24とで構成されており、このうちのトレー本体23の上面側が噴射部25となっている。水路枠体24は、その上面がトレー本体23の上壁で塞がれており、枝分かれした給水路26を形成している。給水路26の基端26aに、水ポンプ20が接続されている。
図2において給水トレー6のトレー本体23の左側端には、プレス金具製の傾動アーム27が固定されている。傾動アーム27の上端は、水平軸28を介してユニットベース17に軸支されており、この水平軸28を中心に、給水トレー6および水タンク18が上下方向に揺動可能になっている。水タンク18は、角皿状のプラスチック成形品からなって、その底壁が水ポンプ20側へ下り傾斜している。水タンク18の揺動先端側には、水タンク18内の余剰水などを排水パン19へ排出するための排水路29が形成されている。
そして、姿勢切り換え機構は、製氷時には給水トレー6が製氷ケース5の下面を塞ぐ水平姿勢(図2の鎖線の状態)になり、離氷時には給水トレー6の右側が低くなる傾斜姿勢(図2の実線の状態)になるように、図示しない駆動アームを介して給水トレー6および水タンク18を揺動操作してその姿勢を切り替える。給水トレー6および水タンク18が前記傾斜姿勢になったときには、製氷ケース5の下面が開放される。
給水トレー6のトレー本体23の上面、すなわち噴射部25には、各セル22に対応する位置にそれぞれ給排水部30が設けられている。各給排水部30は、セル22に向かって製氷水を噴出供給するノズル孔31と、ノズル孔31を挟んで左右(図1では上下)に対向配置される一対の戻り孔32・32と、ノズル孔31の上面から各戻り孔32の上面に向けてそれぞれ下り傾斜した一対の排水溝33・33とで構成されている。各ノズル孔31は、前記給水路26に連通しており、各戻り孔32は、水路枠体24の枠外に位置していて、水タンク18内に直接臨んでいる。
給水トレー6が水平姿勢となる製氷時には、各ノズル孔31から各セル22内に向けて製氷水が噴出して、この製氷水の一部がセル22の内面を介して冷却パイプ4で冷却されて凍結し、時間経過と共に各セル22内で氷が次第に成長する。セル22内で凍結しないで給水トレー6のトレー本体23の上面に落下した製氷水は、各戻り孔32を介して水タンク18内に戻る。
冷却パイプ4には、当該冷却パイプの温度を検出する温度センサ(図示せず)が取り付けられている。製氷室2内には、製氷操作によって貯留された氷が所定量になったことを検出する蓄氷検出センサが設けられており、この蓄氷検出センサが、氷が所定量になったことを検出すると製氷操作が停止する。
上記の構成に加えて、この製氷機1においては、さらに本発明の特徴部分として次のような構成が採用されている。すなわち、図1に示したように、上述した給水管10を構成している金属製パイプの一部分10Aと、第2配管12を構成している金属製パイプの一部分12Aとが、所定の長さ範囲にわたって互いに接触させた状態で平行に配設されており、この両金属製パイプの接触部分(互いに接触した状態で平行に配設されている部分)40で、離氷時に第2配管12内を流れるホットガスと給水管10内を流れる除氷水との間で熱交換が行われるようになっている。
この両金属製パイプの接触部分(互いに接触した状態で平行に配設されている部分)40は、本実施例では、図3および図4に示すように、前記第2配管12を構成している金属製パイプの一部分12Aと前記給水管10を構成している金属製パイプの一部分10Aとがハンダ付けされて接合一体化されており、更にはそのハンダ部分41を含む外周側が断熱材42によって被覆されている。図示例における断熱材42は、例えば、ウレタンフォームからなる断熱層43の外側をポリ塩化ビニール製のテープ材44で覆った構成で、前記の接触部分40を被覆した状態で脱落しないように結束バンド45により束縛されている。
なお、図示例の製氷機1では、第2配管12を構成している金属製パイプ部分のうち、機械室3側に位置する第2配管開閉用の電磁弁13の直下流側の部位から製氷室2側に向けて1200mmの長さ範囲にわたる部分が、給水管10を構成している金属製パイプ部分との接触部分40とされている。
次に、この製氷機1の動作について説明する。まず、製氷動作が開始すると、給水トレー6および水タンク18が前記水平姿勢になり、電磁弁16が開いて給水管10から水タンク18内への給水が開始される。つまり、給水管10から給水トレー6のトレー本体23の上面へ水道水(製氷水)が供給され、その製氷水が、前記戻り孔32等を介して水タンク18内へ流れ込んで貯留される。また、冷却パイプ4と圧縮機6と凝縮器7などの間での冷媒の循環が開始され、これによって冷却パイプ21が冷却されて、製氷ケース5が冷却される。
次いで、給水トレー6のトレー本体23が製氷ケース5の下面を塞いだ水平姿勢で水ポンプ16が駆動され、給水トレー6の各ノズル孔31から製氷ケース5の各セル22内に向けて製氷水がそれぞれ噴出して、各セル22内で製氷が行われる。この際には、給水管10から給水トレー6へ製氷水が供給されている。
各セル22内での製氷が完了したことで、冷却パイプ4の温度センサによって、冷却パイプ4の温度が所定温度まで低下したことが検出されると、電磁弁16が閉じるとともに水ポンプ20の駆動が停止し、さらに第2配管12における電磁弁13が開くことで圧縮機7から吐出されたホットガスが第2配管12を通って冷却パイプ4へ供給されて、冷却パイプ4が温められる。そして、冷却パイプ4の温度が所定温度まで上昇したときに、姿勢切り換え機構によって給水トレー6および水タンク18が揺動して前記傾斜姿勢になり、製氷ケース5の下面が開放される。すなわち、給水トレー6の先端側が下降傾動して噴射部25が開く。
このとき、圧縮機7から吐出されたホットガスによって温められる冷却パイプ4の温度上昇が速すぎると、冷却パイプ4から離れた各セル下端側あるいは給水トレー6の上面側の氷部分が離氷可能な状態にまで溶けないうちに給水トレー6の先端側が下降傾動して噴射部25が開いてしまうため、噴射部25上に余分な氷が付着した状態で多く残ってしまうこととなる。
ところが、本発明の製氷機1では、給水管10を構成している金属製パイプと第2配管12を構成している金属製パイプとの接触部分(互いに接触した状態で平行に配設されている部分)40において、離氷時に第2配管12内を流れるホットガスと給水管10内に存在し又は当該給水管10内を流れる除氷水との間で熱交換が行われる。すなわち、除氷水がホットガスによって温められる一方、ホットガスが除氷水によって冷やされる。その結果、第2配管12を通じて冷却パイプ4に供給されるホットガスの温度は、圧縮機7から吐出されたときの温度(吐出温度)と比べて少なくとも給水管10側の除氷水との間で熱交換が行われた分だけは低下するから、その分だけ冷却パイプ4の温度上昇は緩やかになる、言い換えると冷却パイプ4が所定温度まで上昇するのに時間が掛かる。したがって、その分だけ給水トレー6の噴射部25を開くタイミングを遅らせることができ、その間に冷却パイプ4から離れた製氷ケース5の下端側へと熱が伝わるから、それだけ噴射部25上の氷も分離可能な状態にまで溶けやすくなって残氷も少なくなる。
給水トレー6および水タンク18の傾斜姿勢への揺動が完了すると、電磁弁16が開いて給水管10からトレー本体23の上面へ水が供給されて、トレー本体23の噴射部25などに付着した氷が、解凍されて除去される。この水の供給時間は、電磁弁に配した水温センサによって検出された水道水の水温などに応じて設定される。
前述の冷却パイプ21へのホットガスの供給によって、製氷ケース5の各セル22内に生成された氷が、各セル22から離脱して傾斜姿勢のトレー本体23の上面を滑り落ち、製氷室2の下部に落下して貯留される。次に、電磁弁が開いて給水管10から傾斜姿勢のトレー本体23の上面つまり噴射部25上へ水が供給され、トレー本体23の給排水部30などに引っ掛かっている氷などを溶かす。
このとき、給水管10からトレー本体23の上面へ供給される水(除氷水)の温度が低いと、それだけ氷を溶かすのに時間が掛かることとなるが、本発明の製氷機1では、上述したように両金属製パイプの接触部分40で給水管10内の水と第2配管12内を通過するホットガスとの間で熱交換が行われるから、噴射部25上に供給される除氷水の温度は給水口14における水温よりも或る程度高くなっている。これにより、外部から給水管10に導入されたときの水温よりも高い温度の除氷水を噴射部25上に流すことができるので、その分だけ残氷を溶かす時間を短縮することができる。
この離氷の完了後に、冷却パイプ4の温度センサによって、冷却パイプ4の温度が所定温度まで上昇したことが検出されたときには、製氷動作を再び行うために、給水トレー6および水タンク18を傾斜姿勢から水平姿勢に揺動させるとともに、電磁弁16が開いて給水管10から水タンク18内への給水が開始される。以後、製氷動作と離氷動作とを交互に行って、氷を連続的に生成して製氷室2内に貯留する。
なお、上記の例では、離氷時において、冷却パイプ4がホットガスにより温められて当該冷却パイプ4の温度が所定温度まで上昇したときに給水トレー6を傾動させて噴射部25を開くこととしたが、製氷ケース5側に温度センサを取り付けて、この温度センサが、製氷ケース5の温度が所定温度まで上昇したことを検出したときに、給水トレー6を傾動させて噴射部25を開く構成としてもよい。また、図1に示した例では、第2配管12内の冷媒(ホットガス)の流れと給水管10内の水の流れは同じ方向となるが、これらの流れは必ずしも同じ方向である必要はない。すなわち、第2配管12における冷媒(ホットガス)と給水管10における水との間で熱交換を行うことができさえすれば、これら両管12・10の接触部分40において両者の流れが互いに異なる方向となっていても構わない。
1 製氷機
2 製氷室
3 機械室
4 冷却パイプ
5 製氷ケース
6 給水トレー
7 圧縮機
8 凝縮器
10 給水管
10A 給水管を構成している金属製パイプの一部分
11 第1配管
12 第2配管
12A 第2配管を構成している金属製パイプの一部分
22 セル
25 噴射部
28 水平軸
40 接触した状態で平行に配設されている両金属製パイプ部分(接触部分)
42 断熱材
2 製氷室
3 機械室
4 冷却パイプ
5 製氷ケース
6 給水トレー
7 圧縮機
8 凝縮器
10 給水管
10A 給水管を構成している金属製パイプの一部分
11 第1配管
12 第2配管
12A 第2配管を構成している金属製パイプの一部分
22 セル
25 噴射部
28 水平軸
40 接触した状態で平行に配設されている両金属製パイプ部分(接触部分)
42 断熱材
Claims (3)
- 機械室(3)にそれぞれ設けられた圧縮機(7)、および凝縮器(8)と、
製氷室(2)にそれぞれ設けられた冷却パイプ(4)、およびこの冷却パイプ(4)の直下に配置されて下向きに開口する一群のセル(22)を備えた製氷ケース(5)と、
製氷ケース(5)の下面側に対向配置されて、各セル(22)に向かって製氷用の水(製氷水)を噴射供給する噴射部(25)を備えた給水トレー(6)と、
外部から導入される水を製氷室内の給水トレー(6)に供給する給水管(10)と、
圧縮機(7)と凝縮器(8)と冷却パイプ(4)とを接続して冷媒循環用の通路を形成する第1配管(11)と、
圧縮機(7)の冷媒吐出側から凝縮器(8)に到る第1配管部分(11)から分岐されて冷却パイプ(4)の冷媒吸入側に到るホットガス循環用の通路を形成する第2配管(12)とを有し、
給水管(10)および第2配管(12)の全部または一部がそれぞれ金属製パイプで構成されており、
給水トレー(6)が、製氷ケース(5)の下面に対向して噴射部(25)から各セル(22)に向かって製氷水を噴射供給する製氷姿勢と、噴射部(25)を製氷ケース(5)から分離させて下降傾動し、セル(22)内に形成された氷を製氷室(2)内に落とす離氷姿勢との間で、水平軸(28)まわりに姿勢変位可能に構成されており
製氷時には圧縮機(7)から吐出された冷媒が第1配管(11)を通って循環して冷却パイプ(4)を介して製氷ケース(5)を冷却し、離氷時には圧縮機(7)から吐出された冷媒がホットガスとして第2配管(12)を通って循環して冷却パイプ(4)を介して製氷ケース(5)を温め、冷却パイプ(4)または製氷ケース(5)が所定温度まで上昇したときに給水トレー(6)を下降傾動させて製氷された氷を製氷室(2)内に落とし、その後に給水管(10)から離氷姿勢にある給水トレー(6)の上面へ除氷用の水(除氷水)を供給して噴射部(25)上の残氷を除去するようにした製氷機(1)であって、
離氷時にホットガスと除氷水との間で熱交換が行われるように、前記給水管(10)を構成している金属製パイプの少なくとも一部分(10A)と、前記第2配管(12)を構成している金属製パイプの少なくとも一部分(12A)とが、所定の長さ範囲にわたって互いに接触した状態で平行に配設されていることを特徴とする製氷機。 - 前記接触した状態で平行に配設されている両金属製パイプ部分(10A・12A)は、ハンダ付けもしくはロウ付けまたは溶接により接合一体化されている、請求項1記載の製氷機。
- 前記接触した状態で平行に配設されている両金属製パイプ部分(10A・12A)は、断熱材(42)によって被覆されている、請求項1または2記載の製氷機。
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