JP2011224964A - 赤外線反射フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】高い赤外線反射性及び高い可視光線透過性(透明性)を両立し、且つ耐久性に優れる赤外線反射フィルムを提供すること。
【解決手段】光透過性基材上に、屈折率が異なる層が交互に2層以上積層した積層体からなる赤外線反射フィルムであって、隣接する層の屈折率差はいずれも0.1〜0.4の範囲であり、且つグロー放電発光分光分析法による深さ方向の元素分析において、各層の界面領域が存在する深さに検出ピークが認められる赤外線反射フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、可視光線の高透過性と赤外線の高反射性を併せ持つ赤外線反射フィルムに関する。
赤外線反射フィルムは、赤外線を遮断して室内温度の上昇を防ぐ目的で、建物や乗り物(自動車、電車、バス、航空機、船舶等)の窓ガラスに貼着されて使用されるほか、農業ハウス用として使用される。該赤外線反射フィルムは、可視光を透過するために室内に明かりを入れることもできるし、赤外線反射フィルムを通して室内から室外を視認することもできる。しかし、高い赤外線反射性と高い透明性(可視光線の高透過性)を両立させるのは容易なことではなく、赤外線反射性能の高いフィルムは、低透明性で重量が大きくなる傾向にあり、一方、高透明性のフィルムは、赤外線反射性能が低い傾向にある。さらに、赤外線反射フィルムは通常、長期間にわたって日光を浴び続けるため、耐久性に優れたものが求められている。
赤外線反射フィルムとしては、光透過性基材上に、屈折率の異なる無機材料を蒸着法により多数積層させることで赤外線反射性能を高めた赤外線反射フィルムが知られている(特許文献1参照)。しかし、特許文献1に開示されている赤外線反射フィルムは、製造方法が煩雑であり、製造コスト面でも問題がある。そこで、高い赤外線反射性及び高い透明性を両立し、且つ生産性良く安価に製造できる赤外線反射フィルムが求められている。
そこで、塗布と乾燥処理を繰り返すタンデム塗工方式を利用して製造した赤外線反射フィルムが開発されている(特許文献2参照)。
特開平07−237276号公報 特開平10−286900号公報
特許文献2に記載の赤外線反射フィルムは、その製造工程において、各屈折率層の塗布及び乾燥を層の数だけ繰り返すことになるため、生産性は必ずしも高くならない。さらに、その製造方法の特徴上、各層間に空気の気泡や不純物の混入を避けることができず、長期間の使用に十分に耐え得るものではなかった。
本発明は、このような状況下になされたものであり、高い赤外線反射性及び高い可視光線透過性(以下、透明性と称する。)を両立し、且つ耐久性に優れる赤外線反射フィルムを提供することを課題とする。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、光透過性基材上に、屈折率が異なる層が交互に2層以上積層した積層体からなる赤外線反射フィルムであって、隣接する層の波長589nmの光における屈折率差はいずれも0.1〜0.4の範囲であり、且つグロー放電発光分光分析法による深さ方向の元素定量分析において、各層の界面領域が存在する深さに検出ピークが認められる赤外線反射フィルムであれば、高い赤外線反射性及び高い透明性を両立し、且つ耐久性に優れることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[6]に関する。
[1]光透過性基材上に、屈折率が異なる層が交互に2層以上積層した積層体からなる赤外線反射フィルムであって、隣接する層の波長589nmの光における屈折率差はいずれも0.1〜0.4の範囲であり、且つグロー放電発光分光分析法による深さ方向の元素定量分析において、各層の界面領域が存在する深さに検出ピークが認められる赤外線反射フィルム。
[2]光透過性基材上に、屈折率が異なる層が交互に2層以上積層した積層体からなる赤外線反射フィルムであって、隣接する層の波長589nmの光における屈折率差はいずれも0.1〜0.4の範囲であり、且つグロー放電発光分光分析法による深さ方向の元素定量分析において、隣接する層それぞれを構成する成分由来の検出信号が接する深さに検出ピークが認められる赤外線反射フィルム。
[3]前記検出ピークの半値全幅が0.01〜3μmである、上記[1]又は[2]に記載の赤外線反射フィルム。
[4]前記検出ピークが炭素元素のピークである、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の赤外線反射フィルム。
[5]屈折率が異なる層が交互に奇数層積層し、光透過性基材から1層目の屈折率が2層目の屈折率より高く、且つ最外層の屈折率が、隣り合った層の屈折率よりも高い、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の赤外線反射フィルム。
[6]積層した層のうち少なくとも1層が、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化アンチモン、五酸化タンタル、五酸化ニオブ、酸化ランタン、酸化イットリウム、硫化亜鉛、酸化ルテニウム、酸化イリジウム、酸化亜鉛、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、シリカ(SiO2)、アルミナ、フッ化ランタン、フッ化マグネシウム、六フッ化アルミニウムナトリウム、Al,In,Sn,Sb,Bi,Cu,Ag,Au,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Fe,Co,Ni,Pd,Pt及びこれらの合金から選らばれる少なくとも1種を含有する、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の赤外線反射フィルム。
本発明の赤外線反射フィルムは、高い赤外線反射性及び高い透明性を両立する。また、長期使用によっても層間の密着性が低下せず、高い赤外線反射性及び高い透明性を維持できる、つまり耐久性に優れる。
同時多層塗工方法を行う装置の一例を示す模式図である。 実施例1で得た赤外線反射フィルムの断面(下層・中間層部位)の走査型電子顕微鏡写真図である。 実施例1で得た赤外線反射フィルムの断面模式図である。 試験例1で得た赤外線反射フィルムについての、グロー放電発光分光分析法による深さ方向の元素定量分析の結果を示すスペクトル図である。 本発明の赤外線反射フィルムの断面模式図の一例である。
[赤外線反射フィルム]
本発明の赤外線反射フィルムは、光透過性基材上に、屈折率が異なる層が交互に2層以上積層した積層体からなる赤外線反射フィルムであって、隣接する層の波長589nmの光における屈折率差はいずれも0.1〜0.4の範囲であり、且つグロー放電発光分光分析法による深さ方向の元素定量分析において、各層の界面領域が存在する深さに検出ピークが認められるものである。
また、本発明の赤外線反射フィルムは、光透過性基材上に、屈折率が異なる層が交互に2層以上積層した積層体からなる赤外線反射フィルムであって、隣接する層の波長589nmの光における屈折率差はいずれも0.1〜0.4の範囲であり、且つグロー放電発光分光分析法による深さ方向の元素定量分析において、隣接する層それぞれを構成する成分由来の検出信号が接する深さに検出ピークが認められるものでもある。
ここで、3層以上積層した赤外線反射フィルムの場合、隣り合った層の波長589nmの光における屈折率の差が前記範囲内であればよく、隣接する全ての層における屈折率の差が同じである必要はない。
本明細書において、「界面領域」とは、前記相接する層が混合した領域を指すが、混合した領域が実質的に無ければ、相接する層の界面そのものを指す。
また、グロー放電発光分光分析法は、Arグロー放電領域内で分析対象となるフィルム等を高周波スパッタリングし、そのスパッタされる原子のArプラズマ内における発光線を連続的に分光することにより、フィルムの深さ方向の元素分布を測定する手法であり、現在、層構成が未知である多層フィルムの深さ方向の元素定量分析を高い精度で実施できる唯一の手法である。
本発明の赤外線反射フィルムについて、図5を用いて具体的に説明する。光透過性基材上に、第1層と第2層とを有する。第2層の上に、さらに第3層、第4層、・・・と、それ以上の層が積層されていてもよい。前述のとおり、各層の波長589nmの光における屈折率差はいずれも0.1〜0.4の範囲であり、グロー放電発光分光分析法による深さ方向の元素定量分析を行うと、各層の界面領域(換言すると、第1層を構成する成分由来の検出信号と第2層を構成する成分由来の検出信号が接する深さ)に検出ピークが現れる。該検出ピークに由来する成分が、例えば第1層と第2層の界面領域に存在しており、当該成分が積層構造の保持に貢献して赤外線反射フィルムが得られている。
グロー放電発光分光分析法による深さ方向の元素定量分析において、前記検出ピークのピークトップは、各層の界面領域が存在する深さに、又は隣接する層それぞれを構成する成分由来の検出信号が接する深さの上下1.5μm以内(好ましくは上下1μm以内、より好ましくは上下0.5μm以内)にある。なお、検出ピークとは、その半値全幅が、好ましくは0.01〜3μm、より好ましくは0.01〜1μm、より好ましくは0.01〜0.6μm、より好ましくは0.05〜0.4μm、さらに好ましくは0.05〜0.3μmであるものを指す。なお、該半値全幅は、検出ピークの由来となる成分がどの範囲の深さに広がっているのかを示しており、半値全幅が小さいほど、上下層の積層状態が良好であり、つまり上下層の混合の程度が小さく、赤外線反射フィルムとして優れている。
前記した、隣接する層それぞれを構成する成分由来の検出信号は、通常、ブロード状であり、且つ、界面領域が存在する深さにて検出強度が低下する。このように、界面領域が存在する深さにて検出強度が低下するのは、前記検出ピークの由来となる成分が界面領域に存在しているためである。また、隣接する層それぞれを構成する成分由来の検出信号は、異なる元素の検出信号であれば、通常、上層を構成する成分由来の検出信号の検出強度は、下層においては、下層を構成する成分由来の検出信号の検出強度より小さいことが好ましく、下層を構成する成分由来の検出信号の検出強度に対してより好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下、さらに好ましくは10%以下、特に好ましくは5%以下である。なお、上層と下層とが逆の関係にある場合にも同様のことが言える。
さらに、界面領域以外、つまり上下層においては、前記検出ピークに由来する成分の検出信号の検出強度は、上下層の機能を阻害しないという観点から、上下層それぞれを構成する成分由来の検出信号の検出強度に比べて小さいことが好ましく、上下層それぞれを構成する成分由来の検出信号の検出強度に対してより好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下、さらに好ましくは30%以下、特に好ましくは20%以下である。
なお、本明細書において、グロー放電発光分光分析法による深さ方向の元素定量分析は、以下の条件にて行ったものである。
(グロー放電発光分光分析法による元素定量分析の条件)
○測定装置:「GDS−Profiler2」(株式会社堀場製作所製)
RF電源出力:20W
アルゴンガス圧力:800Pa
アノード径:4mm
パルス電源使用(周波数:25Hz、Duty比:0.1)
測光方式:シンクロ(パルス同期)
本発明の赤外線反射フィルムは、グロー放電発光分光分析法による深さ方向の元素定量分析において、前述した位置に検出ピークが認められる。該検出ピークは、層間の耐久密着性の観点から、後述する高分子成分を由来とするものであることが好ましい。また、検出ピークは、前記したグロー放電発光分光分析法による深さ方向の元素定量分析によって、任意の元素を調査することで確認できる。具体的には、例えば後述する高分子成分が有する元素(例えば炭素元素)に着目して分析すればよい。
さらに、本発明の赤外線反射フィルムの好ましい態様は、積層された層のうち少なくとも1層が高分子系混合防止成分を2〜20質量%含有するものである。3層以上積層した赤外線反射フィルムの場合、赤外線反射性、透明性及び耐久性の観点からは、前記高分子成分は、いずれの隣り合った2層においても、少なくとも1層に必ず含有されている態様が好ましい。また、赤外線反射性の観点から、屈折率が異なる層が交互に奇数層積層し、光透過性基材から1層目の屈折率が2層目の屈折率より高く、且つ最外層の屈折率が、隣り合った層(つまり、1つ内側の層)の屈折率よりも高いことが好ましい。さらに、赤外線反射性の観点から、積層された層において、屈折率の高低が交互に繰り返されている、つまり各層の相対的な屈折率が「…−高−低−高−低−…」となる関係にあることが好ましい。
隣接する各層の波長589nmの光における屈折率(以下、単に屈折率と称する。)の差は、前述の通り、赤外線反射性及び透明性の観点から、いずれも0.1〜0.4の範囲であるが、好ましくは0.15〜0.4、より好ましくは0.2〜0.4である。該屈折率の調整は、各層を構成する成分を選択することによって行うことができる。該屈折率の差が0.1未満であると、赤外線反射フィルムの赤外線反射性が不足し、一方、0.4を超えると、赤外線反射フィルムにモアレ模様が目立つようになる。
なお、該屈折率は、実施例に記載の方法に従って測定した値である。
(各層を構成する成分)
本発明の赤外線反射フィルムの各層を構成する成分としては、隣接する各層の屈折率差が0.1〜0.4の範囲となる限り特に制限は無く、赤外線反射フィルムの各層を構成する成分として用いられる公知のものを用いることができる。なお、可視光線の透過性の高い成分が好ましく、さらに、実施例に記載の方法により測定した屈折率が、好ましくは1.1〜10.0、より好ましくは1.3〜7.0、より好ましくは1.3〜6.0、より好ましくは1.3〜3.5、さらに好ましくは1.3〜3.0、特に好ましくは1.3〜2.0である成分を適宜選択するのがよい。具体的には、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化アンチモン、五酸化タンタル、五酸化ニオブ、酸化ランタン、酸化イットリウム、硫化亜鉛、酸化ルテニウム、酸化イリジウム、酸化亜鉛、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、シリカ(SiO2)、アルミナ等の無機系酸化物;フッ化ランタン、フッ化マグネシウム、六フッ化アルミニウムナトリウム等の金属フッ素化物;Al,In,Sn,Sb,Bi,Cu,Ag,Au,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Fe,Co,Ni,Pd,Pt等の金属やこれらの合金等が好ましく挙げられる。これらの中でも、本発明の赤外線反射フィルムの可視光線透過率及び赤外線反射性能の観点から、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化アンチモンがより好ましく、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化スズがさらに好ましい。該成分は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、該成分の形状に特に制限は無いが、粒径は、赤外線反射性及び透明性の観点から、0.5〜10μmであることが好ましく、1〜5μmであることがより好ましい。
製造コストの観点から、赤外線反射フィルム中の積層された層のうち少なくとも1層が、前記無機系酸化物、前記金属フッ素化物、及び前記金属又はその合金を用いてゾルゲル法又は熱硬化反応により形成されたものであることが好ましく、全ての層がゾルゲル法又は熱硬化反応により形成されたものであることがより好ましい。なお、簡便性の観点からは、熱硬化反応よりもゾルゲル法の方がより好ましい。ここで、ゾルゲル法とは、原料となる溶液が、無機系酸化物等の微粒子が遊離又は浮遊した状態、いわゆるゾル状態を経由し、加水分解、重縮合、熱処理によってゲル状態を形成する方法である。
各層を構成する成分中、前記無機系酸化物、前記金属フッ素化物、及び前記金属又はその合金の含有量が20質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましく、95質量%以上であることが特に好ましい。
(高分子成分)
前記高分子成分は、ポリスチレン、ポリスチレンスルホン酸又はその塩、ポリビニルスルホン酸又はその塩並びにポリビニルアルコール又はその塩から選択される少なくとも1種が好ましい。該「その塩」としては、いずれも、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩等が挙げられる。該高分子成分は、低分子成分に比べ、層間の耐久密着性を高める効果や、積層体の製造段階において上下層の混合抑制の効果を有する。
該高分子成分は、皮膜を形成し得るものであることが好ましく、その観点から、重量平均分子量が1万〜10万であることが好ましく、2万〜7万であることがより好ましく、4万〜6万であることがさらに好ましい。
ポリスチレンスルホン酸又はその塩や、ポリビニルスルホン酸又はその塩のスルホン化度に特に制限はない。また、ポリビニルスルホン酸又はその塩としては、けん化されたものを用いてもよく、けん化度としては特に制限はない。なお、赤外線反射フィルムを製造する際には前記スルホン化度やけん化度に制限が生じるが、これについては後述する。
高分子成分は、該高分子成分を含有する層中に2〜20質量%含有され、赤外線反射性、透明性及び耐久性の観点からは、好ましくは5〜15質量%、より好ましくは7〜13質量%含有される。該高分子成分は、少なくとも一部が、隣接する層との界面近傍に皮膜を形成した状態で存在する傾向にあり、これが、前記グロー放電発光分光分析法による深さ方向の元素定量分析において前記検出ピークとして現れる。
(光透過性基材)
本発明の赤外線反射フィルムが有する光透過性基材としては、光、つまり可視光線(波長:360〜830nm)を透過する基材であれば特に制限はない。該光透過性基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム等のポリエステル系フィルム;ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィン系フィルム;セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム等のセルロース系フィルム;ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム等の塩化ビニル系フィルム;ポリビニルアルコールフィルム;エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム等のビニル系共重合体フィルム;ポリスチレンフィルム;ポリカーボネートフィルム;ポリメチルペンテンフィルム;ポリスルホンフィルム;ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム等のポリエーテル系フィルム;ポリイミドフィルム;フッ素樹脂フィルム;ポリアミドフィルム;アクリル樹脂フィルム;ノルボルネン系樹脂フィルム;シクロオレフィン樹脂フィルム等の光透過性樹脂基材が好ましく挙げられる。これらの中でも、透明性及び製造コストの観点から、ポリエチレンテレフタレートフィルムがより好ましい。なお、光透過性とは、可視光を好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上透過するものをいう。
光透過性基材の厚さに特に制限はなく、状況に応じて適宜選定されるが、通常、好ましくは10〜300μm、より好ましくは30〜200μmの範囲、さらに好ましくは50〜200μmである。
これらの光透過性基材は、透明、半透明のいずれであってもよく、また、着色されていてもよいし、無着色のものでもよく、用途に応じて適宜選択すればよい。また、この光透過性基材は、その表面に設けられる層との密着性を向上させる目的で、所望により片面又は両面に、酸化法や凹凸化法等により表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理等が挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法等が挙げられる。これらの表面処理法は光透過性基材の種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性等の面から、好ましく用いられる。
本発明の赤外線反射フィルムの厚みは、光透過性基材の厚みを除くと、好ましくは0.5〜15μm、より好ましくは1〜10μmである。
本発明の赤外線反射フィルムは、各層間に界面を有するものの、層間にわずかな混合が生じており、そのため、密着性に非常に優れている。その混合率は、高分子成分を含有する層全体に対して、数質量%程度(例えば0.5〜10質量%程度、さらには1〜3質量%程度)のものであるが、層間に界面を有しながらもわずかに混合していることにより、赤外線反射性、透明性及び耐久性を併せ持つことができた。より具体的には、実施例に記載した方法により測定した可視光線透過率が75〜85%、より詳細には78〜81%と高く、実施例に記載した方法により測定した赤外線透過率が50%以下、より詳細には42〜45%に抑制されており、実施例に記載した方法により測定した高温高湿保持後の赤外線反射フィルムが、高温高湿保持前の密着性を実質的に100%保持している。
(赤外線反射フィルムの製造方法)
以上のような本発明の赤外線反射フィルムは、例えば、以下の積層体の製造方法を利用することで簡便に製造することができる。
−積層体の製造方法−
複数の層形成用溶液を積層し、積層した層形成用溶液を光透過性基材上に転移させる工程を有する積層体の製造方法において、接する2種の層形成用溶液を「親水性有機溶剤系溶液」と「水系溶液」に分け、少なくとも一方の層形成用溶液に、該2種の層形成用溶液の混合を防止する前記高分子成分を予め混入しておくことにより積層後の層界面を確保する、積層体の製造方法。
(層形成用溶液)
本発明の赤外線反射フィルムの各層を形成する際には、前記各層を構成する成分や高分子成分と溶剤を含有するゾル液を層形成用溶液として用いることが好ましい。
該ゾル液が含有する溶剤としては、例えば、水、及びメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール等のアルコール系有機溶剤に代表される親水性有機溶剤が挙げられる。水を主溶剤とした層形成用溶液を「水系溶液」、そして親水性有機溶剤を主溶剤とした層形成用溶液を「親水性有機溶剤系溶液」とし、これらの詳細については後述する。
層形成用溶液中の各層を構成する成分の濃度は、ゾルゲル法を効率的に行う観点からは、好ましくは30〜80質量%、より好ましくは30〜60質量%、さらに好ましくは30〜50質量%である。また、層形成用溶液中の高分子成分の濃度は、ゾルゲル法を効率的に行う観点から、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは1〜20質量%、より好ましく2〜15質量%、さらに好ましくは3〜10質量%である。
このようなゾル液は、市販品を用いるのが簡便であり好ましい。該市販品としては、例えば「AERODISP(登録商標)−W740」(日本アエロジル株式会社製、水分散液);「サンコロイド(登録商標)HX−M5」(日産化学工業株式会社製、アルコール分散液)等のサンコロイドシリーズ;「オプトレイク(登録商標)1120Z 8RU−25」(日揮触媒化成株式会社製、メタノール分散液)等のオプトレイクシリーズ等が挙げられる。
該積層体の製造方法は、上記の通り、層形成用溶液A(上層溶液)及び層形成用溶液B(下層溶液)を積層し、積層した層形成用溶液を、光透過性基材上に転移させて積層体を製造する工程を含む。
上層用の層形成用溶液A及び下層用の層形成用溶液Bを積層する方法に特に制限は無いが、例えば(1)傾斜したスライド面上にて積層させる方法、(2)水平な平面状にて積層させる方法、(3)円形シリンダー上にて積層させる方法、(4)傾斜した放物面上にて積層させる方法等が挙げられる。これらの中でも、通常、方法(1)が好ましく利用される。
層形成用溶液A及び層形成用溶液Bは、これらを積層した後に層界面を確保するために、一方が親水性有機溶剤系溶液であり、他方が水系溶液である必要がある。上層用の層形成用溶液Aと下層用の層形成用溶液Bは、いずれが親水性有機溶剤系溶液であってもよい。
(親水性有機溶剤系溶液の媒体)
親水性有機溶剤系溶液が含有する親水性有機溶剤としては、積層する2層間のはじきを抑制する観点から、水に対する溶解度が1g/100ml以上のものが好ましく、50g/100ml以上のものがより好ましく、水と任意の量で混和するものがさらに好ましい。また、親水性有機溶剤系溶液は、揮発性及び環境保全の観点から、アルコール系溶液であることが好ましい。該アルコール系溶液に用いるアルコールとしては、層間密着性の観点から、ヒドロキシル基を有する親水性の化合物が好ましく、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール、エチレングリコール等が挙げられる。後述する乾燥時間を短縮する観点から、アルコールの沸点は、40〜120℃が好ましく、50〜80℃がより好ましい。アルコールは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、親水性有機溶剤系溶液には、媒体として、アルコール以外の有機溶剤であってアルコールと親和性のある溶剤や水を併用してもよいが、混合防止用成分による層界面確保の効果の観点から、媒体全量に対するアルコールの含有量が80質量%以上(好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは実質100質量%)となっていることが好ましい。
(水系溶液の媒体)
水系溶液が含有する水としては特に制限はなく、イオン交換水、蒸留水等を用いることができる。水系溶液中の媒体としては、水以外に、アセトン、メタノール、メチルエチルケトン等の水溶性の有機溶剤が併用されていてもよいが、混合防止用成分による層界面確保の効果の観点から、媒体全量に対する水の含有量が80質量%以上(好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは実質100質量%)となっていることが好ましい。
本発明においては、接する2種の層形成用溶液の少なくとも一方に、前記高分子成分を混入する方法として、(a)親水性有機溶剤に対する溶解度が50mg/100ml以上であり、且つ水に対する溶解度が1mg/100ml以下である高分子成分を、親水性有機溶剤系溶液に混入する方法、及び/又は(b)水に対する溶解度が50mg/100ml以上であり、且つ親水性有機溶剤に対する溶解度が1mg/100ml以下である高分子成分を、水系溶液に混入する方法を好ましく用いることができる。該方法としては、方法(a)が好ましい。
親水性有機溶剤又は水に対する溶解度が50mg/100ml以上として上限値を設けていないのは、任意に溶解するものをも含むからである。
なお、「親水性有機溶剤に対する溶解度が50mg/100ml以上であり、且つ水に対する溶解度が1mg/100ml以下である高分子成分」は、好ましくは、親水性有機溶剤に対する溶解度が70mg/100ml以上であり、且つ水に対する溶解度が1mg/100ml以下である高分子成分であり、より好ましくは、親水性有機溶剤に対する溶解度が80mg/100ml以上であり、且つ水に対する溶解度が1mg/100ml以下である高分子成分であり、さらに好ましくは、親水性有機溶剤に対する溶解度が100mg/100ml以上であり、且つ水に対する溶解度が0.5mg/100ml以下である高分子成分である。
また、「水に対する溶解度が50mg/100ml以上であり、且つ親水性有機溶剤に対する溶解度が1mg/100ml以下である高分子成分」は、好ましくは、「水に対する溶解度が70mg/100ml以上であり、且つ親水性有機溶剤に対する溶解度が1mg/100ml以下である高分子成分」であり、より好ましくは、「水に対する溶解度が80mg/100ml以上であり、且つ親水性有機溶剤に対する溶解度が1mg/100ml以下である高分子成分」であり、さらに好ましくは、「水に対する溶解度が100mg/100ml以上であり、且つ親水性有機溶剤に対する溶解度が0.5mg/100ml以下である高分子成分」である。
(高分子成分)
高分子成分については前述したが、本積層体の製造方法を利用するに際し、以下により詳細な説明をする。
親水性有機溶剤に対する溶解度が50mg/100ml以上であり、且つ水に対する溶解度が1mg/100ml以下である高分子成分としては、けん化度30〜45モル%(好ましくは30〜40モル%)のポリビニルアルコール(PVA)、スルホン化度5〜20モル%のポリスチレンスルホン酸及びその塩、スルホン化度5〜20モル%のポリビニルスルホン酸及びその塩等が挙げられる。
また、水に対する溶解度が50mg/100ml以上であり、且つ親水性有機溶剤に対する溶解度が1mg/100ml以下である高分子成分としては、けん化度80〜100モル%のポリビニルアルコール(PVA)、スルホン化度60〜100モル%のポリスチレンスルホン酸及びその塩、スルホン化度60〜100モル%のポリビニルスルホン酸及びその塩等が挙げられる。
水系溶液と親水性有機溶剤系溶液は、互いに親和性があるため、通常であれば両者は混ざり合うが、本製造方法では、上記高分子成分を用いることにより、2種の層形成用溶液が接触した際に、高分子成分の一方の溶液に対する溶解性が乏しいために直ちに不溶化して析出することによって、両溶液の拡散混合を効果的に防止又は抑制し、界面を安定的に確保することができるものと推測される。水系溶液と親水性有機溶剤系溶液との間に中間層を挿入するといった実施形態ではないにも関わらず、両溶液の混合を効率的に防止又は抑制できるのは、混入した高分子成分が層形成用溶液全体の性質に影響を及ぼし、その結果、層界面を確保できる程度に、他方の層形成用溶液に対する親和性を効率的に低下させることができたからと考えられる。
なお、積層体の層分離構造は、例えばスラブ型光導波路分光法を利用した界面紫外可視分光測定装置を用いて確認することができる。また、断面の走査型電子顕微鏡(SEM)や光学顕微鏡によっても確認することができる。
(その他の成分)
前記各層形成用溶液には、さらに必要に応じて、各種添加剤、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、レベリング剤、消泡剤、充填剤等を含有させることができる。
また、上記積層体の製造方法以外にも、例えば、相接する2つの溶液、つまり上層溶液A及び下層溶液Bに着目すると、下層溶液Bへ上層溶液Aが接触することによって化学反応を生じさせながら積層する方法も利用できる。化学反応によって溶剤に難溶又は不溶の生成物が2つの層の界面に生成し、相接する溶液の積層構造を保持することができる限り、あらゆる化学反応を利用することができる。具体的には、(A)水酸基やカルボキシル基等を有する架橋性の高分子材料と、架橋性チタン化合物等の架橋剤との架橋反応、(B)水酸基やカルボキシル基等を有する親水性の高分子材料と電解質とを用いた塩析による凝集反応、(C)リン酸等の配位子と、水酸化カルシウム等のイオン性物質との錯体形成反応、(D)酢酸等の酸と、トリエタノールアミン等の塩基との中和反応等が挙げられる。
他にも、(i)触媒と、該触媒と接触することにより重合等の化学反応を生じる化合物とを用いる方法[化学反応:重合反応等]、(ii)温度変化により化学反応(例えば、架橋反応、重合反応等)を起こす化合物を一方の溶液に含有させ、溶液の温度を変化させておき、該2つの溶液を接触させる方法[化学反応:架橋反応、重合反応等]、(iii)一方の溶液に、特定の溶剤と接触することによって化学反応を起こす化合物を含有させておき、他方の溶液と接触させる方法、(iv)一方の溶液に、特定の層形成用成分と接触することによって化学反応を起こす化合物を含有させ、他方の溶液と接触させる方法等が挙げられる。これらの化学反応によって生成する生成物が、溶剤に難溶又は不溶であり、相接する2層の界面に存在していればよい。
前述の通り、赤外線反射フィルムの製造に利用し得る積層体の製造方法には、複数の層形成用溶液を積層し、積層した層形成用溶液を光透過性基材上に転移させる方法が採られる。
積層する際に傾斜したスライド面を利用する場合、層形成用溶液を流動させるための、傾斜したスライド面を有するものとしては、例えば図1に示すようなスライドコーターが好ましく挙げられる。
効率的に積層体を形成する観点から、スライド面の傾斜角度は、水平方向に対して5〜40度が好ましく、10〜35度がより好ましく、15〜35度がさらに好ましい。また、効率的に積層体を形成する観点から、スライド面上への層形成用溶液の吐出口の中心と、隣り合う層形成用溶液の吐出口の中心との距離は、8〜30cmが好ましく、10〜28cmがより好ましく、12〜26cmがさらに好ましい。さらに、効率的に積層体を形成する観点から、複数のスライド面上への層形成用溶液の吐出口の内、層形成用溶液を光透過性基材へ転移する部位に最も近い吐出口の中心と、光透過性基材との距離は、2〜14cmが好ましく、3〜12cmがより好ましく、4〜11cmがさらに好ましい。特に、このように設計されたスライドコーターを使用した場合に、本発明の効果が顕著に現れる傾向にある。
以下に、図1のスライドコーターを参照して、層形成用溶液を積層する方法の一例を詳細に説明する。
塗布ヘッド1における2つのスリット状の吐出口から、それぞれ層形成用溶液A及び層形成用溶液Bを押し出し、傾斜したスライド面2上を重力の作用により自然流下させ、層形成用溶液A及び層形成用溶液Bを積層する。積層した層形成用溶液(塗工膜)は、ロール3によって走行する光透過性基材4上に転移させる。
積層した層形成用溶液(塗工膜)を光透過性基材4上に転移させた後、加熱乾燥させることにより、積層体を形成することができる。加熱乾燥温度は、通常、好ましくは50〜130℃、より好ましくは60〜120℃、さらに好ましくは70〜100℃である。加熱乾燥時間に特に制限は無いが、通常、1分〜5分間程度必要である。
こうして得られる赤外線反射フィルムは、隣接する層の屈折率差はいずれも0.1〜0.4の範囲であり、且つグロー放電発光分光分析法による深さ方向の元素定量分析において、各層の界面領域が存在する深さに検出ピークが認められるものである。また、隣接する層の屈折率差はいずれも0.1〜0.4の範囲であり、且つグロー放電発光分光分析法による深さ方向の元素定量分析において、隣接する層それぞれを構成する成分由来の検出信号が接する深さに検出ピークが認められるものである。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によって何ら限定されるものではない。なお、各例では、以下の光透過性基材を使用した。さらに、各例において得られた赤外線反射フィルムの可視光線透過率、赤外線透過率及び層間の密着性について、以下の通りに測定した。
(1.光透過性基材)
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム「コスモシャインA4100」(東洋紡績株式会社製)を光透過性基材として使用した。
(2.可視光線透過率の測定方法)
JIS R3106(1998年)に準拠して可視光線透過率を測定した。なお、可視光線は、赤外線反射フィルムの光透過性基材とは反対側から照射した。
(3.赤外線透過率の測定方法)
JIS R3106(1998年)に準拠して赤外線透過率(日射透過率)を測定した。なお、赤外線は、赤外線反射フィルムの光透過性基材とは反対側から照射した。赤外線透過率が小さいほど、赤外線反射性能に優れる。
(4.密着性の測定方法)
旧JIS K5400の基盤目試験方法に準拠し、下記評価方法によって層間の密着性を評価した。
各例で得られた放熱シートに基盤目の切れ込みを100マス(1マス=1mm×1mm)入れた後、密着試験用テープを基盤目へ貼り付け、そして剥がし、残留したマスの数を確認した。
100マス中、95マス以上が残留していれば、層間の密着性に非常に優れていると言える。
−耐久性−
上記熱伝導率の測定及び密着性の評価において、温度80℃、湿度90%の環境下に50時間保持した後の赤外線反射フィルムを用いて測定及び評価を行い、製造初期の赤外線反射フィルムの場合との比較により、耐久性を評価した。
熱伝導率の低下の程度が小さいほど、そして、密着性の差が小さいほど、耐久性に優れる。
製造例1(第1層及び第3層用の高屈折率層用水系溶液)
「AERODISP(登録商標)−W740」(日本アエロジル株式会社製、酸化チタンの水分散液)を、5μmメッシュのフィルター「ミニザルト 17594K」(株式会社ハイテック製)に通して異物除去し、高屈折率層用水系溶液とした。
なお、屈折率の測定のため、上記高屈折率層用水系溶液を光透過性基材上に塗工した後、120℃のオーブン中で3分間乾燥させて塗膜を形成し、該塗膜の屈折率を屈折率計「DVA−36L型」(光源:ナトリウムD線、測定波長:589nm、株式会社溝尻光学工業所製)を用いて測定したところ、屈折率は1.61であった。
製造例2(第2層用の低屈折率用アルコール系溶液)
「NanoTek SiO2」(シーアイ化成株式会社製、酸化ケイ素のエタノール分散液)及び「ポリナスPS−5」[東ソー有機化学株式会社製、成分;ポリスチレンスルホン酸(重量平均分子量5万、スルホン化度10モル%)を固形分比率で10質量%相当]を攪拌及び混合したアルコール系インキを、5μmメッシュのフィルター「ミニザルト 17594K」(株式会社ハイテック製)に通して異物除去し、低屈折率用アルコール系溶液とした。
なお、屈折率の測定のため、上記低屈折率層用水系溶液を光透過性基材上に塗工した後、120℃のオーブン中で3分間乾燥させて塗膜を形成し、該塗膜の屈折率を屈折率計「DVA−36L型」(株式会社溝尻光学工業所製)を用いて測定したところ、屈折率は1.38(高屈折率層用水系溶液を用いた場合との屈折率差:0.23)であった。
製造例3(第2層用の低屈折率用アルコール系溶液;比較例用)
「NanoTek SiO2」(シーアイ化成株式会社製、酸化ケイ素のエタノール分散液)を、5μmメッシュの水系フィルターに通して異物除去し、低屈折率用アルコール系溶液とした。
製造例4(第1層及び第3層用の高屈折率層用水系溶液)
「NanoTek SnO2」(シーアイ化成株式会社製、酸化スズの水分散液)及び「Joncryl67」(BASF社製、アクリルバインダー、重量平均分子量1万2500、固形分比率で20%相当)を攪拌及び混合した水系インキを、5μmメッシュのフィルター(株式会社ハイテック製「ミニザルト」17594K)に通して異物除去し、高屈折率層用水系溶液とした。
なお、屈折率の測定のため、上記高屈折率層用水系溶液を光透過性基材上に塗工した後、120℃のオーブン中で3分間乾燥させて塗膜を形成し、該塗膜の屈折率を屈折率計「DVA−36L型」(株式会社溝尻光学工業所製)を用いて測定したところ、屈折率は1.55であった。
製造例5(第1層及び第3層用の混合防止成分入り高屈折率層用水系溶液)
「AERODISP(登録商標)−W740」(日本アエロジル株式会社製、酸化チタンの水分散液)及び「ゴーセノールGH−20」[日本合成化学工業株式会社製、成分;ポリビニルアルコール(重量平均分子量8万)を固形分比率で10質量%相当]を攪拌及び混合した水系インキを、5μmメッシュのフィルター(株式会社ハイテック製「ミニザルト」17594K)に通して異物除去し、高屈折率層用水系溶液とした。
なお、屈折率の測定のため、上記高屈折率層用水系溶液を光透過性基材上に塗工した後、120℃のオーブン中で3分間乾燥させて塗膜を形成し、該塗膜の屈折率を屈折率計「DVA−36L型」(株式会社溝尻光学工業所製)を用いて測定したところ、屈折率は1.59であった。
上記製造例1〜5で得た水系溶液及びアルコール系溶液の組成等について、以下の表1にまとめる。
実施例1(3層からなる赤外線反射フィルムの製造)
図1に示すスライドコーター(スライド面の傾斜角度;水平方向に対して25度、隣り合う吐出口の距離;8cm、層形成用溶液を光透過性基材へ転位する部位に最も近い吐出口の中心と光透過性基材との距離;10cm)を使用して、製造例1で準備した水系溶液、製造例2で準備したアルコール系溶液、製造例1で準備した水系溶液の順に積層されるように、前記光透過性基材上(コロナ処理をした面上)に同時塗布した。塗工後、120℃のオーブン中で3分間乾燥させることにより、3層からなる透明な赤外線反射フィルムを製造した。各層の厚みは6μm程度であった。
得られた赤外線反射フィルムの断面(下層・中間層部位)を、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、図2に示すように、良好な積層構造が確認された。なお、図3は図2に示す赤外線反射フィルムの断面写真図を模式化したものであり、酸化ケイ素層と酸化チタン層とが高分子成分を挟んで、混ざり合うことなくきれいに分離していることがわかる。
得られた赤外線反射フィルムの層厚、並びに可視光線透過率、赤外線透過率及び密着性の測定結果を表2に示す。
実施例2(3層からなる赤外線反射フィルムの製造)
図1に示すスライドコーター(スライド面の傾斜角度;水平方向に対して25度、隣り合う吐出口の距離;8cm、塗工液を光透過性基材へ転位する部位に最も近い吐出口の中心と光透過性基材との距離;10cm)を使用して、製造例4で準備した水系塗工液、製造例2で準備したアルコール系塗工液、製造例4で準備した水系塗工液の順に積層されるように、前記光透過性基材上(コロナ処理をした面上)に同時塗布した。塗工後、120℃のオーブン中で3分間乾燥させることにより、3層からなる透明な赤外線反射フィルムを製造した。各層の厚みは6μm程度であった。
得られた赤外線反射フィルムの断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、良好な積層構造が確認された。
得られた赤外線反射フィルムの層厚、並びに可視光線透過率、赤外線透過率及び密着性の測定結果を表2に示す。
試験例1(グロー放電発光分光分析法による赤外線反射フィルムの深さ方向の元素定量分析)
実施例2において、製造例2で準備した水系溶液、及び製造例4で準備したアルコール系溶液の2つの溶液のみを使用したこと以外は同様にして、2層からなる赤外線反射フィルムを製造した。
得られた赤外線反射フィルムを、グロー放電発光分光分析装置(株式会社堀場製作所製「GD−Profiler2」)を用い、下記条件によって赤外線反射フィルムの深さ方向の元素定量分析を行った。その結果を図4に示す。図4には、高分子成分由来の炭素元素が、界面領域が存在する深さにおいて、又は上下層それぞれを形成する成分由来の検出信号(つまりケイ素元素のピークとスズ元素のピーク)が接する深さにおいて極大ピークとして存在していることが示されている。なお、その検出ピークの半値全幅は0.1μmであった。
(グロー放電発光分光分析法による分析条件)
○測定装置:「GDS−Profiler2」(株式会社堀場製作所製)
RF電源出力:20W
アルゴンガス圧力:800Pa
アノード径:4mm
パルス電源使用(周波数:25Hz、Duty比:0.1)
測光方式:シンクロ(パルス同期)
(グロー放電発光分光分析における測定元素、測定波長)
炭素(C):156.144nm
ケイ素(Si):288.158nm
スズ(Sn):317.505nm
実施例3(3層からなる赤外線反射フィルムの製造)
図1に示すスライドコーター(スライド面の傾斜角度;水平方向に対して25度、隣り合う吐出口の距離;8cm、塗工液を光透過性基材へ転位する部位に最も近い吐出口の中心と光透過性基材との距離;10cm)を使用して、製造例5で準備した水系塗工液、製造例2で準備したアルコール系塗工液、製造例5で準備した水系塗工液の順に積層されるように、前記光透過性基材上(コロナ処理をした面上)に同時塗布した。塗工後、120℃のオーブン中で3分間乾燥させることにより、3層からなる透明な赤外線反射フィルムを製造した。各層の厚みは6μm程度であった。
得られた赤外線反射フィルムの断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、良好な積層構造が確認された。
得られた赤外線反射フィルムの層厚、並びに可視光線透過率、赤外線透過率及び密着性の測定結果を表2に示す。
比較例1(タンデム塗工方式を利用した赤外線反射フィルムの製造)
基材に製造例1で得た第1層用の水系溶液を塗布した後に80℃で3分乾燥し、次いで、製造例3で得た第2層用のアルコール系溶液を塗布した後に80℃で1分乾燥し、さらに製造例1で得た第3層用の水系溶液を塗布した後に80℃で1分乾燥し、3層からなる透明な赤外線反射フィルムを製造した。
得られた赤外線反射フィルムの層厚、並びに可視光線透過率、赤外線透過率及び密着性の測定結果を表2に示す。
表2より、本発明の赤外線反射フィルムは、透明性及び赤外線反射性能が高く、さらに密着性及び耐久性に優れていることがわかる。
本発明の赤外線反射フィルムは、例えば建物や乗り物(自動車、電車、バス、航空機、船舶等)の窓ガラス用として、さらに農業ハウス用として利用可能である。
1:塗布ヘッド
2:スライド面
3:ロール
4:光透過性基材
A:上層溶液
B:下層溶液

Claims (6)

  1. 光透過性基材上に、屈折率が異なる層が交互に2層以上積層した積層体からなる赤外線反射フィルムであって、隣接する層の波長589nmの光における屈折率差はいずれも0.1〜0.4の範囲であり、且つグロー放電発光分光分析法による深さ方向の元素定量分析において、各層の界面領域が存在する深さに検出ピークが認められる赤外線反射フィルム。
  2. 光透過性基材上に、屈折率が異なる層が交互に2層以上積層した積層体からなる赤外線反射フィルムであって、隣接する層の波長589nmの光における屈折率差はいずれも0.1〜0.4の範囲であり、且つグロー放電発光分光分析法による深さ方向の元素分析において、隣接する層を構成する成分由来の検出信号が接する深さに検出ピークが認められる赤外線反射フィルム。
  3. 前記検出ピークの半値全幅が0.01〜3μmである、請求項1又は2に記載の赤外線反射フィルム。
  4. 前記検出ピークが炭素元素のピークである、請求項1〜3のいずれかに記載の赤外線反射フィルム。
  5. 屈折率が異なる層が交互に奇数層積層し、光透過性基材から1層目の屈折率が2層目の屈折率より高く、且つ最外層の屈折率が、隣り合った層の屈折率よりも高い、請求項1〜4のいずれかに記載の赤外線反射フィルム。
  6. 積層した層のうち少なくとも1層が、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化アンチモン、五酸化タンタル、五酸化ニオブ、酸化ランタン、酸化イットリウム、硫化亜鉛、酸化ルテニウム、酸化イリジウム、酸化亜鉛、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、シリカ(SiO2)、アルミナ、フッ化ランタン、フッ化マグネシウム、六フッ化アルミニウムナトリウム、Al,In,Sn,Sb,Bi,Cu,Ag,Au,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Fe,Co,Ni,Pd,Pt及びこれらの合金から選らばれる少なくとも1種を含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の赤外線反射フィルム。
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