JP2011224785A - 液体噴射ヘッドの製造方法 - Google Patents

液体噴射ヘッドの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2011224785A
JP2011224785A JP2010093760A JP2010093760A JP2011224785A JP 2011224785 A JP2011224785 A JP 2011224785A JP 2010093760 A JP2010093760 A JP 2010093760A JP 2010093760 A JP2010093760 A JP 2010093760A JP 2011224785 A JP2011224785 A JP 2011224785A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
curing
adhesive
bonding
manufacturing
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2010093760A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiko Machida
佳彦 町田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2010093760A priority Critical patent/JP2011224785A/ja
Publication of JP2011224785A publication Critical patent/JP2011224785A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

【課題】脱落して異物となった接着剤による歩留まりの低下を抑えた液体噴射ヘッドの製造方法を得ること。
【解決手段】流路形成基板10と接合基板30とを貼り合せる際に、接着領域103の外部開放端104での接着剤350の硬化が、他の接着領域103の硬化と比較して遅れるように、接着剤350と硬化促進剤410とを、混ぜる。仮硬化工程または本硬化工程を行うことで、接着領域103の外部開放端104での接着剤350の硬化の進み方が他の接着領域103の硬化促進接着剤340と比較して遅れる。その後、貼り合わせた流路形成基板10と接合基板30とをアルカリ洗浄することで、硬化の遅れた接着領域103の外部開放端104の接着剤350が選択的に除去され、脱落して異物となる可能性を少なくできる。したがって、異物となった接着剤35による歩留まりの低下を抑えたインクジェット式記録ヘッド1の製造方法を得ることができる。
【選択図】図8

Description

本発明は、液体噴射ヘッドの製造方法に関し、特にインクを吐出するインクジェット式記録ヘッドの製造方法の接着工程に関する。
インクジェット式記録ヘッドとして、インクを吐出するノズル開口に連通する圧力発生室の列を備えた流路形成基板と、この流路形成基板に設けられた圧電素子側に接着される接合基板とを有する構造が知られている。流路形成基板と接合基板とは接着剤によって接着される。
耐インク性のよいエポキシ樹脂を含んだ接着剤を用い、接着部からはみ出した接着剤に紫外線を照射して硬化させ、被接着部材の位置を固定するインクジェット式記録ヘッドの製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、はみ出した接着剤に紫外線を照射して仮固定し、流路内への接着剤の流れ込み防止のための接着剤の選択的硬化処理を行なう液体吐出ヘッドの製造方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2007−15238号公報(4頁および7頁、図1) 特開2006−327002号公報(6頁、図1)
接着工程において、接着部からの接着剤のはみ出しは少なからず発生し、はみ出した接着剤を積極的に利用する方法は知られている。しかしながら、はみ出した接着剤は数十μm〜数百μm程度の大きさで、後の工程において脱落して異物となり、歩留まりの低下を招く。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
液体を噴射するノズル開口に連通する圧力室を備えた流路形成基板または前記流路形成基板に接着される接合基板のいずれか一方の基板の接着領域にエポキシ樹脂を含んだ接着剤を配置し、前記接着領域の外部開放端の前記接着剤の硬化を遅らせる他方の基板の位置に、硬化調整剤を配置する配置工程と、前記流路形成基板と前記接合基板とを前記接着剤および前記硬化調整剤を介して貼り合せる貼り合せ工程と、前記接着剤を仮硬化させる仮硬化工程と、前記接着剤を本硬化させる本硬化工程と、前記仮硬化工程または前記本硬化工程の少なくとも一方の工程後に、貼り合わせられた前記流路形成基板と前記接合基板とをアルカリ洗浄する洗浄工程とを含むことを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
この適用例によれば、流路形成基板と接合基板とを貼り合せる際に、接着剤と硬化調整剤とが、接着領域の外部開放端での接着剤の硬化が他の接着領域の硬化と比較して遅れるように混ざる。仮硬化工程または本硬化工程を行うことで、接着領域の外部開放端での接着剤の硬化の進み方が他の接着領域と比較して遅れる。その後、貼り合わせられた流路形成基板と接合基板とをアルカリ洗浄することで、接着領域の外部開放端の硬化の遅れた接着剤が選択的に除去され、脱落して異物となる可能性が少なくなる。したがって、脱落して異物となった接着剤による歩留まりの低下を抑えた液体噴射ヘッドの製造方法が得られる。
ここで、接着領域とは、流路形成基板と接合基板とを貼り合せた際に、流路形成基板と接合基板とが接着剤を介して対向する領域をいう。また、接着領域の外部開放端とは、流路形成基板と接合基板とを貼り合せてアルカリ洗浄した際に、アルカリ洗浄がおよぶ接着領域の外部に開放された端をいう。
また、エポキシ樹脂を含む接着剤の場合、貼り合せ時からすでに硬化が始まっているので、仮硬化とは、貼り合わせ時を除いた後から本硬化までの間の硬化状態をいう。
[適用例2]
上記液体噴射ヘッドの製造方法であって、前記配置工程の前記硬化調整剤の配置を印刷によって行うことを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
この適用例では、硬化調整剤の配置を印刷による転写で行なうので、一度に硬化調整剤の配置が行なえ、製造時間の短縮した液体噴射ヘッドの製造方法が得られる。
[適用例3]
上記液体噴射ヘッドの製造方法であって、前記硬化調整剤は酸を含み、配置される前記位置は、前記外部開放端より内側の前記接着領域であることを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
この適用例では、硬化調整剤が酸を含んで接着領域の外部開放端より内側の接着領域に配置されるので、接着領域の外部開放端と比較して内側のエポキシ樹脂を含んだ接着剤の硬化が進む。その後、貼り合わせられた流路形成基板と接合基板とをアルカリ洗浄することで、硬化の遅れた接着領域の外部開放端の接着剤が選択的に除去され、脱落して異物となる可能性が少なくなる。したがって、脱落して異物となった接着剤による歩留まりの低下を抑えた液体噴射ヘッドの製造方法が得られる。
[適用例4]
上記液体噴射ヘッドの製造方法であって、前記酸は酸無水物またはポリアミンのうち少なくとも一つを含むことを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
この適用例では、酸が酸無水物またはポリアミンのうち少なくとも一つを含んでいるので、接着領域の外部開放端と比較して内側の接着剤の硬化がより進む。その後、貼り合わせられた流路形成基板と接合基板とをアルカリ洗浄することで、硬化のより遅れた接着領域の外部開放端の接着剤はより容易に選択的に除去され、脱落して異物となる可能性がより少なくなる。したがって、脱落して異物となった接着剤による歩留まりの低下をより抑えた液体噴射ヘッドの製造方法が得られる。
[適用例5]
上記液体噴射ヘッドの製造方法であって、前記硬化調整剤はアルカリを含み、配置される前記位置は、前記接着領域の前記外部開放端を含む領域であることを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
この適用例では、硬化調整剤がアルカリを含んで接着領域の外部開放端を含む領域に配置されるので、接着領域の外部開放端のエポキシ樹脂を含んだ接着剤の硬化が遅れる。一方、外部開放端の接着剤と比較して、接着領域の外部開放端より内側の接着剤の硬化は進む。その後、貼り合わせられた流路形成基板と接合基板とをアルカリ洗浄することで、硬化の遅れた接着領域の外部開放端の接着剤が選択的に除去され、脱落して異物となる可能性が少なくなる。したがって、脱落して異物となった接着剤による歩留まりの低下を抑えた液体噴射ヘッドの製造方法が得られる。
[適用例6]
上記液体噴射ヘッドの製造方法であって、前記アルカリは、水酸化ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、エタノールアミンのうち少なくとも一つを含むことを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
この適用例では、アルカリが水酸化ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、エタノールアミンのうち少なくとも一つを含んでいるので、アルカリと混合した接着領域の外部開放端での接着剤の硬化が、外部開放端より内側の接着剤と比較してより遅れる。その後、貼り合わせられた流路形成基板と接合基板とをアルカリ洗浄することで、硬化のより遅れた接着領域の外部開放端の接着剤はより容易に選択的に除去され、脱落して異物となる可能性がより少なくなる。したがって、脱落して異物となった接着剤による歩留まりの低下をより抑えた液体噴射ヘッドの製造方法が得られる。
第1実施形態におけるインクジェット式記録装置の一例を示す概略図。 インクジェット式記録ヘッドを示す分解部分斜視図。 (a)は、インクジェット式記録ヘッドの部分平面図。(b)は、(a)におけるA−A断面図。 インクジェット式記録ヘッドの製造方法を示すフローチャート図。 (a)および(b)は振動板の形成工程、(c)は圧電素子の形成工程を示すインクジェット式記録ヘッドの部分断面図。 (d)は圧電素子の形成工程、(e)はリード電極の形成工程、(f)は接合基板の接着工程を示すインクジェット式記録ヘッドの部分断面図。 (g)、(h)および(i)は接合基板の接着工程を示す部分断面図。 (j)、(k)および(l)は接合基板の接着工程を示す部分断面図。 (m)は接合基板の接着工程を、(n)および(o)は流路形成基板のエッチング工程を示すインクジェット式記録ヘッドの部分断面図。 (p)および(q)は流路形成基板のエッチング工程を示すインクジェット式記録ヘッドの部分断面図。 第2実施形態におけるインクジェット式記録ヘッドの製造方法を示すフローチャート図。 (f−2)、(g−2)および(h−2)は接合基板の接着工程を示すインクジェット式記録ヘッドの部分断面図。 (i−2)、(j−2)および(k−2)は接合基板の接着工程を示すインクジェット式記録ヘッドの部分断面図。 (l−2)および(m−2)は接合基板の接着工程を示すインクジェット式記録ヘッドの部分断面図。
以下、実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態における液体噴射ヘッドとしてのインクジェット式記録ヘッド1を備えた液体噴射装置としてのインクジェット式記録装置1000の一例を示す概略図である。
図1において、インクジェット式記録装置1000は、記録ヘッドユニット1Aおよび1Bを備えている。記録ヘッドユニット1Aおよび1Bには、インク供給手段を構成するカートリッジ2Aおよび2Bが着脱可能に設けられている。
また、記録ヘッドユニット1Aおよび1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。
記録ヘッドユニット1Aおよび1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物およびカラーインク組成物を吐出する。記録ヘッドユニット1Aおよび1Bを搭載したキャリッジ3は、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、キャリッジ軸5に沿って移動する。
一方、装置本体4には、キャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラー等により給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8上を搬送される。
記録ヘッドユニット1Aおよび1Bは、インクジェット式記録ヘッド1を記録シートSに対向する位置に備えている。
図2に、インクジェット式記録ヘッド1を示す分解部分斜視図を示した。インクジェット式記録ヘッド1の形状は略直方体であり、図2は、インクジェット式記録ヘッド1の長手方向(図中の白抜き矢印方向)に直交する面で切断した分解部分斜視図である。
図3(a)には、インクジェット式記録ヘッド1の部分平面図を、(b)には、そのA−A断面図を示した。
図2および図3において、インクジェット式記録ヘッド1は、流路形成基板10とノズルプレート20と接合基板30とコンプライアンス基板40と駆動IC200とを備えている。
流路形成基板10とノズルプレート20と接合基板30とは、流路形成基板10をノズルプレート20と接合基板30とで挟むように積み重ねられ、接合基板30上には、コンプライアンス基板40が形成されている。また、接合基板30上には、駆動IC200が載せられている。
流路形成基板10は、面方位(110)のシリコン単結晶板からなり、流路形成基板10には、複数の圧力室12が列をなすように形成されている。圧力室12のインクジェット式記録ヘッド1の長手方向に直交する断面形状は台形状で、圧力室12は、インクジェット式記録ヘッド1の幅方向に長く形成されている。
また、流路形成基板10の圧力室12の幅方向の一方端にはインク供給路13が形成され、インク供給路13と各圧力室12とが、圧力室12毎に設けられた連通部14を介して連通している。連通部14は、圧力室12よりも狭い幅で形成されており、連通部14から圧力室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。
ノズルプレート20には、各圧力室12のインク供給路13とは反対側の端部近傍に連通するノズル開口21が穿設されている。
なお、ノズルプレート20は、厚さが例えば、0.01mm〜1mmで、ガラスセラミックス、シリコン単結晶基板または不錆鋼等からなる。
流路形成基板10とノズルプレート20とは、接着剤や熱溶着フィルム等によって固着されている。
流路形成基板10のノズルプレート20が固着された面と対向する面には、弾性膜50が形成されている。弾性膜50は、酸化シリコンを含む膜からなる。
また、流路形成基板10の弾性膜50上には、酸化膜からなる絶縁体膜51が形成されている。さらに、この絶縁体膜51上には、下電極60と、ペロブスカイト構造の圧電体70と、上電極80とが形成され、圧電素子300を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極60、圧電体70および上電極80を含む部分をいう。
一般的には、圧電素子300のいずれか一方の電極を共通電極とし、他方の電極および圧電体70を圧力室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされたいずれか一方の電極および圧電体70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部という。
なお、本実施形態では、下電極60を圧電素子300の共通電極とし、上電極80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。いずれの場合においても、圧力室12毎に圧電体能動部が形成されていることになる。また、ここでは、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる弾性膜50および絶縁体膜51(2膜合わせて振動板53という)とを合わせて圧電アクチュエーターと称する。ここで、絶縁体膜51は、振動板53の一部として必ずしも形成されている必要はない。
図2および図3において、このような各圧電素子300を構成する上電極80には、上電極用のリード電極90が接続されている。
圧電素子300が形成された流路形成基板10上には、圧電素子300を駆動するための駆動IC200が実装される接合基板30が接着剤35を介して接着されている。接着剤35の厚みは数μm程度である。
接合基板30は、圧電素子300に対向する領域に、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を確保した状態で、その空間を密封可能な圧電素子保持部32を有する。圧電素子保持部32は、圧力室12の列に対応して設けられている。
なお、本実施形態では、圧電素子保持部32は、圧力室12の列に対応する領域に一体的に設けられているが、圧電素子300毎に独立して設けられていてもよい。
接合基板30の材料としては、例えば、ガラス、セラミックス材料、金属、樹脂等が挙げられるが、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料で形成されていることがより好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成する。
接合基板30が接着される振動板53には、圧電素子300と同じ層構造を有する段差調整部310および320が形成されている。
段差調整部310は、インク供給路13と圧電素子300との間の位置に、段差調整部320は、インク供給路13を挟んで段差調整部310と対向する位置に形成されている。
また、接合基板30には、流路形成基板10のインク供給路13に対応する領域にリザーバ部31が設けられている。このリザーバ部31は、接合基板30を厚さ方向に圧力室12の列に沿って設けられており、流路形成基板10のインク供給路13と貫通孔52によって連通されて各圧力室12の共通のインク室となるマニホールド100を構成している。
接着剤35には、はみ出し部353と凹部354とが形成されている。はみ出し部353は、圧電素子保持部32内にはみ出して形成されている。一方、凹部354は、リザーバ部31と外部に面した部分に形成されている。
流路形成基板10と接合基板30とが接着剤35および凹部354を介して対向する領域を接着領域103という。また、接着領域103の外部開放端104とは、接着領域103の凹部354が形成されている端をいう。
接合基板30上には、図示しない外部配線が接続されて駆動信号が供給される配線パターンが設けられている。そして、配線パターン上に、各圧電素子300を駆動するための半導体集積回路(IC)である駆動IC200がそれぞれ実装されている。
駆動信号は、例えば、駆動電源信号等の駆動ICを駆動させるための駆動系信号のほか、シリアル信号(SI)等の各種制御系信号を含み、配線パターンは、それぞれの信号が供給される複数の配線で構成される。
下電極60は、圧力室12の長手方向では圧力室12に対向する領域内に形成され、複数の圧力室12に対応する領域に連続的に設けられている。また、下電極60は、圧力室12の列の外側まで延設されている。
上電極80の一端部近傍にはリード電極90が接続されている。そして、駆動IC200と各圧電素子300から延設されたリード電極90とは、例えば、ボンディングワイヤー等の導電性ワイヤーからなる接続配線220によってそれぞれ電気的に接続されている。また、同様に、駆動IC200と下電極60とは、図示しない接続配線によって電気的に接続されている。
さらに、接合基板30上には、封止膜41および固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚さが6μmのポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム)からなり、この封止膜41によってリザーバ部31の一方面が封止されている。また、固定板42は、金属等の硬質の材料(例えば、厚さが30μmのステンレス鋼(SUS)等)で形成される。この固定板42のマニホールド100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、マニホールド100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみである。
以下に、インクジェット式記録ヘッド1の製造方法について、流路形成基板10と接合基板30との接着工程を中心に述べる。図4に、本実施形態におけるインクジェット式記録ヘッド1の製造方法を示すフローチャート図を示した。
図4において、インクジェット式記録ヘッド1の製造方法は、接合基板の接着工程を含み、接合基板の接着工程は、配置工程として硬化促進剤配置工程のステップ1(S1)と貼り合せ工程としてのステップ2(S2)と仮硬化工程としてのステップ3(S3)と洗浄工程としてのステップ4(S4)と本硬化工程としてのステップ5(S5)とを含む。
図5〜図10に、各工程におけるインクジェット式記録ヘッド1の長手方向の部分断面図を示した。インクジェット式記録ヘッド1は、ウェハー状態で複数のインクジェット式記録ヘッド1を形成した後に各インクジェット式記録ヘッド1を切り離すことによって得られる。図5〜図10は、インクジェット式記録ヘッド1の形成過程における断面図の一部を示したものである。
図5(a)および図5(b)に、振動板の形成工程を、図5(c)および図6(d)は圧電素子の形成工程を、図6(e)はリード電極の形成工程を、図6(f)〜図9(m)は接合基板の接着工程を、図9(n)〜図10(q)は流路形成基板の加工工程を表している。
図5(a)において、振動板の形成工程では、複数の流路形成基板10が形成される流路形成基板10を約1100℃の拡散炉で熱酸化し、その表面に二酸化シリコンを含む弾性膜50を形成する。例えば、流路形成基板10として、膜厚が約625μmと比較的厚く剛性の高いシリコンウェハーを用いることができる。
図5(b)において、振動板の形成工程では、流路形成基板10の片面側の弾性膜50上に、酸化ジルコニウム(ZrO2)からなる絶縁体膜51を形成する。具体的には、弾性膜50上に、例えば、スパッタリング法等によりジルコニウム(Zr)層を形成後、このジルコニウム層を、例えば、500℃〜1200℃の拡散炉で熱酸化することにより酸化ジルコニウムからなる絶縁体膜51を形成する。弾性膜50と絶縁体膜51とで振動板53が形成される。
図5(c)において、圧電素子の形成工程では、白金等の金属やルテニウム酸ストロンチウム等の金属酸化物を絶縁体膜51上に積層することにより、下電極60を形成する。
具体的には、まず、イリジウム等を含む層を形成し、次いで白金等を含む層を形成し、さらにイリジウム等を含む層を形成する。下電極60を構成する各層は、それぞれイリジウムまたは白金を絶縁体膜51の表面にスパッタ法等で付着させて形成する。その後、この下電極60を所定形状にパターニングする。
図6(d)において、圧電素子の形成工程では、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等からなる圧電体層700と、例えば、Au、Ir等の金属からなる上電極膜800とを流路形成基板10の全面に形成する。その後、圧電体層700および上電極膜800をパターニングして、圧電体70および上電極80を備えた圧電素子300を形成する。このとき、段差調整部310,320も同時に形成する。
なお、圧電素子300を構成する圧電体70の材料としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の強誘電性圧電性材料や、これにニオブ、ニッケル、マグネシウム、ビスマス又はイットリウム等の金属を添加したリラクサ強誘電体等が用いられる。その組成は、圧電素子300の特性、用途等を考慮して適宜選択すればよいが、例えば、PbTiO3(PT)、PbZrO3(PZ)、Pb(ZrxTi1-x)O3(PZT)、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−PbTiO3(PMN−PT)、Pb(Zn1/3Nb2/3)O3−PbTiO3(PZN−PT)、Pb(Ni1/3Nb2/3)O3−PbTiO3(PNN−PT)、Pb(In1/2Nb1/2)O3−PbTiO3(PIN−PT)、Pb(Sc1/2Ta1/2)O3−PbTiO3(PST−PT)、Pb(Sc1/2Nb1/2)O3−PbTiO3(PSN−PT)、BiScO3−PbTiO3(BS−PT)、BiYbO3−PbTiO3(BY−PT)等が挙げられる。
また、圧電体70の形成方法は、特に限定されないが、例えば、実施形態では、金属有機物を触媒に溶解・分散したいわゆるゾルを塗布乾燥してゲル化し、さらに高温で焼成することで金属酸化物からなる圧電体70を得る、いわゆるゾル−ゲル法を用いて圧電体70を形成した。
図6(e)において、リード電極の形成工程では、上電極用のリード電極膜900を流路形成基板10の全面に形成する。その後、圧電素子300ごとに、リード電極90が1つになるようにパターニングする。
ここで、リード電極90を構成する主材料としては、比較的導電性の高い材料であれば特に限定されず、例えば、金、アルミニウム、銅が挙げられ、実施形態では金を用いている。
以下、接合基板の接着工程について詳しく説明する。図6(f)、図7(g)および図7(h)に硬化促進剤配置工程(S1)を示した。
図6(f)において、硬化調整剤としての硬化促進剤400をスタンプ500に塗布する。硬化促進剤400は酸を含み、酸としては、例えば、酸無水物またはポリアミンのうち少なくとも一つを含むのが好ましい。
スタンプ500には、硬化促進剤400を配置する場所に凸部510が形成されている。硬化促進剤400を配置する場所は、図3に示した流路形成基板10の接着領域103の外部開放端104より内側の領域である。
図6(f)には、流路形成基板10に接着される複数の接合基板30となる接合基板30の位置と接着領域103と外部開放端104とを2点鎖線で示した。
硬化促進剤400はスタンプ500の全面に塗布してもよいし、凸部510にのみ塗布してもよい。
図7(g)および図7(h)において、スタンプ500を流路形成基板10に向けて押し付ける。凸部510の硬化促進剤400は、流路形成基板10上のリード電極90、段差調整部310,320等に硬化促進剤410として転写、配置される。
図7(i)において、貼り合せ工程(S2)では、接合基板30に、接着剤350を塗布、転写等する。ここで、この接合基板30には、リザーバ部31、圧電素子保持部32等が予め形成されている。なお、接合基板30は、例えば、400μm程度の厚さを有するシリコンウェハーであり、接合基板30を接着することで流路形成基板10の剛性は著しく向上することになる。
図8(j)において、貼り合せ工程(S2)では、接合基板30を、接着剤350を介して流路形成基板10に貼り合せる。このとき、接着剤350は広がってはみ出す。また、硬化促進剤410の配置された部分で、接着剤350と硬化促進剤410とが混ざり合い、硬化促進接着剤340になる。
図8(k)において、仮硬化工程(S3)では、仮硬化を行い、接着剤350を仮硬化接着剤351とする。エポキシ接着剤の場合、貼り合せ時から硬化が始まるので、仮硬化とは、貼り合わせ時を除いた後から本硬化までの仮硬化状態をいう。
仮硬化の条件としては、例えば、70℃〜90℃で10分から2時間の加熱が挙げられる。
図8(j)に示した硬化促進接着剤340の部分では、仮硬化接着剤351と比較して硬化が進み、硬化接着剤352となる。硬化接着剤352は、本硬化まで進んだ接着剤だけでなく、仮硬化接着剤351と比較して硬化が進んでいればよい。
図8(l)において、洗浄工程(S4)では、容器1100に入れられたアルカリ薬液L1で洗浄を行なう。洗浄によって、アルカリ薬液L1と接している硬化の進んでいない仮硬化接着剤351は除去され、凹部354が形成される。
図3、図6(f)に示した接着領域103の外部開放端104は、流路形成基板10と接合基板30とを貼り合せてアルカリ洗浄した際に、アルカリ薬液L1が接触する接着領域103の外部に開放された端である。
図8(l)において、図は、流路形成基板10および接合基板30の一部を示しているので、実際には、段差調整部320の接着領域103の右端はアルカリ薬液L1に接していない。
図9(m)において、本硬化工程(S5)では、接着剤の本硬化を行う。本硬化の条件としては、例えば、120℃〜150℃で2時間から6時間の加熱が挙げられる。
ここで、洗浄工程(S4)で残った仮硬化接着剤351および硬化接着剤352が本硬化し、はみ出し部353を含む接着剤35となる。
図9(n)において、流路形成基板の加工工程では、流路形成基板10をある程度の厚さとなるまで研磨した後、さらに弗化硝酸によってウェットエッチングすることにより流路形成基板10を所定の厚みにする。例えば、実施形態では、研磨およびウェットエッチングによって、流路形成基板10を、約70μmの厚さとなるように加工する。
図9(o)において、流路形成基板の加工工程では、流路形成基板10上に、例えば、窒化シリコン(SiN)からなるマスク膜54を新たに形成し、所定形状にパターニングする。
図10(p)において、流路形成基板の加工工程では、このマスク膜54を介して流路形成基板10を異方性エッチング(ウェットエッチング)して、流路形成基板10に圧力室12、連通部14およびインク供給路13等を形成する。
具体的には、流路形成基板10を、例えば、水酸化カリウム(KOH)水溶液等のエッチング液によって弾性膜50が露出するまでエッチングすることより、圧力室12、連通部14およびインク供給路13を同時に形成する。
図10(q)において、流路形成基板の加工工程では、弾性膜50と絶縁体膜51とからなる振動板53をインク供給路13側からウェットエッチングすることによって除去して貫通孔52を形成する。リザーバ部31とインク供給路13とは、貫通孔52によって連通されてマニホールド100を構成する。
次に、流路形成基板10表面のマスク膜54を除去する。
マニホールド100を形成した後は、駆動IC200を実装すると共に、駆動IC200とリード電極90とを接続配線220によって接続する(図3参照)。
その後、流路形成基板10および接合基板30の外周縁部の不要部分を、例えば、ダイシング等により切断することによって除去する。そして、流路形成基板10の接合基板30とは反対側の面にノズル開口21が穿設されたノズルプレート20を接着すると共に、接合基板30に、可撓性を有する弾性膜としての封止膜41と、SUS等の金属材料からなる押さえ基板としての固定板42とが積層されたコンプライアンス基板40を接合する。
これら流路形成基板10等を、図2に示すような1つのチップサイズの流路形成基板10等に分割することによって、上述した構造のインクジェット式記録ヘッド1が製造される。
このような本実施形態によれば、以下の効果がある。
(1)流路形成基板10と接合基板30とを貼り合せる際に、接着領域103の外部開放端104での接着剤350の硬化が他の接着領域103の硬化と比較して遅れるように、接着剤350と硬化調整剤としての硬化促進剤400とを、混ぜる。仮硬化工程(S3)または本硬化工程(S5)を行うことで、接着領域103の外部開放端104での接着剤350の硬化の進み方が他の接着領域103の硬化促進接着剤340と比較して遅れる。その後、貼り合わせられた流路形成基板10と接合基板30とをアルカリ洗浄することで、接着領域103の外部開放端104の硬化の遅れた接着剤350が選択的に除去され、脱落して異物となる可能性を少なくできる。したがって、脱落して異物となった接着剤35による歩留まりの低下を抑えたインクジェット式記録ヘッド1の製造方法を得ることができる。
(2)硬化促進剤400の配置をスタンプ500による転写で行なうので、一度に硬化促進剤400の配置を行なうことができ、製造時間の短縮したインクジェット式記録ヘッド1の製造方法を得ることができる。
(3)硬化促進剤400が酸を含んで接着領域103の外部開放端104より内側の接着領域103に配置されるので、接着領域103の外部開放端104と比較して内側のエポキシ樹脂を含んだ硬化促進接着剤340の硬化が進む。その後、貼り合わせられた流路形成基板10と接合基板30とをアルカリ洗浄することで、硬化の遅れた接着領域103の外部開放端104の接着剤350が選択的に除去され、脱落して異物となる可能性を少なくできる。したがって、脱落して異物となった接着剤35による歩留まりの低下を抑えたインクジェット式記録ヘッド1の製造方法を得ることができる。
(4)酸が酸無水物またはポリアミンのうち少なくとも一つを含んでいるので、接着領域103の外部開放端104と比較して内側の硬化促進接着剤340の硬化がより進む。その後、貼り合わせられた流路形成基板10と接合基板30とをアルカリ洗浄することで、硬化のより遅れた接着領域103の外部開放端104の接着剤350はより容易に選択的に除去され、脱落して異物となる可能性をより少なくできる。したがって、脱落して異物となった接着剤35による歩留まりの低下をより抑えたインクジェット式記録ヘッド1の製造方法を得ることができる。
(第2実施形態)
本実施形態と第1実施形態とは、接着工程が異なり、他の工程は第1実施形態と同様の工程で行なうことができる。
図11は、本実施形態におけるインクジェット式記録ヘッド1の製造方法を示すフローチャート図である。
図12(f−2)〜図14(m−2)は、本実施形態における接着工程を示す部分断面図である。これらの図は、第1実施形態の図6(f)〜図9(m)に相当する。
図11において、本実施形態におけるインクジェット式記録ヘッド1の製造方法は、接合基板の接着工程を含み、接合基板の接着工程は、配置工程として硬化抑制剤配置工程のステップ1(S1)と貼り合せ工程としてのステップ2(S2)と仮硬化工程としてのステップ3(S3)と洗浄工程としてのステップ4(S4)と本硬化工程としてのステップ5(S5)とを含む。
図12(f−2)、図12(g−2)および図12(h―2)に硬化抑制剤配置工程(S1)を示した。
図12(f−2)において、硬化調整剤としての硬化抑制剤600をスタンプ550に塗布する。硬化抑制剤600はアルカリを含み、アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、エタノールアミンのうち少なくとも一つを含むのが好ましい。
スタンプ550には、硬化抑制剤600を配置する場所に凸部560が形成されている。硬化抑制剤600を配置する場所は、図3に示した流路形成基板10の接着領域103の外部開放端104を含む領域である。
図12(f−2)には、流路形成基板10と流路形成基板10に接着される接合基板30との位置と接着領域103と外部開放端104とを2点鎖線で示した。
硬化抑制剤600はスタンプ550の全面に塗布してもよいし、凸部560にのみ塗布してもよい。
図12(g−2)および図12(h−2)において、スタンプ550を流路形成基板10に押し付ける。凸部560の硬化抑制剤600は、流路形成基板10上のリード電極90、段差調整部310,320等に硬化抑制剤610として転写、配置される。
図13(i−2)において、貼り合せ工程(S2)では、接合基板30に、接着剤350を塗布、転写等する。ここで、この接合基板30には、リザーバ部31、圧電素子保持部32等が予め形成されている。なお、接合基板30は、例えば、400μm程度の厚さを有するシリコンウェハーであり、接合基板30を接着することで流路形成基板10の剛性は著しく向上することになる。
図13(j−2)において、貼り合せ工程(S2)では、接合基板30を、接着剤350を介して流路形成基板10に貼り合せる。このとき、接着剤350は広がってはみ出す。また、硬化抑制剤610の配置された部分で、接着剤350と硬化抑制剤610とが混ざり合い、硬化抑制接着剤355になる。
図13(k−2)において、仮硬化工程(S3)では、図13(j−2)に示した硬化抑制接着剤355の部分では、仮硬化接着剤351と比較して硬化が遅れる。硬化抑制接着剤355は、本硬化まで進んだ接着剤だけでなく、仮硬化接着剤351と比較して硬化が遅れていればよい。
図14(l−2)において、洗浄工程(S4)では、容器1100に入れられたアルカリ薬液L1で洗浄を行なう。洗浄によって、アルカリ薬液L1と接している硬化の進んでいない硬化抑制接着剤355は除去され、凹部354が形成される。
図14(m−2)において、本硬化工程(S5)では、接着剤の本硬化を行う。本硬化の条件としては、例えば、第1実施形態と同様に、120℃〜150℃で2時間から6時間の加熱が挙げられる。
ここで、洗浄工程(S4)で残った仮硬化接着剤351が硬化し、はみ出し部353を含む接着剤35となる。
このような本実施形態によれば、以下の効果がある。
(5)硬化抑制剤600がアルカリを含んで接着領域103の外部開放端104を含む領域に配置されるので、接着領域103の外部開放端104のエポキシ樹脂を含んだ硬化抑制接着剤355の硬化が遅れる。一方、外部開放端104の硬化抑制接着剤355と比較して、接着領域103の外部開放端104より内側の接着剤350の硬化は進む。その後、貼り合わせられた流路形成基板10と接合基板30とをアルカリ洗浄することで、硬化の遅れた接着領域103の外部開放端104の硬化抑制接着剤355が選択的に除去され、脱落して異物となる可能性を少なくできる。したがって、脱落して異物となった接着剤35による歩留まりの低下を抑えたインクジェット式記録ヘッド1の製造方法を得ることができる。
(6)アルカリが水酸化ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、エタノールアミンのうち少なくとも一つを含んでいるので、アルカリと混合した接着領域103の外部開放端104での硬化抑制接着剤355の硬化が、外部開放端104より内側の接着剤350と比較してより遅れる。その後、貼り合わせられた流路形成基板10と接合基板30とをアルカリ洗浄することで、硬化のより遅れた接着領域103の外部開放端104の硬化抑制接着剤355はより容易に選択的に除去され、脱落して異物となる可能性をより少なくできる。したがって、脱落して異物となった接着剤35による歩留まりの低下をより抑えたインクジェット式記録ヘッド1の製造方法を得ることができる。
以上述べた工程の変更以外にも、種々の変更を行うことが可能である。
例えば、上述の実施形態では、接合基板として圧電素子保持部32を有する接合基板30を例示したが、接合基板は、駆動ICが実装される基板であれば特に限定されるものではない。
また、上述した実施形態では、凸部に硬化調整剤を乗せる凸版であったが、スクリーン印刷であってもよい。
圧力室の圧力を変化させる圧力発生手段は、圧電素子によるものに限らない。例えば、熱により圧力室に気泡を発生させて圧力室の圧力を上昇させてもよい。
圧電素子の撓み振動の他に、伸縮振動を利用して圧力室内の圧力を変化させてもよい。
また、上述した実施形態においては、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを説明したが、液体噴射ヘッドの基本的構成は上述したものに限定されるものではない。広く液体噴射ヘッドの全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射するものにも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
1…液体噴射ヘッドとしてのインクジェット式記録ヘッド、10…流路形成基板、12…圧力室、21…ノズル開口、30…接合基板、31…リザーバ部、35…エポキシ樹脂を含んだ接着剤、50…弾性膜、51…絶縁体膜、53…振動板、60…下電極、70…圧電体、80…上電極、103…接着領域、104…外部開放端、300…圧電素子、350…接着剤、400,410…硬化調整剤としての硬化促進剤、600,610…硬化調整剤としての硬化抑制剤、L1…薬液。

Claims (6)

  1. 液体を噴射するノズル開口に連通する圧力室を備えた流路形成基板または前記流路形成基板に接着される接合基板のいずれか一方の基板の接着領域にエポキシ樹脂を含んだ接着剤を配置し、前記接着領域の外部開放端の前記接着剤の硬化を遅らせる他方の基板の位置に、硬化調整剤を配置する配置工程と、
    前記流路形成基板と前記接合基板とを前記接着剤および前記硬化調整剤を介して貼り合せる貼り合せ工程と、
    前記接着剤を仮硬化させる仮硬化工程と、
    前記接着剤を本硬化させる本硬化工程と、
    前記仮硬化工程または前記本硬化工程の少なくとも一方の工程後に、貼り合わせられた前記流路形成基板と前記接合基板とをアルカリ洗浄する洗浄工程とを含む
    ことを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
  2. 請求項1に記載の液体噴射ヘッドの製造方法において、
    前記配置工程の前記硬化調整剤の配置を印刷によって行う
    ことを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の液体噴射ヘッドの製造方法において、
    前記硬化調整剤は酸を含み、配置される前記位置は、前記外部開放端より内側の前記接着領域である
    ことを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
  4. 請求項3に記載の液体噴射ヘッドの製造方法において、
    前記酸は酸無水物またはポリアミンのうち少なくとも一つを含む
    ことを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
  5. 請求項1または請求項2に記載の液体噴射ヘッドの製造方法において、
    前記硬化調整剤はアルカリを含み、配置される前記位置は、前記接着領域の前記外部開放端を含む領域である
    ことを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
  6. 請求項5に記載の液体噴射ヘッドの製造方法において、
    前記アルカリは、水酸化ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、エタノールアミンのうち少なくとも一つを含む
    ことを特徴とする液体噴射ヘッドの製造方法。
JP2010093760A 2010-04-15 2010-04-15 液体噴射ヘッドの製造方法 Withdrawn JP2011224785A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010093760A JP2011224785A (ja) 2010-04-15 2010-04-15 液体噴射ヘッドの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010093760A JP2011224785A (ja) 2010-04-15 2010-04-15 液体噴射ヘッドの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011224785A true JP2011224785A (ja) 2011-11-10

Family

ID=45040778

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010093760A Withdrawn JP2011224785A (ja) 2010-04-15 2010-04-15 液体噴射ヘッドの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011224785A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014223802A (ja) * 2013-05-14 2014-12-04 ゼロックス コーポレイションXerox Corporation 高密度印刷ヘッド中の印刷ヘッド構造を製造するための中間部のエポキシ接着剤を結合させるプロセス
JP2015033829A (ja) * 2013-08-09 2015-02-19 セイコーエプソン株式会社 流路ユニット、液体噴射ヘッド、液体噴射装置、流路ユニットの製造方法
JP2017024205A (ja) * 2015-07-17 2017-02-02 セイコーエプソン株式会社 接合体、接合方法および電子機器
JP2021024956A (ja) * 2019-08-06 2021-02-22 ジャパンマリンユナイテッド株式会社 構造物の接着方法及び接着構造

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014223802A (ja) * 2013-05-14 2014-12-04 ゼロックス コーポレイションXerox Corporation 高密度印刷ヘッド中の印刷ヘッド構造を製造するための中間部のエポキシ接着剤を結合させるプロセス
JP2015033829A (ja) * 2013-08-09 2015-02-19 セイコーエプソン株式会社 流路ユニット、液体噴射ヘッド、液体噴射装置、流路ユニットの製造方法
JP2017024205A (ja) * 2015-07-17 2017-02-02 セイコーエプソン株式会社 接合体、接合方法および電子機器
JP2021024956A (ja) * 2019-08-06 2021-02-22 ジャパンマリンユナイテッド株式会社 構造物の接着方法及び接着構造
JP7320399B2 (ja) 2019-08-06 2023-08-03 ジャパンマリンユナイテッド株式会社 構造物の接着方法及び接着構造

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4258668B2 (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP5115330B2 (ja) 液体噴射ヘッドおよびそれを備えた液体噴射装置
JP2009016625A (ja) アクチュエータ、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2006255972A (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2006198996A (ja) 液体噴射ヘッド及びその製造方法並びに液体噴射装置
JP2011224785A (ja) 液体噴射ヘッドの製造方法
JP4858670B2 (ja) アクチュエータ装置の製造方法及び液体噴射装置
JP5581781B2 (ja) 圧電アクチュエーターの製造方法
JP2009051104A (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2010221434A (ja) 液体噴射ヘッド及びその製造方法並びに液体噴射装置
JP2009029012A (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP4645024B2 (ja) アクチュエータ装置の製造方法
JP4623287B2 (ja) 液体噴射ヘッド及びその製造方法並びに液体噴射装置
JP2009061729A (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2010173197A (ja) 液体噴射ヘッド、液体噴射装置、アクチュエーター装置及び液体噴射ヘッドの製造方法
JP2010228272A (ja) 液体噴射ヘッドの製造方法、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2009226744A (ja) 液体噴射ヘッド、液体噴射装置および液体噴射ヘッドの製造方法
JP2009190349A (ja) 液体噴射ヘッドの製造方法
JP2007296659A (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2005219243A (ja) 液体噴射ヘッドの製造方法及び液体噴射ヘッド
JP2010017856A (ja) 液体噴射ヘッド、それを備えた液体噴射装置およびノズルの交換方法
JP2005153242A (ja) 液体噴射ヘッドの製造方法
JP5690476B2 (ja) 液体噴射ヘッドの製造方法、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2011213036A (ja) 液体噴射ヘッドの製造方法
JP2006205427A (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20130702