外枠1は、図1に示すように、複数の木材を前面および後面のそれぞれが開口する四角筒状に接合することから構成されたものであり、外枠1の前方には、図2に示すように、内枠2が上下方向へ指向する軸3を中心に回動可能に装着されている。この内枠2は縦長な四角環状をなすものであり、左板部と右板部と上板部と下板部を有している。この内枠2は外枠1の前端面に前方から接触する閉鎖状態および外枠1の前端面から前方へ離間する開放状態相互間で軸3を中心に回動操作されるものであり、内枠ロック機構を介して閉鎖状態にロックされている。この内枠2の下端部には台板部4が形成されている。この台板部4は垂直な板状をなすものであり、内枠2の下端部を閉鎖している。
内枠2には、図1に示すように、内枠2の前方に位置して前枠5が装着されている。この前枠5は内枠2の前面を閉鎖する閉鎖状態および内枠2の前面を開放する開放状態相互間で内枠2と共通の軸3を中心に回動操作されるものであり、前枠ロック機構を介して閉鎖状態にロックされている。この前枠5には円形状の貫通孔6が形成されており、貫通孔6の内周面には透明な窓7が固定されている。この前枠5には前枠5の前方に位置して上皿8が固定されている。この上皿8は上面が開口する容器状をなすものであり、内枠2の台板部4には、図2に示すように、上皿8の後方に位置して払出口9が形成されている。この払出口9は遊技球を上皿8内に賞品として払出すものであり、払出口9から上皿8内に払出された遊技球は上皿8内に貯留される。
内枠2には、図1に示すように、上皿8の下方に位置して下皿板10が固定されており、下皿板10には下皿11が固定されている。この下皿11は上皿8内から溢れた遊技球を貯留するものであり、上面が開口する容器状をなしている。この下皿板10には下皿11の右方に位置してハンドル台12が固定されており、ハンドル台12にはハンドル13が装着されている。このハンドル13は遊技者が右の手指で操作するものであり、発射停止位置および発射停止位置に比べて時計回り方向の操作限度位置相互間で前後方向へ指向する軸14を中心に回動可能にされている。ハンドル台12の内部にはハンドルセンサ15が固定されている。このハンドルセンサ15は可変抵抗器からなるものであり、ハンドル13の発射停止位置を基準とする時計回り方向の操作位置に応じて抵抗値が変化する。
内枠2の台板部4には、図3に示すように、発射ソレノイド16が固定されており、発射ソレノイド16の出力軸には打球槌が連結されている。この発射ソレノイド16は電磁ソレノイドおよびリターンスプリングを内蔵するロータリーソレノイドからなるものであり、打球槌は発射ソレノイド16が電気的なオフ状態からオン状態になることで電磁力で待機位置から打球位置に往動し、発射ソレノイド16が電気的なオン状態からオフ状態になることでリターンスプリングのばね力で打球位置から待機位置に復動する。
発射ソレノイド16は電源回路に接続されている。この電源回路はハンドル13の発射停止位置で発射ソレノイド16に駆動電源を与えないオフ状態になり、ハンドル13が発射停止位置から時計回り方向に操作されている状態で発射ソレノイド16にパルス状の駆動電源を一定周期で与えるオン状態になるものであり、電源回路のオン状態では発射ソレノイド16のオンオフが一定周期で繰返されることで打球槌が待機位置および打球位置相互間で往復動を繰返す。この電源回路はオン状態で駆動電源の大きさをハンドルセンサ15の抵抗値に応じて調整するものであり、駆動電源の大きさはハンドル13の発射停止位置を基準とする時計回り方向への操作量が大きくなることに応じて大きくなり、打球槌が待機位置から打球位置に移動するときの勢いはハンドル13の発射停止位置を基準とする時計回り方向への操作量が大きくなることに応じて強くなる。
内枠2の台板部4には、図3に示すように、発射レール17が固定されている。この発射レール17は右から左に向けて上昇する傾斜状をなすものであり、発射レール17の右端部には球止め板18が固定されている。この球止め板18には遊技球が通過することが不能な大きさの貫通孔が形成されており、打球槌の打球位置では打球槌の一部が球止め板18の貫通孔を通して発射レール17上に進入し、打球槌の待機位置では打球槌の一部が発射レール17上から右方へ退避する。この発射レール17は打球槌が打球位置から待機位置に向けて移動開始することに連動して上皿8内から1個の遊技球が移送されるものであり、球止め板18は上皿8内から発射レール17上に移送された遊技球が発射レール17の右端部から転落することを防止する。打球槌は待機位置から打球位置に往動することで球止め板18が支持する遊技球を球止め板18の貫通孔を通して右から左に向けて叩くことで同方向へ転動させものであり、打球槌が発射レール17上の遊技球を叩く打力はハンドル13の発射停止位置を基準とする時計回り方向への操作量が大きくなることに応じて強くなる。
内枠2には、図3に示すように、台板部4の上方に位置して遊技盤19が固定されている。この遊技盤19は垂直な板状をなすものであり、遊技盤19には遊技盤19の前方に位置して内レール20と外レール21と球止めゴム22が固定されている。内レール20は上面が開口する円弧状の金属板から構成されたものであり、外レール21は内レール20の外周部に配置された円弧状の金属板から構成されたものであり、球止めゴム22は内レール20の右端部および外レール21の右端部相互間の隙間を塞ぐゴムから構成されている。これら内レール20および外レール21相互間には発射通路23が形成されている。この発射通路23は下端部および上端部のそれぞれが開口する円弧状をなすものであり、打球槌が叩いた遊技球は発射レール17に沿って転動した後に発射通路23の下端部を通って発射通路23内に進入し、発射通路23に沿って円弧状の軌跡を描きながら上昇する。
遊技盤19には、図3に示すように、発射通路23の右方に位置して遊技領域24が形成されている。この遊技領域24は内レール20と外レール21と球止めゴム22で囲まれた領域のうち発射通路23を除く残りの円形状の領域を称するものであり、打球槌が叩いた遊技球は発射通路23の上端部から遊技領域24内に放出される。この遊技領域24内には複数の障害釘が固定されており、遊技領域24内に放出された遊技球は障害釘に当りながら遊技領域24内を落下する。この遊技領域24は前枠5の閉鎖状態で前枠5の窓7が前方から対向するものであり、前枠5の閉鎖状態で前方から窓7を通して視覚的に認識可能にされている。
遊技盤19には、図3に示すように、遊技領域24内に位置して特別始動口25が固定されている。この特別始動口25は上面が開口するポケット状をなすものであり、特別始動口25には2枚の羽根板26が装着されている。これら両羽根板26のそれぞれは垂直な閉鎖状態(実線参照)および水平な開放状態(二点鎖線参照)相互間で前後方向へ指向する軸27を中心に回動可能にされたものであり、両羽根板26のそれぞれの閉鎖状態では遊技球が両羽根板26相互間の隙間のみを通って特別始動口25内に入賞することが可能となり、両羽根板26のそれぞれの開放状態では遊技球が両羽根板26のそれぞれに乗って特別始動口25内に入賞することが可能となる。即ち、特別始動口25は両羽根板26のそれぞれの閉鎖状態で遊技球が入賞することが可能な外れ状態になるものであり、両羽根板26のそれぞれの開放状態では遊技球が外れ状態に比べて容易に入賞することが可能な当り状態になる。
特別始動口25内には近接スイッチからなる特別始動口センサ28(図4参照)が固定されており、遊技球が特別始動口25内に入賞した場合には特別始動口センサ28が遊技球を検出することで特別始動信号を出力する。この特別始動口25の両羽根板26のそれぞれは特別始動口ソレノイド29(図4参照)の出力軸に連結されている。この特別始動口ソレノイド29は電磁ソレノイドからなるものであり、両羽根板26のそれぞれは特別始動口ソレノイド29の電気的なオフ状態で閉鎖状態になり、特別始動口ソレノイド29の電気的なオン状態で開放状態になる。これら特別始動口25と両羽根板26と特別始動口センサ28と特別始動口ソレノイド29は特別始動口装置を構成するものである。
遊技盤19には、図3に示すように、遊技領域24内に位置して装飾枠30が固定されている。この装飾枠30は遊技盤19の開口部内に嵌合されたものであり、前面および後面のそれぞれが開口する筒状をなしている。この装飾枠30は特別始動口25に比べて高所に配置されたものであり、装飾枠30には装飾枠30を取囲む飾りフランジ31が固定されている。この装飾枠30は前方から飾りフランジ31を通して遊技盤19に複数のネジを螺合することで固定されたものであり、装飾枠30の後端部には液晶表示器からなる図柄表示器32が固定されている。この図柄表示器32は遊技盤19より後方に配置されたものであり、図柄表示器32の表示内容は前枠5の閉鎖状態で前方から前枠5の窓7および装飾枠30の前面のそれぞれを通して視覚的に認識可能にされている。
遊技盤19には、図3に示すように、遊技領域24内に位置して装飾板33が固定されている。この装飾板33は遊技盤19の前面に接触する垂直な板状をなすものであり、特別始動口25に比べて低所に配置されている。この装飾板33には普通始動口34が固定されている。この普通始動口34は上面および下面のそれぞれが開口するコ字枠状をなすものであり、遊技球が通過することが可能にされている。この普通始動口34内には近接スイッチからなる普通始動口センサ35(図4参照)が固定されており、遊技球が普通始動口34内を通過した場合には普通始動口センサ35が遊技球を検出することで普通始動信号を出力する。
図4のメイン制御回路36はマイクロコンピュータを主体に構成されたものであり、CPUとROMとRAMを有している。このメイン制御回路36は特別始動口センサ28から特別始動信号が出力されているか否かを判断し、普通始動口センサ35から普通始動信号が出力されているか否かを判断するものであり、特別始動口センサ28から特別始動信号が出力されていると判断した場合には大当りカウンタの値の更新結果を検出し、普通始動口センサ35から普通始動信号が出力されていると判断した場合には当りカウンタの値の更新結果を検出する。これら大当りカウンタの値および当りカウンタの値のそれぞれは一定時間(4msec)が経過する毎にメイン制御回路36が一定値(1)だけ更新するものであり、大当りカウンタの値は予め決められた下限値(0)を基準に予め決められた上限値(100)まで加算された後に下限値に戻して循環的に加算され、当りカウンタの値は予め決められた下限値(0)を基準に予め決められた上限値(32)まで加算された後に下限値に戻して循環的に加算される。
メイン制御回路36は大当りカウンタの値を検出した場合に大当りカウンタの値の検出結果を予め決められた大当り値(7)と比較するものであり、大当りカウンタの値の検出結果が大当り値と同一であると判断した場合には大当りであると判定し、大当りカウンタの値の検出結果が大当り値と相違していると判断した場合には外れであると判定する。このメイン制御回路36は当りカウンタの値を検出した場合に当りカウンタの値の検出結果を予め決められた当り値(17)と比較するものであり、当りカウンタの値の検出結果が当り値と同一であると判断した場合には当りであると判定し、当りカウンタの値の検出結果が当り値と相違していると判断した場合には外れであると判定する。このメイン制御回路36は当りであると判定した場合に当り遊技を行うものである。この当り遊技は特別始動口ソレノイド29を予め決められた一定時間(4×1000msec)だけオン状態にするものであり、特別始動口25は当りであると判定された場合に一定時間だけ当り状態にされる。
図4の表示制御回路37はマイクロコンピュータを主体に構成されたものであり、メイン制御回路36は大当りであると判定した場合に表示制御回路37に大当りコマンドを送信し、外れであると判定した場合に表示制御回路37に外れコマンドを送信する。この表示制御回路37はメイン制御回路36から大当りコマンドおよび外れコマンドのそれぞれが送信されたか否かを判断するものであり、メイン制御回路36から大当りコマンドが送信されたと判断した場合には装飾図柄を大当りの組合せに設定し、メイン制御回路36から外れコマンドが送信されたと判断した場合には装飾図柄を外れの組合せに設定する。この装飾図柄は左列の図柄要素と中列の図柄要素と右列の図柄要素の組合せからなるものであり、大当りの組合せとは左列の図柄要素〜右列の図柄要素のそれぞれが相互に同一な組合せを称し、外れの組合せとは左列の図柄要素〜右列の図柄要素のそれぞれが相互に同一でない組合せを称する。
表示制御回路37は装飾図柄の組合せを設定した場合に図柄遊技の映像を図柄表示器32に表示するものである。この図柄遊技の映像は図柄表示器32に左列の図柄要素と中列の図柄要素と右列の図柄要素のそれぞれを可変状態および可変停止状態で順に表示するものであり、左列の図柄要素〜右列の図柄要素のそれぞれの可変表示は8種類の図柄要素「1」〜「8」を予め決められた順序「1」→「2」→「3」→「4」→「5」→「6」→「7」→「8」→「1」・・・で循環的に変化させることで行われ、左列の図柄要素〜右列の図柄要素のそれぞれの停止表示は図柄要素を「1」〜「8」の8種類のいずれか1つで停止させることで行われる。この図柄遊技の映像は大当りであるか否かの判定結果を遊技者に報知するためのものであり、表示制御回路37は装飾図柄を外れの組合せに設定した場合には装飾図柄が外れの組合せとなるように左列の図柄要素と中列の図柄要素と右列の図柄要素のそれぞれを設定結果で停止表示し、装飾図柄を大当りの組合せに設定した場合には装飾図柄が大当りの組合せとなるように左列の図柄要素と中列の図柄要素と右列の図柄要素のそれぞれを設定結果で停止表示する。
装飾板33には、図5に示すように、特別入賞口38が固定されている。この特別入賞口38は上面が開口する皿状をなすものであり、遊技球は特別入賞口38内に上面から入賞することが可能にされている。この特別入賞口38は特別始動口25および普通始動口34のそれぞれに比べて右方に配置されたものであり、底板39と左板40と右板41と前板42を有している。これら底板39と左板40と右板41のそれぞれは装飾板33から前方へ突出するものであり、底板39は右から左に向けて直線的に下降すると共に前から後に向けて下降する傾斜状をなし、左板40は底板39の左端部を起点に底板39の左端部から左方へ遠ざかることに応じて上昇する傾斜状をなし、右板41は底板39の右端部を起点に底板39の右端部から右方へ遠ざかることに応じて上昇する傾斜状をなしている。前板42は底板39と左板40と右板41のそれぞれの前端面に固定されたものであり、装飾板33に対して前方に離間している。この前板42は開口部を有する垂直な枠状をなすものであり、前板42にはレンズ43が固定されている。このレンズ43は前板42の開口部を塞ぐ有色透明な板状をなすものであり、装飾板33にはレンズ43の後方に位置してLED基板が固定されている。このLED基板には複数の電飾LEDが搭載されている。これら複数の電飾LEDのそれぞれは後から前に向けて光を投射するものであり、レンズ43は電飾LEDが発光することで後方から照明される。
装飾板33には、図5に示すように、特別排出通路46が固定されている。この特別排出通路46は前後方向へ指向する筒状をなすものであり、前端部に入口を有すると共に後端部に出口を有している。この特別排出通路46の入口は特別入賞口38内の左端部に接続されており、特別入賞口38内に入賞した遊技球は底板39の傾斜に沿って右から左および前から後のそれぞれに向けて転動することで特別排出通路46内に入口から進入する。この特別排出通路46は前から後に向けて下降する底面を有するものであり、特別排出通路46内に進入した遊技球は特別排出通路46の底面に沿って前から後へ転動する。この特別排出通路46の出口は遊技盤19を貫通して遊技盤19の後方に配置されており、特別排出通路46の底面に沿って前から後へ転動する遊技球は特別排出通路46の出口から遊技盤19の後方へ排出される。この特別排出通路46は遊技球が前後方向に一列に通過するものであり、特別排出通路46内には特別入賞口センサ47(図4参照)が固定されている。この特別入賞口センサ47は近接スイッチからなるものであり、遊技球が特別入賞口38内に入賞した場合には特別入賞口センサ47が特別排出通路46内で遊技球を検出することで特別入賞信号を出力する。
遊技盤19には、図3に示すように、遊技領域24内に位置して誘導部材48が固定されている。この誘導部材48は特別入賞口38の右方に配置されたものであり、誘導部材48の上面は右から左に向けて下降する傾斜状に設定されている。この誘導部材48の上面は遊技者が遊技球を遊技領域24内の右端部に向けて発射している右打ち状態で遊技球が内レール20に沿って転動することで乗り上げるものであり、誘導部材48の上面に乗り上げた遊技球は誘導部材48の上面に沿って右から左へ転動する。この誘導部材48および特別入賞口38相互間には遊技球が落下することが可能な大きさの隙間状の落下領域49が形成されており、特別入賞口38には遊技球の右打ち状態で落下領域49を右から左に飛び越えた遊技球のみが供給される。
特別入賞口38の左板40と右板41との間には、図5に示すように、扉50が閉鎖位置および開放位置相互間で前後方向へ直線的に移動可能に装着されている。この扉50は閉鎖位置で特別入賞口38の上面を遊技球が入賞不能に閉鎖し、開放位置で特別入賞口38の上面を遊技球が入賞可能に開放するものであり、遊技者が扉50の開放位置で遊技球を右打ち状態で発射している場合には落下領域49を飛び越えた遊技球が特別入賞口38内に上面から入賞する。この扉50は特別入賞口38の底板39に対して平行な板状をなすものであり、遊技者が扉50の閉鎖位置で遊技球を右打ち状態で発射している場合には落下領域49を飛び越えた遊技球が扉50の上面に沿って右から左へ転動し、扉50の左端部から落下する。この扉50の左方には特別始動口25が配置されており、特別始動口25の両羽根板26の開放状態では扉50の左端部を通過した遊技球が右側の羽根板26に乗って特別始動口25内に入賞することが可能になる。この扉50の左方には普通始動口34が配置されており、扉50の左端部から落下した遊技球は普通始動口34内を予め決められた確率で通過する。即ち、扉50は閉鎖位置で特別始動口25および普通始動口34の双方に対する遊技球の入賞経路を閉鎖するものであり、特別始動口25および普通始動口34の双方に対する遊技球の入賞経路は扉50の開放位置で開放される。
装飾板33には、図5に示すように、普通入賞口51が固定されている。この普通入賞口51は底板52と特別入賞口38の右板41と特別入賞口38の前板42で囲まれたものであり、装飾板33の右領域内に配置されている。この右領域は特別入賞口38の右板41を斜辺とする直角三角形状の領域であり、普通入賞口51および特別入賞口38のそれぞれは右板41を側方の隔壁として共有し、前板42を前方の隔壁として共有している。この普通入賞口51は遊技者が遊技球を右打ち状態で発射している場合に誘導部材48の上面から特別入賞口38に到達することなく落下領域49内に落下した遊技球が予め決められた確率で入賞するものであり、特別入賞口38の右板41に沿って右斜め上方に向けて開口するポケット状をなしている。即ち、普通入賞口51は遊技球が入賞可能となるように状態が固定されたものである。
装飾板33には、図5に示すように、普通排出通路53が固定されている。この普通排出通路53は前後方向へ指向する樋状をなすものであり、前端部に入口を有すると共に後端部に出口を有している。この普通排出通路46の入口は普通入賞口51内に接続されており、普通入賞口51内に入賞した遊技球は普通排出通路53内に入口から進入する。この普通排出通路53は前から後に向けて下降する底面を有するものであり、普通排出通路53内に進入した遊技球は普通排出通路53の底面に沿って前から後へ転動する。この普通排出通路53の出口は遊技盤19を貫通して遊技盤19の後方に配置されており、普通排出通路53の底面に沿って前から後へ転動する遊技球は普通排出通路53の出口から遊技盤19の後方へ排出される。この普通排出通路53は遊技球が前後方向に一列に通過することが可能なものであり、普通排出通路53内には普通入賞口センサ54(図4参照)が固定されている。この普通入賞口センサ54は近接スイッチからなるものであり、遊技球が普通入賞口51内に入賞した場合には普通入賞口センサ54が普通排出通路53内で遊技球を検出することで普通入賞信号を出力する。
装飾板33には、図5に示すように、特別入賞口ソレノイド55が固定されている。この特別入賞口ソレノイド55は、図6に示すように、プランジャ56およびリターンスプリングを有する直動形の電磁ソレノイドからなるものであり、遊技盤19の開口部内に挿入されることで装飾板33の後方に配置されている。この特別入賞口ソレノイド55のプランジャ56は円柱状をなすものであり、前進位置(図6参照)および前進位置に比べて後方の後退位置(図7参照)相互間で直線的に移動可能にされている。このプランジャ56は特別入賞口ソレノイド55の電気的なオフ状態で前進位置にリターンスプリングのばね力で静止するものであり、特別入賞口ソレノイド55の電気的なオン状態では電磁力で後退位置に静止する。即ち、特別入賞口ソレノイド55はオフ状態からオン状態になることでリターンスプリングのばね力に抗して前進位置から後退位置に移動するものであり、オン状態からオフ状態になることでリターンスプリングのばね力で後退位置から前進位置に移動する。
特別入賞口ソレノイド55のプランジャ56には、図6に示すように、前端部に位置してプランジャヘッド57が固定されている。このプランジャヘッド57はプランジャ56に比べて直径寸法が大きな円板状をなすものであり、プランジャヘッド57にはヘッドカバー58が固定されている。図6の中心線CLは特別入賞口38の底板39および扉50のそれぞれに対して垂直でプランジャ56の軸心を通る直線であり、ヘッドカバー58は中心線CLを基準とする左方の幅寸法および右方の幅寸法が相互に同一な均等な形状に設定されている。このヘッドカバー58にはアーム59が固定されている。このアーム59はヘッドカバー58から垂直に突出するものであり、中心線CLを基準とする左方の幅寸法および右方の幅寸法が相互に同一な均等な形状に設定されている。このアーム59の上端部にはレバー60が固定されている。このレバー60は前板と上板と後板を有する断面コ字状をなすものであり、前板と上板と後板で囲まれた係合空間61を有している。このレバー60は中心線CLを基準とする左方の幅寸法および右方の幅寸法が相互に同一な均等な形状に設定されたものであり、プランジャ56と一体的に前進位置および後退位置相互間で移動する。
装飾板33には、図6に示すように、2枚の軸受け62が固定されている。これら両軸受け62のそれぞれは中心線CLに対して平行な板状をなすものであり、装飾板33の後方に配置されている。これら両軸受け62のそれぞれには共通の回転軸63が回転可能に装着されている。この回転軸63は中心線CLに対して垂直なものであり、回転軸63にはリンクプレート64が固定されている。このリンクプレート64は下板部65と上板部66と左板部67と右板部68を有する縦長な長方形状をなすものであり、中心線CLを基準とする左方の幅寸法および右方の幅寸法が相互に同一な均等な形状に設定されている。このリンクプレート64は開口部69を有している。この開口部69は下板部65と上板部66と左板部67と右板部68で囲まれた縦長な長方形状をなすものであり、開口部69内には中間板70が配置されている。この中間板70はリンクプレート64の機械的な強度を高めるものであり、リンクプレート64の左板部67および右板部68のそれぞれに固定されている。このリンクプレート64は遊技盤19の後方に配置されたものであり、上下方向の高さ寸法が左右方向の幅寸法に比べて大きな長方形の板状をなしている。
リンクプレート64の開口部69内には、図6に示すように、回転軸63と扉50に垂直でプランジャ56の軸心を通る直線上、即ち中心線CL上においてレバー60が挿入されている。このレバー60の係合空間部61内にはリンクプレート64の下板部65が下方から挿入されており、レバー60は特別入賞口ソレノイド55のオフ状態ではリンクプレート64の下板部65を後から前へ押すことでリンクプレート64を下から上に向けて前方へ傾斜する前傾倒状態に回転軸63を中心に操作し、特別入賞口ソレノイド55のオン状態では、図7に示すように、リンクプレート64の下板部65を前から後へ引くことでリンクプレート64を下から上に向けて後方へ傾斜する後傾倒状態に回転軸63を中心に操作する。
扉50の後端部には、図6に示すように、スリット71が形成されている。このスリット71は横長な長方形状をなすものであり、扉50を厚さ方向に貫通する貫通孔から構成されている。このスリット71内にはリンクプレート64の上板部66が挿入されており、特別入賞口ソレノイド55のオフ状態ではリンクプレート64が前傾倒状態に傾倒することで扉55が閉鎖位置に操作され、特別入賞口ソレノイド55のオン状態では、図7に示すように、リンクプレート64が後傾倒状態に傾倒することで扉50が閉鎖位置に比べて後方の開放位置に操作される。このリンクプレート64の上板部には、図6に示すように、円弧面72が形成されている。この円弧面72は上板部66の左右方向の全域に形成されたものであり、上板部66がスリット71の内面に引掛ることを防止する。即ち、アーム59とレバー60とリンクプレート64は扉50を閉鎖位置および開放位置相互間で前後方向へ操作する操作機構を構成するものであり、特別入賞口ソレノイド55は操作機構の駆動源に相当する。
特別入賞口38の前板42には、図5に示すように、切欠部77が形成されている。この切欠部77は前板42の上端部を下方に向けて切欠いた形状をなすものであり、扉50の閉鎖位置では扉50が切欠部77を介して前板42に上方から対向する。この切欠部77は扉50の閉鎖位置で遊技球が前方から切欠部77を通して特別入賞口38内に入賞することを禁止する大きさに設定されたものであり、遊技球が扉50の閉鎖位置で前板42の上端部および扉50の前端部相互間で挟まれることを防止する。この切欠部77は特別入賞口ソレノイド55がオン状態からオフ状態に切換えられることで扉50が閉鎖位置に移動するときに遊技球が前板42の上端部および扉50の前端部相互間に挟まった場合に前板42の上端部および扉50の前端部のそれぞれから遊技球に加わる力を低く抑えるものであり、この構成によって遊技球が挟まった状態を早期に解消し、扉50を確実に閉鎖位置に移動させることができる。
メイン制御回路36は大当りであると判定した場合に大当り遊技を行うものである。この大当り遊技は予め決められた複数回の大当りラウンドの集合体を称するものであり、メイン制御回路36は図柄表示器32に装飾図柄が大当りの組合せで停止表示された場合に1回目の大当りラウンドを開始し、最終回の大当りラウンドを除いて今回の大当りラウンドが終了した場合に次回の大当りラウンドを開始する。この大当りラウンドは特別入賞口ソレノイド55を電気的なオフ状態からオン状態に切換えることで特別入賞口38の扉50を閉鎖位置から開放位置に移動操作し、遊技球が特別入賞口38内に上面から入賞することを許容するものである。この大当りラウンドは特別入賞口38の開放時間が予め決められた限度時間に到達した場合または特別入賞口38に対する遊技球の入賞個数が予め決められた限度個数に到達した場合に終了するものであり、メイン制御回路36は特別入賞口センサ47からの特別入賞信号に基づいて遊技球の特別入賞口38に対する入賞個数を計測する。
内枠2には、図2に示すように、賞球タンク73および賞球ケース74が固定されている。賞球タンク73は遊技球を貯留するものであり、上面が開口する容器状をなしている。賞球ケース74は上下方向へ指向する通路状をなすものであり、賞球ケース74の上端部は賞球タンク73内に接続されている。この賞球ケース74は賞球タンク73内から遊技球が上端部を通して供給されるものであり、賞球ケース74内には賞球払出装置が固定されている。この賞球払出装置は払出モータ75(図4参照)を駆動源として賞球ケース74内の遊技球を賞球ケース74の下端部から落下させるものである。この賞球ケース74の下端部は内枠2の払出口9に接続されており、賞球ケース74の下端部から落下した遊技球は払出口9を通して上皿8内に賞品として払出される。
図4の払出制御回路76はマイクロコンピュータを主体に構成されたものであり、メイン制御回路36は特別始動口センサ28からの特別始動信号を検出した場合と特別入賞口センサ47からの特別入賞信号を検出した場合と普通入賞口センサ54からの普通入賞信号を検出した場合のそれぞれに賞球コマンドを払出制御回路76に送信する。この払出制御回路76はメイン制御回路36から賞球コマンドが送信されたか否かを判断するものであり、メイン制御回路36から賞球コマンドが送信されたと判断した場合には賞球払出装置の払出モータ75を駆動することで上皿8内に遊技球を賞品として払出す。即ち、特別始動口25と特別入賞口38と普通入賞口51のそれぞれは遊技球が入賞することで遊技者に遊技球を賞品として払出すものであり、遊技球が普通始動口34内を通過した場合には遊技者に遊技球が賞品として払出されない。
上記実施例1によれば次の効果を奏する。
特別入賞口ソレノイド55のプランジャ56が前進位置および後退位置相互間で移動することでリンクプレート64が回転軸63を中心に前後方向へ移動し、リンクプレート64が前後方向へ移動することで扉50が同方向へ移動する。このため、リンクプレート64の上板部66のスリット71内での変位が小さく抑えられるので、上板部66の表面およびスリット71の内面相互間での摩擦力が小さくなる。従って、扉50の円滑な移動が摩擦力で阻害されることが防止される。レバー60およびリンクプレート64のそれぞれが中心線CLに対して左右方向に均等な形状に設定されているので、特別入賞口ソレノイド55のプランジャ56の移動力がレバー60を通してリンクプレート64に左右方向にバランス良く伝わる。このため、特別入賞口ソレノイド55がオンオフされる場合にリンクプレート64が左右方向にがたつくことがなくなるので、この点からも扉50が円滑に移動する。
普通入賞口51の左方の隔壁として特別入賞口38の右板41を利用し、普通入賞口51の前方の隔壁として特別入賞口38の前板42を利用したので、普通入賞口51の構成が簡素になる。しかも、普通入賞口51が特別入賞口38の右板41を斜辺とする直角三角形状の右領域内に配置されるので、特別入賞口38および普通入賞口51相互間の遊技盤19内での集約度が密になる。扉50の閉鎖位置で遊技盤19内に遊技球が右打ち状態で発射されている場合に遊技球を扉50の上面の傾斜に沿って右から左へ転動させることで当該遊技球が開放状態の特別始動口25または普通始動口34に入賞することを可能としたので、扉50を特別始動口25および普通始動口34の双方に対する遊技球の入賞経路として利用できる。
上記実施例1においては、リンクプレート64の上板部66に回転軸63を固定し、回転軸63を装飾板33の両軸受け62のそれぞれに回転可能に装着することでリンクプレート64の下板部65を上端部の回転軸63を中心に前後方向へ移動操作する構成としても良い。この構成の場合にはリンクプレート64の下板部65を扉50のスリット71内に挿入し、扉50を特別入賞口ソレノイド55のプランジャ56の前進位置で閉鎖位置に操作すると共に特別入賞口ソレノイド55のプランジャ56の後退位置で開放位置に操作すると良い。
上記実施例1においては、リンクプレート64の中間板70を開口部69内の高さ方向の中央部に固定し、レバー60の係合空間部61内にリンクプレート64の中間板70を挿入しても良い。この構成の場合には特別入賞口ソレノイド55のプランジャ56の移動力がレバー60を通してリンクプレート64の高さ方向の中央部に伝達されるので、リンクプレート64が回転軸63を中心に前後方向へ移動するときの安定性が高まる。
上記実施例1においては、特別入賞口38の左板40を右方の隔壁とすると共に特別入賞口38の前板42を前方の隔壁とする普通入賞口を設けても良い。この普通入賞口は特別入賞口38の左板40を斜辺とする直角三角形状の左領域内に配置されたものであり、特別入賞口38の左板40に沿って左斜め上方に向けて開口するポケット状をなしている。この構成の場合には普通入賞口が特別入賞口38の左方に隣接して配置されるので、特別入賞口38および普通入賞口相互間の遊技盤19内での集約度が密になる。
上記実施例1においては、普通入賞口51を遊技球が通過可能なゲート状に構成しても良い。この構成の場合には普通入賞口51内に普通始動口センサ35を設け、遊技球が普通入賞口51内を通過した場合に普通始動口センサ35からの普通始動信号に基づいて当りであるか否かを判定すると良い。
上記実施例1においては、扉50に貫通孔状のスリット71に換えて上面が閉鎖された有底状のスリットを設けても良い。
上記実施例1においては、特別入賞口ソレノイド55としてプランジャ56を電磁力で前進させると共に電磁力で後退させる電磁ソレノイドまたはプランジャ56を電磁力で前進させると共にスプリングのばね力で後退させる電磁ソレノイドを用いても良い。