JP2011223940A - 偽陰性を排除するpcr検査方法およびそれに使用するプライマー - Google Patents

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Abstract

【課題】微生物が製品等に混入していた場合に、偽陰性判定をすることなくPCR法で確実に検出可能なPCR検査システムを提供すること。
【解決手段】サンプル中に存在し得る微生物の標的遺伝子配列を増幅する第1のプライマー対、および、前記サンプル中の陽性対照遺伝子配列を増幅する第2のプライマー対、を用いてPCR反応を行うことを含む微生物検出方法であって、前記PCR反応における前記標的遺伝子の検出感度と前記陽性対照遺伝子の検出感度が同等である、前記微生物検出方法。
【選択図】なし

Description

本発明はPCR法による微生物検査方法に関する。特に本発明は検査対象となる微生物に特異的な遺伝子に対して設計されたプライマーによるPCR反応を行い、PCR産物の有無によって定性的に微生物の存在の有無を判定する微生物検査方法に関する。
ビール製品等のサンプルにおいて、微生物検査を行うことは品質を担保していく上で非常に重要である。サンプル中に存在し得る微生物の検出方法としていくつかの方法が知られている。サンプル中の有害微生物の検査法の一つとして、PCRによる判定が行われており、簡便、迅速かつ確実な方法として、ビール、他の食品等のサンプル中の微生物検査において広く用いられている。PCRを利用した検査法において、検出の感度と特異性を高めるため、例えば、サンプルを濃縮すること、特異性の高いプローブまたはプライマーを使用すること、複数のプローブまたはプライマーを組み合わせること、遺伝子抽出の効率を高めることなどが考案されている。具体的には、食中毒菌の菌種同定方法において複数の特異的プローブを組み合わせて使用することで擬陽性および偽陰性を回避する方法(特許文献1)、レジオネラ菌族の検査方法においてサンプルの濃縮および遺伝子の抽出方法を工夫することによって標的遺伝子の抽出効率を高め偽陰性を回避する方法(特許文献2)、S. pastrianusのLAMP法による検出法方において近縁菌種に無い特異性の高いプライマーを用いることで検出感度および精度を高める方法(特許文献3)等が知られている。
特開2003-284559号公報 特開2005-265580号公報 特開2008-259454号公報
PCRによる微生物検出を行う際、微生物検体からゲノムDNAが確実に抽出されたことを確認するために、ハウスキーピング遺伝子(例として、細菌;16S rDNA、酵母;26S rDNA)についてもPCR反応を行う場合がある。ハウスキーピング遺伝子は、通常の遺伝子に比べてコピー数が多いため、同一試料から抽出されたゲノムDNAを用いて標的遺伝子およびハウスキーピング遺伝子のPCRを行った場合、菌体から抽出されたDNAの濃度が低いと、ハウスキーピング遺伝子のみ検出されることがある。その結果、製品等に有害微生物が混入していた場合でも陰性と判定されてしまい、品質管理上問題となる。従って、当該微生物が製品等に混入していた場合に、偽陰性判定をすることなくPCR法で確実に検出可能なPCR検査システムを構築することが必要である。したがって、検出すべき対象遺伝子の検出感度と、菌体からのDNA抽出を確認するためのハウスキーピング遺伝子の検出感度とを同等にすることが望まれている。
本発明は、サンプル中に存在し得る検出すべき微生物の標的遺伝子配列を増幅する第1のプライマー対、および、前記サンプル中の陽性対照遺伝子配列を増幅する第2のプライマー対、を用いてPCR反応を行うことを含む、前記陽性対照遺伝子配列が増幅されるが前記標的遺伝子配列が増幅されない場合に前記微生物が存在しないと判定し、前記陽性対照遺伝子配列が増幅され且つ前記標的遺伝子配列が増幅される場合に前記微生物が存在すると判定する微生物検出方法であって、前記PCR反応における前記標的遺伝子の検出感度と前記陽性対照遺伝子の検出感度が同等である、前記微生物検出方法である。
より具体的には、本発明は、第1のプライマー対の少なくとも1つのプライマーに標的遺伝子配列の相補配列に対する変異が存在する、および/または、第2のプライマー対の少なくとも1つのプライマーに陽性対照遺伝子配列の相補配列に対する変異、好ましくはプライマーへのヌクレオチド挿入、が存在する、上記方法である。
特に、本発明は、サンプル中に存在し得る検出すべき微生物がサッカロミセス・ジアスタチカスであり、標的遺伝子がSTA1であり、陽性対照遺伝子が酵母の26S rDNAである、上記方法である。
より具体的には、本発明は、上記発明において第1のプライマー対が配列番号1の配列からなるプライマーおよび配列番号3の配列からなるプライマーの対である、および/または、第2のプライマー対が配列番号4の配列からなるプライマーおよび配列番号5の配列からなるプライマーの対である。
また、本発明は、サンプル中に存在し得る微生物の標的遺伝子配列を増幅する第1のプライマー対、および、前記サンプル中の陽性対照遺伝子配列を増幅する第2のプライマー対からなるプライマーセットであって、同一のPCR反応条件における前記標的遺伝子の検出感度と前記陽性対照遺伝子の検出感度が同等である、前記プライマーセットでもある。
より具体的には、本発明は、上記第1のプライマー対の少なくとも1つのプライマーに標的遺伝子配列の相補配列に対する変異が存在する、および/または、第2のプライマー対の少なくとも1つのプライマーに陽性対照遺伝子配列の相補配列に対する変異、好ましくはプライマーへのヌクレオチド挿入、が存在する、上記プライマーセットである。
特に、本発明は第1のプライマー対が配列番号1の配列からなるプライマーおよび配列番号3の配列からなるプライマーの対である、および/または、第2のプライマー対が配列番号4の配列からなるプライマーおよび配列番号5の配列からなるプライマーの対である、上記発明でもある。
本発明により、PCRによる微生物検査において偽陰性を回避することができる。PCR検査において、陽性対照遺伝子配列、たとえばハウスキーピング遺伝子配列の増幅が見られないことを指標としてサンプルにPCRを妨害する物質が含まれている可能性や抽出したDNAの量や質がPCRに供するには不十分である可能性などを推定することができ、検出されるべきであった(サンプル中に存在していた)微生物の存在を見落とすという問題を回避することができる。
図1は、S. diastaticus(A)とS. cerevisiae(B)におけるグルコアミラーゼ遺伝子(STA1)の構造の違い、および、STA1遺伝子増幅用プライマー(F4およびR6)に対応する領域を表す。また、図1にはS. diastaticusのSTA1はS. cerevisiaeS2、S1およびSGAの一部が融合した構造を有していることが示されている。F4、F6はそれぞれ実施例1で使用されたプライマーSTA1-F4、STA1-R6の位置を表す。 図2は、鋳型と完全に相補的なプライマーを用いて陽性対照遺伝子配列および標的遺伝子配列を増幅した場合(A)、および、鋳型配列に対してミスマッチを含むプライマーを用いて対照遺伝子配列および標的遺伝子配列を増幅した場合(B)の増幅結果を示す。 (A)、(B)それぞれにおいて、レーン1と5はサンプル原液、レーン2と6はサンプル10倍希釈液、レーン3と7はサンプル100倍希釈液、レーン4と8はサンプル1000倍希釈液をPCRに供した場合に増幅されたDNA断片を示す。レーン1〜4は陽性対照遺伝子である26S rDNAの増幅結果、レーン5〜8は標的遺伝子であるSTA1の増幅結果を示す。
本発明の具体的な一態様は、サンプル(例えば寒天培地培養により製品から分離された菌種のコロニー)からのDNA抽出、検査対象となる微生物特有の遺伝子に対して設計されたプライマーによるPCR、それに続くPCR反応物の電気泳動、を含む一連の操作を行い、前記PCRによる増幅産物の有無を基準として定性的に微生物混入の有無を判定する方法である。本発明は、サンプル中に存在し得る検出すべき微生物の標的遺伝子配列を増幅する第1のプライマー対、および、前記サンプル中の陽性対照遺伝子配列を増幅する第2のプライマー対を用いてそれぞれPCR反応を行うことを含む。本発明において、前記陽性対照遺伝子が微生物の遺伝子である場合、前記サンプル中に存在し得る検出すべき微生物と前記陽性対照遺伝子を保持する微生物は典型的には異なるが、同一であってもよい。また、記サンプル中に存在し得る検出すべき微生物と前記陽性対照遺伝子を保持する微生物が異なっている場合であっても、両微生物が近縁種である場合や陽性対照遺伝子の保存性が種にわたって高い場合は前記陽性対照遺伝子の配列は検出すべき微生物の対応する遺伝子の配列と同一となることもある。前記サンプル中の陽性対照遺伝子配列と前記対象遺伝子配列を増幅する第2のプライマー対は、一定条件の下でPCRを行った場合に増幅産物が生じることが確認されている配列およびプライマー対が選ばれる。例えば、サンプルがビールである場合には、前記陽性対照遺伝子はビール醸造に用いられる酵母のハウスキーピング遺伝子の中から選ばれるのが好ましく、サンプルの性質に依存して細菌、麹菌を含む菌類等のハウスキーピング遺伝子等も使用することができる。本発明の陽性対照遺伝子として適したハウスキーピング遺伝子としてはバクテリアの16S rDNA、酵母の18S rDNA、26S rDNA、act1およびGAPDHが含まれるがこれらに限定されない。本発明により検出し得る微生物には、酵母、特に、Saccharomyces cerevisiae、Saccharomyces pastrianus、Saccharomyces bayanus、Pichia anomala、Pichia jadinii、Kluyveromyces lactis、Dekkera anomala、Dekkera bruxellensis、Torulaspora delbrueckii、Issatchenkia orientalis、Candida ishiwadae、Shizosaccharomyces pombe、Saccharomycodes ludwigiiが含まれるが、これらに限定されない。
一方、サンプル中に存在し得る検出すべき微生物の標的遺伝子配列としては、例えば前記サンプルにおいて有害と考えられる微生物に特異的な遺伝子配列が選ばれ、第1のプライマー対はその配列を特異的に増幅するプライマー対が選ばれる。例えば、サンプルがビールである場合、そのような有害微生物にはサッカロミセス・ジアスタチカス(S. diastaticus)が含まれ、標的遺伝子配列にはSTA1(グルコアミラーゼ遺伝子)が含まれる。サッカロミセス・ジアスタチカスのSTA1遺伝子はサッカロミセス・セレビシェの異なる3つのDNA領域(S1、S2、SGA)のそれぞれの一部が融合した構造を有しており(図1)、ビール醸造用酵母はこの構造を有しないため、標的遺伝子としてSTA1遺伝子を選択することによってサッカロミセス・ジアスタチカスを(ビールサンプル中に含まれ得る)ビール醸造用酵母と区別して検出することができる。
サンプルがビールであって検出すべき微生物がS. diastaticusである場合は、第1のプライマー対として配列番号1および配列番号3記載の配列からなるプライマーの対(酵母の26S rDNA配列が増幅される)が好ましく、第2のプライマー対として配列番号4および配列番号5の配列からなるプライマーの対(S. diastaticusのSTA1遺伝子配列を増幅するプライマー対)が好ましい。
本発明の一態様においては、検出対象である微生物および前記陽性対照遺伝子を保持する微生物のいずれからも核酸が抽出される条件でサンプルが前処理される。この前処理条件は微生物に依存するが、それらの微生物について当業者によく知られた核酸抽出条件を使用することができる。各微生物について適切な核酸条件を組み合わせてサンプルを前処理してもよく、各微生物について適切な条件で順次段階的にサンプルを前処理しても良い。
本発明においては、前記PCR反応における前記標的遺伝子の検出感度と前記陽性対照遺伝子の検出感度が同等となるように、第1のプライマー対の少なくとも1つのプライマーに標的遺伝子配列の相補配列に対する変異が存在する、および/または、第2のプライマー対の少なくとも1つのプライマーに陽性対照遺伝子配列の相補配列に対する変異が存在し、その結果、前記標的遺伝子配列または前記陽性対照遺伝子配列との間にミスマッチが存在するか、前記標的遺伝子配列または前記陽性対照遺伝子配列との間の相補性が変化している。この変異はプライマーにおけるヌクレオチドの挿入、欠失または置換によって生じさせることができる。特に本発明の一実施態様においては、前記変異はプライマーにおけるヌクレオチドの挿入によって生じる。また、この変異は塩基間の水素結合を変化させる、または、立体障害を変化させるような非天然ヌクレオチドによって生じさせることもできる。一般には陽性対照遺伝子としてはハウスキーピング遺伝子が選択され、ハウスキーピング遺伝子のコピー数は一般に多いため、前記変異は第2のプライマー対に生じさせることが好ましく、ヌクレオチドの挿入、欠失または置換によってミスマッチを生じさせることが簡便であろう。
PCRを利用する微生物検出法においては、一般にはPCR条件を固定してルーチンで行われることが想定されるため、PCR条件を同一条件に固定して第1のプライマー対または第2のプライマー対、好ましくは第2のプライマー対において種々のヌクレオチドの挿入、欠失または置換を行い、これらのプライマー対を用いてPCRを行い、得られた増幅産物を解析することによって標的遺伝子の検出感度と前記陽性対照遺伝子の検出感度が同等となる最適な変異、特にヌクレオチドの挿入、欠失または置換を選択することができる。増幅産物量は簡便には増幅産物をゲル電気泳動し、増幅産物の量を比較することによって解析することができ、必要であればリアルタイムPCRによって増幅産物量を解析することもできる。
本発明において、PCR反応における標的遺伝子の検出感度と陽性対照遺伝子の検出感度が同等であるとは、サンプルの2倍希釈系列、5倍希釈系列、または10倍希釈系列等を作製し、これらの希釈サンプルに対してサンプル以外の条件を同一にしてPCRを行い、増幅産物をゲル電気泳動で泳動した場合にバンドが目視または測定機器によって検出されなくなる希釈倍率が標的遺伝子と陽性対照遺伝子について同一であることを意味すると定義することができる。リアルタイムPCRによって解析する場合は、標的遺伝子の検出感度と陽性対照遺伝子の検出感度が同等であるとは、例えば前述のサンプル希釈列を作製し、これらの希釈サンプルに対してサンプル以外の条件を同一にしてPCRを行い、増幅量が所定時間内に測定装置の検出限界未満となる(増幅が検出できなくなる)希釈倍率が標的遺伝子と陽性対照遺伝子について同一であることを意味すると定義することができる。
このようにPCR反応における標的遺伝子の検出感度と陽性対照遺伝子の検出感度が同等である条件の下で、サンプル中に存在し得る微生物の標的遺伝子配列を増幅する第1のプライマー対、および、前記サンプル中の陽性対照遺伝子配列を増幅する第2のプライマー対を用いてそれぞれPCR反応を行い、前記陽性対照遺伝子配列が増幅され、かつ、前記標的遺伝子配列が増幅されない場合に前記微生物が存在しないと判定し、前記陽性対照遺伝子配列が増幅され、かつ、前記標的遺伝子配列が増幅される場合に前記微生物が存在すると判定することにより、実際には前記標的遺伝子配列を保持する微生物がサンプル中に存在するにもかかわらず存在しない(陰性である)と誤って判定すること(偽陰性)が回避できる。
以下の実施例は本発明の理解を助けるための特定の態様を示すものであり、本発明の範囲は以下の実施例に限られないことは言うまでもない。
標的遺伝子としては、S. diastaticusのグルコアミラーゼ遺伝子(STA1)に着目した。STA1は、S. cerevisiaeのゲノムDNA上の異なる位置にある3つのDNA領域(S1、S2、SGA)が進化の過程で融合したものと考えられており、図1のような領域でプライマーを設計することでS. diastaticusのみを特異的に検出することが可能となる。ハウスキーピング遺伝子として、S. diastaticusを含む一般の酵母に共通の遺伝子である26S rDNAを選択した。
リバースプライマー(CYEAT-R1;配列番号2)に対し、アデニン(a)およびチミン(Tt)を表2の下線で示す箇所に挿入するように設計した(CYEAST-R2;配列番号3)。プライマー合成は、オペロンバイオテクノロジー株式会社に委託した。
American Type Culture Collection(ATCC)より購入したS. diastaticus ATCC13007をPotato Dextrose Agar(PDA)培地で、25℃、3〜5日間培養した。培地上に生育したコロニーの一部を滅菌チップにて微量採取し、PrepMan Ultra Sample Preparation Reagent(Applied Biosystems)50μlに懸濁した。同試薬にて103倍までの10倍段階希釈系列を作成後、業者指定のプロトコールに従ってDNAの抽出を行った。調製したS. diastaticusの段階希釈DNAを用いて、どの希釈系列まで検出されるか調査した。26S rDNA増幅用プライマーとして、フォワードプライマーCYEAST-F1(配列番号1)、およびリバースプライマーとしてミスマッチのないCYEAST-R1(配列番号2)とミスマッチを有するCYEAST-R2(配列番号3)を使用した(表1)。STA1遺伝子増幅用のプライマーとして、STA1-F4をフォワードプライマー、STA1-R6をリバースプライマーとして使用した(表2)。
表1
表2
PCR反応はPerfectShot Ex Taq (Loading dye mix)(タカラバイオ)を用い、増幅反応にはGeneAmp PCR System 9700(Applied Biosystems)を用いて、表3に示すような反応液組成および表4に示す反応条件にて実施した。PCR反応液5μlを常法に従いアガロースゲル電気泳動に供した(100 V、30分間)。泳動後、SYBR Green I Nucleic Acid Gel Stain (Cambrex) 10μlを100 mlのTAE緩衝液に添加して調製したゲル染色液により30分間染色した。アガロースはシグマ社のA-9539を用い、TAE緩衝液はナカライテスク社製品(4.84 w/v% Tris、1.20 w/v% acetate、0.37w/v% EDTA、pH8.3(at 25℃))の50倍濃縮液を希釈して用いた。
表3
反応液中の各プライマー濃度は、1.0μM
Ex Taqの酵素活性は、 1.25 unit/μl
表4
その結果を図2に示す。陽性対照遺伝子である26S rDNA(ハウスキーピング遺伝子)を増幅するためのプライマーとしてミスマッチのないプライマー対(CYEAST-F1とCYEAST-R1)を用いた場合、サンプルを1000倍希釈した場合、26S rDNAについては増幅産物が確認されたがSTA1については増幅産物が確認されなかった。一方、陽性対照遺伝子である酵母の26S rDNAに対してミスマッチのある改変プライマー(CYEAST-R2)を用いた場合、100倍希釈まで26S rDNAとSTA1の両方について増幅産物が確認され、サンプルを1000倍希釈するとどちらについても増幅産物は確認されなかった。すなわち、ミスマッチを有する改変プライマーを含むプライマー対(CYEAST-F1とCYEAST-R2)を用いてPCRを行った場合、検出すべき標的遺伝子の検出感度と陽性対照遺伝子の検出感度が同等となることが確認された。

Claims (12)

  1. サンプル中に存在し得る微生物の標的遺伝子配列を増幅する第1のプライマー対、および、前記サンプル中の陽性対照遺伝子配列を増幅する第2のプライマー対、を用いてPCR反応を行うことを含む、前記陽性対照遺伝子配列が増幅されるが前記標的遺伝子配列が増幅されない場合に前記微生物が存在しないと判定し、前記陽性対照遺伝子配列が増幅され且つ前記標的遺伝子配列が増幅される場合に前記微生物が存在すると判定する微生物検出方法であって、前記PCR反応における前記標的遺伝子の検出感度と前記陽性対照遺伝子の検出感度が同等である、前記微生物検出方法。
  2. 第1のプライマー対の少なくとも1つのプライマーに標的遺伝子配列の相補配列に対する変異が存在する、および/または、第2のプライマー対の少なくとも1つのプライマーに陽性対照遺伝子配列の相補配列に対する変異が存在する、請求項1記載の方法。
  3. 微生物がサッカロミセス・ジアスタチカスであり、標的遺伝子がSTA1であり、陽性対照遺伝子が酵母の26S rDNAである、請求項1または2記載の方法。
  4. 変異が第1のプライマー対または第2のプライマー対の少なくとも1つのプライマーにおけるヌクレオチドの挿入である、請求項2または3記載の方法。
  5. 第1のプライマー対が、配列番号1の配列からなるプライマーおよび配列番号3の配列からなるプライマーの対である、請求項4記載の方法。
  6. 第2のプライマー対が、配列番号4の配列からなるプライマーおよび配列番号5の配列からなるプライマーの対である、請求項2〜5のいずれか1項記載の方法。
  7. サンプル中に存在し得る微生物の標的遺伝子配列を増幅する第1のプライマー対、および、前記サンプル中の陽性対照遺伝子配列を増幅する第2のプライマー対からなるプライマーセットであって、同一のPCR反応条件における前記標的遺伝子の検出感度と前記陽性対照遺伝子の検出感度が同等である、前記プライマーセット。
  8. 第1のプライマー対の少なくとも1つのプライマーに標的遺伝子配列の相補配列に対する変異が存在する、および/または、第2のプライマー対の少なくとも1つのプライマーに陽性対照遺伝子配列の相補配列に対する変異が存在する、請求項7記載のプライマーセット。
  9. 変異が第1のプライマー対または第2のプライマー対の少なくとも1つのプライマーにおけるヌクレオチドの挿入である、請求項7または8記載のプライマーセット。
  10. 第1のプライマー対が、配列番号1の配列からなるプライマーおよび配列番号3の配列からなるプライマーの対である、請求項9記載のプライマーセット。
  11. 第2のプライマー対が配列番号4の配列からなるプライマーおよび配列番号5の配列からなるプライマーの対である、請求項9または10記載のプライマーセット。
  12. 請求項7〜11のいずれか1項記載のプライマーセットを含む微生物検出用PCRキット。
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