JP2011223681A - 回生制動トルクの制御装置 - Google Patents

回生制動トルクの制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】主駆動輪および従駆動輪の回転速度の条件に依存せず、回生制動時に所望の配分比で主駆動輪および従駆動輪に回生制動トルクを配分することができる回生制動トルクの制御装置を提供する。
【解決手段】ハイブリッドECU100は、主駆動輪である後輪5の回転速度Nrが従駆動輪である前輪4の回転速度Nf以上のとき後輪5のみに回生制動トルクを付与して後輪5の回転速度Nrが前輪4の回転速度Nf未満となる補正回生制動トルクTr0を取得し、要求回生制動トルクT0および補正回生制動トルクTr0に基づいて(1−2a)T0≧Tr0を満たす最大の従駆動輪配分比aを求め、電子制御カップリング30は、前輪4に回生制動トルクaT0を制御カップリングトルクTCとして付与し、後輪5に回生制動トルク(T0−TC)を付与する。
【選択図】図5

Description

本発明は、回生制動トルクの制御装置に関し、特に、四輪駆動のハイブリッド車両等に搭載された電動モータの回生制動による回生制動トルクを車両の前輪および後輪に配分する回生制動トルクの制御装置に関する。
従来、四輪駆動車の駆動方式の1つとして、必要に応じて四輪駆動状態と二輪駆動状態との間を遷移するオンデマンド方式が知られている。オンデマンド方式の四輪駆動車としては、例えば、次のような構成が知られている。すなわち、この方式の四輪駆動車はエンジンに直結された主駆動輪と、電子的な制御により駆動力を伝達する電子制御カップリングを介してエンジンに接続された従駆動輪と、を備えており、路面状況や走行状態などに応じて電子制御カップリングにおける係合力を変化させることにより従駆動輪側への駆動力配分が最適になるよう調整している。
電子制御カップリングは、電磁クラッチ機構を備えており、この電磁クラッチ機構に内蔵された電磁コイルを通電制御することにより、各クラッチ板を互いに摩擦係合させてハウジングと回転軸とを駆動連結し、エンジンが発生する駆動力を従駆動輪に伝達させる。具体的には、各駆動輪に設けられた車輪速センサの出力値に基づいて、主駆動輪の回転速度と従駆動輪の回転速度との差を求め、その差に基づいて電磁コイルの通電制御を行い、四輪駆動状態となるようにしている。従って、この構成を有する車両は、例えば、主駆動輪または従駆動輪がスリップすると、電子的な制御により四輪駆動状態となる。つまり、オンデマンド方式の四輪駆動車では、電子制御カップリングの各クラッチ板の摩擦係合力を制御することによって、四輪駆動傾向モードまたは二輪駆動傾向モードのいずれかを選択するとともに、四輪駆動状態において前輪と後輪との間の駆動力配分比が制御できるようになっている。
ところで、車両の走行駆動源としての電動モータおよびエンジンを備えたハイブリッド車両にも、前述のオンデマンド方式の四輪駆動を採用したものが知られている。この種のハイブリッド車両においては、車両の制動時に電動モータを発電機として機能させることによって、車両の運動エネルギを電気エネルギに変換する回生制動が行われるようになっている。そこで、電動モータに発生する回生制動トルクを前輪および後輪に配分する回生制動トルクの制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の回生制動トルクの制御装置は、エンジンおよび電動モータと、これらの駆動力を前輪および後輪に伝達するトランスファと、前輪および後輪の回転速度を検出する車輪速センサと、前輪と後輪との回転速度差に基づいて回生制動トルクの配分制御を行う電子制御カップリングと、を備えている。この構成により、従来の回生制動トルクの制御装置は、電動モータによる回生制動トルクを、電子制御カップリングにより前輪および後輪に配分することによって、回生制動効率の向上や車両挙動安定性の向上を図るようになっている。
特開2004−357375号公報
しかしながら、このような従来の回生制動トルクの制御装置においては、主駆動輪および従駆動輪の回転速度の条件によっては回生制動時に従駆動輪側への回生制動トルクの伝達ができなくなるという問題があった。以下、図7を参照して具体的に説明する。
図7(a)に示すように、電子制御カップリングを備えたオンデマンド方式の四輪駆動車において、電動モータMに伝達されるトルクは、フロントプロペラシャフトおよび電子制御カップリングを介して伝達される回転速度Nfで回転している前輪のトルクTrfと、リアプロペラシャフトを介して伝達される回転速度Nrで回転している後輪のトルクTrrとである。電動モータMは、前輪のトルクTrfおよび後輪のトルクTrrにより回生制動トルクTrを発生することができる。ここで、図7(a)においては、後輪を主駆動輪としている。
前述の構成の場合において、図7(b)に示すように、前輪回転速度Nf>後輪回転速度Nrならば、電子制御カップリングは、前輪に制御カップリングトルクTCを付与し、後輪にTr−TCを付与することにより、所望の配分比で前後輪に回生制動トルクを配分することができる。
しかしながら、前輪回転速度Nf≦後輪回転速度Nrの場合は、電子制御カップリングは、制御カップリングトルクTCを前輪側に付与できず、所望の配分比で前後輪に回生制動トルクを配分することができないという問題があった。
本発明は、このような従来の問題を解決するためになされたもので、主駆動輪および従駆動輪の回転速度の条件に依存せず、回生制動時に所望の配分比で主駆動輪および従駆動輪に回生制動トルクを配分することができる回生制動トルクの制御装置を提供することを課題とする。
本発明に係る回生制動トルクの制御装置は、上記目的達成のため、(1)電動モータの回生制動による回生制動トルクを主駆動輪に伝達するとともに、前記回生制動トルクを回転体の摩擦係合により従駆動輪に配分する回生制動トルク配分装置を備えた回生制動トルクの制御装置であって、前記主駆動輪および前記従駆動輪を回生制動するトルクを要求回生制動トルクとして算出する要求回生制動トルク算出手段と、前記主駆動輪の回転速度が前記従駆動輪の回転速度以上であることを条件に前記主駆動輪のみを回生制動する主駆動輪回生制動手段と、前記主駆動輪回生制動手段の回生制動により前記主駆動輪の回転速度が前記従駆動輪の回転速度未満となる補正回生制動トルクを取得する補正回生制動トルク取得手段と、前記要求回生制動トルクおよび前記補正回生制動トルクに基づいて前記主駆動輪および前記従駆動輪にそれぞれ付与する回生制動トルクの配分比を算出する配分比算出手段と、を備えた構成を有する。
この構成により、主駆動輪の回転速度が従駆動輪の回転速度以上のとき、主駆動輪のみを回生制動することにより、主駆動輪の回転速度が従駆動輪の回転速度未満となる補正回生制動トルクを取得することができる。すなわち、回生制動トルク配分装置が所定の回生制動トルクを従駆動輪に付与できない状態から、従駆動輪に付与できる状態となる補正回生制動トルクを取得することができる。その結果、配分比算出手段は、補正回生制動トルクに基づいて、主駆動輪および従駆動輪にそれぞれ付与する回生制動トルクの配分比を算出することができることになる。したがって、主駆動輪および従駆動輪の回転速度の条件に依存せず、回生制動時に所望の配分比で主駆動輪および従駆動輪に回生制動トルクを配分することができる。
また、本発明に係る回生制動トルクの制御装置は、上記(1)に記載の回生制動トルクの制御装置において、(2)前記配分比算出手段は、前記主駆動輪に付与する回生制動トルクから前記従駆動輪に付与する回生制動トルクを減じた値が前記補正回生制動トルク以上であり、かつ、前記従駆動輪に付与される回生制動トルクが最大となる配分比を算出する構成を備える。
この構成により、主駆動輪に付与する回生制動トルクと、従駆動輪に付与する回生制動トルクとを、主駆動輪および従駆動輪の双方に回生制動トルクを付与できる条件下で、より均衡が得られるよう配分できるので、回生制動時に走行安定性を維持することができる。
さらに、本発明に係る回生制動トルクの制御装置は、上記(1)または(2)に記載の回生制動トルクの制御装置において、(3)前記配分比算出手段は、車両の走行状態に応じて前記配分比を変更する構成を備える。
この構成により、旋回制動時等に応じた適切な回生制動トルクを主駆動輪および従駆動輪にそれぞれ付与することができる。
本発明によれば、主駆動輪および従駆動輪の回転速度の条件に依存せず、回生制動時に所望の配分比で主駆動輪および従駆動輪に回生制動トルクを配分することができる回生制動トルクの制御装置を提供することができる。
本発明の実施の形態における回生制動トルクの制御装置を備えたハイブリッド車両の概略ブロック構成図である。 本発明の実施の形態における回生制動トルクの制御装置を備えたハイブリッド車両における回生制動制御に係る主要部の構成図である。 本発明の実施の形態における回生制動トルクの制御装置を備えたハイブリッド車両における回生制動処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態における回生制動トルクの制御装置を備えたハイブリッド車両における前後輪回生制動トルクの決定処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態における回生制動トルクの制御装置を備えたハイブリッド車両における前後輪回生制動トルクの決定処理を示す説明図である。 本発明の実施の形態における回生制動トルクの制御装置を備えたハイブリッド車両における図5とは異なる前後輪回生制動トルクの決定処理を示す説明図である。 電子制御カップリングを備えた従来の車両における課題の説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
まず、本発明の実施の形態における回生制動トルクの制御装置を備えたハイブリッド車両の構成について説明する。ここでは、FR(Front engine Rear drive)方式のハイブリッド車両をベースとした四輪駆動車両を例に挙げる。
図1に示すように、本実施の形態におけるハイブリッド車両1は、ハイブリッド駆動装置2と、従駆動輪としての前輪4L、4Rと、主駆動輪としての後輪5L、5Rと、を備えている。
また、ハイブリッド車両1は、ハイブリッド駆動装置2に連結されたリアプロペラシャフト21と、前輪4L、4R側にトルクを伝達するフロントプロペラシャフト22と、リアプロペラシャフト21とフロントプロペラシャフト22との間に設けられた電子制御カップリング30と、リアプロペラシャフト21によって伝達されるトルクを左右のリヤドライブシャフト26L、26Rに配分するリヤディファレンシャル23と、フロントプロペラシャフト22によって伝達されるトルクを左右のフロントドライブシャフト25L、25Rに配分するフロントディファレンシャル24と、を備えている。
さらに、ハイブリッド車両1は、前輪4L、4Rを制動することが可能な摩擦ブレーキ27L、27Rと、後輪5L、5Rを制動することが可能な摩擦ブレーキ28L、28Rと、前輪4L、4Rの車輪速を検出する車輪速センサ41L、41Rと、後輪5L、5Rの車輪速を検出する車輪速センサ42L、42Rと、を備えている。ここで、車輪速センサ41L、41R、42L、42Rは、各車輪の単位時間当たりの回転数、すなわち回転速度を検出するようになっている。
なお、以下の説明において、前輪4L、4Rを総称して「前輪4」、後輪5L、5Rを総称して「後輪5」、摩擦ブレーキ27L、27Rを総称して「摩擦ブレーキ27」、摩擦ブレーキ28L、28Rを総称して「摩擦ブレーキ28」、車輪速センサ41L、41R、42L、42Rを総称して「車輪速センサ40」という。
次に、図2を参照して、ハイブリッド車両1における回生制動の制御に係る主要部の詳細な構成について説明する。
図2に示すように、本実施の形態におけるハイブリッド車両1は、ハイブリッド車両1全体を制御するハイブリッド用電子制御ユニット(以下、ハイブリッドECUという)100を備えている。
ハイブリッドECU100は、CPU(Central processing unit)100aを中心とするマイクロプロセッサから構成されており、CPU100aの他に処理プログラム等を記憶するROM(Read only memory)100bと、一時的にデータを記憶するRAM(Random access memory)100cと、後述する回生制動に関するデータを記憶する不揮発性のメモリ100dと、図示しない入出力ポートおよび通信ポートと、を備え、ハイブリッド車両1の制御を統括するようになっている。なお、ハイブリッドECU100は、本発明に係る主駆動輪回生制動手段、補正回生制動トルク取得手段および配分比算出手段を構成する。
ハイブリッドECU100には、イグニッションスイッチ(IG)71からのイグニッション信号、ドライバーにより手動操作されるシフトレバー61の操作位置を検出するシフトポジションセンサ72からのシフトポジション信号、ドライバーにより踏み込まれるアクセルペダル62の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ73からのアクセル開度信号、ブレーキ電子制御ユニット(以下、ブレーキECUという)104からの要求回生制動トルク信号、車輪速センサ40からの車輪速信号等が、それぞれ入出力ポートを介して入力されるようになっている。
エンジン3は、ガソリンあるいは軽油等の炭化水素系の燃料と空気との混合気を燃焼室内で燃焼させることによって動力を出力する公知の動力装置により構成されている。エンジン3は、燃焼室内で混合気の吸気、燃焼および排気を断続的に繰り返すことによりシリンダブロック内のピストンを往復動させ、ピストンと動力伝達可能に連結されたクランクシャフト3aを回転させることにより、ハイブリッド駆動装置2にトルクを伝達するようになっている。また、エンジン3は、エンジン3の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)101によって燃料噴射制御や点火制御、吸入空気量調節制御等の運転制御が行われるようになっている。
エンジンECU101は、ハイブリッドECU100と通信する構成を有し、ハイブリッドECU100から入力される制御信号によりエンジン3を運転制御するとともに必要に応じてエンジン3の運転状態に関するデータをハイブリッドECU100に出力するようになっている。
ハイブリッド駆動装置2は、エンジン3側からクランクシャフト3aに整列した一軸上にダンパ装置18を介して順次配置されるモータジェネレータ6と、動力配分用プラネタリギヤ7と、モータジェネレータ8と、変速機9と、を備えている。
モータジェネレータ6は、ブラシレスDCモータで構成されており、回転磁界を形成するステータ15と、ステータ15の内部に配置され複数個の永久磁石が埋め込まれたロータ11と、ロータ11の回転位置を検出する回転位置検出センサ11aと、を備えている。ステータ15は、ステータコア15aおよびステータコア15aに巻回された三相コイル15bを備えている。
ロータ11のロータシャフト13は、動力配分用プラネタリギヤ7に接続されており、ステータ15のステータコア15aは、例えば、電磁鋼板の薄板を積層して形成され、ケース10の内周部に固定されている。
前述の構成により、モータジェネレータ6は、永久磁石による磁界と三相コイル15bによって形成される磁界との相互作用によりロータ11を回転駆動する電動機として動作するようになっている。また、モータジェネレータ6は、永久磁石による磁界とロータ11の回転との相互作用により三相コイル15bに起電力を生じさせる発電機としても動作するようになっている。
動力配分用プラネタリギヤ7は、入力軸17に同軸状に配置されたシンプルプラネタリギヤからなり、入力軸17に連結され、かつ複数のピニオンギヤ(プラネタリピニオン)P1を支持するキャリヤCR1と、ロータ11に連結しているサンギヤS1と、走行出力部となるリングギヤR1と、を備えており、リングギヤR1は、入力軸17と同一軸線上に後方に延在する出力軸19に連結している。
モータジェネレータ8は、ブラシレスDCモータで構成されており、回転磁界を形成するステータ16と、ステータ16の内部に配置され複数個の永久磁石が埋め込まれたロータ12と、ロータ12の回転位置を検出する回転位置検出センサ12aと、を備えている。ステータ16は、ステータコア16aおよびステータコア16aに巻回された三相コイル16bを備えている。
ロータ12のロータシャフト14は、変速機9に接続されており、ステータ16のステータコア16aは、例えば、電磁鋼板の薄板を積層して形成され、ケース10の内周部に固定されている。なお、変速機9の出力部は、出力軸19に連結されており、モータジェネレータ8は、変速機9を介して出力軸19に連結されている。
前述の構成により、モータジェネレータ8は、永久磁石による磁界とロータ12の回転との相互作用によって三相コイル16bに起電力を生じさせる発電機として動作するようになっている。また、モータジェネレータ8は、永久磁石による磁界と三相コイル16bによって形成される磁界との相互作用によりロータ12を回転駆動する電動機としても動作するようになっている。
以上のように、モータジェネレータ6およびモータジェネレータ8は、何れも電動機および発電機として動作するようになっているが、本実施の形態では、モータジェネレータ6は主に発電機として機能し、モータジェネレータ8は、主に電動機として機能して制動時等においてハイブリッド車両1の慣性力を電気エネルギとして回生するとともに回生制動トルクを発生するようになっているものとする。
変速機9は、1個のデュアルプラネタリギヤ(S2、R2、CR2)と、このデュアルプラネタリギヤと共通するロングピニオンP2を有する共通キャリヤCR2および第2のサンギヤS3を有するプラネタリギヤとからなる、いわゆる、ラビニョタイプのプラネタリギヤユニットからなり、かつ、ロングピニオンP2は、歯数の異なる段付き形状から構成されている。
すなわち、デュアルプラネタリギヤは、第1のサンギヤS2、リングギヤR2およびショートピニオンP3およびロングピニオンP2を支持する共通キャリヤCR2から構成されており、ショートピニオンP3が第1のサンギヤS2およびリングギヤR2に噛合している。また、図示を省略したが、ロングピニオンP2は小径ギヤおよび大径ギヤを有しており、ロングピニオンP2の小径ギヤがショートピニオンP3に噛合し、ロングピニオンP2の大径ギヤが第2のサンギヤS3に噛合している。
そして、モータジェネレータ8のロータ12のロータシャフト14にスプラインにより連結されているスリーブシャフト20に第1のサンギヤS2が一体に形成されており、スリーブシャフト20にブッシュ等を介して第2のサンギヤS3が回転自在に支持されている。また、共通キャリヤCR2は、その後側板によって出力軸19に一体に固定されている。
以上の構成により、エンジン3の出力は、ダンパ装置18および入力軸17を介して動力配分用プラネタリギヤ7に伝達されるようになっており、動力配分用プラネタリギヤ7によってモータジェネレータ6と出力軸19に配分され、モータジェネレータ6を制御することにより、出力軸19からの出力回転が無段に調整される。
一方、モータジェネレータ8のロータ12からの出力は、スリーブシャフト20を介して変速機9に伝達された後、変速機9によって2段に変速されて出力軸19に伝達される。また、エンジン3から動力配分用プラネタリギヤ7を介して出力軸19に配分された動力に対して、モータジェネレータ8から変速機9を介して変速された動力がアシストされ、出力軸19の動力が電子制御カップリング30に伝達される。
モータジェネレータ6およびモータジェネレータ8は、インバータ51およびインバータ52を介してバッテリ53との間で電力のやりとりを行うようになっている。
インバータ51およびインバータ52とバッテリ53とを接続する電力ライン54は、インバータ51およびインバータ52が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータジェネレータ6およびモータジェネレータ8の何れか一方で発電される電力を他のモータジェネレータで消費することができるようになっている。
したがって、バッテリ53は、モータジェネレータ6およびモータジェネレータ8の何れか一方から生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータジェネレータ6およびモータジェネレータ8により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ53は充放電されない。
また、モータジェネレータ6およびモータジェネレータ8は、モータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)102により駆動制御されるようになっている。
モータECU102には、モータジェネレータ6およびモータジェネレータ8を駆動制御するために必要な信号、例えば、モータジェネレータ6の回転位置検出センサ11a、モータジェネレータ8の回転位置検出センサ12aから入力される信号や図示しない電流センサにより検出されるモータジェネレータ6およびモータジェネレータ8に印加される相電流等が入力されており、モータECU102からは、インバータ51およびインバータ52へのスイッチング制御信号が出力されるようになっている。
モータECU102は、ハイブリッドECU100と通信するようになっており、ハイブリッドECU100から入力される制御信号に応じてインバータ51およびインバータ52を駆動制御することにより、モータジェネレータ6およびモータジェネレータ8を駆動制御する。また、モータECU102は、必要に応じてモータジェネレータ6およびモータジェネレータ8の運転状態に関するデータをハイブリッドECU100に出力するようになっている。
バッテリ53は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)103によって管理されており、バッテリECU103には、バッテリ53を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ53の出力端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧、バッテリ53の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流、バッテリ53に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度等が入力されており、必要に応じてバッテリ53の状態に関するデータをハイブリッドECU100に出力するようになっている。なお、バッテリECU103にあっては、バッテリ53を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC:State of charge)も演算している。
ブレーキECU104は、CPUを含むマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に各種プログラムを記憶するROM、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポートおよび通信ポート等を備える。
また、ブレーキECU104には、ブレーキペダル63に設けられたストロークセンサ74や、図示しないブレーキレギュレータ圧センサ、ブレーキアキュムレータ圧センサ等が接続されている。そして、ブレーキECU104は、ハイブリッドECU100と通信可能であり、ハイブリッドECU100からの制御信号や、各種センサからの信号に基づいて、モータジェネレータ8の回生による回生制動トルクと、摩擦ブレーキ27および摩擦ブレーキ28を用いた液圧による摩擦制動トルクとを併用した駆動を行うことができるようになっている。なお、モータジェネレータ8の代わりにモータジェネレータ6を用いて回生制動トルクを発生させる構成としてもよい。
この構成により、ブレーキECU104は、ブレーキペダル63に設けられたストロークセンサ74からの信号に基づいて運転者により要求された要求制動トルクを算出する。また、ブレーキECU104は、モータジェネレータ8の回生エネルギ吸収率の値等の、回生制動トルクの演算に必要な情報をハイブリッドECU100から受信する。そして、ブレーキECU104は、受信した情報に基づき、要求される要求回生制動トルクを算出し、算出した要求回生制動トルクの情報をハイブリッドECU100に送信する。すなわち、ブレーキECU104は、本発明に係る要求回生制動トルク算出手段を構成する。なお、モータジェネレータ8の回生エネルギ吸収率の値は、液圧制動力の発生開始時におけるバッテリ53のエネルギ受入能力を超えないよう、モータECU102により制御されている。
電子制御カップリング30は、リアプロペラシャフト21からの動力が伝達されるギヤ31およびギヤ32と、トランスファクラッチ33と、を備え、ハイブリッドECU100からの制御信号に基づいて制御されるようになっている。
トランスファクラッチ33は、入力軸34と、多板クラッチディスク35と、多板クラッチプレート36と、ピストン37と、を備え、内部に油圧サーボ室38が形成されている。なお、トランスファクラッチ33は、ギヤ32とフロントプロペラシャフト22側とをトルク伝達可能に接続するもので、これ自体は公知の油圧サーボ式の湿式多板クラッチで構成されている。
入力軸34は、ギヤ32と接続されており、ギヤ32からトルクを入力し、多板クラッチディスク35に伝達するようになっている。多板クラッチプレート36は、フロントプロペラシャフト22にトルクを伝達するようになっている。また、多板クラッチディスク35および多板クラッチプレート36により、多板クラッチを形成するようになっている。
油圧サーボ室38内の油圧は、図示しない油圧制御装置によって制御され、油圧サーボ室38内に油圧が供給されることにより、ピストン37が所定の圧力で多板クラッチディスク35および多板クラッチプレート36を押圧し、この押圧力によって所定のトルク伝達量が確保されるようになっている。
電子制御カップリング30は、上記の構成により、エンジン3(またはモータジェネレータ8)の駆動力を所定の配分比に基づいて前輪4および後輪5に配分するようになっている。その結果、主駆動輪である後輪5に駆動力が伝達され、後輪5が駆動される。また、従駆動輪である前輪4に駆動力が伝達され、前輪4が駆動される。
一方、電子制御カップリング30は、上記の構成により、ハイブリッド車両1が回生制動される際には、前輪4から伝達される動力と、後輪5から伝達される動力とを入力するようになっている。この入力した動力によってモータジェネレータ8は回転させられ、発電機として作動させられる。そして、モータジェネレータ8は、ハイブリッド車両1の運動エネルギを電気エネルギに回生することによってハイブリッド車両1を回生制動する回生制動トルクを発生する。電子制御カップリング30は、ハイブリッドECU100やモータECU102による制御のもと、回生制動トルクを所定の配分比で前輪4と後輪5とに配分し、ハイブリッド車両1が回生制動される。すなわち、電子制御カップリング30は、本発明に係る回生制動トルク配分装置を構成している。
電子制御カップリング30が配分する回生制動トルクの配分比は、ハイブリッドECU100によって決定されるようになっている。
具体的には、ハイブリッドECU100は、ハイブリッド車両1を回生制動する際に、車輪速センサ40の信号に基づいて前輪4の回転速度Nfと、後輪5の回転速度Nrの情報を取得するようになっている。そして、ハイブリッドECU100は、Nf>Nrのときは、例えば、ハイブリッド車両1の諸元によって定まる基本制動力配分線に沿った配分比を決定し、その配分比を示す信号を電子制御カップリング30に出力するようになっている。
一方、ハイブリッドECU100は、Nf≦Nrのときは、後輪5のみに付与することによってNf>Nrとなる回生制動トルク(以下、補正回生制動トルクTr0という。)を取得した後、例えば、基本制動力配分線に沿った配分比を決定し、その配分比を示す信号を電子制御カップリング30に出力するようになっている。また、ハイブリッドECU100は、取得した補正回生制動トルクTr0を学習値としてメモリ100dに記憶するようになっている。なお、車輪速センサ40の信号に基づいた回生制動トルクの配分については、動作説明においてさらに具体的に述べる。
次に、本実施の形態における車両制動の制御処理について、図3、図4に示すフローチャートを参照して、説明する。
図3に示すように、まず、ハイブリッドECU100は、ブレーキECU104から回生制動を行う要求があるか否かを判断する(ステップS11)。例えば、ブレーキECU104は、ブレーキペダル63が操作されており、かつ、バッテリ53の蓄電状態(SOC)が所定値以下である等の条件に基づいて、ハイブリッドECU100に回生制動を要求する。
ステップS11において、回生制動を行う要求がないと判断された場合、ハイブリッドECU100は、回生制動を行うことなく、ブレーキECU104に摩擦ブレーキ27および摩擦ブレーキ28に摩擦制動を行わせて(ステップS12)、ハイブリッド車両1を減速させる。ブレーキECU104は、ブレーキペダル63の操作量に応じて摩擦ブレーキ27および摩擦ブレーキ28を制御して摩擦制動トルクを調整することとなる。
一方、ステップS11において、回生制動を行う要求があると判断された場合、前後輪回生制動トルクの決定処理が行われる(ステップS20)。この前後輪回生制動トルクの決定処理は、図4に示す手順で実行される処理である。以下、図4を参照して説明する。
まず、ハイブリッドECU100は、主駆動輪である後輪5の回転速度Nrから従駆動輪である前輪4の回転速度Nfを減じた値が、予め定められた第1しきい値dNrf0以上か否かを判断する。すなわち、ハイブリッドECU100は、Nr−Nf≧dNrf0を満たすか否かを判断する(ステップS21)。ここで、第1しきい値dNrf0は、Nr≧Nfか否かを判断するためのマージンであり、その値は"0"でもよいが、例えば、数rpmの値とすることが望ましい。
ステップS21において、Nr−Nf≧dNrf0と判断された場合は、ハイブリッドECU100は、メモリ100dに学習値として記憶されている補正回生制動トルクTr0を読み出す(ステップS22)。この補正回生制動トルクTr0は、前述したように、過去においてNf≦Nrのときに求められてメモリ100dに学習値として記憶されたデータであって、Nf≦Nrのときに後輪5のみに付与することによってNf>Nrとなる回生制動トルクである。なお、補正回生制動トルクTr0がメモリ100dに記憶されていない場合(未学習の場合)は、補正回生制動トルクTr0=0とする。
次に、ハイブリッドECU100は、補正回生制動トルクTr0を主駆動輪である後輪5のみに付与して回生制動を実行するよう、モータECU102および電子制御カップリング30を制御する(ステップS23)。
次に、ハイブリッドECU100は、従駆動輪である前輪4の回転速度Nfから主駆動輪である後輪5の回転速度Nrを減じた値が、予め定められた第2しきい値dNrf1以上か否かを判断する。すなわち、ハイブリッドECU100は、Nf−Nr≧dNrf1を満たすか否かを判断する(ステップS24)。ここで、第2しきい値dNrf1は、Nf≧Nrか否かを判断するためのマージンであり、その値は"0"でもよいが、例えば、数rpmの値とすることが望ましい。
ステップS24において、Nf−Nr≧dNrf1と判断されなかった場合、すなわち、Nf−Nr<dNrf1の場合は、ハイブリッドECU100は、補正回生制動トルクTr0に予め定められた回生制動トルクdTr0を加算して補正回生制動トルクTr0を更新する(ステップS25)。そして、ハイブリッドECU100は、ステップS25で更新した回生制動トルクTr0を主駆動輪である後輪5のみに付与して回生制動を実行するよう、モータECU102および電子制御カップリング30を制御する(ステップS26)。ステップS25およびステップS26の処理は、ステップS24においてNf−Nr≧dNrf1が成立するまで繰り返される。ここで、回生制動トルクdTr0は、主駆動輪である後輪5のみを回生制動トルク(Tr0+dTr0)で制動したとしても安全走行が確保できる制動トルクの上限値に基づいて予め定められた回生制動トルクである。例えば、回生制動トルクdTr0は、摩擦係数が比較的低い路面の走行を考慮して予め定められる。
ステップS24においてNf−Nr≧dNrf1と判断された場合は、ハイブリッドECU100は、現時点の補正回生制動トルクTr0を学習値としてメモリ100dに記憶する(ステップS27)。
次に、ハイブリッドECU100は、学習した補正回生制動トルクTr0に基づいて従駆動輪配分比aを決定する(ステップS29)。具体的には、ハイブリッドECU100は、ブレーキECU104が要求した要求回生制動トルクをT0とするとき、基本制動力配分線に沿って、前輪4に回生制動トルクaT0、後輪5に回生制動トルク(1−a)T0を付与するための従駆動輪配分比aを決定する。
ここで、本実施の形態におけるハイブリッド車両1は、FR方式の車両をベースとしており、電子制御カップリング30の多板クラッチディスク35と多板クラッチプレート36との摩擦係合により従駆動輪である前輪4に回生制動トルクを伝達する構成となっている。すなわち、従駆動輪配分比aは、0≦a≦0.5の範囲内である。
また、ハイブリッドECU100は、ステップS24において用いた式"Nf−Nr≧dNrf1"を満たす条件下で従駆動輪配分比aを決定する必要がある。そのためには、後輪5に付与する回生制動トルク(1−a)T0から前輪4に付与する回生制動トルクaT0を減じた値が、学習した補正回生制動トルクTr0以上でなければならない。すなわち、ハイブリッドECU100は、(1−2a)T0≧Tr0を満たす従駆動輪配分比aを選択する必要がある。ここで、前輪4および後輪5の双方に回生制動トルクを付与できる条件下で、回生制動時に走行安定性を維持するには、従駆動輪配分比aは、0≦a≦0.5の範囲内で、できるだけ大きい方が望ましい。
以上より、ハイブリッドECU100は、0≦a≦0.5の範囲内、かつ、(1−2a)T0≧Tr0を満たす最大値を従駆動輪配分比aとして決定する。
なお、ステップS21において、Nr−Nf≧dNrf0と判断されなかった場合は、ハイブリッドECU100はTr0=0として(ステップS28)、従駆動輪配分比aを決定する。
次に、ハイブリッドECU100は、ステップS28で算出した従駆動輪配分比aに基づいて、前輪4および後輪5にそれぞれ付与する回生制動トルクを決定する(ステップS30)。すなわち、ハイブリッドECU100は、前輪4に付与する回生制動トルクをaT0、後輪5に付与する回生制動トルクを(1−a)T0として決定する。
図3に戻り、ハイブリッドECU100は、前輪4に回生制動トルクaT0を制御カップリングトルクTCとして付与させ、後輪5に回生制動トルク(T0−TC)を付与させる制御を電子制御カップリング30に対して行う。その結果、ハイブリッド車両1において、従駆動輪である前輪4には回生制動トルクとしてTCが付与され、主駆動輪である後輪5には回生制動トルクとしてT0−TCが付与されて回生制動が実行される(ステップS13)。
次に、前述したTr0の取得処理から前後輪回生制動トルクの決定処理までについて、図5を参照して説明する。
前述のNf−Nr≧dNrf1となるTr0を求める処理は、後輪5のみを回生制動する処理であり、図5に示したステップS1の処理に相当する。続いて、(1−2a)T0≧Tr0を満たす最大の従駆動輪配分比aを求める処理は、図示のステップS2の処理に相当する。さらに、基本制動力配分線に沿って、前輪4に付与する回生制動トルクをaT0、後輪5に付与する回生制動トルクを(1−a)T0として決定する処理は、図示のステップS3に相当する。
なお、前述の説明では、基本制動力配分線に沿って要求回生制動トルクT0を配分することとしているが、例えば、旋回しながら回生制動を行う場合等では、必要に応じて基本制動力配分線から離れたポイントで前後輪の回生制動トルクを決定するようにしてもよい。具体的には、例えば、基本制動力配分線で決まる前後輪の配分比よりも後輪側に多くの回生制動トルクを付与する要求があった場合は、図6のステップS4で示すように、基本制動力配分線上で求めた配分比を変更できる構成としてもよい。
以上のように、本実施の形態に係る回生制動トルクの制御装置は、主駆動輪である後輪5の回転速度Nrが従駆動輪である前輪4の回転速度Nf以上のとき後輪5のみに回生制動トルクを付与して後輪5の回転速度Nrが前輪4の回転速度Nf未満となる補正回生制動トルクTr0を取得する。その結果、ハイブリッドECU100は、補正回生制動トルクTr0に基づいて、前輪4および後輪5にそれぞれ付与する回生制動トルクの配分比を算出することができることになる。したがって、回生制動トルクの制御装置は、主駆動輪および従駆動輪の回転速度の条件に依存せず、回生制動時に所望の配分比で主駆動輪および従駆動輪に回生制動トルクを配分することができる。
なお、前述の実施形態では、FR方式のハイブリッド車両をベースとした四輪駆動車を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、FF(Front engine Front drive)方式のハイブリッド車両をベースとした四輪駆動車に適用しても同様の効果が得られる。
以上のように、本発明に係る回生制動トルクの制御装置は、主駆動輪および従駆動輪の回転速度の条件に依存せず、回生制動時に所望の配分比で主駆動輪および従駆動輪に回生制動トルクを配分することができるという効果を有し、四輪駆動のハイブリッド車両等に搭載された電動モータの回生制動による回生制動トルクを車両の前輪および後輪に配分する回生制動トルクの制御装置等として有用である。
1 ハイブリッド車両
2 ハイブリッド駆動装置
3 エンジン
4L、4R 前輪(従駆動輪)
5L、5R 後輪(主駆動輪)
6、8 モータジェネレータ(電動モータ)
7 動力配分用プラネタリギヤ
9 変速機
10 ケース
11、12 ロータ
11a、12a 回転位置検出センサ
13、14 ロータシャフト
15、16 ステータ
15a、16a ステータコア
15b、16b 三相コイル
21 リアプロペラシャフト
22 フロントプロペラシャフト
27L、27R、28L、28R 摩擦ブレーキ
30 電子制御カップリング(回生制動トルク配分装置)
41L、41R、42L、42R 車輪速センサ
51、52 インバータ
53 バッテリ
54 電力ライン
100 ハイブリッドECU(主駆動輪回生制動手段、補正回生制動トルク取得手段、配分比算出手段)
101 エンジンECU
102 モータECU
103 バッテリECU
104 ブレーキECU(要求回生制動トルク算出手段)

Claims (3)

  1. 電動モータの回生制動による回生制動トルクを主駆動輪に伝達するとともに、前記回生制動トルクを回転体の摩擦係合により従駆動輪に配分する回生制動トルク配分装置を備えた回生制動トルクの制御装置であって、
    前記主駆動輪および前記従駆動輪を回生制動するトルクを要求回生制動トルクとして算出する要求回生制動トルク算出手段と、
    前記主駆動輪の回転速度が前記従駆動輪の回転速度以上であることを条件に前記主駆動輪のみを回生制動する主駆動輪回生制動手段と、
    前記主駆動輪回生制動手段の回生制動により前記主駆動輪の回転速度が前記従駆動輪の回転速度未満となる補正回生制動トルクを取得する補正回生制動トルク取得手段と、
    前記要求回生制動トルクおよび前記補正回生制動トルクに基づいて前記主駆動輪および前記従駆動輪にそれぞれ付与する回生制動トルクの配分比を算出する配分比算出手段と、
    を備えたことを特徴とする回生制動トルクの制御装置。
  2. 前記配分比算出手段は、前記主駆動輪に付与する回生制動トルクから前記従駆動輪に付与する回生制動トルクを減じた値が前記補正回生制動トルク以上であり、かつ、前記従駆動輪に付与される回生制動トルクが最大となる配分比を算出することを特徴とする請求項1に記載の回生制動トルクの制御装置。
  3. 前記配分比算出手段は、車両の走行状態に応じて前記配分比を変更することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回生制動トルクの制御装置。
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