JP2011220502A - 振子式ダイナミックダンパ - Google Patents

振子式ダイナミックダンパ Download PDF

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Abstract

【課題】回転部材に取り付けられて、そのトルク変動もしくは捩り振動を吸収もしくは減衰する振子式ダイナミックダンパであって、回転部材の固有振動次数に適合させたダンパマスの往復運動次数となるようにダンパマスを揺動させるために特殊な形状を用いずに、低コストで高い制振効果が得られる振子式ダイナミックダンパを提供する。
【解決手段】回転部材2の外周部に揺動自在に支持されたダンパマス12を備えた振子式ダイナミックダンパ1において、前記回転部材2の外周部に収容されて前記回転部材2の内部で前記ダンパマスの揺動にともなって転がりながら移動する転動体6を備え、前記ダンパマス12は前記転動体6に取り付けられており、前記転動体6の回転中心とダンパマス12の重心とはずらされて取り付けられている。また、前記ダンパマス12もしくは前記転動体6の可動範囲が規制されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、回転部材に取り付けられて、そのトルク変動もしくは捩り振動を吸収もしくは減衰する振子式ダイナミックダンパに関するものである。
車両の動力伝達経路には、回転部材が動力変動などに起因して捩り振動を起こすことが知られている。例えば、エンジンは爆発による往復運動を回転運動に変換して、クランクシャフトを介して動力伝達経路の駆動輪側に動力を伝達するため、トルク変動が発生している。このような、回転部材に作用する捩り振動を低減するために、車両の動力伝達経路には、捩り振動減衰装置などが設けられる。特許文献1には、このような捩り振動を低減する機構を備えたフライホイールが記載されている。
この特許文献1には、フライホイール本体に、径方向外側に膨らむ曲面形状の転動ガイド面を設けて、また、転動ガイド面に沿って振り子状に共振転動するダンパマスを設け、さらに、ダンパマス重心の移動軌跡が、ダンパマスの最膨出位置での重心とその最膨出位置での転動ガイド面の曲率中心とを結ぶ線分を短軸半径とする楕円形状となるように転動ガイド面を形成する。そして、ダンパマスに作用する復元力がダンパマスの振れ角に略比例し、ダンパマスの振れ角の変化に拘わらずダンパマスが所定次数の捩り振動に共振するように構成されている。
また、特許文献2には、フライホイール本体に形成された転動室内に転動しつつ径方向外側に膨らむ振り子運動が可能にダンパマスを収容し、フライホイール本体の回転中心からダンパマスの振り子運動の支点までの距離Rと、ダンパマスの振り子運動の支点からそのダンパマスの重心までの距離Lとの比率R/Lを、ダンパマスを有しない通常のフライホイールによる回転変動の低減効果を基準にして、相対的に低減効果が向上される範囲で、この比率R/Lを所定の範囲でずらすことを許容して設定する構成が記載されている。そのため、安全率を確保できれば、多少の製造誤差や使用時の磨耗等による各部の寸法変化等が生じても、確実に回転変動を低減できる構成となる。
さらに、特許文献3には、エンジン出力軸に連結されたフライホイールの側面に周方向へ等間隔に複数の円形凹部が形成され、各凹部内にそれぞれ嵌合固定された振子アッセンブリは、ケースと、軸部が軸受材により支持された振子と、蓋部材とにより構成され、振子の重心の位置が凹部の中心線から偏奇していて、振子がケース内で中心線回りに揺動自在に支持されている可変速度型ダンパが記載されている。そして、ダンパ本体の凹部または孔部内に振子アッセンブリが嵌合固定されていて、振子アッセンブリのケース内に収容された振子がケースにより揺動自在に支持されているので、振子の揺動により生じる負荷はケースの外周面を介してダンパ本体の凹部または孔部内面で支持されることとなり、ダンパ本体に対して局部的に負荷が集中しないように構成されている。
そして、特許文献4には、回転体本体に、該回転体本体の回転中心軸線から所定間隔だけ離間した点を通過し、かつ該回転中心軸線にほぼ平行な軸線を中心とした振り子運動を行なう質量体が設けられるとともに、前記回転体本体及び前記質量体の少なくとも一方に、他方との当接による磨耗を低減するための磨耗低減手段が設けられた回転体およびこの回転体をプーリに備えた圧縮機が記載されている。そして、質量体の振り子運動により、回転体本体や該回転体本体が作動連結される回転系(回転機械等)に発生する共振が抑えられ、また、前記回転体本体及び前記質量体の少なくとも一方に設けられた磨耗低減手段によって、前記回転体本体と前記質量体との当接部分の磨耗が低減されるように構成されている。
特開2000−018329号公報 特開平06ー058373号公報 特開平11ー082633号公報 特開2002ー340097号公報
上記の特許文献1に記載されている装置によれば、ダンパマス重心の移動軌跡を楕円形状となってダンパマスの振れ角の大きさに拘わらずダンパマスを所定回転次数の振動に確実に共振転動させて安定した吸振性能を得ることができる。しかしながら、この特許文献1に記載された構成のように、ダンパマス重心の移動軌跡を楕円形状とするために所定回転次数の振動に確実に共振転動させるように転動ガイド面をこのように形成するのは、精度上の問題などから、加工を行うことが困難である。そのため、未だ改良の余地があった。また、特許文献2に記載されている装置によれば、ダンパマスの重心位置の変動によって、トルク変動を低減できる。しかしながら、この特許文献2に記載された構成では、所定回転次数の振動に確実に共振転動させて安定した吸振性能を得ることができず、未だ改良の余地があった。
さらに、特許文献3に記載されている装置によれば、可変速度型ダンパにおいて、振子の揺動によりフライホイール等のダンパ本体に作用する負荷を軽減させて、コストの低減を図れる。しかしながら、この特許文献3に記載された構成では、所定回転次数の振動に確実に共振転動させて安定した吸振性能を得ることができず、未だ改良の余地があった。そして、特許文献4に記載されている装置によれば、支軸と剛体振り子との当接部分の磨耗が低減され、この磨耗に基づく前記振り子運動の共振抑制効果の悪化やプーリの寿命低下が抑制される。しかしながら、この特許文献4に記載された構成のように、ダンパマス重心の移動軌跡を楕円形状とするために所定回転次数の振動に確実に共振転動させるように転動ガイド面を特殊な形状に形成するのは、各部位の寸法の設定や加工精度上の問題などから、製造が困難となる。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、回転部材に取り付けられて、そのトルク変動もしくは捩り振動を吸収もしくは減衰する振子式ダイナミックダンパであって、回転部材の固有振動次数に適合させたダンパマスの往復運動次数となるようにダンパマスを揺動させるために特殊な形状を用いずに、低コストで高い制振効果が得られる振子式ダイナミックダンパを提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、回転部材の外周部に揺動自在に支持されたダンパマスを備えた振子式ダイナミックダンパにおいて、前記回転部材の外周部に収容されて前記回転部材の内部で前記ダンパマスの揺動にともなって転がりながら移動する転動体を備え、前記ダンパマスは前記転動体に取り付けられており、前記転動体の回転中心とダンパマスの重心とはずらされて取り付けられていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記ダンパマスもしくは前記転動体の可動範囲が規制されていることを特徴とする振子式ダイナミックダンパである。
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記転動体は前記回転部材の外周部に当接する周面を有する円筒体で構成され、その当接した面が相互に前記ダンパマスの遠心力によって押圧されることを特徴とする振子式ダイナミックダンパである。
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記ダンパマスもしくは前記転動体の初期位置が前記ダンパマスもしくは前記転動体の可動範囲で動作可能に規制されていることを特徴とする振子式ダイナミックダンパである。
請求項1の発明によれば、転動体が回転部材の外周部に収容されて回転部材の内部でダンパマスの揺動にともなって転がりながら移動し、ダンパマスは転動体に取り付けられて転動体の回転中心とダンパマスの重心とはずらされて取り付けられていることから、ダンパマスの重心の動きがダンパマスの振れ角が大きい場合であっても往復運動次数を回転部材の回転変動次数(固有振動次数)に合わせられ、振動に適合させた低減効果を奏する。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明による効果と同様の効果に加えて、ダンパマスもしくは転動体の可動範囲が規制されていることから、回転部材に対して過渡的な入力トルクが作用した場合、ダンパマスの最大振れ角を規制できる。
請求項3の発明によれば、請求項1または2の発明による効果と同様の効果に加えて、転動体は回転部材の外周部に当接する周面を有する円筒体で構成され、その当接した面が相互にダンパマスの遠心力によって押圧されることから、転動体すなわち円筒体が回転部材の外周部に当接する周面に対する滑りを防止もしくは抑制して転動体を回転させながら移動させることができる。また、ダンパマスに作用する遠心力によって転動体と回転部材とに対して相互に押圧力を働かせるため、押圧する際の力が過剰となることを防止もしくは抑制できる。
請求項4の発明によれば、請求項1ないし3のいずれかの発明による効果と同様の効果に加えて、ダンパマスもしくは転動体の初期位置がダンパマスもしくは転動体の可動範囲で動作可能に規制されていることから、組み付け時に初期位置を設定する際、組み付けが容易となり組付性が向上し、また、回転部材に対して過渡的な入力トルクが作用した場合、ダンパマスの振り子運動の角速度を規制できる。
この発明に係る振子式ダイナミックダンパを回転部材に適用した第1実施例における内部構造を示す模式図(a)および模式図(a)のA−A断面における側面断図(b)であり、さらにその振子式ダイナミックダンパにおける振り子が作動した状態の一例を示す模式図(c)である。 この発明に係る振子式ダイナミックダンパを回転部材に適用した第2実施例における内部構造を示す模式図(a)および模式図(a)のB−B断面における側面断図(b)であり、さらにその振子式ダイナミックダンパにおける振り子が作動した状態の一例を示す模式図(c)である。 この発明に係る振子式ダイナミックダンパを回転部材に適用した第3実施例における内部構造を示す模式図(a)および模式図(a)のC−C断面における側面断図(b)である。 この発明に係る振子式ダイナミックダンパを回転部材に適用した第4実施例における内部構造を示す模式図である。 この発明に係る振子式ダイナミックダンパを回転部材に適用した第5実施例における内部構造を示す模式図である。 従来の振子式ダイナミックダンパの簡易モデルの一例を表す模式図である。 従来の振子式ダイナミックダンパの振子の概略を模式的に表す概略図である。 従来の振子式ダイナミックダンパの振子の変位角および固有振動数と固有振動数を線形近似した振動数との比の関係を表すグラフである。 この発明に係る振子式ダイナミックダンパを回転部材に適用した第4実施例を改良した例における内部構造を示す模式図である。
つぎにこの発明を図面を参照して具体的に説明する。この発明は、回転体もしくは回転部材(以下、単に回転部材という)に備えられて、回転部材の回転変動もしくはトルク変動もしくはこれに起因する捩り振動を吸収もしくは減衰させて緩和させる振子式ダイナミックダンパに関するものである。したがって、その回転部材は、車両に搭載されるエンジンのクランクシャフトや変速機のインプットシャフトあるいはドライブシャフトなどに備えられてこれらと一体回転する機械要素である。
図6もしくは図7に示すように、一般的なこの種の振子式ダイナミックダンパは、回転体100の外周部に収容室などが設けられて、そこに収容される振子(ダンパマス、ダンパウェイトともいう)101を備えている。回転体100の軸心から振子101が支持されている支持部位までの距離をRとし、この支持部位から振子101の重心までの距離をLとし、振子101における回転体100の半径方向に対する変位角をθ[deg]とし、回転体100の固有振動数をΩとし、角速度をωとすると、振子101の固有振動数Ωによる角速度ωは以下の式(1)で表される。
Figure 2011220502
実際の振子101の固有振動数Ωによる角速度ωは式(1)のように表されるが、振子101の往復運動次数を回転体100の回転変動次数に合わせることによって振動を低減する際には、線形近似に基づく、以下の式(2)が適用される。
Figure 2011220502
図8に示すように、この線形近似に基づく式(2)では、振子101の変位角θ[deg]が大きくなるにつれて、実際の振子101の固有振動数Ωによる角速度ωに対して、線形近似に基づく角速度ωは、ずれたものとなってしまい、振動を吸収もしくは減衰させることができなくなる。従来、このような振子101の変位角θ[deg]が大きくなることによる影響を抑制もしくは回避するために、振子101が移動する軌跡(軌道)を円弧軌道ではなく、楕円やサイクロイドなどの軌道にする構成が知られており、振子101の軌道をその楕円やサイクロイドなどの軌道となるように、振子101の収容されている収容室において振子101が当接しながら移動する内周面の形状を加工するものが知られている。この内周面の形状を加工する際には、精度を出すなど加工において困難な点が多くコストなどの点で不利な面がある。
そのため、この発明に係る振子式ダイナミックダンパでは、回転部材の外周部に揺動自在に支持された振子(ダンパマス、ダンパウェイトともいう)を備えており、回転部材の外周部に収容されて回転部材の内部で転がりながら移動する転動体と、ダンパマスは転動体に取り付けられており、転動体の回転中心とダンパマスの重心とはずらされて取り付けられている。そして、振子の往復運動次数は、吸収もしくは減衰させたい回転部材の回転変動次数に等しくなるように設計されている。また、ダンパマスもしくは転動体の可動範囲が規制されており、回転部材に対して過渡的な入力トルクが作用した場合、ダンパマスの最大振れ角が規制されるように設計されている。
さらに、転動体は回転部材の外周部に当接する周面を有する円筒体で構成され、その当接した面が相互にダンパマスの遠心力によって押圧され、転動体すなわち円筒体が回転部材の外周部に当接する周面に対する滑りを防止もしくは抑制して転動体を回転させながら移動させるように設計されている。そして、ダンパマスもしくは転動体の初期位置がダンパマスもしくは転動体の可動範囲で動作可能に規制されており、ダンパマスもしくは転動体の初期位置がダンパマスもしくは転動体の可動範囲で動作可能に規制されていることから、回転部材に対して過渡的な入力トルクが作用した場合、初期のダンパマスの振り子運動の角速度を規制させるように設計されている。
より具体的に説明すると、図1(a)、(b)に、この発明に係る振子式ダイナミックダンパの第1実施例を模式的に示してある。符号1は、振子式ダイナミックダンパを表し、回転部材2の外周部に収容室3が設けられている。回転部材2は、例えば車両の動力伝達経路に備えられ、動力伝達経路に備えられた要素にトルク伝達可能に連結されている。この回転部材2に連結された動力伝達経路に備えられた要素がいわゆる被振動抑制部材となる。また、収容室3には、その内周側にギヤ歯面4,5が回転部材2の外周側に向けてギヤ歯が突起して設けられている。このギヤ歯面4,5のギヤ歯が突起して並べられる方向は、回転部材2が回転する平面内で、かつ回転部材2の回転方向における周面の接線方向や回転部材2の半径方向に対して直角となる方向で設けられていてよい。または、回転部材2の半径方向以外の方向で、角度が設けられた平面もしくは種々の曲率半径による曲面によって回転部材2の半径方向を通過する平面に対して面対称に設けられていてよい。
このギヤ歯面4,5に噛み合わせて転動体6,7がそれぞれ設けられている。転動体6,7には、それぞれギヤ歯面6a,7aがその外周面側に向けて形成されている。また、転動体6,7に形成されたギヤ歯面6a,7aと収容室3に形成されたギヤ歯面4,5とが噛み合わさりながら、ギヤ歯面4,5に対して転動体6,7は相対的に移動する構成となっている。この転動体6,7の中心部には、孔6b,7bが形成されており、この孔6b,7bには、転動軸8,9が転動体6,7に対して相対的に回転可能に嵌め込まれている。転動軸8,9における転動体6,7が相互に対向している側の端部は、転動体6,7と面一もしくは後述する振子(ダンパマス、ダンパウェイトともいう)12に対して干渉しないように転動軸8,9の端部が設置される構成であってよい。
この転動軸8,9における転動体6,7が相互に対向している側の背面側の端部は、回転部材2の収容室3に設けられたガイド部10,11に転動軸8,9の外周面がそれぞれ当接してそのガイド部10,11に支持されている。ガイド部10,11は、回転部材2の半径方向以外の方向で、角度が設けられた平面もしくは種々の曲率半径による曲面によって回転部材2の半径方向を通過する平面に対して面対称に設けられていてよい。または、このギヤ歯面4,5のギヤ歯が突起して並べられる方向は、回転部材2が回転する平面内で、かつ回転部材2の回転方向における周面の接線方向や回転部材2の半径方向に対して直角となる方向で設けられていてよい。
ギヤ歯面4,5は、回転部材2に伝達された振動を転動体6,7に対して伝達する伝達面として構成されている。ガイド部10,11は、転動体6,7もしくは転動軸8,9の動きを規制する規制面として構成されている。そして、ギヤ歯面4,5のピッチ線とガイド部10,11とは、パラレル状に配設されてギヤ歯面4,5に転動体6,7のギヤ歯面6a,7aが噛み合ってギヤ歯面4,5上を移動し、かつ転動軸8,9が外周面を当接させてガイド部10,11上を転がりながら移動する構成となっている。なお、転動体6,7の中心部に形成された孔6b,7bに、転動軸8,9が転動体6,7に対して相対的に回転不可能に嵌め込まれて、すなわち固定して連結されて、転動軸8,9が外周面を当接させてガイド部10,11上を摺動しながら移動する構成となっていてもよい。
また、転動体6,7が相互に対向している間で、振子12が転動体6,7の外周側に支持されたピン13にその重心Oが支持されて吊り上げられている。転動体6,7の外周側にピン13が支持される形態は、固定して連結されるか、もしくはピン13が円筒状に構成されて転動体6,7の外周側に回転可能に支持される構成のいずれでもよい。また、振子12がピン13に支持される形態は、固定して連結されるか、もしくはピン13が円筒状に構成されて振子12がピン13に回転可能に支持される構成のいずれでもよい。さらに振子12の形状は、図1(a)、(b)に示すとおり、円板形であってよく、また、ピン13の軸心が振子12の重心Oに一致していれば種々の形状であってよい。
つぎに、前述したように構成されたこの発明に係る振子式ダイナミックダンパの第1実施例の作用について説明する。図1(c)に、この発明に係る振子式ダイナミックダンパの第1実施例の動作の一例が示されている。回転部材2に連結されている被振動抑制部材のトルク変動や回転方向もしくは捩り方向の振動が、回転部材2に入力される。回転部材2の外周部に設けられた収容室3における内周側に設けられたギヤ歯面4,5から転動体6,7にそれぞれ形成されたギヤ歯面6a,7aへとトルク変動が伝達される。すなわち、このようにトルク変動がギヤ歯面4,5から転動体6,7のギヤ歯面6a,7aへと伝達されることから、ギヤ歯面4,5上を転動体6,7が転動軸8,9を支点にして回転し、かつ転動軸8,9がガイド部10,11上を転がって、このガイド部10,11に沿って転動体6,7が移動する。
転動体6,7がこのように回転および移動して動作することにより、転動体6,7の外周側に支持されたピン13に重心Oが支持された振子12が揺動する。ピン13を支点にした振子12が揺動する際のその重心Oの軌道は、転動体6,7が前述のようにすなわち回転運動と並進運動とをすることにより振子12の重心Oが転動体6,7の外周上の一点に固定され、この転動体6,7を転動軸8,9を介して転がしたときにできる振子12の重心Oの軌道がいわゆるサイクロイド形もしくはそれに近似した軌道またはサイクロイド形を変形させた軌道(以下、単にサイクロイド状の軌道)となる。
転動軸8,9がガイド部10,11に沿って転がって転動体6,7が転動軸8,9を軸心に回転するため、振子12の重心Oがサイクロイド状の軌道を移動するため、振子12の変位角が大きい場合であっても、振子12の往復運動次数を回転部材2の回転変動次数(固有振動次数)に適合もしくは近づけられることによって回転部材2および回転部材2を介して動力伝達経路のトルク変動や捩り振動を吸収もしくは低減して緩和できる。また、上記のとおり、サイクロイド状に振子12の重心Oが軌道を移動する構成を特殊な形状を用いずに容易に製造することができる。
さらに、転動体6,7と転動軸8,9とは、相対回転することができることから、ガイド部10,11を転動軸8,9が移動する際に、転がって移動することができ、ガイド部10,11と転動軸8,9の外周面との摩耗を抑制できる。またさらに、転動体6,7のギヤ歯面6a,7aがギヤ歯面4,5に噛み合ってガイド部10,11を移動して転動体6,7が回転することから、振子12の振子運動にともなって、転動体6,7が移動する際に確実に回転運動をさせつつ移動させることができる。
図2(a)、(b)に、この発明に係る振子式ダイナミックダンパの第2実施例を模式的に示してある。符号20は、振子式ダイナミックダンパを表し、回転部材21の外周部に収容室22が設けられている。回転部材21は、例えば車両の動力伝達経路に備えられ、動力伝達経路に備えられた要素にトルク伝達可能に連結されている。この回転部材21に連結された動力伝達経路に備えられた要素がいわゆる被振動抑制部材となる。また、収容室22には、その内周側にギヤ歯面23が回転部材21の外周側に向けてギヤ歯が突起して設けられている。このギヤ歯面23のギヤ歯が突起して並べられる方向は、回転部材21が回転する平面内で、かつ回転部材21の回転方向における周面の接線方向や回転部材21の半径方向に対して直角となる方向で設けられていてよい。または、回転部材21の半径方向以外の方向で、角度が設けられた平面もしくは種々の曲率半径による曲面によって回転部材21の半径方向を通過する平面に対して面対称に設けられていてよい。
このギヤ歯面23に噛み合わせて転動体24が設けられている。この転動体24には、振子部25が設けられている。このギヤ歯面23と転動体24と振子部25とは同一平面を共有しているため、振子部25が振り幅もしくは変位角が大きくなった場合、ギヤ歯面23に振子部25の周面が当接して振子部25の振り幅もしくは変位角が規制されるように構成されている。転動体24には、ギヤ歯面24aがその外周面側に向けて形成されている。また、転動体24に形成されたギヤ歯面24aと収容室22に形成されたギヤ歯面23とが噛み合わさりながら、ギヤ歯面23に対して転動体24は相対的に移動する構成となっている。この転動体24の中心部には、孔24bが形成されており、この孔24bには、転動軸26が転動体24に対して相対的に回転可能に嵌め込まれている。この転動軸26は、回転部材21の収容室22に設けられたガイド部27,28に転動軸26の両端部の外周面が当接してそのガイド部27,28に支持されている。ガイド部27,28は、回転部材21の半径方向以外の方向で、角度が設けられた平面もしくは種々の曲率半径による曲面によって回転部材21の半径方向を通過する平面に対して面対称に設けられていてよい。または、このギヤ歯面23のギヤ歯が突起して並べられる方向は、回転部材21が回転する平面内で、かつ回転部材21の回転方向における周面の接線方向や回転部材21の半径方向に対して直角となる方向で設けられていてよい。
ギヤ歯面23は、回転部材21に伝達された振動を転動体24に対して伝達する伝達面として構成されている。ガイド部27,28は、転動体24もしくは転動軸26の動きを規制する規制面として構成されている。そして、ギヤ歯面23のピッチ線とガイド部27,28とは、パラレル状に配設されてギヤ歯面23に転動体24のギヤ歯面24aが噛み合ってギヤ歯面23上を移動し、かつ転動軸26が外周面を当接させてガイド部27,28上を転がりながら移動する構成となっている。なお、転動体24の中心部に形成された孔24bに、転動軸26が転動体24に対して相対的に回転不可能に嵌め込まれて、すなわち固定して連結されて、転動軸26が外周面を当接させてガイド部27,28上を摺動しながら移動する構成となっていてもよい。
つぎに、前述したように構成されたこの発明に係る振子式ダイナミックダンパの第2実施例の作用について説明する。図2(c)に、この発明に係る振子式ダイナミックダンパの第2実施例の動作の一例が示されている。回転部材21に連結されている被振動抑制部材のトルク変動や回転方向もしくは捩り方向の振動が、回転部材21に入力される。回転部材21の外周部に設けられた収容室22における内周側に設けられたギヤ歯面23から転動体24にそれぞれ形成されたギヤ歯面24aへとトルク変動が伝達される。すなわち、このようにトルク変動がギヤ歯面23から転動体24のギヤ歯面24aへと伝達されることから、ギヤ歯面23上を転動体24が転動軸26を支点にして回転し、かつ転動軸26がガイド部27,28上を転がって、このガイド部27,28に沿って転動体24が移動する。
転動体24がこのように回転および移動して動作することにより、転動体24の重心Oが支持された振子部25が揺動する。振子部25が揺動する際のその重心Oの軌道は、転動体24が前述のようにすなわち回転運動と並進運動とをすることにより振子部25の重心Oが転動体24の外周上の一点に固定され、この転動体24を転動軸26を介して転がしたときにできる振子部25の重心Oの軌道がいわゆるサイクロイド形もしくはそれに近似した軌道またはサイクロイド形を変形させた軌道(以下、単にサイクロイド状の軌道)となる。また、この第2実施例の構成では、前述のとおりギヤ歯面23と転動体24と振子部25とは同一平面を共有しているため、振子部25が振り幅もしくは変位角が大きくなった場合、ギヤ歯面23に振子部25の周面が当接して振子部25の振り幅もしくは変位角が規制される。
転動軸26がガイド部27,28に沿って転がって転動体24が転動軸26を軸心に回転するため、振子部25の重心Oがサイクロイド状の軌道を移動するため、振子部25の変位角が大きい場合であっても、振子部25の往復運動次数を回転部材21の回転変動次数(固有振動次数)に適合もしくは近づけられることによって回転部材21および回転部材21を介して動力伝達経路のトルク変動や捩り振動を吸収もしくは低減して緩和できる。また、上記のとおり、サイクロイド状に振子部25の重心Oが軌道を移動する構成を特殊な形状を用いずに容易に製造することができる。
さらに、転動体24と転動軸26とは、相対回転することができることから、ガイド部27,28を転動軸26が移動する際に、転がって移動することができ、ガイド部27,28と転動軸26の外周面との摩耗を抑制できる。またさらに、転動体24のギヤ歯面24aがギヤ歯面23に噛み合ってガイド部27,28を移動して転動体24が回転することから、振子部25の振子運動にともなって、転動体24が移動する際に確実に回転運動をさせつつ移動させることができる。そして、この転動体24には、振子部25が設けられて一体に形成されていることから、部品点数を削減でき、また、収容室22内の占有容積、特に回転部材21の軸線方向で減少させることができ、振子式ダイナミックダンパ20を小型化できる。また、このギヤ歯面23と転動体24と振子部25とは同一平面を共有しているため、振子部25が振り幅もしくは変位角が大きくなった場合、ギヤ歯面23に振子部25の周面が当接して振子部25の振り幅もしくは変位角が規制されるため、ギヤ歯面23が振子部25の周面が当接する部位をストッパとして機能させることができる。
図3(a)、(b)に、この発明に係る振子式ダイナミックダンパの第3実施例を模式的に示してある。この第3実施例は、前述した図2に示す第2実施例の構成を改良した例である。そのため、同様の構成について、第2実施例と同じ符号を付して説明を省略する。また、その作用・効果についても同様とする。符号30は、振子式ダイナミックダンパを表し、回転部材21の外周部に収容室22が設けられている。この第3実施例の構成では、第2実施例の構成に加えて、ギヤ歯面23に転動体24が当接する両端部に緩衝部材31が設置されている。この緩衝部材31は、ギヤ歯面23側に、振子部25の周面が当接した際に適当なショック(衝撃力)の吸収性を有して運転者に違和感や車両の挙動への影響を抑制する構成であればよく、その素材は、樹脂や金属など、またはそれらの複合材料であってよい。また、その取り付け方法は、特に支持部材などを設ける必要はなく、耐久性などが充分な接着剤などでギヤ歯面23に貼り付ける構成であってよい。
このように構成された第3実施例では、第2実施例の構成と同様に作用し、回転部材21に対して振子部25の振り幅の規制されている範囲を超えるトルク変動や捩り振動が伝達されると、回転部材21から転動体24へとそれらのギヤ歯面23とギヤ歯面24aとを介してトルク変動や捩り振動が伝達される。したがって、転動体24が大きく回転運動および並進運動を行って振子部25がサイクロイド軌道もしくはそれに近似した軌道を移動して、その周面がギヤ歯面23側に当接する。この際、前述のとおり、振子部25の周面とギヤ歯面23との当接する部位には緩衝部材31が設けられているため、振子部25の周面がギヤ歯面23に当接する際の衝撃が緩和される。そのため、例えば、エンジン始動時や停止時に動力伝達経路を介して転動体21に過渡的な大きな入力があった際に、振子部25の周面がギヤ歯面23に当接する際の衝撃力を吸収でき、異音の発生を防止もしくは抑制できる。また、緩衝部材31を取り付ける際には、特に支持部材などを設ける必要もなく接着などにより貼り付けるなどの構成でよいため、低コストに異音対策を行える。
図4に、この発明に係る振子式ダイナミックダンパの第4実施例を模式的に示してある。この第4実施例は、前述した図1に示す第1実施例の構成を改良した例である。すなわち、ギヤ歯面6a,7aを有する転動体6,7の代わりにローラ面45a,46aが転動体45,46に設けられ、回転部材41の内周側に設けられた転動面43,44に対してローラ面45a,46aが回転部材41の半径方向に振子51の遠心力によって押圧されて、もしくは、転動面43,44とガイド部49,50との間に挟圧力を作用させて転動体45,46が回転運動および並進運動することから、振子51をサイクロイド軌道に移動させて動力伝達経路で発生したトルク変動や捩り振動を回転部材41を介して緩和させるものである。
以下、具体的に説明する。符号40は、振子式ダイナミックダンパを表し、回転部材41の外周部に収容室42が設けられている。回転部材41は、例えば車両の動力伝達経路に備えられ、動力伝達経路に備えられた要素にトルク伝達可能に連結されている。この回転部材41に連結された動力伝達経路に備えられた要素がいわゆる被振動抑制部材となる。また、収容室42には、その内周側に転動面43,44が設けられている。この転動面43,44が設けられる方向は、回転部材41が回転する平面内で、かつ回転部材41の回転方向における周面の接線方向や回転部材41の半径方向に対して直角となる方向で設けられていてよい。または、回転部材41の半径方向以外の方向で、角度が設けられた平面もしくは種々の曲率半径による曲面によって回転部材41の半径方向を通過する平面に対して面対称に設けられていてよい。また、転動面43,44は、回転部材41の半径方向の内側方向および外側方向に移動可能に構成されている。
この転動面43,44に対して転動体45,46のローラ面45a,46aがそれぞれ当接して設けられている。転動体45,46には、それぞれローラ面45a,46aがその外周面側に向けて形成されている。また、転動面43,44とガイド部との間に挟圧力が作用して、転動体45,46に形成されたローラ面45a,46aが収容室42に形成された転動面43,44に振子51による遠心力により押圧されながら、転動面43,44に対して転動体45,46は相対的に移動する構成となっている。この転動体45,46の中心部には、孔45b,46bが形成されており、この孔45b,46bには、転動軸47,48が転動体45,46に対して相対的に回転可能に嵌め込まれている。転動軸47,48における転動体45,46が相互に対向している側の端部は、転動体45,46と面一もしくは後述する振子(ダンパマス、ダンパウェイトともいう)51に対して干渉しないように転動軸47,48の端部が設置される構成であってよい。
この転動軸47,48における転動体45,46が相互に対向している側の背面側の端部は、回転部材41の収容室42に設けられたガイド部49,50に転動軸47,48の外周面がそれぞれ当接してそのガイド部49,50に支持されている。ガイド部49,50は、回転部材41の半径方向以外の方向で、角度が設けられた平面もしくは種々の曲率半径による曲面によって回転部材41の半径方向を通過する平面に対して面対称に設けられていてよい。または、このローラ面45a,46aがその外周面側に向けて形成されている方向は、回転部材41が回転する平面内で、かつ回転部材41の回転方向における周面の接線方向や回転部材41の半径方向に対して直角となる方向で設けられていてよい。また、ガイド部49,50は、回転部材41の半径方向の内側方向および外側方向に移動可能に構成されている。
ローラ面45a,46aは、回転部材41に伝達された振動を転動体45,46に対して伝達する伝達面として構成されている。ガイド部49,50は、転動体45,46もしくは転動軸47,48の動きを規制する規制面として構成されている。そして、ローラ面45a,46aとガイド部49,50とは、パラレル状に配設されて転動面43,44に転動体45,46のローラ面45a,46aが当接しながら移動し、かつ転動体45,46が外周面を当接させてガイド部49,50上を転がりながら移動する構成となっている。なお、転動体45,46の中心部に形成された孔45b,46bに、転動軸47,48が転動体45,46に対して相対的に回転不可能に嵌め込まれて、すなわち固定して連結されて、転動軸47,48が外周面を当接させてガイド部49,50上を摺動しながら移動する構成であってもよい。
また、転動体45,46が相互に対向している間で、振子51が転動体45,46の外周側に支持されたピン52にその重心Oが支持されて吊り上げられている。転動体45,46の外周側にピン52が支持される形態は、固定して連結されるか、もしくはピン52が円筒状に構成されて転動体45,46の外周側に回転可能に支持される構成のいずれでもよい。また、振子51がピン52に支持される形態は、固定して連結されるか、もしくはピン52が円筒状に構成されて振子51がピン52に回転可能に支持される構成のいずれでもよい。さらに振子51の形状は、図4に示すとおり、円板形であってよく、また、ピン52の軸心が振子51の重心Oに一致していれば種々の形状であってよい。
ここで、転動面43,44とガイド部49,50との間に挟圧力が作用して、収容室42に形成された転動面43,44に対して、振子51による遠心力により転動体45,46に形成されたローラ面45a,46aが押圧されながら、転動面43,44に対して転動体45,46が相対的に移動する構成について説明する。前述のとおり、転動面43,44とガイド部49,50とは、回転部材41の半径方向の内側方向および外側方向に移動可能に構成されている。また、転動面43,44には斜面43a,44aを有する溝もしくは凹部が設けられており、また、ガイド部49,50には斜面49a,50aが設けられている。この転動面43,44の斜面43a,44aとガイド部49,50の斜面49a,50aとに、回転部材41の内周側と外周側とに斜面53a,53b,53c,53dが形成された鉤状部を有する押圧力付与部材53が係合している。
また、斜面43a,44aと斜面53a,53bとは面接触して当接するように同じ角度で形成されている。また、斜面49a,50aと斜面53c,53dとは面接触して当接するように同じ角度で形成されている。さらに、斜面43a,44aおよび斜面53a,53bの角度は、斜面49a,50aおよび斜面53c,53dの角度よりも大きく設定されている。またさらに、押圧力付与部材53には、初期位置に戻すもしくは適切な押圧状態とするための弾性部材54が設けられている。この弾性部材54は、弾性方向の一端部が押圧力付与部材53に連結され、他端部が回転部材41の収容室42などに支持されたコイルスプリングなどで構成されていてよい。
このように各斜面43a,44a,49a,50a,53a,53b,53c,53dが設定されて、また、転動面43,44とガイド部49,50とは、回転部材41の半径方向の内側方向および外側方向に移動可能に構成されていることから、転動面43,44に対して、転動体45,46の周面が押圧され、転動軸47,48の周面に対してガイド部49,50から押圧力が作用する構成となっている。
つぎに、前述したように構成されたこの発明に係る振子式ダイナミックダンパの第4実施例の作用について説明する。回転部材41に連結されている被振動抑制部材のトルク変動や回転方向もしくは捩り方向の振動が、回転部材41に入力される。回転部材41の外周部に設けられた収容室42における内周側に設けられた転動面43,44から転動体45,46のローラ面45a,46aへとトルク変動が伝達される。すなわち、このようにトルク変動が転動面43,44から転動体45,46のローラ面45a,46aへと伝達されることから、転動面43,44上を転動体45,46が転動軸47,48を支点にして回転し、かつ転動軸47,48がガイド部49,50上を転がって、このガイド部49,50に沿って転動体45,46が移動する。
このとき、転動面43,44には斜面43a,44aを有する溝もしくは凹部が設けられ、ガイド部49,50には斜面49a,50aが設けられ、転動面43,44とガイド部49,50とは、回転部材41の半径方向の内側方向および外側方向に移動可能に構成され、転動面43,44の斜面43a,44aとガイド部49,50の斜面49a,50aとに、回転部材41の内周側と外周側とに斜面53a,53b,53c,53dが形成された鉤状部を有する押圧力付与部材53が係合していることから、転動面43,44と転動体45,46とに相互に押圧力が作用している。そして、転動面43,44上を転動体45,46が滑りを発生することなく転がされて回転しながら移動する。
転動体45,46がこのように回転および移動して動作することにより、転動体45,46の外周側に支持されたピン52に重心Oが支持された振子51が揺動する。ピン52を支点にした振子51が揺動する際のその重心Oの軌道は、転動体45,46が前述のようにすなわち回転運動と並進運動とをすることにより振子51の重心Oが転動体45,46の外周上の一点に固定され、この転動体45,46を転動軸47,48を介して転がしたときにできる振子51の重心Oの軌道がいわゆるサイクロイド形もしくはそれに近似した軌道またはサイクロイド形を変形させた軌道(以下、単にサイクロイド状の軌道)となる。
転動軸47,48がガイド部49,50に沿って転がって転動体45,46が転動軸47,48を軸心に回転するため、振子51の重心Oがサイクロイド状の軌道を移動するため、振子51の変位角が大きい場合であっても、振子51の往復運動次数を回転部材41の回転変動次数(固有振動次数)に適合もしくは近づけられることによって回転部材41および回転部材41を介して動力伝達経路のトルク変動や捩り振動を吸収もしくは低減して緩和できる。また、上記のとおり、サイクロイド状に振子51の重心Oが軌道を移動する構成が簡易に製造することができる。
さらに、転動体45,46と転動面43,44とは、相対回転することができることから、ガイド部49,50を転動軸47,48が移動する際に、転がって移動することができ、ガイド部49,50と転動軸47,48の外周面との摩耗を抑制できる。またさらに、転動体45,46が転動面43,44に押圧されつつガイド部49,50を移動して転動体45,46が回転することから、振子51の振子運動にともなって、転動体45,46が移動する際に確実に回転運動をさせつつ移動させることができる。
そして、転動面43,44には斜面43a,44aを有する溝もしくは凹部が設けられ、ガイド部49,50には斜面49a,50aが設けられ、転動面43,44とガイド部49,50とは、回転部材41の半径方向の内側方向および外側方向に移動可能に構成され、転動面43,44の斜面43a,44aとガイド部49,50の斜面49a,50aとに、回転部材41の内周側と外周側とに斜面53a,53b,53c,53dが形成された鉤状部を有する押圧力付与部材53が係合していることから、転動面43,44と転動体45,46とに相互に押圧力を作用させることができる。そのため、転動面43,44上を転動体45,46が滑りを発生することなく転がされて回転しながら移動させることができる。また、振子51に作用する遠心力によって転動体45,46に対して挟圧力を働かせるため、転動体45,46の周面を転動面43,44に押圧する際の力が過度とならずに作用させることができる。
図5に、この発明に係る振子式ダイナミックダンパの第5実施例を模式的に示してある。この第5実施例は、前述した図1または4に示す第1実施例または第4実施例の構成を改良した例である。そのため、同様の構成について、第1実施例または第4実施例と同じ符号を付して説明を省略する。また、その作用・効果についても同様とする。符号60は、振子式ダイナミックダンパを表し、この第5実施例の振子式ダイナミックダンパ60には、第1実施例における転動体6,7の外周面もしくは第4実施例における転動体45,46の外周面に対して当接して弾性的に支持する振子ストッパ61が備えられている。振子ストッパ61は、回転部材2もしくは回転部材41の軸心から振子12もしくは振子51の重心Oを結ぶ一直線上で、かつ転動体6,7もしくは転動体45,46の可動範囲の中間地点に転動体6,7もしくは転動体45,46の回転軸心の位置するように、第1実施例における転動体6,7もしくは第4実施例における転動体45,46が弾性的に支持される。
そのため、振子ストッパ61は、転動体6,7の外周面もしくは転動体45,46の外周面に対して2箇所で当接するようにくの字形もしくは矩形状をしている。転動体6,7もしくは転動体45,46の可動左右方向において、振子ストッパ61の矩形状の一方側で転動体6,7の外周面もしくは転動体45,46の外周面の一箇所を支持し、振子ストッパ61の矩形状の他方側で転動体6,7の外周面もしくは転動体45,46の外周面の一箇所を支持して、回転部材2もしくは回転部材41の軸心から振子12もしくは振子51の重心Oを結ぶ一直線上で、かつ転動体6,7もしくは転動体45,46の可動範囲の中間地点に転動体6,7もしくは転動体45,46の回転軸心の位置となるように設けられている。
また、振子ストッパ61の矩形状における一方側と他方側との転動体6,7の外周面もしくは転動体45,46の外周面と当接する背面には、ストッパ用弾性部材62が備えられている。ストッパ用弾性部材62は、転動体6,7もしくは転動体45,46を前述の初期位置に配置するように、かつ転動体6,7もしくは転動体45,46の可動範囲が維持されるように設けられている。さらに、振子ストッパ61は、その矩形状の先端部61aで回転自在に支持されている。そのため、振子ストッパ61は、先端部61aを支点に揺動自在となっている。また、振子ストッパ61とストッパ用弾性部材62とは、振子12もしくは振子51の効果が期待される動作領域たとえばエンジンのアイドル回転以上では、その動作を阻害しないように構成されている。なお、ストッパ用弾性部材62が備えられるのではなく、転動体6,7の外周面もしくは転動体45,46の軸方向にトーションバーなどの捩りバネが設けられて、トーションバーなどの捩りバネに弾性的に付勢されて振子ストッパ61が転動体6,7もしくは転動体45,46の初期位置や動作領域が設定される構成であってよい。
このように構成された第5実施例では、振子ストッパ61とストッパ用弾性部材62とが備えられている以外は、第1実施例または第4実施例の構成と同様に作用する。回転部材2もしくは回転部材41に対して動力伝達経路からのトルク変動もしくは捩り振動が入力されない状態では、振子ストッパ61によって回転部材2もしくは回転部材41の軸心から振子12もしくは振子51の重心Oを結ぶ一直線上で、かつ転動体6,7もしくは転動体45,46の可動範囲の中間地点に転動体6,7もしくは転動体45,46の回転軸心の位置が配置される構成となっている。回転部材2もしくは回転部材41に対して動力伝達経路からのトルク変動もしくは捩り振動が入力されると、転動体6,7もしくは転動体45,46が可動範囲で回転しながら移動する。このとき、振子ストッパ61も、先端部61aを支点に初期位置から揺動して傾く。そして、振子ストッパ61に転動体6,7もしくは転動体45,46が支持されながら移動するとともに、振子12もしくは振子51が揺動する。振子12もしくは振子51が揺動することから、回転部材2もしくは回転部材41に対して動力伝達経路からのトルク変動もしくは捩り振動が吸収もしくは減衰されて緩和される。
上記のように構成される振子ストッパ61とストッパ用弾性部材62とが備えられたことから、転動体6,7もしくは転動体45,46の初期位置および転動体6,7もしくは転動体45,46の可動範囲を規制することができる。また、転動体6,7もしくは転動体45,46の初期位置が振子ストッパ61とストッパ用弾性部材62とによって規制されていることから、振子12もしくは振子51や転動体6,7もしくは転動体45,46を組み付ける際に予め振子ストッパ61によって位置決めが容易となる。さらに、動力伝達経路の入力側にエンジンなどが設けられ、このエンジンの始動停止時などの過渡状態において、振子12もしくは振子51の揺動運動を規制することができ、振子12の外周面もしくは振子51の外周面がギヤ歯面4,5もしくは転動面43,44に当接して異音が発生することを防止できる。
上記の構成例において、第4実施例では、振子51に作用する遠心力を利用した機構を記載したが、このような機構を用いずに、図9に示すように転動体45,46の外周面を弾性力のある素材例えばゴム55a,55bなどを貼り付けて、転動面43,44とガイド部49,50との間の回転部材41の半径方向の隙間寸法を適宜に調整して固定されて転動面43,44を転動体45,46の滑りを抑制もしくは防止しつつ回転させて移動させる構成であってよい。
1…振子式ダイナミックダンパ、 2…回転部材(回転体)、 6…転動体、 12…ダンパマス(振子、ダンパウェイト)。

Claims (4)

  1. 回転部材の外周部に揺動自在に支持されたダンパマスを備えた振子式ダイナミックダンパにおいて、
    前記回転部材の外周部に収容されて前記回転部材の内部で前記ダンパマスの揺動にともなって転がりながら移動する転動体を備え、
    前記ダンパマスは前記転動体に取り付けられており、前記転動体の回転中心とダンパマスの重心とはずらされて取り付けられていることを特徴とする振子式ダイナミックダンパ。
  2. 前記ダンパマスもしくは前記転動体の可動範囲が規制されていることを特徴とする請求項1に記載の振子式ダイナミックダンパ。
  3. 前記転動体は前記回転部材の外周部に当接する周面を有する円筒体で構成され、その当接した面が相互に前記ダンパマスの遠心力によって押圧されることを特徴とする請求項1または2に記載の振子式ダイナミックダンパ。
  4. 前記ダンパマスもしくは前記転動体の初期位置が前記ダンパマスもしくは前記転動体の可動範囲で動作可能に規制されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の振子式ダイナミックダンパ。
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