JP2011219424A - 日焼け止め化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】
SPF(紫外線防御指数)が20以上の高い紫外線防御効果を有し、スプレー噴霧が可能であり、エタノールを配合することによりさっぱりとした使用感を付与した、分離せず一層で安定な水中油型乳化の日焼け止め化粧料を提供することである。
【解決手段】
(A)油溶性紫外線吸収剤、
(B)シリコーン油、
(C)ステアリン酸ソルビタン、
(D)エタノール、
(E)アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体
を含有し、(A)の配合量が9質量%以上であり、(D)の配合量が5〜20質量%であることを特徴とするスプレー噴霧用の水中油型乳化日焼け止め化粧料である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、スプレー噴霧用の水中油型乳化日焼け止め化粧料に関する。
日焼け止め化粧料は、汗ばむような日差しの強い季節に使用されることが多く、効果を持続させるために塗り直しが必要となることも多い。その際に生ずる、べたついた不快な感触を避けるために、手軽にスプレー噴霧できる日焼け止め化粧料が望まれている。
日焼け止め化粧料のタイプとして、油中水型乳化タイプ、水中油型乳化タイプ、油性固形タイプ等が挙げられるが、さっぱりとしたみずみずしい感触を得るためには特許文献1,2に示すような水中油型乳化タイプのものが好適に用いられている。
水中油型乳化タイプの日焼け止め化粧料では、油中水型乳化タイプの日焼け止め化粧料に比べて紫外線防御効果が発揮されにくい(特許文献3)。紫外線防御効果が高い水中油型乳化日焼け止め化粧料を提供するためには、紫外線吸収剤を増量する必要があり、油相の割合が大きくなって、さっぱりとしたみずみずしい感触を得ることが困難となる。さらに、油相の割合が大きい水中油型乳化組成物を安定化させるため、一般的には、界面活性剤を増量したり、増粘剤によって系の粘性を上げることが必要であり、べたついた感触が強くなるとともに、スプレー噴霧型の製剤を提供することは極めて困難となる(特許文献4)。
また、水中油型乳化日焼け止め化粧料の油性感を低減するためにはエタノールを配合することが有効であるが、エタノールを配合すると乳化状態が不安定になる問題がある。そのため、上記のように界面活性剤を増量したり、増粘剤によって系の粘性を上げることがさらに必要となるため、紫外線防御効果が高く、エタノールを配合することによりさっぱりとした使用感を付与した、スプレー噴霧用の水中油型乳化日焼け止め化粧料を提供することは極めて困難であった。
さらに、同様の機能を有する日焼け止め化粧料について、分離を前提として開発され、使用時に振盪してから使用するスプレー噴霧用の水中油型乳化日焼け止め化粧料が市場に存在するが、分離せず安定であり、使用時に振盪する必要のないスプレー噴霧用の日焼け止め化粧料の提供が望まれていた。
特開2002−284638号公報 特開2005−255669号公報 特開2008−162930号公報 特開2006−151901号公報
SPF(紫外線防御指数)が20以上の高い紫外線防御効果を有し、スプレー噴霧が可能であり、エタノールを配合することによりさっぱりとした使用感を付与した、分離せず一層で安定な水中油型乳化の日焼け止め化粧料を提供することである。
本発明の主な構成は、次のとおりである。
1. (A)油溶性紫外線吸収剤、
(B)シリコーン油、
(C)ステアリン酸ソルビタン、
(D)エタノール、
(E)アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体
を含有し、(A)の配合量が9質量%以上であり、(D)の配合量が5〜20質量%であることを特徴とするスプレー噴霧用の水中油型乳化日焼け止め化粧料。
2.(E)アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体の配合量が0.01〜0.05質量%であることを特徴とする1.に記載のスプレー噴霧用の水中油型乳化日焼け止め化粧料。
3.(A)油溶性紫外線吸収剤がメトキシケイヒ酸2−エチルヘキシル及び/又はt−ブチルメトキシジベンゾイルメタンであることを特徴とする1.又は2.に記載のスプレー噴霧用の水中油型乳化日焼け止め化粧料。
4.(B)シリコーン油として環状シリコーンとカプリリルメチコンを含有することを特徴とする1.〜3.のいずれかに記載のスプレー噴霧用の水中油型乳化日焼け止め化粧料。
SPF(紫外線防御指数)が20以上の高い紫外線防御効果を有し、スプレー噴霧が可能であり、エタノールを配合することによりさっぱりとした使用感を付与した、分離せず一層で安定な水中油型乳化の日焼け止め化粧料を提供することができた。
本発明のスプレー噴霧用の水中油型乳化日焼け止め化粧料は、一層で分離せず安定なので、使用前に振盪する必要がなく、すぐに噴霧使用できる。
日差しが強く汗ばむ季節には、日焼け止めクリームを塗布する際のべたついた不快な感触を回避することが望まれ、また、紫外線防御効果の高い製剤が望まれるが、本発明のスプレー噴霧用の水中油型乳化日焼け止め化粧料によって、当該ニーズを満たすことができた。
本発明のスプレー噴霧用の水中油型乳化日焼け止め化粧料は、(A)油溶性紫外線吸収剤と、(B)シリコーン油と、(C)ステアリン酸ソルビタンと、(D)エタノールと、(E)アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体を含有する。
本発明に用いる(A)油溶性紫外線吸収剤としては、ケイヒ酸系の油溶性紫外線吸収剤としてメトキシケイヒ酸2−エチルヘキシル、ケイヒ酸ベンジル、パラメトキシケイヒ酸2−エトキシエチル、ジパラメトキシケイヒ酸イソプロピル・ジイソプロピルケイヒ酸エステル混合物等、ジベンゾイルメタン系の油溶性紫外線吸収剤としてt−ブチルメトキシジベンゾイルメタン等、安息香酸系の油溶性紫外線吸収剤としてパラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エステル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル、ジヒドロキシプロピルアミノ安息香酸エチル等、サリチル酸系油溶性紫外線吸収剤としてサリチル酸フェニル、サリチル酸オクチル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸t−ブチルフェニル、サリチル酸ホモメンチル等、ウロカニン酸系としてウロカニン酸エチル等、ベンゾフェノン系としてヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン等、その他オクチルトリアゾン、ヒドロキシメチルフェニルベンゾトリアゾール等が挙げられる。
本発明に用いるメトキシケイヒ酸2−エチルヘキシルは、パラメトキシケイヒ酸2−エチルヘキシル、パラメトキシケイヒ酸オクチルとも呼ばれ、化粧品表示名称:メトキシケイヒ酸エチルヘキシル又はメトキシケイヒ酸オクチルに該当する成分である。メトキシケイヒ酸と2−エチルヘキシルアルコールとのエステルである。市販品を用いることができ、日清オイリオグループ製ノムコートTAB、ノムコートTAB−R、DSM ニュートリション ジャパン製パルソールMCX、BASF製ユビナールMC80N、メルク製Eusolex 2292等が挙げられる。
本発明に用いるt−ブチルメトキシジベンゾイルメタンは、4−tert−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタンとも呼ばれ、化粧品表示名称:t−ブチルメトキシジベンゾイルメタンに該当する成分である。市販品を用いることができ、DSM ニュートリション ジャパン製パルソール1789、シムライズ製NEO HELIOPAN 357、メルク製Eusolex 9020等が挙げられる。
本発明に用いる(A)油溶性紫外線吸収剤の配合量は9質量%以上である。9質量%未満であると、SPF20以上の紫外線防御効果を発揮することが困難である。
本発明に用いる(B)シリコーン油として、環状シリコーン、カプリリルメチコン、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン等が挙げられる。
本発明に用いる環状シリコーンは化粧品表示名称:シクロテトラシロキサン、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン、シクロメチコンに該当する成分である。環状のジメチルシロキサン化合物である。市販品を用いることができ、信越化学工業製KF−995、GE東芝シリコーン製TSF405、東レ・ダウコーニング製SH245Fluid、DC246Fluid、DC345Fluid等が挙げられる。
本発明に用いるカプリリルメチコンは化粧品表示名称:カプリリルメチコンに該当する成分であり、(CHSiO(CH(CH(CH)SiO)Si(CHの構造を有する。市販品を用いることができ、東レ・ダウコーニング製SS−3408、FZ−3196、GE東芝シリコーン製SILSOFT034、クラリアントジャパン製SilCare Silicone 41M15、SilCare Silicone 31M50等が挙げられる。
本発明に用いる(B)シリコーン油の配合量は2〜10質量%が好ましい。シリコーン油の配合量が2質量%よりも少ないと、油溶性紫外線吸収剤の乳化が困難となり、10質量%を超えると、低粘度の水中油型乳化化粧料が得られにくくなる。
本発明に用いる(C)ステアリン酸ソルビタンはモノステアリン酸ソルビタンとも呼ばれ、化粧品表示名称:ステアリン酸ソルビタンに該当する成分である。ステアリン酸と無水ソルビトールのモノエステルである。本成分は固体であり、通常、低粘度の乳化組成物には析出の問題が生ずる恐れがあるためあまり使用しない乳化剤である。しかしながら、本発明において本成分を使用することによって、液状の乳化剤を用いたときの分離やべたつきの課題を解決し、べたつきのない一層の安定な乳化組成物が実現できた。
ステアリン酸ソルビタンは市販品を用いることができ、日本エマルジョン製EMALEX SPE−100S、花王製レオドールAS−10V、レオドールSP−S10V、三洋化成工業製イオネットS−60V、日光ケミカルズ製NIKKOL SS−10V、日油製ノニオンSP−60R等が挙げられる。
本発明に用いる(C)ステアリン酸ソルビタンの配合量は0.2〜2質量%が好ましい。
本発明に用いる(D)エタノールの配合量は5〜20質量%である。当該濃度範囲で一層で安定な水中油型乳化化粧料が得られ、さっぱりとした使用感が実現できる。
本発明に用いる(E)アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体は化粧品表示名称:(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10−30))クロスポリマーに該当する成分であり、アクリル酸とアクリル酸アルキル(C10−30)の共重合体をショ糖のアリルエーテル又はペンタエリスリトールのアリルエーテルで架橋したものである。市販品を用いることができ、ルーブリゾール製PEMULEN TR−1、PEMULEN TR−2等が挙げられる。
本発明に用いる(E)アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体の配合量は0.01〜0.05質量%が好ましい。アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体は通常0.1〜0.3質量%の濃度で配合される増粘性の成分であるが、本発明では、通常使用しない範囲の低濃度の配合量にて、増粘性を発揮させずに水中油型乳化化粧料の安定性を維持する効果を見出したものである。
本発明のスプレー噴霧用の水中油型乳化日焼け止め化粧料には、その他の化粧料に通常用いられる原料を、本発明の効果を損なわない範囲内で配合することができる。例えば、シリコーン油以外の油剤、ステアリン酸ソルビタン以外の非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、抗酸化剤、水溶性紫外線吸収剤、キレート剤、防腐剤、抗菌剤、着色剤、香料、ビタミン類、植物抽出液、無機塩等が挙げられる。
本発明のスプレー噴霧用の水中油型乳化日焼け止め化粧料の粘度はB型粘度計を用いて、M11ローター、12rpm、30秒間の条件で測定したときに500mPa・s以下であることが好ましい。500mPa・sを超えるとスプレー噴射が困難となる場合がある。
表1の処方にて実施例1〜6、表2の処方にて比較例1〜6のスプレー噴霧用の水中油型乳化日焼け止め化粧料を調製した。1〜7、11,12の成分を80℃で混合溶解し、9,10,13,15の成分を80℃で混合溶解したものを添加して、ホモジナイザーで乳化した。30℃に冷却後、8,14,15の成分を撹拌混合して調製した。得られた化粧料について、以下の評価をした。
スプレー噴霧のし易さ
得られたスプレー噴霧用の水中油型乳化日焼け止め化粧料を、ポンプ式スプレー容器に充填し、スプレー噴霧して、以下の基準により評価した。
○:きれいにスプレー噴霧できる。
×:きれいに噴射せず、液だれする。
粘度測定
得られたスプレー噴霧用の水中油型乳化日焼け止め化粧料についてB型粘度計を用いて、M11ローター、12rpm、30秒間の条件で粘度を測定した。
安定性
得られたスプレー噴霧用の水中油型乳化日焼け止め化粧料を40℃の恒温槽に2週間保管し、状態を観察した。
○:分離、析出がなく安定である。
×:分離もしくは析出が生じた。
使用感
得られたスプレー噴霧用の水中油型乳化日焼け止め化粧料をスプレー噴霧し、以下の基準により使用感を評価した。
○:油性感が少なく、さっぱりしている。
×:油性感があり、さっぱりしていない。
SPF測定
得られたスプレー噴霧用の水中油型乳化日焼け止め化粧料をトランスポアテープ(住友3M社製)に2mg/cmになるよう均一に塗布し、SPF Analyzer UV-1000S(Labsphere社製)にてin-vitro SPF値の測定を行った。
尚、実施例2の測定値は、国際SPF測定法基準に従い測定したin-vivoのSPF値であり、前記、in-vitro SPF値はこのin-vivoのSPF値を用いて補正したものである。
比較例3〜7については、安定性、使用感が劣るため、SPFの測定は行わなかった。
Figure 2011219424
Figure 2011219424
実施例1〜8のスプレー噴霧用の水中油型乳化日焼け止め化粧料はスプレー噴霧性能に優れ、分離せず一層で安定性を保ち、さっぱりとした使用感を有し、SPF20以上の高い紫外線防御効果を示した。
一方、油溶性紫外線吸収剤の配合量が9質量%に満たない比較例1、2についてはSPFが20未満であり、目的とする紫外線防御効果が得られなかった。
シリコーン油に代えてスクワランを配合した比較例3については、安定性に劣り分離が生じ、使用感に劣り油性感の強いものであった。
ステアリン酸ソルビタンに代えてモノイソステアリン酸ソルビタンを配合した比較例4は分離が生じた。モノイソステアリン酸ソルビタンを5質量%に増量した比較例5は粘性が増大し、きれいにスプレー噴霧できず、液だれするものであった。
エタノールを含有しない比較例6は油性感が強く、使用感に劣るものであった。
アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体に代えてカルボキシビニルポリマーを配合した比較例7は安定性、使用感に劣るものであった。

Claims (4)

  1. (A)油溶性紫外線吸収剤、
    (B)シリコーン油、
    (C)ステアリン酸ソルビタン、
    (D)エタノール、
    (E)アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体
    を含有し、(A)の配合量が9質量%以上であり、(D)の配合量が5〜20質量%であることを特徴とするスプレー噴霧用の水中油型乳化日焼け止め化粧料。
  2. (E)アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体の配合量が0.01〜0.05質量%であることを特徴とする請求項1に記載のスプレー噴霧用の水中油型乳化日焼け止め化粧料。
  3. (A)油溶性紫外線吸収剤がメトキシケイヒ酸2−エチルヘキシル及び/又はt−ブチルメトキシジベンゾイルメタンであることを特徴とする請求項1又は2に記載のスプレー噴霧用の水中油型乳化日焼け止め化粧料。
  4. (B)シリコーン油として環状シリコーンとカプリリルメチコンを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスプレー噴霧用の水中油型乳化日焼け止め化粧料。
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