JP2011219416A - 芳香族多価カルボン酸無水物化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】設備や操作が簡単であり、高温を必要とせず、高純度で収率良く且つ経済的に芳香族多価カルボン酸無水物化合物を得ることができる改良された製造方法を提供すること。
【解決手段】分子内に芳香族1,2−ジカルボン酸エステル構造及び/又は1,8−ナフタレンジカルボン酸エステル構造を有する芳香族多価カルボン酸エステル化合物を、強酸及び有機カルボン酸化合物の存在下且つ有機溶媒の非存在下で加熱し、生成するアルコキシ化合物を除去しながら反応させ、ジカルボン酸エステル構造を無水物化することを特徴とする芳香族多価カルボン酸無水物化合物の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】分子内に芳香族1,2−ジカルボン酸エステル構造及び/又は1,8−ナフタレンジカルボン酸エステル構造を有する芳香族多価カルボン酸エステル化合物を、強酸及び有機カルボン酸化合物の存在下且つ有機溶媒の非存在下で加熱し、生成するアルコキシ化合物を除去しながら反応させ、ジカルボン酸エステル構造を無水物化することを特徴とする芳香族多価カルボン酸無水物化合物の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、分子内に芳香族1,2−ジカルボン酸エステル構造及び/又は1,8−ナフタレンジカルボン酸エステル構造を有する芳香族多価カルボン酸エステル化合物から、対応する芳香族1,2−ジカルボン酸無水物構造及び/又は1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物構造を有する芳香族多価カルボン酸無水物化合物を製造する方法に関する。芳香族多価カルボン酸無水物化合物は、例えば芳香族ポリイミドをはじめとする各種樹脂の製造原料として有用な化合物である。
従来、分子内に芳香族1,2−ジカルボン酸エステル構造及び/又は1,8−ナフタレンジカルボン酸エステル構造を有する芳香族多価カルボン酸エステル化合物から芳香族1,2−ジカルボン酸無水物構造及び/又は1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物構造を有する芳香族多価カルボン酸無水物化合物を製造する方法としては、例えば、エステル化合物を苛性アルカリによって加水分解した後に中和して対応するカルボン酸化合物とし、その後に高温下で無水物化する方法(例えば、非特許文献1)、あるいは、中和処理によって生成する無機塩の混入を抑えるためにエステル化合物を酸性条件下、高温、加圧下で加水分解してカルボン酸化合物とし、同様に無水物化する方法(例えば、特許文献1)等が開示されている。
しかし、これらの方法は、中間体として一旦カルボン酸化合物を製造し、その後無水物化を行う複数の工程からなるために、設備や操作が複雑になり、経済的とは云えず、さらに改良の余地があった。
また、ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステルを有機溶媒中に溶解させた状態で、濃硫酸の存在下、実質的に水が存在しない条件で加熱することにより、一段階の反応でビフェニルテトラカルボン酸二無水物を得る方法(例えば、特許文献2)も提案されている。該方法においては、反応は還流しながら行われる。また、特許文献2には、上記方法において、反応系にさらに低級脂肪族カルボン酸を存在させて反応を行うことが記載されている。
しかしながら、特許文献2に記載の方法は厳密な水分含量の制御を怠ると副反応により水が生成することがあり、その場合にはビフェニルテトラカルボン酸二無水物を安定して得るのが難しい場合があった。更には、水分含量制御のため加熱下に共沸脱水することが可能な、例えばキシレン等の有機溶媒を用いることが不可欠なため、生産性が低くなったり、硫酸との層分離が起こったり、結晶が着色したりする場合があり、改良の余地があった。
Journal of the Chemical Society、vol.105、p.2480(1914)
従って、本発明の目的は、設備や操作が簡単であり、高温を必要とせず、高純度で収率良く且つ経済的に芳香族多価カルボン酸無水物化合物を得ることができる改良された製造方法を提供することにある。
本発明は、分子内に芳香族1,2−ジカルボン酸エステル構造及び/又は1,8−ナフタレンジカルボン酸エステル構造を有する芳香族多価カルボン酸エステル化合物を、強酸及び有機カルボン酸化合物の存在下且つ有機溶媒の非存在下で加熱し、生成するアルコキシ化合物を除去しながら反応させ、ジカルボン酸エステル構造を無水物化することを特徴とする芳香族多価カルボン酸無水物化合物の製造方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明によれば、設備や操作が簡単であり、高温を必要とせず、高純度で収率良く且つ経済的に芳香族多価カルボン酸無水物化合物を得ることができる改良された製造方法を提供することができる。
以下、本発明について、好ましい実施形態に基づき詳細に説明する。
本発明の芳香族多価カルボン酸無水物化合物の製造方法は、分子内に芳香族1,2−ジカルボン酸エステル構造及び/又は1,8−ナフタレンジカルボン酸エステル構造を有する芳香族多価カルボン酸エステル化合物を、強酸及び有機カルボン酸化合物の存在下且つ有機溶媒の非存在下で加熱し、生成するアルコキシ化合物を除去しながら反応させ、ジカルボン酸エステル構造を無水物化することを特徴とするものである。
本発明の芳香族多価カルボン酸無水物化合物の製造方法は、分子内に芳香族1,2−ジカルボン酸エステル構造及び/又は1,8−ナフタレンジカルボン酸エステル構造を有する芳香族多価カルボン酸エステル化合物を、強酸及び有機カルボン酸化合物の存在下且つ有機溶媒の非存在下で加熱し、生成するアルコキシ化合物を除去しながら反応させ、ジカルボン酸エステル構造を無水物化することを特徴とするものである。
ここで、上記芳香族1,2−ジカルボン酸エステル構造は、芳香族環の1,2−位に2つのカルボン酸エステル基を有する構造であって、好ましくは下記一般式(1a)で表される化学構造である。
上記一般式(1a)において、Rで表されるアルキル基としては、炭素原子数1〜5、特に炭素原子数1〜3であるものが好ましい。また、該アルキル基は、直鎖アルキル基でもよく分岐アルキル基でもよい。Rで表されるアルキル基の好ましい具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチルが挙げられる。
また、上記1,8−ナフタレンジカルボン酸エステル構造は、ナフタレン環の1,8−位に2つのカルボン酸エステル基を有する構造であって、好ましくは下記一般式(1b)で表される化学構造である。
上記一般式(1b)において、Rで表されるアルキル基は、上記一般式(1a)におけるRで表されるアルキル基と同様である。
本発明において、原料として用いる、分子内に上記芳香族1,2−ジカルボン酸エステル構造及び/又は上記1,8−ナフタレンジカルボン酸エステル構造を有する芳香族多価カルボン酸エステル化合物は、分子内に少なくとも一つの上記1,2−ジカルボン酸エステル構造及び/又は上記1,8−ナフタレンジカルボン酸エステル構造を有する化合物であればよい。
分子内に上記芳香族1,2−ジカルボン酸エステル構造を有する芳香族多価カルボン酸エステル化合物としては、限定されるものではないが、例えば、フタル酸ジエステル化合物類(i);4,4’−オキシジフタル酸テトラエステル化合物や4,4’−チオジフタル酸テトラエステル化合物等の酸素原子又は硫黄原子を介してフタル酸ジエステル骨格が結合した化合物類(ii);3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステル化合物や2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステル化合物等のフタル酸ジエステル骨格が直接結合した化合物類(iii);4,4’−メチレンジフタル酸テトラエステル化合物、4,4’−イソプロピリデンジフタル酸テトラエステル化合物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸テトラエステル化合物、4,4’−エチレンジフタル酸テトラエステル化合物等の炭素原子を介してフタル酸ジエステル骨格が結合した化合物類(iv)が用いられる。これらの化合物類(i)〜(iv)の代表的化合物の化学構造は、以下の化学式で示される。これらの化合物は、異性体であってもよく、−CO2R以外の置換基を有してもよい。該置換基としては、アミド基、イミド基、更にはメチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基等が挙げられる。尚、以下の化学式におけるRは、上記一般式(1a)におけるRと同様である。
これらの分子内に芳香族1,2−ジカルボン酸エステル構造を有する芳香族多価カルボン酸エステル化合物の中でも、上記化合物類(iii)である2,3,2’,3’,−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステル、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステル、及び3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステル、並びに上記化合物類(ii)である4,4’−オキシジフタル酸テトラエステルが、工業的にも極めて有用である。
分子内に上記1,8−ナフタレンジカルボン酸エステル構造を有する芳香族多価カルボン酸エステル化合物としては、限定されるものではないが、例えば1,8−ナフタレンジカルボン酸エステル化合物類が用いられる。これらの化合物類の代表的化合物の化学構造は、以下の化学式で示される。これらの化合物は、置換基を有してもよい。該置換基としては、上記芳香族1,2−ジカルボン酸エステル構造を有する芳香族多価カルボン酸エステル化合物が有してもよいものとして挙げたものが挙げられる。尚、以下の化学式におけるRは、上記一般式(1b)におけるRと同様である。
本発明の芳香族多価カルボン酸無水物化合物の製造方法においては、上記芳香族多価カルボン酸エステル化合物を原料として用い、強酸及び有機カルボン酸化合物の存在下で反応を行う。該強酸及び該有機カルボン酸化合物は、次に示す2つの役割を果たすものと考えられる。1つ目の役割は、隣接する2つのエステル基の一方のエステル部位に作用してカルボニル基とアルコキシル基を開裂させて第一のカルボニルカチオン及び中性で安定なアルコキシル化合物を生成せしめる。もう一つの役割は、もう一方のエステル部位のカルボニル炭素を攻撃してカルボニル酸素アニオンを生成させ該アニオンが第一のカルボニルカチオンを攻撃することにより、あるいは逆に、第一のカルボニルカチオンにもう一方のエステルのカルボニル酸素が分子内で攻撃し生成したカルボカチオンをアシルオキシ化して、例えば芳香族1,2−ジカルボン酸エステル構造を有する芳香族多価カルボン酸エステル化合物を原料として用いた場合には、5員環状中間体(ラクトン化合物)を生成せしめる。尚、これら中間体は、より安定なエネルギー状態を取るべく脱アルコキシル化して、更にアルコキシ化合物を生成せしめると共に最終的に目的とするカルボン酸無水物を与える。
上記強酸としては、ブレンステッド酸、とりわけスルホン酸化合物が好ましく用いられる。該スルホン酸化合物としては、硫酸、クロロ硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、メチル硫酸、p−トルエンスルホン酸が好ましく挙げられる。これらのスルホン酸化合物の中でも硫酸が特に好ましく用いられる。
上記強酸としては、その他に、三フッ化ホウ素、三臭化ホウ素等のルイス酸を用いることもできる。
上記強酸としては、その他に、三フッ化ホウ素、三臭化ホウ素等のルイス酸を用いることもできる。
これらの強酸は、無水でも含水でもよい。含水の場合は、水分量と等当量又はそれ以上の量の塩化チオニル、アシルクロライド、無水酢酸、オキシ塩化リン、あるいは、五酸化リン等の脱水剤を添加し無水条件下で反応を行うことも出来る。また、これらの強酸は、単独で使用しても良く又は二種以上を混合して使用しても良い。
上記強酸の使用量は、原料の芳香族多価カルボン酸エステル化合物1モルに対して、好ましくは0.01〜50モル倍、更に好ましくは0.05〜20モル倍、最も好ましくは0.1〜10モル倍である。この範囲の量よりも少ないと反応効率を高めるのが容易ではなく、この範囲を超える量では反応液の着色が強く、また、目的物の結晶化が阻害される場合がある。
上記有機カルボン酸化合物としては、飽和脂肪族モノカルボン酸が好ましく、アルキル基の炭素原子数が5以下の飽和脂肪族モノカルボン酸が更に好ましい。該飽和脂肪族モノカルボン酸は、アルキル基がハロゲン原子で置換されていてもよい。該飽和脂肪族モノカルボン酸の好ましい具体例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、フルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、及びクロロ酢酸が挙げられ、これらの中でも酢酸が最も好ましい。これらの飽和脂肪族モノカルボン酸を用いることにより、反応中に生成するアルコキシ化合物の除去効率が高まり、反応が進行し易くなって、目的物である芳香族多価カルボン酸無水物化合物の収率が高まる。
上記有機カルボン酸化合物の使用量は、原料の芳香族多価カルボン酸エステル化合物1グラムに対して、好ましくは0.5〜50ミリリットル、更に好ましくは0.8〜30ミリリットル、最も好ましくは1.0〜20ミリリットルの割合とする。この範囲の量よりも少ないと撹拌性に問題が生じやすく、この範囲を超える量では目的物である芳香族多価カルボン酸無水物化合物結晶の取得率が低下しやすい。
尚、有機カルボン酸化合物の上記使用量は、上記強酸が含水の場合に添加してもよい脱水剤として、無水酢酸を用いた場合、該無水酢酸の使用量も算入した値である。
尚、有機カルボン酸化合物の上記使用量は、上記強酸が含水の場合に添加してもよい脱水剤として、無水酢酸を用いた場合、該無水酢酸の使用量も算入した値である。
本発明の芳香族多価カルボン酸無水物化合物の製造方法においては、有機溶媒の非存在下で反応を行う。ここでいう有機溶媒は、上記強酸及び上記有機カルボン酸化合物以外の有機化合物であって、原料の上記芳香族多価カルボン酸エステル化合物を溶解し得るものをいう。
尚、本発明の芳香族多価カルボン酸無水物化合物の製造方法においては、上記強酸及び上記有機カルボン酸化合物が有機反応溶媒としての機能も果たす。
尚、本発明の芳香族多価カルボン酸無水物化合物の製造方法においては、上記強酸及び上記有機カルボン酸化合物が有機反応溶媒としての機能も果たす。
尚、例えば上記強酸として濃硫酸等の含水の強酸を使用した場合には、反応液中に微量の水分が含まれ得るが、反応液中には水もできる限り存在しないことが好ましい。具体的には反応液中の水分量は5質量%以下であることが好ましい。
本発明の芳香族多価カルボン酸無水物化合物の製造方法における反応は、上述した原料の芳香族多価カルボン酸エステル化合物、強酸及び有機カルボン酸を混合し、好ましくは60〜200℃、より好ましくは80〜180℃、最も好ましくは100〜160℃で加熱することにより行う。斯かる加熱により、原料の芳香族多価カルボン酸エステル化合物に含まれるジカルボン酸エステル構造が無水物化される。反応時間は、0.1〜20時間が好ましく、更に好ましくは1〜10時間である。
本発明の芳香族多価カルボン酸無水物化合物の製造方法における反応は、空気中で行ってもよく、特に限定されるものではないが、好ましくは水分の少ない雰囲気、例えば不活性ガス雰囲気にて、好適に行われる。尚、その際の反応圧力は、特に限定されない。
上記反応は、生成するアルコキシル化合物を除去しながら行う。該アルコキシル化合物は、より詳細には例えば有機カルボン酸エステル化合物である。該有機カルボン酸エステル化合物は、原料の芳香族多価カルボン酸エステル化合物が有するアルコキシル基RO−及び上記有機カルボン酸化合物から形成されるものである。生成するアルコキシル化合物を除去せずに反応を行うと、目的物である芳香族多価カルボン酸無水物化合物の収率が低下する。
上記反応は、例えば、適宜な攪拌装置及び加熱手段を備えた反応容器内で行うことができる。ここで、反応容器を密閉系とせず開放系とすれば、反応によって生成した上記アルコキシル化合物は、反応系が適宜な温度に加熱されている場合、反応系から留去され除去することができる。この際、反応系の加熱温度は、上記アルコキシル化合物の沸点より高い温度となるように、例えば上述の好ましい範囲から、適宜選択する必要がある。また、反応容器を開放系とする代わりに、反応容器に側管を付け、気化したアルコキシル化合物を冷却コンデンサーで凝縮させ反応容器に戻すことなく抜き出す等、上記アルコキシル化合物をより積極的に留去させ取得して除去することも好ましい。該冷却コンデンサーとしては、従来公知のものを特に制限なく使用することができる。
このようなアルコキシル化合物の除去操作を効率良く行うためには、生成するアルコキシル化合物の沸点が、使用する有機カルボン酸化合物の沸点より低いことが好ましい。
このようなアルコキシル化合物の除去操作を効率良く行うためには、生成するアルコキシル化合物の沸点が、使用する有機カルボン酸化合物の沸点より低いことが好ましい。
本発明の芳香族多価カルボン酸無水物化合物の製造方法においては、強酸及び有機カルボン酸化合物が原料の芳香族多価カルボン酸エステル化合物を溶解するので、層分離することなく好適に反応を行うことができる。一方、生成する芳香族多価カルボン酸無水物化合物は、強酸及び有機カルボン酸化合物に難溶解性であるので、容易に結晶として析出する。
反応終了後の反応液に含まれる目的物である芳香族多価カルボン酸無水物化合物の結晶は、必要に応じて該反応液に、アセトン、アセトニトリル、トルエン、酢酸、酢酸エチル、あるいは、塩化メチレンやクロロホルムなどのハロゲン系溶媒等の適宜な有機溶媒を加えた後、該反応液を濾過することにより濾物として得ることもできるが、この際には、加える有機溶媒が反応することを避けるために、反応終了後の反応液を一旦室温以下に冷却した後に該有機溶媒を加えることが好ましい。得られた芳香族多価カルボン酸無水物化合物は、さらに常法により洗浄、乾燥等の精製工程に付してもよい。
以下、本発明を実施例等により具体的に説明するが、これらよって限定されるものではない。
尚、以下の実施例及び比較例において使用した化合物は以下の通りである。
原料としての芳香族多価カルボン酸エステル化合物は、何れのエステル化合物も1H−NMRで単一成分であることを確認した。強酸としての濃硫酸は試薬特級95%硫酸(Sigma−Aldrich社製)を、メタンスルホン酸は99%メタンスルホン酸(東京化成工業社製)を用いた。有機カルボン酸化合物としての酢酸は試薬特級酢酸(Sigma−Aldrich社製)を用いた。
原料としての芳香族多価カルボン酸エステル化合物は、何れのエステル化合物も1H−NMRで単一成分であることを確認した。強酸としての濃硫酸は試薬特級95%硫酸(Sigma−Aldrich社製)を、メタンスルホン酸は99%メタンスルホン酸(東京化成工業社製)を用いた。有機カルボン酸化合物としての酢酸は試薬特級酢酸(Sigma−Aldrich社製)を用いた。
以下の実施例及び比較例において、目的物についての各種分析は以下のようにして行った。
先ず、取得結晶を加熱下に減圧乾燥し、酢酸臭が無く、1H−NMRで酢酸の残存が認められなくなった時点を乾燥終点として取得収率を求めた。取得結晶の純度分析は、取得結晶(無水物化合物)を少量のジメチルスルホキシドに溶解させ、アセトニトリルで均一溶液とした後に、超高速液体クロマトグラフィー(UPLC)を用いて行った。検出されたピークが目的物であることは、目的の無水物化合物の標準品の保持時間と一致したこと、そのピーク成分のLC−MS分析の結果が目的物の分子量と一致したこと、及びそのピーク成分のUV吸収スペクトル測定における吸収極大が標準品と一致したことにより確認した。
先ず、取得結晶を加熱下に減圧乾燥し、酢酸臭が無く、1H−NMRで酢酸の残存が認められなくなった時点を乾燥終点として取得収率を求めた。取得結晶の純度分析は、取得結晶(無水物化合物)を少量のジメチルスルホキシドに溶解させ、アセトニトリルで均一溶液とした後に、超高速液体クロマトグラフィー(UPLC)を用いて行った。検出されたピークが目的物であることは、目的の無水物化合物の標準品の保持時間と一致したこと、そのピーク成分のLC−MS分析の結果が目的物の分子量と一致したこと、及びそのピーク成分のUV吸収スペクトル測定における吸収極大が標準品と一致したことにより確認した。
〔実施例1〕(H2SO4/酢酸による無水フタル酸の合成)
攪拌装置、温度計、低沸成分を留去させ取得する為の冷却コンデンサーを備えた内容積50mlのガラス製容器に、フタル酸ジメチル11.9g(61.3mmol)、酢酸20ml、及び濃硫酸3.4ml(61.3mmol)を量りとり、バス温125℃にて加熱下に低沸留分を抜き出しながら反応させた。
1時間後の液体クロマトグラフィーによる分析では、既にこの時点でフタル酸ジメチルは完全に消費され、無水フタル酸のピークのみが観測された。
2時間後に加熱を止め、室温まで冷却した後に反応混合物を濾過し、得られた濾物を酢酸5mlで洗浄して結晶を得た。得られた結晶を減圧下60℃で乾燥したところ、無水フタル酸が白色結晶として9.01g(単離収率99%)得られた。
また、低沸留分として無色液体10.58gが得られたが、1H−NMRスペクトルより本留分は酢酸メチルと酢酸から成る混合物であり、それらの混合割合はモル比にして1.42対1.00(重量比に換算すると1.74対1.00)であった。
取得した無水フタル酸を液体クロマトグラフィー分析(溶離液:アセトニトリル/水)したところ、単一成分であり、標準品と保持時間が一致し、そのピーク成分のUV吸収スペクトルを測定したところ、257,293、300nmに吸収極大を有しており、標準品のスペクトル(測定溶媒:アセトニトリル/(少量)DMSO)と一致した。
攪拌装置、温度計、低沸成分を留去させ取得する為の冷却コンデンサーを備えた内容積50mlのガラス製容器に、フタル酸ジメチル11.9g(61.3mmol)、酢酸20ml、及び濃硫酸3.4ml(61.3mmol)を量りとり、バス温125℃にて加熱下に低沸留分を抜き出しながら反応させた。
1時間後の液体クロマトグラフィーによる分析では、既にこの時点でフタル酸ジメチルは完全に消費され、無水フタル酸のピークのみが観測された。
2時間後に加熱を止め、室温まで冷却した後に反応混合物を濾過し、得られた濾物を酢酸5mlで洗浄して結晶を得た。得られた結晶を減圧下60℃で乾燥したところ、無水フタル酸が白色結晶として9.01g(単離収率99%)得られた。
また、低沸留分として無色液体10.58gが得られたが、1H−NMRスペクトルより本留分は酢酸メチルと酢酸から成る混合物であり、それらの混合割合はモル比にして1.42対1.00(重量比に換算すると1.74対1.00)であった。
取得した無水フタル酸を液体クロマトグラフィー分析(溶離液:アセトニトリル/水)したところ、単一成分であり、標準品と保持時間が一致し、そのピーク成分のUV吸収スペクトルを測定したところ、257,293、300nmに吸収極大を有しており、標準品のスペクトル(測定溶媒:アセトニトリル/(少量)DMSO)と一致した。
〔実施例2〕(H2SO4/酢酸によるs−BPDAの合成)
攪拌装置、温度計を備えた内容積30mlのガラス製容器に、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステル0.50g(1.3mmol)、酢酸0.5ml、及び濃硫酸0.2ml(3.6mmol)を量りとり、バス温120℃にて2時間、開放系で加熱下に反応させた。室温まで冷却した後アセトン5mlを加え、反応で生成した白色結晶を砕いてスラリー状態とした後に濾過して結晶を得た。得られた結晶を減圧下で乾燥したところ、白色結晶として3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)が0.38g(単離収率99%)得られた。
取得したs−BPDAを液体クロマトグラフィー分析(溶離液:アセトニトリル/水)したところ、標準品と保持時間が一致し、そのピーク成分のUV吸収スペクトルを測定したところ、238nm,296nmに吸収極大を有しており、標準品のスペクトル(測定溶媒:アセトニトリル/(少量)DMSO)と一致した。
攪拌装置、温度計を備えた内容積30mlのガラス製容器に、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステル0.50g(1.3mmol)、酢酸0.5ml、及び濃硫酸0.2ml(3.6mmol)を量りとり、バス温120℃にて2時間、開放系で加熱下に反応させた。室温まで冷却した後アセトン5mlを加え、反応で生成した白色結晶を砕いてスラリー状態とした後に濾過して結晶を得た。得られた結晶を減圧下で乾燥したところ、白色結晶として3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−BPDA)が0.38g(単離収率99%)得られた。
取得したs−BPDAを液体クロマトグラフィー分析(溶離液:アセトニトリル/水)したところ、標準品と保持時間が一致し、そのピーク成分のUV吸収スペクトルを測定したところ、238nm,296nmに吸収極大を有しており、標準品のスペクトル(測定溶媒:アセトニトリル/(少量)DMSO)と一致した。
〔実施例3〕(H2SO4/酢酸によるs−BPDAの合成)
攪拌装置、温度計、低沸成分を留去させ取得する為の冷却コンデンサーを備えた内容積100mlのガラス製容器に、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステル10.0g(25.9mmol)、酢酸25ml、及び濃硫酸1.44ml(25.9mol)を量りとり、バス温128℃にて6時間、加熱下に低沸留分を抜き出しながら反応させた。反応液を室温まで冷却し、酢酸5mlを加え結晶を濾過した。濾物を酢酸10mlで洗浄し、得られた結晶を減圧下、60℃で5時間、続いて90℃で5時間、更に120℃で3時間乾燥したところ、白色結晶として3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が7.46g(単離収率98%)得られた。得られた白色結晶は、実施例2と同様の液体クロマトグラフィー分析及びUV吸収スペクトル測定を行った結果、s−BPDAと同定された。
なお、本反応において、低沸留分としては酢酸メチル7.36g(単離収率96%)を得た。
攪拌装置、温度計、低沸成分を留去させ取得する為の冷却コンデンサーを備えた内容積100mlのガラス製容器に、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステル10.0g(25.9mmol)、酢酸25ml、及び濃硫酸1.44ml(25.9mol)を量りとり、バス温128℃にて6時間、加熱下に低沸留分を抜き出しながら反応させた。反応液を室温まで冷却し、酢酸5mlを加え結晶を濾過した。濾物を酢酸10mlで洗浄し、得られた結晶を減圧下、60℃で5時間、続いて90℃で5時間、更に120℃で3時間乾燥したところ、白色結晶として3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が7.46g(単離収率98%)得られた。得られた白色結晶は、実施例2と同様の液体クロマトグラフィー分析及びUV吸収スペクトル測定を行った結果、s−BPDAと同定された。
なお、本反応において、低沸留分としては酢酸メチル7.36g(単離収率96%)を得た。
〔実施例4〕(メタンスルホン酸/酢酸によるs−BPDAの合成)
濃硫酸0.2ml(3.6mmol)の代わりにメタンスルホン酸0.23ml(3.6mmol)を用いること以外は実施例2と同様に反応を行ったところ、白色結晶として3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が0.37g(単離収率97%)得られた。
なお、得られた白色結晶については、実施例2と同様の液体クロマトグラフィー分析及びUV吸収スペクトル測定を行った結果、s−BPDAと同定された。
濃硫酸0.2ml(3.6mmol)の代わりにメタンスルホン酸0.23ml(3.6mmol)を用いること以外は実施例2と同様に反応を行ったところ、白色結晶として3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が0.37g(単離収率97%)得られた。
なお、得られた白色結晶については、実施例2と同様の液体クロマトグラフィー分析及びUV吸収スペクトル測定を行った結果、s−BPDAと同定された。
〔実施例5〕(H2SO4/酢酸によるa−BPDAの合成)
攪拌装置、温度計、低沸成分を留去させ取得する為の冷却コンデンサーを備えた内容積100mlのガラス製容器に、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステル10.0g(25.9mmol)、酢酸20ml、及び濃硫酸2.5ml(45.0mmol)を量りとり、バス温120℃にて3時間、加熱下に低沸留分を抜き出しながら反応させた。反応液を氷水浴中にて冷却し、酢酸エチル5mlを加え撹拌した。反応混合物を濾過し、濾物を酢酸エチル5mlで洗浄し、得られた結晶を減圧下、60℃で乾燥したところ、白色結晶として2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a−BPDA)が7.46g(単離収率97%)得られた。
なお、得られた白色結晶については、対応する標準品を用いて実施例2と同様の液体クロマトグラフィー分析及びUV吸収スペクトル測定を行った結果、a−BPDAと同定された。また、本反応において、低沸留分として酢酸メチル7.04g(単離収率91%)を得た。
攪拌装置、温度計、低沸成分を留去させ取得する為の冷却コンデンサーを備えた内容積100mlのガラス製容器に、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステル10.0g(25.9mmol)、酢酸20ml、及び濃硫酸2.5ml(45.0mmol)を量りとり、バス温120℃にて3時間、加熱下に低沸留分を抜き出しながら反応させた。反応液を氷水浴中にて冷却し、酢酸エチル5mlを加え撹拌した。反応混合物を濾過し、濾物を酢酸エチル5mlで洗浄し、得られた結晶を減圧下、60℃で乾燥したところ、白色結晶として2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a−BPDA)が7.46g(単離収率97%)得られた。
なお、得られた白色結晶については、対応する標準品を用いて実施例2と同様の液体クロマトグラフィー分析及びUV吸収スペクトル測定を行った結果、a−BPDAと同定された。また、本反応において、低沸留分として酢酸メチル7.04g(単離収率91%)を得た。
〔実施例6〕(H2SO4/酢酸による4、4’−オキシジフタル酸無水物の合成)
攪拌装置、温度計、低沸成分を留去させ取得する為の冷却コンデンサーを備えた内容積100mlのガラス製容器に、4,4’−オキシジフタル酸テトラメチルエステル10.0g(24.9mmol)、酢酸20ml、及び濃硫酸1.38ml(24.9mmol)を量りとり、バス温128℃にて5時間、加熱下に低沸留分を抜き出しながら反応させた。反応液を室温まで冷却した後に反応混合物を濾過し、濾物を酢酸10mlで洗浄して結晶を得た。得られた結晶を減圧下、60℃で1時間、80℃で1時間、更に100℃で1時間乾燥したところ、白色結晶として4,4’−オキシジフタル酸無水物が7.06g(単離収率91%)得られた。
なお、得られた白色結晶については、対応する標準品を用いて実施例2と同様の液体クロマトグラフィー分析及びUV吸収スペクトル測定を行った結果、4,4’−オキシジフタル酸無水物と同定された。また、本反応において、低沸留分として酢酸メチル7.11g(単離収率96%)を得た。
攪拌装置、温度計、低沸成分を留去させ取得する為の冷却コンデンサーを備えた内容積100mlのガラス製容器に、4,4’−オキシジフタル酸テトラメチルエステル10.0g(24.9mmol)、酢酸20ml、及び濃硫酸1.38ml(24.9mmol)を量りとり、バス温128℃にて5時間、加熱下に低沸留分を抜き出しながら反応させた。反応液を室温まで冷却した後に反応混合物を濾過し、濾物を酢酸10mlで洗浄して結晶を得た。得られた結晶を減圧下、60℃で1時間、80℃で1時間、更に100℃で1時間乾燥したところ、白色結晶として4,4’−オキシジフタル酸無水物が7.06g(単離収率91%)得られた。
なお、得られた白色結晶については、対応する標準品を用いて実施例2と同様の液体クロマトグラフィー分析及びUV吸収スペクトル測定を行った結果、4,4’−オキシジフタル酸無水物と同定された。また、本反応において、低沸留分として酢酸メチル7.11g(単離収率96%)を得た。
〔比較例1〕(H2SO4のみによるs−BPDAの合成)
攪拌装置、温度計を備えた内容積30mlのガラス製容器に、3、4、3’、4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステル0.50g(1.3mmol)、濃硫酸0.7mlを量りとり、バス温120℃にて5時間、開放系で加熱下に反応させた。室温まで冷却したが白色結晶の析出は起こらず、また、反応液を液体クロマトグラフィー分析したところ、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の生成は認められたが主生成物は目的物とは異なるものであった。
攪拌装置、温度計を備えた内容積30mlのガラス製容器に、3、4、3’、4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステル0.50g(1.3mmol)、濃硫酸0.7mlを量りとり、バス温120℃にて5時間、開放系で加熱下に反応させた。室温まで冷却したが白色結晶の析出は起こらず、また、反応液を液体クロマトグラフィー分析したところ、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の生成は認められたが主生成物は目的物とは異なるものであった。
〔比較例2〕(H2SO4/酢酸による密閉系でのs−BPDAの合成)
反応を密閉系で行ったこと以外は実施例2と同様に反応を行ったところ、白色結晶として3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が0.13g(単離収率33%)得られた。
反応を密閉系で行ったこと以外は実施例2と同様に反応を行ったところ、白色結晶として3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が0.13g(単離収率33%)得られた。
〔比較例3〕(酢酸のみによるs−BPDAの合成)
濃硫酸を使用しなかったこと以外は実施例2と同様に反応を行ったところ、白色結晶の析出は観られず、また、液体クロマトグラフィーによる分析でも目的物の生成は認められなかった。
濃硫酸を使用しなかったこと以外は実施例2と同様に反応を行ったところ、白色結晶の析出は観られず、また、液体クロマトグラフィーによる分析でも目的物の生成は認められなかった。
Claims (7)
- 分子内に芳香族1,2−ジカルボン酸エステル構造及び/又は1,8−ナフタレンジカルボン酸エステル構造を有する芳香族多価カルボン酸エステル化合物を、強酸及び有機カルボン酸化合物の存在下且つ有機溶媒の非存在下で加熱し、生成するアルコキシ化合物を除去しながら反応させ、ジカルボン酸エステル構造を無水物化することを特徴とする芳香族多価カルボン酸無水物化合物の製造方法。
- 生成するアルコキシ化合物の沸点が、使用する有機カルボン酸化合物の沸点よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の芳香族多価カルボン酸無水物の製造方法。
- 生成するアルコキシ化合物を冷却コンデンサーにより除去する請求項1または2に記載の芳香族多価カルボン酸無水物化合物の製造方法。
- 上記強酸がスルホン酸化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の芳香族多価カルボン酸無水物化合物の製造方法。
- 上記スルホン酸化合物が、硫酸、クロロ硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、メチル硫酸、及びp−トルエンスルホン酸から選ばれる少なくとも一つである請求項4に記載の芳香族多価カルボン酸無水物化合物の製造方法。
- 上記有機カルボン酸化合物が、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、フルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、及びクロロ酢酸から選ばれる少なくとも一つである請求項1〜5のいずれかに記載の芳香族多価カルボン酸無水物化合物の製造方法。
- 上記芳香族多価カルボン酸エステル化合物が、2,3,2’,3’,−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステル、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステル、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステル、及び4,4’−オキシジフタル酸テトラエステルから選ばれる少なくとも一つである請求項1〜6のいずれかに記載の芳香族多価カルボン酸無水物化合物の製造方法。
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JP2010090263A JP2011219416A (ja) | 2010-04-09 | 2010-04-09 | 芳香族多価カルボン酸無水物化合物の製造方法 |
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JP2015137234A (ja) * | 2014-01-20 | 2015-07-30 | Jx日鉱日石エネルギー株式会社 | カルボン酸無水物の製造方法 |
-
2010
- 2010-04-09 JP JP2010090263A patent/JP2011219416A/ja active Pending
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