JP2011219403A - 細胞賦活剤 - Google Patents
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Abstract
本発明は、化粧料(但し、医薬部外品を含む)等に好適な、細胞賦活作用を有する成分の鑑別方法、当該鑑別方法により選択される細胞賦活剤、及び、当該成分を含有する皮膚外用剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、皮膚細胞の細胞分化増殖能を低下させ、被験物質を添加し、その後に皮膚細胞の細胞分化増殖能を測定し、当該測定値を指標とし、細胞賦活作用を有する成分を判別する鑑別方法、更には、当該鑑別方法により選択される細胞賦活剤、並びに、かかる成分を含有する皮膚外用剤を提供することにより本課題を解決する。
【選択図】なし
Description
<1> 皮膚細胞の細胞賦活作用を有する成分の鑑別方法であって、皮膚細胞に細胞分化増殖能を低下させる物質を添加し培養することにより皮膚細胞の細胞分化増殖能を低下させた後、被験物質を含む培地にて培養し、皮膚細胞の細胞分化増殖能を測定し、当該測定値を指標とし、細胞賦活作用を有する成分を判別することを特徴とする、細胞賦活作用を有する成分の鑑別方法。
<2> 前記皮膚細胞が、角化細胞(ケラチノサイト)であることを特徴とする、<1>に記載の細胞賦活作用を有する成分の鑑別方法。
<3> 前記皮膚細胞の細胞分化増殖能を低下させる物質がメラニンであることを特徴とする、<1>又は<2>に記載の細胞賦活作用を有する成分の鑑別方法。
<4> 前記細胞賦活作用を有する成分の鑑別方法により鑑別される、細胞賦活作用剤。
<5> 前記細胞賦活作用を有する成分が、リンドウ科センブリ属、マメ科カンゾウ属、ミカン科サンショウ属、ユキノシタ科アジサイ属、カタバミ科ゴレンシ属、モモ科モモ属、イネ科イネ属に属する植物より得られる植物抽出物より選択される1種又は2種以上よりなることを特徴とする、<4>に記載の細胞賦活剤。
<6> 前記リンドウ科センブリ属、マメ科カンゾウ属、ミカン科サンショウ属、ユキノシタ科アジサイ属、カタバミ科ゴレンシ属、イネ科イネ属に属する植物が、リンドウ科センブリ属センブリ、マメ科カンゾウ属カンゾウ、ミカン科サンショウ属サンショウ、ユキノシタ科アジサイ属アマチャ、カタバミ科ゴレンシ属スタ−フル−ツ、モモ科モモ属モモ、イネ科イネ属イネであることを特徴とする、<4>又は<5>に記載の細胞賦活剤。
<7> 前記細胞賦活作用が、角化細胞の分化増殖促進作用によるものであることを特徴とする、<4>〜<6>の何れか一項に記載の細胞賦活剤。
<8> 前記角化細胞の分化増殖能の低下が、メラニン添加による角化細胞の分化増殖能の低下であることを特徴とする、<4>〜<7>の何れか一項に記載の細胞賦活剤。
<9> 前記細胞賦活剤は、しみ及び/又はくすみのある人において、しみ及び/又はくすみを軽減する作用を有することを特徴とする、<4>〜<8>の何れか一項に記載の細胞賦活剤。
<10> しみ及び/又はくすみのある人が、採取されたその人の角層細胞において、平均に比較しメラニン量が多く、且つ、有核細胞の出現率が平均よりも高い、乃至は、重層剥離の度合いが平均よりも多い人であることを特徴とする、<9>に記載の細胞賦活剤。
<11> <4>〜<10>の何れか一項に記載の細胞賦活剤を含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
<12> 前記細胞賦活剤を、皮膚外用剤全量に対し、0.001質量%〜10質量%含有することを特徴とする、<11>に記載の皮膚外用剤。
<13> 色素沈着予防又は改善用であることを特徴とする、<11>又は<12>に記載の皮膚外用剤。
<14> 化粧料(但し、医薬部外品を含む)であることを特徴とする、<11>〜<13>の何れか一項に記載の皮膚外用剤。
<15> 角化細胞を、細胞分化抑制作用を有する物質を含む培地で培養し、被験物質非添加の場合に比較し、被験物質添加の場合の方が、細胞分化が著しかった被験物質を細胞賦活剤として含むことを特徴とする、<11>〜<14>の何れか一項目に記載の皮膚外用剤。
<16> 前記細胞分化抑制作用を有する物質が、メラニンであることを特徴とする、<11>〜<15>の何れか一項目に記載の皮膚外用剤。
<17> 更に、好ましい製剤上の任意成分を含有することを特徴とする、<11>〜<16>の何れか一項に記載の組成物。
<18> 細胞分化抑制作用を有する物質を含有する、細胞賦活剤のスクリ−ニング用の培地。
<19> 前記細胞分化抑制作用を有する物質が、メラニンであることを特徴とする、<18>に記載の培地。
本発明の細胞賦活作用を有する成分の鑑別方法は、皮膚細胞における細胞賦活作用を有する成分を判別するための鑑別方法であって、細胞分化増殖能を低下させる物質を添加し培養することにより皮膚細胞の細胞分化増殖能を低下させた後、被験物質を含む培地にて培養し、皮膚細胞の細胞分化増殖能を測定し、当該測定値を指標とし、細胞賦活作用を有する成分を判別することを特徴とする。本発明の細胞賦活作用を有する成分の鑑別方法において、細胞賦活作用を有する成分とは、細胞の分化増殖能を低下させる物質を添加し培養することにより低下した皮膚細胞の細胞分化増殖能を向上させる成分であれば、特段の限定なく適応することが出来る。また、前記細胞分化増殖能評価に用いる皮膚細胞としては、皮膚細胞であれば特段の限定なく適応することが出来るが、より好ましくはケラチノサイトが好適に例示出来る。さらに、皮膚細胞の分化増殖能を低下させる物質としては、当該作用を有する物質であれば特段の限定なく適応することが出来るが、より好ましくは、メラニンが好適に例示出来る。本発明における細胞賦活作用を有する成分の鑑別方法にて判別される細胞賦活剤に関し、好ましいものを具体的に例示すれば、後記の実施例に記載の「細胞賦活作用評価」において、コントロ−ル群に比較し細胞増殖能が向上する成分が好適に例示出来、より好ましくは、コントロ−ル群に比較し細胞増殖能が10%以上増加する成分、さらに好ましくは、コントロ−ル群に比較し細胞増殖能が20%以上増加する成分が好適に例示出来る。皮膚に存在する細胞は、遺伝的な要因に加え、紫外線暴露、湿度変化、温度変化等の種々のストレスを常に受け続けるためその機能低下が生じ易い。また、皮膚細胞であるケラチノサイトは、皮膚の表皮層における基底層に存在し、色素沈着、シミやくすみ、シワなどの老化現象に深く関与することが知られている。特に、くすみ、シミ等の色素沈着異常が関与する皮膚症状とケラチノサイトとの関係としては、メラノサイトにおけるメラニン産生亢進、並びに、それに伴うケラチノサイトへのメラニンの過剰移送、蓄積により生じるケラチノサイトの機能低下が知られている。実際、この様な角化細胞の細胞機能低下は、通常の色素沈着に加え、メラニンの過剰蓄積により消え難いしみやくすみ、重層剥離などの角質細胞が剥離し難くなった状態等の皮膚症状の発生を反映しているものと考えられる。このため、メラニンを添加することにより細胞分化増殖促進作用を低下させたケラチノサイトの細胞分化増殖促進作用を指標とした細胞賦活剤の鑑別方法は、皮膚細胞、取り分け、ケラチノサイトの細胞機能が低下した皮膚状態を反映した有用な鑑別方法であり、該鑑別方法により判別される細胞賦活剤は、前記症状を呈している色素沈着の予防又は改善作用を有する成分として期待出来る。また、かかる評価系は、ケラチノサイトにおけるメラニンの過剰移送、蓄積により生じる細胞機能低下を反映するため、特に、くすみやしみの多い人、重層剥離の程度が高いなどの皮膚症状を呈するにおいては、有用な細胞賦活剤をスクリ−ニングするのに適している。くすみやしみの多い人、又は、重層剥離などの肌症状を呈する人は、皮膚細胞、取り分け、ケラチノサイトのタ−ンオ−バ−そのものが遅くなり、ケラチノサイトにメラニン顆粒が蓄積し、細胞機能が低下している状態である場合が多い。この様な状態のケラチノサイトに本発明の細胞賦活剤を投与することにより、タ−ンオ−バ−を促進し、この様なくすみやしみ、重層剥離などの皮膚症状を解消出来る。くすみやしみの多い人は、例えば、採取されたその人のケラチノサイトにおいて、平均に比較しメラニン量が多く、且つ、有核細胞の出現率が平均よりも高い乃至は、重層剥離の度合いが平均よりも多い人を以て定義づけることができる。この様な示性値を持った人を対象として、本発明の細胞賦活剤を投与することにより、この様なくすみを解消することが出来る。
本発明の細胞賦活剤は、細胞分化増殖能を低下させる物質を添加し培養することにより皮膚細胞の細胞分化増殖能を低下させた後、被験物質を含む培地にて培養し、皮膚細胞の細胞分化増殖能を測定し、当該測定値を指標とし、細胞賦活作用を有する成分と判別された細胞賦活剤であることを特徴とする。本発明の細胞賦活剤は、前記の細胞分化増殖能を指標とする細胞賦活作用を有する成分の判別方法により細胞賦活作用を有する成分であると判別される成分であれば特段の限定なく適応することが出来る。前記細胞賦活作用を有する成分の内、より好ましいものを挙げれば、後記実施例1に記載の「細胞賦活作用評価」において細胞賦活作用を有する成分が好適に例示出来る。尚、後述する「細胞賦活作用評価」において細胞賦活作用を有する成分とは、コントロ−ル群に比較し細胞分化増殖能が高まる成分、より好ましくは、コントロ−ル群に比較し細胞増殖能が10%以上増加する成分、さらに好ましくは、コントロ−ル群に比較し細胞増殖能が20%以上増加する成分が好適に例示出来る。前記の本発明の細胞賦活剤の内、より好ましくは、リンドウ科センブリ属、マメ科カンゾウ属、ミカン科サンショウ属、ユキノシタ科アジサイ属、カタバミ科ゴレンシ属、モモ科モモ属、イネ科イネ属に属する植物より得られる植物抽出物より選択される1種又は2種以上よりなる植物抽出物が好適に例示出来、より好ましくは、リンドウ科センブリ属センブリ、マメ科カンゾウ属カンゾウ、ミカン科サンショウ属サンショウ、ユキノシタ科アジサイ属アマチャ、カタバミ科ゴレンシ属スタ−フル−ツ、モモ科モモ属モモ、イネ科イネ属イネより得られる植物抽出物が好適に例示出来る。尚、本発明における植物抽出物とは、植物抽出物自体、植物抽出物を分画、精製した分画、植物抽出物乃至は分画、精製物の溶媒除去物の総称を意味する。
本発明の細胞賦活作用を有する植物抽出物を以下の手順に従い製造した。各植物の抽出原料としては、リンドウ科センブリ属センブリ、マメ科カンゾウ属カンゾウ、ミカン科サンショウ属サンショウ、ユキノシタ科アジサイ属アマチャ、カタバミ科ゴレンシ属スタ−フル−ツ、モモ科モモ属モモ、イネ科イネ属イネの粗砕物100(g)をエタノ−ル溶媒1000(L)に投入し、穏やかに攪拌しながら3時間、70℃に保った後、ろ過した。ろ液を40℃で減圧下にて濃縮し、更に減圧乾燥機で乾燥し、固形分の植物抽出物を得た。また、前記植物抽出物の作製にあたっては、前記植物の粗砕物のほか、カタバミ科ゴレンシ属スタ−フル−ツの果実部、バラ科モモ属モモの葉、イネ科イネ属イネの花穂(米)部の粗砕物が好ましい。
モモの葉1(kg)の粗砕物に10(L)の1,3−ブチレングリコ−ルを加え2時間リフラックスさせ、濾過し濾液を取り、これを水3(L)に一気に加え析出した沈殿を濾取し、40℃で減圧下にて濃縮し、更に減圧乾燥機で乾燥し、植物抽出物を得た。
スタ−フル−ツの果実の粗粉砕物50(g)を80%含水エタノ−ル溶媒500(mL)に投入し、80℃で3時間、穏やかに攪拌しながら抽出を行った。その後濾過し、濾液を40℃で減圧下にて濃縮し、さらに減圧乾燥機で乾燥した後、1,3−ブチレングリコ−ルを加えてスタ−フル−ツの果実抽出物を得た。
本発明の皮膚外用剤は、前記の皮膚細胞における細胞賦活作用を有する物質の鑑別方法において、細胞分化増殖能を低下させる物質を添加し培養することにより皮膚細胞の細胞分化増殖能を低下させた後、被験物質を含む培地にて培養し、皮膚細胞の細胞分化増殖能を測定し、当該測定値を指標とし、細胞賦活作用を有する成分と判別された成分を含有することを特徴とする。本発明の皮膚外用剤には、前記の皮膚細胞における細胞賦活作用を有する成分を、唯1種含有させることも出来るし、2種以上を組み合わせて含有させることも出来る。この様な成分の内、好ましいものとしては、後記の実施例1に記載の「細胞賦活作用評価」において、メラニン添加により細胞増殖能が低下したケラチノサイトにおいて、被験物質を含有する培地により培養することにより、コントロ−ル群に比較し細胞増殖能が高まる成分、より好ましくは、コントロ−ル群に比較し細胞増殖能が10%以上増加する成分、より好ましくは、コントロ−ル群に比較し細胞増殖能が10%以上増加する成分、さらに好ましくは、コントロ−ル群に比較し細胞増殖能が20%以上増加する成分が好適に例示出来る。かかる成分としては、具体的には、リンドウ科センブリ属、マメ科カンゾウ属、ミカン科サンショウ属、ユキノシタ科アジサイ属、カタバミ科ゴレンシ属、モモ科モモ属、イネ科イネ属に属する植物より得られる植物抽出物より選択される1種又は2種以上よりなる植物抽出物が好適に例示出来、より好ましくは、リンドウ科センブリ属センブリ、マメ科カンゾウ属カンゾウ、ミカン科サンショウ属サンショウ、ユキノシタ科アジサイ属アマチャ、カタバミ科ゴレンシ属スタ−フル−ツ、モモ科モモ属モモ、イネ科イネ属イネより得られる植物抽出物が好適に例示出来る。本発明の皮膚外用剤は、前記の細胞賦活剤が有する作用、即ち、メラニン添加により細胞増殖能が低下したケラチノサイトにおける細胞賦活作用により、色素沈着異常、取り分け、ケラチノサイトへのメラニンの過剰輸送、蓄積により生じるしみ及び/又はくすみなどの色素沈着異常に対する予防又は治療効果を発揮する。
以下の手順に従い、本発明の皮膚細胞における細胞賦活作用(細胞増殖抑制作用)を評価した。尚、本発明の植物抽出物は、丸善製薬株式会社より市販の植物抽出物として購入した植物抽出物を用いた。
1) 正常ヒト表皮角化細胞(NHEK)(倉敷紡績株式会社)を48well plateに3×104(cells/well)播種し、播種と同時にジメチルスルホキシド(DMSO、和光純薬工業株式会社)に懸濁した合成メラニン(SIGMA社)を終濃度1.5×10-3 (%)となるよう添加した。
2) 被験物質(植物抽出液の固形分)をDMSO(和光純薬工業株式会社)により溶解し、10(w/v%)エキス液を作製した。それらを1/1000量ずつ添加した培地(Humedia-KG2、倉敷紡績株式会社)を作製し、播種6時間後にその培地と交換し、さらに培養を継続した(各被験物質の最終固形分濃度は1×10−2(w/v%))。
3) 播種翌日、培地を除去しPBSで1回プレ−トを洗浄した後、生細胞数測定試薬SF(ナカライテスク社)溶液を添加した培地に交換し、37℃、1時間呈色反応を行った。
4) 反応後、450(nm)の吸光度をマイクロプレ−トリ−ダ−Benchmark Plus(Bio-Rad Laboratories)を用いて測定した。コントロ−ルとして被験物質を含まないサンプルを前記同様に調製し、コントロ−ルに対する被験物質を含むサンプルの吸光度の百分率を求め細胞賦活作用を評価した。結果を表1に示す。
表2及び表3に記載の処方に従って、本発明の皮膚外用剤である化粧料(ロ−ション)を作製した。即ち、処方成分を80℃に加熱し、攪拌可溶化し、攪拌冷却して本発明の皮膚外用剤(化粧料1〜7)を作製した。また、表2中、「本発明の細胞賦活剤」を「アルブチン」に置換した比較例1、「本発明の細胞賦活剤」を「水」に置換した比較例2を作製した。
実施例2に記載の方法に従い製造された化粧料1〜7、比較例1及び2の化粧料を用いて、色素沈着抑制効果を調べた。メラニン量が平均より多いパネラ−の選択にあたっては、皮膚から粘着テ−プストリッピングにより採取したケラチノサイトの標本を、硝酸銀水溶液を用いたメラニン染色を行うことにより可視化し、これを顕微鏡下観察することにより判定した。また、判定にあたっては、平均的な存在状況を中心にスコア化して判別した。さらに、前記パネラ−の内、角層標本を用い有核細胞の出現率が平均よりも高い、乃至は、重層剥離の度合いが平均よりも多い人を観察により選択しパネラ−とした。前記の特性を有する自由意思で参加したパネラ−の両上腕内側部に1.5cm×1.5cmの部位を上下2段に分け、合計9ヶ所設け、最少紅斑量(1MED)の紫外線照射を1日1回、3日連続して3回照射した。照射終了後1日より、1日1回28日連続してサンプル50μLを塗布した。1部位は無処置部位とした。塗布終了24時間後に色彩色差計(CR-300、コニカミノルタ株式会社)にて各試験部位の皮膚明度(L*値)を測定し、無処置部位のL値に対するΔL*値を算出した。L*値は、色素沈着の程度が強いほど低い値となる。従って、ΔL*値が大きい程、色素沈着が抑制されたと判断することができる。結果を表4に示す。これにより、本発明の皮膚外用剤である化粧料1〜7は、優れた色素沈着抑制効果を示すことが分かる。本評価系において細胞賦活作用を示した前記植物抽出物は、特に、採取されたケラチノサイトにおいて、メラニン染色をした場合、平均に比してメラニンの量が多く、ケラチノサイトの観察において、平均に比して有核細胞数及び/又は重層剥離が多い人を対象とした場合に優れた効果を有する。本発明の化粧料1〜7の前記効果は、化粧料に配合された細胞賦活作用を有する成分の作用によるものである。
実施例2に記載の化粧料5及び化粧料6の処方成分中、「本発明の細胞賦活剤」の濃度を表5に記載の濃度に変更した化粧料8〜11を作製した。また、処方成分中の「本発明の細胞賦活剤」の濃度増減による質量%変化は、処方成分中の「水」の質量%により調整した。
前記の実施例3に記載の方法に従い化粧料8〜11に関し色素沈着抑制効果を評価した。結果を表6に示す。化粧料8〜11は、何れも色素沈着抑制効果を示した。本評価系において細胞賦活作用を示した前記植物抽出物は、特に、採取されたケラチノサイトにおいて、メラニン染色をした場合、平均に比してメラニンの量が多く、ケラチノサイトの観察において、平均に比して有核細胞数及び/又は重層剥離が多い人を対象とした場合に優れた効果を有する。本発明の化粧料8〜11の前記効果は、化粧料に配合された細胞賦活剤が有する作用によるものである。
表7及び表8に記載の処方に従い、本発明の油中水乳化製剤(クリ−ム)を作製した。即ち、イ、ロ、ハの成分をそれぞれ80℃に加温し、イの中にニを加えて溶解させ、混練してゲルを形成させ、これにロを加え希釈し、これに攪拌下徐々にハを加えて乳化し、攪拌冷却し、本発明の皮膚外用剤である、油中水乳化剤形の化粧料12〜18を作製した。また、表7に記載の成分中、「本発明の細胞賦活剤」を「4−ブチルレゾルシノ−ル」に置換した比較例3、「本発明の細胞賦活剤」を「水」に置換した比較例4を作製した。
前記実施例3に記載の方法に従い製造した化粧12〜18、比較例3及び4に関し、前記実施例3に記載の方法に従い色素沈着抑制作用評価した。結果を表9に示す。
Claims (19)
- 皮膚細胞の細胞賦活作用を有する成分の鑑別方法であって、皮膚細胞に細胞分化増殖能を低下させる物質を添加し培養することにより皮膚細胞の細胞分化増殖能を低下させた後、被験物質を含む培地にて培養し、皮膚細胞の細胞分化増殖能を測定し、当該測定値を指標とし、細胞賦活作用を有する成分を判別することを特徴とする、細胞賦活作用を有する成分の鑑別方法。
- 前記皮膚細胞が、角化細胞(ケラチノサイト)であることを特徴とする、請求項1に記載の細胞賦活作用を有する成分の鑑別方法。
- 前記皮膚細胞の細胞分化増殖能を低下させる物質がメラニンであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の細胞賦活作用を有する成分の鑑別方法。
- 前記細胞賦活作用を有する成分の鑑別方法により鑑別される、細胞賦活作用剤。
- 前記細胞賦活作用を有する成分が、リンドウ科センブリ属、マメ科カンゾウ属、ミカン科サンショウ属、ユキノシタ科アジサイ属、カタバミ科ゴレンシ属、モモ科モモ属、イネ科イネ属に属する植物より得られる植物抽出物より選択される1種又は2種以上よりなることを特徴とする、請求項4に記載の細胞賦活剤。
- 前記リンドウ科センブリ属、マメ科カンゾウ属、ミカン科サンショウ属、ユキノシタ科アジサイ属、カタバミ科ゴレンシ属、イネ科イネ属に属する植物が、リンドウ科センブリ属センブリ、マメ科カンゾウ属カンゾウ、ミカン科サンショウ属サンショウ、ユキノシタ科アジサイ属アマチャ、カタバミ科ゴレンシ属スタ−フル−ツ、モモ科モモ属モモ、イネ科イネ属イネであることを特徴とする、請求項4又は5に記載の細胞賦活剤。
- 前記細胞賦活作用が、角化細胞の分化増殖促進作用によるものであることを特徴とする、請求項4〜6の何れか一項に記載の細胞賦活剤。
- 前記角化細胞の分化増殖能の低下が、メラニン添加による角化細胞の分化増殖能の低下であることを特徴とする、請求項4〜7の何れか一項に記載の細胞賦活剤。
- 前記細胞賦活剤は、しみ及び/又はくすみのある人において、しみ及び/又はくすみを軽減する作用を有することを特徴とする、請求項4〜8の何れか一項に記載の細胞賦活剤。
- しみ及び/又はくすみのある人が、採取されたその人の角層細胞において、平均に比較しメラニン量が多く、且つ、有核細胞の出現率が平均よりも高い、乃至は、重層剥離の度合いが平均よりも多い人であることを特徴とする、請求項9に記載の細胞賦活剤。
- 請求項4〜10の何れか一項に記載の細胞賦活剤を含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
- 前記細胞賦活剤を、皮膚外用剤全量に対し、0.0001質量%〜10質量%含有することを特徴とする、請求項11に記載の皮膚外用剤。
- 色素沈着予防又は改善用であることを特徴とする、請求項11又は12に記載の皮膚外用剤。
- 化粧料(但し、医薬部外品を含む)であることを特徴とする、請求項11〜13の何れか一項に記載の皮膚外用剤。
- 角化細胞を、細胞分化抑制作用を有する物質を含む培地で培養し、被験物質非添加の場合に比較し、被験物質添加の場合の方が、細胞分化が著しかった被験物質を細胞賦活剤として含むことを特徴とする、請求項11〜14の何れか一項目に記載の皮膚外用剤。
- 前記細胞分化抑制作用を有する物質が、メラニンであることを特徴とする、請求項11〜15の何れか一項目に記載の皮膚外用剤。
- 更に、好ましい製剤上の任意成分を含有することを特徴とする、請求項11〜16の何れか一項に記載の組成物。
- 細胞分化抑制作用を有する物質を含有する、細胞賦活剤のスクリ−ニング用の培地。
- 前記細胞分化抑制作用を有する物質が、メラニンであることを特徴とする、請求項18に記載の培地。
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