JP2020189816A - ビタミンc誘導体組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた効果を有する老化抑制組成物を提供する。【解決の手段】2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物又はその塩を主成分として配合することにより、優れた効果を有する老化抑制組成物を得ることができた。

Description

本発明は、特定のアスコルビン酸の2位と3位が同時に修飾され,かつビタミンE構造を含むアスコルビン酸誘導体の用途に関する。本化合物を有効成分として本発明の化合物を含有することで従来より強い老化抑制作用が発揮され,老化が原因で起こるメラニン産生、フリーラジカル産生、シワ、ニキビ、皮膚の乾燥、皮膚及び粘膜のバリア機能の低下、免疫力低下,炎症、褥瘡などの皮膚の疾患を抑制するのに効果を発揮する。本発明は、安定でかつ安全性が高い組成物に関し、化粧品、医薬部外品、医薬品、動物用薬品、水生動物用薬品,及び雑貨を含むヒト及び動物の組成物として利用することができる。
ビタミンC(L−アスコルビン酸)は、抗壊血病剤であり、またしみ、そばかすなどの原因であるメラニン色素の沈着を抑え、さらに最近では抗ガン作用があると言われている。また、ビタミンE(α,β,γ,δ−トコフェロ−ル及びトコトリエノ−ル及びその光学異性体であるD及びL体)は、抗酸化作用を有し、また近年白内障に有効であることが示唆されている。ビタミンE自体は水に不溶性であり、油に溶けるが、ビタミンCは水溶性であるという特徴がある。ビタミンCの誘導体には多くの種類が知られており以下の公知の特許文献などが存在する(特許文献1〜5)。
一方、ビタミンEにはαβγδの4種が存在する。現在皮膚科領域で最も汎用されているのはαビタミンEとその誘導体である。α型が利用されている理由は臓器の多くでα型の存在比が高くペルオキシラジカルに対する反応性が高い(α>β〜γ>δの順)ためである(非特許文献1)。
αビタミンEは脂溶性であリ、生体では皮脂層や細胞膜内で抗酸化物質として働き、皮膚に深刻なダメ−ジを与える脂質過酸化の連鎖反応の拡大を防止する(非特許文献)(非特許文献2)。αビタミンEは、タンパクやDNAの酸化障害を抑制するだけでなく紫外線(UV)吸収剤(極大吸収:292nm)としての機能があり(非特許文献3)、さらに皮膚免疫障害抑制効果(非特許文献4)(非特許文献5)やDNA損傷抑制効果も報告されている。(非特許文献6)。αビタミンEの紫外線防御メカニズムは、真皮のSOD活性を増加させることで、UV照射による表皮グルタチオンペルオキシダ−ゼやSODの減少を抑制し、同時に皮膚のグルタチオンレベルやビタミンCレベルを上昇させることにより、皮膚の抗酸化ネットワ−クをコントロ−ルしてUV照射傷害を抑制するものである
(非特許文献7)。皮膚等の一部の組織でγ型ビタミンEの含有比が高いことが確認され、γ型の生体での役割を再評価する動きが起こっている(非特許文献8)。ヒトの表皮のビタミンEの構成については、αビタミンE:87%、γ−ビタミンE:9%、γ−Toe:3%、α−Toe:1%の含有比であることが報告されており、γ型のみならずトコトリエノ−ル(Toe)の役割についても議論され始めている(非特許文献9)。αToeは、UV障害を抑制すると共に、アクネ治療などに用いられるベンゾイルペルオキシドの脂質過酸化も抑制することが知られている(非特許文献10)。γ及びδビタミンEについてもDNAのチミジンダイマ−形成を抑制することが報告されている(非特許文献11)。α以外のγβδ型についてはメラニン生成抑制作用が顕著であるという報告もある(非特許文献12))。
従来よりdl−αビタミンEの酢酸やニコチン酸エステルが末梢循環障害の改善を目的として医薬品や化粧品などに使用されてきた(非特許文献13)。ビタミンEとビタミンCがリン酸エステルで結合したEPCには、虚血による酸化障害抑制作用が報告されている(非特許文献14)。
老化とともに老人性色素斑などのメラニンの過剰生産,成人病等のフリーラジカル疾患,免疫機能の低下などによる,感性症の増加や皮膚細胞の再生機能の低下によるバリア機能の低下などの様々な皮膚疾患が増加することが知られているが,これらの皮膚トラブルに対してビタミンCやビタミンEの効果が既に示されている。
しかし、これらの公知文献に記載されたビタミンC及びビタミンE誘導体には、二つの重大な問題が存在する。即ち、ビタミンC−2−リン酸エステルの塩類(特許文献6)、ビタミンC−2−リン酸−6−パルミチン酸エステルの塩類のようなビタミンC−2−リン酸の高級脂肪酸エステル誘導体(特許文献7)やビタミンC−2−マレイン酸トコフェリル(特許文献8)などは、ビタミンCとリン酸叉はビタミンCとマレイン酸の化学結合が弱い為に速やかに非酵素的にビタミンCに変換されてしまう。このため、製剤中で分解され着色や異臭の発生などの問題を引き起こす。これらの誘導体は、生体酵素でも速やかに分解されるがビタミンCへの変換速度が早すぎるため組織中ビタミンC濃度が高まりすぎてビタミンCラジカルなどのプロオキシダントを生じやすいという問題もある。ビタミンEの場合も過剰症が知られており,化粧品等へのビタミンEの添加量は1%w/w以下に制限されている場合が多いが,ビタミンE誘導体は,ビタミンEへの変換がコントロールされるため,添加量の上限規制は存在しない。
一方、ビタミンC−2−硫酸の塩類、L−アスコルビン酸−2−O−リン酸−α−トコフェロールジエステル(特許文献9)、ビタミンC−2−グルコシド(特許文献10)及びその高級脂肪酸エステルの塩(特許文献11)などは、2つの分子をエステルで結合させたビタミンCは、これらのエステル類のビタミンCへの結合が強い為に非酵素的に分解されにくいばかりでなく、生体中の酵素でも分解されるのに極めて24時間以上の長い時間を要する。これらの、ビタミンC及びビタミンE誘導体に限らず水溶性ビタミン及び脂溶性ビタミン誘導体に対するビタミン単体へ変換するエステラーゼなどの酵素活性は、酵素の立体特異性や酵素の存在する組織や細胞の種類などにより、誘導体の分子構造から酵素の反応速度を含む誘導体の変換速度を推測することは事実上出来ず、臨床試験、実際の組織を使用した試験、細胞試験叉は実際の酵素を使用した反応試験により初めて明らかとなる。
従って、例えば皮膚組織に投与しても皮膚通過中の3から6時間ではビタミンCに変換されず、血流で他の組織へ拡散しタ−ゲット組織である皮膚組織でのビタミンC濃度が上昇せず十分な効果を発揮できない。そして一度拡散したビタミンCとビタミンEは主に肝臓で代謝され大部分が体外へ排出され再利用されない。培養細胞では24時間以上培養しないと効果を発揮できず、これでは実際の皮膚に塗布した場合と実験条件が異なるため意味を持たない。
そもそも、従来のビタミンCとビタミンEを結合させた誘導体は、前述のアスコルビン酸−2−マレイン酸トコフェロ−ルように結合が弱く速やかに炭化水素がビタミンCから遊離して細胞浸透性が十分発揮できないものや、アスコルビン酸−2−リン酸−6−パルミチン酸塩の様に強い界面活性作用から細胞毒性を発揮し細胞にダメ−ジを与えてしまう誘導体がほとんどであり、良好な皮膚バリア透過性や細胞膜透過性を有していてもそのメリットが十分に行かされない問題が存在した。
従来よりビタミンCとビタミンEを併用するとそれぞれの単独使用に比較しそれを遥かに凌駕する相乗効果が報告されており、ビタミンCとビタミンEを結合させた誘導体の試作が従来から行われてきた。ビタミンCとビタミンEの併用塗布は、単独塗布よりも紅斑とサンバ−ンセル形成やDNAのチミジンダイマ−形成により高い保護作用を示すという報告もあり(非特許文献15)、ビタミンCとEとの併用は効果的であると考えられる。外用だけでなく経口投与の併用も効果的である。ビタミンCとビタミンEを同時に8日間経口投与すると紫外線による紅斑反応が鈍化した(非特許文献16)。
ビタミンCを単独で大量摂取すると逆に活性酸素を発生させることがあるが、ビタミンEやポリフェノ−ルはビタミンCのプロオキシダント化を抑制することも知られており(非特許文献17)ビタミンCをビタミンEなどの他の抗酸化剤と併用することもビタミンCの効果を高める上で重要であることが指摘されていた。この為にビタミンC誘導体に修飾する炭化水素の代わりに、細胞の膜の酸化防止に効果のあるビタミンEをビタミンCに修飾する試みが従来よりなされている。また、ビタミンEはその分子内に炭化水素鎖を持つ為にビタミンCと結合させた場合に適度な疎水性を持たせることができるためこれらの誘導体では細胞膜透過性や皮膚バリア透過性が良くなることが考えられる。酸化されたビタミンE(ビタミンEラジカルを含む)がビタミンCにより生体内でリサイクルされることもよく知られた事実である。
しかし、ビタミンCは水溶性であり、ビタミンEは粘性の高い水飴状の脂溶性である為に、併用使用することは困難であり、ビタミンEを脂に混ぜて粘度を低下させ乳化などの方法で水に溶かしてビタミンCと併用する方法が取られたが、両者は強力な還元剤である為に酸化分解されやすく、褐変や異臭の発生、プロオキシダントによる細胞毒性や刺激の問題が発生するという問題があった。安定化させたビタミンC誘導体とビタミンE誘導体を併用するという方法もあるが、2つの誘導体を同時に添加するにはコスト高になると言う問題と、それぞれの誘導体に置換基が修飾されている為に一定のビタミン量を確保する為には多くの量を添加しなければならないという問題もあり、異なる2誘導体の安定なpHや水に対する溶解性、疎水性がそれぞれ異なるという問題などから混合した製剤に沈殿や分離、力価低下が見られるという問題が発生した。そこで、ビタミンCとビタミンEを一つの誘導体にまとめてしまおうという試みがなされた。ビタミンCとビタミンEを結合させた誘導体として、既にビタミンEとビタミンCとの水溶性リン酸ジエステル化合物が知られている(特許文献12)。また、ビタミンC,Eの溶解性を互いに補うものとして、トコフェロ−ル/トコトリフェノ−ル−L−ビタミンC−6−ジカルボン酸ジエステルが報告されている(特許文献14)。
ビタミンCの2,3位の水酸基のpKaはそれぞれ4.2,11.8であり、生体内では主としてモノアニオンとして存在している。ビタミンCの2位の水酸基は3位の水酸基よりも反応性が高く、ラジカルに2位の水酸基から電子または水素を供与してラジカルを速やかに安定化し、自身はモノアニオンラジカルビタミンCH−となる。モノアニオンラジカルは二分子不均化反応によりモノアニオンとデヒドロビタミンCになる。
2位と3位が保護されていないビタミンCは2位と3位の両方でラジカルを補足することが可能である(非特許文献19)。2位のビタミンCラジカルは酸素と反応しやすく,ス−パ−オキシドを発生する反応系が知られており(非特許文献20),生体中のpHでは、2位のビタミンCラジカルは、3位のビタミンCラジカルに比較しより酸化反応を促進する可能性が高いと考えられる。ビタミンC−2−Gluの方がよりチミン分解抑制効果が高くなると推定される。ビタミンCリン酸塩(ビタミンC−2−P)など多くのビタミンC誘導体は2位のみが保護され,3位には還元性の0−が残っているために,酵素的加水分解によるビタミンCへの変換がなくともスカベンジャ−としての効果を発揮できると考えられる。さらにビタミンC−2−リン酸のようなビタミンC誘導体は,2位がエステル修飾されることにより酸化反応を誘導するビタミンCの欠点(自らがプロオキシダントとなり酸化反応を促進する)を補ってくれる。また,生体内では本誘導体は酵素分解を受けて徐々にビタミンCに変換され,生体内においてビタミンCの除放性能を持つためビタミンCのような投与時の高濃度化を避けることができることも大きなメリットのひとつである。
また、ビタミンCとビタミンE誘導体として、α−トコフェリ−ルグリセリルビタミンCが知られている(特許文献15)。さらに、L−ビタミンC−2−O−マレイン酸−α−トコフェロ−ルジエステルが(特許文献16)により開示されている。
しかし、ビタミンEとビタミンCとの水溶性リン酸ジエステル化合物(特許文献17)、(特許文献18)、及びトコフェロ−ル/トコトリフェノ−ル−L−ビタミンC−6−ジカルボン酸ジエステル(特許文献19)及び、ビタミンCとビタミンE誘導体として、α−トコフェリ−ルグリセリルビタミンC(特許文献20)は、エステル結合が強すぎて酵素的に加水分解されにくいためタ−ゲット組織中でビタミンCを効率的に放出できない。一方で、L−ビタミンC−2−O−マレイン酸−α−トコフェロ−ルジエステル(特許文献21)は、エステル結合が弱すぎて、酵素が全く存在しない水中でも速やかに分解される為に誘導体としての効果が十分に発揮できないという問題があった。
このように、従来のビタミンCとビタミンEを結合させた誘導体は、エステル結合が強すぎるか、叉は弱すぎるため投与組織で十分な効果を発揮できないという問題が存在した。我々はこの問題を解決する為に、ビタミンCとの化学結合が弱すぎず、又は強すぎないエステル構造をもつ分子の探索を行い、その結果−O−C(=O)−(CH2−構造がもっとも優れた効果を発揮できることを見いだした。この構造は、ビタミンCの酸素とR−O−C(=O)−CH2−構造がエステルで結合するために、本発明者らはこれをアセチルジエステル結合型ビタミンC誘導体と名付けた。
さらに、アセチルジエステル結合型ビタミンC誘導体にアルキルやアルコ−ルなどの炭化水素を結合させることによりアセチルジエステル結合型ビタミンC誘導体に疎水性を増加させて、皮膚浸透性や細胞浸透性を高める工夫を行ったところ、脂溶性のビタミンEを結合させることが、毒性や効果の点から最も優れていることを見いだした。この構造は、ビタミンCの酸素とビタミンE−O−C(=O)−CH2−構造が2つのエステルで結合するために、本発明者らはこれをアセチルジエステル結合型ビタミンCE誘導体と名付けた(特許文献28)。
しかし,このアセチルジエステル結合型ビタミンCE誘導体においても還元性を有するビタミンCの炭素の2位叉は3位のいづれか一方には置換基が結合していないために,特に微量の鉄分等の遷移金属塩を含む高温かつ長期の条件では,酸化反応が進み,製品に褐変や異臭及び効果の低下をもたらす事が判明した。即ち,本発明では,ビタミンCの炭素の2位叉は3位の両方を置換基で修飾したジエステル誘導体を採用し,さらに置換基の少なくとも一つにビタミンEを含む事を目的とすることにした。
しかし,ジエステル誘導体には,以下の問題点も指摘されていた。非特許文献22には次の記載がある。「(アスコルビン酸誘導体が)エステルの場合置換基が多いほど(アスコルビン酸誘導体からアスコルビン酸への分解)活性は弱まる」さらにこの記載を裏付けるべく同文献にはアルカリフォスファターゼとの反応活性(Recovery of Phosphatase %)のデータが示されている。アスコルビン酸3,6-dibenzoate は,38%。アスコルビン酸-3-(mono)benzoate は,103%。さらにビタミンC活性(Index B)については以下の記載が有る。アスコルビン酸-3,6-dibenzoate は,53.8%。アスコルビン酸-3-(mono)benzoate は,104.0%。即ち,このデータは,おなじ置換基を持つアスコルビン酸誘導体でも,モノエステルとジエステルの場合では,アスコルビン酸への変換率つまり物性が驚くほど変化することを意味する。さらに,この文献は,おなじ置換基を持つアスコルビン酸誘導体のビタミンC活性についてさらに驚くべき結果を示唆している。即ち,モノエステルのアスコルビン酸-3-(mono) benzoateでは,アスコルビン酸活性は,104.0%で有るのに対して,ジエステルのアスコルビン酸-3,6-dibenzoate は,53.8%と、極めて悪化しているのである。この結果より一般法則としてこの文献は次のように記載されている。即ち,アスコルビン酸誘導体は,置換基が多いほど活性は弱まる。つまり,一般常識であるより優れたアスコルビン酸活性を得ることを目的としてモノエステルをジエステルにすることは,目的に反することになるのである。しかし,本発明者等は,多くのジエステル誘導体を検討する中で,ビタミンCの炭素の2位叉は3位の両方をアセチルジエステルとグリセリンの置換基で修飾したジエステル誘導体であれば,この問題を回避できる事を見いだした。
アスコルビン酸-3-benzoateのケースでは同じ置換基をもつアスコルビン酸誘導体での変化を表示しているが,異なる置換基の場合はなおさら,物性が予想できない事は容易に想像できる。即ち,先行文献でモノエステルのアスコルビン酸誘導体の性質が,既知であったとして,モノエステルが2つ結合したジエステルの物性は,既知のモノエステルからは,予想が極めて困難である事を示している。
この物理化学的理由は,アスコルビン酸の構造から容易に理解することができる。すなわち,アスコルビン酸の場合,置換基が付加できる炭素の2,3,5,6の位置に存在する水酸基が,それぞれ全く化学的に同等の性質を持たない性質を持つ為である。とくに2位と3位の水酸基の性質は,非常に異なっている。一般に,アスコルビン酸は酸解離平衡により,3位のヒドロキシル基の水素は水に水素イオン(H+)を供与するので,酢酸(pKa=4.74)より少しだけ強い酸性(pKa=4.17から4.25)であることが知られている。
即ち,アスコルビン酸の場合,3位の水酸基のみが,プロトンを離脱して酸として働き、電子の非局在化のために3位では,求核反応は起こりにくく,2位の水素と余分な電子が離脱して2位がエステル化しやすい。即ち,2位と3位では全く化学的性質が異なると同時に,現在までに発明されている殆どのエステル誘導体は3位でなく2位のみが置換されている。例えば,本発明者の一人である伊東忍が執筆した非特許文献23には,現在までに文献等で報告された27の置換基が結合した主要なアスコルビン酸誘導体が示されているが,うち74%が2位に置換基をもっており,3位に置換基を有するのは,15%に過ぎない。更に,2,3位の両方に置換基を持つものは11%に過ぎず,2,3位がジエステルで,かつトコフェロールを置換基に持つアスコルビン酸誘導体は一つもない。 即ち,2位と3位を本発明のように同時に修飾する誘導体を合成することが極めて困難であった事実が存在する。アスコルビン酸とビタミンEが優れた抗酸化剤であり,その2つを結合させたいという希望はだれしも保有していたが,現実的にそれを合成することができなかったのである。
さらに,アスコルビル-2-リン酸とアスコルビル-6-パルミテートの2つのモノエステル誘導体とこの2つの置換基が同時に結合したアスコルビル-2-リン酸-6-パルミチン酸のジエステル誘導体は、前2物質と驚くべき物性の違いを有することを非特許文献24は,以下のように記載している。
モノエステルのアスコルビル-6-パルミテートの含有量は、インキュベーション後2時間で増加し、8時間まで徐々に減少したにもかかわらず,アスコルビル-2-リン酸-6-パルミチン酸のジエステル誘導体の含有量はインキュベーション後2時間で急速に減少したことが記述されており,安定性の点でも,モノエステルに比較しジエステルの方が極めて悪く急速に分解しているのである。即ち,モノエステルの安定性が公知であっても,それらを結合したジエステルの安定性は,良くなるとは限らず,置換基の性質により異なり,全く推定できないのが現実である。
一方、本発明者は、(特許文献22)においてアスコルビン酸−2−リン酸トコフェロールなどの両親媒性物質を化粧品などに添加する場合、乳化安定性、微粒子形成能力、分散性の点から液晶構造を有する乳化物を作る事が好ましいことを見いだした。さらに液晶組成物の化粧品への応用は、皮膚の保湿性能などを向上することが見いださされ複数の特許が出願されている。又、これらの液晶構造の確認方法として偏光顕微鏡を使用したマルターゼクロス像の観察が行われている。即ち、液晶組成物は、偏光顕微鏡での観察で、ラメラ液晶に独特の形状であるマルターゼクロス像が確認できる。また、樹脂泡埋超薄切法や凍結切片法による透過型電子顕微鏡(TEM)で液晶構造を確認することもできる。(特許文献23),(特許文献24),(特許文献25),(特許文献26)、(特許文献27)。
特願平3−250458 特願平3−250458 特開平5−39280 特願平5−61364 特願平6−13667 特許第2589761 特開2005−187466 特許4179809 特願2000−580631 特許2832848 特開平11−286497 特公平2−44478 特公平5−23274 特開昭62−187470 特開平5−331166 国際公開番号:WO 01/04114 特公平2−44478 特公平5−23274 特開昭62−187470 特開平5−331166 国際公開番号:WO 01/04114 特願2005−380887 特願2007−237481 特願2008−234293 特願2010−6440 特願2012−48952 特許第4854194号 特開2016−44171
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アスコルビン酸誘導体以外のポリフェノール等の他の老化抑制成分は,アレルギー,光アレルギー,発疹,白斑等の副作用を伴うという副作用の問題があり,ヒト生体内でビタミンとして活躍する,ビタミンC誘導体が最も活性が高く,安全で信頼性が高いという特性が有る。
さらに,ビタミンC誘導体特有の問題点として本発明が解決しようとする課題をまとめると次のようになる。1)ビタミンCとビタミンE誘導体の置換基との結合が強すぎる場合は、物理的に安定であるが、タ−ゲット組織においてビタミンCとトコフェロ−ルに分離しにくくビタミンC活性とトコフェロ−ル活性が低いという問題がある。アスコルビン酸−2−グルコシドを分解する酵素は皮膚では極端に少なく、またアスコルビン酸の硫酸エステルやアルキル誘導体などは、生体中で加水分解酵素がほとんどないためにビタミンC活性が極めて低いという問題がある。
2)ビタミンCとビタミンE結合型誘導体の置換基の結合が弱過ぎる結合を持つ場合は、ビタミンCとビタミンEが速やかに遊離してしまうため、ビタミンCとビタミンEが速やかに酸化分解されてしまい製剤中の安定性に大きな問題がある。弱すぎる結合を持つ誘導体の代表であるビタミンC−2−リン酸NaやビタミンC−2−リン酸Mg及びビタミンC−2−リン酸−6−パルミチン酸Na,ビタミンC−2−マレイン酸トコフェリルなどを1%以上含む水溶液は、40℃2ヶ月で。褐変、異臭、分離、沈殿、力価低下のうち一つ以上の経時変化を生じる。さらに、遊離したビタミンCが一時的に大量に遊離するとプロオキシダントとなりやすく毒性を発揮してしまう問題がある。プロオキシダントは、活性酸素種の一種であり細胞毒性や炎症などの毒性発現の原因となる。そのため新しい誘導体には低い毒性と高い効果を同時に実現しなければならないという問題がある。
3)すぐれた細胞膜通過性を有する脂肪酸などの炭化水素置換基を有するビタミンC誘導体は、その高い界面活性作用の為に細胞膜破壊性を有し高い細胞毒性を有する。又、脂肪酸エステルのビタミンC誘導体などが皮膚に炎症を発生させることが報告されており(非特許文献18)、毒性を発現する脂肪酸を持たない疎水性の置換基を採用する必要がある。ビタミンCに修飾する疎水基としてビタミンEが優れている点がいくつか存在する。最大の理由はビタミンCから生体内で遊離た後、ビタミンEとして有効利用されるという点である。さらに、ビタミンC存在下では、ビタミンEはたとえラジカルをスカベンジング後にビタミンEラジカルになったとしてもリサイクルされるためプロオキシダントの問題が発生しにくいというメリットもある。ビタミンCの置換基が脂肪酸であった場合は、遊離後有効利用されるのは難しく、むしろ脂質過酸化物となり細胞にダメ−ジを与える物質の一つに変化する危険性が高いという問題が残る。
4)効果の問題
上記の1)2)3)の問題は、効果の発現にも極めて大きく関ってくる問題とも言える。ビタミンCとビタミンEが弱い結合の場合は、製剤中での安定性が悪い為に、流通途中や製品の保存中に酸化分解される可能性が高く実際に使用する時に力価の低下が避けられない。強い結合の場合は、生体中での酵素分解効率が低くなり、タ−ゲット組織に到達してもビタミンCとビタミンEに変換される前に拡散してしまい、タ−ゲット組織で濃度を上昇させることができない。さらに、脂肪酸などビタミンCに遊離してから脂質過酸化物の原因物質となるような場合は、細胞毒性を高めて本来の効果を低下させてしまうなどの問題を伴う為である。これらの効果を下げてしまう問題点を抜本的に解決しなければ高い効果が得られるビタミンCとビタミンEの誘導体は得られない。これら1)2)3)4)の問題を同時に解決できるアスコルビン酸誘導体を数多く検討したところ,本発明者等は2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物を使用すればこれらの問題を解決できる事を見いだした。
本発明は、2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物を提供するものである。さらに、本発明の組成物は、これらを含有させることにより化粧品、医薬品、飼料添加物、動物用薬品、食品添加物,機能性食品、抗酸化剤として利用することができる。
本発明者らは、上記の目的を達成するため鋭意検討した結果、水溶性の抗酸化物質であるアスコルビン酸と脂溶性の抗酸化物質であるトコフェロールが合体した両親媒性のアスコルビン酸トコフェロール誘導体に注目し、複数の両親媒性のアスコルビン酸トコフェロール誘導体を評価した結果、2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物に特にアスコルビン酸活性を認め、安全性も高い事を確認し、本発明を完成した。これは、多くの水溶性のビタミンC誘導体と脂溶性のビタミンE誘導体が存在する中で、2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物が、水溶性と脂溶性の両者の性質を示すため、水溶性の活性酸素や脂溶性の活性酸素の両者に効果的に作用する為である。
ビタミンCとビタミンEを併用させるメリットは極めて大きく、色素沈着症、紫外線照射障害、虚血性再かん流疾患などの様々なラジカル疾患などにその併用効果が広く認められているため、ビタミンCとビタミンEを結合させた誘導体が他の脂肪酸などと組み合わせたビタミンC誘導体に比較し遥かに効果的な優位性を持つことが期待されたが、問題はその適度な結合力であった。本発明は、その結合力を−O−C(=O)−CH2−構造にすることにより極めて理想的な形とすることに成功し、さらに、その合理的な製造方法を見いだすに至り本発明本発明の2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物に到達することができた。
本発明の2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物のうち、ビタミンCと結合させる炭化水素がビタミンEではなく脂肪酸の場合では、ビタミンCが攻撃されやすく、プロオキシダントを生じやすく紫外線照射下などのラジカル大量発生組織では細胞毒性を上昇させることが判明した。又、アルキル基では、ビタミンC分離後に栄養素やメリットのある物質に変換されにくいためほとんどが生体外異物として代謝されるしかない。
一方本発明の2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物の場合、生体内エステラ−ゼで分解された後、ビタミンCとビタミンEの2種類の抗酸化剤が共存するために、プロオキシダント化が抑制され毒性が低い状態でビタミンCの効果を発揮できることが判明した。
本発明の2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物の結合は、ビタミンC−2−リン酸やビタミンC−2−リン酸−6−パルミチン酸塩などよりも強い結合の為に、製剤中での安定性が劇的に向上した。さらに、生体中ではアセチルトランスフェラ−ゼなどの生体内アセチル基転移酵素などによりビタミンCとビタミンEに分離することが推定され、実際に生体内利用性能が従来のビタミンCのアルキル誘導体や従来型のビタミンCの2位と3位が同時に修飾されていない直鎖型ジエステル構造のビタミンCE誘導体よりも驚く程向上した。
本発明者らは種々検討を重ねた結果、本発明のビタミンCの2位と3位が同時に修飾されたジエステル結合型ビタミンCE誘導体は、従来のアスコルビン酸誘導体に中でも最も安定性と効果の高かった直鎖型アセチルジエステルビタミンCE誘導体との比較を行なった結果,安定性と有効性において遥かに高性能の誘導体であり,その置換基の結合が弱過ぎず、又強過ぎずその為に生理活性が高く且つ安定性に優れていて、安全性が高く、組織タ−ゲット性能を持つことを見出し、さらに製造上の多くの問題を解決して本発明を完成させた。
本発明の2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物では、安定した抗酸化力を持つ事が確認され、酵素分解に置ける従来の問題点も持たない事から、化粧品、医薬品、食品添加物,機能性食品、飼料添加物、動物用薬品として利用することが可能である。
さらに、水溶性のアスコルビン酸に糖鎖、炭化水素、脂質やアルコールを結合させた従来の両親媒性の活性酸素消去剤に比較し、本発明の2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物は、分解後完全にビタミンCとビタミンEという必須の栄養素に変換する。本名発明のアスコルビン酸トコフェリル誘導体1分子当たり1分子のアスコルビン酸と1分子のトコフェリル誘導体を含んでいるため、糖鎖、炭化水素、脂質やアルコールを結合させた従来の両親媒性のアスコルビン酸誘導体に比較しより効率的に活性酸素消去分子を放出する事ができる。このため変換後のビタミンCとビタミンEは、生体内の活性酸素消去サイクルの中心的な役割を果たしており、多くの酸化還元酵素反応に関与し、補酵素としての役割も果たしており、極めて重要な効果的な活性酸素消去作用を発揮することができる。
さらに、従来のアスコルビン酸リン酸トコフェリル誘導体に比較しても塩を持たない為に、経時的に塩析や沈殿を起こす事なくより安定な組成物を作る事ができる。さらにアスコルビン酸マレイン酸トコフェリル誘導体に比較し劇的に安定な製剤を作る事ができる。本発明の2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物に含まれるグリセリン構造は外用剤のアスコルビン酸の副作用である皮膚の極端な乾燥とアスコルビン酸ラジカルの発生を抑制することができ従来のアスコルビン酸誘導体にない副作用の少ない安全な両親媒性の誘導体を提供することができた。
「皮膚細胞のテロメア短縮化速度」と「細胞分裂の累積回数を意味するPDL」の評価に使用される、細胞は、ヒトの表皮角化細胞、真皮繊維芽細胞および色素細胞(メラノサイト)の少なくとも一以上から選ばれる。さらに本発明の2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物は強い抗老化作用が認められた。本発明のアスコルビン酸トコフェリル誘導体には強い抗老化作用として皮膚細胞老化の指標である「皮膚細胞のテロメア短縮化速度」と「細胞分裂の累積回数を意味するPDL」を劇的に改善できる事が判明した。
本発明の2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物の結合は、ビタミンC−2−リン酸やビタミンC−2−リン酸−6−パルミチン酸塩などよりも強い結合の為に、製剤中での安定性が劇的に向上した。
生体中ではアセチルトランスフェラ−ゼなどの生体内アセチル基転移酵素などによりビタミンCとビタミンEに分離することが推定され、実際に生体内利用性能が従来のビタミンCのアルキル誘導体や従来型のビタミンCの2位と3位が同時に修飾されていない直鎖型ジエステル構造のビタミンCE誘導体よりも驚く程向上した。
本発明者らは種々検討を重ねた結果、本発明のビタミンCの2位と3位が同時に修飾されたジエステル結合型ビタミンCE誘導体は、従来のアスコルビン酸誘導体に中でも最も安定性と効果の高かった直鎖型アセチルジエステルビタミンCE誘導体との比較を行なった結果,安定性と有効性において遥かに高性能の誘導体であり,その置換基の結合が弱過ぎず、又強過ぎずその為に生理活性が高く且つ安定性に優れていて、安全性が高く、組織タ−ゲット性能を持つことが可能となった。
本発明の2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物では、安定した抗酸化力を持つ事が確認され、酵素分解に置ける従来の問題点も持たない事から、化粧品、医薬品、食品添加物,機能性食品、飼料添加物、動物用薬品として利用することが可能となった。
水溶性のアスコルビン酸に糖鎖、炭化水素、脂質やアルコールを結合させた従来の両親媒性の活性酸素消去剤に比較し、本発明の2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物は、分解後完全にビタミンCとビタミンEという必須の栄養素に変換することが可能となった。
本名発明のアスコルビン酸トコフェリル誘導体1分子当たり1分子のアスコルビン酸と1分子のトコフェリル誘導体を含んでいるため、糖鎖、炭化水素、脂質やアルコールを結合させた従来の両親媒性のアスコルビン酸誘導体に比較しより効率的に活性酸素消去分子を放出する事ができる。このため変換後のビタミンCとビタミンEは、生体内の活性酸素消去サイクルの中心的な役割を果たしており、多くの酸化還元酵素反応に関与し、補酵素としての役割も果たしており、極めて重要な効果的な活性酸素消去作用を発揮することが可能となった。
従来のアスコルビン酸リン酸トコフェリル誘導体に比較しても塩を持たない為に、経時的に塩析や沈殿を起こす事なくより安定な組成物を作る事ができる。さらにアスコルビン酸マレイン酸トコフェリル誘導体に比較し劇的に安定な製剤を作る事ができる。本発明の2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物に含まれるグリセリン構造は外用剤のアスコルビン酸の副作用である皮膚の極端な乾燥とアスコルビン酸ラジカルの発生を抑制することができ従来のアスコルビン酸誘導体にない副作用の少ない安全な両親媒性の誘導体を提供することが可能となった。
本発明の2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物は強い抗老化作用が認められた。本発明のアスコルビン酸トコフェリル誘導体には強い抗老化作用として皮膚細胞老化の指標である「皮膚細胞のテロメア短縮化速度」と「細胞分裂の累積回数を意味するPDL」を劇的に改善できる事が判明した。
このように、ビタミンC誘導体等からなる生体内抗酸化物質を含有した、本発明の皮膚細胞老化抑制組成物は、皮膚表皮角化細胞及び真皮繊維芽細胞の老化を抑制し、肌のはりやつやを改善する皮膚老化予防効果に優れた、安全性の高い組成物である。
本発明の化合物であるトコフェリルグリセリルアスコルビン酸は、食品、医薬品など、ビタミンE及びビタミンCが有効であるとして使用される全ての製品に使用することができる。
本発明は、以下の項目から構成される。
(1)
下記の一般式(化1)で表されることを特徴とする2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物又はその塩を主成分として配合する老化抑制組成物。(化1)と(化3)においてRは水素又は炭化水素であり、(化1)のR1とR2は,それぞれ(化2)叉は(化3)から選択される化合物と結合する。R1とR2は同物質ではない。R1,R2は,(化2)叉は(化3)の点線の酸素と結合する。(化2)のR3はビタミンEであるが,ビタミンEのもつ水酸基の水素が外れてエステル結合を形成している。

(2)
下記の一般式(化4)と(化5)で表されることを特徴とする2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物又はその塩から選択される1種又は複数の混合物を主成分として配合する請求項1の老化抑制組成物。(化4)と(化5)においてR1、R2,R3,R4は水素又は炭化水素であり、R5はビタミンEである。R5のビタミンEは,ビタミンEのもつ水酸基の水素が外れてエステル結合を形成する。
(3)
ビタミンEが、トコフェロール、トコトリエノールから選択される2種と、α、β、γ、δタイプから選択される4種と、d型、L型の光学異性体のから選択される3種の組み合わせからなるグループの中から選択される、一種又は複数の混合物から選択される請求項1の老化抑制組成物。
(4)
下記の一般式(化6)又は(化7)の一種又は複数の混合物から選択される請求項1の老化抑制組成物。
(5)
老化を原因とするメラニン生成を抑制する請求項1の老化抑制組成物。
(6)
皮膚外用剤又は経口剤のいづれかから選択される剤形である請求項1の老化抑制組成物。
(5)
化粧品、医薬品、医薬部外品、食品添加物,機能性食品、飼料添加物、動物用薬品,動物用医薬品,雑貨及びこれらの原料叉は添加物のいずれかである請求項1の老化抑制組成物。
(6)
ラメラ液晶構造を有する平均粒子径が10から1000nmである乳化組成物を含有する、請求項1の老化抑制組成物。
本発明の2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物を主成分として化粧品、医薬品、医薬部外品、未承認医薬品、飼料、食品の形で投与・摂取することによって、効果的に寿命を延長することができる。
本発明は、2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物からなる生物の2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物である。これらの効果を高めるために、後述の補助効果を有する物質を添加することができる。
本発明の2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物は、生物の寿命を延長することができ、すなわち誕生から個体死に至るまでの期間を増加することができる。増加効果は、生物の平均寿命に対して、1.5から2.5倍である。細胞数が少ない小さな生物のほうが細胞数の大きい生物よりも寿命の延長効果が大きく、例えば、約1000個の細胞から構成される線虫のほうが、哺乳類などよりも寿命の延長倍数が大きくなる。なお、本発明において寿命延長効果がある生物としては、単細胞生物及び多細胞生物である。
さらに、本発明の2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物は、健康寿命の延長に特異的な効果を有する。健康寿命とは生物の事故死や細菌感染やウィルス感染など他の生物による疾病死を除く、自己の要因による疾患などの内的な死亡原因を含む平均寿命のうち、個体死までに疾病を発生させないこと、及び生体の生存に係わる器官のうち特定の期間の早期の衰弱を防止することである。平均寿命を中心に個体死は正規分布を描くが、本発明の効果により、個体死数を各生物の最大の寿命に近づける。日本人の平均寿命約80歳を中心とした70〜90歳の寿命をより有効的に延長することができる。また、健康寿命とは一般的に社会生活が送れる状態の寿命の延長の意味も含む。
2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物は生体の酸化防止機能を向上させる。生体の酸化防止機能とは、スーパーオキシドディスムターゼ、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ、グルタチオンリダクターゼなど生体内で生じる活性酸素種を消去する酵素の生成機能を向上させることである。 また、本発明の2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物は健康寿命を延長することから、生物の内面的な状態を若い状態をより長く保持することができる。
本発明の2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物の塩類としては、ナトリウム塩やカリウム塩などのアルカリ金属塩およびカルシウム塩やマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩が挙げられるが、これら以外のアンモニウム塩などの薬理学的に許容できる塩であればいずれのものであってもよい。また、これらの中から選択される1種叉は2種以上の混合物でもよい。
ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩およびカルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩が例示される。
ビタミンEには、複数の種類が存在することが知られているが、本発明に使用できるトコフェロ−ルは、α—トコフェロールであり、これには、旋光性が異なるD型(dextro−rotatory=右旋性(+))、及びL型(levo−rotatory=左旋性(−))のどちらも使用でき、本発明にはどちらの型も使用でき、更にそれらの混合物であるラセミ混合物(rac−として表記)やDL型(DL−として表記)も本発明のトコフェロ−ルとして使用することができる。また、これらの中から選択される1種叉は2種以上の混合物でもよい。
本発明の2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物
には、抗酸化物質を添加する事もできる。その具体例としては、安定性の高いものであれば制限されずに使用可能であるが、具体的には、SOD(superoxide dismutase),カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼなどの抗酸化酵素、ビタミンC、ビタミンE、β−カロテンなどの抗酸化ビタミン、アルブミンなどのタンパク質等を挙げることができる。好ましくは、細胞内の抗酸化物質を容易に高濃度化することができる非タンパク性抗酸化剤、特に、本発明の誘導体以外のビタミンC及びビタミンEとその誘導体、アスタキサンチン、β−カロテン、グルタチオンならびに分子量1,200以下の低分子量の生体内抗酸化物質から選ばれる一種または二種以上が挙げられる。これら生体内抗酸化物質には、本発明以外のビタミンC誘導体を添加することもでき、例えばL-アスコルビン酸、アスコルビン酸モノアニオン、アスコルビン酸モノアニオンラジカル,Ascラジカル、デヒドロアスコルビン酸、ビタミンCナトリウム、ビタミンC-2-リン酸塩の相称、ビタミンC-2-リン酸ナトリウム、ビタミンC-2-リン酸マグネシウム、ビタミンC-2-グルコシド、ビタミンC-2-リン酸-6-パルミチン酸(ナトリウム)、ビタミンC-2,3,5,6-イソパルミチン酸、ビタミンC-2,6-ジパルミチン酸、Asc-6-パルミチン酸、ビタミンC-6-ステアリン酸、ビタミンC-2-硫酸、ビタミンC-3-エチル、ビタミンC-2-グリセリル-3-オクチル、ビタミンC-2-リン酸(Na)-イソステアリン酸、ビタミンCベンジリデン、ビタミンCペンタペプチド、ビタミンCグリセリル、ビタミンC-2,3-ジグリセリル,ビスグリセリルビタミンC、ビタミンC-2-リン酸マグネシウム亜鉛、ビタミンC-2-リン酸-トコフェリル(カリウム)、ビタミンC-2-マレイン酸-トコフェリル、ビタミンC-2-グルコシド6-パルミチン酸、ビタミンC-2-オクタデシル、ビタミンC-2,6-ジブチル、ビタミンC-2-Pal含有リポソーム、ポリエチレングリコール修飾ビタミンC-2-パルミチン酸含有リポソーム、ビタミンC-5,6-ベンジリデン、ビタミンC-5,6-ベンジリデンナトリウム、等のビタミンC誘導体がさらに好ましくは用いられるが、これらに限定されるものではない。また、これらビタミンC誘導体は一種または二種以上配合することができる。また、これらの中から選択される1種叉は2種以上の混合物でもよい。
本発明の2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物
には、以下の実施例に記載する物性を有するものを含み,その形態として、通常の皮膚外用剤と同様に、可溶化系、乳化系、粉末系、油液系、ゲル系、軟膏系等幅広い形態をとりうる。本発明の皮膚細胞老化抑制組成物は、皮膚における細胞老化抑制を企図する化粧料をはじめとして、医薬品や医薬部外品等の組成物にも適用可能であることは勿論である。以下、本発明の皮膚細胞老化抑制組成物が好ましく適用される2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物について説明する。
本発明の2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物が具体的に適用可能な化粧料,医薬部外品,医薬品,雑貨としては、一般的な化粧料であれば特に制限されるものではなく、例えば、化粧水、美容液、乳液、クリームなどの基礎化粧品、日焼け・日焼け止め化粧品、ボディークリームなどの全身化粧料を挙げることができるが、好ましくは、顔、頭皮、首、手、足、体の主な日光露出部位用として専ら用いられる、保護用またはケア用組成物、ファンデーション組成物、ヘアトリートメント組成物、またはサンスクリーン剤組成物に使用される。
本発明の2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物は上記必須成分と、以下に挙げるそれ以外の各種成分とを用いて通常の化粧料の製造方法に従って製造することができる。本発明の2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物に上記必須成分に加えて、その剤形に応じて本発明の所期の効果を損なわない範囲で、通常、化粧料に配合される一般的成分を適宜配合することができる。具体的には、例えば油分としては、スクワラン、流動パラフィン、ワセリン、固形パラフィンなどの非極性油;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデカノール等の脂肪酸エステル類;その他、ジメチルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン等を挙げることができる。
さらに本発明の2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物には、例えばパラアミノ安息香酸、ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等の紫外線吸収剤;グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、プロピレングリコール、ヒアルロン酸等の保湿剤;カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、アラビアガム等の増粘剤;エタノール、プロパノール等の低級アルコール;タルク、酸化チタン、酸化亜鉛等の粉体類;ジブチルヒドロキチトルエン、トコフェロール等の酸化防止剤;アラントイン、グリチルリチン酸ジカリウム等の抗消炎剤;クエン酸塩等のpH調製剤;エデト酸塩等のキレート剤;色素;ビタミンおよびその誘導体、プラセンタエキス、植物抽出エキス等の各種有用成分等を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
本発明の皮膚細胞老化抑制用組成物によって、皮膚細胞の老化を抑制するという本発明の目的を達成するには、皮膚細胞のテロメア短縮化速度を0.11kb/PDL以下に抑制することができ、皮膚細胞における細胞分裂の累積回数を意味するPDLを、当該組成物によらない場合に比べて、6PDL以上に延長することができる。
本発明の老化抑制組成物における2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体の添加量は、その組成物が化粧品,医薬品、医薬部外品、未承認医薬品、食品、化粧品、飼料,雑貨の場合、成人では1日あたり体重1kg当たり、経口剤の場合は0.00001〜100mgの摂取量が可能なように配合することが好ましいがこれに限定されない。但し、成人では1日あたり体重1kg当たり、100mg以上を添加するとトコフェロールの過剰症が発生することがあるので注意が必要で有る。
外用剤の場合は、本発明のトコフェリルアスコルビン酸誘導体を0.1ppmから10%の間で配合した外用製剤を皮膚面積1平方センチメートル当たり0.0001gから1gの間で1日当たり単回から12回の範囲内で均一に塗布することが望ましい。さらに経口投与では1日あたり体重1kg当たり、0.00001以下では生理的な効果は得られないが、製剤の安定性を高めることは可能で有る。外用製剤では0.1ppm以下では生理的な効果は得られないが、製剤の安定性を高めることは可能で有る。これらの摂取量の範囲で、単回または複数回に分けて摂取可能なよう分割する形態とすることができる。投与量は、投与される人の年齢、体重、症状の程度、投与形態によって異なる。本発明の2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物における2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物量は、1日の摂取量によって適宜配合することができ0.0001〜99%の量で含有させることができる。
本発明の効果を補助するため、補助効果を有する物質を添加することができる。例えば、ビタミンA類;カロテノイド類(キサントフィル除く);ビタミンB類;ビタミンC類;ビタミンD類、ビタミンE類;トコトリエノール類;グルタチオン及びこれらの誘導体並びにこれらの塩;リグナン、カテキン、アントシアニン、タンニン、ルチン、クロロゲン酸、エラグ酸、クルクミン、クマリンなどのポリフェノール類;リノール酸、α−又はγ−リノレイン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、イワシ酸、ドコサヘキサエン酸及びその誘導体並びにそれらの塩;コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、ケラチンから選ばれるタンパク質及びそれらの誘導体並びに加水分解物;アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンなどのアミノ酸及びこれらの誘導体及びその塩類並びにペプチド;グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、サリチル酸などのα−ヒドロキシ酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩;血清除蛋白、脾臓、胎盤、鶏冠、ローヤルゼリー、酵母、乳酸菌、ビフィズス菌、霊芝、ニンジン、センブリ、ローズマリー、オウバク、ニンニク、ヒノキチオール、セファランチン、アロエ、サルビア、アルニカ、カミツレ、シラカバ、オトギリソウ、ユーカリ、ムクロジ、センプクカ、ケイケットウ、サンペンズ、ソウハクヒ、トウキ、イブキトラノオ、クララ、サンザシ、シラユリ、ホップ、ノイバラ、ヨクイニン、ドクダミ、海藻、納豆、レモングラス、ハイビスカスなどの天然物並びにそれらの抽出物;アデノシン三リン酸、アデノシン二リン酸、アデノシン一リン酸などのアデニル酸誘導体;鉄、バナジウム、モリブデン、マンガン、銅、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、セレン、ヨウ素などのミネラル類;マンニトール、キシリトール、グルコサミンなどの単糖類;ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン、ケラタン硫酸、グリコーゲン、キチン、キトサンなどの多糖類;デオキシリボ核酸、リボ核酸などの核酸類;その他のグリチルリチン酸、グアニン、ムチン、ユビキノン、α−リポ酸、オクタコサノール、アリシン、アリイン、ラズベリーケトン、カプシエイト、蜂蜜、ローヤルゼリー、カプサイシンなど、並びにそれらの混合物からなる群から1種又は2種以上選択することができる。これらの成分は、医薬品全量に対して一般には0.01〜90%、好ましくは0.1〜50%配合され、一種以上組み合わせて用いることができる。
本発明の2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物は、化粧品,医薬品、医薬部外品、未承認医薬品、食品、化粧品、飼料,雑貨及びこれらの原料叉は添加物に配合又は形態をとることができる。
本発明の2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物を含む化粧品,医薬品、医薬部外品、未承認医薬品、食品、化粧品、飼料,雑貨及びこれらの原料叉は添加物は、一般製剤の製造に用いられる種々の添加剤を適当量含んでいてもよい。このような添加剤として、例えば賦形剤、結合剤、酸味料、発泡剤、人工甘味料、香料、滑沢剤、着色剤、安定化剤、pH調整剤、界面活性剤などが挙げられる。賦形剤としては、例えばトウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、コムギコデンプン、コメデンプン、部分アルファー化デンプン、アルファー化デンプン、有孔デンプン等のデンプン類、乳糖、ショ糖、ブドウ糖などの糖、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、ソルビトール、マルチトールなどの糖アルコール、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ハイドロタルサイト、無水リン酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、軽質無水ケイ酸などの無機化合物などがあげられる。結合剤としては、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム末、ゼラチン、プルランなどが挙げられる。崩壊剤としては、例えばデンプン、寒天、カルメロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、結晶セルロース、F−MELT(商標、(株)ITO製)などがあげられる。酸味剤としては、例えばクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸などがあげられる。発泡剤としては、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムなどが挙げられる。甘味料としては、例えばサッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテーム、ステビア、ソーマチンなどが挙げられる。香料としては、例えばレモン油、オレンジ油、メントールなどが挙げられる。滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、タルク、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウムなどが挙げられる。着色剤としては、例えば食用黄色5号、食用赤色2号、食用青色2号などの食用色素、食用レーキ色素、三二酸化鉄などが挙げられる。安定化剤としては、エデト酸ナトリウム、トコフェロール、シクロデキストリン等が挙げられる。pH調整剤としては、クエン酸塩、リン酸塩、炭酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、酢酸塩、アミノ酸塩などが挙げられる。界面活性剤として、ポリソルベート80、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ナトリウムカルボキシルメチルセルロース、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、アラビアガム、粉末トラガントなどがあげられる。2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物やトコトリエノールの吸収や製剤化を良くするためには粉末状態にすることができる。
シロップ、ドリンク剤、懸濁液、点眼剤、注射剤などの液剤は、有効成分を必要に応じてpH調製剤、緩衝剤、溶解剤、懸濁剤等、張化剤、安定化剤、防腐剤などの存在下、常法により製剤化することができる。懸濁剤としては、例えば、ポリソルベート80、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ナトリウムカルボキシルメチルセルロース、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、アラビアガム、粉末トラガントなどを挙げることができる。溶解剤としては、例えば、ポリソルベート80、水添ポリオキシエチレンヒマシ油、ニコチン酸アミド、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、マクロゴール、ヒマシ油脂肪酸エチルエステルなどを挙げることができる。安定化剤としては、例えば亜硫酸ナトリウム、メタ亜硫酸ナトリウムなどを挙げることができる。防腐剤としては、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、ソルビン酸、フェノール、クレゾール、クロロクレゾールなどを挙げることができる。
皮膚外用剤の化粧品,医薬品、医薬部外品、化粧品、雑貨及びこれらの原料叉は添加物の形態には、特に限定されず、例えば、乳液、クリーム、化粧水、パック、分散液、洗浄料、メーキャップ化粧料、頭皮・毛髪用品等の化粧品や、軟膏剤、クリーム剤、外用液剤等の医薬品などとすることができる。上記成分以外に、通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる成分、例えば、美白剤、保湿剤、各種皮膚栄養成分、紫外線吸収剤、酸化防止剤、油性成分、界面活性剤、増粘剤、アルコール類、色剤、水、防腐剤、香料等を必要に応じて適宜配合することができる。
2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物を含む食品、飼料及びこれらの原料叉は添加物は、サプリメント、保健機能食、特別用途食品、健康食品、一般食品、飲料として用いることができ、摂取のしやすさや摂取量が決めやすいことから、サプリメント、保健機能食、特別用途食品が好ましく、前述医薬品と同様の形態、錠剤、口腔内速崩壊錠、カプセル、顆粒、細粒などの固形投与形態、シロップ及び懸濁液のような液体投与形態で摂取することができる。上記医薬品用製剤で用いる成分のうち、食品で使用可能なものを選択でき、その他に乳蛋白質、大豆蛋白質、卵アルブミン蛋白質など、又は、これらの分解物である卵白オリゴペプチド、大豆加水分解物、アミノ酸単体の混合物を併用することもできる。また、ドリンク形態で提供する場合は、栄養バランス、摂取時の風味を良くするためにアミノ酸、ビタミン類、ミネラル類などの栄養的添加物、甘味料、香辛料、香料及び色素などを配合してもよい。本発明の食品の形態は、これらに限定されるものではない。
本発明において、機能性食品とは、国や公共団体が許可・指定している医薬品的な効能を有する食品であり、例えば、栄養機能食品や特定保健用食品などの保健機能食品、特別用途食品などである。なお、状況や時代により名称や規程が変化するが、本質的に同じであるものは本発明に含まれる。医薬品的な効能を表示したパッケージや容器、説明文書を含む食品も含まれる。
食品の形態例としては、マーガリン、バター、バターソース、チーズ、生クリーム、ショートニング、ラード、アイスクリーム、ヨーグルト、乳製品、ソース肉製品、魚製品、漬け物、納豆、煮豆、炒り豆、豆腐、麻婆豆腐、ミックスナッツ、フライドポテト、ポテトチップス、スナック菓子、かきもち、ポップコーン、ふりかけ、チューインガム、チョコレート、プリン、ゼリー、グミキャンディー、キャンディー、ドロップ、キャラメル、パン、カステラ、ケーキ、ドーナッツ、ビスケット、クッキー、クラッカー、焼き菓子、マカロニ、パスタ、ラーメン、蕎麦、うどん、サラダ油、インスタントスープ、ドレッシング、卵、マヨネーズ、みそなど、又は果汁飲料、清涼飲料、スポーツ飲料などの炭酸系飲料又は非炭酸系飲料など、茶、コーヒー、ココアなどの非アルコール又はリキュール、薬用酒などのアルコール飲料、栄養ドリンク、牛乳、豆乳などの一般食品への添加例を挙げることができる。
食品では、2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物を一般食品の原料と共に配合し、常法に従って加工製造することにより製造される。2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物の配合量は食品の形態などにより異なり特に限定されるものではないが、一般には2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物の使用量は当業者が食品の種類に応じて適宜選択でき、前述の量を配合することができる。
本発明の2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物を飼料に配合した場合も、医薬品や食品と同様の効果を得ることができ、例えば、マウス、ハムスター、ラット、ウサギ、犬、猫、豚、牛、馬、羊、猿、鳥、ワニ、ヘビ、カエル、マス、鮭、あゆ、はまち、タイ、車海老、フグ、ヒラメ、コイ、ティラピア、うなぎ、アワビ、熱帯魚、金魚などに投与することができる。
飼料に添加する場合は、飼料1kg当たり、0.1ppm〜0.1mgを配合することができる。
本発明の飼料は、固形製剤、固形、ペレット状、粒状、ビスケット状、練り状などの形態及びドライフード、セミドライフード(例えば、水分含有量10〜50%程度の飼料)、又は缶詰などのウェットフード(例えば、水分含有量が50〜80%程度の飼料)等に特に制限されない。従来の飼料製造の過程において適当な工程で2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物を1種又は2種以上を飼料の材料に添加混合、又は2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物を1種又は2種以上の水溶液を飼料にふりかけて製造することができる。本発明の飼料は、市販の飼料に2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物を1種又は2種以上を添加混合したり、振りかけても作ることができる。また、人用の栄養補助食品と同様に、摂取が容易である錠剤、舌下錠、丸剤、散剤、粉剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤及び軟カプセルなどの固形製剤で製造することができる。
配合可能な原料としては、飼料として使用し得るものなら特に制限はないが、飼料の原料としては、飼料の種類に応じて、慣用の成分、例えば、魚粉、魚肉、魚介類、フィッシュミール、畜肉、肉粉、肉骨粉、血粉、フェザーミール、蚕蛹油粕、脱脂粉乳、動物性油脂(牛油、豚油、骨油など)、鶏卵類、乳類などの動物性原料;ビール酵母、トルラ酵母などの微生物;トウモロコシ、マイロ、小麦、大麦、ライ麦、エン麦、小麦粉、玄米、アワ、大豆、キナコ、キャッサバなどの穀類;アルファー化デンプン、デンプンなどのデンプン類;大豆油粕、脱皮大豆油粕、ナタネ油粕、ラッカセイ油粕、ヤシ油粕、ヒマワリ油粕、アマニ油粕、ゴマ油粕、サフラワー油粕、パーム核油粕、カポック油粕などの油粕類;米ヌカ、大麦ヌカ、ふすまなどのヌカ類;グルンフィード、グルテンミール、澱粉粕、精蜜、醤油粕、ビール粕、ビートパルプ、バガス、豆腐粕、麦芽根、ミカン皮、蜜柑ジュース粕などの製造粕類;アルファルファミール、チモシー乾草、藁などの繊維素;賦形剤、結合剤、崩壊剤、食塩、砂糖などの糖類、ビタミン類、アミノ酸類、ミネラル類などの成分を一種又は二種以上配合して使用することができる。
固形製剤に配合可能な原料としては、前述の原料の他に、例えば、人の食品分野で一般的に用いられる担体と均一に混合して製造できる。具体的には、シュークロース、ソルビトール、フラクトース等の糖類、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類、ゴマ油、菜種油、オリーブ油、大豆油などの油類、ストロベリー・フレーバー、ペッパーミントなどのフレーバー類などを使用して製造できる。また、散剤、丸剤、カプセル、軟カプセル、錠剤の形態で、ラクトース、グリコース、シュークロース、乳糖、マニトール、コーンスターチ、二酸化ケイ素などの賦形剤、デンプン、アルギン酸ソーダなどの崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、タルクなどの滑沢剤、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン、カゼインなどの結合剤、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、サポニン、レシチンなどの乳化剤、グアーガム、アルギン酸、カラギーナン、寒天、ペクチン、アラビアガム、結晶セルロースなどの増粘剤、グリセリンなどの可塑剤を用いて製造できる。錠剤型としては錠剤及び軟カプセルは摂取が容易であるので好ましい。
本発明の2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物のラメラ液晶構造を有する平均粒子径が10から1000nmである乳化組成物(以下ラメラ液晶乳化物ともいう)は、ラメラ液晶を取らない単純な乳化処方に比較し着色や沈殿の発生、異臭の発生が低下し製剤の安定性が高まり、安定期間が延長する効果がある。その平均粒子径は10から1000nmが,安定性と浸透性の点から最も望ましい。
本発明の2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物のラメラ液晶乳化物は、皮膚に対する吸収性が極端に高まり、様々な炎症抑制作用が高まった。このラメラ液晶を利用した乳化製剤は、製剤中の2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物の濃度が、0.01%重量以上であればよく低濃度で効果を発揮する。これは、皮膚吸収率が高まったためであると考えられる。
本発明の2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物のラメラ液晶乳化物は、エマルションタイプ、特に水中に油が分散した(O/W)型エマルションであり、ラメラ液晶被覆を持つ油性小滴を含有する乳化組成物である。
本発明のラメラ液晶乳化物には、各々の油性小滴が、少なくとも1種の2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物及び少なくとも1種の脂肪酸から得られるモノラメラ又はオリゴラメラで個々に被覆されており、これに加えて少なくとも1つの両親媒性界面活性剤叉は親水性界面活性剤が加えられていても良い。
両親媒性界面活性剤叉は親水性界面活性剤は、ココイルグルタミン酸Na、ココイルグルタミン酸K、ココイルグルタミン酸TEA,ココイルグルタミン酸、ココイルグルタミン酸Na、ココイルグルタミン酸TEA、ココイルグルタミン酸TEA、ラウロイルアスパラギン酸Na、ラウロイルグルタミン酸Na、ジラウロイルグルタミン酸リシンNa,ミリストイルグルタミン酸Na、パーム脂肪酸グルタミン酸Na、アシル(C12,14)アスパラギン酸TEA,ポリクオタニウム―51,ポリクオタニウム―61,ポリクオタニウム―64,ポリクオタニウム―65,ラウリルジアミノエチル グリシンナトリウム 、2-アルキル-N-カルボキシ メチル-N-ヒドロキシエチル イミダゾリニウムベタイン 、ラウリルジメチルアミノ酢酸 ベタイン 、ヤシ油アルキルベタイン液 、ラウリン酸アミドプロピル ベタイン液 、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン液 、パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタイン液 、ラウリルアミノジ酢酸ナトリウム液 、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム液、リン脂質、水添大豆リン脂質、水添卵黄リン脂質、レシチン、水添レシチン、水添環状リゾフォ スファチジン酸Na ,フォスファチジルコリン、フォスファチジルセリン、フォスファチジルグリセロール、ホスファチジルエタノールアミン、リン脂質フォスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアラート(ポリソルベート61)、ポリオキシエチレンソルビタントリステアラート、ポリオキシエチレンモノステアラート、ヘキサグリセリルモノステアラート、ポリオキシエチレンモノステアラート、ポリオキシエチレンジステアラート、ポリオキシエチレンメチルグルコースジステアラート、ASA-2-リン酸-6-パルミテート3Na、トコフェリルリン酸ナトリウム、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸K、イソステアリルアスコルビルリン酸2Na、6-ステアリン酸アスコルビル、6-パルミチン酸アスコルビル、2,6-ジパルミチン酸アスコルビル及びこれらのアルカリ金属塩。
本発明の乳化組成物の被覆は、両親媒性界面活性剤叉は親水性界面活性剤及び本発明の2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物の合計量が脂質を含む組成物の全重量に対して、好ましくは、約0.001から70重量%となるように用られる。
また、本発明の分散物は、油性小滴中に、酸化防止剤、抗ラジカル剤、色素調節剤(melanoregulator)、日焼け促進剤、脱色剤、皮膚着色剤、脂質調節剤(loporegulator)、痩身剤、抗挫瘡剤、抗脂漏剤、抗老化剤、抗皺剤、抗UV剤、角質溶解剤、抗炎症剤、更新(refreshing)剤、瘢痕化剤、血管保護剤、抗細菌剤、抗真菌剤、制汗剤、脱臭剤、ヘアコンディショナー、免疫調整剤、滋養剤、精油、及び、香料から選択される脂肪又は親油性物質を含むこともできる。
以下に、実施例を挙げて本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明がかかる実施例にのみ限定を受けないことは、言うまでもない。
(実施例1)
次に、製造例、実施例(処方例)及び試験例を掲げ、本発明をさらに具体的に説明するが、本願で開示する発明の範囲を限定したり、あるいは制限することを表すものではない。全ての製造例、実施例(処方例)及び試験例は、他に詳細に記載するもの以外は、標準的な技術を用いて実施したもの、又は実施することのできるものであり、これは当業者にとり周知で慣用的なものである。なお、以下に於いての、処方の配合割合を示す数字は重量%を意味する。
(本発明の製造例)
2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物の主成分である2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体の製造例について以下に記す。
成和化成社製、製品名:アミトースA2Gであるグリセリルアスコルビン酸(0.45 g、1.8ミリモル)をN、N-ジメチルホルムアミド(2.2ml)に溶解し、この溶液に、p-トルエンスルホン酸(0.019 g、0.11ミリモル)および2,2-ジメトキシプロパン(2.2ml)を添加し、この混合物を室温で13時間撹拌しながら反応させた。
この液を、重炭酸ナトリウム溶液(pH約7.1)で中和し、その後酢酸エチルで抽出し、有機層を水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、真空乾燥させた。この残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ (溶出溶媒;ジクロロメタン:メタノール= 90:8)により精製分離し、ジアステレオマー混合物である無色の液体(0.41 g、1.23ミリモル、76%)を物質Aとして得た。
次に、物質A(0.22 g, 0.66 mmol) を氷冷したDMSO:THF=3:2, 2mlに窒素雰囲気下でtert-ブトキシドカリウム (0.075 g, 0.68 mmol)と5分間撹拌し反応させた後、一般式(化8)で表されるトコフェリル誘導体である物質B (0.35 g, 0.66 mmol) を溶解添加し、その後室温で3時間撹拌反応した。
これに塩化アンモニウム溶液を加えて中和し、その後酢酸エチルで抽出し、有機層を水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、必要に応じてこれを濾過等で除去し、真空乾燥させた。これをシリカゲルカラムクロマトグラフ (溶出溶媒:dichloromethane:methanol = 90:4)の条件で精製し、物質Cとして(0.25 g、0.33ミリモル、53%)を得た。
この物質C (0.10 g, 0.12 mmol)を、室温下でMeOH:THF=5:2, 2 mlに溶かし、2N HCl (0.11 ml)を加えて1時間、50℃ で反応した。これに重炭酸ナトリウム溶液(pH約7.1)を加えて中和し、その後酢酸エチルで抽出し、有機層を水で洗浄し、無水Na 2 SO 4で乾燥させ、真空乾燥させた。この残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ (溶出溶媒: dichloromethane:methanol = 90:5)の条件で精製したところ、無色の液体として請求項1の一般式化1で表される本発明のトコフェリルグリセリルアスコルビン酸である化合物 (0.068 g, 0.095 mmol, 85%)を得た。
以下に1H NMRの測定結果を示す。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) : δ5.64 (1H, dd, J = 15.0, 5.0 Hz), 5.15 (1H, dd, J = 15.0, 5.0 Hz), 4.82 (1H, s), 4.26-4.19 (1H, m), 4.15-4.09 (1H, m), 4.08-4.02 (1H, m), 4.01-3.93 (1H, m), 3.90-3.83 (1H, m), 3.79-3.65 (3H, m), 3.42 (bs, 1H), 3.18 (bd, 1H), 2.61-2.56 (2H, m), 2.55 (bd, 1H), 2.18 (bs, 1H), 2.09 (s, 3H), 2.01 (s, 3H), 1.97 (s, 3H), 1.85-1.72 (2H, m), 1.57-1.48 (4H, m), 1.47-1.00 (20H, m), 0.88-0.82 (12H, m)
以下に13C NMRの測定結果を示す。
13C NMR (125 MHz, CDCl3) : δ170.2, 167.5, 156.2 (split), 149.9, 139.7, 126.4, 124.8, 123.4, 122.8 (split), 117.7, 76.0 (split), 75.3, 73.5 (split), 70.5 (split), 69.6, 67.1, 63.2, 63.0 (split), 39.4, 37.5, 37.3, 32.8, 32.7, 31.0, 28.0, 24.8, 24.5, 22.7, 22.6, 20.8 (split), 19.9, 19.8, 13.1, 12.2, 11.9
質量分析装置にて本化合物の分子イオンピークの質量電荷比を求めたところC46H72O11Na (M+Na) としてESI m/z は、 743.39であり、モル質量C40H64O11Naの理論値 743.9193 g/molと極めて一致した。上記の1H NMR及び13C NMRの結果を合わせると、本発明の(化9)の構造式をもつL-アスコルビン酸−2−グリセリル−3−アセチルジエステルトコフェロール(以下A2G3Tともいう)であることが確認された。
上記製造法において 成和化成社製、製品名:アミトースA2G(L-アスコルビン酸−2−グリセリル)の代わりにL-アスコルビン酸−3−グリセリルを使用して上記と同様に製造すると,2位と3位が置き換わった,L-アスコルビン酸−3−グリセリル−2−アセチルジエステルトコフェロール(以下A3G2Tともいう)を製造することができた。この構造は,前述と同じ方法で測定した1H NMR及び13C NMRの結果より、以下の本発明の(化10)の構造式をもつ化合物であることが確認された。

以下に記載された組成物の処方における数字は全て重量%を示す。
(活性酸素抑制比の測定)
前記条件で同様に、本発明のA2G3T又はA3G2Tの組成物を最終的な濃度が0mg/mL(対象区)と5mg/mL(試験区)となるように添加した培地で線虫14日飼育し、このNGM寒天培地上に酸化ストレス促進条件として、紫外線B波を60(mJ/cm2)の強度で照射し培養上清を回収した。この培養上清に過酸化水素を添加してフェントン反応させ、スピントラップ剤を使用して電子スピン共鳴分光計で、スーパーオキシド、アスコルビン酸ラジカルの2種の活性酸素強度をピークの高さとして測定し、2種の活性酸素相対強度を以下の計算式でもとめた。ここから以下のa,b値を用いて活性酸素相対強度についての比率を百分率で求めた。
活性酸素相対強度(%) = (a/b)x100
a =本発明の試験区のA2G3T又はA3G2T 5mg/mLの活性酸素相対強度
b =対象区の対象区のA2G3T又はA3G2T 0mg/mLの活性酸素相対強度
その結果、スーパーオキシドの活性酸素相対強度は対象区の100%に対して試験区A2G3Tは55%であり、アスコルビン酸ラジカルの活性酸素相対強度は試験区A2G3Tは65%であり、さらに試験区A3G2Tは57%であり、アスコルビン酸ラジカルの活性酸素相対強度は試験区A3G2Tは69%であり、2種の活性酸素はA2G3T又はA3G2Tの添加により有意に減少し、A2G3T又はA3G2Tは活性酸素の減少に対して効果がある事が確認された。
(ESR測定装置条件)
ESR測定装置条件は、本発明者のItoの方法 (S. Ito, et. al , Toxicology, vol. 30, no. 1-2, pp. 96-110, 2007.) によって測定された。即ち、標準の活性酸素の発生により検出されたラジカルとラッピング剤の固有のアダクトシグナルのg-値とhfccよりROSの種類が識別された。スペクトラムの強度はスペクトルの高さを測定することにより導かれた。使用されたラジカルとラッピング剤は、以下の通りである。5- (diphenylphosphinoyl)-5-methyl-4,5-dihydr-O-3H-pyrrole -N- oxide (DMPO)。ラジカルの相対的な強度比は、第3MnO信号強度と比較されることにより算出された。測定装置:ESR (ESR)分光計 (JEOL、JES-FA200分光計、東京。ESR universal cavity (JEOL, ES-UCX2:TE011 mode cavity) X-バンド マイクロウェーブユニット (8.750-9.650 GHz). MnOは、 JEOL DATUM (MO7-FB-4)によるESR標準を使用。 サンプルセル (JEOL, ES-LC12); サンプル量: 10-100μl. ティシュータイプ:クウォーツセルを使用 (ラボテック社製, 東京) しカバーグラス装着(40x5x0.5mm)。アスコルビン酸(以下ASAともいう)ラジカルのESRスペクトルピ-クを識別するために、標準試薬として日本薬局方のASAを用いてg-値とhfccが利用され、ESR装置に組み込まれた専用の分析ソフトウェア (ESRコンピュ-タ・ソフトウェア、A-System vl.40 ISAJ、FA-マネ-ジャvl.20、JES、東京、日本)によって、自動的にスペクトルのピークの高さが算出された。
ヒト皮膚角化細胞NHEK−Fを用いて、通常の培養液に本発明のA2G3T又はA3G2T組成物を最終的な濃度が0mg/mL、0.5mg/mL、0.25mg/mL、5.0mg/mLとなるように添加した培養液を用いた。その結果、A2G3T又はA3G2Tの添加濃度依存的に、最大細胞分裂回数(PDL)の増加やテロメア短縮化速度の減少効果が認められた。細胞分裂回数は、継代培養で回収した細胞総数をコールターカウンターで計測した。テロメア長は、細胞から抽出した核DNAを制限酵素HinfIで切断し、アガロース電気泳動で分離した後、膜にトランスブロットし、(32P)標識した(TTAGGG)4とハイブリダイズさせ、オートラジオグラフィを行って測定した(Miwa, N. et al.,Life Sci. 63, 935-948 (1998) )。
その結果、対象区のA2G3T又はA3G2T 0mg/mLの最大細胞分裂回数(PDL)を100%とした時、A2G3Tは 0.5mg/mL添加した区が110%、A2G3Tは2.5mg/mL添加区が147%、A2G3Tは5mg/mLが156%となり、さらに,A3G2Tは 0.5mg/mL添加した区が109%、A3G2Tは2.5mg/mL添加区が141%、A3G2Tは5mg/mLが152%となり、A2G3T又はA3G2Tの濃度依存的に線虫の最大細胞分裂回数が増加し、統計検定の結果有意にA2G3T又はA3G2Tは線虫の最大細胞分裂回数を増加させる事を確認した。
又、テロメア短縮化速度については、対象区のA2G3T又はA3G2T 0mg/mLのテロメア短縮化速度を100%とした時、A2G3Tの 0.5mg/mL添加した区が83%、A2G3Tの2.5mg/mL添加区が76%、A2G3Tの5mg/mLが67%となり、さらに,A3G2Tの 0.5mg/mL添加した区が80%、A3G2Tの2.5mg/mL添加区が75%、A3G2Tの5mg/mLが69%となり、A2G3T又はA3G2Tの濃度依存的に線虫のテロメア短縮化速度が減少し、統計検定の結果有意にA2G3T又はA3G2Tは線虫のテロメア短縮化速度を抑制させる事を確認した。
(ラジカル抑制比の測定)
ヒト皮膚角化細胞NHEK−Fを細胞培養プレートに播種し、10%ウシ胎児血清を添加したDMEM培地にて、37℃、5%CO2の空気雰囲気で、飽和密度になるまで培養した。本発明のA2G3T又はA3G2T組成物の最終的な濃度が0mg/mL(対象区)と5mg/mL(試験区)となるように培養液に添加して酸化ストレス促進条件として、紫外線B波を60(mJ/cm2)の強度で照射し培養上清を回収した。この培養上清に過酸化水素を添加してフェントン反応させ、スピントラップ剤を使用して電子スピン共鳴分光計で、スーパーオキシド、アスコルビン酸ラジカルの2種の活性酸素強度をピークの高さとして測定し、2種の活性酸素相対強度を以下の計算式でもとめた。ここから以下のa,b値を用いて活性酸素相対強度についての比率を百分率で求めた。
活性酸素相対強度(%) = (a/b)x100
a =本発明の試験区のA2G3T又はA3G2T 5mg/mLの活性酸素相対強度
b =対象区の対象区のA2G3T又はA3G2T 0mg/mLの活性酸素相対強度
その結果、スーパーオキシドの活性酸素相対強度は対象区の100%に対して試験区A2G3Tは62%であり、アスコルビン酸ラジカルの活性酸素相対強度は試験区A2G3Tは49%であり、さらにスーパーオキシドの活性酸素相対強度は対象区の100%に対して試験区A3G2Tは60%であり、アスコルビン酸ラジカルの活性酸素相対強度は試験区A3G2Tは52%であり、2種の活性酸素はA2G3T又はA3G2Tの添加により有意に減少し、A2G3T又はA3G2Tは活性酸素の減少に対して効果がある事が確認された。
以上の結果から、A2G3T又はA3G2Tを配合した本発明の組成物は活性酸素を抑制し、優れた老化抑制組成物である事が確認された。さらに、線虫の平均寿命を延長させ、細胞の最大分裂回数を増大させ、老化抑制遺伝子と言われるテロメア遺伝子の短縮化スピードを抑制したことから、優れた2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物であることが確認された。
(生物培養用組成物の処方)
A2G3T又はA3G2T:0.5、NaCl:0.8、KCl:0.02、リン酸水素2ナトリウム:0.1、リン酸2水素カリウム:0.02。
(老化抑制試験)
同調培養させておいた線虫C.elegans(fer-15 突然変異体)の幼虫を、NGM寒天培地上に大腸菌(OP50)を塗布したNGM寒天培地に移し20℃で培養した。5日目に、本発明のA2G3T又はA3G2T組成物を最終的なA2G3T又はA3G2Tの濃度が0mg/mL、0.5mg/mL、0.25mg/mL、5.0mg/mLになるように添加したNGM寒天培地3.5cmプレートに10匹の成虫を白金線で移し、1つの寿命測定につき約100匹の線虫を使用し、20℃で培養し、最後の1匹が死ぬまで培養を続けた。 線虫の生死は、1日おきに、実体顕微鏡下で判定した。この結果線虫の平均寿命(日)は、対象区のA2G3Tの0mg/mLが25日、A2G3Tの0.5mg/mL添加した区が32日、A2G3T2.5mg/mL添加区が38日、A2G3T5mg/mLが45日となり、A2G3Tの濃度依存的に平均寿命が増加し、さらに,A3G2Tの0.5mg/mL添加した区が33日、A3G2T の2.5mg/mL添加区が40日、A3G2T の5mg/mLが46日となり、A2G3Tの濃度依存的に平均寿命が増加し、統計検定の結果有意にA2G3T及びA3G2Tは線虫の平均寿命を延長させる事が判明した。
興味深い事にL-アスコルビン酸(以下「AsA」と略す。)、d-α-トコフェロール(以下「Toc」と略す。)、アスコルビン酸リン酸Na(以下「APS」と略す。)、アスコルビン酸リン酸トコフェリルK(以下「APT」と略す。),アスコルビン酸-2-アセチルジエステルトコフェロール(以下「A2AT」と略す。),アスコルビン酸-3-アセチルジエステルトコフェロール(以下「A3AT」と略す。)についてA2G3Tと同モル濃度で同様の実験を行なったところいずれも、A2G3Tの平均寿命に比較し最高-9%から-20%(AsA:-15%、Toc:-20%、APS:-14%、APT:-15%,A2AT:-9%,A3AT:-10%)も有意に平均寿命は短くなり、本発明のA2G3T又はA3G2Tが従来のAsA、Toc、APS、APT A2AT, A3ATに比較し高い平均寿命延長効果が認められた。
これは、AsA、APSについては、電子スピン共鳴によりアスコルビン酸ラジカルが本実験系で高まる事が観察され、Tocについては、トコフェロールラジカルの濃度が高まったため、これらの強い抗酸化剤のプロオキシダント効果により活性酸素濃度が高まり平均寿命の延長効果が本発明のA2G3T又はA3G2Tよりも抑制された為と考えられる。APTについては、そのアスコルビン酸への変換活性が低い為に効果が発揮できなかった為と推定された。本発明に比較しA2AT, A3ATについては,培養液に含まれる遷移金属の為に予想以上に酸化分解が早まった為と推定された。
(線虫のSOD遺伝子活性)
前記条件で同様に線虫14日飼育し、この線虫の抽出液からRT−PCR(インビロトジェン社製)を用いて、ポリ(A)+RNAを調整し、逆転写反応によってcDNAを合成した後、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行い、PCR生成物のフラグメントを臭化エチジウムで染色した後、アガロースゲル電気泳動を行い、光度測定器LAS-4000UVminiにて蛍光強度からSOD遺伝子の発現強度を測定し対象区のA2G3T又はA3G2T 0mg/mLを100%としたときのA2G3T又はA3G2Tの各濃度で飼育した線虫のSOD遺伝子の発現強度を百分率で求めた。その結果、対象区のA2G3T又はA3G2Tの0mg/mLのSOD遺伝子の発現強度を100%とした時、A2G3Tの0.5mg/mL添加した区が178%、A2G3Tの2.5mg/mL添加区が389%、A2G3Tの5mg/mLが420%となり、A2G3Tの濃度依存的に線虫のSOD遺伝子活性が増加し、さらにA3G2Tの0.5mg/mL添加した区が180%、A3G2Tの2.5mg/mL添加区が380%、A3G2Tの5mg/mLが410%となり、A3G2Tの濃度依存的に線虫のSOD遺伝子活性が増加し、統計検定の結果有意にA2G3T又はA3G2Tは線虫のSOD遺伝子活性を増加させる事を確認した。この結果は、SOD遺伝子活性の増加は、寿命の延長の結果と正の相関関係にあることから、線虫の寿命延長効果は、SOD遺伝子活性の増加に起因することも一因である事が考察された。
(ヒト臨床試験1)
55〜85歳の老人性色素斑を有する女性10名をそれぞれの区のパネルとし、毎日朝と夜の2回、6ヶ月間にわたって洗顔後にA2G3TとA3G2Tをそれぞれ1%含有するクリーム基剤(ITO社製クリーム基剤、処方:セタノール :10、流動パラフィン(#70) :8、NIKKOL Trifat S-308 :8、1,3-BG :7、NIKKOL PBC-34 :2.1、NIKKOL MGS-BV2 :0.9、メチルパラベン :0.2、プロピルパラベン :0.1、水 :残分)の3gを顔面に均一に塗布し良くすり込んだ。対象区としてA2G3T又はA3G2Tを0%添加したプラセボ区とAsA、Toc、APS、APT,A2AT, A3ATをそれぞれ0.5%含有するクリーム基剤を使用して同様な試験を行なった。塗布による皮膚老化予防効果を下記の基準によって評価した。
即ち、評価基準は、有効:老人性色素斑が極めて改善された。やや有効:老人性色素斑が改善された。無効:老人性色素斑の改善がみられない叉は悪化、副作用発生:紅斑等の副作用が生じて試験を途中で中止の4段階とした。
皮膚の老化予防効果の結果は、A2G3Tは、有効:10、やや有効:0、無効:0、副作用発生:0。A3G2Tは、有効:9、やや有効:1、無効:0、副作用発生:0。プラセボは、有効:0、やや有効:5、無効:5、副作用発生:0。AsAは、有効:5、やや有効:1、無効:1、副作用発生:3。Tocは、有効:3、やや有効:2、無効:2、副作用発生:3。APSは、有効:6、やや有効:2、無効:0、副作用発生:2。APTは、有効:1、やや有効:5、無効:3、副作用発生:1、となった。A2ATは、有効:5、やや有効:4、無効:1、副作用発生:0、となった。A3ATは、有効:6、やや有効:2、無効:2、副作用発生:0、となった。
以上の結果から、A2G3T又はA3G2Tを配合した本発明の2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物は、これを配合しない場合及び,AsA,Toc,APS ,APT,A2AT,A3ATに比べて、顕著な老人性色素斑に対する効果を有することが立証された。また、連続使用による皮膚異常は何ら認められなかった。さらに、AsA,Toc,APS ,APT,A2AT,A3ATについては、一定の効果は認められたものの、AsA,Toc,APS,APTは,副作用により試験を途中で中止する者が複数存在した。
(ヒト臨床試験2 光老化による小じわ)
50〜84歳の女性10名をそれぞれの区のパネルとし、紫外線照射が比較的強い夏場の毎日朝と夜の2回、2ヶ月間にわたって洗顔後にA2G3TとA3G2Tをそれぞれ1%含有するクリーム基剤(ITO社製クリーム基剤、処方:セタノール :10、流動パラフィン(#70) :8、NIKKOL Trifat S-308 :8、1,3-BG :7、NIKKOL PBC-34 :2.1、NIKKOL MGS-BV2 :0.9、メチルパラベン :0.2、プロピルパラベン :0.1、水 :残分)の3gを顔面に均一に塗布し良くすり込んだ。対象区としてA2G3T又はA3G2Tを0%添加したプラセボ区とAsA、Toc、APS、APT,A2AT, A3ATをそれぞれ0.5%含有するクリーム基剤を使用して同様な試験を行なった。塗布による日光性小じわに対する改善効果を下記の基準によって評価した。
即ち、評価基準は、有効:肌の小じわが試験前よりも非常に改善。やや有効:肌の小じわが試験前よりもやや改善。無効:改善がみられない叉は悪化、副作用発生:紅斑等の副作用が生じて試験を途中で中止の4段階とした。
皮膚の老化予防効果の結果は、A2G3Tは、有効:10、やや有効:0、無効:0、副作用発生:0。A3G2Tは、有効:9、やや有効:1、無効:0、副作用発生:0。プラセボは、有効:0、やや有効:5、無効:5、副作用発生:0。AsAは、有効:7、やや有効:0、無効:1、副作用発生:2。Tocは、有効:4、やや有効:1、無効:0、副作用発生:5。APSは、有効:7、やや有効:1、無効:0、副作用発生:2。APTは、有効:0、やや有効:6、無効:3、副作用発生:1、となった。A2ATは、有効:0、やや有効:6、無効:4、副作用発生:0、となった。A3ATは、有効:0、やや有効:5、無効:5、副作用発生:0、となった。
以上の結果から、A2G3T又はA3G2Tを配合した本発明の2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物は、これを配合しない場合及び,AsA,Toc,APS ,APT,A2AT,A3ATに比べて、顕著な皮膚老化予防効果を有することが立証された。また、連続使用による皮膚異常は何ら認められなかった。さらに、AsA,Toc,APSについては、一定の効果は認められたものの、副作用により試験を途中で中止する者が複数存在した。
以下に示す処方の全ては本発明の外用剤、経口剤の乳化組成物の実施例である。
以下の処方は、医薬品、医薬部外品、医療用培養薬品、医療機器、医療用具、口腔内剤、水処理剤、空気浄化剤、皮膚用接着剤、未承認医薬品、化粧品、食品添加物,機能性食品、飼料添加物、動物用薬品、動物用品としても使用できるが、化成品、工業品、土木緑化用品、肥料、塗料、洗浄料、脱臭剤、塗料、農林業用品、園芸用資材用品、土木緑化用品、培養組成物、動物薬、感光材、建築用酸化防止剤、建築用劣化防止剤、雑貨品用処理剤、衣料品用処理剤、ストッキングスプレー液、下着スプレー液、マスクスプレー液、人体用ペイント剤、変色防止剤、安定剤、家庭用酸化防止剤、臭い消し剤、家庭用接着剤、工業用抗酸化剤、工業用還元剤、工業用変色防止剤、工業用安定剤、工業用酸化防止剤、工業用接着剤、家具クリーナー液剤、装身具クリーナー処理剤、装飾品クリーナー液剤、スポーツ用品、フィルム及びテープ添加成分、冷却剤処理剤、として、又は、それらの製品の添加剤としても使用できる。 これらの添加目的の一つとして添加した成分の抗酸化力を高め、製品内活性酸素やラジカルを消去し、添加製品の劣化を予防し、製品の使用期間の延長をおこなうことができる。
以下の乳化組成物は、エモリエントクリーム、 クリーム、 クレンジングクリーム、 サンタンクリーム、 シェービングクリーム、 デオドラントクリーム、 ナイトクリーム、 ナリシングクリーム、 バニシングクリーム、 プレメーキャップクリーム、 ヘアクリーム、 ベースクリーム、 マッサージクリーム、 メーキャップクリーム、 モイスチャークリーム、 角質軟化クリーム、 除毛クリームとしての目的で外用剤としても使用できる。
以下の実施例は本発明の化粧品,医薬品,医薬部外品,動物用医薬品,雑貨の製剤例であるがこれに限定されない。
(乳化剤)
A2G3T又はA3G2T-2 : 1.0、ステアリン酸 : 18.0、セタノール : 4.0、トリエタノールアミン : 2.0、N、N′−ジアセチルシスチンジメチル:0.01、安息香酸Na : 0.7、精製水:残量
(液剤)
A2G3T又はA3G2T : 0.005、叉は、A2G3T又はA3G2T-2 :0.005、ステアリン酸 : 18.0、セタノール : 4.0、トリエタノールアミン : 2.0、精製水:残量
(液剤)
A2G3T又はA3G2T : 10.0、ポリオキシエチレン(40E.O.)モノステアレート:2.0、グリセリンモノステアレート(自己乳化型):5.0、ステアリン酸:5.0、ベヘニルアルコール:0.5、スクワラン:15.0、イソオクタン酸セチル:5.0、1、3−ブチレングリコール:5.0、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル:5.0、安息香酸Na : 0.7、香料 : 0.01、精製水:残量、
(液剤)
A2G3T又はA3G2T: 0.05、グルタミン酸ナトリウム1.5、オクタメチルシクロテトラシロキサン20.0、ポリオキシエチレンオレイルエーテル4.0、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油3.0、アルミニウムモノステアレート0.0、1 : 流動パラフィン12.0、ジメチルポリシロキサン5.0、 12-ヒドロキシステアリン酸1.0、ナイロンパウダー4.5、酸化チタン5.0、酸化亜鉛2.0、パラオキシ安息香酸ブチル0.2、ソルビトール7.0、精製水で100とする。
本処方は乳化外用剤剤、ミルク、ミルクファンデーション、UVケアミルク、 クレンジングミルク、 ナリシングミルク、 プロテクトエマルション、 ミルキィーローション、 ミルク、 モイスャーエマルション、 乳液、 育毛乳液としての目的で外用剤としても使用できる。
(洗浄液剤)
A2G3T又はA3G2T: 0.1ポリオキシエチレン(40E.O.)モノステアレート:2.0、グリセリンモノステアレート(自己乳化型)1:5.0、ステアリン酸:5.0、ベヘニルアルコール:0.5、スクワラン:15.0、イソオクタン酸セチル:5.0、1、3−ブチレングリコール:5.0、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル:5.0、安息香酸Na : 0.7、精製水:残量
(乳化剤)
A2G3T又はA3G2T: 0.5、ステアリン酸:2.0、セタノール:1.0、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.):0.5、セスキオレイン酸ソルビタン:0.5、2−エチルヘキサン酸セチル:12.0、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル:8.0、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン:2.0、1、3−ブチレングリコール:10.0、カルボキシビニルポリマー:0.2、精製水:残量、安息香酸Na : 0.7、酸化チタン:3.0、トリエタノールアミン:0.5.
上記製剤はUVミルクとしての目的で外用剤としても使用できる。
(ジェル剤)
A2G3T又はA3G2T : 10.0、カルボキシビニルポリマー:1.0、トリエタノールアミン:1.0、1、3−ブチレングリコール:10.0、A2G3T又はA3G2T: 1.0、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸ナトリウム:3.0、精製水:残量、安息香酸Na : 0.7 、精製水:残量
本処方はUVケアミルク、 クレンジングミルク、 ナリシングミルク、 サンスクリーンクリーム、プロテクトエマルション、サンスクリーン、サンプロテクター、サンプロテクト : ミルキィーローション、 ミルク、 モイスャーエマルション、 乳液、 育毛乳液としての目的で外用剤としても使用できる。
(ゲル乳化剤)
A2G3T又はA3G2T: 0.5、又は、A2G3T又はA3G2T-2:0.5、ピロリドンカルボン酸ナトリウム1.0、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体2.0、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム1.0、セトステアリルアルコール3.0、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油1.0、カチオン化セルロース : 1.0、ミリスチン酸イソステアリル : 1.0、プロピレングリコール : 5.0、ヒドロキシベンゾフェノン0.1、精製水で100とする。
本処方は頭皮用乳化剤、全身用乳化剤、処理剤、リンス剤、トリートメント、 ネイルトリートメント、 パーマアフタートリートメント、 パーマプレトリートメント、 ヘアカラーアフタートリートメント、 ヘアカラープレトリートメントとしての目的で外用剤としても使用できる。
(リンス剤)
A2G3T又はA3G2T: 0.5、ベヘニン酸5.0、ステアリン酸3.0、塩化セチルトリメチルアンモニウム : 8.5、塩化ジアリル(12-18)ジメチルアンモニウム0.5、カチオン化ケラチン加水分解物0.2、セラミド30.1、アミノ変性シリコーンエマルジョン : 0.2、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル0.3、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸0.3、ジエチレングリコールモノエチルエーテル : 1.0、ベンジルオキシエタノール0.5、ヒドロキシエチルセルロース : 0.4、クエン酸ナトリウム2.0、精製水で100とする。本処方は頭皮用乳化剤、全身用乳化剤、処理剤、リンス剤、トリートメント、 ネイルトリートメント、 パーマアフタートリートメント、 パーマプレトリートメント、 ヘアカラーアフタートリートメント、 ヘアカラープレトリートメントとしての目的で外用剤としても使用できる。
以下に本発明のゲル組成物の処方を示す。
A2G3T又はA3G2T :0.1、カルボキシビニルポリマー:1.0、トリエタノールアミン:1.0、1、3−ブチレングリコール:10.0、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸ナトリウム:3.0、精製水:残量
以下に本発明の被膜剤組成物の処方を示す。
次に示す処方で外用被覆製剤を調製した。
A2G3T又はA3G2T :0.1、ポリビニルアルコール:20.0、エチルアルコール:20.0、グリセリン:5.0、カオリン:6.0、安息香酸Na : 0.7、香料:0.1、精製水:残量 :
(被膜剤)
A2G3T又はA3G2T :0.1、ポリビニルアルコール:20.0、エチルアルコール:20.0、グリセリン:5.0、カオリン:6.0、安息香酸Na:0.2、香料:0.1、精製水:残量
以下に本発明の洗浄剤組成物の処方を示す。
A2G3T又はA3G2T :0.1、ステアリン酸:10.0、パルミチン酸:8.0、ミリスチン酸:12.0、ラウリン酸:4.0、オレイルアルコール:1.5、精製ラノリン:1.0、香料:0.1、安息香酸Na:0.2、グリセリン:18.0、精製水:残量
A2G3T又はA3G2T: 0.1、アスパラギン酸ナトリウム1.0、メトキシケイ皮酸1.0、ミリスチン酸25.0、ステアリン酸5.0、牛脂脂肪酸5.0、プロピレングリコール10.0、水酸化カリウム6.0、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド6.0、グリセロール1.0、 1、3-ブチレングリコール1.0、安息香酸Na0.1、精製水で100とする。
本処方は皮膚用洗浄剤、洗顔剤、シャンプー、オイルシャンプー、クリームシャンプー、コンディショニングシャンプー、シャンプー、ボディシャンプー、リンスシャンプーとしての目的で外用剤としても使用できる。
A2G3T又はA3G2T: 0.5、クエン酸カリウム1.5、 N-ラウロイルメチルタウリンナトリウム7.0、ラウロイルサルコシンナトリウム6.0、ラウリルジメチルベタイン2.5、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド4.0、プロピレングリコール : 5.0、 2-安息香酸Na1.0、ヒドロキシエチルセルロース : 0.5、精製水で100とする。
本処方は頭皮用洗浄剤、毛髪用シャンプー、全身シャンプー、オイルシャンプー、クリームシャンプー、コンディショニングシャンプー、シャンプー、ボディシャンプー、リンスシャンプーとしての目的で外用剤としても使用できる。
以下に本発明の油剤組成物の処方を示す。
次に示す処方でオイル製剤を調製した。
(処方)(%)
ホホバオイル:49、A2G3T又はA3G2T: 0.01オリーブオイル:残量
上記製剤をリムーバーオイル、保湿オイル、バスオイル、ヘアオイル、ボディーオイル、フェイスオイル、ネールオイルとしての目的で外用剤としても使用できる。
以下に本発明の粉末剤組成物の処方を示す。
A2G3T又はA3G2T :0.1、ラノリン:7.0、流動パラフィン:5.0、ステアリン酸:2.0、セタノール:1.0、ヒマワリ油*1:1.0、グリセリン:5.0、トリエタノールアミン:1.0、カルボキシメチルセルロース:0.7、マイカ:15.0、タルク:6.0、酸化チタン:3.0、着色顔料:6.0、安息香酸Na : 0.7、安息香酸Na : 0.5香料 : 0.01、精製水:残量、
上記処方は、ファンデーション、デオドラントパウダー、ボディーパウダー、ウォッシュパウダー、デオドラントパウダー、アイシャドー、アイブロー、アイライナー、ボディーパウダーとしての目的で外用剤としても使用できる。
(光遮蔽剤)
A2G3T又はA3G2T: 0.1、シリコーン処理マイカ25.0、セリサイト17.0、疎水処理シリカ20.0、酸化チタン20.0、球状アルミナ粉末4.0、ジメチルポリシロキサン4.0、メチルフェニルポリシロキサン1.0、ワセリン : 3.0、オクチルメトキシシンナメート3.0、ソルビタンジイソステアレート1.0、抗酸化剤0.7、パラオキシ安息香酸0.7、タルク残量。
A2G3T又はA3G2T: 0.5、炭酸水素ナトリウム60.0、ホウ砂5.0、ヒアルロン酸ナトリウム1.0、ヒドロキシプロピルメチルセルロース1.0、カリンエキス5.0、抗菌剤0.7、無水硫酸ナトリウム : 残分
これを浴用剤としての目的で外用剤としても使用できる。
以下に本発明の固形剤組成物の処方を示す。
A2G3T又はA3G2T: 0.05、パラフィンワックス5.0、セレシン : 5.0、キャンデリラワックス : 2.0、マイクロクリスタリンワックス1.0、A2G3T又はA3G2T: 0.5、又は、A2G3T又はA3G2T-2:0.5、ポリエチレンワックス : 1.0、エチレンプロピレンコポリマー1.0、水添ポリイソブテン10.0、リンゴ酸ジイソステアリル15.0、イソノナン酸イソトリデシル12.0、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール8.0、オクチルドデカノール : 3.0、スクワラン5.0、オレイン酸フィトステリル3.0、メチルフェニルポリシロキサン3.0、DL-α-トコフェロール : 0.1、トリオクタン酸グリセリル残量。本処方は、口唇用製剤、口腔内外用剤、リップステック、コンシーラー、アイライナーとしての目的で外用剤としても使用できる。
A2G3T又はA3G2T: 0.1、l-メントール3.0、DL-カンフル1.5、ポリアクリル酸 : 4.5、ポリアクリル酸ナトリウム1.5、カルボキシメチルセルロースナトリウム4.0、グリセロール20.0、ソルビトール5.0、ポリオキオシエチレンノニルフェニルエーテル0.5、カオリン : 5.0、PVP : 5.0、ヒマシ油 : 1.0、精製水 : 残分
上記成分を溶解、分散及び練合したものを、ポリエステル不織布に1m2当たり、1000gとなるよう展延し、貼付剤を製造した。
これを貼付剤、パック剤、ウォッシングパック、オイルパック、ピールオフパック、皮膚用パッチテスト用キット、包帯、絆創膏、布、皮膚用リボン、ヘアパック、絆創膏、外用ガーゼとしても使用することができる。
(細胞及び単細胞生物培養組成物の処方)
A2G3T又はA3G2T:0.01、NaCl:0.8、KCl:0.02、リン酸水素2ナトリウム:0.1、リン酸2水素カリウム:0.02。
ガーゼ又は不織布にA2G3T又はA3G2T: 0.1並びにグリセリン50%、ポリアクリル酸0.3%,フェノキシエタノール0.7%と残分に水を混合した処方液を含浸させた。上記は直接、局所に散布し、ガーゼ、不織布、ペーパーで被覆し、パック剤、被覆製剤、被覆用ウェットティッシュペーパーとして使用した。本処方の組成物は、医薬品、医薬部外品、未承認医薬品、化粧品の外用剤,雑貨としても使用することができる。
A2G3T又はA3G2T: 0.1,酢酸DL-α-トコフェロール 0.5、g シリコーン油 30.0、g ツイーン800.0、5g コーンスターチ48.9、5g 上記の成分を均一に混合し、200mgをゼラチンカプセルに充填して、カプセル剤を製造した。
これを経口用カプセル剤、動物用経口用カプセル剤,入浴剤用カプセル剤、として化粧品、医薬品、医薬部外品、食品添加物,機能性食品、飼料添加物、動物用薬品,動物用医薬品,雑貨及びこれらの原料叉は添加物としても使用する事ができる。
A2G3T又はA3G2T: 0.01、グリセリン:残分
上記製剤をインセクトリペラー、 ウォーターグリース、 エナメルリムーバー、 オードパルファム、 クレンジングジェル、 クレンジングフォーム、 クレンジングマスク、 スキンモイスチャー、 ストレートパーマ剤、 チック、 デオドラントスティック、 デオドラントスプレー、 ネイルエナメル、 パーマネントウェーブ、 ファンデーション、 ヘアジェル、 ヘアスプレー、 ヘアトニック、 ヘアフォーム、 ヘアブリーチ、 ヘアブロー、 ヘアマニキュア、 ヘアミスト、 ヘアリキッド、 ヘアワックス、 ボディスキン用剤、 ポマード、 マスカラ、 マスク、 ムース、 メーキャップ剤、 モイスチャージェル、 リップグロス、 リニメント剤、 リポソーム化粧水、 リポソーム美容液、 液状石鹸、 化粧下地、 化粧水、 化粧石鹸、 角質スムーザー、 口紅類、 香水、 香水石鹸、 合成化粧石鹸、 酸化染毛剤、 紫外線防止エッセンス、 石鹸、 洗顔料、 洗浄剤、 洗粉、 脱色剤、 脱毛・除毛剤、 虫よけスプレー、 貼付剤、 透明石鹸、 軟膏剤、 白粉・打粉類、 眉墨、 芳香剤、 防臭化粧料、 頬紅類、 毛髪コート剤、 薬用石鹸、 浴用剤、 練香水及びこれらの添加剤として,使用することもできる。さらに化粧品、医薬品、医薬部外品、食品添加物,機能性食品、飼料添加物、動物用薬品,動物用医薬品,雑貨及びこれらの原料叉は添加物として使用することもできる。
A2G3T又はA3G2T: 0.1、又はA2G3T又はA3G2T-2: 0.1g、ゼラチン10gを精製水:残分に溶かして次の製品に製品100g当たり1mlをスプレーして減圧乾燥させた。貼付剤、透明石鹸、白粉・打粉類、眉墨、芳香剤、防臭化粧料、頬紅類、毛髪コート剤、薬用石鹸、浴用剤、シャワー剤、練香水、マスク、靴下、手袋、耳栓、帽子、キャップ、靴下、下着、タイツ、コンドーム、タンポン、ナプキン、指輪、腕輪、首輪、足輪、イヤリング、縫合糸、皮膚用テープ、皮膚用フィルム、皮膚用接着剤、皮膚用ホッチキス、油取り紙、皮膚用紙、皮膚用クリップ、皮膚用フィルム、皮膚用ペイント、皮膚用不織布、皮膚用紐、皮膚用糸、皮膚用チューブ。本品は、さらに化粧品、医薬品、医薬部外品、食品添加物,機能性食品、飼料添加物、動物用薬品,動物用医薬品,雑貨及びこれらの原料叉は添加物として使用することもできる。
(外用組成物としての効果)
ポリアクリル酸Na0.5%、カーボポール0.5%、安息香酸Na0.7%、精製水(残分)の処方の外用基剤(以下、外用基剤、叉は、プラセボという)に本発明のA2G3T又はA3G2Tを1質量%になるように添加した。又、比較品として従来品のアスコルビン酸誘導体(A2ATとASA-2-リン酸Na(APS))を上記、試験製剤基剤を同濃度で添加した製剤を対象区として使用し、ヒトに対する抗シワ作用、抗ニキビ作用、保湿作用、褥瘡、抗接触性皮膚炎作用を評価した。シワ、ニキビ、乾燥肌、褥瘡、金属に体するアレルギー性接触性皮膚炎による紅斑に悩む患者をそれぞれ1グループ当たり10人集め、試験を行った。即ち、本発明の高純度のA2G3Tを含む製剤の試験区グループ、高純度でないのグループ、A2G3Tを含まないプラセボグループ、従来品のアスコルビン酸誘導体の比較品としてA2ATとASA-2-リン酸Na(APS)を1質量%添加したグループについてそれぞれの効果を評価した。外用基剤は、一日2回朝晩約0.01ml/平方cmになるように塗布した。塗布試験開始前と塗布開始から60日経過後の病変部の皮膚を顔面画像処理解析装置VISIAによりシワ、ニキビ、紅斑の炎症の赤みをスコア数値化した。数値化にはVISIA内蔵の自動計算ソフトを用いた。乾燥は、角層水分量と表皮水分蒸散量を測定することにより比較した。褥瘡は肉眼で改善度を褥瘡基準マニュアルに従って比較し数値化した。外用組成物の効果の結果を表1に示す。
対象区のスコアを100%としたときの60日後のそれぞれの%を求めた結果、本発明のA2G3T又はA3G2Tを含む製剤は、既存のA2AT、APSに比較しても全ての項目について優れていた。以上の結果より本発明のA2G3T又はA3G2Tは既存のA2AT、APS,及びプラセボと比較したとき抗シワ作用、抗ニキビ作用、保湿作用、褥瘡、抗接触性皮膚炎作用に対する明確な効果が確認された。この結果より、本製品は化粧品、医薬品、医薬部外品、雑貨及びこれらの原料叉は添加物として、極めて有効であることが確認された。
(抗病原性皮膚常在微生物作用)
スタフィロコッカス・アウレウス、マラセチア、カンジダ、トリコフィトンルブルム、プロピオニバクテリウムアクネスの病原性皮膚常在微生物について、本発明の高純度のA2G3T又はA3G2Tの効果について調べた。スタフィロコッカス・アウレウス、マラセチア、カンジダ、トリコフィトンルブルム、プロピオニバクテリウムアクネスを用いて、ペーパーディスク法(直径6mm)により、本発明の高純度のA2G3T又はA3G2Tを1.0w/v%および0.1w/v%となるようにジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解して用いた。培養は、卵黄加マンニット食塩培地、クロムアガー培地、ポテトグルコース寒天培地、ポテトデキストロース寒天培地、GAM培地を用いて、嫌気下37℃7日間行った。その結果本発明の高純度のA2G3TとA3G2Tには明確な阻止円が認められ0.1%〜1%の濃度で抗菌・殺菌作用が確認された。
〔ラメラ液晶構造を持つ乳化組成物〕
グリセリンを15gとジグリセリン3.6gとココイルグルタミン酸Na2gにA2G3T又はA3G2T 0.1gを添加して電動式ハンドミキサーで10分間よく練り、スクワラン5gを添加して電動式ハンドミキサーで10分間よく練る。この脂質添加の練り操作を全部で4回くり返してスクワランを合計で20g添加する。これにフェノキシエタノール8%を添加した水を加えて100gとし,泡が立たないように電動式ハンドミキサーで10分間撹拌して完全に分散させて本発明のラメラ液晶乳化物である組成物を得た。この乳化組成物2種類をそれぞれマイクロフルイタイザー処理し平均粒子直径が300nmの乳化組成物を得た。これら乳化組成物を偏光顕微鏡で観察すると多層ベシクル構造(ラメラ液晶構造)をもつ乳化カプセル(ラメラ液晶乳化物)に特有な干渉像(マルテーゼクロス像)が得られ、これらの乳化組成物がラメラ液晶構造を有することが確認された。さらに45μm穴のメンブランフィルターで滅菌し滅菌バイアルに密封した。
本組成物は、化成品、工業品、土木緑化用品、肥料、塗料、洗浄料、農林業用品、園芸用資材用品、顆粒品、粉末品、雑貨品、衣料品、経口用組成物、食品、培養組成物、動物薬、感光材、水処理剤、空気浄化剤の実施例である。さらに医薬品、医薬部外品、未承認医薬品、化粧品の外用組成物の実施例でもある。
本発明の前記ラメラ液晶乳化物は、上記の製造法から練り込み処理を省略した同じ処方のラメラ液晶乳化物でない処方に比較し着色や沈殿の発生、異臭の発生が低下し製剤の安定性が高まり,ラメラ液晶乳化物でない処方に比較し安定期間が140%程度延長された。製剤の安定期間が延長されると、流通機関が長くなり大幅なコストダウンにつながった。本発明のA2G3T又はA3G2Tが添加されたラメラ液晶乳化物製剤を作る時、皮膚に対するA2G3T又はA3G2Tの吸収性がラメラ液晶乳化物にしていないものとの比較で220%高まり、美白作用、ラジカル抑制作用、抗シワ作用、抗ニキビ作用、保湿作用、バリア機能増強作用、紫外線由来炎症抑制作用、抗褥瘡作用が平均で123%程度高まり予想できないほど大きな効果であった。ちなみに、このラメラ液晶を利用した製剤は、製剤中のA2G3T又はA3G2Tの有効濃度が、0.01%以上であればよく低濃度で効果を発揮する。これは、皮膚吸収率が高まったためであると考えられる。
また、製剤中のA2G3T又はA3G2Tの濃度1%であっても皮膚刺激を発揮しなかった。これは、A2G3T又はA3G2Tの皮膚刺激性がラメラ液晶により弱められたためであると考えられた。この結果より、本発明のラメラ液晶乳化物は医薬品、医薬部外品、未承認医薬品、化粧品として、アスコルビン酸(ASA)源として、ASAラジカル発生が抑制された外用組成物として極めて有効であることが確認された。
さらに、本組成物は化成品、工業品、土木緑化用品、肥料、塗料、洗浄料、農林業用品、園芸用資材用品、顆粒品、粉末品、雑貨品、衣料品、経口用組成物、食品、培養組成物、動物薬、感光材、水処理剤、空気浄化剤の抗酸化剤としても、従来のASA、ASAリン酸Mg、従来のA2ATやA3ATと比較しても有効であった。
〔ラメラ液晶構造を持つ乳化組成物〕
グリセリンを15gとジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,3-ブチレングリコール、イソプレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ピロリドンカルボンナトリウム、ヒアルロン酸、カラギーナン、アルギン酸、寒天、フコイダン、ペクチン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、ポリグルタミン酸をそれぞれ0.1gずつ合計で3.6gとココイルグルタミン酸Na、ココイルグルタミン酸K、ココイルグルタミン酸Na、ココイルグルタミン酸TEA、ココイルグルタミン酸TEA、ラウロイルアスパラギン酸Na、ラウロイルグルタミン酸Na、ミリストイルグルタミン酸Na、パーム脂肪酸グルタミン酸Na、ASA-2-リン酸-6-パルミテート3Na、dl-α-トコフェリルリン酸ナトリウム、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸K、イソステアリルアスコルビルリン酸2Na、6-ステアリン酸アスコルビル. 6-パルミチン酸アスコルビル、2,6-ジパルミチン酸アスコルビルをそれぞれ0.1gにA2G3T又はA3G2T 0.05gを添加して電動式ハンドミキサーで10分間よく練り、ミネラル油、流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソオクチル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸オクタデシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリルコレステリルエステル、2-エチルヘキサン酸トリグリセリド、2-エチルヘキサン酸セチル、ヒマワリ油、オリーブ油、ホホバ油、ツバキ油、グレープシード油、アボガド油、マカダミアナッツ油、アーモンド油、米胚芽油、丁字油、オレンジ油、トウヒ油、ステアリン酸、パルミチン酸それぞれ0.2gずつ取り合計5.4gとし、これを添加して電動式ハンドミキサーで10分間よく練る。この脂質添加の操作を全部で4回繰り返して脂質を合計で21.6g添加する。これを加えて100gとし泡が立たないように電動式ハンドミキサーで10分間撹拌して完全に分散させて本発明の乳化組成物を得た。
本組成物は、経口用組成物、食品、培養組成物、動物薬飲料用水処理剤、空気浄化剤の実施例である。さらに医薬品、医薬部外品、未承認医薬品の経口用組成物の実施例でもある。
この乳化組成物をマイクロフルイタイザー処理し平均粒子直径が500nmの乳化組成物を得た。この乳化組成物を偏光顕微鏡で観察するとラメラ液晶構造に特有な干渉像が得られ、この乳化組成物がラメラ液晶構造を有することが確認された。さらに45μm穴のメンブランフィルターで滅菌し滅菌バイアルに密封した。
〔ラメラ液晶構造を持つ乳化組成物〕
グリセリン6gとココイルグルタミン酸Na、ココイルグルタミン酸K、ココイルグルタミン酸Na、ココイルグルタミン酸TEA、ココイルグルタミン酸TEA、ラウロイルアスパラギン酸Na、ラウロイルグルタミン酸Na、ミリストイルグルタミン酸Na、パーム脂肪酸グルタミン酸Na、ASA-2-リン酸-6-パルミテート3Na、dl-α-トコフェリルリン酸ナトリウム、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸K、イソステアリルアスコルビルリン酸2Na、6-ステアリン酸アスコルビル、6-パルミチン酸アスコルビル、2,6-ジパルミチン酸アスコルビルをそれぞれ0.1gにA2G3T又はA3G2T0.05gとA2G3T又はA3G2T-20.05gを添加して電動式ハンドミキサーで10分間よく練る、ホホバ油5.4gを添加して電動式ハンドミキサーで10分間よく練る。このホホバ油添加の操作を全部で4回繰り返して脂質を合計で21.6g添加する。これに精製水を加えて100gとし泡が立たないように電動式ハンドミキサーで10分間撹拌して完全に分散させて本発明の乳化組成物を得た。この乳化組成物をマイクロフルイタイザー処理し平均粒子直径が500nmの乳化組成物を得た。さらに45μm穴のメンブランフィルターで滅菌し滅菌バイアルに密封した。この乳化組成物を偏光顕微鏡で観察するとラメラ液晶構造に特有な干渉像が得られ、この乳化組成物がラメラ液晶構造を有することが確認された。
本組成物は、化成品、工業品、土木緑化用品、肥料、塗料、洗浄料、農林業用品、園芸用資材用品、顆粒品、粉末品、雑貨品、衣料品、経口用組成物、食品、培養組成物、動物薬、感光材、水処理剤、空気浄化剤の実施例である。さらに医薬品、医薬部外品、未承認医薬品の外用組成物の実施例でもある。
この製剤を使用した三次元ヒト皮膚培養モデルを使用した組織吸収性試験では、A2G3Tの皮膚中の滞留濃度試験とマーカーの青色蛍光タンパクの真皮での滞留濃度試験の結果から、同じ処方のラメラ液晶構造を取らない通常乳化カプセルに比較し、最大で3.3倍高い濃度となり、さらにA2G3Tと蛍光タンパクの滞留時間も2.6倍長い時間となり、本発明のA2G3Tを含有する多層乳化カプセルの浸透性が高まることが確認された。また、この製剤は、A2G3Tの単独処方に比較し着色や沈殿の発生、異臭の発生が低下し製剤の安定性が高まり安定期間が148%程度延長された。製剤の安定期間が延長されると、流通機関が長くなり大幅なコストダウンにつながった。本発明のA2G3Tのラメラ液晶乳化物製剤を作る時、皮膚に対するA2G3Tの吸収性が159%高まった。従来のポリフェノールの効果と比較しこれらは予想できないほど大きな効果で有った。
本組成物は、化成品、工業品、土木緑化用品、肥料、塗料、洗浄料、農林業用品、園芸用資材用品、顆粒品、粉末品、雑貨品、衣料品、経口用組成物、食品、培養組成物、動物薬、感光材、水処理剤、空気浄化剤の実施例である。さらに医薬品、医薬部外品、未承認医薬品の外用組成物の実施例でもある。
実施例16のラメラ液晶乳化物:30質量%、実施例17のラメラ液晶乳化物:30質量%、実施例18のラメラ液晶乳化物:30質量%を混合し100質量%の本発明のA2G3Tを含むラメラ液晶乳化物した外用組成物とし、及び有効成分のA2G3Tを含まない同様の乳化製剤をネガティブコントロールとして使用し、ヒトに対する抗シワ作用、抗ニキビ作用、保湿作用、バリア機能増強作用、紫外線由来炎症抑制作用、抗褥瘡作用、ラジカル抑制作用を評価した。健常人及びシワ、ニキビ、乾燥肌、紫外線由来炎症、褥瘡に悩む患者、それぞれ20人を2グループ(一方をプラセボ区としてネガティブコントロールグループとした)それぞれの効果を評価した。健常人の場合は頬部及びその他の患者については患部に対して上記外用製剤を一日2回朝晩0.01ml塗布し、塗布試験開始前と塗布開始から10日経過後の病変部の色を同一照明条件にてデジタルカメラで撮影し画像処理装置VISIAによりシワ、ニキビ、紫外線由来炎症(紅斑)を数値化した。叉、健常人については皮膚過酸化脂質量をろ紙に皮脂を浸み込ませることにより、皮脂中の過酸化脂質量を測定した。乾燥とバリア機能は、角層水分量と表皮水分蒸散量を測定することにより比較した。褥瘡は肉眼で改善度を褥瘡基準マニュアルに従って比較し数値化した。A2G3Tを含まないネガティブコントロールを100%としたときの10日後のそれぞれの%を求めた結果、ネガティブコントロールを100%とすると実施例1のA2G3Tの効果(コントロールとの差の%)はプラセボとの比較において平均でシワ66%の改善、角層水分量141%の増加、表皮水分蒸散量132%改善による乾燥肌の改善、紫外線由来紅斑の25%の減少、アクネ55%の減少、褥瘡41%の減少であり抗シワ作用、抗ニキビ作用、保湿作用、バリア機能増強作用、紫外線由来炎症抑制作用、抗褥瘡作用に対するA2G3Tの効果が確認された。
さらに、健常人の頬皮膚から採取した皮脂の脂質過酸化物濃度がネガティブコントロールに比較し36%減少し皮膚のラジカル抑制作用が確認された。従来のポリフェノールの効果と比較しこれらは予想できないほど大きな効果で有った。この結果より、本製品は医薬品、医薬部外品、未承認医薬品、化粧品として、極めて有効であることが確認された。
さらに、本組成物は化成品、工業品、土木緑化用品、肥料、塗料、洗浄料、農林業用品、園芸用資材用品、顆粒品、粉末品、雑貨品、衣料品、経口用組成物、食品、培養組成物、動物薬、感光材、水処理剤、空気浄化剤の抗酸化剤としても、従来のASA、ASAリン酸Mg、従来のA2AT, A3ATと比較しても有効であった。
(経口用組成物)
鶏油50質量%と豚油50質量%からなる融点28±3℃の動物性油脂92.7質量%、酵素0.9質量%、A2G3Tを1%、A3G2T-を1%添加したビタミンプレミックス1.0質量%、紛状生菌剤0.9%、香料4.5質量%、を明治機械社製200L攪拌混合機で2時間撹拌分散し粒度分布における平均粒径の大きさが0.51mmの粉粒からなる本発明のビタミンC源が強化された本発明の経口組成物を得た。本発明の経口用組成物は、飼料、飼料添加物、動物用薬品、食品、食品添加物,機能性食品、機能性食品、経口用動物薬の実施例である。
(錠剤)
常法に従って下記成分を下記組成比で均一に混合・打錠し、1粒400mgの錠剤とした。
A2G3T又はA3G2T の2%製剤 25%
粉末セルロース 42%
還元麦芽水飴 17%
寒天 12%
二酸化ケイ素 1%
ショ糖脂肪酸エステル 3%
A2G3T又はA3G2T の2%製剤〔(株)ITO製〕はフリー体換算で2%のA2G3T又はA3G2Tを含む粉末セルロースで希釈された粉末である。
カプセル剤
常法によりソフトカプセル剤皮100mg(ゼラチン70%、グリセリン25%)に下記成分からなる300mgを混練してから充填し、1粒440mgのソフトカプセルを得た。
内容物
A2G3T又はA3G2Tの5%製剤 30%
中鎖脂肪酸トリグリセリド 70%
A2G3T又はA3G2T 5%製剤〔(株)ITO製〕はフリー体換算で5%のA2G3T又はA3G2Tを含むヘマトコッカス藻抽出オイルである。
ドリンク剤
下記成分を配合し、常法に従って、水を加えて10Lとし、ドリンク剤を調製した。
トコフェリルアスコルビン酸誘導体液 50g
ローヤルゼリー 1g
液糖 1000g
DL−酒石酸ナトリウム 1g
クエン酸 10g
ビタミンC 10g
ビタミンE 20g
シクロデキストリン 25g
塩化カリウム 2g
硫酸マグネシウム 1g
棒状焼き菓子
常法に従って、下記成分を配合した生地を作成し、これを適当な棒状形態に成形後、170℃のオーブンで15分間焼いて棒状の焼き菓子を調製した。
A2G3T又はA3G2T 2%
ラズベリー粉末 2%
バター 20%
砂糖 20%
塩 0.1%
卵 25%
小麦粉 72%
香料 適量
牛乳 5%
A2G3T又はA3G2Tを1質量%の配合率で以下の経口用組成物組成物に配合し、ビタミンC源が強化された各動物用の抗酸化強化経口用組成物を製造した。配合した経口用組成物の対象動物は、牛、豚、馬、羊等の家畜、家禽、水産養殖生物及びその他の飼育有用動物、犬、猫等のペット、ラット、マウス、モルモット、猿等の実験動物、肉鶏(ブロイラー)、採卵鶏、うずら、カモ、アヒル、キジ、七面鳥等の家禽、ハマチ、マダイ、イシガキダイ、テラピア、フグ、マグロ、ヒラメ、シマアジ、マアジ、サケ、コイ、ウナギ、ニジマス、アユ、エビ類(クルマエビ、ボタンエビ、イセエビ、ロブスター、ザリガニ、ブラックタイガー)、カニ類(タラバガニ、ズワイガニ、ワタリガニ、ケガニ)、貝類(真珠貝、アワビ、ホタテ貝、アサリ、カキ)、スッポン、イカ、タコ、ウニ、カブトムシ、クワガタ、カイコであった。本発明の経口用組成物は、飼料、飼料添加物、動物用薬品、食品、食品添加物,機能性食品、機能性食品、経口用動物薬の実施例である。
大豆粉25質量%、コーン粉65質量%、魚粉8質量%、A2G3Tを1%、A3G2Tを1%添加したミネラルミックス1質量%からなる経口用組成物原料をビューラー社製DFEA−220型エクスパンダーを用い運転条件最高温度120℃、加熱平均時間150秒、バレル圧力20気圧、入口原料水分含量11.5質量%、出口水分含量18.5質量%、出口製品温度100℃により加熱加工した半製品が8500kg/時間で定量搬送されているところに循環流動パイプラインから、ノズル口径3mm×10mm、圧力2気圧で気体圧送によりこの半製品に1質量%になるように吹き付けビューラー社製DFKC−2/6型乾燥機により常温30分間送風乾燥させた後、自然冷却し経口用組成物製品とした。この経口用組成物が使用できる対象動物は、以下のほ乳類である。牛、豚、馬、羊等のほ乳類の家畜、犬、猫等のほ乳類のペット、ラット、マウス、モルモット、猿等のほ乳類の実験動物であった。本発明の経口用組成物は、飼料、飼料添加物、動物用薬品、食品、食品添加物,機能性食品、機能性食品、経口用動物薬の実施例である。
トウモロコシ56.3質量%、マイロ9.0質量%、ふすま5.0質量%、脱脂米糠2.3質量%、大豆粕7.0質量%、魚粕7.0質量%、アルファルファミール2.0質量%、炭酸カルシウム7.1質量%、第3リン酸カルシウム1.2質量%、食塩0.2質量%、A2G3Tを1%、A3G2Tを1%添加したビタミン・ミネラルミックス0.1質量%、タロー油脂1.0質量%、コーングルテール1.8質量%からなる原料をビューラー社製DFEA−220型エクスパンダーを用い運転条件最高温度118℃、加熱平均時間150秒、バレル圧力20気圧、入口原料水分含量13.0質量%、出口水分含量18.8%、出口製品温度96℃により加熱加工した半製品が8000kg/時間で定量搬送されているところに循環流動パイプラインから、ノズル口径3mm×10mm、圧力2気圧の気体圧送によりこの半製品に2.11質量%になるように吹き付けビューラー社製DFKC−2/6型乾燥機により常温で30分間送風乾燥させた後、自然冷却し経口用組成物とした。この経口用組成物が利用できる動物は鳥類が主体で、肉鶏(ブロイラー)、採卵鶏、うずら、カモ、ダチョウ、アヒル、キジ、七面鳥等の家禽、文鳥、カナリア、オウム、ペンギン、白鳥等の観賞用鳥類である。本発明の経口用組成物は、飼料、飼料添加物、動物用薬品、食品、食品添加物,機能性食品、機能性食品、経口用動物薬の実施例である。
大豆粉3質量%、グルテンミール5質量%、魚粉70質量%、小麦粉10質量%、脱脂米ぬか10質量%、A2G3Tを1%、A3G2T-2を1%添加したミネラルミックス0.5質量%からなる原料をビューラー社製DFEA−220型エクスパンダー(エクスツゥルーダー)を用い運転条件最高温度110℃、加熱平均時間145秒、バレル圧力13気圧、入口原料水分含量10.5%、出口水分含量17.2%、出口製品温度93℃により加熱加工した半製品が8100kg/時間で定量搬送されているところに循環流動パイプラインから、ノズル口径3mm×10mm、圧力2気圧の気体圧送によりこの半製品に1.5質量%になるように吹き付けビューラー社製DFKC−2/6型乾燥機により常温で30分間送風乾燥させた後、自然冷却し経口用組成物とした。この経口用組成物は主に魚、貝、海老、カニなどの水産動物用とした。
本発明の経口用組成物は、飼料、飼料添加物、動物用薬品、食品、食品添加物,機能性食品、機能性食品、経口用動物薬の実施例である。
(経口組成物の効果試験)
本発明のASA誘導体が添加された経口投与組成物の効果をマウスを使った実験で確認した。血漿LDH、MDH、AspAT及び血中ストレスプロテインの上昇抑制効果を確認するために以下の実験を行い本発明の効果を確認した。
本発明の試験区1には、一日に体重1kg当たり、本発明の高純度A2G3Tを0.02ミリモルとA3G2Tを0.02ミリモルをASA源が添加されていない経口用組成物に添加し自然摂餌させた。比較区1には、比較品の従来のA2ATを0.02ミリモルとA3ATを0.02ミリモルを添加した経口用組成物を、比較区2には、ASA-6-パルミテートを0.04ミリモル添加した経口用組成物を自然摂餌させた。 又対象区としてASAを0.04ミリモル添加した経口用組成物を自然摂餌させた
試験開始日にはストレッサーとして、40℃の環境に30分さらし、その後室温を25℃に低下させ30分経過させるストレスを一日連続8回与えた。試験開始日から20日間それぞれ試験区、対照区の経口用組成物で飼育し、61日後にそれぞれのマウスから血液を採取し、血液中の血漿LDH、MDH、AspAT及び血中ストレスプロテイン、増体重を測定した。
ストレスプロテイン測定は、血漿中のストレスタンパク質分析は、SDS電気泳動を用いて測定し、ゲルスキャナーを用い、その吸光度から相対比を求めた。
(増体重比)対象区、比較区、試験区共に、試験開始時の体重を測定し、試験終了後の増体重のスコアとして以下の計算式で求めた値を比較した。この計算式により体重比スコアが小さければ小さい程体重が増えたことを意味する。
増体重比スコア=(対象区の試験終了時の体重 - 対象区の試験開始時の体重)/(試験区又は比較区の試験終了時の体重 - 試験区又は比較区の試験開始時の体重)× 100
マウスの血液中のLDH、MDH、AapAT、ストレスプロテインの平均値とそれに対応するそれぞれの対象区の値の比率スコアを以下の式で求め、百分率で表示した結果を表10に掲載した。この計算式により比率スコアが小さければ小さい程改善されたことを意味する。表10は、経口投与組成物の血漿LDH、MDH、AspAT及び血中ストレスプロテインに対する効果である。
比率スコア=(試験区又は比較区の値)/(対象区の値)× 1(結果)
結果は、LDHは、試験区1が45、試験区2が65、比較区2が87であった。 MDHは、試験区1が50、試験区2が77、比較区2が93であった。 AspATは、試験区1が49、試験区2が70、比較区2が71であった。ストレスプロテインは、試験区1が51、試験区2が68、比較区2が75であった。体重比スコアは、試験区1が25、試験区2が60、比較区2が68であった。
本発明の組成物は、化粧品、医薬品、医薬部外品、食品添加物,機能性食品、飼料添加物、動物用薬品,動物用医薬品,雑貨及びこれらの原料叉は添加物など、ビタミンE及びビタミンCが有効であるとして使用される全ての製品に使用することができる。

Claims (8)

  1. 下記の一般式(化1)で表されることを特徴とする2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物又はその塩を主成分として配合する老化抑制組成物。(化1)と(化3)においてRは水素又は炭化水素であり、(化1)のR1とR2は,それぞれ(化2)叉は(化3)から選択される化合物と結合する。R1とR2は同物質ではない。R1,R2は,(化2)叉は(化3)の点線の酸素と結合する。(化2)のR3はビタミンEであるが,ビタミンEのもつ水酸基の水素が外れてエステル結合を
    形成している。
  2. 下記の一般式(化4)と(化5)で表されることを特徴とする2,3位同時置換型ビタミンEC誘導体を含む老化抑制組成物又はその塩から選択される1種又は複数の混合物を主成分として配合する請求項1の老化抑制組成物。(化4)と(化5)においてR1、R2,R3,R4は水素又は炭化水素であり、R5はビタミンEである。R5のビタミンEは,ビタミンEのもつ水酸基の水素が外れてエステル結合を形成する。
  3. ビタミンEが、トコフェロール、トコトリエノールから選択される2種と、α、β、γ、δタイプから選択される4種と、d型、L型の光学異性体のから選択される3種の組み合わせからなるグループの中から選択される、一種又は複数の混合物から選択される請求項1の老化抑制組成物。
  4. 下記の一般式(化6)又は(化7)の一種又は複数の混合物から選択される請求項1の老化抑制組成物。

  5. 老化を原因とするメラニン生成を抑制する請求項1の老化抑制組成物。
  6. 皮膚外用剤又は経口剤のいづれかから選択される剤形である請求項1の老化抑制組成物。
  7. 化粧品、医薬品、医薬部外品、食品添加物,機能性食品、飼料添加物、動物用薬品,動物用医薬品,雑貨及びこれらの原料叉は添加物のいずれかである請求項1の老化抑制組成物。
  8. ラメラ液晶構造を有する平均粒子径が10から1000nmである乳化組成物を含有する、請求項1の老化抑制組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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