JP2011219033A - 車体側部構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ドアヒンジ16は、フロントピラー6の前面に重合される車体取付部30と、車体取付け部30から車幅方向外側に延出して荷重伝達ブロック22から荷重を受ける荷重受け部26と、荷重受け部26の後方側でヒンジ軸32を介して回動可能に連結されるとともにドアビーム17に固定される回動片34と、を備えた構成とする。ドアヒンジ16の車体取付け部30をフロントピラー6の前面に重合し、荷重伝達ブロック22とともに車体前後方向に沿うボルト36によってフロントピラー6に固定する。
【選択図】図2
Description
ところで、車両の側面衝突(以下、「側突」と呼ぶ。)の対策技術として、サイドドアの内部に車体前後方向に延出するドアビームが設けられ、車体側方からの入力荷重をサイドドア内のドアビームによって受け止めるものがある。
この車体側部構造は、フロントピラーの前面側に前突荷重を後方に伝達するための荷重伝達部材(補強材)が設置され、フロントピラーの側面(車外側に臨む側面)の前記荷重伝達部材の近傍にドアヒンジが取り付けられるとともに、そのドアヒンジの回動片にサイドドア側のドアビームの前端部が結合されている。
この車体側部構造では、車体前部に前突荷重が入力されると、その荷重が荷重伝達部材を介してフロントピラーに伝達され、さらにその荷重がサイドシルやルーフサイドレール等の車体骨格部材に伝達されると同時に、ドアヒンジとドアビームを介して車体後部に伝達される。
これにより、車体前部から荷重伝達部材に入力された前突荷重はドアヒンジの荷重受け部を通してドアヒンジに直接伝達され、ドアヒンジのヒンジ軸と回動片を通してサイドドア内のドアビームに伝達され、さらにドアビームを通して車体後部に伝達される。また、荷重伝達部材に入力された前突荷重の一部は、ドアヒンジの車体取付け部を通してフロントピラーに伝達される。このとき、ドアヒンジの車体取付け部をフロントピラーに固定する締結部材は車体前後方向に沿う方向で締結されるため、締結部材には、荷重を受け止めるのに有利な軸方向の荷重として前突荷重が作用することになる。
これにより、車体前部から前突荷重が入力されると、荷重伝達部材では基部と内側延長部を合わせた車幅方向の広い領域で荷重が受け止められるようになり、基部からはドアヒンジの荷重受け部に、内側延長部からはドアヒンジの車体取付け部にそれぞれ荷重が伝達されるようになる。また、荷重伝達部材とドアヒンジは共通の締結部材によってフロントピラーの前面に固定される。
これにより、前突荷重の入力時に、比較的大きな荷重が荷重伝達部材の基部を経てドアヒンジの荷重受け部からドアビームに伝達され、比較的小さな荷重が荷重伝達部材の内側延長部とドアヒンジの車体取付け部を経てフロントピラーに伝達される。
これにより、閉断面のフロントピラーには、車幅方向の中心よりも車幅方向外側領域に前突荷重が入力されるようになる。
さらに、この発明によれば、ドアヒンジの車体取付け部が、フロントピラーの前面に車体前後方向に沿う締結部材によって締結され、締結部材の軸方向が前突荷重の入力方向に沿う方向となるため、前突荷重に対する締結部材の耐力が向上し、その結果、ドアヒンジとフロントピラーを通して車体後部に効率良く荷重を伝達することが可能になる。
図1は、この実施形態の車体側部構造を採用した車両1の一部の部品を取り去った左側面を示す図である。
車両1は、4ドアのセダン型車両であり、車体の側部には前後のサイドドア2,3が取付けられるドア開口部4,5が設けられている。前部側のドア開口部4の前縁にはフロントピラー6が配置され、後部側のドア開口部5の後縁にはリヤピラー7が配置されており、前後のドア開口部4,5の間にはセンターピラー8が配置されている。また、フロントピラー6,センターピラー8,リヤピラー7の各上端部と下端部は、車体前後方向に延出するルーフサイドレール9とサイドシル10によって連結されている。
荷重伝達ブロック22は、車体前後方向に延出する複数の筒状断面が並列に配置されたハニカム構造の樹脂ブロックによって構成されている。この荷重伝達ブロック22の車体前後方向の厚みは一定ではなく、車幅方向外側領域の厚みが車幅方向内側領域の厚みよりも厚くなっている。この実施形態の場合、荷重伝達ブロック22の肉厚の厚い車幅方向外側の領域が基部27とされ、肉厚の薄い車幅方向内側の領域が基部27から延出する内側延長部28とされている。そして、荷重伝達ブロック22の基部27は内側延長部28に比較して肉厚が厚いことから、内側延長部28に対して崩壊荷重が大きくなっている。
ドアヒンジ16は、この板状の車体取付け部30と、車体取付け部30から車幅方向外側に延出して荷重伝達ブロック22の基部27から直接荷重を受ける荷重受け部26と、車体取付け部30と荷重受け部26の連接部から車体後方側に延出し延出端にヒンジ軸32が設けられた軸支持部33と、ヒンジ軸32に略水平方向に回動可能に連結される回動片34とを備えている。回動片34は、サイドドア2(ドア本体2A)の前端面とドアビームのブラケット20の重合固定部にボルト35によって締結固定されている。
ここで、荷重伝達ブロック22の基部27とドアヒンジ16の荷重受け部26は、ボルト37によって両者間のみで相互に固定されるが、荷重伝達ブロック22の内側延長部28とドアヒンジ16の車体取付け部30は、ボルト36によってフロントピラー6の前壁に対して共締め固定されている。
ドアヒンジ16の荷重受け部26に入力された荷重は、同ヒンジ16の軸支持部33、ヒンジ軸32、回動片34を介してサイドドア2のドアビーム17に伝達される。そして、ドアビーム17に入力された荷重は、サイドドア2の後端側でセンターピラー8とドアヒンジ16を介して後部側のサイドドア3内のドアビーム18に伝達され、さらにドアビーム18から車体後部のリヤピラー7へと伝達される。
そして、この構造では、荷重伝達ブロック22の内側延長部28が、ドアヒンジ16の車体取付け部30に重合された状態で共通のボルト36によってフロントピラー6の前面に共締め固定されているため、部品点数を削減し製造コストの低減を図ることができる。
この実施形態の車体側部構造は、各部の基本的な機能は第1の実施形態とほぼ同様であるがドアヒンジ116の構造が若干異なっている。即ち、このドアヒンジ116は、第1の実施形態のものと同様に、フロントピラー6の前面に重合状態で取り付けられる車体取付け部130と、車体取付け部130から車幅方向外側に延出する荷重受け部126と、荷重受け部126から車体後方に延出する軸支持部133と、軸支持部133にヒンジ軸32を介して連結される回動片134を備えているが、前輪Wfのタイヤ面から前突荷重を受ける荷重伝達ブロック(荷重伝達部材)に相当する膨出部40が、荷重受け部126の前部に一体に形成されている点で異なっている。なお、ドアヒンジ116の車体取付け部130は、車体前後方向に沿う複数のボルト136によってフロントピラー6の前面に締結固定されている。
4…ドア開口部
6…フロントピラー
16,116…ドアヒンジ
17…ドアビーム
22…荷重伝達ブロック(荷重伝達部材)
26,126…荷重受け部
27…基部
28…内側延長部
30,130…車体取付け部
32…ヒンジ軸
34,134…回動片
36,136…ボルト(締結部材)
Claims (5)
- 車体のドア開口部に設置されるサイドドアの内部に、車体前後方向に延出して車体側方からの入力荷重を受け止めるドアビームが設けられ、
前記サイドドアの前部が前記ドア開口部の前縁のフロントピラーにドアヒンジを介して回動可能に取り付けられるとともに、前記フロントピラーの前方に、車体前部からの入力荷重を後方に伝達する荷重伝達部材が設けられている車体側部構造において、
前記ドアヒンジは、前記フロントピラーに取り付けられる車体取付け部と、この車体取付け部から車幅方向外側に延出して前記荷重伝達部材から荷重を直接受ける荷重受け部と、この荷重受け部の後方側でヒンジ軸を介して回動可能に連結されるとともに前記ドアビームに固定される回動片と、を備え、
前記車体取付け部は、前記フロントピラーの前面に重合されて、同フロントピラーに車体前後方向に沿う方向で締結部材によって締結固定されていることを特徴とする車体側部構造。 - 前記荷重伝達部材は、前記ドアヒンジの荷重受け部の前方に配置されて同荷重受け部に直接荷重を伝達する基部と、この基部から車幅方向内側に延出して前記ドアヒンジの車体取付け部の前面に当接する内側延長部と、を備え、
前記荷重伝達部材の内側延長部は、前記ドアヒンジの車体取付け部とともに前記フロントピラーの前面に前記締結部材によって締結固定されていることを特徴とする請求項1に記載の車体側部構造。 - 前記内側延長部の崩壊荷重が前記基部の崩壊荷重よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項2に記載の車体側部構造。
- 前記フロントピラーは閉断面形状に形成され、
前記ドアヒンジの車体取付け部と前記荷重伝達部材の内側延長部の車幅方向内側の端部は、前記フロントピラーの閉断面の車幅方向の中心よりも車幅方向外側に配置されていることを特徴とする請求項2または3に記載の車体側部構造。 - 前記荷重伝達部材は、前記ドアヒンジと一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車体側部構造。
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