JP2011218752A - コンパス - Google Patents

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【課題】簡単に円等を描くことができるコンパスを提供する。
【解決手段】両脚3、4が回動可能に取付けられる取付体5に縦軸回りに回転自在となる操作体2が設けられる。
【選択図】図1

Description

本発明はコンパスに関する。
一般的なコンパスは、図6のように針6が設けられる中心脚3と、鉛筆14が設けられる回転脚4と、両脚3,4を開閉自在に連結する取付体を備え、取付体には指で摘む摘み部38が設けられる。そして、円や円弧(以下、円等と記載する)を描く場合、例えば図6のように紙面上に開いた両脚3,4を立てて摘み部38を指で回転させる。なお、特許文献1には取付体に操作部が設けられたコンパスが示されている。
特開平10−193877号公報
ところで前記円等を描く際の操作部38の回転としては、紙面に刺した針6を中心に回転する公転(図6中矢印a)と、操作部38の中心軸回りに回転する自転(図6中矢印b)とがある。ここで、綺麗に円等を描くには操作部38の公転と自転をバランス良く行う必要がある。また、操作部38の自転の際には複数の指の間で操作部38を転動させる必要があり、この作業は障害者や手の小さい学童にとっては難しい作業になり、また、成人や健常者にとっても製図等で多数の円等を描く場合には負担となる。特に小径の円等を描く際には、操作部38の公転径が小さくなり、操作部38を小さく公転させる間に操作部38を自転させる必要があって、操作はより難しくなる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、簡単に円等を描くことができるコンパスを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明のコンパスは、両脚3,4が回動可能に取付けられる取付体5に縦軸回りに回転自在となる操作体2が設けられたことを特徴とする。このコンパスで円等を描く場合には、両脚3,4を紙面上に立てて、取付体5に設けられた操作体2を掴み、この手で平面視において操作体2を針6の先端を中心にして回転させる。すると、操作体2は取付体5に対して縦軸回りに空転しながら針6の先端を中心に回転する。このため、使用者は操作体2の軸心回りに回転する自転の際に行う動作を省略でき、容易に円等を描くことができる。なお、前記縦軸回りの「縦軸」とは鉛直方向と平行なものの他、鉛直方向に対して傾いたものも含まれる。
また、前記操作体2の回転軸方向を可変とすることが好ましい。この場合、両脚3,4を回転脚4の回転方向に傾けて円等を描く際に、操作体2の軸方向fを鉛直方向に近づけることができ、操作体2が持ち易くなる。
また、前記取付体5は前記操作体2を回転自在に支持する支持部38を備え、該支持部38が取付体5において脚3,4の回動中心よりも一方の脚を構成する回転脚4側にずれた位置に設けられることが好ましい。この場合、操作体2を針6の先端を中心にして回転させる公転の径を大きく確保できる。これにより径の小さい円等を描く際にもコンパスを容易にバランス良く起立させながらコンパスを容易に回転することができ、円等を描く作業が一層容易になる。
また、前記操作体2が取付体5に対して取り外し可能であり、該操作体2を一方の脚を構成する中心脚3に取付け可能とし、該中心脚3に取り付けられた操作体2で当該中心脚3に設けられた針6が隠されるようにすることが好ましい。コンパスを使用しないときには、操作体2を支持部38から取り外して中心脚3に取り付けることで中心脚3に設けられた針6を隠すことができ、針6で怪我等することを防止できる。
本発明のコンパスは簡単に円等を描くことができる。
本発明の実施形態のコンパスの両脚を開いた状態を示し、(a)は正面図であり、(b)は斜視図である。 両脚を閉じた状態のコンパス本体の正面図である。 操作体の軸方向を支持部の軸線に対して傾けた状態を示す図1のE−E断面図である。 操作体を中心脚に取り付けたコンパスの断面図である。 本発明のコンパスの動作説明図である。 従来のコンパスの動作説明図である。
以下、本発明を添付図面に基づいて説明する。図1乃至図5に示される本実施形態のコンパスは、コンパス本体1と、コンパス本体1に着脱自在に取り付けられる操作体2を備えている。コンパス本体1は、紙面に描く円等の中心を決める中心脚3と、前記円等を描くための筆記用具が設けられる回転脚4と、両脚3,4の端部が回動自在に取り付けられて両脚3,4を開閉可能とする取付体5とを有し、操作体2は取付体5に着脱自在に取り付けられる。なお、以下では特に記載する場合を除きコンパスの各構成部材を両脚3,4を閉じた状態について説明する。また、以下の説明では図2の矢印A、B、C、Dに示す方向を夫々上方、下方、左方、右方として説明する。
図1のようにコンパス本体1の左右に並ぶ中心脚3及び回転脚4は共に上下に長い棒状に形成されている。中心脚3の下端部には回転脚4側の斜め下方に向けて突出する針6が設けられ、中心脚3の針6よりも上側には回転脚4側に突出する突起7が形成されている。
回転脚4の下端部には中心脚3と反対側に突出する挿通部8が形成されている。図4のように挿通部8には上下に貫通する挿通孔9が形成され、挿通孔9は下方程中心脚3側に近づくように傾斜している。
挿通部8にはリング状の締付体10が取り付けられている。締付体10の内周面には雌ねじ部12が形成されている。締付体10は、挿通部8の外周面に形成された雄ねじ部13に雌ねじ部12を螺合することで回転脚4に取り付けられる。締付体10を雌ねじ部12の螺進方向に回転することで締付体10を中心脚3側に移動したり、締付体10を逆方向に回転して中心脚3から離れる方向に移動することができる。
挿通孔9には筆記用具となる鉛筆14が通される。鉛筆14は締付体10と回転脚4で挟持され、芯15の先端がある下側程中心脚3側に近づくように傾斜させた状態で回転脚4に取り付けられる。
図3、図4に示されるように中心脚3及び回転脚4の夫々の上端部には取付体5に取り付けられる被取付部16,17が形成されている。両被取付部16,17には前後に貫通するねじ通し孔18が形成されている。なお、中心脚3の被取付部16のねじ通し孔は図示を省略する。中心脚3の被取付部16には後方に突出するピン部19が形成され、回転脚4の被取付部17には前方に突出するピン部20が形成されている。
中心脚3の被取付部16は回転脚4の被取付部17の前方に配置され、両被取付部16,17の間には両脚3,4を取付体5に連結する連結板22が配置されている。連結板22には縦長孔23とこれと十字状に交差する横長孔24が貫通形成されている。横長孔24の縦長孔23よりも右側の部分には中心脚3のピン部19が横長孔24の長手方向にスライド自在に挿入され、横長孔24の縦長孔23よりも左側部分には回転脚4のピン部20が横長孔24の長手方向にスライド自在に挿入されている。連結板22の左側には上方に突出する突出部25が形成され、突出部25の上端部には前後に突出する被ガイド部21が形成されている。
取付体5には側面視で下向きに開口した略コ字状の取付部26が形成されている。取付部26の壁部27,28の間には両脚3,4の被取付部16,17及び連結板22が配置されている。各被取付部16,17のねじ通し孔18及び連結板22の縦長孔23には取付部26の前側の壁部27に形成した孔(図示せず)から通されたねじ31の軸部32が通されている。ねじ31の軸部32の後端部は後側の壁部28に形成した孔(図示せず)を介して取付部26の後方に突出し、同部にナット34(図1(b)参照)が螺合されることにより、両脚3,4及び連結板22が取付体5に締結されている。これにより、両脚3,4は上端部がねじ31の軸部32で前後軸回りに軸支されて開閉可能となる。
取付部26の上端部の前後両側にはガイド部35が形成されている。各ガイド部35は取付部26の上端部の左右に離間した箇所から下方に突出した二条のリブ36からなり、両リブ36の間には下方に開口するガイド溝37が形成されている。各ガイド部35のガイド溝37には連結板22の突出部25の被ガイド部21が上下方向に摺動可能に挿入されている。
取付部26の上端部左側には操作体2を縦軸回りに回転自在に軸支する支持部38が立設されている。支持部38は取付部26と一体で且つ軸心eが中心脚3の長手方向(すなわち鉛直方向)と略平行になっている。支持部38は正面視で脚3,4の回動中心となるねじ31の軸心oよりも回転脚4側の側方(左側)にずれた位置に配置されている。具体的には軸心eは軸心oよりも左側に8mmずれている。また、支持部38の軸心eは前後方向においては両脚3,4と同位置に配置されている。
両脚3,4を開閉するにあたって脚3,4がねじ31の軸部32を中心に回動されたときには、脚3、4に設けられたピン部19,20は、常に両脚3,4の開閉角αの二等分線dを中心とした線対称位置に配置される。このため、連結板22は両脚3、4の開閉角αの二等分線と平行に移動し、連結板22に対して突出部25及びガイド部35を介して上下に移動自在に連結された取付体5は支持部38の軸心eを二等分線dに対して平行にしたたまま脚3、4に対して回動することとなる。従って紙面に円等を描くときには、両脚3,4の開閉角αに関わらず支持部38の軸心eが常に紙面に対して略垂直な状態に保たれる。
支持部38の下端部には他部よりも小径となったくびれ部39が形成されている。支持部38のくびれ部39よりも上方の部分は摘み部40を構成している。摘み部40は上方程先が細くなるように形成され、摘み部40の下端部は他部よりも膨大した膨大部44となっている。
図3に示すように操作体2は上端を閉塞した略縦筒状、すなわち縦長のキャップ状に形成されている。操作体2は内部に下方に開口する収納部41が形成され、収納部41に支持部38を収納した状態で支持部38に回転自在に取り付けられる。
操作体2の主部は硬質樹脂からなるが、下部の外周面は滑りにくい軟質樹脂からなる滑り止め部33で構成されている。これにより操作体2を掴んだ手が滑り難くなる。
操作体2の収納部41の下端部内周面には内方に突出する抜止部43が周方向に亘って形成されている。抜止部43は主部よりも表面滑性の高いエンジニアリングプラスチックからなる。抜止部43の内径は摘み部40の膨大部44の外径よりもわずかに小さく且つくびれ部39の外径よりも大きくなっている。また、抜止部43の上下長さはくびれ部39の上下長さよりも短くなっている。
操作体2を支持部38に取り付けるには、支持部38を抜止部43の内側を通して収納部41に挿入する。すると、膨大部44は抜止部43を変形させながら抜止部43を乗り越え、抜止部43がくびれ部39に遊嵌される。このように支持部38に操作体2を取り付けた状態では、膨大部44が抜止部43の上側に位置して操作体2から支持部38が抜け出ることが防止される。抜止部43はくびれ部39の周囲を回転自在であり、これにより操作体2は支持部38を中心に縦軸回りに回転自在となる。抜止部43はくびれ部39に遊嵌されることに加えて滑性の高い材料からなるので、操作体2を支持部38に対してほとんど抵抗なく回転させることができる。また、抜止部43はくびれ部39に遊嵌されることに加えてくびれ部39に対して若干量上下動できるようになっているので、操作体2の軸方向fの支持部38に対する角度βは支持部38の軸心eと平行な状態から所定の範囲内で変更できるようになっており、またこの操作体2の軸方向fは支持部38の周方向におけるいずれの方向にも所定範囲内で傾けられるようになっている。角度βの上限は図3のように支持部38が収納部41の内面に当たる位置を調整することで決定される。具体的に角度βの上限は10〜45度が好ましく、本実施形態では支持部38の軸心eと平行な状態から最大限10度傾けられるようになっている。
前記操作体2が支持部38に取り付けられたコンパスを用いて紙面に円等を描くには、例えば以下のように行う。まず、一般的なコンパスと同様に、針6の先端から鉛筆14の芯15の先端までの距離が紙面に描く予定の円等の半径になるよう両脚3,4の開閉角αを調整し、この後、針6の先端を紙面に刺すと共に鉛筆14の芯15を紙面上に載せる。次に操作体2を握る又は手が大きい場合には指で摘まみ、この後、前記操作体2を持った手で図5に示すように平面視において操作体2を針6の先端を中心にして回転させる。このようにすると、支持部38に軸支された操作体2は支持部38に対して空転しながら、前記針6の先端を中心にした回転、すなわち公転が行われることになる。換言すれば、操作体2は平面視で前記公転の軌跡に沿って回転する。このため、前記操作体2の軸心回りの回転である自転に伴い指で操作体2を転動させる動作を省略でき、障害者や手の小さい学童も容易に円等を描くことができる。
ところで、紙面に円等を描く際、両脚3,4を紙面に対して垂直に起立させるのではなく図3に示すように両脚3,4を回転脚4の回転方向にやや傾けた状態にすると、回転脚4をスムーズに回転させることができる。ここで、仮に操作体2の軸方向fが支持部38の軸心eと平行に固定された状態にあると、操作体2の軸方向fが傾けた両脚3,4と平行になって鉛直方向に対して傾くこととなり、円等を描く際に操作体2が持ち難くなる。しかし、本実施形態では操作体2の軸方向fの支持部38に対する角度βを変更できるようにしているので、図3のように前記両脚3,4を傾けて円等を描く際に操作体2の軸方向fを回転脚4の回転方向と反対側に傾けて紙面に対して略垂直にし、この状態で操作体2を支持部38回りに回転させることができる。従って、操作体2が持ち易く、一層容易に円等を描くことができる。なお、図3では回転脚4を時計回りに回転させて円等を描く際に操作体2を傾けた状態を示しており、両脚3,4を左側に、操作体2を右側に傾けているが、回転脚4を反時計回りに回転させる際には、両脚3,4を右側に、操作体2を左側に傾けた状態とするのが好ましいことは言うまでもない。
また、特に径の小さい円等を描く際には前記操作体2の針6の先端を中心にした公転の径が小さくなり、両脚3,4の開閉角αが小さくなることも相まってコンパスを紙面上にバランス良く起立させることが難しくなる。しかし、本実施形態では支持部38を脚3,4の回動中心よりも回転脚4側に配置しているので、前記操作体2の公転径を大きく確保することができる。従って径の小さい円等を描く際にもコンパス本体1を容易にバランス良く起立させることができ、円等を描く作業が一層容易になる。
操作体2はある程度の力を入れて支持部38から操作体2を引き抜けば、支持部38から操作体2を取り外すことができる。そして、この操作体2を取り外した状態では支持部38の摘み部40を指で摘んで従来のコンパスと同様に円等を描くこともできる。
前記支持部38から取り外した操作体2は図4のように中心脚3を抜止部43の内側を通して収納部41に挿入し、抜止部43に突起7を係合させることで中心脚3に対して着脱自在に取り付けることができる。このように操作体2を上下逆にして中心脚3に取付けた状態では、中心脚3に設けられた針6が収納部41に収納され、操作体2の周壁部及び上端部で隠される。このためコンパスを使用しないときに中心脚3に操作体2を取り付ければ、操作体2で針6を覆い、針6で怪我等することを防止できる。
本実施形態のコンパスは回転脚4に鉛筆14を設けたが、回転脚4には鉛筆14に代えてシャープペンシル等のその他の筆記用具や鉛芯等を設けてもよい。また、支持部38は取付体5から上方に突出した柱状のもので構成したが、ボールジョイントで構成しても構わない。また、支持部38は脚3,4の回動中心よりも回転脚4側にずれた位置に立設したが、左右方向において脚3,4の回動中心と同じ位置に立設してもよい。また、支持部38は取付体5と一体に形成したが、支持部38の下端部を左右軸回りに回動自在に取付体5に連結し、支持部38の軸方向eを変更できるようにしても構わない。このようにすると、両脚3,4を図3の状態よりもさらに角度をつけて傾けて円等を描きたいときに、支持部38を手で左右軸回りに回動して軸心eを回転脚4の回転方向と反対側に傾けることで、操作体2の軸方向fを紙面に対して略垂直にできて有効である。また、本実施形態の操作体2はキャップ状としたが、これに限定されるものではなく、例えば上下に開口した筒状に形成してもよい。また、この他、本発明の主旨を逸脱しない範囲において適宜設計変更可能である。
2 操作体
3 中心脚
4 回転脚
5 取付体
6 針
38 支持部

Claims (4)

  1. 両脚が回動可能に取付けられる取付体に縦軸回りに回転自在となる操作体が設けられたことを特徴とするコンパス。
  2. 前記操作体の回転軸方向を可変としたことを特徴とする請求項1に記載のコンパス。
  3. 前記取付体は前記操作体を回転自在に支持する支持部を有し、該支持部が取付体において前記脚の回動中心よりも一方の脚を構成する回転脚側にずれた位置に設けられたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンパス。
  4. 前記操作体が取付体に対して取り外し可能であり、該操作体を一方の脚を構成する中心脚に取付け可能とし、該中心脚に取り付けられた操作体で当該中心脚に設けられた針が隠されるようにしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のコンパス。
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