JP3177745U - コンパス - Google Patents

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Abstract

【課題】使用時において回動脚体が不意に回動することを抑制できるコンパスを提供する。
【解決手段】中心脚2が脚本体6と回動脚体7を備える。脚本体6は連結部を有する。回動脚体7は一端部に針部12を有すると共に他端部に被連結部を有する。回動脚体7の被連結部を脚本体6の連結部に回動自在に連結して、回動脚体7を針部12が脚本体6に格納される格納位置から針部12側が脚本体6の先端側に突出する突出位置まで回動可能とする。回動脚体7の被連結部を脚本体6の連結部に対してスライド自在にして、回動脚体7を前記突出位置に配置した状態から、回動脚体7の被連結部側が脚本体6側に押し込まれた使用位置までスライド可能とする。脚本体6に使用位置に配置された回動脚体7の回動を不能にする回動規制部を設ける。
【選択図】図1

Description

本考案は円等を描くために用いられる筆記用のコンパスに関する。
特許文献1には、紙面に円等を描く際に回転中心となる中心脚を、脚本体と脚本体の先端に枢着された回動脚体とで構成したコンパスが開示されている。このコンパスは、回動脚体が脚本体の先端側に突出する位置に配置される使用位置まで回動させることで使用可能になる。また、不使用時には、回動脚体をその針部が脚本体に格納される格納位置まで回動させることができ、これにより針部が手指に刺さることで怪我等をし難くすることができる。
特開平11−301175
ところで、特許文献1のコンパスは、使用位置に配置された回動脚体から延出した部分を脚本体の外側に当てることで回動脚体の脚本体外側への回動を規制している。また、使用位置に配置された回動脚体の脚本体内側への回動の規制は、回動脚体に形成された突起を脚本体に嵌入する等して回動脚体を脚本体に弾性的に係止することにより行われる。
ここで、前記回動脚体の脚本体に対する弾性的な係止は、コンパス不使用時において使用位置に配置された回動脚体を格納位置側に回動できるようにするために、回動脚体に対して格納位置側に回動する方向にやや強い力を加えるだけで外せるようにする必要がある。しかし、このようにすると、コンパス使用時において回動脚体に中心脚側に向かう力が加わったときに回動脚体の脚本体に対する係止が外れ、回動脚体が意図せずに中心脚の内側に回動してしまう可能性がある。このため、コンパス使用時においては、回動脚体に対して前記弾性的な係止が外れる力が加わらないように注意する必要がある。
本考案は上記事情に鑑みてなされたものであって、使用時において回動脚体が不意に回動することを抑制できるコンパスを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本考案のコンパスは、開閉自在な両脚2、3のうちの一方の脚である中心脚2が脚本体6と回動脚体7を備え、脚本体6は連結部を有し、回動脚体7は一端部に針部12を有すると共に他端部に被連結部14を有し、回動脚体7の被連結部14を脚本体6の連結部に回動自在に連結して、回動脚体7を針部12が脚本体6に格納される格納位置から針部12側が脚本体6の先端側に突出する突出位置まで回動可能とし、前記回動脚体7の被連結部14を脚本体6の連結部に対してスライド自在にして、回動脚体7を前記突出位置に配置した状態から、回動脚体7の被連結部14側が脚本体6側に押し込まれた使用位置までスライド自在とし、前記脚本体6に前記使用位置に配置された回動脚体7の回動を不能にする回動規制部を設けたことを特徴とする。
また、前記回動脚体7は格納位置から前記両脚2、3のうちの他方の脚である回転脚3側に回動して突出位置まで回動可能なものであり、前記両脚2、3を閉じた際に前記格納位置に配置された回動脚体7に着脱自在に係合されるキャッチャー38を設け、前記閉じられた両脚2、3の開き動作に伴い、前記格納位置に配置された回動脚体7がキャッチャー38により回転脚3側に回動して脚本体6から引き出されることが好ましい。
また、前記両脚2、3のうちの他方の脚である回転脚3が脚部21とシャープペンシル5を備え、シャープペンシル5は、芯を補充するための芯補充口部30と、芯を繰り出す際に操作される操作部25とを有し、シャープペンシル5を脚部材21に回動自在に連結して、該シャープペンシル5を、前記芯補充口部30を含めた大部分が脚部材21に格納され且つシャープペンシル5の先部及び操作部25が脚部材21から突出する格納使用位置から、芯補充口部30が脚部材21から引き出される引出位置まで回動可能にすることが好ましい。
請求項1に係る考案にあっては、突出位置に配置された回動脚体を被連結部側が脚本体側に押し込まれた使用位置までスライド自在とし、脚本体に使用位置に配置された回動脚体の回動を不能にする回動規制部を設けたことにより、脚本体の回動規制部として、回動脚体を弾性的な係止ではなく強固な支持により回動不能とするものを採用することができ、これによりコンパス利用時に回動脚体が脚本体に対して回動することを確実に防止できる。
また、請求項2に係る考案にあっては、請求項1に係る考案の効果に加えて、閉じられた両脚の開き動作に伴い、格納位置に配置された回動脚体がキャッチャーにより脚本体から引き出されるので、両脚を開くだけで回動脚体を簡単に引き出すことができる。
また、請求項3に係る発明にあっては、請求項1又は請求項2に係る考案の効果に加えて、シャープペンシルの芯補充口部を含めた大部分を脚部材に格納して、コンパスをコンパクトにすることができる。また、シャープペンシルを格納使用位置に配置したとき操作部が脚部材から突出するので、シャープペンシルを格納使用位置に配置したまま、操作部を操作してシャープペンシルの芯を繰り出すことができる。また、シャープペンシルを引出位置に配置することで、芯補充口部を脚部材から引き出すことができ、この芯補充口部からシャープペンシルに芯を補充することができる。
本発明の実施形態のコンパスを示す斜視図である。 (a)〜(d)は格納位置に配置された回動脚体が突出位置まで回動された後、使用位置までスライドされる様子を順に示したコンパスの縦断面図である。 回動脚体を格納位置に配置すると共にシャープペンシルを引出位置に配置した様子を示したコンパスの斜視図である。 図2(a)のA−A断面図である。
以下本考案を添付図面に基づいて説明する。図1乃至図4に示される本実施形態のコンパス1は、一般的なコンパスと同様、両脚2、3の夫々の端部を、摘まみ20が突設された軸支部材4に回動自在に連結して、両脚2、3を開閉自在にしたものである。
以下特に区別する場合には、両脚2、3のうち紙面に描かれる円等の中心を決めるための脚を中心脚2と記載し、また、シャープペンシル5が設けられて紙面に円等を描く際に中心脚2を中心に回転させる脚を回転脚3と記載する。
一方の脚を構成する中心脚2は、図1に示されるように脚本体6と脚本体6に対して回動自在に連結された回動脚体7とで構成されている。細長い脚本体6の一端部は軸支部材4に軸支されており、これにより中心脚2全体を軸支部材4に対して回動できるようになっている。図2に示されるように脚本体6の軸支部材4側の端部を除いた部分は回動脚体7を格納するための格納部8を構成している。
格納部8は図4に示されるように長手方向と直交する断面が回転脚3側に開口する溝形に形成されている。図2に示される格納部8の回転脚3と反対側の背面部は、回動脚体7の脚本体6に対する回動範囲を制限する回動範囲制限部16を構成している。脚本体6には回動脚体7の端部が連結される連結部が設けられている。本実施形態の連結部は断面溝形の格納部8の両側部間に架設された軸13で構成されており、軸13は両脚2、3の開閉面に対して直交している。
回動脚体7は細長い針保持部材10と針保持部材10に保持された針11とで構成されている。針11は針先と反対側の部分が針保持部材10に埋め込まれた状態で針保持部材10に固定されている。針11の尖った先端部は針保持部材10の先端側(脚本体6と反対側)に突出しており、同部は紙面に円を描く際等に支点として利用される針部12を構成している。なお、本実施形態の回動脚体7は別体の針保持部材10と針11とで構成したが、先端に針部を一体に形成したものであってもよい。
針保持部材10の針部12と反対側の端部は脚本体6に連結される被連結部14を構成している。被連結部14には、両脚2、3の開閉面と直交する方向に貫通すると共に針保持部材10の長手方向に長い長孔15が形成されている。長孔15には前記脚本体6に設けられた軸13がその軸回り方向に回動自在に且つ長孔15の長手方向にスライド自在に挿通され、これにより回動脚体7の被連結部14が脚本体6の軸13に対して回動自在且スライド自在に連結されている。また、これによって実現される回動脚体7の脚本体6に対するスライド範囲は長孔15の長さによって決定される。なお、回動脚体7を脚本体6に対して回動自在且つスライド自在に連結する手段はこれに限定されるものではなく、例えば脚本体6に設けられた長孔に回動脚体7に設けられた軸を挿通する等して実現してもよい。
図2(a)〜(c)に示されるように軸13を長孔15における針部12と反対側の端部に配置した状態においては、回動脚体7は軸13を中心に回動できるようになっている。この回動脚体7の回動は脚本体6の回動範囲制限部16によって図2(a)に示す格納位置から図2(c)に示される突出位置までの範囲に制限されている。
格納位置に配置された回動脚体7は、図2(a)に示されるように脚本体6と略平行で且つ針部12の先端を軸支部材4側に向けた状態で脚本体6の格納部8に格納される。この回動脚体7は針部12を含む全体が格納部8内側の空間に収納される。また、格納位置に配置された回動脚体7は脚本体6の回動範囲制限部16の近傍に位置する又は回動範囲制限部16に当接する。これにより格納位置に配置された回動脚体7は、回転脚3と反対側(突出位置と反対側)への回動が制限される。なお、格納位置に配置された回動脚体7の軸13を中心とした回転脚3側(突出位置側)への回動は許容される。
図2(a)に示される格納位置に配置された回動脚体7は、図2(b)に示される状態を経て図2(c)に示される突出位置まで回動させることができる。図2(c)に示される突出位置に配置された回動脚体7は脚本体6と略平行で且つ針部12の先端を脚本体6の先端側に向けた状態とされ、回動脚体7の針部12を含めた先端側は格納部8から脚本体6の先端側に大きく突出する。この突出位置に配置された回動脚体7の被連結部14は、脚本体6の回動範囲制限部16の近傍に位置する又は回動範囲制限部16に当接する。これにより突出位置に配置された回動脚体7は回転脚3側(格納位置側)への回動は許容されるものの、回転脚3と反対側(格納位置と反対側)には回動できない。
回動脚体7が図2(a)に示される格納位置から、図2(c)に示される突出位置よりもやや手前の位置までの範囲にあるとき、回動脚体7の基端側(針部12と反対側)には脚本体6の回動範囲制限部16が近傍に位置して対向する又は当接する。これにより、回動脚体7の脚本体6側へのスライドが規制される。これに対して、回動脚体7が図2(c)に示される突出位置に配置されたとき、回動脚体7の基端側には回動脚体7の脚本体6側へのスライドを規制する部材が存在しない。このため、回動脚体7の脚本体6側へのスライドは許容される。
図2(c)に示される突出位置に配置された回動脚体7は、脚本体6側に押し込ことにより、図2(d)に示される使用位置までスライドさせることができる。このとき、長孔15における針部12と反対側の端部に配置された軸13は長孔15における針部12側の端部までスライドする。この回動脚体7のスライド時には回動脚体7の針保持部材10が脚本体6の回動範囲制限部16に沿ってスライドし、これにより回動脚体7のスライド方向が脚本体6の長手方向に制限される。
図2(d)に示される使用位置に配置された回動脚体7は、その被連結部14側が格納部8の先端部内に深く挿入される。このため、使用位置に配置された回動脚体7が軸13を中心にしてその先端側を回転脚3側に移動させる方向に回動しようとしたとき、当該回動脚体7の基端側に位置する箇所が、脚本体6の回動範囲制限部16に当たり、この回動を不能にする。また、回動脚体7が軸13を中心にしてその先端側を回転脚3と反対側に回動しようとしたときには、回動脚体7の被連結部14の軸13よりも先端側に位置する箇所が回動範囲制限部16に当たり、この回動を不能にする。すなわち、使用位置に配置された回動脚体7は、被連結部14における軸13を挟んだ両側の二箇所が脚本体6の回動範囲制限部16に当たることにより、回転脚3側への回動を不能にすると共に、回転脚3と反対側への回動を不能にするものであり、本実施形態ではこの回動範囲制限部16により使用位置に配置された回動脚体7の回動を不能にする回動規制部が構成されている。
中心脚2は図2(a)に示される格納位置に配置された回動脚体7が脚本体6の先端側にスライドすることを規制するスライド規制手段を備えている。本実施形態のスライド規制手段は、脚本体6に設けられた係止部17(図4、図2(b)〜図2(d)参照)と、回動脚体7に設けられて前記係止部17に着脱自在に係止可能な被係止部18(図1参照)とで構成されている。
係止部17は図4等に示されるように断面溝形の格納部8の両側部分の夫々の内面から突出した突部17aで構成されている。他方、被係止部18は図1に示されるように回動脚体7の針保持部材10の軸13と直交する両面において針部12側の部分に形成された溝部18aで構成されている。各溝部18aは、針保持部材10の幅方向(すなわち、軸13の軸方向及び針保持部材10の長手方向の両者に直交する方向)に亘って形成されており、その端部は突部17aを溝部18a内に挿入するために針保持部材10の幅方向外側に向かって開口している。回動脚体7を軸13を中心にして図2(c)に示される突出位置から図2(a)に示される格納位置まで回動すると、各溝部18aには端部から対応する突部17aが挿入される。これにより各突部17aは対応する溝部18aに対して脚本体6の長手方向に移動不能に係止され、回動脚体7は脚本体6の長手方向に移動不能となる。なお、各突部17aを対応する溝部18aに係止した状態では、回動脚体7の軸13を中心にした回転脚3側への回動は規制されない。また、スライド規制手段は上記のものに限定されるものではなく、例えば格納位置に配置された回動脚体7が脚本体6に対して弾性的に係止されるようにしてもよい。
中心脚2は図2(d)に示される使用位置に配置された回動脚体7を保持する保持手段を備えている。本実施形態の保持手段は、図2(b)〜(d)に示されるように脚本体6の回動範囲制限部16(格納部8における回転脚3と反対側の背面部)の内面に形成された突条部19で構成されている。突条部19は脚本体6の先端(軸支部材4と反対側の端)から軸支部材4側に向かって延びている。突条部19は図2(d)に示されるように使用位置に配置された回動脚体7の被連結部14に対応する位置に形成されており、回動脚体7を使用位置に配置したときに被連結部14に当接する。回動脚体7を図2(c)に示される突出位置から図2(d)に示される使用位置までスライドさせると、被連結部14は突条部19に沿って摺動し、この際の摺動抵抗は回動脚体7が使用位置に近づく程徐々に大きくなるように設定されている。そして、回動脚体7が使用位置に配置されると、回動脚体7の被連結部14が突条部19に弾接した状態となり、これにより回動脚体7は突出位置側にスライドしないよう保持される。また、図2(d)に示される使用位置に配置された回動脚体7に、脚本体6の先端側に向けてやや大きい力を加えた場合、前記保持手段による保持を解除して図2(c)に示される突出位置までスライドできるようになっている。なお、図示は省略するが本実施形態の突条部19は軸13の軸方向に間隔を介して2条設けられている。もっとも突条部19は1条だけ設けてもよいし、3条以上設けても構わない。また、保持手段は上記のものに限定されず、例えば使用位置に配置された回動脚体7が脚本体6に対して弾性的に係止されるようにしてもよい。
図3に示されるように他方の脚を構成する回転脚3は脚部材21と脚部材21に対して両脚2、3の開閉面に沿って回動自在に連結されたシャープペンシル5とで構成されている。
細長い脚部材21の一端部は軸支部材4に回動自在に連結されており、その回動軸は中心脚2の回動軸と一致する。脚部材21の軸支部材4側の端部を除いた部分はシャープペンシル5の大部分を格納するための格納部22を構成している。格納部22は図4に示されるように長手方向と直交する断面が中心脚2と反対側に開口する溝形に形成されている。また、脚部材21にはシャープペンシル5が連結される連結部が設けられている。本実施形態の連結部は断面溝形の格納部22の両側部に形成された図3に示される孔24で構成されている。
シャープペンシル5はノック式であって、図2に示されるように、軸筒26、機構部27、及びキャップ31を有している。機構部27は、一般的なノック式のシャープペンシルと同様に、軸筒26内に軸筒26の軸方向にスライド自在に収納された筒状の芯タンク28と、芯タンク28をペン尻側に付勢するばね部材(不図示)と、芯タンク28のペン先側端部に設けられた芯繰出装置29を有し、操作部25の操作に応じ芯タンク28を介して連動する芯繰出装置29により芯をシャープペンシル5のペン先側に繰り出す。
芯タンク28のペン尻側端部は軸筒26内からペン尻側に突出している。芯タンク28のペン尻側の端部は芯タンク28内に芯を補充するための芯補充口部30を構成する。
キャップ31は芯タンク28の芯補充口部30に着脱自在に被嵌され、芯補充口部30を閉塞する。キャップ31にはクリップを兼ねた操作部25が一体に接続されている。操作部25は軸筒26の軸方向から見て軸筒26の外側に位置している。操作部25を軸筒26に沿ってペン先側に移動することで、操作部25にキャップ31を介して連結された芯タンク28を前記ばねの付勢力に抗してペン先側に押し込むことができ、これにより芯を繰り出すことができる。
軸筒26のペン先側部分の両側には軸筒26から離れる方向に突出した軸部32(図3参照)が形成されている。各軸部32は脚部材21の対応する孔24に回動自在に嵌め込まれ、これによりシャープペンシル5は脚部材21に対して回動自在に連結されている。
上記のように脚部材21に連結されたシャープペンシル5は、図1に示される格納使用位置から、図3に示される引出位置まで回動できるようなっている。
図1に示されるように格納使用位置に配置されたシャープペンシル5は、先部を格納部22から脚部材21の先端側に突出させた状態で芯補充口部30及びキャップ31(操作部25は含まない)を含めた大部分が脚部材21に格納される。図2に示されるように格納使用位置に配置されたシャープペンシル5の中心脚2側には断面溝形の格納部22の中心脚2側の背面部が近傍に位置する又は当接する。このため格納使用位置に配置されたシャープペンシル5は、軸部32を中心にしてペン尻側が中心脚2側に移動する方向に回動できない。なお、格納使用位置に配置されたシャープペンシル5は、ペン尻側が中心脚2と反対側に移動する方向への回動は許容される。
また、図2に示されるように格納使用位置に配置されたシャープペンシル5のキャップ31は、格納部22の軸支部材4側の内面に当接する又は近傍に配置され、これにより芯タンク28の芯補充口部30に被嵌されたキャップ31は芯補充口部30から脱落し難くなっている。
また、格納使用位置に配置されたシャープペンシル5の操作部25は格納部22から中心脚2と反対側に突出した位置に配置される。このため、シャープペンシル5を格納使用位置に配置したまま、操作部25を操作して芯を繰り出すことができる。なお、本実施形態では操作部25をキャップ31と一体に形成したが、例えばサイドノック方式のシャープペンシルのように軸筒26に操作部を設ける等してもよく、操作部はキャップ31と別体であってもよい。
図3に示されるように引出位置に配置されたシャープペンシル5は、芯補充口部30及びキャップ31を含めた大部分が脚部材21の格納部22から引き出される。このためキャップ31を芯タンク28の芯補充口部30から取り外して、芯補充口部30から芯を補充することができる。
また、格納部22の先端部(軸支部材4と反対側の端部)には、格納部22の中心脚2側を切り欠いた切欠部23が形成されている。切欠部23の軸支部材4側の縁部には、シャープペンシル5が脚部材21から大きく引き出されたときにシャープペンシル5の一部が接触するようになっており、これによりシャープペンシル5を脚部材21から必要以上に引き出されないようにしている。
回転脚3は図1に示される格納使用位置に配置されたシャープペンシル5を保持する保持手段を備えている。本実施形態の保持手段は、図2に示されるシャープペンシル5に設けた被係止部34と、脚部材21に設けられて被係止部34が着脱自在に係止される係止部35とで構成されている。被係止部34はキャップ31から脚部材21側に向けて一体に突出しており、その突出先端部には爪部36が形成されている。係止部35は格納部22の中心脚2側の背面部に形成された脚部材21の長手方向に長い長孔37の軸支部材4側の縁部で構成されている。
キャップ31を取り付けた状態でシャープペンシル5を引出位置から格納使用位置に向けて回動すると、爪部36が係止部35(長孔37の軸支部材4側の縁部)を乗り越え、格納使用位置に至った時点で係止部35の中心脚2側の面に係止される。この係止により、シャープペンシル5は引出位置側に回動しないようになり、シャープペンシル5は格納使用位置で保持される。なお、前記爪部36が係止部35を乗り越える動作は、爪部36が弾性変形して、又はキャップ31が芯タンク28と共に前記ばねの付勢力に抗してペン先側に移動して、あるいは爪部36が弾性変形すると共にキャップ31が芯タンク28と共に前記ばねの付勢力に抗してペン先側に移動して、スムーズに行われるようになっている。また、爪部36が係止部35を乗り越えた後は、前記ばねの付勢力により爪部36が係止部35に係止された状態が維持される。
また、格納使用位置に配置されたシャープペンシル5を引出位置側に回動にするには、まずシャープペンシル5の脚部材21から突出した操作部25を操作してペン先側に移動する。これにより前記被係止部34は前記ばねの不勢力に抗して長孔37内を脚部材21の先端側にスライドして、爪部36と係止部35の係止が解除され、シャープペンシル5は引出位置側に回動可能となる。そして、この状態でシャープペンシル5を引出位置側に回動することで、長孔37から被係止部34を中心脚2と反対側に引き抜いて、シャープペンシル5を引出位置まで回動することができる。
また、回転脚3は、図2(a)に示されるように両脚2、3を閉じると共に中心脚2の回動脚体7を格納位置に配置した状態から図2(b)に示されるように両脚2、3を開く方向に回動させたとき、中心脚2の格納部8に格納された回動脚体7を回転脚3側に引き出す引出手段を備えている。本実施形態の引出手段は、図2や図4に示されるようにシャープペンシル5の軸筒26から中心脚2側に突出したキャッチャー38で構成されている。キャッチャー38の突出先端部には爪部40が形成されている。シャープペンシル5を格納する格納部22の中心脚2側の背面部には、キャッチャー38が挿通される孔39が形成されている。図2及び図4に示されるようにシャープペンシル5が格納使用位置に配置されているとき、キャッチャー38は孔39を通して中心脚2側に突出する。両脚2、3を開き、且つ、シャープペンシル5を格納使用位置に配置し、且つ回動脚体7を格納位置に配置した状態で両脚2、3を閉じていくと、爪部40は弾性変形しながら回動脚体7の針部12を乗り越え、両脚2、3が完全に閉じられた時点図4に示されるように針部12に係合される。
また、このように両脚2、3を閉じた状態から両脚2、3を開いていくと、針部12が爪部40により保持されて、前記格納位置に配置された回動脚体7が軸13を中心に回転脚3側に回動し、これにより回動脚体7が図2(b)に示されるように脚本体6の回転脚3側に引き出される。そして、このように回動脚体7が回転脚3側に引き出されると、前記爪部40の針部12に対する係合が外れてキャッチャー38による針部12の保持が開放される。すなわち、本実施形態では両脚2、3の開き動作に伴い格納位置に配置された回動脚体7が自動的に引き出されるようになっている。
なお、本実施形態では回転脚3に回動自在なシャープペンシル5を設けたが、回転脚3にはシャープペンシル5を固定的に設けてもよく、また、回転脚3にはシャープペンシル5に代えて鉛筆等の他の筆記具を設けてもよい。
既述のコンパス1を用いて紙面に円等を描くには、図1に示すように回動脚体7を使用位置に配置すると共にシャープペンシル5を格納使用位置に配置すればよい。このように使用位置に配置された回動脚体7は、脚本体6の回動範囲制限部16(回動規制部)によって支持固定されて回動不能になるため、コンパス1利用時において回動脚体7に比較的大きな力が加わったとしても回動脚体7が回動する可能性は低い。すなわち、本実施形態のコンパス1は、突出位置に配置された回動脚体7を被連結部14側が脚本体6側に押し込まれた使用位置までスライド自在としたことで、回動脚体7を弾性的な係止ではなく脚本体6による強固な支持により回動不能にすることができ、これによりコンパス1利用時に回動脚体7が脚本体6に対して回動することを確実に防止できる。
また、使用位置に配置された回動脚体7は前述したように脚本体6に設けられた突条部19により保持されるので、回動脚体7は意図せずに突出位置側にスライドし難くなっている。さらに通常コンパス1は針部12を紙面側に押さえ付けて利用するため、回動脚体7には突出位置側にスライドする方向の力が加わり難い。このため、コンパス1利用時においては、使用位置に配置された回動脚体7が意図せずに突出位置側にスライドする可能性も低い。
また、コンパス1を利用しないときには、前述のように回動脚体7を使用位置から突出位置までスライドさせ、この後、格納位置まで回動することで、回動脚体7を脚本体6に格納してコンパス1をコンパクトにすることができる。また、このように回動脚体7を格納位置に配置すると、回動脚体7の針部12を脚本体6に格納して隠すことができ、針部12により手指等が傷付けられ難くなって安全性が高い。また、これにより携帯用コンパスとしても利用できる。また、コンパス1を次回利用する際には、両脚2、3を開くだけで、回転脚3に設けられたキャッチャー38により格納位置に配置された回動脚体7を簡単に引き出すことができる。
また、回転脚3にあっては、シャープペンシル5を格納使用位置に配置して脚部材21に格納することで、シャープペンシル5の芯補充口部30を含めた大部分を脚部材21と同軸上に配置してコンパクトにすることができる。また、格納位置に配置されたシャープペンシル5は操作部25が脚部材21から突出した位置に配置されるため、シャープペンシル5を格納使用位置に配置したまま、操作部25を操作してシャープペンシル5の芯を繰り出すことができる。また、シャープペンシル5を格納使用位置に配置すると共に回動脚体7を格納位置に配置し、且つ両脚2、3を閉じた状態にすることで、コンパス1を筆記具のような略棒状の握り易い形状にすることができ、コンパス1を筆記具として利用することもできる。
また、シャープペンシル5を脚部材21に対して回動して引出位置に配置することで、芯補充口部30を脚部材21から引き出すことができ、この芯補充口部30からシャープペンシル5に芯を補充することができる。
また、図示は省略するが、回動脚体7を使用位置に配置すると共にシャープペンシル5を格納使用位置に配置し、且つ両脚2、3を閉じた状態において、両脚2、3の先端部で構成されるコンパス1の先端部には、シャープペンシル5の先部及び回動脚体7を覆うキャップ部材を着脱自在に取り付けられるようにしてもよい。また、このキャップ部材は回動脚体7が格納位置に配置されている場合にもコンパス1の先端部に取り付けられるようにすることが好ましい。このようなキャップ部材を設けることで、シャープペンシル5の先部及び使用位置に配置された回動脚体7の針部12をキャップ部材で覆うことができ、不使用時や携帯時における安全性をさらに高められる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、必要に応じて、任意に且つ適宜に変更・選択して採用できるものである。
1 コンパス
2 中心脚
3 回転脚
5 シャープペンシル
6 脚本体
7 回動脚体
12 針部
14 被連結部
21 脚部材
25 操作部
30 芯補充口部
38 キャッチャー

Claims (3)

  1. 開閉自在な両脚のうちの一方の脚である中心脚が脚本体と回動脚体を備え、
    脚本体は連結部を有し、
    回動脚体は一端部に針部を有すると共に他端部に被連結部を有し、
    回動脚体の被連結部を脚本体の連結部に回動自在に連結して、回動脚体を針部が脚本体に格納される格納位置から針部側が脚本体の先端側に突出する突出位置まで回動可能とし、
    前記回動脚体の被連結部を脚本体の連結部に対してスライド自在にして、回動脚体を前記突出位置に配置した状態から、回動脚体の被連結部側が脚本体側に押し込まれた使用位置までスライド自在とし、
    前記脚本体に前記使用位置に配置された回動脚体の回動を不能にする回動規制部を設けたことを特徴とするコンパス。
  2. 前記回動脚体は格納位置から前記両脚のうちの他方の脚である回転脚側に回動して突出位置まで回動可能なものであり、回転脚に両脚を閉じた際に前記格納位置に配置された回動脚体に着脱自在に係合されるキャッチャーを設け、前記閉じられた両脚の開き動作に伴い、前記格納位置に配置された回動脚体がキャッチャーにより回転脚側に回動して脚本体から引き出されることを特徴とする請求項1に記載のコンパス。
  3. 前記両脚のうちの他方の脚である回転脚が脚部材とシャープペンシルを備え、
    シャープペンシルは、芯を補充するための芯補充口部と、芯を繰り出す際に操作される操作部とを有し、
    シャープペンシルを脚部材に回動自在に連結して、該シャープペンシルを、前記芯補充口部を含めた大部分が脚部材に格納され且つシャープペンシルの先部及び操作部が脚部材から突出する格納使用位置から、芯補充口部が脚部材から引き出される引出位置まで回動可能にしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンパス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107867108A (zh) * 2016-09-28 2018-04-03 重庆市谷穗电器厂 一种圆规

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