JP5482825B2 - 連結ファスナーのマガジン及びこのマガジンを備えた打ち込み工具 - Google Patents

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本発明は、コイル状に巻回した連結ファスナーを装填するマガジン及びこのマガジンを備えた打ち込み工具に関する。
この種のマガジンを備えた打ち込み工具として、例えば多数のファスナーをワイヤを介して連結してなる連結ファスナーを使用するファスナー打機は従来から良く知られている。マガジン本体の内部にはコイル状の連結ファスナーを保持するネイルサポートが配置されている。ネイルサポートは使用するファスナーの長さに合わせてその高さ位置を変更することができるようになされており、高さ変更のための目印となる刻印はマガジンの内壁面に通常設けられている。
連結ファスナーの上方に突出したネイルポストの上端部分を摘んで回転させることによりネイルサポートの高さ位置を変更することができるようにしたものが知られている(特許文献1参照)。
また、マガジンを開放したとき、同時にネイルサポートが傾斜するタイプのものも知られている(特許文献2参照)。ネイルサポートが傾斜すると、マガジン本体からネイルサポートが大きく露出するので、連結ファスナーを装填する作業が容易となる。
さらに、ファスナー打機のマガジンに連結ファスナーを装填するには、マガジン本体に収納した連結ファスナーの先頭のファスナーをノーズ部に形成された射出口に収納してからマガジンキャップを閉め、ノーズ部のドアを閉めるという作業が必要である。しかも、コイル状に巻回された連結ファスナーはワイヤの曲がり癖のため、射出口に先頭ファスナーを収納させた状態を保持しておかなければならない。
実公平5−40939号公報 特許第3397080号公報
マガジンに連結ファスナーを装填する場合、ファスナー打機を地面や床において装填するときは両手が使えるので問題ないが、片手でファスナー打機を持ち、他方の手で装填作業を行うときは、マガジン本体に収納した連結ファスナーの先頭のファスナーを射出口に収納し、先頭ファスナーを押えてこの状態を保持したままマガジンキャップを閉め、ノーズ部のドアを閉めるという作業は困難である。特に、先頭ファスナーを押えながら、マガジンキャップを閉めるという動作は、射出口とマガジンキャップとの間に距離があるので、片手だけによる操作は困難である。
本発明は、マガジンに連結ファスナーを装填した後に、そのマガジンキャップを片手で容易に閉じることができる連結ファスナーのマガジンを提供することをその第1の課題とする。
さらに、本発明は、上記マガジンを備えた打ち込み工具を提供することをその第2の課題とする。
前記第1の課題を解決するため、請求項に係る発明は、多数のファスナーを連結してコイル状に巻回した連結ファスナーを収納する有底半円筒状のマガジン主体と、該マガジン主体の底部に回動自在に支持された有底半円筒状のマガジンキャップと、を備え、上記マガジンキャップは、上記マガジン主体の半円状の底部にその直径方向に設けられた支軸を中心に回動可能に設けられているとともに、上記支軸は底面視において上記連結ファスナーの送り方向に対して一定の角度をなし、上記マガジンキャップが開き方向に回動するにつれて上記ファスナーが打ち出されるノーズ部側に近づくように傾くことを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項において、上記マガジン主体の中央底部にはガイドポストが立設されており、上記ガイドポストは、上記マガジンキャップの開閉に伴って上記マガジン主体に対して傾斜することを特徴とする。
さらに、第2の課題を解決するため、請求項に係る発明は、請求項1又は2に記載の連結ファスナーのマガジンを備えたことを特徴とする。
請求項に係る発明によれば、マガジンキャップは、マガジン主体に設けられた支軸を中心に回動可能に設けられ、開き方向に回動するにつれてファスナーが打ち出されるノーズ部側に近づく構成であるから、打ち込み工具を片手に持ち、他方の手で開いたドアとマガジンキャップを閉じる場合、他方の手の親指をノーズ部の近くにある連結ファスナーの先端側に当てて先頭ファスナーがワイヤの曲り癖によって外に飛び出さないように保持しつつ、他の指でマガジンキャップを閉じ操作するときに上記他の指をマガジンキャップに無理なく当てて容易確実に閉じ作動させることができる。
請求項に係る発明によれば、打ち込み工具の使い勝手が非常によくなる。
本発明に係る打ち込み工具(ファスナー打機)の全体の側面図 ファスナー打機のマガジンを開放した状態の側面図 ファスナー打機のマガジンに連結ファスナーが装填された状態を示す側面図 マガジン主体とガイドポストを示す斜視図 ネイルサポートとガイドポストの縦断面図 マガジンに連結ファスナーが装填された状態を示す側面図 (a)(b)はネイルサポートの平面図及び正面図 マガジンの底面図 マガジンに連結ファスナーを装填した後に片手でマガジンキャップを閉じる態様を示す斜視図
以下、本発明を図面に基づいて説明する。なお、図1はファスナー打機の全体の側面図、図2はマガジンを開放した状態の側面図であり、図3は連結ファスナーの装填時の側面図である。
図1において符号Aはファスナー打機を示す。ファスナー打機Aはボディ1の後部にグリップ2を、ボディ1の下部には射出口を有するノーズ部7をそれぞれ一体に設け、ノーズ部7の後部には射出口にファスナーを供給するマガジン6を連設したもので、ボディ1内には打撃機構が設けられ、グリップ2の後端から取り込んだ圧縮空気をボディ1とグリップ2の内部に貯留しておき、トリガ3を引き操作することにより、圧縮空気で打撃機構を作動させ、マガジン6からノーズ部7の内部に供給されたファスナーを打出すように構成されている。
なお、連結ファスナー5は多数のファスナーaをワイヤ11を介して連結したもので、コイル状に巻回されてマガジン6に収納されている。連結ファスナー5の先頭ファスナーは図示しないファスナー送り機構によりファスナー供給通路10を通って前方のノーズ部7の射出口9に順次供給される。ファスナー供給通路10はドア8によって開閉可能となっている。
次に、マガジン6は、主にマガジン本体4とネイルサポート12とガイドポスト13とから構成されている。
図2〜図4に示されるように、マガジン本体4は、マガジン主体4aとマガジンキャップ14とからなり、マガジン主体4aは、上底部15aと下底部16aと半円筒部17aとからなる有底半円筒状の形状をなしている。マガジンキャップ14も、上底部15bと下底部16bと半円筒部17bとからなる有底半円筒状の形状をなしている。マガジン主体4aの下底部16aには支軸18が設けられ、この支軸18にマガジンキャップ14が回動自在に支持されている。これにより、マガジンキャップ14を回動させることにより、マガジン本体4は中央から割れて大きく開口する。
ガイドポスト13は円筒状で、マガジン本体4の中央部に配置され、マガジン主体4aの支軸18の中央部に回動自在に支持され、捩りコイルバネ19(図8参照)によりマガジン主体から離れる方向にマガジンキャップ14の下底部16aに対して垂直になるように付勢されている。ガイドポスト13の下部には、図5に示されるように、マガジンキャップ14の下底部16bに直角に係合するように係合片20が形成されている。
ネイルサポート12は、連結ファスナー5を載置する円形のサポート部材21の中央部にネイルポスト22を立設して成るもので、ネイルポスト22はガイドポスト13の外側に嵌合され、上下方向に沿ってスライド可能に支持されている。
マガジンキャップ14が閉じているときは、ガイドポスト13に支持されているネイルサポート12のサポート部材21の外周縁と、マガジンキャップ14の半円筒部17bの内壁と接触して垂直に起立している。また、マガジンキャップ14が開口方向に回動すると、ガイドポスト13も所定の角度まで支軸18ととともに回動する。つまり、図5の左側がマガジン主体側、右側がマガジンキャップ側であるが、ガイドポスト13は同図の右方向に倒れる。50〜60度ほど傾斜すると、支軸18の左下の三角形状の突起29の斜辺がマガジン主体の下底部16aに当り、傾斜が規制される。そこで、連結ファスナーをネイルサポート12に載せると、その重みでマガジン主体4aの方向に起き上がる。そのときに、ガイドポスト13の係合片20とマガジン主体4aの下底部16aが係合すると同時に、ネイルサポート12のサポート部材21の外周縁とマガジン主体4aの半円筒部17aの内壁と接触し、直立状態になる。マガジンキャップ14が閉じ方向に回動すると、マガジンキャップ14の下底部16bにガイドポスト13の係合片20が係合するので、ガイドポスト13も一体に回動し、マガジン主体4aの下底部16aに対して垂直に起立して連結ファスナー5を保持する。
上記マガジン構成によれば、コイル状に巻きまわした連結ファスナー5をマガジン6に装填する場合、マガジン本体4のマガジンキャップ14を支軸18を中心に下方に回動してマガジン本体4を図2のように開放する。このときにネイルサポート12が傾くので、ネイルポスト22を連結ファスナー5の中心孔に挿入し、さらにマガジンキャップ14を上方向に回動して図1のように閉じればよい。
ところで、ネイルサポート12はガイドポスト13のまわりに回転可能で、回転することによって、装填された連結ファスナー5のファスナーの長さに応じてマガジン本体4内における高さ位置を調整できるように構成されている。すなわち、図4及び図5に示されるように、ガイドポスト13には、互いに対向する壁部に、水平溝23aと傾斜溝23bとを交互に螺旋状に連続するガイド溝23が、水平溝23aと傾斜溝23bが互いに向き合うように貫通形成されている。傾斜溝23bは、ファスナーが消費されるに伴って連結ファスナー5が回転する先に設けられている。ファスナーが消費されると連結ファスナー5は上から見て右回転するので、傾斜溝23bは水平溝23aに向かって左側に形成されるようにする。
サポート部材21の下方にはネイルポスト22の延長部22aが形成され、延長部22aにはガイドピン24が嵌挿され、ガイドピン24はガイドポスト13の対向するガイド溝23を貫通している。
上記ネイルポスト22の支持機構によれば、ネイルサポート12を回転させると、ガイドピン24はガイド溝23に沿って摺動する。水平溝23aに沿って摺動するときはネイルサポート12の高さ位置は同じであるが、傾斜溝23bに沿って摺動すると、ガイド溝23とともにネイルサポート12も上方又は下方に移動しながら回転するからその高さ位置も変化する。上記実施形態では、4個の水平溝23aが90°間隔に形成されているから、ネイルサポート12の高さ位置を4段階に切り替え調整することができる。
また、マガジン主体4aの内壁には図6に示すように、水平溝23aに対応する高さ位置を示す目盛25が刻印されている。これにより、ネイルサポート12がどの高さ位置にあるかを目視することができる。
さらに、ネイルサポート12のサポート部材21の外周縁には、図7(b)に示されるように、等間隔に4個の高さ位置表示部26が下方に突出形成されている。これらの高さ位置表示部26は連結ファスナーのファスナーの軸長に適したサポート部材21の高さを示すもので、ガイドポスト13の水平溝23aが正面に対応するように位置決めするとともに、ガイドピン24の延長方向に4個中2個の高さ位置表示部26が対応するように形成するのが好ましい。
また、サポート部材21には高さの調整位置が表示されているので、連結ファスナー5を装填した後、連結ファスナー5が邪魔してマガジン主体4aの目盛25が見えないときでも、高さ位置表示部26を見てネイルサポート12を容易に所望の適正な高さ位置に調整することができる。しかも、扱いに慣れれば、図6に示されるように、連結ファスナー5のファスナー頭とマガジン主体4aの上底部15aとの間の間隔Hを見ることによっても、所定の高さ位置を感覚的に知ることができるので、特に目盛などを見なくても容易に調整操作することができる。
さらに、高さ位置表示部26はあるいはサポート部材21より下方に突出した部分の外面に設けられているので、連結ファスナーが直接に接触することがなく、磨耗しないので鮮明な表示を保つことができる。
なお、高さ位置表示部26はサポート部材21の外周縁の端面かそれよりも下方の、連結ファスナーが接触しにくい部位に形成されていればよく、その形状は突起に限定されない。例えば、外周縁の端面に目印を付して表示する構成であってもよい。
次に、サポート部材21の外周縁には、図7に示されるように、回転操作用の指当て部27が形成されている。この指当て部27は指が滑らないように、凹面部によって構成するか滑り止めを施すかするのが好ましい。これによれば、連結ファスナー5を装填した後に高さ位置を調整する際に指当て部27に指を当てて回すことができるので、確実に回転操作をすることができる。指当て部27を高さ位置表示部26に設けることにより、指の位置でネイルサポート12が調整位置にあるかどうかを知ることができる。
なお、指当て部27はサポート部材21の外周縁に限定されず、図7(b)に示されるように、ネイルポスト22に指当て部27aを形成してもよい。その形状も図示したものに限定されない。
また、マガジンキャップ14はマガジン主体4aに対して横方向に回転して開閉するように構成することもできる。
次に、コイル状に巻き回した連結ファスナー5をマガジン6に装填する場合、上述のようにマガジンキャップ14を開くほかに、ノーズ部7のドア8を開き、マガジン本体4に収納した連結ファスナー5の先端側を引き出し、先頭のファスナーをノーズ部7の射出口9の内側に納めた後、ドア8とマガジンキャップ14を閉じる操作をしなければならないが、これを片手で簡単に操作できるようにするため、マガジンキャップ14の回動方向を次のように設定している。
すなわち、図8に示されるように、マガジンキャップ14を回動可能に支持する支軸18は、連結ファスナー5の送り方向に対して一定の角度αをなすように設けられている。この角度αは、マガジンキャップ14が開き方向に回動するにつれてノーズ部7側に近づきながら傾くようにする角度であり、15°〜30°程度でよい。なお、図8はマガジン6の底面図である。
上記構成のマガジンキャップ14の開閉機構によって、コイル状に巻きまわした連結ファスナー5をマガジン6に装填する場合、まずノーズ部7のドア8を開いてファスナー供給通路を開放するとともに、マガジン本体4のマガジンキャップ14を支軸18を中心に図9のように下方に回動してマガジン本体4を開放する。このとき、マガジンキャップ14の支軸18は、連結ファスナー5の送り方向に対して一定の角度をなしているから、支軸が送り方向に設けられているものに比べ、図8の矢印のようにマガジンキャップ14が開き方向に回動するにつれて、その上底部15bはノーズ部7側(図の左側)に近づくように傾いていく。マガジンキャップ14はドア8にも近づいていく。そして、ネイルポスト22に連結ファスナー5の中心孔を挿入し、さらに連結ファスナー5をマガジン6の外側に引き出してファスナー供給通路に添わせつつ、その先頭ファスナーをノーズ部7の射出口9に収納する。その後、ドア8とマガジンキャップ14を閉じればよい。
ところで、ファスナー打機Aを片手(右利きの場合右手)に持ち、他方の手(左手)でファスナー打機Aの装填作業を行う場合、左手で図3のようにドア8とマガジンキャップ14を開き、連結ファスナー5をマガジン6内に収納し、さらに連結ファスナー5の一部を引き出して先頭ファスナーをノーズ部7の射出口9に収納する。その後、ドア8とマガジンキャップ14を閉じるときは、射出口9に収納した先頭ファスナーがワイヤの曲り癖によって外に飛び出さないように、図9に示されるように、左手の親指で連結ファスナー5の先端側をファスナー供給通路10に押し付けて保持し、薬指又は薬指と小指を開放状態にあるマガジンキャップ14の下底部16bの裏側に当て、手を握りこんでマガジンキャップ14を上側に持ち上げるようにすると、合成樹脂製で軽いマガジンキャップ14は支軸18を中心に回動して閉じ状態となる。このとき、閉じ状態に保持できる程度にすれば足りる。次に、マガジンキャップ14から指を離し、左手の親指で連結ファスナー5の先端側をファスナー供給通路に押し付けたまま、自由になった人差し指をノーズ部7側にまわし、人差し指でドア8を閉じる。マガジンキャップ14とドア8を閉めた後、両方を上からしっかりとロックすればよい。
なお、マガジンキャップ14の閉じ方は上述の例に限定されない。例えば、薬指や小指を使わずに、手首をマガジンキャップ14に当てて押し回すようにして閉じてもよい。
上述のように、左手の親指で連結ファスナー5の先端側をファスナー供給通路に押し付けたまま、薬指又は薬指と小指をマガジンキャップ14の下底部16の裏側に当てる際、親指はノーズ部7の射出口9の近傍に当てなければならないので、マガジンキャップ14はできるだけノーズ部7に近い位置にあるのが好ましい。これに対応し、マガジンキャップ14は開き方向に回動するにつれてノーズ部7側に近づくように傾いていくから、閉じるときも薬指や小指をマガジンキャップ14に無理なく当てて容易確実に閉じ作動させることができる。
なお、本発明は連結ファスナーのマガジンとファスナー打機に限定されない。打ち込みネジなどの連結ファスナーとその打ち込み工具などにも適用することができる。
1 ファスナー打機
6 マガジン
4 マガジン本体
4a マガジン主体
7 ノーズ部
12 ネイルサポート
13 ガイドポスト
14 マガジンキャップ
18 支軸
21 サポート部材
22 ネイルポスト
23 ガイド溝
23a 水平溝
23b 傾斜溝
24 ガイドピン

Claims (3)

  1. 多数のファスナーを連結してコイル状に巻回した連結ファスナーを収納する有底半円筒状のマガジン主体と、
    該マガジン主体の底部に回動自在に支持された有底半円筒状のマガジンキャップと、
    を備え、
    上記マガジンキャップは、上記マガジン主体の半円状の底部にその直径方向に設けられた支軸を中心に回動可能に設けられているとともに、上記支軸は底面視において上記連結ファスナーの送り方向に対して一定の角度をなし、上記マガジンキャップが開き方向に回動するにつれて上記ファスナーが打ち出されるノーズ部側に近づくように傾くことを特徴とする連結ファスナーのマガジン。
  2. 上記マガジン主体の中央底部にはガイドポストが立設されており、
    上記ガイドポストは、上記マガジンキャップの開閉に伴って上記マガジン主体に対して傾斜することを特徴とする、請求項記載の連結ファスナーのマガジン。
  3. 請求項1又は2に記載の連結ファスナーのマガジンを備えたことを特徴とする打ち込み工具。
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