JP2011218390A - サイジングプレスの操業方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、サイジングプレスの予測プレス荷重の精度向上を課題とし、それを実際の現場でも使える程度に簡便な方法で実現し、サイジングプレスの効率的な使用に供し、結果としてサイジングプレスの生産性の向上を果たすことを目的とする。
【解決手段】鉄鋼スラブをサイジングプレス装置で幅圧下プレスする方法において、プレス荷重実績値とそれに対応するプレス荷重予測値に基づいて、それ以降のパスにおけるプレス荷重予測値を補正し、当該プレス荷重予測値を設定して幅圧下プレスすることを特徴とする鉄鋼スラブのサイジングプレス装置の操業方法であり、さらにピンチロールによりスラブを搬送することにより、一層効果を高めることができる。

【選択図】図4

Description

本発明は、鉄鋼製造プロセスにおいて、連続鋳造後のスラブ(鋳片)の熱間幅圧下プレス(サイジングプレス)の操業方法に関する。
鉄鋼製造プロセスにおいて、連続鋳造にて製造されたスラブ(鋳片)を、熱間板圧延すると、圧延後鋼板の先端部(フロント部とも言う。)と後端部(テール部とも言う。)に形状異常部(クロップと言う。)が発生し、鋼板生産上の課題となっている。このクロップを回避するため、サイジングプレスによるスラブの幅圧下予成形プレスとサイジングミル(竪型ロールによる幅圧下圧延装置)により、スラブのフロント部、テール部の幅を狭め、成形している。(例えば、特許文献1)
このサイジングプレスは、断続的な衝撃荷重により鋼板を幅圧下プレスするものであり、設備保護の観点からその最大衝撃荷重が設備の許容荷重を超えないよう管理する必要がある。そのため、圧下量等のプレス条件やスラブ温度等の材料条件から総合的に判断し、最大荷重を予測し、それがサイジングプレス装置の許容荷重を超えないようプレス条件を初期設定(セットアップ)していた。
特開2008−272807号公報
荷重予測に当たって、通常はプレス条件として変形量(スラブ送り量)、変形速度等を、材料条件としてはスラブ温度、スラブの材料物性等を用いて、例えば以下の式に当てはめ、プレス荷重を予測することができる。
P=Kmp×Hsp×Qp×Lp ・・・・・式1
ここで、P=予想プレス荷重
Kmp=変形抵抗(美坂の式より)
Hsp=平均スラブ厚
Qp=圧下力関数
Lp=金型接触投影長 である。
しかし、実操業においてはスラブ表面に酸化膜があるためスラブ温度を精度よく把握できない。また、スラブ外側は急速に冷えるため、変形抵抗に影響のある内部温度を精度よく測定することはできない。そのため材料物性の予測精度が悪くなり、変形抵抗の精度が悪化する。またスラブの位置決め精度がスリップ等の影響を受けるため、プレス面積に相当する金型接触投影長のバラツキの原因となる。これらのことからプレス荷重の予測精度は悪くなる。図4に従来のプレス荷重予測値と実績との差の分布を示すように、予測値と実績値の差は最大で±5MNある。そのため、実際のプレス条件の設定においては、この差を考慮してプレス荷重を低く抑えざるを得なかった。そのため、1回のプレス(これをパスと言う。)での圧下量が少なくなり、プレス回数が多くなり、生産性を悪化させている。これは、工程上のネックとなっており、製造プロセス全体の最適化の障害となっている。
これを回避する方法として特許文献1のように、スラブ圧下条件の決定方法が提案されている。しかし、この方法でも、材料条件やプレス条件の設定が前提となっているため、プレス条件設定のプロセスは提案しているが、予測荷重の精度向上の観点からは、本質的な解決には至っていない。
また、サイジングプレス装置の構造上、プレス荷重は断続的な衝撃荷重となり、圧延や押出し成形、引抜き成形のような定常的荷重付加による加工ではないため、その荷重予測は、それら圧延らの荷重予測とは異なる。
そこで、本発明は、サイジングプレスの予測プレス荷重の精度向上を課題とし、それを実際の現場でも使える程度に簡便な方法で実現し、サイジングプレスの効率的な使用に供し、結果としてサイジングプレスの生産性の向上を果たすことを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、初期段階(もしくは最初の)パスのプレス荷重の実績値を基に、以降のプレス荷重予測値を補正することにより、精度の高いプレス荷重予測ができることを見出した。すなわち、スラブ自体の温度測定においては、誤差を多く含み正確な測定は難しいが、一つのスラブがサイジングプレスで一連の幅圧下プレスされている間は、高々5分程度であり、この間の内部温度変化が少ないことに着目した。そして、初期段階(もしくは最初の)パスのプレス荷重の実績値を基に、以降のプレス荷重予測値を補正することにより、精度の高いプレス荷重予測ができることを見出した。これにより、温度測定誤差・精度や温度バラツキに基づく変形抵抗の予測精度を改善できることが分かった。
さらに、スラブ搬送において、従来のロール搬送ではなく、ピンチロールで挟んで搬送することにより、スリップが抑えられ、搬送誤差を大幅に減少できることも見出した。これにより、従来のロール搬送では搬送量280mm程度に対し誤差±50mmもあったものが、ピンチロール搬送では、誤差±2mm程度となり、実に誤差が1/25にまで縮小した。これにより、金型接触投影長の精度を上げることができ、結果としてプレス荷重予測値の精度が向上する。
本発明は、こうした知見に基づきなされたものであり、その要旨とするところは、以下のとおりである。
(1)鉄鋼スラブをサイジングプレス装置で幅圧下プレスする方法において、プレス荷重実績値とそれに対応するプレス荷重予測値に基づいて、それ以降のパスにおけるプレス荷重予測値を補正し、当該プレス荷重予測値を設定して幅圧下プレスすることを特徴とする鉄鋼スラブのサイジングプレス装置の操業方法。
(2)前記サイジングプレス装置が、ピンチロールによりスラブを搬送するサイジングプレス装置であることを特徴とする(1)に記載の鉄鋼スラブのサイジングプレス装置の操業方法。
(3)前記プレス荷重予測値の補正が、プレス荷重実績値とそれに対応するプレス荷重予測値に基づき得られるそれらの比を、それ以降のパスのプレス荷重予測値に乗算することであることを特徴とする(1)または(2)に記載の鉄鋼スラブのサイジングプレス装置の操業方法。
(4)前記プレス荷重予測値の補正が、最初のパスのプレス荷重実績値とそれに対応するプレス荷重予測値に基づくことを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の鉄鋼スラブのサイジングプレス装置の操業方法。
(5)前記プレス荷重予測値の補正が、最初のパスから連続した複数のパスのプレス荷重実績値とそれに対応するプレス荷重予測値に基づくことを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の鉄鋼スラブのサイジングプレス装置の操業方法。
本発明は、サイジングプレスのプレス荷重予測精度を上げ、1回の圧下量を増やすことにより、必要プレス回数を減少させ、サイジングプレス装置の効率的操業を可能とするものである。
サイジングプレス装置の概要を示す図である。 サイジングプレス装置による幅圧下プレスの方法を説明する図である。 本発明の実施例におけるサイジングプレスのパスごとの予測プレス荷重と実績プレス荷重の推移を示す図である。 図3(a)に比較例の予測プレス荷重と実績プレス荷重を示す。 図3(b)に本発明の実施例の予測プレス荷重と実績プレス荷重を示す。 図3(c)は、ピンチロール搬送を使用しないときの実施例を示す。 予測荷重と実績荷重の差の分布を示す図である。
サイジングプレス装置の概要を図1に示す。サイジングプレス装置19に設けられた金型11,12は、平面視概ね台形状となっている。ここに加熱炉で900℃〜1200℃程度に加熱保持されたスラブ10が、所定の位置で停止する。金型11,12は、スラブ10の側面と平行な押圧部20,21と、当該押圧部20.21に連接して設けられた傾斜部22,23を有している。対抗する傾斜部22,23の間の距離は、スラブ10の搬送方向に序々に狭くなるように設置されている。なお、図示はしていないが、実際のサイジングプレスには傾斜部の配置が押圧部20,21に対し鋼板搬送方向で逆に連接している金型が、金型11,12の上または下に重ねて配置されている。これは、前者の金型で鋼板のフロント部を、後者の金型で鋼板のテール部を幅圧下プレスするためである。
金型11,12の基部には、幅調整装置24,25を構成するシリンダロッド26,27の先端部が取り付けられている。この各シリンダロッド26,27は、幅調整装置24,25を回転させることにより、ウォームギアを介してスラブ10の幅方向に往復可動でき、対抗する金型11,12の間隔を調整することが可能となっている。
さらに、幅調整装置24,25の基部にはシリンダ28,29の基側端部には、主クランク装置30,31が連結されており、スラブ10の幅方向両端部に向けて金型11,12を押し出すようにして、スラブ10に対して圧下力を付与する構成となっている。軸が偏心したクランク30,31が回転することにより、ピストンロッド28,29が押し出され、それに連動して金型11,12が押し出されるため、断続的な衝撃力がスラブ10に付与されることになる。
また、スラブ10は、ピンチロール34,35に挟まれている。通常は、スラブ10の下面を接触支持しているテーブルローラー(図示せず)にて搬送するが、幅圧下プレスするときは、ピンチロール34,35にてスラブ10を移動させることができる構造となっている。
次に幅圧下プレスの方法について説明する。図2は、スラブ10の中心線から金型11側の半分を平面視したものである。図2(a)に予備成形状態を示す。予備成形においては、スラブ10を停止させ、金型11をスラブ10に押し込むように幅圧下プレスする。所定の幅まで圧下したところで、予備成形は完了する。
次に図2(b)に示すように、一定の距離(送り量)だけスラブ10を移動させ停止させ、金型11で幅圧下プレス(1パス)を行い、スラブ10を所定の幅にする。この動作を、スラブ10の長手方向の所定の長さが所定の幅になるまで繰り返す。
このとき、幅圧下プレス1パスで金型11とスラブ10が接触するする長さを金型接触投影長とする。つまり金型11の傾斜部22とスラブ10の接触する長さと、1パスでのスラブ10の送り量の和が金型接触投影長となる。
次に、本発明によるプレス荷重予測値の求め方を説明する。プレス荷重の予測には、前述した式を使用することができる。再度説明すると、荷重予測式は以下のとおりである。
P=Kmp×Hsp×Qp×Lp ・・・・・式1
ここで、P=予想プレス荷重
Kmp=変形抵抗(美坂の式より)
Hsp=平均スラブ厚
Qp=圧下力関数
Lp=金型接触投影長 である。
その他、変形抵抗は志田の式等が当業者間では一般的に用いられているが、予測式については特に限定するものではない。いずれにせよ、美坂の式で必要な項目は、プレス荷重に大きく影響するものであるので、美坂の式を例として説明する。
プレス荷重を予測するときに必要な上記4項目について検討する。このうち、平均スラブ厚はスラブ形状で決まるものである。また、圧下力関数は、変形量、変形速度から求められるものであるから、サイジングプレスの圧下条件から求められるものである。
金型接触投影長は、前述したようにスラブと金型の接触部を平面視したときの長さであり、金型の傾斜部とスラブの接触する長さと、1パスでのスラブの送り量の和が金型接触投影長となる。前述したようにスラブ送り量に誤差があると、金型接触投影長の精度が悪化することになる。
プレス荷重はこれら項目の乗算で求められることから、プレス荷重は、スラブ温度と送り量の関数として捉えられる。つまり、スラブ温度と送り量の精度がよければ、プレス荷重の精度が高まることになるわけである。
スラブの送り量については、スリップを減少させること、搬送系の制御精度を上げるなどの対策により、スラブ送りの位置決め精度を高めることができる。前述したように、通常送り量は250mm〜350mm程度である(400mmを超えることもある)。通常は、スラブ10の搬送は、スラブ10を下面から接触支持する搬送ローラーにて行うが、接触支持されているだけなのでスリップが発生し易い。実際、280mmの送り量に対し、±50mmの位置決め誤差が生じており、主にスリップが原因と考えられる。
スリップを防止する方法はいくつかあるが、種々検討したところ、ピンチロールにてスラブを上下に挟み、スリップしない圧下力を加えて、スラブを移動させることにより、位置決め誤差を発生させることなく、精度よくスラブを搬送することができた。例えば、280mmの送り量に対し、位置決め誤差は2mmにすることができた。これはピンチロール径の磨耗等の要因があるものと考えられる。ピンチロール径の管理や、ロール回転からフィードバック制御する等の搬送系の制御精度を上げるなどの措置を講ずることにより、さらに位置決め誤差は小さくすることができる。
以上のように、位置決め精度が向上したことにより、送り量精度が向上し、結果として金型接触投影長の誤差を小さくすることが可能となった。
一例として片側幅圧下量(片側プレス量)が200mmで、送り量280mmのとき、所定の金型接触投影長は約700mm程度となるが、従来の搬送ロールによる移動では、誤差7%程度(±50mm)発生するのに対し、ピンチロールによる移動では、0.3%程度(±2mm)と激減する。つまり、ピンチロールによる搬送にするだけでもプレス荷重に与える誤差が1/25程度まで小さくすることができる。
最後に最も影響の大きい変形抵抗について検討する。変形抵抗は、材料物性に大きく依存するものであり、材料物性は成分や材料温度に依存する。成分は既知であるので、結果として、同一スラブのプレス加工においては、変形抵抗は温度の関数として把握されることになる。前述したように、加熱炉を出たスラブは、表面に酸化膜があることと、1000℃前後の高温での温度測定となること、また、変形抵抗に大きく影響する内部温度が直接測定できないことなどから、材料物性に影響する温度測定が難しく、精度よく測定することはできない。
そこで本発明者らは、サイジングプレスのプレス加工の間のスラブの温度変化に着目し、スラブの内部温度の変化についてシミュレーションを行った。その結果、1000℃で加熱炉から抽出したスラブは、サイジングプレス加工時間を考慮した約5分間で、表面温度は30℃程度低下するが、内部温度はほとんど変化がないことが分かった。つまり、サイジングプレス加工中は、材料特性に影響するスラブ内部温度はほとんど変化がなく、一連のプレス加工においては、同じ材料特性と考えても問題ないことが分かった。
次に、温度測定の精度向上は、測定技術、測定環境等の問題から、測定自体の精度向上は難しい。しかし、前述したように一連のプレス加工中の材料特性が変わらないのであれば、あるパスの予測荷重と実績荷重を対比し、その結果で次パスの予測荷重を補正することにより、材料特性の誤差を吸収でき、温度測定精度を考慮せずとも、全体として精度のよい変形抵抗予測ができる。その結果、予測プレス荷重の精度も上げることができるわけである。
そこで、本発明では、予測プレス荷重を計算するにあたり前出した式(式1)に、補正係数Gを乗算し以下の式により予測することとした。
P=Kmp×Hsp×Qp×Lp×G ・・・・・式2
ここで、P=予想プレス荷重
Kmp=変形抵抗(美坂の式より)
Hsp=平均スラブ厚
Qp=圧下力関数
Lp=金型接触投影長
G=補正係数 である。
補正の方法について説明する。例えば、あるパスでの実績荷重をP1aとし、予測荷重をP1eとしたとき、実績荷重と予測荷重の比を補正係数として使用することができる。
G=P1a/P1e
このGを式2に代入し、次パスの予測荷重P2eを算出することができることになる。つまり、初期段階パス(最初のパスまたは最初のパスを含む一連のパス)の予測荷重算出のため、変形抵抗Kmp、平均スラブ厚Hsp、圧下力関数Gp、金型接触投影長Lpを設定し予測荷重P0eを算出し、その後初期段階パスの実績プレス荷重P0aを測定し、それらから補正係数Gを算出し、式2により、次段階以降のパス(2番目のパス以降または、最初のパスを含む一連のプレスの次以降の一連のパス)の予測荷重を算出し、サイジングプレス装置のプレス条件として設定する。
補正係数Gの求め方は、前述の例(予測荷重と実績荷重の比)に限定されないことは言うまでもない。要は、以前のパスでの予測プレス荷重と実績プレス荷重を対比して求められる補正係数で、次のパスの予測プレス荷重を補正することにより、温度測定の誤差を打ち消すことが可能となり、精度よくプレス荷重を予測できることになるのである。
以上、プレス荷重の予測方法について、スラブのピンチロール搬送による位置決め精度の向上と、前パスの予測プレス荷重と実績プレス荷重を対比して次パス以降を補正することにより温度測定精度の悪さを打ち消すことについて説明した。これらは、同時に実現することが望ましいが、どちらか一方を実施しても効果がある。特に前パスでの予測・実績対比による補正は、特に設備的対応が必要なく、簡便でありながら効果の高い方策である。
次に本発明の実施例について説明する。
同一の鋼種(鋳造条件が同じスラブを使用)で、本発明を実施したプレス(実施例)と、実施しないプレス(比較例)を連続して行った。このときの予測プレス荷重と実績プレス荷重を比較した。サイジングプレス条件は以下のとおりである。
鋼種:980MPa高張力鋼板
サイジングプレス時のスラブ温度(測定値):1050℃
圧下量:300mm
搬送量(送り量):280mm
搬送方法:ピンチロールによる搬送
補正係数:初回の実績プレス荷重と予測プレス荷重の比とし、その後の全パスに同一の補正係数を適用した。
図3(a)に比較例の予測プレス荷重と実績プレス荷重を示す。比較例では、予測プレス荷重から設備保全性を考慮して実プレス荷重を決めているので、実績プレス荷重が低くなり、所望の圧下幅を得るために合計24パスを要している。
一方図3(b)に本発明の実施例の予測プレス荷重と実績プレス荷重を示す。初回のズレを除けば、全パスで予測荷重と実績荷重がほぼ同じとなっており、非常に高い精度で予測することが確認できた。
そのため、実績プレス荷重を高くすることが可能となり、所望の圧下幅を得るために合計15パスを要するだけですみ、9パス減少させることができた。これは、サイジングプレスに要する時間でみると37%の生産性向上に相当することが確認できた。
図3(c)は、上記と同一条件でピンチロール搬送を使用しないときの実施例を示す。比較例に比べ、予測値と実績値の差が小さくなることが確認できた。しかし、ピンチロール搬送を適用した実施例に比べ、予測値と実績値の差が大きいことがわかる。
このとき、所望の圧下幅を得るために合計20パスを要しており、生産性は役15%向上に相当することが確認できた。
次に、本発明の適用前1ヶ月と適用後1ヶ月の予測プレス荷重と実績プレス荷重の差を調査し、その差の分布を図4に示す。1ヶ月のトータルなので、鋼種の影響や、圧下幅等のプレス条件違いは、丸め込まれており平均化されていると考える。図4から分かるように、本発明の適用前(つまり従来)は、±5MNにわたるバラツキがあったが、本発明の適用後は±2MN程度のバラツキになっていることが確認できた。つまり、予測プレス荷重の精度が著しく向上していることが確認できた。
以上、本発明について説明してきたが、本発明の実施の態様は、説明で示した態様に限定されることはない。
本発明は、鉄鋼業における鋼板圧延のためのサイジングプレスに利用することができる。
10 スラブ
11,12 金型
19 サイジングプレス装置
20、21 押圧部
22、23 傾斜部
24、25 幅調整装置
26、27 シリンダロッド
28、29 シリンダ
30、31 クランク装置
34 (上側)ピンチロール
35 (下側)ピンチロール

Claims (5)

  1. 鉄鋼スラブをサイジングプレス装置で幅圧下プレスする方法において、プレス荷重実績値とそれに対応するプレス荷重予測値に基づいて、それ以降のパスにおけるプレス荷重予測値を補正し、当該プレス荷重予測値を設定して幅圧下プレスすることを特徴とする鉄鋼スラブのサイジングプレス装置の操業方法。
  2. 前記サイジングプレス装置が、ピンチロールによりスラブを搬送するサイジングプレス装置であることを特徴とする請求項1に記載の鉄鋼スラブのサイジングプレス装置の操業方法。
  3. 前記プレス荷重予測値の補正が、プレス荷重実績値とそれに対応するプレス荷重予測値に基づき得られるそれらの比を、それ以降のパスのプレス荷重予測値に乗算することであることを特徴とする請求項1または2に記載の鉄鋼スラブのサイジングプレス装置の操業方法。
  4. 前記プレス荷重予測値の補正が、最初のパスのプレス荷重実績値とそれに対応するプレス荷重予測値に基づくことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の鉄鋼スラブのサイジングプレス装置の操業方法。
  5. 前記プレス荷重予測値の補正が、最初のパスから連続した複数のパスのプレス荷重実績値とそれに対応するプレス荷重予測値に基づくことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の鉄鋼スラブのサイジングプレス装置の操業方法。
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