JP2011217676A - 鶏肉ジャーキーおよびその製法 - Google Patents

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Abstract

【課題】結着剤を添加したり、ミンチ状にするなどの加工処理を施すことなく、適度な大きさを有し、ジャーキー特有のテクスチャーと鶏肉本来の風味を有する薄片状の鶏肉ジャーキーとその製法を提供する。
【解決手段】複数の鶏肉の肉片から構成され、各肉片が部分的に固着して一体に形成された薄片状の鶏肉ジャーキーとした。この鶏肉ジャーキーは、鶏肉の筋繊維が維持されており、また結着剤等を使用していないので、心地よい咀嚼感と鶏肉本来の風味を有している。
【選択図】図2

Description

本発明は、鶏肉ジャーキーおよびその製法に関し、より詳細には、鶏肉を原料とし、結着剤を使用したり、鶏肉の組織を変性、破壊するような加工をすることなしに、適度な大きさの薄片状に成形され、優れたテクスチャーと風味を有する鶏肉ジャーキーおよびその製法に関するものである。
ジャーキーは、畜肉をスライスし、乾燥させた保存食品であり、主に、牛肉を原料としたビーフジャーキーがつまみなどとして食されている。ビーフジャーキーは、牛肉を解体した部位の肉塊を薄くスライスして、乾燥させたものであり、牛肉が本来有する筋繊維が保持されているため、適度な歯ごたえとともに柔軟性があり、心地よい咀嚼感を有している。
しかし、牛肉は畜肉の中でも高価であり、また高カロリーで高脂肪であることなどから、近年の健康志向の消費者に好まれないことも多い。一方、鶏肉は牛肉と比べ安価であり、また低カロリー、低脂肪であるが、鶏肉を原料とした薄片状のジャーキーはほとんど知られていない。これは、鶏の固体のサイズが小さく、解体された各部位の肉塊から、ジャーキーとして適当な大きさのスライス片が得られ難いためである。
このため、鶏肉を原料として薄片状に成形するにあたって、鶏肉を破砕してミンチ状としてから、結着剤を用いて圧延成形する方法が考案されている。例えば、特許文献1では、ミンチ状とした鶏獣肉に、結着剤の小麦粉を混合した生地をローラーで圧延して成形するペット用ジャーキーの製造方法が開示されている。また特許文献2には、ミンチ状の鶏肉を加熱処理し、グルテンやでんぷん等の結着剤と混練して圧延ローラーでシート状に成形し、膨化乾燥させるスナック食品の製造方法が開示されている。
しかしながら、このようにミンチ状にした肉を結着剤で固めたいわゆる成型肉は、筋繊維が切断されているため、もろく崩れやすく、ジャーキー特有の歯ごたえや心地良い咀嚼感は得られない。また結着剤の使用によって、鶏肉本来の風味も損なわれてしまう。
一方、特許文献3には、冷蔵庫で保管熟成させた鶏肉を、肉たたき機で薄く成形し、これを段階的に乾燥させた後、スライスすることにより鶏肉ジャーキーを製造する方法が開示されている。この製造方法は、結着剤を使用せず、また鶏肉をミンチ状とすることないものであるが、肉たたき機による処理により、筋繊維が破断されてしまうため、やはりジャーキー特有の歯ごたえや咀嚼感を得ることができない。また、肉たたき機による処理だけではジャーキーに適した厚みにまで薄くすることができないし、この状態では保型性が不十分でスライスすることもできないため、厚みのある状態のまま乾燥した後、その後スライスする方法を採っている。このため、ガスオーブンレンジで6時間以上乾燥させた後、さらに1昼夜自然乾燥させるなど、乾燥に長時間を要し、生産性が著しく低くなってしまう。さらに、肉たたき機による処理で、その断面積を大きくするにも限界があるため、外観や食べやすさを考慮した大きさや形状に調整することが困難であった。
特開平11−056260号公報 特開2007−49949号公報 特許第2694846号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、結着剤などを用いたり、肉の繊維が破断されるような加工を加えることなく、適度な大きさを有し、歯ごたえと柔軟性のあるテクスチャーと鶏肉本来の風味を備えた薄片状の鶏肉ジャーキー及びその製造方法を提供することを目的としている。
本発明者は、鋭意検討を行った結果、鶏肉の肉塊からスライスした肉片同士を辺縁部で部分的に結合させて、薄片状に一体化させることができれば、鶏肉の繊維構造を維持したまま、ジャーキーとして適切な大きさとすることに思い至った。そして、鶏肉の複数の肉塊を容器(リテイナー)に充填し、冷凍することによりブロック化し、次いで冷凍状態を維持したまま、スライスし、乾燥処理に付すことによって、複数の肉片同士が接触した部分で強固に固着してあたかも一枚のスライス片のようになり、このものはジャーキー特有のテクスチャーと鶏肉本来の風味を有することを見出し本発明を完成させた。
すなわち本発明は、複数の鶏肉の肉片から構成され、各肉片が相互に固着して一体に形成されてなる薄片状の鶏肉ジャーキーである。
また本発明は、複数の鶏の肉塊をリテイナーに充填した後、冷凍してブロック化し、ブロック化した肉を冷凍状態でスライスし、次いで冷凍状態で乾燥処理に付すことを特徴とする鶏肉ジャーキーの製造方法である。
本発明によれば、次の効果又は利点がある。
(1)本発明の鶏肉ジャーキーは、結着剤のような添加物を含まないので、鶏肉本来の風味を有する。
(2)本発明の鶏肉ジャーキーは、複数の肉片が互いに強固に固着してあたかも一枚の肉片のように形成され、個々の肉片は鶏肉本来の組織が維持された状態であるため、適度な歯ごたえと柔軟性があり、心地よい咀嚼感を備えた優れたテクスチャーを有する。
(3)本発明の鶏肉ジャーキーの製造方法によれば、結着剤を使用したり、鶏肉の繊維を破断させるような加工処理を施すことなく、ジャーキーとして、食べやすく外観上好ましい大きさのスライス片に成形することができる。
(4)本発明の鶏肉ジャーキーの製造方法は、冷凍状態を維持したままスライスし、冷凍状態のまま乾燥処理を行うため、取り扱いが容易で作業性に優れ、また短時間の乾燥で、反り等のない良好な形状のジャーキーを得ることができ、生産性の高いものである。
本発明の鶏肉ジャーキーの製造工程の一例を示すフロー図である。 本発明の鶏肉ジャーキーの形態を上面から示す写真であり、(イ)は実施例1(調味処理無)の乾燥前と乾燥後の状態、(ロ)は実施例2(調味処理有)の乾燥前と乾燥後の状態である。
本発明の鶏肉ジャーキーは、複数の鶏肉の肉片から構成され、各肉片が相互に固着して一体に形成された薄片状のものである。構成する鶏肉の肉片は、ミンチ状としてから成型されたものではなく、鶏肉の肉塊からスライスされたものであり、鶏肉の筋繊維が保持されている。また、構成する肉片の数は、通常3〜7個程度である。肉塊の部位は特に制限されるものではなく、もも肉、胸肉、ささみなどいずれの部位であってもよい。鶏肉の有効活用の観点からは、各部位の構成比に従って使用するのが好ましい。一方、ユーザーの低カロリー志向に合うようにする場合は、脂分の少ないかつ比較的安価な胸肉やささみを多用することがよい。これらは各肉片が乾燥工程において固着しやすいように、予め皮や油身などを除去しておくことが好ましい。鶏肉は、各部位に解体した肉塊の状態でも断面積が比較的小さく、また乾燥によって収縮するため、肉塊を直接スライスして乾燥させても、例えば乾燥状態で110mm×700mm程度の大きさの薄片を歩留まり良く得ることが困難である。これに対し、本発明では、鶏肉の複数の肉塊をブロック化することにより、断面積の大きなスライス片を得ることができる。
ブロック化は、複数の鶏肉の肉塊をリテイナーに充填し、次いで冷凍することにより行う。リテイナーに充填するにあたっては、少数のリテイナーを活用するためと後工程の保存性を高めるため、ポリエチレン製等、水密性の柔軟な袋を用いることが好ましい。具体的には、リテイナーの内面に沿って袋を装着し、その中に複数の鶏の肉塊を入れ、脱気する程度に軽く押圧して密に充填することが好適である。肉塊は、解体した各部位の肉塊そのままでもよく、これをさらに切断したものであってもよいが、より大きい塊であることが好ましい。リテイナーは、例えば樹脂製や金属製の開口部を有する容器であり、その大きさや形状は特に限定されず、鶏肉ジャーキーの設計に応じて適宜選択される。例えば、所望する鶏肉ジャーキーの大きさおよび形状が、長径110mm、短径70mmの楕円形である場合、乾燥後に長径および短径が約2/3に収縮することを考慮して、長径150mmφ、短径100mmφ、高さ500mm程度の断面が楕円形状である筒状のリテイナーを用いればよい。また、対向する2つの開口部を設けることにより、冷凍後ブロック化された鶏肉を離型しやすくなる。開口部には蓋を設けてもよく、蓋を着脱式とすることにより離型作業を行いやすい。
鶏肉をリテイナーに充填する前に、必要に応じて予め調味してもよい。調味は、公知の調味料を用いて、肉塊と混合、撹拌することなどにより行われる。調味料としては、食塩、胡椒、ニンニクなどの香辛料、ショ糖、ブドウ糖、乳糖、トレハロースなどの糖類、アミノ酸、醤油、みりん、酒などの液体調味料などが挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。液体調味料や水などを用いた調味液として調味処理することが好適であり、例えば、調味液と鶏の肉塊とを通常は常温で、必要により加熱しながら撹拌、混合して調味することができる。調味後は、余分な調味液を除去してから肉塊をリテイナーに充填することが好ましい。
次いで、リテイナーに充填した肉を冷凍する。冷凍温度は特に限定されないが、−30℃以下で急速冷凍することが好ましい。例えば、上記の大きさのリテイナーに充填した場合、−30℃で6〜8時間程度で急速冷凍すればよい。このようにして、複数の肉塊がブロック化したブロック肉が形成される。冷凍されたブロック肉はそのまま次のスライス工程に供することができるが、一定期間冷凍保存してもよく、この場合−20℃以下で保存することが好ましい。また、袋を用いて充填した場合には、袋入りの状態で冷凍保管することが好ましい。
冷凍されたブロック肉をリテイナーから取り出し、解凍することなく、冷凍状態のままスライスする。袋に充填してブロック化した場合には、袋から取り出してからスライスする。ここでブロック肉が解凍されると、スライス時に形崩れし、一定の厚みのスライス片とならなかったり、接合した肉片がばらばらになったりして、作業性が悪く、歩留まりも低くなる。冷凍状態でスライスすることにより、複数の肉塊が接合した状態を維持したまま、効率的に、歩留まり良くスライス片を得ることができる。このスライス片は、複数の肉片から構成され、凍結状態では隣接する肉片同士が辺縁部でほぼ隙間なく接合している状態である(図2参照)。
次に、得られたスライス片を、冷凍状態のまま乾燥処理に付す。乾燥方法や乾燥条件は、スライス片の断面積や厚み等によって適宜設定される。また乾燥方法も特に限定されず、公知の方法を用いることができるが、熱風乾燥が好ましく、さらに乾燥温度を変えて二段階で乾燥させることにより、均一に乾燥させることができ、また良好なテクスチャーのものが得られる。
二段階乾燥において、一次乾燥は、温度55〜65℃の範囲で行うことが好ましく、特に58〜62℃で行うことが好ましい。このように、比較的低温で一次乾燥することにより、表面を硬化させることなく、内部の水分を均一に蒸発させることができる。この範囲よりも高温で乾燥させると部分的に表面硬化が起こり、均一な内部水分の蒸発が妨げられるため、水分含量にバラツキが生じる場合がある。一次乾燥により、水分47〜53質量%(以下、単に「%」で示す)程度まで乾燥させることが好ましい。一次乾燥では、同時に、スライス片に含まれている油分の一部が滲出されて取り除かれる。
二次乾燥は、温度75〜85℃の範囲で行うことが好ましく、特に78〜82℃で行うことが好ましい。この二次乾燥により、最終的に所望の水分にまで乾燥するとともに殺菌される。乾燥温度が90℃を超えると、必要以上に油分が除去され、肉質が硬化して柔軟性を失う場合がある。最終水分は、好ましくは14〜18%である。この水分においては、表5に示すように水分活性値が0.6以下となり、長期の保存が可能となる。
本発明においては、このようにスライス片を冷凍状態で扱うため、スライス片同士が重なっていても、容易に分離することができ、一枚のスライス片を構成する肉片が相互に接合した状態を維持したまま乾燥処理することが可能である。一方、スライス片が解凍状態になると、スライス片同士が重なった場合、これらが密着して分離することが難しく、構成する肉片が分離してしまうため、作業性に劣り、また歩留まりも低下する。また、乾燥後の反りなどが生じやすくなる。これに対し、スライス片が冷凍状態であれば、取り扱いが著しく容易となり、また乾燥後の形状も反りなどがなく良好なものとなる。なお、冷凍状態のスライス片は、ポリエステル製シートあるいはポリフルオロカーボン製シートなど離型シートの上に載置させてから、乾燥機内に入れることが好ましい。このように離型シートを用いると、シート上で解凍が進み、スライス片がよりシートに密着しながら乾燥するため、反り等がなく平坦で良好な形状のものが得られる。
鶏肉ジャーキーの大きさは任意であるが、外観や持ちやすさの観点から縦100mm、横70mm程度が好ましい。またテクスチャーの点から厚さは1〜2mm程度が好ましく、特に1.3〜1.7mm程度が好ましい。また保存性を考慮すると、水分活性は0.6以下とすることが好ましい。さらに、本体部分の引張強度が、200〜1000gfであることが好ましく、400〜700gfがより好ましい。また、固着部分の引っ張り強度は、製品形状を保持する上で100gf以上であることが好ましく、100〜1000gf、より好ましくは、200〜500gfの範囲である。なお、引張強度は、試験例1に記載の方法により測定される値である。
かくして得られた本発明の鶏肉ジャーキーは、複数の鶏肉の肉片から構成され、各肉片が部分的に固着して一体に形成された薄片状のものである。このような形態の鶏肉ジャーキーは、これまで知られておらず、本発明によって初めて得られたものである。構成する肉片同士の接触面は、乾燥前と比較して小さくなっているものの、なお十分な強度をもって固着しており、包装や流通過程で衝撃が加わっても、一体性を維持することができる(図2参照)。そして、構成する各肉片は、結着剤などが含まれておらず、また繊維が破断されるような加工が施されることもなく、鶏肉本来の組織を維持しているため、適度な歯ごたえとともに、柔軟性があり、また適度な水分および油分を含んでいるため、心地よい咀嚼感が感じられる優れたテクスチャーを有するものである。
図1に本発明の鶏肉ジャーキーを工業的に製造する場合のフローの例を示す。原料鶏肉は、肉質や異物混入を検査して受け入れられる。鶏肉は、必要により味付けされ、ポリエチレン製袋を内装したリテイナーに収容してブロック化される。リテイナー収容後は、量目、破損状態を確認する。次いでブロック化された肉は−30℃以下で急速冷凍される。冷凍後リテイナーから取り出す際には、ポリエチレン製袋の破損状態を目視確認し、再度エックス線による硬質異物検査を行う。ポリエチレン製袋に詰められた状態のブロック肉を箱詰めして−20℃以下で冷凍保存する。その後、袋から冷凍ブロック肉を取り出し、冷凍状態のままスライサーにセットしてスライスする。スライス片は冷凍状態を保持したまま乾燥機トレーの離型シート上に載置して熱風乾燥機にセットされ、2段階で乾燥し、常温まで冷却後、包装されて製品となる。
次に実施例等により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例等に何ら制限されるものではない。
実 施 例 1
鶏肉ジャーキーの製造(調味無):
皮や油身を除去したもも肉、ささみ、胸肉の肉塊をそれぞれ1,580g、340g、760gをリテイナーに装着したポリエチレン製の袋に、空気が残らないように密に充填した。リテイナーとして、長径150mmφ、短径100mmφ、高さ300mmの断面が楕円形状で筒状のものを用いた。この鶏の肉塊が充填されたリテイナーを−30℃の冷凍庫にて8時間急速冷凍した。急速冷凍後、リテイナーから袋詰めの状態で冷凍ブロック化した肉を取り出し、−20℃の冷凍庫にて保管した。次いで、袋から冷凍ブロック肉を取り出し、冷凍状態のまま、スライサー(スーパーデラックススライサー WSD−2P&3P、ワタナベフーマック(株)社製)を用いて、厚み2mm、3mmまたは4mmにスライスした。それぞれの厚みのスライス片は、冷凍状態のまま直ちに、乾燥機トレーに載せたポリフルオロカーボン製シート上に載置し、熱風循環乾燥機(エアコンスモークハウス CG型、花木工業(株)社製)に入れた。乾燥機の機内空気温度を60℃に設定し、機内温度が60℃に到達後60分間乾燥し、次いで80℃に設定を上げ、60分間乾燥した。乾燥後、常温まで冷却して鶏肉ジャーキーを得た。
実 施 例 2
鶏肉ジャーキーの製造(調味有):
皮や油身を除去したもも肉、ささみ、胸肉の肉塊をそれぞれ1,610g、320g、710gを調理鍋に投入し、さらに下記組成で配合した調味液を加えて、常温で撹拌しながら、30分間調味した。調味した鶏の肉塊を取り出し、余分な調味液を取り除いた後、リテイナーに装着したポリエチレン製の袋に、空気が残らないように密に充填した。リテイナーとして、長径150mmφ、短径100mmφ、高さ300mmの断面が楕円形状で筒状のものを用いた。この鶏の肉塊が充填されたリテイナーを−30℃の冷凍庫にて8時間急速冷凍した。急速冷凍後、リテイナーから袋詰めの状態冷凍ブロック化した肉を取り出し、−20℃の冷凍庫にて保管した。次いで、袋から冷凍ブロック肉を取り出し、冷凍状態のまま、スライサー(スーパーデラックススライサー WSD−2P&3P、ワタナベフーマック(株)社製)を用いて、厚み2mm、3mmまたは4mmにスライスした。それぞれの厚みのスライス片は、冷凍状態のまま直ちに、乾燥機トレーに載せたポリフルオロカーボン製シート上に載置し、熱風循環乾燥機(エアコンスモークハウス CG型、花木工業(株)社製)に入れた。乾燥機の機内空気温度を60℃に設定し、機内温度が60℃に到達後60分間乾燥し、次いで80℃に設定を上げ、60分間乾燥した。乾燥後、常温まで冷却して鶏肉ジャーキーを得た。
(調味液配合)
ローストビーフシーズニング(日本食研株式会社製) 300g
食塩 55g
トレハロース 20g
黒コショウ 20g
図2は、実施例1および2における乾燥前後のスライス片の写真である。これから明らかなように、乾燥前において、一枚のスライス片には、鶏肉の肉塊からスライスされた肉片が3〜7個接合した状態で含まれている。これらの各肉片は、乾燥後においても接合部分の一部で固着して一体化された状態を維持している。
実 施 例 3
鶏肉ジャーキー粉砕品の製造:
皮や油身を除去したもも肉、胸身、ささみをそれぞれ1560g、720g、340gを調理鍋に投入し、実施例2と同じ調味液を加え、常温で30分間攪拌した。余分な調味液を切り、リテイナーに装着したポリエチレン製袋に充填し、−30℃で急速冷凍した。冷凍完了後、リテイナーからポリエチレン製袋に入った冷凍鶏肉をとりだし、直ちにスライサー(スーパーデラックススライサー WSD−2P&3P、ワタナベフーマック(株)社製)を用いて2mm厚さにスライスした。スライスした肉片を乾燥機トレー載せたポリフルオロカーボン製シート上に載置し、熱風循環乾燥機(エアコンスモークハウス CG型、花木工業(株)社製)に入れた。乾燥機の機内空気温度を60℃に設定し、機内温度が60℃に到達後60分間乾燥し、次いで80℃に設定を上げ、80分間乾燥した。乾燥後、常温まで冷却して鶏肉ジャーキーを得た。この時の水分率は9%であった。得られた鶏肉ジャーキーをポリエチレン袋にいれ圧迫して粉砕した。細かく粉砕された鶏肉はスパゲッティのトッピング材、お茶づけ用として好評であった。
試 験 例 1
引張強度の測定:
実施例1及び実施例2で製造した乾燥後の鶏肉ジャーキーを10mm×10mmの方形にカミソリでカットして供試片とした。鶏肉ジャーキーは、複数の肉片が固着して一体に形成されているが、供試片として、構成する1枚の肉片のみからカットしたもの(本体部分)と固着部分がおよそ中心となるようにして2枚の肉片にわたってカットしたもの(接合部分)とを作製した。SUN REO METERCR-DS((株)サン科学社製)を用いて、引張速度30mm/分での引張強度の最大値を測定した。本体部分については、肉片の繊維方向に対して直角方向に引張った。それぞれn=16とし、上下各2つの値を除外した平均値を求めた。結果を表1に示す。
調味有の厚さ2〜3mmの供試片は、固着部分が本体部分と同等の引張強度を有し、強固に一体化していることが示された。調味有の厚さ4mmおよび調味無の厚さ3mm及び4mmの供試片でも、固着部分の引張強度は、本体部分の1/3以上であり、良好なテクスチャーが得られるとともに、包装工程や流通過程において衝撃が加わっても、一体性を維持し得ることが示された。
試 験 例 2
乾燥時のスライス片の状態が作業性および乾燥後の品質に及ぼす影響:
実施例1と同様にして、鶏肉の肉塊をリテイナー充填、急速冷凍、冷凍保管し、厚み3mmにスライスしてスライス片を得た。得られたスライス片の半分を、冷凍状態のまま、実施例1と同様にして、乾燥機トレーに載せたポリフルオロカーボン製シート上に載置し、熱風循環乾燥機に入れ、2段階乾燥した。一方、残りのスライス片は、解凍してから、同様の操作を行って乾燥させた。
また実施例2と同様にして鶏肉の肉塊を、調味、リテイナー充填、急速冷凍、冷凍保管し、厚み3mmにスライスしてスライス片を得た。得られたスライス片の半分を、冷凍状態のまま、実施例2と同様にして、乾燥機トレーに載せたポリフルオロカーボン製シート上に載置し、熱風循環乾燥機に入れ、2段階乾燥した。一方、残りのスライス片は、解凍してから、同様に操作して乾燥させた。それぞれについて、スライス片をシート上に載置する際の作業性と乾燥後の鶏肉ジャーキーの品質を、以下の基準により評価した。結果を表2に示す。
(作業性の評価基準)
◎:容易にスライス片同士を分離でき、スライス片が一体化しており、手で持っても型崩れがおきない。
○:重なっているスライス片を一枚ずつ分離できるが、肉片が割れることがある。
△:重なっているスライス片を分離しにくい。
×:重なったスライス片を分離しにくく、分離する際、肉片どうしがバラバラになる。
(品質の評価基準)
◎:乾燥した鶏肉ジャーキーの肉片同士が固着して形態を保ち、平坦性がある。また、良好なテクスチャーを示す。
○:一部肉片同士が分離しているが、良好なテクスチャーを示す。
△:形状が不定型で、テクスチャーがよくない。
×:肉片サイズがバラバラで、形状がわるく、商品価値がない。
調味有、無のいずれにおいても、スライス片を解凍してしまうと、形崩れしやすくなるため、乾燥機のトレーにセットする作業性が著しく悪くなる。また解凍したものは、形状やテクスチャーにおいても劣っていた。
試 験 例 3
実施例2において、スライス厚さ3mmの乾燥後の調味した鶏肉ジャーキーの縦長さ、横幅、厚み、構成肉片数を測定した結果を表3に示す。
縦長さ、横幅、厚みはノギスで測定し、縦長さおよび横幅は最大値、平均厚みは5か所の平均値として求めた(単位:mm)。
上記の結果から、縦長さ、横幅は70%程度、厚みは50%程度収縮することが示された。
試 験 例 4
官能試験:
実施例2で得られたスライス厚み2〜4mmの鶏肉ジャーキーについて、20名のパネラーにより、歯ごたえ、噛み切り、総合評価について、3段階で評価した。結果を表4に示す。
この結果から、スライサーでのスライス厚み3mmの鶏肉ジャーキーが多くのパネラーの嗜好に合致することが示された。
試 験 例 5
成分分析および安全性試験:
実施例2で得られた厚み1.45mmの鶏肉ジャーキーについて、栄養分析および安全性試験を行った。栄養成分は25g当たりの量でn=3の平均値として算出した。安全性試験は、一般生菌数、大腸菌群数および水分活性について、それぞれ、標準寒天培養法、EC培養法、並行蒸気圧測定法により測定した。25℃保存30日、60日後の一般生菌数も測定した。結果を表5および6に示す。
試 験 例 6
実施例2で、スライス厚み3mmで製造した乾燥鶏肉ジャーキーを幅15mmの短冊状にカットして、食味試験に供したところ食べやすいとの評価を得た。
本発明の鶏肉ジャーキーは、低カロリー、低脂肪で健康志向の食品として有用である。またこれを適度な大きさに砕けば、お茶づけの素やピザのトッピング材としても利用することができ、また健康志向のペットフードとしても有用である。

Claims (8)

  1. 複数の鶏肉の肉片から構成され、各肉片が部分的に固着して一体に成型されてなる薄片状の鶏肉ジャーキー。
  2. 鶏肉の肉片が、もも肉、ささみ、または胸肉から選ばれる少なくとも一つ以上の部位である請求項1記載の鶏肉ジャーキー。
  3. 鶏肉の肉片が調味付けされている請求項1または2記載の鶏肉ジャーキー。
  4. 下記測定条件による肉片の固着部分の引張強度が少なくとも100gfである請求項1ないし3のいずれかの項記載の鶏肉ジャーキー。
    (引張強度測定条件)
    供試片:2枚の肉片から構成され、10mm×10mmの方形で略中央部に固着部分が位置する。
    引張速度:30mm/分
  5. 厚みが1〜2mmであり、水分率が14〜18%である請求項1ないし4のいずれかの項記載の鶏肉ジャーキー。
  6. 複数の鶏の肉塊をリテイナーに充填した後、冷凍してブロック化し、ブロック化した肉を冷凍状態でスライスし、次いで冷凍状態で乾燥処理に付すことを特徴とする鶏肉ジャーキーの製造方法。
  7. 乾燥が2段階乾燥であって、一次乾燥が55〜65℃、二次乾燥が75〜85℃で行われる請求項6記載の鶏肉ジャーキー製造方法。
  8. 複数の肉塊が、予め調味液と混合して調味されたものである請求項6または7のいずれかの項記載の鶏肉ジャーキーの製造方法。
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