JP2011217302A - 恒温型圧電発振器 - Google Patents

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JP2011217302A JP2010085812A JP2010085812A JP2011217302A JP 2011217302 A JP2011217302 A JP 2011217302A JP 2010085812 A JP2010085812 A JP 2010085812A JP 2010085812 A JP2010085812 A JP 2010085812A JP 2011217302 A JP2011217302 A JP 2011217302A
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Tadanaka Soga
忠央 曽我
Akitoshi Ogino
晶敏 荻野
Yuichi Oinuma
雄一 老沼
Atsushi Matsuoka
淳 松岡
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Abstract

【課題】±5.0×10−10程度の周波数安定度を有すると共に、小型で低消費電力の
恒温型圧電発振器を得る。
【解決手段】恒温型圧電発振器1は、ベース部材25bと、第1のプリント基板22と、
アウターオーブン下ケース部材15bと、第2のプリント基板20と、圧電振動子5と、
第1の温度制御部8と、発振回路部品12と、第2の温度制御部13と、発振回路部品1
2を覆うカバー部材10と、を備えている。更に、ベース部材25bと共にアウターオー
ブン15と、アウターオーブン15用の第3の温度制御部18と、第1のプリント基板2
2と、を収容するケース部材25aと、を備えている。第1の温度制御部は圧電振動子5
を所定の温度に維持し、第2の温度制御部は発振回路部品12を所定の温度に維持し、第
3の温度制御部はアウターオーブン15を所定の温度に維持するように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、恒温槽を備えた恒温型圧電発振器に関する。
移動体通信の基地局や伝送通信機器に用いる周波数制御デバイスである水晶発振器は、
外部の温度変化に影響されることなく高安定な周波数を出力する恒温型圧電発振器が従来
から知られている。しかし、近年、各種機器に対して小型、軽量化が要求されるため、こ
れに即応すべく恒温型圧電発振器も小型、軽量、低消費電力化が必要になっている。
発振周波数が外気温度の変化に影響されない高安定圧電発振が、特許文献1に開示され
ている。図10は二重恒温槽を用いた従来の恒温型圧電発振器100の構成を示す断面図
である。恒温型圧電発振器100は、圧電振動子112、及び発振回路部品113を備え
た発振回路ユニット111と、発振回路ユニット111を収容するインナーオーブン(イ
ンナー下ケース部材115a、インナー上ケース部材115b)115と、インナーオー
ブン15を収容するアウターオーブン(アウター下ケース部材120a、アウター上ケー
ス部材120b)120と、これらを支持するベースプリント基板125と、アウターオ
ーブン120及びベースプリント基板125を覆うための外側金属ケース(下金属ケース
部材130a及び上金属ケース部材130b)130と、を備えている。
インナーオーブン115内にはインナープリント基板116が配置され、圧電振動子1
12、発振回路部品113を支持している。アウターオーブン120内にはアウタープリ
ント基板121が配置され、インナーオーブン115、ヒータ122、ヒータ122の温
度制御回路部品を支持している。ベースプリント基板125は、アウターオーブン120
と、ヒータ126と、ヒータ126の温度制御回路部品を支持している。インナープリン
ト基板116とアウタープリント基板121との間は、接続ピンP1により電気的機械的
に接続され、アウタープリント基板121とベースプリント基板125との間は、接続ピ
ンP2により電気的機械的に接続されている。更に、ベースプリント基板125に上部を
固定されたピンP3は、下金属ケース部材130aに設けた穴を、絶縁材を介して貫通し
ている。
アウターオーブン120を構成するアウター下ケース部材120aと、アウター上ケー
ス部材120bとの接合部は、その全周に亘って樹脂、又は半田等の封止材により気密封
止されている。また、外側金属ケース130を構成する下金属ケース部材130aと、上
金属ケース部材130bとの接合部131は、その全周に亘って樹脂、あるいは半田等の
封止材140により気密封止される。
外側金属ケース130及びアウターオーブン120を気密封止したことにより、外気温
度が変化してもアウターオーブン120の内部温度は一定に保たれるため、高安定の恒温
型圧電発振器が実現できると開示されている。
特許第4270158号公報
しかしながら、特許文献1に開示された恒温型圧電発振器は、アウターオーブン120
の内側にインナーオーブン115を配置し、インナーオーブン115の内部に圧電振動子
、発振回路等の周波数の安定度に敏感な部品を収容した、所謂二重構造の恒温槽を使用し
ている。このため、恒温型圧電発振器の周波数安定度は図れるものの、インナーオーブン
115は圧電振動子、発振回路等の多くの部品を収容するために大きくなり、インナーオ
ーブン115を一定温度に保持するには大きな電力が必要になる。さらに、大きなインナ
ーオーブン115を収容するアウターオーブン120は更に大きくなると共に消費電力も
大きくなり、恒温型圧電発振器の消費電力は、近年の低消費電力化に逆行するという問題
があった。
また、インナーオーブン115が大きくなると恒温型圧電発振器の立ち上がり時間(電
源を入れてから規格の周波数安定度に達するまでの時間)が長くなるという問題もあった

本発明は上記問題を解決するためになされたもので、周波数の安定度に敏感な部品毎に
恒温槽を分散配置し、更にこれらを収容するアウターオーブンを設けることにより、低消
費電力化と立ち上がり時間を短くした恒温型圧電発振器を提供することにある。
本発明は、上記の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の
形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本発明の恒温型圧電発振器は、圧電振動子と、ベース部材と、第1のプリ
ント基板と、第2のプリント基板と、アウターオーブンと、外側ケース部材と、を備えた
恒温型圧電発振器であって、前記第1のプリント基板は前記ベース部材上面から離間した
位置で第1の接続ピンにより接続支持され、前記第2のプリント基板は前記第1のプリン
ト基板の上面から離間した位置で第2の接続ピンにより接続支持され、前記アウターオー
ブンは第2の接続ピンにより接続支持され、前記第2の接続ピンは前記アウターオーブン
の穴に設けた絶縁材を介して前記穴を貫通し、第1の温度制御部は第1の発熱部品と第1
の感温素子と第1の温度制御回路部品とを含み、第2の温度制御部は第2の発熱部品と第
2の感温素子と第2の温度制御回路部品とを含み、第3の温度制御部は第3の発熱部品と
第3の感温素子と第3の温度制御回路部品とを含み、前記圧電振動子は前記第2のプリン
ト基板に離間した位置に支持され、前記第1の発熱部品は前記圧電振動子に隣在して配置
され、カバー部材は前記第2のプリント基板上の発振回路部品を覆い、第2の温度制御部
は前記発振回路部品の温度を制御し、前記アウターオーブンは前記第2のプリント基板と
前記圧電振動子と前記発振部品と前記第1の温度制御部と前記第2の温度制御部とを収納
し、第3の温度制御部は前記アウターオーブンの温度を制御し、前記ベース部材との間で
前記アウターオーブンと前記第1のプリント基板とを収容する外側ケース部材を備えたこ
とをを特徴とする恒温型圧電発振器である。
従来の恒温型圧電発振器では、インナーオーブンの中に圧電振動子と発振回路を収容し
、インナーオーブンをアウターオーブンの中に収容する二重恒温槽方式を用いていたが、
本発明の恒温型圧電発振器では、内部オーブンを圧電振動子の温度を頂点温度(零温度係
数温度)に維持する内部オーブンと、可変容量素子を含む発振回路を一定の温度に維持す
る内部オーブンと、の二つに分け、夫々の内部オーブンを互いに独立して最適温度に制御
する。更に二つの内部オーブンをアウターオーブンに収容することにより、恒温型圧電発
振器の消費電力を低減できると共に、その形状寸法を小型にすることができ、立ち上がり
時間を短くすることができるという効果がる。
[適用例2]本発明の恒温型圧電発振器では、前記第1の温度制御部の設定温度は、前
記圧電振動子の零温度係数の温度に設定され、前記第3の温度制御部の設定温度は、前記
恒温型圧電発振器の使用温度上限プラス略5℃に設定され、前記第2の温度制御部の設定
温度は、前記第1の温度制御部の設定温度と前記第3の温度制御部の設定温度との間に設
定されていることが好ましい。
第1の温度制御部の設定温度を圧電振動子の頂点温度(零温度係数温度)に、第3の温
度制御部の設定温度を使用温度上限プラス略5℃に、第2の温度制御部の設定温度を第1
の温度制御部の設定温度と、第3の温度制御部の設定温度との中間温度に設定することに
より、恒温型圧電発振器の消費電力を最小にすることができるという効果がある。
[適用例3]本発明の恒温型圧電発振器では、前記第2のプリント基板には可変容量素
子が搭載され、前記カバー部材が前記第2のプリント基板上の前記発振回路部品と前記可
変容量素子とを覆い、前記第2の温度制御部が前記発振回路部品と前記可変容量素子の搭
載領域の温度を制御することが好ましい。
第2の温度制御部による温度制御を発振回路部品と可変容量素子の搭載領域に極限する
ことにより、この領域の温度維持に要する消費電力を極小化でき、ひいては恒温型圧電発
振器の消費電力を低減することができるという効果がある。
[適用例4]本発明の恒温型圧電発振器では、第1の発熱部品と第3の発熱部品とがパ
ワートランジスタ、またはヒータ線であることが好ましい。
第1の発熱部品と第3の発熱部品とにパワートランジスタ、又はヒータ線を用いること
により、恒温型圧電発振器を小型化することができると共に、温度リップルの極めて小さ
い微細温度制御ができるという効果がある。
[適用例5]本発明の恒温型圧電発振器では、第1の温度制御部、第2の温度制御部及
び第3の温度制御部の夫々の消費電力量は、第3の温度制御部の消費電力量が第1の温度
制御部の消費電力量より大きく、第1の温度制御部の消費電力量は第2の温度制御部の消
費電力量より大きいことが好ましい。
第1の温度制御部、第2の温度制御部及び第3の温度制御部の夫々の消費電力量は、第
2の温度制御部の消費電力量、第1の温度制御部の消費電力量、第3の温度制御部の消費
電力量の順に大きくすることにより、恒温型圧電発振器の全消費電力量を最小にすること
ができるという効果がある。
[適用例6]本発明の恒温型圧電発振器では、前記第1の接続ピンは前記ベース部材の
穴に設けた絶縁材を介して前記穴を貫通し、前記第1の接続ピンの下端部は前記ベース部
材から突出していることが好ましい。
ベース部材及び外側ケース部材を共に金属製にした場合、ベース部材と第1の接続ピン
との短絡を防止するため、ベース部材に複数の穴を設け、これにハーメチック端子を貫通
させ、半田封止させることにより、ベース部材と外側ケース部材との協働によって形成さ
れる容器を密閉構造とすることができ、恒温型圧電発振器の安定度にも効果がある。
[適用例7]本発明の恒温型圧電発振器では、前記ベース部材は、表面実装用のベース
プリント基板であり、前記第1の接続ピンを支持していることが好ましい。
ベース部材を表面実装用のベースプリント基板を用いて形成することにより、硬化なハ
ーメチック端子の代わりに銅線が使用でき、恒温型圧電発振器の原価低減に効果がある。
本発明に係る恒温型圧電発振器1の構造を示す概略断面図。 従来の恒温型圧電発振器の周囲温度対消費電力を示す図。 本発明の恒温型圧電発振器1の周囲温度対消費電力を示す図。 従来の恒温型圧電発振器と本発明の恒温型圧電発振器1との消費電力を比較する図。 圧電振動子及び発振回路を共に85℃に設定した場合の恒温型圧電発振器1の周波数温度特性を示す図。 インナーオーブンを85℃、アウターオーブンを75℃に設定した場合の従来の恒温型水晶発振器の周波数温度特性を示す図。 圧電振動子を85℃、発振回路を77℃に設定した場合の本発明の恒温型圧電発振器1の周波数温度特性を示す図。 インナーオーブンを77℃、アウターオーブンを75℃に設定した場合の従来の恒温型水晶発振器の周波数温度特性を示す図。 圧電振動子を85℃、発振回路を75℃に設定した場合の本発明の恒温型圧電発振器1の周波数温度特性を示す図。 従来の恒温型水晶発振器の構成を示す断面図。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施
形態に係る恒温型圧電発振器1の構成を示す概略断面図である。恒温型圧電発振器1は、
これを使用する機器のマザーボードへ搭載するためのベース部材25bと、ベース部材2
5b上面から離間した位置でベース部材25bから延びる第1の接続ピンP1により電気
的機械的に接続支持された第1のプリント基板20と、第1のプリント基板20の上面か
ら離間した位置で第1のプリント基板20から延びる第2の接続ピンP2により電気的機
械的に接続支持されたアウターオーブン下ケース部材15bと、アウターオーブン下ケー
ス部材15bに設けた穴を、絶縁材を介して貫通して延びる第2の接続ピンP2により電
気的機械的に接続支持された第2のプリント基板22と、を備えている。
更に、恒温型圧電発振器1は、第2のプリント基板22により熱的な非結合状態で支持
された圧電振動子5と、圧電振動子5の温度を一定温度に制御する第1の温度制御部と、
第2のプリント基板22に搭載された発振回路部品12と、第2のプリント基板22と共
に発振回路部品12を覆うカバー部材10と、カバー部材10の内部の温度を一定温度に
制御する第2の温度制御部と、を備えている。
更に、恒温型圧電発振器1は、アウターオーブン下ケース部材15bとの間で、第2の
プリント基板22及第2のプリント基板22に搭載、支持された前記各構成要素を収容し
封止するアウターオーブン上ケース部材15aと、アウターオーブン下ケース部材15b
とアウターオーブン上ケース部材15aとからなるアウターオーブン15の内部温度を一
定温度に制御する第3の温度制御部と、ベース部材25bとの間でアウターオーブン15
と第1のプリント基板22とを収容し封止するケース部材25aと、を備えた恒温型圧電
発振器である。
第1温度制御部は、圧電振動子5を一定の温度に維持するものであり、第2のプリント
基板20と熱的に非結合状態にある第1の発熱部品6(例えばパワートランジスタ、ヒー
タ等)と、周囲の温度を検出する第1の感温素子7と、所定の一定の温度に制御する機能
を有する第1の温度制御回路部品8と、を含んでいる。
第2の温度制御部は、発振回路部品12加熱用の第2の発熱部品13(例えばパワート
ランジスター等)と、カバー部材10内の温度を検出する第2の感温素子11と、カバー
部材10内を所定の一定の温度に制御する第2の温度制御回路部品14と、を含んでいる

第3の温度制御部は、アウターオーブン15加熱用の第3の発熱部品16(例えばパワ
ートランジスタ、ヒータ等)と、アウターオーブン15の温度を検出する第3の感温素子
17と、アウターオーブン15の温度を所定の一定の温度に制御する第3の温度制御回路
部品18と、を含んでいる。
第2の発熱部品13には発振用、或いは増幅用トランジスター等の自己発熱を用いるこ
とが可能である。
図1に示した実施形態の場合、外側ケース部材25a及びベース部材25b、アウター
オーブン上ケース部材15a及びアウターオーブン下ケース部材15bが共に金属製の例
である。ベース部材25b、アウターオーブン下ケース部材15bには夫々複数の穴を設
け、これらの穴にハーメチック端子等を半田付けして、夫々第1の接続ピンP1及び第2
の接続ピンP2とする。
本発明の恒温型圧電発振器1の組み立ては、ベース部材25b、アウターオーブン下ケ
ース部材15bに所定のハーメチック端子等を半田付けする。次に、第2のプリント基板
22の表面上に第1の温度制御回路部品8、第2の発熱部品11、発振回路部品12、第
2の感温素子13、第2の温度制御回路部品14を搭載した後、第2の発熱部品11、発
振回路部品12、第2の感温素子13、第2の温度制御回路部品14の上部を覆うように
カバー部材10を被せ、第2のプリント基板22に固定する。
次に、第2のプリント基板22の裏面(発振回路部品12が搭載された面の反対側の面
)に圧電振動子5を搭載し、圧電振動子5のカンケースに第1の発熱部品6と第1の感温
素子7とを接着固定し、夫々の端子は第2のプリント基板22に半田付けする。部品が搭
載された第2のプリント基板22に設けた複数の穴にアウターオーブン下ケース部材15
bの第2の接続ピンP2を貫通させて、半田等で接続固定する。アウターオーブン下ケー
ス部材15bにアウターオーブン上ケース部材15aを被せ、アウターオーブン上ケース
部材15aと、アウターオーブン下ケース部材15bとの接合部の全周に亘って樹脂(例
えばエポキシ樹脂)、或いは半田等の封止材により気密封止する。アウターオーブン上ケ
ース部材15aの外側に第3の発熱部品16と第3の感温素子17とを接着固定する。
次に第1のプリント基板20上に第3の温度制御回路部品18を搭載した後、アウター
オーブン15から延出する第2の接続ピンP2と、発熱部品16及び第3の感温素子17
から延出する端子を第1のプリント基板20に接続固定する。
ベース部材25bの第1の接続ピンP1を第1のプリント基板20に設けた穴に貫通さ
せて半田付けする。ベース部材25bに外側ケース部材25aを被せ、外側ケース部材2
5aと、ベース部材25bとの接合部の全周に亘って樹脂(例えばエポキシ樹脂)、或い
は半田等の封止材により気密封止して、恒温型圧電発振器1を完成する。
以上では外側ケース部材25a及びベース部材25bが金属製の例を説明したが、ベー
ス部材25bは、表面実装用のベースプリント基板であってもよい。
圧電振動子5に、例えばSCカット水晶振動子を用いる場合、零温度係数を示す頂点温
度Tpの一例は85℃近傍であり、第1温度制御対象部(圧電振動子5)の設定温度を8
5℃近傍に設定する。一方、恒温型圧電発振器1の使用温度範囲一例は、−30℃〜70
℃であり、第3温度制御対象部(アウターオーブン15)の設定温度の一例は、上限の温
度より略5℃高い75℃程度に設定する。第2温度制御対象部(カバー部材10内部)の
設定温度は、要求される周波数安定度を考慮して、第3温度制御対象部の設定温度75℃
と、第1の温度制御部の設定温度85℃との中間に設定する。
本発明の特徴は、恒温型圧電発振器1の周波数安定度に関係する圧電振動子(第1温度
制御対象部)5の温度と、恒温型圧電発振器1の出力周波数を可変する可変容量素子(バ
リキャップダイオード等)を含む発振回路部品(第2温度制御対象部)12の温度と、を
互いに独立して温度制御し、更に圧電振動子(第1温度制御対象部)5と、発振回路部品
(第2温度制御対象部)12とを収容するアウターオーブン15を設け、消費電力の低減
と小型化を図った恒温型圧電発振器である。
圧電振動子(第1温度制御対象部)5の設定温度は、周波数温度特性の頂点温度(零温
度係数温度)Tpに設定するのが望ましく、発振回路部品(第2温度制御対象部)12の
設定温度は、アウターオーブン(第3温度制御対象部)15よりは高く設定する必要があ
るが、外部温度に対し、カバー部材10内が常に一定温度に維持できればよい。つまり、
圧電振動子(第1温度制御対象部)5の設定温度と、発振回路部品(第2の温度制御部)
12の設定温度とは同一温度である必要はない。このように温度制御対象部を分けて、夫
々に適した温度に制御することにより、消費電力を低減することが可能になる。
本発明の恒温型圧電発振器1の消費電力と、図10に示した従来の恒温型圧電発振器1
00の消費電力とを比較する。図2は、従来の恒温型圧電発振器100のインナーオーブ
ン115の設定温度を、圧電振動子(SCカット水晶振動子)112の頂点温度Tp(零
温度係数温度)である85℃に設定し、アウターオーブン120の設定温度を、使用温度
範囲の上限70℃より5℃高い75℃に設定した場合、夫々オーブンの消費電力を周囲温
度に対しプロットした図である。黒三角▲はインナーオーブン115の消費電力を、白抜
き四角□はアウターオーブン120の消費電力を、黒ひし形◆は全消費電力を、夫々示し
ている。
図3は、図1に示した恒温型圧電発振器1の圧電振動子5(第1温度制御対象部)の設
定温度を、圧電振動子(SCカット水晶振動子)5の頂点温度(零温度係数温度)Tpの
85℃に設定し、アウターオーブン15(第3温度制御対象部)の設定温度を、使用温度
範囲の上限70℃より5℃高い75℃に設定し、発振回路部品(第2の温度制御対象部)
12の設定温度を、75℃と85℃との中間に設定した場合、周囲温度(外部温度)に対
し夫々の消費電力をプロットした図である。黒三角▲は第1温度制御対象部の消費電力を
、×印は第2温度制御対象部の消費電力を、白抜き四角□はアウターオーブン15の消費
電力を、黒ひし形◆は全消費電力を、夫々示している。
図4は、周囲温度に対し、同一周波数安定度(±5×10−10)を有する従来の恒温
型圧電発振器100の消費電力を黒ひし形◆で、本発明の恒温型圧電発振器1の消費電力
を白抜き四角□で示した図である。黒ひし形◆の直線と、白抜き四角□の直線とを比較し
、本発明の恒温型圧電発振器1のように、アウターオーブン15の内側の恒温槽を周波数
安定度に敏感な部分に分け、夫々の部分が周波数安定度に必要とする温度を維持するよう
にした方が、全消費電力が小さくなることが判明した。また、このように内側の恒温槽を
分割した方が、恒温型圧電発振器を小型化する際に自由度が増す。
次に、恒温型圧電発振器1の圧電振動子(第1温度制御対象部)5の温度をその頂点温
度(零温度係数点)Tpの85℃に、アウターオーブン15(第3温度制御対象部)の温
度を75℃に設定し、発振回路部品(第2の温度制御対象部)12の設定温度を変えた場
合に、恒温型圧電発振器1の周波数温度特性がどのように変化するかと測定した。
図5は、発振回路部品(第2の温度制御対象部)12の温度を、圧電振動子(第1温度
制御対象部)5の設定温度と同じ85℃に設定した場合の、恒温型圧電発振器1の周波数
温度特性を示す図である。このとき25℃における全消費電力は4.24Wであった。周
囲温度Taを−30℃〜+70℃の範囲で変化させた場合の恒温型圧電発振器1の周波数
安定度は、±1.4×10−10程度である。
図6は、比較のため図10に示す従来の恒温型圧電発振器100のインナーオーブン1
15の温度を85℃に設定し、アウターオーブン120の温度を75℃に設定した場合の
、従来の恒温型圧電発振器100の周波数温度特性を示す図である。このとき25℃にお
ける全消費電力は5.5Wであった。周囲温度Taを−30℃〜+70℃の範囲で変化さ
せた場合の恒温型圧電発振器100の周波数安定度は、±2.8×10−10程度である
。図5と図6とを比較して25℃における全消費電力は、本発明の恒温型圧電発振器1の
方が、従来の恒温型圧電発振器100に対し、23%程度改善されており、周波数安定度
も優れている。
図7は、恒温型圧電発振器1の発振回路部品(第2の温度制御対象部)12の温度を7
7℃に設定した場合の、恒温型圧電発振器1の周波数温度特性を示す図である。このとき
25℃における消費電力は4.2Wである。周囲温度Taを−30℃〜+70℃の範囲で
変化させた場合の恒温型圧電発振器1の周波数安定度は、±2.9×10−10程度であ
る。
図8は、従来の恒温型圧電発振器100の消費電力を下げるため、インナーオーブン1
15の温度を77℃に設定し、アウターオーブン120の温度を75℃に設定した場合の
、従来の恒温型圧電発振器100の周波数温度特性を示す図である。このとき25℃にお
ける消費電力は5.25Wであった。周囲温度Taを−30℃〜+70℃の範囲で変化さ
せた場合の従来の恒温型圧電発振器100の周波数安定度は、±9.2×10−10程度
である。図7と図8とを比較して電力消費は、本発明の恒温型圧電発振器1の方が、従来
の恒温型圧電発振器100に対し20%程度改善されており、周波数安定度も本発明の恒
温型圧電発振器1の方が大幅に優れていることが分かる。
図9は、本発明の恒温型圧電発振器1の発振回路部品(第2の温度制御対象部)12の
温度を、アウターオーブン15(第3温度制御対象部)の設定温度75℃と同じ75℃に
設定した場合の、恒温型圧電発振器1の周波数温度特性を示す図である。このとき25℃
における全消費電力は4.18Wであった。周囲温度Taを−30℃〜+70℃の範囲で
変化させた場合の恒温型圧電発振器1の周波数安定度は、+3.1×10−10〜−5.
5×10−10程度である。発振回路部品(第2の温度制御対象部)12の設定温度と、
アウターオーブン15(第3温度制御対象部)の温度と、を同一温度としたため、周囲温
度が40℃以上の高温になると、発振回路部品(第2の温度制御対象部)12の温度を微
細に制御できず、温度にリップルが生ずるため周波数温度特性が劣化したものと推測され
る。
従来の恒温型圧電発振器では、インナーオーブンの中に圧電振動子と発振回路を収容し
、インナーオーブンをアウターオーブンの中に収容する二重恒温槽方式を用いていたが、
本発明の恒温型圧電発振器では、内部オーブンを圧電振動子の温度を頂点温度(零温度係
数温度)に維持する内部オーブンと、可変容量素子を含む発振回路を一定の温度に維持す
る内部オーブンと、の二つに分け、夫々の内部オーブンを互いに独立して最適温度に制御
する。更に二つの内部オーブンをアウターオーブンに収容することにより、恒温型圧電発
振器の消費電力を低減できると共に、その形状寸法を小型にすることができ、立ち上がり
時間(電源を入れてから規格の周波数安定度に達するまでの時間)を短くすることができ
るという効果がる。
第1の温度制御部の設定温度を圧電振動子の頂点温度(零温度係数温度)に、第3の温
度制御部の設定温度を使用温度上限プラス略5℃に、第2の温度制御部の設定温度を第1
の温度制御部の設定温度と、第3の温度制御部の設定温度との中間温度に設定することに
より、恒温型圧電発振器の消費電力を最小にすることができるという効果がある。
第2の温度制御部による温度維持対象を発振回路部品と可変容量素子の実装エリアに極
限することにより、この領域の温度維持に要する消費電力を極小化でき、ひいては恒温型
圧電発振器の消費電力を低減することができるという効果がある。
第1の発熱部品と第3の発熱部品とにパワートランジスタ、又はヒータ線を用いること
により、恒温型圧電発振器を小型化することができると共に、温度リップルの極めて小さ
い微細温度制御ができるという効果がある。
第1の温度制御部、第2の温度制御部及び第3の温度制御部の夫々の消費電力量は、第
2の温度制御部の消費電力量、第1の温度制御部の消費電力量、第3の温度制御部の消費
電力量の順に大きくすることにより、恒温型圧電発振器の全消費電力量を最小にすること
ができるという効果がある。
ベース部材及び外側ケース部材を共に金属製にした場合、ベース部材と第1の接続ピン
との短絡を防止するため、ベース部材に複数の穴を設け、これにハーメチック端子を貫通
させ、半田封止させることにより、ベース部材と外側ケース部材との協働によって形成さ
れる容器を密閉構造とすることができ、恒温型圧電発振器の安定度にも効果がある。
ベース部材を表面実装用のベースプリント基板を用いて形成することにより、硬化なハ
ーメチック端子の代わりに銅線が使用でき、恒温型圧電発振器の原価低減に効果がある。
1…恒温型圧電発振器、5…圧電振動子、6…第1の発熱部品、7…第1の感温素子、8
…第1の温度制御回路部品、10…カバー部材、11…第2の発熱部品、12…発振回路
部品、13…第2の感温素子、14…第2の温度制御回路部品、15…アウターオーブン
、15a…アウターオーブン上ケース部材、15b…アウターオーブン下ケース部材、1
6…第3の発熱部品、17…第3の感温素子、18…第3の温度制御回路部品、20…第
1のプリント基板、22…第2のプリント基板、25a…外側ケース部材、25b…ベー
ス部材、P1…第1の接続ピン、P2…第2の接続ピン

Claims (7)

  1. 圧電振動子と、ベース部材と、第1のプリント基板と、第2のプリント基板と、アウタ
    ーオーブンと、外側ケース部材と、を備えた恒温型圧電発振器であって、
    前記第1のプリント基板は前記ベース部材上面から離間した位置で第1の接続ピンによ
    り接続支持され、
    前記第2のプリント基板は前記第1のプリント基板の上面から離間した位置で第2の接
    続ピンにより接続支持され、
    前記アウターオーブンは第2の接続ピンにより接続支持され、
    前記第2の接続ピンは前記アウターオーブンの穴に設けた絶縁材を介して前記穴を貫通
    し、
    第1の温度制御部は第1の発熱部品と第1の感温素子と第1の温度制御回路部品とを含
    み、
    第2の温度制御部は第2の発熱部品と第2の感温素子と第2の温度制御回路部品とを含
    み、
    第3の温度制御部は第3の発熱部品と第3の感温素子と第3の温度制御回路部品とを含
    み、
    前記圧電振動子は前記第2のプリント基板に離間した位置に支持され
    前記第1の発熱部品は前記圧電振動子に隣在して配置され、
    カバー部材は前記第2のプリント基板上の発振回路部品を覆い、
    第2の温度制御部は前記発振回路部品の温度を制御し、
    前記アウターオーブンは前記第2のプリント基板と前記圧電振動子と前記発振部品と前
    記第1の温度制御部と前記第2の温度制御部とを収納し、
    第3の温度制御部は前記アウターオーブンの温度を制御し、
    前記ベース部材との間で前記アウターオーブンと前記第1のプリント基板とを収容する
    外側ケース部材を備えたことを特徴とする恒温型圧電発振器。
  2. 前記第1の温度制御部の設定温度は、前記圧電振動子の零温度係数の温度に設定され、
    前記第3の温度制御部の設定温度は、前記恒温型圧電発振器の使用温度上限プラス略5
    ℃に設定され、
    前記第2の温度制御部の設定温度は、前記第1の温度制御部の設定温度と前記第3の温
    度制御部の設定温度との間に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の恒温型圧
    電発振器。
  3. 前記第2のプリント基板には可変容量素子が搭載され、前記カバー部材が前記第2のプ
    リント基板上の前記発振回路部品と前記可変容量素子とを覆い、
    前記第2の温度制御部が前記発振回路部品と前記可変容量素子の搭載領域の温度を制御
    することを特徴とする請求項1又は2に記載の恒温型圧電発振器。
  4. 第1の発熱部品と第3の発熱部品とがパワートランジスタ、またはヒータ線であること
    を特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の恒温型圧電発振器。
  5. 第1の温度制御部、第2の温度制御部及び第3の温度制御部の夫々の消費電力量は、第
    3の温度制御部の消費電力量が第1の温度制御部の消費電力量より大きく、第1の温度制
    御部の消費電力量は第2の温度制御部の消費電力量より大きいことを特徴とする請求項1
    乃至4の何れか一項に記載の恒温型圧電発振器。
  6. 前記第1の接続ピンは前記ベース部材の穴に設けた絶縁材を介して前記穴を貫通し、前
    記第1の接続ピンの下端部は前記ベース部材から突出していることを特徴とする請求項1
    乃至5の何れか一項に記載の恒温型電発振器。
  7. 前記ベース部材は、表面実装用のベースプリント基板であり、前記第1の接続ピンを支
    持していることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の恒温型圧電発振器。
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