JP2011216352A - 燃料電池及び燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】発電領域R1の平面視における外方に配置され、アノードガスあるいはカソードガスを通過させるガス流路22,32に沿って閉鎖空間50を形成する。このような閉鎖空間50は、セパレータ20,30の材料よりも熱伝導率が低い領域をセパレータ20,30内に形成する。従って、閉鎖空間50は、セル2内部のガス流路22,32に対する断熱部として機能することができる。閉鎖空間50で断熱されることにより、ガス流路22,32内のガスの飽和蒸気圧が高められ、水分の液化を抑制し、フラッディング現象の発生を抑制することができる。更に、閉鎖空間50は、セルの外表面よりも内部に形成されているため、燃料電池全体の大きさが小さくなる。
【選択図】図3
Description
図1は、本発明の第一実施形態に係る燃料電池1の斜視図である。燃料電池1は、アノードガスとしての水素含有ガスおよびカソードガスとしての酸素含有ガスを供給して電力を発生させるものである。水素含有ガスとしては、例えば純水素ガス(通常の除去手法で除去が困難な不純物を含んでもよい)や、炭素および水素を含んでなる化合物を改質して得られる改質ガスが挙げられる。ここで、炭素および水素を含んでなる化合物としては、メタンおよびプロパンなどの炭化水素類、メタノールおよびエタノールなどのアルコール類、ジメチルエーテルなどのエーテル類などが挙げられるが、中でも入手容易性の観点からは、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル、メタン、天然ガス、都市ガス、LPG(液化石油ガス)、ガソリン、ナフサ、灯油、軽油などが好ましい。酸素含有ガスとしては、例えば純酸素ガス(通常の除去手法で除去が困難な不純物を含んでもよい)、酸素富化空気、および空気が挙げられるが、中でも取扱容易性およびコストの観点から空気が好ましい。
カソード側セパレータ30は、導電性を有するカーボン板によって形成されており、複数の溝部31によって、カソードガスが通過するガス流路32が形成されている。溝部31は、MEA10のカソード13との接触面30bに形成されている。従って、ガス流路32は、通過するカソードガスをカソード13に供給することができる。
本発明の第二実施形態に係る燃料電池及びセパレータは、ガス流路に沿って形成される閉鎖空間が、ガス流路の中央より下流側にのみ形成されている点で、第一実施形態に係る燃料電池及びセパレータと主に相違している。図5は、第二実施形態に係るカソード側セパレータ130を積層方向から見た図である。図5に示すように、第二実施形態に係るカソード側セパレータ130の貫通孔143は、両側面30aとガス流路32との間(すなわち非発電領域R2)において、長さ方向における中央位置よりも下端側、すなわちガス流路32の下流側にのみ形成されている。このようなカソード側セパレータ130をセルとして積層したとき、この貫通孔143は、セルの閉鎖空間150を構成する。すなわち、閉鎖空間150は、ガス流路32の中央より下流側にのみ形成され、ガス流路上流側には閉鎖空間が形成されない。ガス流路32の下流側ほどガスの飽和蒸気圧が低下してフラッディング現象が発生し易くなるが、第二実施形態に係る燃料電池及びセパレータによれば、ガス流路32の下流側では閉鎖空間150を形成することによって、フラッディング現象の発生を確実に抑制することができる。一方、フラッディング現象の発生が比較的少ない上流側では、閉鎖空間を形成しないことによって、セパレータの機械的強度を確保することができる。
本発明の第三実施形態に係る燃料電池及びセパレータは、閉鎖空間の平面視における幅がガス流路の上流側から下流側へ向かうほど大きくなる点で、第一実施形態に係る燃料電池及びセパレータと主に相違している。図6は、第三実施形態に係る燃料電池のカソード側セパレータ230を積層方向から見た図である。図6に示すように、第三実施形態に係るカソード側セパレータ230の貫通孔243は、両側面30aとガス流路32との間(すなわち非発電領域R2)において、ガス流路32に沿って形成されている。貫通孔243の長さ方向の大きさは、ガス流路32と同一である。この貫通孔243は、上端側の上辺が下端側の下辺よりも小さくなるような台形状をなしている。従って、幅方向における貫通孔243の幅は、ガス流路32の上流側から下流側へ向かうほど大きくなる。このようなカソード側セパレータ130をセルとして積層したとき、この貫通孔243は、セルの閉鎖空間250を構成する。すなわち、幅方向における閉鎖空間250の大きさは、ガス流路32の上流側から下流側へ向かうほど大きくなる。以上によって、第三実施形態に係る燃料電池及びセパレータによれば、ガス流路32の下流側では閉鎖空間250の幅を大きくすることによって、フラッディング現象の発生を確実に抑制することができる。一方、フラッディング現象の発生が比較的少ない上流側では、閉鎖空間250の幅を狭くすることで、セパレータの機械的強度をより高い状態で維持することができる。
本発明の第四実施形態に係る燃料電池及びセパレータは、閉鎖空間に充填材が充填されている点で、第一実施形態に係る燃料電池及びセパレータと主に相違している。図7は、第四実施形態に係る燃料電池のカソード側セパレータ330を積層方向から見た図である。図7に示すように、第四実施形態に係るカソード側セパレータ330の貫通孔343は、第一実施形態に係るカソード側セパレータ30の貫通孔43と同様な形状を有している。貫通孔343の内部には、セパレータの構成材料であるカーボンよりも熱伝導率が低い材料からなる充填材360が充填されている。充填材360としては、例えばグラスウールや発泡プラスチック系の断熱材等を用いることができる。このようなカソード側セパレータ330をセルとして積層したとき、セルの閉鎖空間には充填材が充填される構成となる。なお、貫通孔に充填材を充填させたセパレータを積層することで燃料電池スタックを形成してもよく、あるいはセパレータを積層させて燃料電池スタックを形成した後に、閉鎖空間に対して充填材を充填してもよい。以上によって、第四実施形態に係る燃料電池及びセパレータによれば、閉鎖空間における断熱効果を確保しつつ、閉鎖空間における機械的強度を高めることができる。
Claims (9)
- 電解質膜および電極を含んでなる膜電極接合体と、前記膜電極接合体の前記電極にカソードガスあるいはアノードガスを供給するための流路を有するセパレータと、によって発電領域が構成されるセルを備える燃料電池であって、
前記セパレータは、平面視において前記発電領域の外方で且つ前記流路に沿って位置する貫通孔あるいは凹部を有しており、
前記貫通孔あるいは前記凹部は、閉鎖空間を構成することを特徴とする、燃料電池。 - 前記発電領域に位置する前記流路は、該発電領域外に位置する前記流路より流路幅が狭いことを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池。
- 前記発電領域に位置する前記流路は、前記カソードガスあるいは前記アノードガスの供給口側から排出口側に向かって延びる複数の溝部を含んでなり、
前記貫通孔あるいは前記凹部は、前記溝部に沿って位置することを特徴とする、請求項1または2に記載の燃料電池。 - 前記貫通孔あるいは前記凹部は、前記発電領域における前記流路を挟むように一対形成されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項記載の燃料電池。
- 前記貫通孔あるいは前記凹部の平面視幅は、前記流路における上流から下流に向かって大きくなることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項記載の燃料電池。
- 前記貫通孔あるいは前記凹部は、前記流路の中央より下流側にのみ位置していることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項記載の燃料電池。
- 前記閉鎖空間の内部圧力は、大気圧より低いことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項記載の燃料電池。
- 前記閉鎖空間には、前記セパレータの構成材料よりも熱伝導率が低い材料を含む充填材が充填されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項記載の燃料電池。
- 請求項1から8のいずれか一項記載の燃料電池を備えることを特徴とする、燃料電池システム。
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