JP2007042515A - 燃料電池スタック - Google Patents
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Abstract
【課題】 供給マニホールドに供給される熱交換媒体の温度変化等により、セル積層体に急激な熱衝撃がかかり、仮に、セパレータの供給マニホールド付近に膨張や収縮が生じても、局部的に面圧が変化することを抑制できる燃料電池スタックを提供する。
【解決手段】 複数の単セル9が積層されてなる第1のセル積層体30と、複数の単セル9が積層されてなる第2のセル積層体40を、単セル9の積層方向に積層してなり、第1のセル積層体30は、これを構成する各々の単セル9に熱交換媒体を供給する第1の供給マニホールド38を有し、第2のセル積層体40は、これを構成する各々の単セル9に熱交換媒体を供給する第2の供給マニホールド48を有し、第1の供給マニホールド38は、単セル9の積層方向視で、第2の供給マニホールド48に対し偏倚した位置に配設されている。
【選択図】 図3
【解決手段】 複数の単セル9が積層されてなる第1のセル積層体30と、複数の単セル9が積層されてなる第2のセル積層体40を、単セル9の積層方向に積層してなり、第1のセル積層体30は、これを構成する各々の単セル9に熱交換媒体を供給する第1の供給マニホールド38を有し、第2のセル積層体40は、これを構成する各々の単セル9に熱交換媒体を供給する第2の供給マニホールド48を有し、第1の供給マニホールド38は、単セル9の積層方向視で、第2の供給マニホールド48に対し偏倚した位置に配設されている。
【選択図】 図3
Description
本発明は、複数の単セルが積層されてなるセル積層体を備えた燃料電池スタックに関する。
従来から、一般的な燃料電池として、電解質層と、一対の電極とからなる膜−電極アッセンブリ(MEA:Membrane Electrode Assembly)と、前記一対の電極を構成する燃料極(アノード)及び酸化剤極(カソード)に、燃料ガス及び酸化ガスをそれぞれ供給するための流体通路を形成するセパレータと、を備えたセルを構成し、このセルを積層してなるセル積層体の当該セルの積層方向両端に、ターミナル、インシュレータ、プレッシャプレート及びエンドプレートを配置してスタックを構成し、スタックをセル積層方向に締め付けて固定したものがある。
このような燃料電池では、電気化学反応によって生じる反応熱による温度上昇を緩和するため、通常、冷媒流路を設けた冷却プレートを燃料電池スタック内に組み込み、当該燃料電池スタックのセル積層方向に貫通し、前記冷媒流路に冷媒を分配・供給する冷媒供給マニホールドと、冷媒流路を流れた後の冷媒を集めて排出する冷媒排出マニホールドとを配設し、前記冷媒流路に冷媒を流すことにより燃料電池内部を冷却している。
このような冷却系を有する燃料電池として、例えば、燃料電池スタックのセル積層方向に、同一直線状に延在する冷媒供給マニホールド及び冷媒排出マニホールドを備えたものがある。(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−151575号公報
特開2004−288509号公報
特開2001−143720号公報
特開平6−103997号公報
しかしながら、特許文献1に記載された燃料電池は、当該燃料電池内の温度に対し温度差が大きい冷媒(熱交換媒体)が供給される等、急激な熱衝撃がかかると、各セパレータの冷媒供給マニホールド付近が局所的に膨張あるいは収縮し、セル積層体全体として、前記冷媒供給マニホールド近傍が局所的にセル積層方向に長くなる、あるいは短くなるという現象が生じる。したがって、セル積層体を一定の荷重にて締結すると、冷媒供給マニホールド付近にかかる面圧が局部的に変化し、セルにかかる面圧を一定にすることが困難である。また、セパレータに歪みが生じやすい。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、供給マニホールドに供給される熱交換媒体の温度変化等により、セル積層体に急激な熱衝撃がかかり、セパレータの供給マニホールド付近に膨張や収縮が生じたとしても、局部的に面圧が変化することを抑制することが可能な燃料電池スタックを提供することを目的とする。
この目的を達成するため、本発明は、複数の単セルが積層されてなる第1のセル積層体と、複数の単セルが積層されてなる第2のセル積層体とを、当該単セルの積層方向に積層してなる燃料電池スタックであって、前記第1のセル積層体は、これを構成する各々の単セルに熱交換媒体を供給する第1の供給マニホールドを有し、前記第2のセル積層体は、これを構成する各々の単セルに熱交換媒体を供給する第2の供給マニホールドを有し、前記第1の供給マニホールドは、前記単セルの積層方向視で、前記第2の供給マニホールドに対し偏倚した位置に配設されてなる燃料電池スタックを提供するものである。
この構成を備えた燃料電池スタックは、仮に、燃料電池スタック内の温度と温度差が大きい熱交換媒体が、第1の供給マニホールド及び第2の供給マニホールドに供給されて急激な熱衝撃がかり、第1のセル積層体(特に、セパレータ)の第1の供給マニホールド付近及び第2のセル積層体(特に、セパレータ)の第2の供給マニホールド付近が膨張または収縮したとしても、前記第1の供給マニホールドと、前記第2の供給マニホールドが、単セルの積層方向視で偏倚した位置(オフレットされた位置、すなわち両者が同一直線上に無く、重ならずにずれた位置)に配設されているため、燃料電池スタック全体で見ると、前記膨張または収縮する位置が分散されることになる。したがって、局部的に面圧が変化することを抑制することができる。
また、本発明にかかる燃料電池スタックは、前記第1のセル積層体と、前記第2のセル積層体との間に、前記第1の供給マニホールドと、前記第2の供給マニホールドとを連通する供給マニホールド連通路を配設した構成とすることもできる。この構成の場合、前記供給マニホールド連通路を画定する壁面には、断熱部材を配設することもできる。
また、本発明にかかる燃料電池スタックは、前記第1のセル積層体は、前記第1の供給マニホールドから供給された熱交換媒体を排出する第1の排出マニホールドを有し、前記第2のセル積層体は、前記第2の供給マニホールドから供給された熱交換媒体を排出する第2の排出マニホールドを有し、前記第1の排出マニホールドは、前記単セルの積層方向視で、前記第2の排出マニホールドに対し偏倚した位置に配設することもできる。このように構成することで、前記膨張または収縮する位置が、さらに分散されることになり、局部的に面圧が変化することを一層抑制することができる。
そしてまた、本発明にかかる燃料電池スタックは、前記第1のセル積層体と、前記第2のセル積層体との間に、前記第1の排出マニホールドと、前記第2の排出マニホールドとを連通する排出マニホールド連通路を配設することもできる。この構成の場合、前記排出マニホールド連通路を画定する壁面に、断熱部材を配設することもできる。
また、前記第1の供給マニホールドは、前記単セルの積層方向視で、前記第2の排出マニホールドと略同一線上に配設されていてもよい。このように構成することで、前記利点に加え、単セルの積層状態をさらに安定させることができる。
そしてまた、前記第2の供給マニホールドは、前記単セルの積層方向視で、前記第1の排出マニホールドと略同一線上に配設されていてもよい。このように構成することで、前記利点に加え、単セルの積層状態をさらに安定させることができる。
さらにまた、前記供給マニホールド連通路及び排出マニホールド連通路は、前記第1のセル積層体と第2のセル積層体との間に配設される連結体に形成された連通孔によって形成することもできる。このように構成することで、前記利点に加え、前記供給マニホールド連通路及び排出マニホールド連通路にかかるセル積層方向の負荷を低減させることができると共に、供給マニホールド連通路及び排出マニホールド連通路の配設位置を安定させることができる。
この連結体は、前記第1のセル積層体と第2のセル積層体の間に配設された際に、当該第1のセル積層体及び第2のセル積層体の外周面に対し略面一となる外周面を備えていることが好ましい。
本発明にかかる燃料電池スタックは、第1の供給マニホールドと、前記第2の供給マニホールドが、単セルの積層方向視で偏倚した位置に配設されているため、仮に、燃料電池スタック内の温度と温度差が大きい熱交換媒体が、第1の供給マニホールド及び第2の供給マニホールドに供給されて急激な熱衝撃がかり、第1のセル積層体の第1の供給マニホールド付近及び第2のセル積層体の第2の供給マニホールド付近が膨張または収縮したとしても、前記燃料電池スタック全体で見ると、前記膨張または収縮する位置を分散させることができる。この結果、局部的に面圧が変化することを抑制することができると共に、セパレータに歪みが生じることを防止することができる。
次に、本発明の好適な実施の形態にかかる燃料電池スタックについて、図面を参照して説明する。なお、以下に記載される実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施の形態にのみ限定するものではない。したがって、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施することができる。
図1は、本発明の実施の形態にかかる燃料電池スタックの外観を示す図、図2は、図1に示す燃料電池スタックの単セルを示す断面図、図3は、図1に示す燃料電池スタックの内部を透視した状態を模式的に示す側面図、図4は、図1に示す燃料電池スタックのマニホールドの位置関係を模式的に示す斜視図である。
図1〜図4に示すように、本実施の形態にかかる燃料電池スタック1は、電解質膜11と、この電解質膜11の一面に配置されたアノード電極12(燃料極)と、電解質膜11の他面に配置されたカソード電極13(空気極)とからなるMEA10を備えている。このMEA10のアノード電極12側には、セパレータ14が配設され、カソード電極13側には、セパレータ15が配設されている。そして、このMEA10とセパレータ14及び15によって単セル9を構成し、この単セル9を複数枚積層して形成された第1のセル積層体30(図3及び図4参照)と、第1のセル積層体30と同様の構成を備えた第2のセル積層体40(図3及び図4参照)と、を備えている。
さらに、第1のセル積層体30と、第2のセル積層体40との間には、連結体50(図3及び図4参照)が配設され、この第1のセル積層体30、連結体50及び第2のセル積層体40が積層されたセル積層方向一端(図3でいう左端)に、ターミナル20、インシュレータ21及びエンドプレート22をそれぞれ配置している。また、セル積層方向の他端(図3でいう右端)には、ターミナル20、インシュレータ21及びエンドプレート22を配設し、さらにエンドプレート22の内側(インシュレータ21側)に、プレッシャプレート32(図3参照)が設けられ、プレッシャプレート32とエンドプレート22との間には、スタック締め付け荷重の変動を吸収するばね機構(例えば、皿ばね機構等)33(図3参照)が設けられている。
そして、これらの部材をセル積層方向に締め付けて、その外側でセル積層方向に延びる締結部材24(例えば、テンションプレート、スルーボルト等)とボルト25またはナットで固定し、燃料電池スタック1を構成している。
電解質膜11は、燃料ガス(水素を含むガス)から供給された水素イオンをアノード電極12からカソード電極13に移動させる役割を果たしている。
アノード電極12及びカソード電極13は、例えば、触媒層及び拡散層から構成されている。触媒層は、電解質膜11に接して配置され、例えば、炭素粒子と、固体電解質と、当該炭素粒子に担持された触媒とを備えて構成されている。前記触媒としては、例えば、白金または白金合金等が好適に用いられている。燃料ガスから供給された水素が触媒層に達すると、触媒の表面で水素分子は活性な2個の水素原子に変わる。触媒表面ではさらに酸化反応が進行して、2個の水素イオンと2個の電子が放出されるが、水素イオンは、前述した電解質膜11中に浸入する。この触媒層では、前記触媒と固体電解質との配合割合を変化させることで、触媒利用効率の低下を抑えて電池性能を向上させている。
また、拡散層は、流体を通過させる機能と、触媒層及びセパレータを導通させる機能とを有する導電体である。具体的には、拡散層は、セパレータの流体流路から供給される反応ガス(燃料ガス、酸化ガス)を触媒層側へ移動させるための透水性を備えている。
セパレータ14及び15は、単セル9同士を区切る境界であり、隣の単セル9との間でアノード電極12とカソード電極13とが接触して単セル9同士が短絡しないようにする役割を果たすと同時に、隣り合う単セル9間の電気的コネクタの役割を果たしている。このセパレータ14及び15は、電子伝導性が高いと共に、耐食性に優れており、且つガス雰囲気において金属イオンを放出しないという特徴を有している。これらの条件を満足する材料として、例えば、カーボンや金属や導電性樹脂が使われる。
このセパレータ14のアノード電極12側には、図示しない燃料ガス供給マニホールドから供給された燃料ガスを流通させ、この燃料ガスをアノード電極12に供給する複数の溝状の燃料ガス流路14A(図2参照)が形成されている。また、セパレータ14の燃料ガス流路14Aが形成されている面とは反対側の面には、後に詳述する第1の供給マニホールド38及び第1の排出マニホールド39に連通し、第1の供給マニホールド38から供給された熱交換媒体を流通させる複数の溝状の熱交換媒体流路14B(図2参照)が形成されている。なお、燃料ガス流路14Aと熱交換媒体流路14Bは、互いに略直交するように形成されている。
一方、セパレータ15のカソード電極13側には、図示しない酸化ガス供給マニホールドから供給された酸化ガス(例えば、空気)を流通させ、この酸化ガスをカソード電極13に供給する複数の溝状の酸化ガス流路15A(図2参照)が形成されている。また、セパレータ15の酸化ガス流路15Aが形成されている面とは反対側の面には、後に詳述する第2の供給マニホールド48及び第2の排出マニホールド49に連通し、熱交換媒体を流通させる複数の溝状の熱交換媒体流路15B(図2参照)が形成されている。なお、酸化ガス流路15Aと熱交換媒体流路15Bは、互いに略直交するように形成されている。
第1のセル積層体30内には、第1のセル積層体30の構成要素であるセパレータ14及び15の熱交換媒体流路14B及び15Bに、熱交換媒体を供給する第1の供給マニホールド38と、熱交換媒体流路14B及び15Bを流通した熱交換媒体を排出する第1の排出マニホールド39が、互いに離れた位置(本実施の形態では、対角線上)に形成されている。
また、第2のセル積層体40内には、第2のセル積層体40の構成要素であるセパレータ14及び15の熱交換媒体流路14B及び15Bに、熱交換媒体を供給する第2の供給マニホールド48と、熱交換媒体流路14B及び15Bを流通した熱交換媒体を排出する第2の排出マニホールド49が、互いに離れた位置(本実施の形態では、対角線上)に形成されている。
第2の供給マニホールド48は、単セル9の積層方向から見て、第1の供給マニホールド38に対し偏倚した位置に配設されている。即ち、第2の供給マニホールド48は、単セル9の積層方向から見て、第1の排出マニホールド39が形成されている領域(第1の排出マニホールド39と略同一線上)に形成されている。また、第2の排出マニホールド49は、単セル9の積層方向から見て、第1の排出マニホールド39に対し偏倚した位置に配設されている。即ち、第2の排出マニホールド49は、単セル9の積層方向から見て、第1の供給マニホールド38が形成されている領域(第1の供給マニホールド38と略同一線上)に形成されている。
第1の供給マニホールド38及び第1の排出マニホールド39の上流側端部(図3でいう左側端部)は、エンドプレート22をそれぞれ貫通し、第1の供給マニホールド38の上流側端は、図示しない熱交換媒体供給源に接続され、第1の排出マニホールド39の上流側端は、図示しない熱交換媒体排出口に接続されている。
一方、第1の供給マニホールド38の下流端(図3でいう右側端)は、連結体50に形成された供給マニホールド連通路51を介して第2の供給マニホールド48の上流端(図3でいう左側端)に接続されている。また、第2の排出マニホールド49の下流端(図3でいう左側端)は、連結体50に形成された排出マニホールド連通路52を介して第1の排出マニホールド39の上流端(図3でいう右側端)に接続されている。
なお、連結体50は、図3及び図4に示すように、第1のセル積層体30及び第2のセル積層体40の外周面に対し、略面一となる外周面を備えた、略長方体から構成されている。また、供給マニホールド連通路51及び排出マニホールド連通路52は、連結体50に開口された穴から形成されているが、これらの穴を画定する壁面には、断熱部材を配設してもよい。
ここで、前述したように、第1の供給マニホールド38と第2の排出マニホールド49は、単セル9の積層方向から見て、同一線上に配置されており、第1の排出マニホールド39と第2の供給マニホールド48は、単セル9の積層方向から見て、同一線上に配置されているため、連結体50に形成されている供給マニホールド連通路51と、排出マニホールド連通路52は、交差して配設されることになるが、互いに干渉しない位置に配設されている。
次に、本実施の形態にかかる燃料電池スタック1の具体的動作について説明する。
先ず、燃料電池スタック1を備えた燃料電池を運転させると、燃料ガス供給源(図示せず)から供給される燃料ガスが、燃料ガス供給マニホールド(図示せず)を介して、各々のセパレータ14に形成されている燃料ガス流路14Aに供給され、酸化ガス供給源(図示せず)から供給される酸化ガスが、酸化ガス供給マニホールド(図示せず)を介して、各々のセパレータ15に形成されている酸化ガス流路15Aに供給され、燃料電池スタック1において電気化学反応を開始すると、
アノード電極12(燃料極)側では、 H2→2H++2e-
カソード電極13(空気極)側では、 (1/2)O2+2H++2e-→H2O
燃料電池全体としては、 H2+(1/2)O2→H2O
の反応が起こる。
アノード電極12(燃料極)側では、 H2→2H++2e-
カソード電極13(空気極)側では、 (1/2)O2+2H++2e-→H2O
燃料電池全体としては、 H2+(1/2)O2→H2O
の反応が起こる。
また、第1の供給マニホールド38には、前記電気化学反応によって生じる反応熱による温度上昇を緩和するため、図示しない熱交換媒体供給源から熱交換媒体(例えば、冷媒)が供給される。この熱交換媒体は、先ず、第1の供給マニホールド38を流通し、供給マニホールド連通路51を通過して、第2の供給マニホールド48に至る。第1の供給マニホールド38に供給された熱交換媒体は、第1のセル積層体30の構成要素であるセパレータ14及び15に形成された熱交換媒体流路14B及び15Bを流通し、各々の単セル9を冷却した後、第1の排出マニホールド39に到達し、ここから外部に排出される。
一方、第2の供給マニホールド48に供給された熱交換媒体は、第2のセル積層体40の構成要素であるセパレータ14及び15に形成された熱交換媒体流路14B及び15Bを流通し、各々の単セル9を冷却した後、第2の排出マニホールド49に到達した後、排出マニホールド連通路52を経て第1の排出マニホールド39に到達し、ここから外部に排出される。
この燃料電池スタック1を備えた燃料電池の運転中に、仮に、燃料電池スタック1内の温度よりも温度差が大きい高温の熱交換媒体が、第1の供給マニホールド38及び第2の供給マニホールド48に供給され、急激な熱衝撃がかかった場合、第1のセル積層体30のセパレータ14及び15における第1の供給マニホールド38付近、及び第2のセル積層体40のセパレータ14及び15における第2の供給マニホールド48付近が膨張するという現象が生じることがある。このように、仮に、セパレータ14及び15が局部的に膨張したとしても、第1の供給マニホールド38と、第2の供給マニホールド48が、単セル9の積層方向から見て、偏倚した位置に配設されているため、燃料電池スタック1全体で見ると、膨張する位置が一箇所に集中せずに分散される(本実施の形態の場合は、2箇所に分散され、膨張した厚さ方向の長さが、通常の1/2となる)ことになる。したがって、局部的に面圧が変化することを抑制することができる。
次に、本実施の形態にかかる燃料電池スタック1と、従来の燃料電池スタックについて、膨張によるスタックの変位を、以下の方法で調査した。
先ず、本実施の形態にかかる燃料電池スタック1(発明品)の第2の供給マニホールド48のターミナル20寄り端部(図3でいう右端)に、変位計を取り付けた。
次に、比較として、単セルの積層方向に一直線上に形成された供給マニホールド及び排出マニホールドを有する以外は、本実施の形態と同様の条件で製造された従来の燃料電池スタック(従来品)を用意し、この従来品の供給マニホールドの端部に変位計を取り付けた。なお、供給マニホールドの長さは、第1の供給マニホールド38及び第2の供給マニホールド48の長さの合計長さとし、排出マニホールドの長さは、第1の排出マニホールド39及び第2の排出マニホールド49の長の合計長とした。
次に、本発明の実施の形態にかかる燃料電池スタック1(発明品)と、従来の燃料電池スタック(従来品)について、供給される熱交換媒体の温度と、スタック変位と、時間との関係を測定した。この結果を図5に示す。
図5から、本発明の実施の形態にかかる燃料電池スタック1は、従来品に比べ、スタック変位が、約1/2となっていることが確認された。
なお、本実施の形態では、第1のセル積層体30と、第2のセル積層体40との間に連結体50を配設した場合について説明したが、これに限らず、さらに連結体50を介して第3のセル積層体を積層してもよい。この場合、第3のセル積層体には、単セル9の積層方向から見て、第1の供給マニホールド38及び第2の供給マニホールド48に対し偏倚する位置に、第3の供給マニホールドを形成すればよい。
具体的には、例えば、セル面が略四角形の場合、第1の角部付近に第1の供給マニホールド38を配設し、第2の角部付近に第2の供給マニホールド48を配設し、第3の角部付近に第3の供給マニホールドを配設することで、さらにスタック変位を減少(約1/3に減少)させることができる。また、第4のセル積層体を、連結体50を介して前記と同様に積層してもよく、この場合は、前記セル面の第4の角部付近に第4の供給マニホールドを配設すればよい。
また、本実施の形態では、第1の供給マニホールド38と第2の排出マニホールド49を、単セル9の積層方向から見て、同一線上に配置し、第1の排出マニホールド39と第2の供給マニホールド48を、単セル9の積層方向から見て、同一線上に配置した場合について説明したが、これに限らず、第1の供給マニホールド38と第2の供給マニホールド48とが、単セル9の積層方向から見て、互いに偏倚した位置(重ならない位置)に形成されていればよい。
さらにまた、本実施の形態では、第1のセル積層体30と、第2のセル積層体40との間に連結体50を配設し、この連結体50に形成された供給マニホールド連通路51によって、第1の供給マニホールド38と第2の供給マニホールド48を接続し、排出マニホールド連通路52によって、第1の排出マニホールド39と第2の排出マニホールド49とを接続した場合について説明したが、これに限らず、単セル9の積層方向から見て、偏倚した位置に配置された第1の供給マニホールド38と第2の供給マニホールド48とを接続可能であり、第1の排出マニホールド39と第2の排出マニホールド49とを接続可能であれば、他の構成を備えていてもよい。
前記他の構成としては、例えば、連結体50をフレーム(枠体)等から構成してもよい。この場合、例えば、第1の供給マニホールド38と第2の供給マニホールド48との間にパイプを接続し、第1の排出マニホールド39と第2の排出マニホールド49との間にパイプを接続し、供給マニホールド連通路51及び排出マニホールド連通路52を前記パイプの中空部分から構成し、前記フレームによって、前記パイプにかかる外力を緩和させる構成とすることができる。
また、第1の供給マニホールド38と第2の供給マニホールド48とを連通させずに、各々の供給マニホールドに熱交換媒体を個別に流通させてもよい。さらに、第1の排出マニホールド39と第2の排出マニホールド49とを連通させずに、各々の排出マニホールドから熱交換媒体を個別に排出させてもよい。
そしてまた、燃料電池スタック1は、例えば、2列並列に水平に配置されてもよい。この場合は、両端に配設されたエンドプレート22は、2列の燃料電池スタック1に対して共用してもよい。また、3列以上を並列に水平に配置してもよい。
さらにまた、本実施の形態では、燃料電池スタック1内の温度よりも温度差が大きい高温の熱交換媒体により、急激な熱衝撃がかかり、セパレータ14及び15における第1の供給マニホールド38付近、及び第2のセル積層体40のセパレータ14及び15における第2の供給マニホールド48付近が膨張した場合について説明したが、これに限らず、本発明は、燃料電池スタック1内の温度よりも温度差が大きい低温の熱交換媒体により、急激な熱衝撃がかかり、前記各部位が収縮した場合にも好適に適用できることは勿論である。
1…燃料電池スタック、9…単セル、14、15…セパレータ、30…第1の節積層体、40…第2のセル積層体、38…第1の供給マニホールド、39…第1の排出マニホールド、48…第2の供給マニホールド、49…第2の排出マニホールド、50…連結体、51…供給マニホールド連通路、52…排出マニホールド連通路
Claims (10)
- 複数の単セルが積層されてなる第1のセル積層体と、複数の単セルが積層されてなる第2のセル積層体とを、当該単セルの積層方向に積層してなる燃料電池スタックであって、
前記第1のセル積層体は、これを構成する各々の単セルに熱交換媒体を供給する第1の供給マニホールドを有し、
前記第2のセル積層体は、これを構成する各々の単セルに熱交換媒体を供給する第2の供給マニホールドを有し、
前記第1の供給マニホールドは、前記単セルの積層方向視で、前記第2の供給マニホールドに対し偏倚した位置に配設されてなる燃料電池スタック。 - 前記第1のセル積層体と、前記第2のセル積層体との間に、前記第1の供給マニホールドと、前記第2の供給マニホールドとを連通する供給マニホールド連通路が配設されてなる請求項1記載の燃料電池スタック。
- 前記供給マニホールド連通路を画定する壁面に、断熱部材を配設してなる請求項2記載の燃料電池スタック。
- 前記第1のセル積層体は、前記第1の供給マニホールドから供給された熱交換媒体を排出する第1の排出マニホールドを有し、
前記第2のセル積層体は、前記第2の供給マニホールドから供給された熱交換媒体を排出する第2の排出マニホールドを有し、
前記第1の排出マニホールドは、前記単セルの積層方向視で、前記第2の排出マニホールドに対し偏倚した位置に配設されてなる請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の燃料電池スタック。 - 前記第1のセル積層体と、前記第2のセル積層体との間に、前記第1の排出マニホールドと、前記第2の排出マニホールドとを連通する排出マニホールド連通路が配設されてなる請求項4記載の燃料電池スタック。
- 前記排出マニホールド連通路を画定する壁面に、断熱部材を配設してなる請求項5記載の燃料電池スタック。
- 前記第1の供給マニホールドは、前記単セルの積層方向視で、前記第2の排出マニホールドと略同一線上に配設されてなる請求項4ないし請求項6のいずれか一項に記載の燃料電池スタック。
- 前記第2の供給マニホールドは、前記単セルの積層方向視で、前記第1の排出マニホールドと略同一線上に配設されてなる請求項4ないし請求項7のいずれか一項に記載の燃料電池スタック。
- 前記供給マニホールド連通路及び排出マニホールド連通路は、前記第1のセル積層体と第2のセル積層体との間に配設される連結体に形成された連通孔によって形成されてなる請求項5ないし請求項8のいずれか一項に記載の燃料電池スタック。
- 前記連結体は、前記第1のセル積層体と第2のセル積層体の間に配設された際に、当該第1のセル積層体及び第2のセル積層体の外周面に対し略面一となる外周面を備えてなる請求項9記載の燃料電池スタック。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2005227230A JP2007042515A (ja) | 2005-08-04 | 2005-08-04 | 燃料電池スタック |
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JP2005227230A JP2007042515A (ja) | 2005-08-04 | 2005-08-04 | 燃料電池スタック |
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JP2007042515A true JP2007042515A (ja) | 2007-02-15 |
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ID=37800303
Family Applications (1)
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JP (1) | JP2007042515A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012209068A (ja) * | 2011-03-29 | 2012-10-25 | Kansai Electric Power Co Inc:The | 固体酸化物形燃料電池スタック |
CN110828876A (zh) * | 2019-11-27 | 2020-02-21 | 广西玉柴机器股份有限公司 | 用于燃料电池堆的浮点支撑固定装置 |
WO2020060048A1 (ko) * | 2018-09-18 | 2020-03-26 | 주식회사 엘지화학 | 전지 모듈 |
-
2005
- 2005-08-04 JP JP2005227230A patent/JP2007042515A/ja active Pending
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