JP2011215572A - 着色感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]着色剤、樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤及び溶剤を含み、着色剤が、式(1)で表される化合物を含む着色剤である着色感光性樹脂組成物。
[式(1)中、R1〜R18は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基、ニトロ基、−SO2R29又は−SO2R32を表す。
R29は、−OH又は−NHR30を表す。
R30は、水素原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいシクロヘキシル基、−R31−O−R32、−R31−CO−O−R32、−R31−O−CO−R32、又は炭素数7〜10のアラルキル基を表す。
R31は、炭素数1〜8の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
R32は、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基を表す。
R19及びR20は、互いに独立に、水素原子、メチル基、エチル基又はアミノ基を表す。
M1は、Cr又はCoを表す。
R21〜R24は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、−OR32、スルホ基、−SO3Na、−SO3K又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
R25及びR26は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
R27は、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基又はプロパン−1,2−ジイル基を表す。
R28は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
nは、1〜4の整数を表す。nが2以上の整数である場合、複数のR27は互いに同一であっても異なっていてもよい。]
[3]顔料が、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド242及びC.I.ピグメントレッド254からなる群より選ばれる少なくとも1種である[2]記載の着色感光性樹脂組成物。
[4]樹脂が、炭素数2〜4の環状エーテル及びエチレン性不飽和二重結合を有する単量体に由来する構造単位、並びに不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位を有する共重合体を含む樹脂である[1]〜[3]のいずれか記載の着色感光性樹脂組成物。
[5][1]〜[4]のいずれか記載の着色感光性樹脂組成物を用いて形成される着色パターン。
[6][5]記載の着色パターンを含むカラーフィルタ。
[式(2)中、R1〜R18は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基、ニトロ基、−SO2R29又は−SO2R32を表す。
R29は、−OH又は−NHR30を表す。
R30は、水素原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいシクロヘキシル基、−R31−O−R32、−R31−CO−O−R32、−R31−O−CO−R32、又は炭素数7〜10のアラルキル基を表す。
R31は、炭素数1〜8の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
R32は、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基を表す。
R19及びR20は、互いに独立に、水素原子、メチル基、エチル基又はアミノ基を表す。
M1は、Cr又はCoを表す。
R21〜R24は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、−OR32、スルホ基、−SO3Na、−SO3K又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
R25及びR26は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。]
[9]R1〜R18のうち少なくとも1つがニトロ基である[7]又は[8]記載の化合物。
化合物(1)は、クロム錯アニオン又はコバルト錯アニオンとキサンテン化合物に由来するカチオンとの塩である。
R29は、−OH又は−NHR30を表す。
R30は、水素原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいシクロヘキシル基、−R31−O−R32、−R31−CO−O−R32、−R31−O−CO−R32、又は炭素数7〜10のアラルキル基を表す。
R31は、炭素数1〜8の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
R32は、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基を表す。
R19及びR20は、互いに独立に、水素原子、メチル基、エチル基又はアミノ基を表す。
M1は、Cr又はCoを表す。
R21〜R24は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、−OR32、スルホ基、−SO3Na、−SO3K又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
R25及びR26は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
R27は、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基又はプロパン−1,2−ジイル基を表す。
R28は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
nは、1〜4の整数を表す。nが2以上の整数である場合、複数のR27は互いに同一であっても異なっていてもよい。]
N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N−プロピルスルファモイル基、N−イソプロピルスルファモイル基、N−ブチルスルファモイル基、N−イソブチルスルファモイル基、N−sec−ブチルスルファモイル基、N−tert−ブチルスルファモイル基、N−ペンチルスルファモイル基、N−(1−エチルプロピル)スルファモイル基、N−(1,1−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(1,2−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(2,2−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(1−メチルブチル)スルファモイル基、N−(2−メチルブチル)スルファモイル基、N−(3−メチルブチル)スルファモイル基、N−シクロペンチルスルファモイル基、N−ヘキシルスルファモイル基、N−(1,3−ジメチルブチル)スルファモイル基、N−(3,3−ジメチルブチル)スルファモイル基、N−ヘプチルスルファモイル基、N−(1−メチルヘキシル)スルファモイル基、N−(1,4−ジメチルペンチル)スルファモイル基、N−オクチルスルファモイル基、N−(2−エチルヘキシル)スルファモイル基、N−(1,5−ジメチル)ヘキシルスルファモイル基、N−(1,1,2,2−テトラメチルブチル)スルファモイル基、N−アリルスルファモイル基等の脂肪族炭化水素基で置換されたスルファモイル基;
N−(メトキシカルボニルメチル)スルファモイル基、N−(メトキシカルボニルエチル)スルファモイル基、N−(エトキシカルボニルメチル)スルファモイル基、N−(エトキシカルボニルエチル)スルファモイル基、N−(プロポキシカルボニルメチル)スルファモイル基、N−(プロポキシカルボニルエチル)スルファモイル基、N−(ブトキシカルボニルメチル)スルファモイル基、N−(ブトキシカルボニルエチル)スルファモイル基等の−R31−CO−O−R32で置換されたスルファモイル基;
N−(アセチルオキシメチル)スルファモイル基、N−(アセチルオキシエチル)スルファモイル基、N−(エチルカルボニルオキシメチル)スルファモイル基、N−(エチルカルボニルオキシエチル)スルファモイル基、N−(プロピルカルボニルオキシメチル)スルファモイル基、N−(プロピルカルボニルオキシエチル)スルファモイル基、N−(ブチルカルボニルオキシメチル)スルファモイル基、N−(ブチルカルボニルオキシエチル)スルファモイル基等の−R31−O−CO−R32で置換されたスルファモイル基;
N−ベンジルスルファモイル基、N−(1−フェニルエチル)スルファモイル基、N−(2−フェニルエチル)スルファモイル基、N−(3−フェニルプロピル)スルファモイル基、N−(4−フェニルブチル)スルファモイル基、N−[2−(2−ナフチル)エチル]スルファモイル基、N−[2−(4−メチルフェニル)エチル]スルファモイル基、N−(3−フェニル−1−プロピル)スルファモイル基、N−(3−フェニル−1−メチルプロピル)スルファモイル基等のアラルキル基で置換されたスルファモイル基等が挙げられる。
また、R1〜R5の少なくとも1つ及びR6〜R10のうち少なくとも1つは−SO2R29であることが好ましい。−SO2R29を複数個有する場合、複数のR29は互いに同一であっても異なっていてもよい。
−SO2R29は、−SO2H又は−SO2NHR30であり、好ましくは−SO2NHR30である。中でも、好ましくは水素原子又は炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくは水素原子又は2−エチルヘキシル基である。
本発明の化合物が−SO2R32を有する場合、R11〜R14の少なくとも1つ及びR15〜R18のうち少なくとも1つが−SO2R32であることが好ましい。−SO2R32を複数個有する場合、複数のR32は互いに同一であっても異なっていてもよい。
R28としては、水素原子が好ましい。
nは、1〜4の整数であり、好ましくは2〜4の整数であり、より好ましくは3又は4である。
−(R27−O)n−R28としては、化合物(1)の有機溶剤への溶解性が向上する傾向があることから、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル基及び2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エチル基が好ましく、2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エチル基がより好ましい。
1価のアニオンとしては、Cl−、Br−、I−、ClO4 −、PF6 −又はBF4 −等が挙げられる。
[式(b0)及び式(b1)中、R21〜R28及びnは、式(1)におけるものと同じ意味を表す。A−は、式(b)におけるものと同じ意味を表す。]
前記反応において、反応温度は15℃〜60℃が好ましく、反応時間は1時間〜12時間が好ましい。また、反応時間短縮や収率向上の点で、酸触媒及び/又は脱水剤を用いることが好ましい。
酸触媒としては、硫酸、p−トルエンスルホン酸などが挙げられる。
脱水剤としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩等のカルボジイミド類;1−アルキル−2−ハロピリジウム塩類;1,1’−カルボニルジイミダゾール;ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン酸塩化物;ジ−2−ピリジル炭酸塩などが挙げられる。中でも、脱水剤としては、後処理及び精製が容易であることから、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩が好ましい。
前記反応に用いられる有機溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、トルエン、アセトニトリルなどが挙げられる。
前記有機アニオンとしては、例えば、CH3COO−、PhCOO−等が挙げられる。
好ましくは、塩化物イオン、臭化物イオン、CH3COO−等が挙げられる。
R29は、−OH又は−NHR30を表す。
R30は、水素原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいシクロヘキシル基、−R31−O−R32、−R31−CO−O−R32、−R31−O−CO−R32、又は炭素数7〜10のアラルキル基を表す。
R31は、炭素数1〜8の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
R32は、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基を表す。
R19及びR20は、互いに独立に、水素原子、メチル基、エチル基又はアミノ基を表す。
M1は、Cr又はCoを表す。
R21〜R24は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、−OR32、スルホ基、−SO3Na、−SO3K又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
R25及びR26は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。]
また、R1〜R18のうち少なくとも1つがニトロ基であることが好ましい。ニトロ基を有することで、耐熱性が高くなる傾向がある。
R1〜R5の少なくとも1つ及びR6〜R10のうち少なくとも1つが、−SO2R29であることが好ましく、中でも、−SO2H(即ちR29が−OH)及び−SO2NHR33(即ちR29が−NHR33)からなる群から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
化合物(2)が−SO2R32を有する場合、R11〜R14の少なくとも1つ及びR15〜R18のうち少なくとも1つが、−SO2R32であることが好ましい。
C.I.ソルベントレッド45、49、125、130;
C.I.ソルベントオレンジ2、7、11、15、26、56;等のC.I.ソルベント染料、
C.I.アシッドイエロー1、3、7、9、11、17、23、25、29、34、36、38、40、42、54、65、72、73、76、79、98、99、111、112、113、114、116、119、123、128、134、135、138、139、140、144、150、155、157、160、161、163、168、169、172、177、178、179、184、190、193、196、197、199、202、203、204、205、207、212、214、220、221、228、230、232、235、238、240、242、243、251;
C.I.アシッドレッド1、4、8、14、17、18、26、27、29、31、34、35、37、42、44、50、51、52、57、66、73、80、87、88、91、92、94、97、103、111、114、129、133、134、138、143、145、150、151、158、176、182、183、198、206、211、215、216、217、227、228、249、252、257、258、260、261、266、268、270、274、277、280、281、195、308、312、315、316、339、341、345、346、349、382、383、394、401、412、417、418、422、426;
C.I.アシッドオレンジ6、7、8、10、12、26、50、51、52、56、62、63、64、74、75、94、95、107、108、169、173;
C.I.アシッドバイオレット6B、7、9、17、19;等のC.I.アシッド染料、
C.I.ダイレクトレッド79、82、83、84、91、92、96、97、98、99、105、106、107、172、173、176、177、179、181、182、184、204、207、211、213、218、220、221、222、232、233、234、241、243、246、250;
C.I.ダイレクトオレンジ34、39、41、46、50、52、56、57、61、64、65、68、70、96、97、106、107;
C.I.ダイレクトバイオレット47、52、54、59、60、65、66、79、80、81、82、84、89、90、93、95、96、103、104;等のC.I.ダイレクト染料、
C.I.モーダント染料として、C.I.モーダントイエロー5、8、10、16、20、26、30、31、33、42、43、45、56、61、62、65;
C.I.モーダントレッド1、2、3、4、9、11、12、14、17、18、19、22、23、24、25、26、30、32、33、36、37、38、39、41、43、45、46、48、53、56、63、71、74、85、86、88、90、94、95;
C.I.モーダントオレンジ3、4、5、8、12、13、14、20、21、23、24、28、29、32、34、35、36、37、42、43、47、48;
C.I.モーダントバイオレット1、2、4、5、7、14、22、24、30、31、32、37、40、41、44、45、47、48、53、58;等のC.I.モーダント染料等が挙げられる。
顔料としては、有機顔料、例えば、C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、29、32、36、38等のバイオレット色顔料;C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、125、128、137、138、139、147、148、150、153、154、166、173、194、214等の黄色顔料;C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、73等のオレンジ色顔料;
C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、166、168、176、177、180、192、209、215、216、224、242、254、255、264、265等の赤色顔料等が挙げられる。なかでも、C.I.ピグメントイエロー138、139、150、C.I.ピグメントレッド177、242、254から選ばれる少なくとも1種を含有していることが好ましい。前記の顔料を含むことで、赤色感光性樹脂組成物としての透過スペクトルの最適化が容易であり、耐薬品性が良好になる。
これらの顔料は、単独でも、2種以上を混合して用いてもよい。
有機顔料は、粒径が均一であることが好ましい。顔料分散剤を含有させて分散処理を行うことで、顔料が溶液中で均一に分散した状態の顔料分散液を得ることができる。
顔料分散剤を用いる場合、その使用量は、顔料(A2)に対して、好ましくは100質量%であり、より好ましくは5質量%以上50質量%以下である。顔料分散剤の使用量が前記の範囲にあると、均一な分散状態の顔料分散液が得られる傾向がある。
化合物(1)と顔料との含有量比率(質量比)は、1:99〜99:1であることが好ましく、3:97〜90:10であることがより好ましい。このような比率とすることにより、透過スペクトルの最適化が容易となり、高コントラスト、高明度を得るために良好である。さらに、耐熱性、耐薬品性が良好となる。
特に化合物(1)と、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド242及びC.I.ピグメントレッド254からなる群より選ばれる少なくとも1種との質量比が、3:97〜90:10であることが好ましく、3:97〜70:30であることがより好ましい。
樹脂(B)としては、例えば、以下の樹脂[K1]〜[K4]等が挙げられる。
[K1]炭素数2〜4の環状エーテルを有する単量体(a)(以下「(a)」という場合がある)と、不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種(b)(以下「(b)」という場合がある)との共重合体。
[K2](a)と(b)と、(a)と共重合可能な単量体(c)(ただし、(a)及び(b)とは異なる。)(以下「(c)」という場合がある)との共重合体
[K3](b)と(c)との共重合体
[K4](b)と(c)との共重合体に(a)を反応させて得られる樹脂。
樹脂(B)が(a)に由来する構造単位を含むことにより、得られる着色パターンの耐熱性、耐薬品性等の信頼性をより高くすることができる。
尚、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。「(メタ)アクリロイル」及び「(メタ)アクリレート」等の表記も、同様の意味を有する。
(a1)としては、オキシラニル基とエチレン性炭素−炭素二重結合とを有する単量体であることが好ましく、オキシラニル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体がより好ましい。
X1及びX2は、互いに独立に、単結合、−Rc−、*−Rc−O−、*−Rc−S−、*−Rc−NH−を表す。
R3は、炭素数1〜6のアルカンジイル基を表す。
*は、Oとの結合手を表す。]
水素原子がヒドロキシで置換されたアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル基、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基等が挙げられる。
R1及びR2としては、好ましくは水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基が挙げられ、より好ましくは水素原子、メチル基が挙げられる。
X1及びX2としては、好ましくは単結合、メチレン基、エチレン基、*−CH2−O−(*はOとの結合手を表す)基、*−CH2CH2−O−基が挙げられ、より好ましくは単結合、*−CH2CH2−O−基が挙げられる。
(a3)としては、具体的には、テトラヒドロフルフリルアクリレート(例えば、ビスコートV#150、大阪有機化学工業(株)製)、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等が挙げられる。
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、3−ビニルフタル酸、4−ビニルフタル酸、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、ジメチルテトラヒドロフタル酸、1、4−シクロヘキセンジカルボン酸等の不飽和ジカルボン酸類;
メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、5−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシ−6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等のカルボキシ基を含有するビシクロ不飽和化合物類;
無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3−ビニルフタル酸無水物、4−ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6−ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン無水物(ハイミック酸無水物)等の不飽和ジカルボン酸類無水物;
α−(ヒドロキシメチル)アクリル酸のような、同一分子中にヒドロキシ基及びカルボキシ基を含有する不飽和アクリレート類等が挙げられる。
これらのうち、共重合反応性の点やアルカリ水溶液への溶解性の点から、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等が好ましい。
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等のジカルボン酸ジエステル;
これらのうち、共重合反応性及び耐熱性の点から、スチレン、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン等が好ましい。
(a)に由来する構造単位;60〜98モル%(より好ましくは65〜95モル%)
(b)に由来する構造単位;2〜40モル%(より好ましくは5〜35モル%)
樹脂[K1]の構造単位の比率が、上記の範囲にあると、保存安定性、現像性、硬化パターンの耐溶剤性が良好になる傾向がある。
(a)に由来する構造単位;2〜95モル%(より好ましくは5〜80モル%)
(b)に由来する構造単位;2〜40モル%(より好ましくは5〜35モル%)
(c)に由来する構造単位;1〜65モル%(より好ましくは1〜60モル%)
樹脂[K2]の構造単位の比率が、上記の範囲にあると、保存安定性、現像性、硬化パターンの耐溶剤性、耐熱性及び機械強度が良好になる傾向がある。
具体的には、(a)、(b)及び(c)の所定量、重合開始剤及び溶剤を反応容器中に仕込んで、窒素により酸素を置換することにより、脱酸素下で、攪拌、加熱、保温する方法が挙げられる。得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。
(b)2〜40モル%、より好ましくは5〜35モル%
(c)60〜98モル%、より好ましくは65〜95モル%
樹脂[K3]は、例えば、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様に製造することができる。
まず(b)と(c)との共重合体を、[K1]の製造方法として記載した方法と同様に製造する。この場合、それぞれに由来する構造単位の比率は、(b)と(c)との共重合体を構成する全構造単位中、以下の範囲にあることが好ましい。
(b)5〜50モル%、より好ましくは10〜45モル%
(c)50〜95モル%、より好ましくは55〜90モル%
次に、前記共重合体中の(c)に由来する構造単位に含まれるカルボキシ基及び/又はカルボン酸無水物の一部に、(a)が有する炭素数2〜4の環状エーテルを反応させる。
(b)と(c)との共重合体の製造に引き続き、フラスコ内雰囲気を窒素から空気に置換し、(a)、カルボキシ基と環状エーテルとの反応触媒(例えばトリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等)を(a)〜(c)の合計量に対して0.001〜5質量%、及び重合禁止剤(例えばハイドロキノン等)等を(a)〜(c)の合計量に対して0.001〜5質量%をフラスコ内に入れて、例えば、60〜130℃で、1〜10時間反応することにより、樹脂[K4]を得ることができる。仕込方法、反応温度及び時間等の反応条件は、製造設備や重合による発熱量等を考慮して適宜調整することができる。なお、重合条件と同様に、製造設備や重合による発熱量等を考慮し、仕込方法や反応温度を適宜調整することができる。
この場合の(a)の使用量は、(b)に対して、5〜80モル%が好ましく、より好ましくは10〜75モル%であり、より好ましくは15〜70モル%である。この範囲とすることにより、保存安定性、現像性、耐溶剤性、耐熱性、機械強度及び感度のバランスが良好になる傾向がある。
樹脂(B)の分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、好ましくは1.1〜6であり、より好ましくは1.2〜4である。
前記の光重合開始剤(D)としては、光の作用により活性ラジカル、酸等を発生し、重合を開始する化合物であれば特に限定されることなく、公知の重合開始剤を用いることができる。光重合開始剤(D)は、光の作用により活性ラジカル、酸等を発生する化合物とともに、光重合開始助剤(D1)を含んでいてもよい。光重合開始助剤(D1)は、光重合開始剤によって重合が開始された光重合性化合物の重合を促進するために用いられる化合物、もしくは増感剤である。
光重合開始剤(D)としては、光の作用により活性ラジカルを発生する化合物が好ましく、アセトフェノン化合物、トリアジン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、オキシム化合物及びビイミダゾール化合物がより好ましい。
アミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられ、中でも4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。EAB−F(保土谷化学工業(株)製)等の市販品を用いてもよい。
光重合開始助剤(D1)としては、アミン化合物、アルコキシアントラセン化合物、チオキサントン化合物、カルボン酸化合物等が挙げられる。
アミン化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられ、中でも4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。EAB−F(保土谷化学工業(株)製)等の市販品を用いてもよい。
光重合開始助剤(D1)は、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
溶剤(E)は、特に限定されず、当該分野で通常使用される溶剤を用いることができる。例えば、エステル溶剤(−COO−を含む溶剤)、エステル溶剤以外のエーテル溶剤(−O−を含む溶剤)、エーテルエステル溶剤(−COO−と−O−とを含む溶剤)、エステル溶剤以外のケトン溶剤(−CO−を含む溶剤)、アルコール溶剤、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤、ジメチルスルホキシド等の中から選択して用いることができる。
これらの溶剤は、単独でも2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、シロキサン結合を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、トーレシリコーンDC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、ポリエーテル変性シリコーンオイルSH8400(商品名:東レ・ダウコーニング(株)製)、KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341(信越化学工業(株)製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF−4446、TSF4452、TSF4460(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)等が挙げられる。
これらの界面活性剤は、単独でも2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の着色感光性樹脂組成物が、着色剤(A)、アルカリ可溶性樹脂(B)、光重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)、溶剤(E)及び界面活性剤(F)からなる組成物であると、塗布性に優れ、耐溶剤性及び分光に優れた着色パターンを得ることができる。
この場合の塗膜の膜厚は、特に限定されず、用いる材料、用途等によって適宜調整することができ、例えば、0.1〜30μm、好ましくは1〜20μm、さらに好ましくは1〜6μmである。
減圧乾燥は、50〜150Paの圧力下、20〜25℃の範囲で行うことが好ましい。
露光に用いられる光源としては、250〜450nmの波長の光を発生する光源が好ましい。具体的には、水銀灯、発光ダイオード、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ等が挙げられ、特定波長域をカットするフィルタを用いてカットしたり、特定波長域を取り出すバンドパスフィルタを用いて選択的に取り出したりして露光してもよい。
露光面全体に均一に平行光線を照射したり、マスクと基材との正確な位置合わせを行うことができるため、マスクアライナ、ステッパ等の装置を使用することが好ましい。
現像方法は、パドル法、ディッピング法、スプレー法等のいずれでもよい。さらに現像時に基板を任意の角度に傾けてもよい。現像後は、水洗することが好ましい。
さらに必要に応じて、ポストベークを行ってもよい。ポストベークは、例えば、150〜230℃、10〜240分間の範囲が好ましい。
例中の「%」及び「部」は、特記ない限り、質量%及び質量部である。
<化合物(1−1)の合成>
2−アミノ−4−ニトロフェノール(和光純薬工業(株)製)7.7部に水75部を加えた後、水酸化ナトリウム2.0部を加え、溶解させた。氷冷下、35%亜硝酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)水溶液9.5部を加え、ついで35%塩酸30.0部を少しずつ加えて溶解させ2時間撹拌し、ジアゾニウム塩を含む懸濁液を得た。ついでアミド硫酸(和光純薬工業(株)製)8.9部を水36部に溶解させた水溶液をゆっくりと加え、過剰の亜硝酸ナトリウムをクエンチした。
ついで、3−メチル−1−(3’−スルファモイルフェニル)−5−ピラゾロン(和光純薬工業(株)製)13部を水100部に懸濁させ、水酸化ナトリウムを用いて、pHを8.0に調整した。ここに、前記ジアゾニウム塩を含む懸濁液を15分かけて、pHが7から7.5の範囲におさまるように10%水酸化ナトリウム溶液を適宜追加しながら、滴下した。滴下終了後、さらに30分間撹拌することで黄色の懸濁液を得た。1時間攪拌した。濾過して得た黄色固体を減圧下60℃で乾燥し、式(p−1)で表される化合物を17.9部(収率85%)得た。
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=575.3[M−Cl−]+
Exact Mass: 610.3
式(1−1)で表される化合物の構造は、元素分析によって決定した。分析機器はICP発光分析装置(ICPS−8100;(株)島津製作所製)を使用した。
C55.6 H4.7 N12.0 Cr3.57
<化合物(1−2)の合成>
ローダミンB(東京化成工業(株)製)5.0部に無水クロロホルム(関東化学(株)製)40部、カンファスルホン酸(アルドリッチ(株)製)0.3部、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(東京化成工業(株)製)0.3部、ジエチレングリコール(和光純薬工業(株)製)3.9部を加えて約30分間攪拌した。その後、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(和光純薬工業(株)製)2.9部に無水クロロホルム10部を加えて予め溶解させた溶液をゆっくりと加えた後、室温にて約2時間攪拌した。1N塩酸水溶液100部にて分液操作を2回行ったのち、10%食塩水100部で2回有機層を洗浄した。ついで無水硫酸マグネシウム12部を加えて約30分間攪拌後、乾燥剤を濾過し、溶媒留去することにより式(g−2)で表される化合物5.0部(収率85%)を得た。
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=531.3[M−Cl−]+
Exact Mass: 566.3
式(1−1)で表される化合物の構造は、元素分析によって決定した。分析機器はICP発光分析装置(ICPS−8100;(株)島津製作所製)を使用した。
C56.0 H4.9 N12.2 Cr3.47
<化合物(1−3)の合成>
合成例1と同様の方法により、式(rh−1)で表される化合物から式(g−3)で表される化合物を得る。さらに、合成例1と同様の方法により、式(1−3)で表される化合物(染料A3)を得る。
<樹脂溶液B1の合成>
撹拌機、温度計、還流冷却器及び、滴下ロートを備えたフラスコ内に窒素を0.02L/分で流して窒素雰囲気とし、乳酸エチル305質量部を入れ、撹拌しながら70℃まで加熱した。次いで、メタクリル酸60質量部、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレート(下記式(I−1)で表される化合物及び式(II−1)で表される化合物を、モル比で、50:50で混合。)240質量部及び、乳酸エチル140質量部に溶解して溶液を調製し、該溶解液を、滴下ロートを用いて4時間かけて、70℃に保温したフラスコ内に滴下した。一方、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)30質量部を乳酸エチル225質量部に溶解した溶液を、別の滴下ロートを用いて4時間かけてフラスコ内に滴下した。重合開始剤の溶液の滴下が終了した後、4時間、70℃に保持し、その後室温まで冷却して、重量平均分子量Mwは、1.3×104、固形分33質量%、酸価34mg−KOH/g(溶液)の樹脂溶液B1を得た。
<樹脂溶液B2の合成>
撹拌機、温度計、還流冷却器、滴下ロート及びガス導入管を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート300質量部を導入した。その後、窒素ガスをガス導入管を使ってフラスコ内に導入し、フラスコ内雰囲気が窒素ガスに置換された。その後、フラスコ内の溶液を100℃に昇温した後、ベンジルメタクリレート176.2質量部、メタクリル酸30.2質量部、アゾビスイソブチロニトリル3.6質量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート197質量部からなる混合物を、滴下ロートを用いて2時間かけてフラスコに滴下し、滴下完了後さらに100℃で2.5時間撹拌を続けて、重量平均分子量Mwは、9.8×103、固形分34質量%、酸価102mg−KOH/g(固形分換算)の樹脂溶液B2を得た。
<樹脂溶液B3の合成>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロートおよびガス導入管を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート333gを導入した。その後、ガス導入管を通じて窒素ガスをフラスコ内に導入し、フラスコ内雰囲気が窒素ガスに置換した。その後、フラスコ内の溶液を100℃に昇温した後、N−ベンジルマレイミド18.7g、ベンジルメタクリレート70.5g、メタクリル酸51.7g、メチルメタクリレート90.0g、アゾビスイソブチロニトリル5.2gおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート182gからなる混合物を、滴下ロートを用いて2時間かけてフラスコに滴下し、滴下完了後さらに100℃で5時間撹拌を続けた。
攪拌終了後、ガス導入管を通じて空気がフラスコ内に導入され、フラスコ内雰囲気が空気に置換された後、グリシジルメタクリレート28.5g、トリスジメチルアミノメチルフェノール1.3gおよびハイドロキノン0.165gをフラスコ内に投入し、反応を110℃で6時間続け、重量平均分子量Mwは、16×103、固形分31%、酸価80mg−KOH/g(固形分換算)の樹脂溶液B3を得た。
装置 ;HLC−8120GPC(東ソー(株)製)
カラム ;TSK−GELG2000HXL
カラム温度 ;40℃
溶媒 ;THF
流速 ;1.0mL/min
被検液固形分濃度;0.001〜0.01%
注入量 ;50μL
検出器 ;RI
校正用標準物質 ;TSK STANDARD POLYSTYRENE
F−40、F−4、F−1、A−2500、A−500
(東ソー(株)製)
〔着色感光性樹脂組成物1の調製〕
(A)顔料:C.I.ピグメント・レッド242 22部
アクリル系顔料分散剤 6.7部
(B)樹脂:樹脂溶液B2 27部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 131部
を混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させ、ついで、
(A)化合物(1):染料A1 7.1部
(B)樹脂:樹脂溶液B1 37部
(C)光重合性化合物:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの混合物(KAYARAD DPHA;日本化薬(株)製) 32部
(D)光重合開始剤:オキシムエステル化合物(N−1919;(株)ADEKA製) 9.5部
(D1)光重合開始助剤:4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(EAB-F;保土谷化学(株)製) 1.6部
(E)溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテル 172部
(E)溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 33部
(E)溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル 22部
(F)界面活性剤:メガファックF554(DIC(株)製) 0.1部
を混合して着色感光性樹脂組成物1を得た。
2インチ角のガラス基板(イーグル2000;コーニング社製)上に、着色感光性樹脂組成物1をスピンコート法で塗布した後、100℃で3分間プリベークした。冷却後、この着色感光性樹脂組成物1を塗布した基板と石英ガラス製フォトマスクとの間隔を100μmとして、露光機(TME−150RSK;トプコン(株)製)を用いて、大気雰囲気下、80mJ/cm2の露光量(365nm基準)で光照射した。尚、フォトマスクとしては、100μmのラインアンドスペースパターンが形成されたものを使用した。光照射後、該基板を、非イオン系界面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.04%とを含む水溶液に23℃で80秒間浸漬させて現像し、水洗後、オーブン中、230℃で30分間ポストベークを行った。放冷後、得られた着色パターンの膜厚を、膜厚測定装置(DEKTAK3;日本真空技術(株)製))を用いて測定したところ、2.0μmであった。
上記のパターン形成において、フォトマスクを使用せずに露光したこと以外は同様の操作を行い、着色塗膜を作成した。得られた塗膜を、23℃のN−メチル−2−ピロリドンに30分浸漬し、測色機(OSP−SP−200;オリンパス(株)製)を用いて分光を測定し、C光源の等色関数を用いてCIEのXYZ表色系における浸漬前後のxy色度座標(Rx、Ry)(即ち色度)及び明度RYを測定して、浸漬前後での色差△Eab*を計算した。△Eab*が2以下であれば、耐溶剤性は良好であると判断できる。結果を表1に示す。
染料A1を染料A2に代える以外は実施例1と同様にして、着色感光性樹脂組成物2を得た。着色感光性樹脂組成物2について、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
染料A1を染料A3に代える以外は実施例1と同様にして、着色感光性樹脂組成物3を得る。着色感光性樹脂組成物3について、実施例1と同様にして評価を行うと、良好な耐溶剤性の結果が得られる。
(A)顔料:C.I.ピグメント・レッド242 23部
アクリル系顔料分散剤 6.8部
(B)樹脂:樹脂溶液B2 27部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 132部
を混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させ、分散体aを得た。
(A)顔料:C.I.ピグメント・レッド177 5.1部
アクリル系顔料分散剤 2.0部
(B)樹脂:樹脂溶液B2 5.3部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 24部
を混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させた後、分散体aと混合し、さらに、
(A)化合物(1):染料A3 6.4部
(B)樹脂:樹脂溶液B1 25部
(C)光重合性化合物:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの混合物(KAYARAD DPHA;日本化薬(株)製) 29部
(D)光重合開始剤:オキシムエステル化合物(N−1919;(株)ADEKA製) 8.6部
(D1)光重合開始助剤:4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(EAB-F;保土谷化学(株)製) 1.0部
(E)溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテル 180部
(E)溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 20部
(E)溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル 6部
(F)界面活性剤:メガファックF554(DIC(株)製) 0.1部
を混合して着色感光性樹脂組成物4を得た。着色感光性樹脂組成物4について、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
(A)顔料:C.I.ピグメント・レッド242 22部
アクリル系顔料分散剤 6.7部
(B)樹脂:樹脂溶液B2 27部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 131部
を混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させ、ついで、
(A)化合物(1):染料A1 7.1部
(B)樹脂:樹脂溶液B1 37部
(C)光重合性化合物:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの混合物(KAYARAD DPHA;日本化薬(株)製) 32部
(D)光重合開始剤:オキシムエステル化合物(N−1919;(株)ADEKA製) 6.3部
(D)光重合開始剤:2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン(下式(Dt)で表される化合物)(TAZ−PP;日本シイベルヘグナー(株)製) 3.2部
(D1)光重合開始助剤:4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(EAB-F;保土谷化学(株)製) 1.6部
(E)溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテル 172部
(E)溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 33部
(E)溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル 22部
(F)界面活性剤:メガファックF554(DIC(株)製) 0.1部
を混合して着色感光性樹脂組成物5を得た。着色感光性樹脂組成物5について、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
(A)顔料:C.I.ピグメント・レッド254 12部
アクリル系顔料分散剤 6.9部
(A)化合物(1):染料A2 8.1部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 81部
を混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させ、分散体bを得た。
(A)顔料:C.I.ピグメント・レッド242 11部
アクリル系顔料分散剤 3.3部
(B)樹脂:樹脂溶液B2 13部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 65部
を混合し、ビーズミルを用いて顔料を十分に分散させ後、分散体bと混合し、次いで、
(A)化合物(1):染料A3 7.0部
(C)光重合性化合物:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの混合物(KAYARAD DPHA;日本化薬(株)製) 30部
(B)樹脂:樹脂溶液B1 39部
(D)光重合開始剤:オキシムエステル化合物(N−1919;(株)ADEKA製) 8.9部
(D1)光重合開始助剤:4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(EAB-F;保土谷化学(株)製) 1.0部
(E)溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテル 160部
(E)溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 48部
(E)溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル 6部
(F)界面活性剤:メガファックF554(DIC(株)製) 0.1部
を混合して着色感光性樹脂組成物6を得た。着色感光性樹脂組成物6について、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
(A)着色剤:Orasol Red G(チバ・ジャパン(株)製) 47.5部
(B)樹脂:樹脂溶液B3 16部
(C)光重合性化合物:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの混合物(KAYARAD DPHA;日本化薬(株)製) 23.9部
(D)光重合開始剤:2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルスルファニルフェニル)プロパン−1−オン(イルガキュア907:チバ・ジャパン(株)製) 3.6部
(D)光重合開始剤:2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン(TAZ−PP;日本シイベルヘグナー(株)製) 2.8部
(D1)光重合開始助剤:4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(EAB-F;保土谷化学(株)製) 1.2部
(E)溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテル 267部
(E)溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 138部
(F)界面活性剤:メガファックF475(DIC(株)製) 0.1部
を混合して着色感光性樹脂組成物7を得た。着色感光性樹脂組成物7について、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
(A)着色剤:Orasol Red G(チバ・ジャパン(株)製) 47.5部
(B)樹脂:樹脂溶液B3 13部
(C)光重合性化合物:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの混合物(KAYARAD DPHA;日本化薬(株)製) 19部
(D)光重合開始剤:2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルスルファニルフェニル)プロパン−1−オン(イルガキュア907:チバ・ジャパン(株)製) 2.9部
(D)光重合開始剤:2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル-1,3,5-トリアジン(TAZ−PP;日本シイベルヘグナー(株)製) 2.2部
(D1)光重合開始助剤:4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(EAB-F;保土谷化学(株)製) 1.0部
(E)溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテル 203部
(E)溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 203部
(F)界面活性剤:メガファックF475(DIC(株)製) 0.1部
エポキシ化合物:スミエポキシESCN−195XL−80(住友化学(株)製) 9.6部
を混合して着色感光性樹脂組成物8を得た。着色感光性樹脂組成物8について、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
<化合物(1−23)の合成>
2−アミノ−4−メチルスルホニル−6−ニトロフェノール(CAS No.101861−04−5)7.5部に水65部を加えた後、水酸化ナトリウム1.3部を加え、溶解させた。氷冷下、35%亜硝酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)水溶液6.1部を加え、ついで35%塩酸19.4部を少しずつ加えて溶解させ2時間撹拌し、ジアゾニウム塩を含む懸濁液を得た。ついでアミド硫酸(和光純薬工業(株)製)5.6部を水26部に溶解させた水溶液をゆっくりと加え、過剰の亜硝酸ナトリウムをクエンチした。
ついで、3−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロン(和光純薬工業(株)製)5.6部を水70部に懸濁させ、水酸化ナトリウムを用いて、pHを8.0に調整した。ここに、前記ジアゾニウム塩を含む懸濁液を15分かけて、pHが7から7.5の範囲におさまるように10%水酸化ナトリウム溶液を適宜追加しながら、滴下した。滴下終了後、さらに30分間撹拌することで黄色の懸濁液を得た。1時間攪拌した。濾過して得た黄色固体を減圧下60℃で乾燥し、式(p−2)で表される化合物を11.7部(収率87%)得た。
(質量分析)イオン化モード=ESI−: m/z=882.1[M−Na+] −
Exact Mass: 905.1
式(1−23)で表される化合物の構造は、元素分析によって決定した。分析機器はICP発光分析装置(ICPS−8100;(株)島津製作所製)を使用した。
C55.6 H5.1 N11.9 Cr3.71
染料A1を染料A3に代える以外は実施例1と同様にして、着色感光性樹脂組成物7を得た。着色感光性樹脂組成物7について、実施例1と同様にして評価を行った結果、得られた着色塗膜のxy色度座標(Rx、Ry)(色度)は(0.641、0.326)であり、明度RYは20.3であった。また、耐溶剤試験において、浸漬前後での色差△Eab*は0.7と良好であった。
Claims (9)
- 着色剤、樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤及び溶剤を含み、着色剤が、式(1)で表される化合物を含む着色剤である着色感光性樹脂組成物。
[式(1)中、R1〜R18は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基、ニトロ基、−SO2R29又は−SO2R32を表す。
R29は、−OH又は−NHR30を表す。
R30は、水素原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいシクロヘキシル基、−R31−O−R32、−R31−CO−O−R32、−R31−O−CO−R32、又は炭素数7〜10のアラルキル基を表す。
R31は、炭素数1〜8の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
R32は、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基を表す。
R19及びR20は、互いに独立に、水素原子、メチル基、エチル基又はアミノ基を表す。
M1は、Cr又はCoを表す。
R21〜R24は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、−OR32、スルホ基、−SO3Na、−SO3K又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
R25及びR26は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
R27は、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基又はプロパン−1,2−ジイル基を表す。
R28は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
nは、1〜4の整数を表す。nが2以上の整数である場合、複数のR27は互いに同一であっても異なっていてもよい。] - 着色剤が、さらに顔料を含む着色剤である請求項1記載の着色感光性組成物。
- 顔料が、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド242及びC.I.ピグメントレッド254からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項2記載の着色感光性樹脂組成物。
- 樹脂が、炭素数2〜4の環状エーテル及びエチレン性不飽和二重結合を有する単量体に由来する構造単位、並びに不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位を有する共重合体を含む樹脂である請求項1〜3のいずれか記載の着色感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれか記載の着色感光性樹脂組成物を用いて形成される着色パターン。
- 請求項5記載の着色パターンを含むカラーフィルタ。
- 式(2)で表される化合物。
[式(2)中、R1〜R18は、互いに独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基、ニトロ基、−SO2R29又は−SO2R32を表す。
R29は、−OH又は−NHR30を表す。
R30は、水素原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよいシクロヘキシル基、−R31−O−R32、−R31−CO−O−R32、−R31−O−CO−R32、又は炭素数7〜10のアラルキル基を表す。
R31は、炭素数1〜8の2価の脂肪族炭化水素基を表す。
R32は、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基を表す。
R19及びR20は、互いに独立に、水素原子、メチル基、エチル基又はアミノ基を表す。
M1は、Cr又はCoを表す。
R21〜R24は、互いに独立に、水素原子、炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜10の1価の芳香族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、−OR32、スルホ基、−SO3Na、−SO3K又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
R25及びR26は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。] - M1が、Crである請求項7記載の化合物。
- R1〜R18のうち少なくとも1つがニトロ基である請求項7又は8記載の化合物。
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