JP2011215234A - 感光性平版印刷版の製造方法 - Google Patents

感光性平版印刷版の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】酸素遮断のためのオーバーコート層を設けなくとも高感度で、特にレーザー光による直接描画、高速製版に適したネガ型感光性平版印刷版の製造方法を提供することにある。詳細には、高感度でありながらも感度変動(感度のフレ)が無く、製造安定性に優れたネガ型感光性平版印刷版の製造方法を提供する
【解決手段】親水性表面を有する支持体上に光重合型の感光層を有し、かつオーバーコート層を設けないネガ型感光性平版印刷版の製造方法であって、支持体上に、少なくとも一種のビタミンE誘導体及び高分子微粒子を含有する感光層を塗設し、その後30℃〜60℃の温度で熱処理することを特徴とする感光性平版印刷版の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、親水性表面を有する支持体上に光重合型の感光層を有し、かつオーバーコート層を有さない感光性平版印刷版の製造方法に関する。詳細には、高感度でかつ感度安定性に優れ、複数枚を集積した場合にも、感光層の最表面とそれに隣接する合紙や支持体の裏面との接着を防止し、特にレーザー光による直接描画、高速製版に適したネガ型感光性平版印刷版の製造方法に関する。
広く用いられているタイプの平板印刷版は、親水性表面を有する支持体に塗設された感光性塗膜を有する。この塗膜は、露光された塗膜部分は硬化し、露光されなかった塗膜部分は現像処理で溶出される。このような版をネガ型印刷版という。平版印刷は印刷版表面に形成されたパターンと背景部のそれぞれの親油性、親水性の表面物性を利用し、平版印刷においてインクと湿し水を同時に印刷機上で版面に供給する際に、インクが親油性表面を有するパターン上に選択的に転移することを利用するものである。パターン上に転移したインクはその後ブランケットと呼ばれる中間体に転写され、これから更に印刷用紙に転写することで印刷が行われる。
従来、感光性平版印刷版の露光光源としては紫外光(UV光)が主に用いられ、リスフイルムを介してマスク露光(面露光)することが一般的であった。近年、コンピューターを用いて画像情報を電子的に処理、蓄積、出力するデジタル化技術が広く普及し、レーザー光のような指向性の高い光を露光光源として用い、デジタル化された画像情報に従って走査露光を行い、直接印刷版を製造するコンピューター・トゥ・プレート(CTP)システムの開発が盛んに行われている。
このような走査露光可能なネガ型平版印刷版としては、親水性表面を有する支持体上に光重合型の感光層を有する感光性平版印刷版が挙げられる。一般的に知られている光重合型の平版印刷版は、アクリレート系の重合性二重結合を有するモノマーあるいはポリマーの光重合反応を利用したものである。このようなアクリレート系の重合反応は、露光時における酸素の存在により著しく阻害されるため、十分な画像形成が行われなくなる。このため、酸素遮断層として感光層の上部にポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂からなるオーバーコート層を設けることが通常行われている(例えば、特許文献1,2参照)。また、オーバーコート層は感光層を保護する役目も兼ね備えている。
しかしながら、このようなオーバーコート層の存在により、レーザー露光の際に光の散乱による画質の低下の問題や、現像の際にアルカリ現像に先立ってオーバーコート層除去のためのプレ水洗工程が必要となること、および製造にあたって感光層塗布後に更にオーバーコート層を塗布する工程が必要である、等の問題があった。
上記の課題に対して、酸素による重合阻害が著しく改善された感光層を有し、結果としてオーバーコート層を必要としない感光性平版印刷版が提案されている(例えば、特許文献3,4参照)。しかしながら、上記のようなオーバーコート層を必要としない感光性平版印刷版は高感度である反面、特に製造直後の感度が安定せず、感度変動(感動のフレ)を引き起こし易いという課題があった。
上記の感度安定化の課題に対し、オーバーコート層を有する感光性平版印刷版では、塗布、乾燥を経て製造された平版印刷版を30℃〜60℃の温度で熱処理する方法が提案されている(例えば、特許文献5)。しかしながら、オーバーコート層を設けない感光性平版印刷版に適用した場合には、熱処理中に感光層の最表面とそれに隣接する合紙や支持体の裏面とが接着したり、熱処理による感光膜の劣化や現像性が悪化するという問題があり、改良が望まれていた。
特開2003−66593号公報 特開2006−235500号公報 特開2001−290271号公報 特開2003−122002号公報 特開2008−89712号公報
本発明の目的は、酸素遮断のためのオーバーコート層を設けなくとも高感度で、特にレーザー光による直接描画、高速製版に適したネガ型感光性平版印刷版の製造方法を提供することにある。詳細には、高感度でありながらも感度変動(感度のフレ)が無く、製造安定性に優れたネガ型感光性平版印刷版の製造方法を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、上記目的は以下の発明によって基本的に達成された。
1)親水性表面を有する支持体上に光重合型の感光層を有し、かつオーバーコート層を設けないネガ型感光性平版印刷版の製造方法であって、支持体上に、少なくとも一種のビタミンE誘導体及び高分子微粒子を含有する感光層を塗設し、その後30℃〜60℃の温度で熱処理することを特徴とする感光性平版印刷版の製造方法。
2)上記熱処理する工程が、合紙を挟んで複数枚の感光性平版印刷版が積載された状態でなされることを特徴とする、上記1)に記載の感光性平版印刷版の製造方法。
本発明により、酸素遮断のためのオーバーコート層を設けることによる不都合な課題が解消し、且つ高感度でありながらも感度変動(感度のフレ)が無く、製造安定性に優れ、特にレーザー光による直接描画、高速製版に適したネガ型感光性平版印刷版の製造方法を提供することができる。
本発明に用いられる感光層は、光重合性のネガ型感光性平版印刷版を与えるものであり、光重合開始剤と重合性化合物を少なくとも含有する。重合性化合物としては、重合性のモノマーもしくはオリゴマーの少なくとも1種を含有する。本発明に用いられる感光層は、酸素遮断層(オーバーコート層)を設けなくても、十分に高感度でレーザーによる走査露光に対応できる感光層である。
このような感光層を得るための手段としては、特に限定されないが、例えば特開2001−290271号公報に記載の重合体、あるいは重合性モノマーを用いること、特開2003−122002号公報に記載のウレタン化合物を用いること、等が挙げられる。これらの中でも、高感度、高耐刷力が安定して得られるという観点から、特開2001−290271号公報に記載された、側鎖にビニル基が置換したフェニル基(ビニルフェニル基)を有する重合体をバインダー樹脂として用いることが好ましい。
以下に、側鎖にビニルフェニル基を有する重合体について説明する。側鎖にビニルフェニル基を有する重合体とは、該フェニル基が直接もしくは連結基を介して主鎖と結合したものであり、連結基としては特に限定されず、任意の基、原子またはそれらの複合した基が挙げられる。また、前記フェニル基はビニル基以外の置換可能な基もしくは原子で置換されていても良く、また、前記ビニル基はハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等で置換されていてもよい。上記した側鎖にビニルフェニル基を有する重合体とは、更に詳細には、下記一般式で表される基を側鎖に有するものである。
Figure 2011215234
式中、Zは連結基を表し、R、R、及びRは、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等であり、更にこれらの基は、アルキル基、アミノ基、アリール基、アルケニル基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基等で置換されていてもよい。Rは置換可能な基または原子を表す。nは0または1を表し、mは0〜4の整数を表し、kは1〜4の整数を表す。
上記一般式について更に詳細に説明する。Zの連結基としては、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−N(R)−、−C(O)−O−、−C(R)=N−、−C(O)−、スルホニル基、複素環基、及び下記構造式で表される基等の単独もしくは2以上が複合した基が挙げられる。ここでR及びRは、水素原子、アルキル基、アリール基等を表す。更に、上記した連結基には、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
Figure 2011215234
上記複素環基としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、イソオキサゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、イソチアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、チアトリアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズセレナゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、キノキサリン環等の含窒素複素環、フラン環、チオフェン環等が挙げられ、更にこれらの複素環には置換基が結合していてもよい。
上記一般式で表される基の例を以下に示すが、これらの例に限定されるものではない。
Figure 2011215234
Figure 2011215234
Figure 2011215234
上記一般式で表される基の中には好ましいものが存在する。即ち、R及びRが水素原子でRが水素原子もしくは炭素数4以下の低級アルキル基(例えば、メチル基,エチル基等)であるものが好ましい。更に、連結基Zとしては複素環を含むものが好ましく、kは1または2であるものが好ましい。
上記の例で示されるような側鎖にビニルフェニル基を有する重合体としては、アルカリ性水溶液に可溶性を有することが好ましく、そのためにカルボキシル基含有モノマーを共重合成分として含む重合体であることが特に好ましい。この場合、共重合体組成に於ける側鎖にビニルフェニル基を有するモノマーの割合として、共重合体トータル組成100質量%中に対して5質量%以上95質量%以下であることが好ましく、10〜95質量%の範囲がより好ましく、更に20〜90質量%の範囲が好ましい。また、共重合体中に於けるカルボキシル基含有モノマーの割合は同じく5質量%以上99質量%以下であることが好ましく、更に10〜90質量%の範囲が好ましい。これ以下の割合では共重合体がアルカリ水溶液に溶解しない場合がある。
上記のカルボキシル基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸2−カルボキシエチルエステル、メタクリル酸−2−カルボキシエチルエステル、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、4−カルボキシスチレン等のような例が挙げられる。
カルボキシル基を有するモノマー以外にも共重合体中に他のモノマー成分を導入して多元共重合体として合成、使用することも好ましく行うことが出来る。こうした場合に共重合体中に組み込むことが出来るモノマーとして、スチレン、4−メチルスチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−アセトキシスチレン、4−カルボキシスチレン、4−アミノスチレン、クロロメチルスチレン、4−メトキシスチレン等のスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ドデシル等のメタクリル酸アルキルエステル類、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アリールエステル或いはアルキルアリールエステル類、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸メトキシジエチレングリコールモノエステル、メタクリル酸メトキシポリエチレングリコールモノエステル、メタクリル酸ポリプロピレングリコールモノエステル等のアルキレンオキシ基を有するメタクリル酸エステル類、メタクリル酸−2−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸−2−ジエチルアミノエチル等のアミノ基含有メタクリル酸エステル類、或いはアクリル酸エステルとしてこれら対応するメタクリル酸エステルと同様の例、或いは、アリルアミン、ジアリルアミン等のアミノ基含有モノマー類、或いは、ビニルスルホン酸およびその塩等のリン酸基を有するモノマー類、アリルスルホン酸およびその塩、メタリルスルホン酸およびその塩、スチレンスルホン酸およびその塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびその塩等のスルホン酸基を有するモノマー類、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルカルバゾール等の含窒素複素環を有するモノマー類、或いは4級アンモニウム塩基を有するモノマーとして4−ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドのメチルクロライドによる4級化物、N−ビニルイミダゾールのメチルクロライドによる4級化物、4−ビニルベンジルピリジニウムクロライド等、或いはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、またアクリルアミド、メタクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシエチルアクリルアミド、4−ヒドロキシフェニルアクリルアミド等のアクリルアミドもしくはメタクリルアミド誘導体、さらにはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、フェニルマレイミド、ヒドロキシフェニルマレイミド、酢酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類、またメチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、その他、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルアルコール、ビニルトリメトキシシラン、グリシジルメタクリレート等各種モノマーを適宜共重合モノマーとして使用することが出来る。これらのモノマーの共重合体中に占める割合としては、先に述べた共重合体組成中に於ける化1で示す基およびカルボキシル基含有モノマーの好ましい割合が保たれている限りにおいて任意の割合で導入することが出来る。
上記のような重合体の分子量については好ましい範囲が存在し、質量平均分子量で1000から100万の範囲であることが好ましく、さらに1万から30万の範囲にあることが特に好ましい。
本発明に係わる側鎖にビニルフェニル基を有する重合体の例を下記に示す。式中、数字は共重合体トータル組成100質量%中に於ける各繰り返し単位の質量%を表す。
Figure 2011215234
Figure 2011215234
Figure 2011215234
Figure 2011215234
本発明に用いられる感光層は、重合性化合物として重合性モノマーもしくはオリゴマーを含有する。かかるモノマーもしくはオリゴマーの分子量は1万以下で、好ましくは5000以下である。該化合物としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニルフェニル基等の重合性二重結合を2個以上有する化合物が挙げられる。
重合性二重結合としてアクリロイル基もしくはメタクリロイル基を有する化合物としては、例えば1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルイソシアヌレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールグリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールエポキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ピロガロールトリアクリレート等が挙げられる。
重合性二重結合としてビニルフェニル基を有する化合物は、代表的には下記一般式で表される。
Figure 2011215234
式中、Zは連結基を表し、R21、R22及びR23は、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシ基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基等であり、更にこれらの基は、アルキル基、アミノ基、アリール基、アルケニル基、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基等で置換されていてもよい。R24は置換可能な基または原子を表す。mは0〜4の整数を表し、kは2以上の整数を表す。
上記一般式について更に詳細に説明する。Zの連結基としては、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−N(R25)−、−C(O)−O−、−C(R26)=N−、−C(O)−、スルホニル基、複素環基等の単独もしくは2以上が複合した基が挙げられる。ここでR25及びR26は、水素原子、アルキル基、アリール基等を表す。更に、上記した連結基には、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
上記複素環基としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、イソオキサゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、イソチアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、チアトリアゾール環、インドール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンズチアゾール環、ベンズセレナゾール環、ベンゾチアジアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、キノキサリン環等の含窒素複素環、フラン環、チオフェン環等が挙げられ、これらには置換基が結合していてもよい。
上記一般式で表される化合物の中でも好ましい化合物が存在する。即ち、R21及びR22は水素原子でR23は水素原子もしくは炭素数4以下の低級アルキル基(例えば、メチル基,エチル基等)で、kは2〜10の化合物が好ましい。以下に具体例を示すが、これらの例に限定されるものではない。
Figure 2011215234
Figure 2011215234
Figure 2011215234
上記したようなモノマーもしくはオリゴマーの含有量は、バインダー樹脂に対して、1〜100質量%の範囲が好ましく、更に5〜50質量%の範囲が好ましい。
本発明に用いられる感光層は、重合性モノマーもしくはオリゴマーとして、上記したモノマーもしくはオリゴマーに加えて、更にウレタン結合と重合性二重結合を有する化合物(以降、ウレタン化合物と称す)を含有することが好ましい。ウレタン化合物を含有することによって、非画像部の溶出性が向上し、地汚れが改良される。
上気したウレタン化合物は、分子内に下記構造式で示されるウレタン結合を少なくとも1個有する。また、重合性二重結合としては、アクリロイル基やメタクリロイル基等が挙げられ、これらの重合性二重結合を2個以上有するのが好ましい。更に、ウレタン結合が2〜6個でかつ重合性二重結合が4〜10個有するウレタン化合物が好ましい。
Figure 2011215234

上記したウレタン化合物の具体例を以下に示す。
Figure 2011215234
Figure 2011215234
Figure 2011215234
上記ウレタン化合物の含有量は、バインダー樹脂に対して5〜60質量%の範囲で含有するのが好ましく、特に10〜50質量%の範囲が好ましい。
本発明に用いられる感光層は、光重合開始剤を含有する。光重合開始剤としては公知の化合物用いることができる。例えば、有機ホウ素塩、トリハロアルキル置換された化合物(例えばトリハロアルキル置換された含窒素複素環化合物としてs−トリアジン化合物およびオキサジアゾール誘導体、トリハロアルキルスルホニル化合物)、ヘキサアリールビイミダゾール、チタノセン化合物、ケトオキシム化合物、チオ化合物、有機過酸化物、オニウム塩(特開2003−114532号公報に記載のヨードニウム塩、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩)等が挙げられる。これらの光重合開始剤の中でも、特に有機ホウ素塩、トリハロアルキル置換化合物が好ましく用いられる。更に好ましくは、有機ホウ素塩とトリハロアルキル置換化合物を組み合わせて用いることである。
有機ホウ素塩を構成する有機ホウ素アニオンは、下記一般式で表される。
Figure 2011215234
式中、R31、R32、R33およびR34は各々同じであっても異なっていてもよく、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基を表す。これらの内で、R31、R32、R33およびR34の内の一つがアルキル基であり、他の置換基がアリール基である場合が特に好ましい。
有機ホウ素塩を構成するカチオンとしては、アルカリ金属イオンおよびオニウム化合物が挙げられるが、好ましくは、オニウム塩であり、例えばテトラアルキルアンモニウム塩等のアンモニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等のスルホニウム塩、トリアリールアルキルホスホニウム塩等のホスホニウム塩が挙げられる。特に好ましい有機ホウ素塩の例を下記に示す。
Figure 2011215234
Figure 2011215234
他の好ましい光重合開始剤として、トリハロアルキル置換化合物が挙げられる。上記トリハロアルキル置換化合物とは、具体的にはトリクロロメチル基、トリブロモメチル基等のトリハロアルキル基を分子内に少なくとも一個以上有する化合物であり、好ましい例としては、該トリハロアルキル基が含窒素複素環基に結合した化合物としてs−トリアジン誘導体およびオキサジアゾール誘導体が挙げられ、或いは、該トリハロアルキル基がスルホニル基を介して芳香族環或いは含窒素複素環に結合したトリハロアルキルスルホニル化合物が挙げられる。
トリハロアルキル置換した含窒素複素環化合物やトリハロアルキルスルホニル化合物の特に好ましい例を以下に示す。
Figure 2011215234
Figure 2011215234
Figure 2011215234
Figure 2011215234
上述したような光重合開始剤の含有量は、バインダー樹脂に対して、1〜100質量%の範囲が好ましく、更には1〜40質量%の範囲で含まれることが好ましい。
本発明に用いられる感光層は、必須成分として少なくとも一種のビタミンE誘導体及び高分子微粒子を含有する。以下に説明するビタミンE誘導体及び高分子微粒子を含有することで、後述する製造後の熱処理による感光膜の劣化や現像性が悪化するという問題を解消でき、且つ感光層の最表面とそれに隣接する合紙や支持体の裏面とが接着したりすることが無く、高感度で製造安定性に優れたネガ型感光性平版印刷版を得ることができる。
本発明に用いられるビタミンE誘導体の具体例としては、トコール、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、トコトリエノール、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール等の他、下記一般式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2011215234
式中、R41、R42、R44は水素原子又はアルキル基を表す。R43はアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R45は下記置換基1又は置換基2を表す。
Figure 2011215234
上記一般式で表される化合物の具体例としては、酢酸−α−トコフェノール、酢酸−β−トコフェノール、酢酸−γ−トコフェノール、酢酸−δ−トコフェノール、コハク酸−α−トコフェノール、コハク酸−β−トコフェノール、コハク酸−γ−トコフェノール、コハク酸−δ−トコフェノール、ニコチン酸−α−トコフェノール、ニコチン酸−β−トコフェノール、ニコチン酸−γ−トコフェノール、ニコチン酸−δ−トコフェノール、イソニコチン酸−α−トコフェノール、イソニコチン酸−β−トコフェノール、イソニコチン酸−γ−トコフェノール、イソニコチン酸−δ−トコフェノール、α−トコフェノールグリシンエステル、β−トコフェノールグリシンエステル、γ−トコフェノールグリシンエステル、δ−トコフェノールグリシンエステル、α−トコフェノールサルコジンエステル、β−トコフェノールサルコジンエステル、γ−トコフェノールサルコジンエステル、δ−トコフェノールサルコジンエステル、酢酸−α−トコトリエノール、酢酸−β−トコトリエノール、酢酸−γ−トコトリエノール、酢酸−δ−トコトリエノール、コハク酸−α−トコトリエノール、コハク酸−β−トコトリエノール、コハク酸−γ−トコトリエノール、コハク酸−δ−トコトリエノール、ニコチン酸−α−トコトリエノール、ニコチン酸−β−トコトリエノール、ニコチン酸−γ−トコトリエノール、ニコチン酸−δ−トコトリエノール、イソニコチン酸−α−トコトリエノール、イソニコチン酸−β−トコトリエノール、イソニコチン酸−γ−トコトリエノール、イソニコチン酸−δ−トコトリエノール、等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。なお、上記ビタミンE誘導体には光学異性体を有するものがあるが、D体、L体及びこれらの混合物であっても構わない。
本発明に用いられるビタミンE誘導体は、1種のみを単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。ビタミンE誘導体の含有量としては、感光層の全固形分量に対して0.01〜2質量%が好ましく、0.02〜1質量%がより好ましく、0.05〜0.5質量%が特に好ましい。
本発明に用いられる高分子微粒子は、露光に用いる光の透過は実質的に阻害せず、空気中の湿分や温度(少なくとも60℃以下の温度)によって軟化したりベタついたりすることの無いものが好ましい。更に、感光層に高分子微粒子を含有させることによって、感光層の最表面に凹凸が形成されるものが好ましい。感光層の最表面に凹凸を設けることで、より効果的に感光層の最表面とそれに隣接する合紙や支持体の裏面とが接着することを抑制することができる。感光層最表面の凹凸の指標としては、ベック平滑度が600秒以下であることが好ましく、200秒以下であることがより好ましい。ベック平滑度は、熊谷理機工業(株)製ベック平滑度試験機HK型を用い、1mlの空気が流入するまでの時間を計測することで測定できる。感光層の最表面の凹凸は、使用する高分子微粒子の種類、形状、粒子径、添加量等を適宜調整することによって、好ましい範囲に制御することが可能である。
本発明に用いられる高分子微粒子は、オーバーコート層を設けないネガ型感光性平版印刷版を複数枚堆積させた場合の傷付きを抑制する効果が高いという観点から、比較的柔らかく、弾性があり、支持体裏面と擦れた時に生じる応力を緩和できるものが好ましく、ネガ型感光性平版印刷版を構成するバインダー樹脂との親和性が高く、感光層中によく混練され、感光膜表面から脱離すること無いものが好ましい。
上記のような特性を備えた高分子微粒子としては、ポリ(メタ)アクリル酸エステル類、ポリスチレン及びその誘導体、ポリアミド類、ポリイミド類、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、などのポリオレフィン類、及びそれらとポリビニルアルコールとの共重合体、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエステル類などの合成樹脂微粒子、及びキチン、キトサン、セルロース、架橋澱粉、架橋セルロース等の天然高分子粒子が挙げられる。中でも、合成樹脂微粒子は、粒子サイズ制御の容易さや、表面改質により所望の表面特性を制御し易いなどの利点がある。
このような高分子微粒子の製造方法は、比較的硬い樹脂では破砕法による微粒子化も可能であるが、懸濁重合法により微粒子を合成する方法が、容易且つ精度良く粒子系を制御できることから、現在主流に採用されている。これら高分子微粒子の製造方法は、「微粒子・粉体の作製と応用」(川口春馬監修、シーエムシー出版、2005年)に記載されている。
本発明に好適に用いられる高分子微粒子の市販品としては、綜研化学(株)より入手可能なものとして、架橋アクリル樹脂(ケミスノーMX−150、MX−180TA、MX−300、MX−500、MX−500H、MX−1000、MX−1500H、MR−2HG、MR−7HG、MR−10HG、MR−3GSN、MR−5GSN、MR−2G、MR−7G、MR−10G、MR−5C、MR−7GC)、及び架橋ポリスチレン樹脂(ケミスノーSX−130H、SX−350H、SX−500H)、積水化成品工業(株)より入手可能なものとして、架橋アクリル樹脂(テクポリマーMBX−5、MBX−8、MBX−12、MBX−15、MBX−20、MB20X−5、MB30X−5、MB30X−8、MB30X−20、BM30X−5、BM30X−8、BM30X−12、MBP−8、ARX−15、SSX−101、SSX−102、SSX−103、SSX−104、SSX−105、SSX−108、SSX−110、SSX−115、SSX−120、ABX−8、AF10X−8、AFX−15、ACX−806C、ACX−1502C、ACP−8C)、及び架橋ポリスチレン樹脂(テクポリマーSBX−6、SBX−8、SBX−12)、三井化学(株)より入手可能なものとして、ポリオレフィン樹脂(ケミパールW100、W200、W300、W308、W310、W400、W401、W4005、W410、W500、WF640、W700、W800、W900、W950、WH201、WP100)、及び熱可塑性エラストマー(ケミパールA100、A400)等が挙げられる。
本発明に用いられる高分子微粒子の形状は、繊維状、針状、板状、球状、不定形粒状、テトラポット状、及びバルーン状等が挙げられ、これらのうち、球状、不定形粒状であるものが好ましい。
本発明に用いられる高分子微粒子の粒子サイズ分布は、単分散でも多分散でもよいが、単分散であるものが好ましい。平均粒子径(体積平均粒子径)は、0.5〜20μmであるものが好ましく、1〜15μmであるものがより好ましく、2〜10μmであるものが更に好ましい。平均粒子径(体積平均粒子径)は、(株)堀場製作所製のレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−910Wを用いることにより測定することができる。
本発明に用いられる高分子微粒子の含有量は、感光層の全固形分量に対して0.1〜20質量%が好ましく、0.3〜15質量%がより好ましく、0.5〜10質量%が特に好ましい。
本発明に用いられる高分子微粒子は、1種のみを単独で使用してもよいが、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明に用いられる感光層は、可視光から赤外光に発振波長を有するレーザーによる走査露光に特に好適に用いられる感光性平版印刷版を構成し得る感光層であり、該感光層には、可視光から赤外光の波長領域に吸収を有し、且つ前記光重合開始剤を増感させる増感剤を含有することが特に好ましい。
増感色素としては、カチオン性色素、アニオン性色素および電荷を有しない中性の色素としてメロシアニン、クマリン、キサンテン、チオキサンテン、アゾ色素等が使用できる。これらの内で特に好ましい例は、カチオン性色素としてのシアニン、カルボシアニン、ヘミシアニン、メチン、ポリメチン、トリアリールメタン、インドリン、アジン、チアジン、キサンテン、オキサジン、アクリジン、ローダミンおよびアザメチン色素から選ばれる色素である。これらのカチオン性色素との組み合わせにおいては、高感度でかつ保存性に優れるために特に好ましく使用される。さらには、近年400〜430nmの範囲に発振波長を有するバイオレット半導体レーザーを搭載した出力機(プレートセッター)が開発されている。この出力機に対応する高感度である感光系としては増感色素としてピリリウム系化合物やチオピリリウム系化合物を含む系が好ましい。
可視光(400〜700nm)に吸収を有する増感色素の具体例を以下に示すが、これらに限定されない。
Figure 2011215234
Figure 2011215234
Figure 2011215234
Figure 2011215234
Figure 2011215234
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また、700nm以上の近赤外光から赤外光の波長領域に感光性を有する平版印刷版として使用される場合の増感色素としては、近赤外光から赤外光の波長領域に吸収を有することが必要であり、こうした目的で使用される色素の好ましい例としては、米国特許第4,973,572号、特開平10−230582号、特開平11−153859号、特開2000−103179号、特開2000−187322号等に記載のものが挙げられ、これらのうち特に好ましい色素としては、シアニン色素、ポリメチン色素、スクワリリウム色素が挙げられる。
赤外線、特に近赤外(すなわち700nm以上、更には750〜1100nmの波長領域)のレーザー光を用いた走査露光に対応させるために、これらの波長の光を吸収する増感色素の具体例を以下に示すが、これらに限定されない。
Figure 2011215234
Figure 2011215234

Figure 2011215234
上記で例示した増感色素の含有量は、前述した光重合開始剤に対して1〜60質量%の範囲が適当であり、好ましくは2〜50質量%の範囲である。
感光層を構成する他の要素として、上述した成分以外にも種々の目的で他の成分を添加することも好ましく行われる。例えば、保存性を向上させる目的で、ヒンダードフェノール化合物やヒンダードアミン化合物を添加することが好ましく行われる。これらの化合物の添加量については、感光層の全固形分量に対して0.01〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.05〜10質量%の範囲である。
更に、画像部の視認性を高める目的で、着色剤の添加も好ましく行われる。着色剤としては、カーボンブラック、フタロシアニン系色素、トリアリールメタン系色素、アントラキノン系色素、アゾ系色素等の各種の色素及び顔料を使用することができ、これら着色剤は光重合開始剤を増感しないものが特に好ましい。これら着色剤の含有量については、感光層の全固形分量に対して0.1〜15質量%が好ましく、より好ましくは1〜10質量%の範囲である。
更に、現像後のシャープネス性を向上させる目的、もしくは印刷版の滑り性を調節する目的で、無機微粒子を添加することも好ましく行われる。
更に、重合禁止剤の添加も好ましく行うことができる。例えばキノン系、フェノール系等の化合物が好ましく使用され、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、カテコール、t−ブチルカテコール、2−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等の化合物が好ましく用いられる。これら重合禁止剤の含有量については、感光層の全固形分量に対して0.001〜5質量%の範囲で使用することが好ましい。
本発明に用いられる感光層は、上述した少なくとも側鎖にカルボキシル基を有する重合体や他の添加剤を塗布溶剤に溶解または分散して支持体上に塗設される。使用できる塗布溶剤としては、特に制限されないが、例えば、水、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、クロロブロモメタン等のハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブチルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、1−メトキシ−2−プロパノール等の脂肪族アルコール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル等の脂肪族エーテル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の脂肪族ケトン、蟻酸エチル、蟻酸n−プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等の脂肪族エステル等が挙げられる。これら塗布溶剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
上記塗布溶剤には更に、少なくとも側鎖にカルボキシル基を有する重合体の溶解性を増大させる目的や他の添加時との相溶性を改善する目的で少量の高沸点溶剤を添加することもできる。これら高沸点溶剤としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサノン、乳酸メチル、乳酸エチル、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、炭酸エチレン、トリオキサン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ジアセトンアルコール、アセト酢酸メチル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。これらの高沸点溶剤の添加量は全溶剤の20質量%以下であることが好ましい。
本発明に用いられる感光層を塗設するための感光層塗布液には、塗布性を良化するための界面活性剤、例えば特開昭62−170950号公報、特開2005−292772号公報等に記載されているようなフッ素系界面活性剤を添加することができる。フッ素系界面活性剤の添加量は、感光層の全固形分量に対して0.001〜2質量%が好ましく、更に好ましくは0.01〜1質量%である。
感光層自体の厚みに関しては、支持体上に0.5μm〜10μmの範囲の乾燥厚みで形成することが好ましく、さらに1μm〜5μmの範囲であることが耐刷性を大幅に向上させるために極めて好ましい。感光層は、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等、公知の種々の塗布方式を用いて支持体上に塗布、乾燥される。
支持体については、未露光部の支持体表面が非画像部となるため、親水性表面を有する支持体が使用される。このための支持体としては、粗面化処理され、陽極酸化皮膜を有するアルミニウム板及び親水性表面を有するプラスチックフィルムが特に好ましく用いられる。
支持体として用いられる好適なプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、硝酸セルロース等が挙げられる。これらプラスチックフィルムの表面は、感光層との接着性を良好にし、非画像部に保水性を与える目的で、各種親水化処理が施される。このような親水化処理としては、化学的処理、放電処理、グロー放電処理、火焔処理、紫外線処理、高周波処理、活性プラズマ処理、レーザー処理等の表面処理、及び表面に親水性層を塗設する方法等が挙げられ、これらの処理は組み合わせて実施してもよい。
該プラスチックフィルム表面に塗設される親水性層としては、従来公知のものを用いることができ、例えば、特公昭49−2286号公報に記載のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレート系ポリマーによる親水性樹脂層、特公昭56−2938号公報に記載の尿素樹脂と顔料から構成される親水性層、特開昭48−83902号公報に記載のアクリルアミド系ポリマーをアルデヒド類で硬化させて得られる親水性層、特開昭62−280766号公報に記載の水溶性メラミン樹脂、ポリビニルアルコール、水不溶性無機粉体を含有する組成物を硬化させて得られる親水性層、特開平8−184967号公報に記載の側鎖にアミジノ基を有する繰り返し単位を含む水溶性ポリマーを硬化して得られる親水性層、特開平8−272087号に記載の親水性(共)重合体を含有し、加水分解されたテトラアルキルオルソシリケートで硬化された親水性層、特開平10−296895号公報に記載のオニウム基を有する親水性層、特開平11−311861号公報に記載のルイス塩基部分を有する架橋親水性ポリマーを多価金属イオンとの相互作用によって三次元架橋させて得られる親水性層、特開2000−122269号公報に記載の親水性樹脂及び水分散性フィラーを含有する親水性層等を挙げることができる。また、特開昭57−179852号、同2001−166491号公報等に開示された、プラスチックフィルム表面と親水性層との結合力を高める目的で、表面グラフト重合等により両者を化学的に結合させた支持体も好ましく用いることができる。
また、支持体として好ましく用いられるアルミニウム板とは、純アルミニウム板、及びアルミニウムを主成分とし微量の異元素を含む合金板である。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等があり、合金中の異元素の含有量は10質量%以下である。本発明において特に好適なアルミニウムは純アルミニウムであるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のもの、例えば、JIS A 1050、JIS A 1100、JIS A 3005、JIS A 3103等を適宜利用することができる。
上記アルミニウム支持体の厚みは、0.1〜0.6mm程度である。この厚みは印刷機の大きさ、印刷版の大きさおよびユーザーの希望により適宜変更することができる。
以下にアルミニウム支持体の表面処理方法について説明する。
アルミニウム板の粗面化処理に先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するために、例えば界面活性剤、有機溶剤、又はアルカリ水溶液等による脱脂処理が行われる。
アルミニウム支持体は、通常、より好ましい形状に粗面化処理される。粗面化処理方法としては、特開昭56−28893号公報に開示されているような機械的粗面化処理、化学的エッチング、電解グレイン等がある。更に、塩酸電解液中又は硝酸電解液中で電気化学的に粗面化処理する方法(電気化学的粗面化処理、電解粗面化処理)や、アルミニウム表面を金属ワイヤーでひっかくワイヤーブラシグレイン法、研磨球と研磨剤でアルミニウム表面を粗面化するボールグレイン法、ナイロンブラシと研磨剤で表面を粗面化するブラシグレイン法等の機械的粗面化処理方法を用いることができる。これらの粗面化処理方法は、単独或いは組み合わせて用いることができる。例えば、ナイロンブラシと研磨剤とによる機械的粗面化処理と、塩酸電解液または硝酸電解液による電解粗面化処理との組み合わせや、複数の電解粗面化処理の組み合わせが挙げられる。
ブラシグレイン法の場合、研磨剤として使用される粒子の平均粒径、最大粒径、使用するブラシの毛径、密度、押し込み圧力等の条件を適宜選択することによって、アルミニウム支持体表面の長い波長成分の凹部の平均深さを制御することができる。ブラシグレイン法により得られる凹部は、平均波長が3〜15μmであるのが好ましく、平均深さが0.3〜1μmであるのが好ましい。
電気化学的粗面化方法としては、塩酸電解液中または硝酸電解液中で化学的に粗面化する電気化学的方法が好ましい。好ましい電流密度は、陽極時電気量50〜400C/dmである。更に具体的には、例えば、0.1〜50質量%の塩酸または硝酸を含む電解液中で、温度20〜100℃、時間1秒〜30分、電流密度100〜400C/dmの条件で直流及び/又は交流を用いて行われる。電解粗面化処理によれば、表面に微細な凹凸を付与することが容易であるため、感光層とアルミニウム支持体との密着性を向上させるうえでも好適である。
機械的粗面化処理の後の電気化学的粗面化処理により、平均直径約0.3〜1.5μm、平均深さ0.05〜0.4μmのクレーター状またはハニカム状のピットをアルミニウム支持体の表面に80〜100%の面積率で生成させることができる。なお、機械的粗面化方法を行わずに、電気化学的粗面化方法のみを行う場合には、ピットの平均深さを0.3μm未満とするのが好ましい。設けられたピットは、印刷版の非画像部の汚れにくさおよび耐刷性を向上する作用を有する。電解粗面化処理では、十分なピットを表面に設けるために必要なだけの電気量、即ち、電流と電流を流した時間との積が、重要な条件となる。より少ない電気量で十分なピットを形成できることは、省エネの観点からも望ましい。粗面化処理後の表面粗さは、JIS B0601−1994に準拠してカットオフ値0.8mm、評価長さ3.0mmで測定した算術平均粗さ(Ra)が、0.2〜0.8μmであるのが好ましい。
このように砂目立て処理されたアルミニウム支持体は、化学エッチング処理をされるのが好ましい。化学エッチング処理としては、酸によるエッチングやアルカリによるエッチングが知られているが、エッチング効率の点で特に優れている方法として、アルカリ溶液を用いる化学エッチング処理が挙げられる。
好適に用いられるアルカリ剤は、特に限定されないが、例えば、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、アルミン酸ソーダ、メタケイ酸ソーダ、リン酸ソーダ、水酸化カリウム、水酸化リチウム等が挙げられる。アルカリエッチング処理の条件は、アルミニウムの溶解量が0.05〜1.0g/mとなるような条件で行うのが好ましい。また、他の条件も、特に限定されないが、アルカリの濃度は1〜50質量%であるのが好ましく、5〜30質量%であるのがより好ましく、また、アルカリの温度は20〜100℃であるのが好ましく、30〜50℃であるのがより好ましい。アルカリエッチング処理は、1種の方法に限らず、複数の工程を組み合わせることができる。なお、本発明においては、機械的粗面化処理の後、電気化学的粗面化処理の前にアルカリエッチング処理を行うこともできる。この場合、アルミニウムの溶解量は、0.05〜30g/mとするのが好ましい。
アルカリエッチング処理を行った後、表面に残留する汚れ(スマット)を除去するために酸洗いが行われる。用いられる酸としては、例えば、硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、フッ酸、ホウフッ化水素酸が挙げられる。特に、電気化学的粗面化処理後のスマット除去処理方法としては、好ましくは特開昭53−12739号公報に記載されているような50〜90℃の温度の15〜65質量%の硫酸と接触させる方法が挙げられる。
また、化学エッチング処理を酸性溶液で行う場合において、酸性溶液に用いられる酸は、特に限定されないが、例えば、硫酸、硝酸、塩酸が挙げられる。酸性溶液の濃度は、1〜50質量%であるのが好ましい。また、酸性溶液の温度は、20〜80℃であるのが好ましい。
以上のように処理されたアルミニウム支持体には、更に、陽極酸化処理が施される。陽極酸化処理はこの分野で従来行われている方法で行うことができる。具体的には、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸等の単独のまたは2種以上を組み合わせた水溶液または非水溶液の中で、アルミニウム支持体に直流または交流を流すとアルミニウム支持体の表面に陽極酸化皮膜を形成することができる。
陽極酸化処理の条件は、使用される電解液によって種々変化するので一概に決定され得ないが、一般的には電解液濃度1〜80質量%、液温−5〜70℃、電流密度0.5〜60A/dm、電圧1〜100V、電解時間10〜300秒であるのが適当である。これらの陽極酸化処理の中でも、英国特許第1,412,768号明細書に記載されている、硫酸電解液中、高電流密度で陽極酸化処理する方法が特に好ましい。
本発明においては、陽極酸化皮膜の量は1〜10g/mであるのが好ましく、1.5〜7g/mであるのがより好ましく、2〜5g/mであるのが特に好ましい。
本発明に用いられるアルミニウム支持体としては、上記のような表面処理をされ、陽極酸化皮膜を有する基板そのままでもよいが、感光層との接着性、親水性、汚れ難さ、断熱性等の一層の改良のため、必要に応じて、陽極酸化皮膜のマイクロポアの拡大処理、マイクロポアの封孔処理、及び親水性化合物を含有する水溶液に浸漬する表面親水化処理等を適宜選択して行うことができる。
上記親水化処理のための好適な親水性化合物としては、ポリビニルホスホン酸、スルホン酸基を有する化合物、糖類化合物、クエン酸、アルカリ金属珪酸塩、フッ化ジルコニウムカリウム、リン酸塩/無機フッ素化合物等を挙げることができる。
本発明の感光性平版反印刷版の製造方法は、上記した支持体上に感光層を塗布・乾燥した後、30℃〜60℃の温度で熱処理する工程を含むことを特徴とする。この熱処理によって高感度でありながらも感度変動(感度のフレ)が無く、製造安定性に優れ、特にレーザー光による直接描画、高速製版に適したネガ型感光性平版印刷版を得ることができる。
安定した感度領域を得るための有効な熱処理条件の範囲は、各場合によって異なるが、試行錯誤によって容易に決定可能である。熱処理温度が30℃未満のように低い場合、感度の安定化に時間が長くかかる。また、熱処理温度が60℃を超える高温の場合には、感光層成分の分解や劣化、または暗反応の進行等の影響を受け、感度が逆に不安定になったり、現像性の悪化が起こる。したがって、熱処理は30℃〜60℃の範囲で行われることが好ましく、35℃〜50℃の範囲で行われることがより好ましい。熱処理に要する時間もまた試行錯誤によって決定されるが、一般的に熱処理の温度が低い場合、熱処理に要する時間も長くなる。また、熱処理の温度が比較的高い場合は、熱処理時間を長くし過ぎると、上述した感光層成分の分解や劣化、または暗反応の進行等に加えて、感光層の最表面とそれに隣接する合紙や支持体の裏面とが接着しやすくなる場合がある。したがって、熱処理に要する時間は12時間〜240時間が好ましく、24時間〜120時間がより好ましい。
上記熱処理は、塗布、乾燥された感光性平版印刷版の原反を巻き取ったロールの状態、裁断後のシートの状態、またはシートを積載した積層体の状態で行うことができる。また、いずれの状態でも感光性平版印刷版と合紙を重ね合わせた態様で熱処理を行うこともできる。好ましくは、裁断後のシートを積載した積層体の状態であり、特に裁断後のシートと合紙が交互に積載された積層体の状態がより好ましい。合紙としては、具体的構成は特に限定されないが、例えば、木材パルプを100%使用した紙や、木材パルプを100%使用せず合成パルプを使用した紙、及びこれらの紙の表面に低密度ポリエチレン層を設けた紙等を使用できる。特に、合成パルプを使用しない紙では、材料コストが低くなるので、低コストで合紙を製造することができる。より具体的には、漂白クラフトパルプから抄造した坪量30〜60g/m、密度0.7〜0.85g/cm、水分2〜10%、pH4〜6の合紙が挙げられるが、もちろんこれに限定されない。
上記のようにして支持体上に形成された感光層を有する感光性平版印刷版は、密着露光或いはレーザー走査露光を行った後、現像液により未露光部を除去することで画像形成が行われる。露光された部分は架橋皮膜を形成することで現像液に対する溶解性が低下し、画像部が形成される。
本発明のネガ型感光性平版印刷版の現像処理に用いられる現像液としては、アルカリ性の水系現像液が好ましく、特に25℃におけるpHが10〜12であるものが好ましい。現像液のpHを上記範囲に調整するためのアルカリ性化合物として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、トリエチルアンモニウムハイドロキサイド等が挙げられるが、これらの内、特にアルカノールアミン類が好ましい。さらには、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ベンジルアルコール等の各種アルコール類をアルカリ性現像液中に添加することも好ましく行われる。また、各種界面活性剤の添加も好ましく行うことが出来る。こうしたアルカリ性現像液を用いて現像処理を行った後に、アラビアガム、デキストリン類等を使用して通常のガム引きが好ましく行われる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限られるものではない。
<感光性平版印刷版の作製>
砂目立て及び陽極酸化処理が施された厚さ0.3mmのアルミニウム支持体上に、下記の感光層塗布液を乾燥膜厚が1.8μmになるよう塗布を行い、感光性平版印刷版を作製した。
<感光層塗布液>
重合体P−2(10質量%1,4−ジオキサン溶液) 200質量部
ウレタン化合物(U−1) 7質量部
重合性二重結合モノマー(C−5) 2質量部
光重合開始剤1(BC−6 2質量部
光重合開始剤2(BS−1) 1質量部
赤外吸収色素(S−39) 0.5質量部
銅フタロシアニンの10質量%メチルエチルケトン分散液 15質量部
フッ素系界面活性剤:メガファックF176[DIC(株)製]
0.01重量部
重合禁止剤:2,6−ジ−tert−ブチルクレゾール 0.5質量部
ビタミンE誘導体[下記表1に記載] 0.07質量部
高分子微粒子[下記表1に記載] 0.35質量部
1,4−ジオキサン 70質量部
シクロヘキサノン 10質量部
こうして得られた感光性平版印刷版を、40cm×60cmの大きさに裁断し、各20枚を合紙無しで、または合紙と交互に積載した積層体とし、下記表1に記載の条件で熱処理することで、最終目的物である感光性平版印刷版を得た。尚、合紙には漂白クラフトパルプから抄造された、坪量38g/m、水分6%の合紙を使用した。
Figure 2011215234
熱処理が完了したその日のうちに、得られた感光性平版印刷版をサーマル用イメージセッターTrendsetter800II Quantum[Kodak社製;発振波長830nm]を使用して、版面露光エネルギーが70mJ/cm、解像度2400dpiの条件で露光を行った後、自動現像機P−1310[大日本スクリーン製造(株)製]を用いて、下記処方の現像液で29℃30秒処理を行った。
<現像液>
N−エチルエタノールアミン 35g
リン酸(85質量%溶液) 10g
水酸化カリウム (pHを11.5に調整するための量)
アルキルナフタレンスルホン酸Na(35質量%溶液) 30g
ジエチレントリアミン5酢酸 1g
水で全量を 1L
pHは11.5(25℃)
(感度安定性の評価)
現像して得られた印刷版のベタ画像部の濃度を反射濃度計DM−620[大日本スクリーン製造(株)製]で測定し、感度の指標とした。評価結果は、製造後25℃で6ヶ月間経過し十分に感度が安定化した感光性平版印刷版のベタ画像部の濃度を100とした場合の感度到達率で表した。値が大きいほど感度が安定していることを示している。結果を表2に示した。
(現像性の評価)
熱処理が完了したその日のうちに、得られた感光性平版印刷版を上記現像液で29℃12秒処理することにより、現像性を下記基準で評価した。結果を表2に示した。
○:非画像部に残膜がない。
△:非画像部に僅かに残膜があるが、実用上問題がない。
×:非画像の大部分に残膜がある。
(感光層の最表面とそれに隣接する合紙や支持体の裏面との接着評価)
熱処理直後の感光性平版印刷版の最表面とそれに隣接する合紙や支持体の裏面との接着を下記基準で評価した。結果を表2に示した。
○:接着がない。
△:僅かに接着が見られるが、実用上問題がない。
×:明らかに接着が見られる。
Figure 2011215234
上記結果から分かる通り、本発明によりオーバーコート層を有さなくとも高感度であり、感度変動(感度のフレ)が無く、製造安定性に優れ、特にレーザー光による直接描画、高速製版に適したネガ型感光性平版印刷版の製造方法を提供することができる。

Claims (2)

  1. 親水性表面を有する支持体上に光重合型の感光層を有し、かつオーバーコート層を設けないネガ型感光性平版印刷版の製造方法であって、支持体上に、少なくとも一種のビタミンE誘導体及び高分子微粒子を含有する感光層を塗設し、その後30℃〜60℃の温度で熱処理することを特徴とする感光性平版印刷版の製造方法。
  2. 上記熱処理する工程が、合紙を挟んで複数枚の感光性平版印刷版が積載された状態でなされることを特徴とする、請求項1に記載の感光性平版印刷版の製造方法。
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