JP5049232B2 - 画像形成材料の現像処理方法 - Google Patents

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本発明は、支持体上に光重合性感光層を有する画像形成材料の現像処理方法に関する。詳しくは、光重合性感光層を有する画像形成材料を水現像可能とする現像処理方法に関し、好ましくは平版印刷版を得る方法に関する。
近年、画像形成技術の発展に伴い、非接触型の投影露光やバイオレットレーザー、可視光レーザーなどに適合した画像形成材料が要望されている。更に、半導体レーザーの著しい進歩によって700〜1300nmの近赤外レーザー光源を容易に利用できるようになったことに伴い、該レーザー光に対応する画像形成材料も注目されている。
印刷の分野においても、これらレーザー光に対応する画像形成材料を利用し、コンピューター等のデジタルデータから直接製版可能な、支持体上に光重合性感光層を有する平版印刷版の開発が盛んに行われている。このような平版印刷版の製版工程においては、画像露光により重合させた後、不要な画像記録層を現像液などによって溶解除去し、親水性の支持体表面を露出させる。そして親油性の画像部をインキ受容部、親水性の非画像部を湿し水受容部(インキ非受容部)として、平版印刷版の表面にインキの付着性の差異を生じさせ、画像部のみにインキを着肉させた後、紙などの被印刷体にインキを転写して印刷が行われる。
このような平版印刷版用の現像液としては、環境上、また、安全上pHが12以下の比較的低いpHのアルカリ溶液の使用が望ましいが、現在レーザー対応可能な平版印刷版として製品化されているものは、pHが12.5以上の高いpHの現像液の使用が一般的である。この理由としては、汚れ性、現像性、現像処理能力の低下防止などが挙げられる。このような現像液としては、例えば、特開昭60−111246号公報、特開昭62−168160号公報、特開平8−248643号公報、特開平11−65129号公報等の公報に記載の珪酸アルカリ塩を含む溶液が知られている。これらの現像液は、現像時に支持体をシリケート処理し親水化するが、pHが12.5以下の場合、珪酸アルカリ塩が析出しやすくなるため、12.5以上の高いpHに保つ必要がある。
また、比較的低いpHで珪酸塩を含まない現像液として、例えば特開2000−81711号公報にアニオン界面活性剤を含む水酸化カリウム水溶液が、特開平11−65126号公報にpHが8.5〜11.5のアルカリ金属の炭酸塩水溶液が、特開2001−175004号公報にはpHが7〜12の界面活性剤を含む炭酸塩水溶液が開示されている。しかし、このような比較的低いpHでの現像液の場合では、基本的に感光層の溶解力が乏しいため、現像性が不充分である場合があるなどの問題があった。これらの問題を解決するためには、感光層中の高分子結合剤(バインダー)の酸価を高くして現像性を向上させる、または酸基を有するモノマーの併用などの工夫が必要であり、このような高酸価バインダーを使用した場合には、印刷の途中でインキが着かなくなる問題(ブラインディング)等、印刷上の問題が発生しやすかった。
これらの問題を改良する目的で、光重合性感光層を有する平版印刷版の現像に、無機アルカリ剤とポリオキシアルキレンエーテル基を有するノニオン系界面活性剤とを含有する比較的低いpHの現像液を用いる方法が、特開2002−196507号公報、特開2002−351094号公報等の公報に記載されている。しかしながら、近年の環境問題への配慮から湿式現像処理に伴って排出される廃液の処分が産業界全体の大きな関心事となっており、更に低いpHの現像液に前述した無機アルカリ剤とノニオン系界面活性剤を利用した方法を適用しようとした場合には、現像性の低下、それに伴う印刷性能の低下など好ましくない場合があった。
一方、米国特許出願公開2004/0013968号明細書(特許文献1)には、支持体上に、ラジカル重合性エチレン状不飽和モノマー、ラジカル重合開始剤および赤外吸収染料を含有する親油性感熱層からなる平版印刷版を赤外レーザー露光により硬化し、pH2.0〜10.0の水性現像液で該感熱層の未硬化領域を除くことからなる平版印刷版の処理方法が記載されている。また、特開2006−65321号公報(特許文献2)、特開2007−264107号公報(特許文献3)、特開2007−316598号公報(特許文献4)等の公報には、ノニオン界面活性剤またはアニオン界面活性剤を含むpH2〜10の低pH現像液を用いた平版印刷版の製版方法が開示されている。しかしながら、これらの低pH現像液を用いた方法は、比較的多量に界面活性剤を含有しているため泡立ち等で処理安定性に欠けるだけでなく、依然として膜強度も十分でないため耐刷力に劣り、さらには現像性が遅く、現像条件の変化に対する寛容度が小さいため、所望とする性能、特性が安定して得られないものであった。
米国特許出願公開2004/0013968号明細書 特開2006−65321号公報 特開2007−264107号公報 特開2007−316598号公報
本発明の目的は、支持体上に光重合性感光層を有する画像形成材料の性能、特に現像性、ならびに印刷特性に優れた平版印刷版の現像処理方法を提供することであり、また酸性域から弱アルカリ性域に亘る低pHの現像液により環境上、また、安全上においてより有利な画像形成材料の現像処理方法を提供することである。本発明の他の目的、利点は以下の説明から自ずと明らかになるであろう。
本発明者等は、鋭意検討の結果、支持体上に光重合性感光層を有する画像形成材料の現像処理方法において、該光重合性感光層の上にオクタデシルアミン、ジオレイルアミン、n−ブチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ドデシルジメチルアミン、ポリオキシアルキレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油アルキルジメチルアミンオキシドから選ばれる含窒素有機化合物を存在せしめた画像形成材料を、pH9以下の現像液を用いて現像処理することにより、本発明の上記目的がより好ましく達成されることを見出した。
本発明によれば、優れた現像性および印刷性能が安定して得られ、また保存安定性に優れた画像形成材料(特に平版印刷版)が提供され、その画像形成材料と低pH現像液(端的には水のみ)を用いて現像可能であり、環境上、安全上からも望ましい現像処理方法を提供することができる。
本発明に用いられる画像形成材料としては、特に限定されるものではないが、支持体上に有機溶剤系の感光性組成物からなる光重合性感光層、すなわち水不溶性の光重合性感光層を設けた平版印刷版に好適である。この平版印刷版は、光の照射によって重合組成物が架橋、重合反応を起こし、現像処理によって未反応部分を除去することで、重合部分をインキ受容性部分とする平版印刷版であって、例えば特開昭52−151024号公報、特公平3−34051号公報、特開平5−2265号公報、特開平8−320551号公報、特開2001−272778号公報、特開2001−290271号公報、特開2003−295468号公報等の公報、さらに前記特許文献1〜4等に記載されているような平版印刷版が挙げられるが、特に、該光重合性感光層が光重合開始剤および高分子バインダーを少なくとも含む光重合性感光層(以下、単に「感光層」ということもある)である平版印刷版に好ましく適用できる。
本発明に用いられる光重合開始剤の例としては、芳香族ケトン類、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、アジニウム塩化合物、活性エステル化合物、メタロセン化合物、有機ホウ素化合物およびトリハロアルキル置換化合物等が挙げられる。
芳香族ケトン類の好ましい例としては、”RADIATION CURING IN POLYMER SCIENCE AND TECHNOLOGY”、J.P.FOUASSIER J.F.RABEK(1993)、P77〜117記載のベンゾフェノン骨格あるいはチオキサントン骨格を有する化合物、特公昭47−6416号公報記載のα−チオベンゾフェノン化合物、特公昭47−3981号公報記載のベンゾインエーテル化合物、特公昭47−22326号公報記載のα−置換ベンゾイン化合物、特公昭47−23664号公報記載のベンゾイン誘導体、特開昭57−30704号公報記載のアロイルホスホン酸エステル、特公昭60−26483号公報記載のジアルコキシベンゾフェノン、特公昭60−26403号公報、特開昭62−81345号公報等の公報記載のベンゾインエーテル類、特開平2−211452号公報記載のp−ジ(ジメチルアミノベンゾイル)ベンゼン、特開昭61−194062号公報記載のチオ置換芳香族ケトン、特公平2−9597号公報記載のアシルホスフィンスルフィド、特公平2−9596号公報記載のアシルホスフィン、特公昭63−61950号公報記載のチオキサントン類、特公昭59−42864号公報記載のクマリン類を挙げることができる。
また、芳香族オニウム塩としては、N、P、As、Sb、Bi、O、S、Se、TeまたはIの芳香族オニウム塩が含まれる。このような芳香族オニウム塩は、特公昭52−14277号公報、特公昭52−14278号公報、特公昭52−14279号公報等の公報に示されている化合物を挙げることができる。有機過酸化物としては、分子中に酸素−酸素結合を1個以上有する有機化合物のほとんど全てが含まれるが、例えば、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(t−アミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(t−オクチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレートなどの過酸化エステル系が好ましい。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、特公昭45−37377号公報、特公昭44−86516号公報等の公報記載のロフィンダイマー類、例えば2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(o,o′−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−メチルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−トリフルオロメチルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
ケトオキシムエステル化合物としては、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−p−トルエンスルホニルオキシイミノブタン−2−オン、2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン等が挙げられる。アジニウム塩化合物の例としては、特開昭63−138345号公報、特開昭63−142345号公報、特開昭63−142346号公報、特開昭63−143537号公報ならびに特公昭46−42363号公報等の公報記載のN−O結合を有する化合物群を挙げることができる。活性エステル化合物の例としては特公昭62−6223号公報記載のイミドスルホナート化合物、特公昭63−14340号公報、特開昭59−174831号公報等の公報記載の活性スルホナート類を挙げることができる。
光重合開始剤の他の例であるメタロセン化合物の例としては、特開昭59−152396号公報、特開昭61−151197号公報、特開昭63−41484号公報、特開平2−249号公報、特開平2−4705号公報等の公報記載のチタノセン化合物ならびに、特開平1−304453号公報、特開平1−152109号公報等の公報記載の鉄−アレーン錯体を挙げることができる。
本発明に用いられる光重合開始剤の好ましい例として、有機ホウ素塩およびトリハロアルキル置換化合物が挙げられる。有機ホウ素化合物として、前記特開2001−272778号公報、特開2001−290271号公報、特開2003−295468号公報等の公報に示される有機ホウ素アニオンを有する化合物を用いることが好ましい。
有機ホウ素化合物として、例えば下記に示す有機ホウ素アニオンを有する化合物を用いることができる。
Figure 0005049232
化1において、R,R,RおよびRは各々同じであっても異なっていても良く、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基を表す。これらの内で、R,R,RおよびRの内の一つがアルキル基であり、他の置換基がアリール基である場合が特に好ましい。
上記の有機ホウ素アニオンは、これと塩を形成するカチオンが同時に存在する。この場合のカチオンとしては、アルカリ金属イオンおよびオニウムイオンが挙げられる。オニウム塩としては、アンモニウム、スルホニウム、ヨードニウムおよびホスホニウム化合物が挙げられる。アルカリ金属イオンおよびオニウム化合物と有機ホウ素アニオンとの塩を用いる場合には、別に増感色素を添加することで色素が吸収する光の波長範囲での感光性を付与することが行われる。この場合の有機ホウ素塩は可視光から赤外光の波長領域に感光性を示さず、増感色素の添加によって初めてこうした波長領域の光に感光性を示すものである。
特に好ましい有機ホウ素塩の例を下記に示す。
Figure 0005049232
Figure 0005049232
感光層中における有機ホウ素化合物の割合は、感光層の全固形分量100質量部に対して0.1質量部から50質量部の範囲で含まれていることが好ましい。
本発明に用いられる光重合開始剤の他の好ましい例として、前記特開2001−272778号公報、特開2001−290271号公報、特開2003−295468号公報等の公報に記載のトリハロアルキル置換化合物が挙げられる。トリハロアルキル置換化合物とは、具体的にはトリクロロメチル基、トリブロモメチル基等のトリハロアルキル基を分子内に少なくとも1個以上有する化合物であり、好ましい例としては、該トリハロアルキル基が含窒素複素環基に結合した化合物としてs−トリアジン誘導体およびオキサジアゾール誘導体が挙げられ、或いは、該トリハロアルキル基がスルホニル基を介して芳香族環或いは含窒素複素環に結合したトリハロアルキルスルホニル化合物が挙げられる。トリハロアルキル置換化合物は、感光層の全固形分量100質量部中に対して0.1質量部から50質量部の範囲で含まれることが好ましい。
トリハロアルキル置換した含窒素複素環化合物の特に好ましい例を以下に示す。
Figure 0005049232
本発明は、上記した光重合開始剤の増感剤を含有するのが好ましい。増感剤としては、増感色素が好ましい。本発明において用いることが好ましい増感色素については、カチオン性色素、アニオン性色素および電荷を有しない中性の色素としてメロシアニン、クマリン、キサンテン、チオキサンテン、アゾ色素等が使用できる。これらの内で特に好ましい例は、カチオン色素としてのシアニン、カルボシアニン、へミシアニン、メチン、ポリメチン、トリアリールメタン、インドリン、アジン、チアジン、キサンテン、オキサジン、アクリジン、ローダミンおよびアザメチン色素から選ばれる色素である。これらのカチオン性色素との組み合わせに於いては特に高感度でかつ保存性に優れるために好ましく使用される。さらには近年380〜410nmの範囲に発振波長を有するバイオレット半導体レーザーを搭載した出力機(プレートセッター)が開発されている。この出力機に対応する高感度である感光系としては増感色素としてピリリウム系化合物やチオピリリウム系化合物を含む系が好ましい。好ましい増感色素の例を示す。
Figure 0005049232
Figure 0005049232
Figure 0005049232
Figure 0005049232
Figure 0005049232
Figure 0005049232
Figure 0005049232
Figure 0005049232
上記のような増感色素と光重合開始剤との量的な比率は、増感色素100質量部に対して光重合開始剤は0.01質量部から100質量部の範囲で用いることが好ましく、更に好ましくは光重合開始剤は0.1質量部から50質量部の範囲で使用することが好ましい。
本発明の感光層には重合性化合物(エチレン性不飽和化合物)が用いられる。エチレン性不飽和化合物としては、分子内に2個以上の重合性二重結合を有する重合性化合物が挙げられる。好ましいエチレン性不飽和化合物の例としては、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルイソシアヌレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールグリセロールトリアクリレート、グリセロールエポキシトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等の多官能アクリル系モノマーが挙げられる。
或いは、上記の重合性化合物に代えてラジカル重合性を有するオリゴマーも好ましく使用され、アクリロイル基、メタクリロイル基を導入した各種オリゴマーとしてポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等も同様に使用されるが、これらもエチレン性不飽和化合物として同様に好ましく用いることができる。
或いは更に好ましいエチレン性不飽和化合物として、スチレン誘導体が挙げられ、分子内に2個以上のスチリル基を有する化合物を使用した場合に於いて、発生するラジカルにより生成するスチリルラジカル同士の再結合により効果的に架橋を行うため、高感度のネガ型感光材料を作成する上で極めて好ましい。特に好ましいエチレン性不飽和化合物を以下に示す。
Figure 0005049232
Figure 0005049232
Figure 0005049232
上記のようなエチレン性不飽和化合物は、感光層の全固形分量100質量部中において1質量部から60質量部の範囲で含まれることが好ましく、さらに5質量部から50質量部の範囲で含まれることが特に好ましい。
本発明に用いられる高分子バインダーとしては、前記特許文献2(特開2006−65321号公報)に記載の疎水性バインダーであっても良いが、本発明の効果をより発現させるためには、前記特開2001−272778号公報、特開2001−290271号公報、特開2003−295468号公報等の公報に記載のカルボキシル基を有する高分子バインダーであることが好ましい。こうした例としては、カルボキシル基含有モノマーを共重合成分として含むポリマーが挙げられる。該高分子バインダーの酸価として10mgKOH/g以上、好ましくは20〜400mgKOH/gの範囲であることがより好ましい。
上記のカルボキシル基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸2−カルボキシエチルエステル、メタクリル酸2−カルボキシエチルエステル、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、4−カルボキシスチレン等のような例が挙げられる。
上記のようなカルボキシル基含有モノマーとともに共重合体を形成するためのモノマーとしては、スチレン、4−メチルスチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−アセトキシスチレン、4−カルボキシスチレン、4−メトキシスチレン等のスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ドデシル等のメタクリル酸アルキルエステル類、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アリールエステル或いはアルキルアリールエステル類、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸メトキシジエチレングリコールモノエステル、メタクリル酸メトキシポリエチレングリコールモノエステル、メタクリル酸ポリプロピレングリコールモノエステル等のアルキレンオキシ基を有するメタクリル酸エステル類、メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸2−ジエチルアミノエチル等のアミノ基含有メタクリル酸エステル類、或いはアクリル酸エステルとしてこれら対応するメタクリル酸エステルと同様の例、或いは、リン酸基を有するモノマーとしてビニルホスホン酸等、或いは、アリルアミン、ジアリルアミン等のアミノ基含有モノマー類、或いは、ビニルスルホン酸およびその塩、アリルスルホン酸およびその塩、メタリルスルホン酸およびその塩、スチレンスルホン酸およびその塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびその塩等のスルホン酸基を有するモノマー類、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルカルバゾール等の含窒素複素環を有するモノマー類、或いは4級アンモニウム塩基を有するモノマーとして4−ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドのメチルクロライドによる4級化物、4−ビニルイミダゾールのメチルクロライドによる4級化物、4−ビニルベンジルピリジニウムクロライド等、或いはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、またアクリルアミド、メタクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、4−メチロールアクリルアミド、N−メトキシエチルアクリルアミド、4−ヒドロキシフェニルアクリルアミド等のアクリルアミドもしくはメタクリルアミド誘導体、さらにはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、フェニルマレイミド、ヒドロキシフェニルマレイミド、酢酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、プロビオン酸ビニル、酪酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類、またメチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、その他、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルアルコール、ビニルトリメトキシシラン、グリシジルメタクリレート等各種モノマーを先に述べたカルボキシル基含有モノマーとともに上記の内のモノマー単独あるいはこれらの任意の組み合わせで含む共重合体を光重合性感光層の高分子バインダーとして使用することができる。
本発明に用いられる高分子バインダーの構造中には光重合開始剤から生じるラジカルに反応性を有する置換基を有する場合も好ましく用いられる。例えば、前記特開2001−272778号公報、特開2001−290271号公報、特開2003−295468号公報等の公報に記載のポリマー側鎖に重合性二重結合を導入した場合については極めて高感度な感光性組成物を与えることから特に好ましく用いられる。さらには、側鎖に含まれる重合性二重結合としてビニル基が置換したフェニル基を有する場合においては、ラジカルが付加することにより生じるビニルラジカル同士が再結合により互いに結合することから高感度の感光材料を与えるため極めて好ましい。本発明に好ましく用いられる高分子バインダーの例を以下に示す。尚、式中の数字は重合体中の各繰り返し単位の質量部を表す。
Figure 0005049232
Figure 0005049232
Figure 0005049232
Figure 0005049232
Figure 0005049232
本発明に用いられる高分子バインダーの分子量は、質量平均分子量として1000から100万の範囲にあることが好ましく、さらに5000から50万の範囲にあることが好ましい。
本発明に用いられる高分子バインダー(例えば前記特開2001−290271号公報記載のカルボキシル基を有する高分子バインダー)は、実質的に水不溶性であり、従って感光層用の塗布溶液は有機溶剤を用いて調製される。
かかる有機溶剤としては、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のセロソルブアセテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のプロピレングリコールエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルアセテート類、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のジエチレングリコールエーテル類、乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸エステル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエチレン等のハロゲン化溶剤等が挙げられる。これらの有機溶剤は単独で、あるいは2種以上混合して使用することができる。
感光層を構成する他の要素として重合禁止剤の添加も好ましく行うことができる。例えば、キノン系、フェノール系等の化合物が好ましく使用され、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、カテコール、t−ブチルカテコール、2−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等の化合物が好ましく用いられる。これらの重合禁止剤と先に述べたエチレン性不飽和化合物との好ましい割合は、エチレン性不飽和化合物100質量部に対して0.001質量部から0.1質量部の範囲で使用することが好ましい。
感光層を構成する他の要素として着色剤の添加も好ましく行うことができる。着色剤としては露光および現像処理後に於いて画像部の視認性を高める目的で使用されるものであり、カーボンブラック、フタロシアニン系色素、トリアリールメタン系色素、アントラキノン系色素、アゾ系色素等の各種の色素および顔料を使用することができ、バインダー100質量部に対して0.005質量部から0.5質量部の範囲で好ましく添加することができる。
感光層を構成する要素については上述の要素以外にも種々の目的で他の要素を追加して含有することもできる。例えばブロッキングを防止する目的もしくは現像後の画像のシャープネス性を向上させる等の目的で無機物微粒子あるいは有機物微粒子を添加することも好ましく行われる。
平版印刷版として使用する場合の感光層自体の厚みに関しては、支持体上に0.3μmから10μmの範囲の乾燥厚みで形成することが好ましく、さらに0.5μmから5μmの範囲であることが耐刷性を大幅に向上させるために極めて好ましい。感光層は必要な成分を有機溶剤の溶液として調製し、公知の種々の塗布方式を用いて支持体上に塗布、乾燥される。支持体については、例えばフィルム、ポリオレフィン樹脂被覆紙、陽極酸化皮膜を有するアルミニウム板等のいずれも使用できる。これらの支持体は親水性の下引層を有していてもよい。
塗布方式としては、例えばロールコーティング、ディップコーティング、エアナイフコーティング、グラビアコーティング、ホッパーコーティング、ブレードコーティング、ワイヤドクターコーティングなどが挙げられる。
本発明の画像形成材料は、前述したような光重合性感光層の上に含窒素有機化合物を配置せしめるものである。含窒素有機化合物は、バインダーを含まない該有機化合物の溶液として感光層の上に付与し存在せしめることもできるが、酸素遮断層等の目的で従来から用いられている保護層と同様の方法でバインダーを含む塗工液として設けるのが実用上有利である。従って、以下は保護層と呼称して説明する。
本発明の画像形成材料は、光重合性感光層上に含窒素有機化合物を含有する保護層を積層することに特徴がある。理由は明確ではないが、含窒素有機化合物を感光性組成物中のみに含有しても本発明の効果は実質的に発現されない。また、ある種の含窒素有機化合物を現像液(処理液)に含有させても本発明の効果はあるが、保護層に用いた場合には、より現像性に優れており、短時間の現像で安定した良好な特性を得ることができることが判明した。
本発明の含窒素有機化合物を含有する保護層は、水または水混和性有機溶剤との混合溶媒に可溶な親水性ポリマーをバインダーとして設けることが好ましい。親水性ポリマーの具体例としては、ポリビニルアルコール、一部がエステル、エーテル、アセタールで置換されたポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類、ゼラチン、アラビアゴム、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸エステル部分ケン化物、天然多糖類等が挙げられる。上記ポリビニルアルコール(PVA)等のバインダーの分子量は、2000〜1000万の範囲のものが使用でき、好ましくは2万〜300万の範囲のものが適当である。
本発明の保護層における親水性ポリマーの塗布量は、乾燥後の質量で0.05g/mから3g/mの範囲とすることが好ましく、更に好ましくは0.1g/mから1.5g/mの範囲である。保護層は1層でも複数層であってもよく、複数層の場合には本発明に用いられる含窒素有機化合物はいずれの層に含有していてもよく、複数層に含有していてもよい。
本発明に用いられる含窒素有機化合物は、第一、第二、第三級、ならびに第四級のいずれかの窒素原子を有し、固体もしくは液体状の有機化合物である。含窒素有機化合物が液状物質である場合には、低沸点の有機化合物では塗布乾燥中あるいは乾燥後に揮発してしまうため、沸点が150℃以上、好ましくは175℃以上、特に好ましくは200℃以上の有機化合物であることが好ましく、それは画像形成材料の保存安定性の面からも好ましい。また、炭素数4以上30以下の有機基、好ましくは置換、未置換のアルキル基、アリール基(フェニル基、ナフチル基等)、アラルキル基(ベンジル基、フェネチル基等)等を有している含窒素有機化合物であることが好ましく、さらに同時にポリアルキレン(好ましくはポリエチレン)基を有している含窒素有機化合物であることが更に好ましい。これらの要件を満たす含窒素有機化合物について以下に具体例を挙げて説明する。
本発明に用いられる含窒素有機化合物には、アミン化合物が挙げられる。アミン化合物としては、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、アレイルアミン等の脂肪族第一アミン類;ジアミルアミン、ジオレイルアミン、オレイルプロピレンジアミン等の脂肪族第二アミン類;トリブチルアミン、トリアミルアミン、ドデシルジメチルアミン、ヘキサデシルジメチルアミン等の脂肪族第三アミン類;ジ(4−メチルベンジル)アミン、ジフェニルアミン、トリベンジルアミン、p−エチルアニリン等の芳香族アミン類;ヘキサメチレンテトラミン、特開2002−244288号公報記載のヒンダードアミン等の環状脂肪族アミン類;ジエタノールアミン等のジアルカノールアミン類;トリエタノールアミン、ジエタノールプロパノールアミン、エタノールジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン等のトリアルカノールアミン類;3−(ジメチルアミノ)−1−プロパノール、ジエチルエタノールアミン、ジブチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、エチルジエタノールアミン、n−ブチルジエタノールアミン、t−ブチルジエタノールアミン等のアルキルアルカノール第三級アミン類等が挙げられる。
脂肪族第三アミン類として、炭素原子数4〜20のアルキルアミンのポリオキシアルキレン誘導体、例えばポリオキシエチレンドデシルアミン、ポリオキシエチレンオクタデシルアミン、ポリオキシエチレンヤシ油ドデシルアミン、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレンスレアリルアミン、特開平11−160878号公報記載のオキシプロピレン基とオキシエチレン基を有するアミン化合物も有効である。またエチレンジアミンテトラポリエチレンポリプロピレン(日本油脂製商品名ユニルーブ)のような脂肪族第三アミンであってもよい。
本発明に用いられる第四級窒素原子を有する有機化合物は、ポリオキシエチレンドデシルモノメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ドコセニルトリメチルアンモニウムクロライドのような、窒素原子が四級塩の形になった有機化合物である。さらに前記特開平11−160878号公報記載のオキシプロピレン基とオキシエチレン基を有する含四級窒素の化合物であってもよい。
さらに本発明に用いられる含窒素有機化合物は、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミド等の脂肪酸アミド(日本油脂製商品名ナイミッド)、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキシド、ポリオキシエチレンヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド等のアミンオキシド(日本油脂製商品名ユニセーフ)であってもよい。
本発明に用いられる含窒素有機化合物の量は、当該化合物の種類により、あるいは感光層の組成等により異なるが、感光層の単位面積あたりの高分子バインダー量に対して、5〜500質量%、好ましくは10〜300質量%の範囲が好ましい。保護層における含窒素有機化合物の塗布量としては、乾燥後の質量で0.01g/mから3.0g/mの範囲とすることが好ましく、更に好ましくは0.03g/mから1.5g/mの範囲である。
また保護層には、塗布助剤としてのアニオンや非イオンの界面活性剤、またマット剤等を適宜添加することができる。保護層の塗布時期は、感光層と同時に、あるいは感光層の乾燥途中に、あるいは乾燥した後のいずれであってもよい。
上記のようにして支持体上に形成された感光層を有する画像形成材料を平版印刷版として使用するためには、これに密着露光あるいはレーザー走査露光を行い、露光された部分が架橋することで現像液に対する溶解性が低下することから、後述する現像液により未露光部を溶出することでパターン形成が行われる。
本発明に係わるレーザー走査露光に使用する特に好ましいレーザー光源は、近赤外領域に発振波長を有するレーザーであり、各種半導体レーザー、YAGレーザーやガラスレーザー等の固体レーザーが最も好ましい。
本発明に用いられる現像液は、pH9以下であることが好ましい。現像液のpHが9を超えても、本発明に用いられる画像形成材料の現像処理は可能であるが、後述するような従来の高pH現像液では欠点も生じるだけでなく、本発明が意図する酸性域から弱アルカリ性域(pH4.5〜8.5)での現像処理という趣旨に合致しない。従って、本発明の現像液のpH9以下という条件は厳密な臨界値を示すものではなく、最も望ましいpH7を中心として、酸性域から弱アルカリ性領域でも現像可能であることを示すものである。本発明においては、従来のような無機アルカリ剤(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム等)を本質的に含有せず、通常の中性の水だけでも現像可能であることに最大の特徴があるのであって、pH9以下pH4以上、好ましくはpH8.5以下pH4.5以上の現像液であることが好ましい。pHをこの範囲に調整するために、必要に応じて各種アミンのような有機アルカリ剤、無機酸、有機酸とそれらの塩のいずれか、もしくはこれらの組み合わせを用いることができる。
さらに本発明に用いられる現像液には、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、メチルグリコール、ブチルグリコール、ブチルジグリコール、ブチルトリグリコール、ベンジルグリコール、メチルプロピレントリグリコール、グリセリン、ベンジルアルコール等の各種有機溶剤や前記感光層用の塗布溶液で記載した有機溶剤のような、水と混和性の有機溶剤を現像液中に添加することにより感光層の溶出を促進することができる結果、保護層に用いる含窒素有機化合物の量を少なくすることができるとともに、より安定した現像が可能となる利点がある。またこの利点は、保護層で説明した含窒素有機化合物を現像液にも添加することで、同様に得ることができる。
現像液中に添加する水と混和性の有機溶剤の量は、有機溶剤の種類により異なるが、現像液1リットルあたり5〜200ml、好ましくは10〜100ml程度であり、同じく含窒素有機化合物の量は該有機化合物の種類により異なるが、現像液1リットルあたり5〜200g、好ましくは10〜100g程度である。
本発明に用いられる現像液は、必要に応じて種々の界面活性剤、防腐剤、消泡剤、湿潤剤等を含有することができる。
本発明に用いられる現像液を使用して、支持体上に光重合性感光層を有する画像形成材料の現像処理を行う方法としては、手処理、浸漬処理および機械による処理などが挙げられる。手処理の場合は、例えば、スポンジや脱脂綿に現像液を含ませ、感光層側の表面を擦りながら処理し、処理終了後余分の現像液を拭き取る、あるいは水洗する方法がある。浸漬処理の場合は、例えば、支持体上に感光層を有する画像形成材料を現像液の入ったバットや深タンクに30〜60秒浸した後、スポンジや脱脂綿などで擦りながら水洗する方法がある。
また、現像処理を行う別の方法として機械処理が挙げられる。機械処理には、例えば、従来PS版およびCTPプレート用に知られているガムコーターや自動現像機を用いることができる。自動現像機を用いる場合、例えば、現像槽に仕込んだ現像液をポンプで汲み上げてスプレーノズルから吹き付けて処理する方式、現像液が満たされた現像槽中に液中ガイドロールなどによって画像形成材料を浸漬搬送させて現像処理する方式、実質的に未使用の処理液を処理毎に必要な分だけ供給して処理するいわゆる使い捨て処理方式等、いずれの方式も適用できる。また、いずれの方式においても、ブラシロールやモルトンロールなどによる擦り機構があるものがより好ましい。
以下実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。実施例中の%は質量%を示す。
[実施例1]
特開2001−290271号公報に記載の合成例1に従い、例示の高分子バインダーP−1(前記の例示P−1)を合成した。質量平均分子量は約9万であった。
下記処方の塗布液を作製した後、コロイダルシリカを含む下塗層を設けたポリエステルフィルム支持体上に乾燥膜厚が1.0μmになるよう塗布し、90℃の温風で2分間乾燥させ、平版印刷版Aを得た。
<平版印刷版Aの塗布液処方>
重合性ポリマー(P−1)の10%ジオキサン溶液 100質量部
光重合開始剤 (BC−6) 2質量部
(T−4) 1質量部
エチレン性不飽和化合物 (C−12) 5質量部
増感色素 (S−33) 0.3質量部
重合禁止剤 2,6−ジ−t−ブチルクレゾール 0.1質量部
有機溶媒 シクロヘキサノン 20質量部
全量を1,3−ジオキソランにて200質量部に調整。
下記処方の保護層用塗布液(a)を調製し、平版印刷版Aの上にポリビニルアルコールの塗布量が0.4g/mとなるように塗布する以外は平版印刷版Aと同様にして平版印刷版Bを得た。
<保護層用塗布液(a)処方>
ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、PVA110) 1.3g
2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム
2%(水:エタノール=4:1)溶液 1.0g
水 133g
上記平版印刷版AおよびBをサーマル用プレートセッター(PT−R4000(大日本スクリーン製))を用いて、露光エネルギー100mJ/cmにて画像露光した後、下記に示す処方の現像液(イ)をpH7.0に調整し、現像処理を行った。現像処理は、現像液をバットに入れて30℃に調温し、ここに露光済みの平版印刷版AおよびBを所定時間浸した後スポンジで擦りながら水洗し、その後自然乾燥させた。
<現像液(イ)>
(界面活性剤)2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム
2%(水:エタノール=4:1)溶液 5.0g
全量を水で1000質量部に調整。
現像液(イ)では、平版印刷版AおよびBをそれぞれ30秒間浸したが、平版印刷版AおよびBのいずれも非画像部はまったく溶出ができなかった。
次に平版印刷版Bの保護層用塗布液(a)に、オクタデシルアミン、ジオレイルアミン、n−ブチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ドデシルジメチルアミン、ポリオキシアルキレンラウリルアミン(ポリエチレンとポリプロピレンのブロックポリマーからなるアミン化合物:日本油脂(株)製、ナイミーンL−703)、ポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミド(日本油脂(株)製、ナイミッドML−210)、ポリオキシエチレンヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド(日本油脂(株)製、ユニセーフA−LY)の各化合物を乾燥後の塗布量で0.2g/mとなるように含有させる以外は平版印刷版Bと同様にして平版印刷版C〜J(表1参照)を作製した。
上記平版印刷版C〜Jを上記平版印刷版Bと同様に画像露光した後、前述の現像液(イ)を用いて現像処理を行った。その後、下記処方の版面保護剤を塗布してから自然乾燥させた。また現像液(イ)から2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウムを除き、水道水を用いて現像した結果は、現像液(イ)と同様な結果であることが確認された。
<版面保護剤処方>
アラビアガム 100g
第一リン酸アンモニウム 6g
EDTA 2ナトリウム塩 1g
シリコン系消泡剤
(信越シリコーン社製KM−90) 0.1g
2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 1g
水で1リットルとし、pHを85%リン酸で3.5に調整。
一方、下記の現像液(ロ)および(ハ)を調製し、平版印刷版Bを用いて現像処理した。
<現像液(ロ)>
(界面活性剤)2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム
2%(水:エタノール=4:1)溶液 5.0g
水酸化カリウム 20g
20%ケイ酸カリウム溶液 20g
全量を水で1000質量部、pH13.2に調整。
<現像液(ハ)>
(界面活性剤)2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム
2%(水:エタノール=4:1)溶液 5.0g
ナイミーンL−703 50g
全量を水で1000質量部、pH7.5に調整。
現像性の評価は、現像時間を5秒、10秒、15秒、30秒および45秒間に変化させ、非画像部が完全に溶出し良好な画像が得られた場合を5、溶出がまったくできなかった場合を1、現像は僅かに進行したが非画像部の残膜が顕著であった場合を2、ほとんど良好に現像はできたが線の太りやシャドウー部網点のヌケ不良が観察された場合を3、現像過剰で細線の細りや、ハイライト網点の飛びが発生した場合を4、として評価した。
Figure 0005049232
耐刷性と汚れ性の評価は、30秒間の現像により得られた各平版印刷版を、印刷機ハイデルベルグKORD(Heidelberg社製オフセット印刷機の商標)、インキ(大日本インキ(株)製のニューチャンピオン墨H)および市販のPS版用給湿液を用いて印刷を行い耐刷性および汚れ性を評価した。平版印刷版AおよびBは、非画像部がまったく溶出しなかったので印刷試験を実施しなかった。
耐刷性については画像部のインキ乗りの不良、或いは画像部の消失のいずれかにより印刷が不可能になったときの印刷枚数で評価し、3万枚以上を○、1万枚以上3万枚未満を△、1万枚未満を×とした。汚れ性については、各実施例の耐刷性評価終了時の印刷物の非画像部の汚れの状態を目視にて評価し、汚れが認められないものを○、僅かに汚れが認められるものを△、はっきりと汚れが認められるものを×とした。結果を表2に示す。
Figure 0005049232
[実施例2]
実施例1の平版印刷版B、EおよびHについて、現像液(イ)のpH値を水酸化ナトリウムおよびクエン酸を用いて表3のように調整して現像処理する以外は実施例1に従った。評価できなかった平版印刷版を除き、30秒間の現像により得られた各平版印刷版の現像性はいずれも5の評価であった。印刷結果を表3に示す。
Figure 0005049232
[実施例3]
粗面化し陽極酸化したアルミニウム支持体上に実施例1の平版印刷版E、FおよびHと同じ構成で感光層を設けて平版印刷版3種(Ea、FaおよびHa)を作製した。ただし、保護層の有機化合物の量は乾燥後の質量で0.5g/mとなるように含有させた。一方、下記の現像液(ニ)、(ホ)を調製し、実施例1の現像液(イ)と合わせて3種の現像液でアルミニウム支持体の各平版印刷版を現像処理して評価した。現像は、15℃と35℃とで現像性の評価を行った。
<現像液(ニ)>
(界面活性剤)2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム
2%(水:エタノール=4:1)溶液 5.0g
トリエタノールアミン 20g
全量を水で1000質量部、pH7.5に調整。
<現像液(ホ)>
(界面活性剤)2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム
2%(水:エタノール=4:1)溶液 5.0g
ベンジルアルコール 20g
全量を水で1000質量部、pH7.5に調整。
結果を表4に示す。現像温度の変化に対しても非常に安定的に優れた特性が得られることが分かる。また、印刷した結果は、いずれも10万枚以上の高耐刷力であり、良好な印刷特性の平版印刷版を得ることができた。
Figure 0005049232
[実施例4]
高分子バインダーP−1をP−14に代える以外は実施例1の平版印刷版C〜Jと同様に平版印刷版を製造し、現像液(イ)、(ハ)〜(ホ)を用いて実施例1に準じて現像した。実施例1と同様に良好な結果が得られた。

Claims (1)

  1. 支持体上に光重合性感光層を有する画像形成材料の現像処理方法において、該光重合性感光層の上にオクタデシルアミン、ジオレイルアミン、n−ブチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ドデシルジメチルアミン、ポリオキシアルキレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンラウリン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油アルキルジメチルアミンオキシドから選ばれる含窒素有機化合物を存在せしめた画像形成材料を、pH9以下の現像液を用いて現像処理することを特徴とする画像形成材料の現像処理方法。
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