JP2011215209A - 光ファイバ固定用フェルール及びそれを用いた光ファイバ固定具 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉛フリーはんだを用い、光ファイバとフェルールとの接合の信頼性が高い光ファイバ固定用フェルールおよび光ファイバ固定具を提供する。
【解決手段】光ファイバ固定用フェルールは、中央部に光ファイバ5を挿通するための貫通孔1aを有し、貫通孔1aの一端部に貫通孔1aを拡径させた凹部1bを有するフェルール1と、凹部1bの内壁面に形成された金属層2と、金属層2に接合されたはんだ層3とを備え、はんだ層3は、凹部1bの内壁面側に配置され、錫と金属層2の金属成分との合金相を主成分とする第1はんだ層3aと、ビスマス相を主成分とし、錫−ビスマス合金相を含んだ第1はんだ層3aよりも融点が低い第2はんだ層3bとから成る。錫−ビスマス合金の錫が金属層2の金属成分と反応し、成分を変化させることによって接合後の錫−ビスマス合金の融点を高くできる。
【選択図】 図2

Description

本発明は光通信等に使用される光ファイバ固定用フェルール及びそれを用いた光ファイバ固定具に関するものである。
光ファイバ固定具が光通信用のレーザーダイオードモジュールに用いられることがある。例えば、光ファイバ固定具は、レーザーダイオード(以下、LDとも称す)から出射された光がロッドレンズにより集光され、光ファイバ固定具内の光ファイバに効率よく入射されるように光軸調整され、光パッケージ内に固定されて使用される。LDは、出力安定性および劣化防止のために光パッケージ内に気密に封止する必要がある。このため、光ファイバをフェルールに気密封止した光ファイバ固定具を、光パッケージに更に気密封止して用いることがある。
このような光ファイバ固定具において、光ファイバとフェルールとの接合には、気密封止性に優れるはんだが用いられている。この場合、光ファイバとフェルールとの接合に用いる1次はんだの融点が、光ファイバ固定具と光パッケージとの接合に用いる2次はんだの融点よりも高いものである必要がある。1次はんだの融点が2次はんだの融点より低いと、光ファイバ固定具を光パッケージに接合する際の加熱によって1次はんだが溶融し、気密封止の信頼性が低下する可能性がある。また、光軸調整した光ファイバに位置ずれが生じる可能性がある。
したがって、1次はんだとしては、従来、金−錫系、鉛−錫系、鉛―金系、錫−銀系等の、融点が約270℃〜300℃程度のいわゆる高温はんだが用いられ、2次はんだとしては、融点が約184℃の錫−鉛はんだ(いわゆる共晶はんだ)が用いられていた(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
実開平5−27707号公報 特開2002−214478号公報
しかしながら、近年、欧州におけるRoHS(Restriction on Hazardous Substances
)指令等、環境に対する悪影響を防ぐために、鉛を使用しないようにすること(いわゆる鉛フリー化)が求められるようになってきている。そのため、従来の鉛系の高温はんだに代わるはんだを用いた光ファイバ固定用フェルールおよび光ファイバ固定具の提供が求められている。
そこで、2次はんだとして従来の錫−鉛はんだに代わって、錫−銀系はんだや錫−銀−銅系はんだ等の鉛フリーはんだが多用されるようになってきている。このような鉛フリーはんだは、従来の錫−鉛はんだに比べて、融点が約220℃以上と比較的高い。そのため、
1次はんだについても、従来よりも融点の高いものが必要とされている。
このようなはんだとして、金−錫系、鉛―金系、錫−銀系の金や銀を含有したはんだは高価である。さらに、封着後の残留応力が大きいために1次はんだで接合後に光ファイバがフェルール内部で破断するという問題を生じる場合がある。
本発明はこのような従来の問題点に鑑み案出されたものであり、その目的は、鉛フリーはんだを用い、光ファイバとフェルールとの接合の信頼性が高い光ファイバ固定用フェルールおよび光ファイバ固定具を提供することにある。
本発明の一実施形態に係る光ファイバ固定用フェルールは、中央部に光ファイバを挿通するための貫通孔を有し、この貫通孔の一端部に前記貫通孔を拡径させた凹部を有するフェルールと、前記凹部の内壁面に形成された金属層と、この金属層にこの金属層の少なくとも一部を覆うように接合されたはんだ層とを備え、前記はんだ層は、前記凹部の内壁面側に配置され、錫と前記金属層の金属成分との合金相を主成分とする第1はんだ層と、ビスマス相を主成分とし、錫−ビスマス合金相を含んだ前記第1はんだ層よりも融点が低い第2はんだ層とから成ることを特徴とする。
上記光ファイバ固定用フェルールにおいて、前記金属層が、ニッケル,コバルト,金または銅を含むのが好ましい。
また、本発明の一実施形態に係る光ファイバ固定具は、上記光ファイバ固定用フェルールと、先端外周面に第2金属層が形成され、前記貫通孔に挿通されるとともに、前記第2金属層と前記第2はんだ層とが接合されて気密封止された光ファイバとを具備し、前記はんだ層に、錫と前記第2金属層の金属成分との合金相を主成分とし、前記第2はんだ層よりも融点が高い第3はんだ層が形成されていることを特徴とする。
上記光ファイバ固定具において、前記第2金属層の金属成分が、ニッケル,コバルト,金または銅を含むのが好ましい。
本発明の一実施形態に係る光ファイバ固定用フェルールによれば、中央部に光ファイバを挿通するための貫通孔を有し、この貫通孔の一端部に貫通孔を拡径させた凹部を有するフェルールと、凹部の内壁面に形成された金属層と、この金属層にこの金属層の少なくとも一部を覆うように接合されたはんだ層とを備え、はんだ層は、凹部の内壁面側に配置され、錫と金属層の金属成分との合金相を主成分とする第1はんだ層と、ビスマス相を主成分とし、錫−ビスマス合金相を含んだ第1はんだ層よりも融点が低い第2はんだ層とから成ることにより、鉛フリーで、光ファイバとフェルールとの接合の気密封止の信頼性が高い光ファイバ固定用フェルールを提供することができる。
すなわち、第1はんだ層は、融点が320℃を超える錫と金属層の金属成分との合金相を主成分としたものとなり、光ファイバを接合する際の第2はんだ層の再溶融温度で第1はんだ層が再溶融されない。一方、第2はんだ層は、錫−ビスマス合金相を含んだ融点の低いはんだ層なので、融点より若干高い280℃〜300℃程度で再溶融して光ファイバを接合することができる。
また、上記光ファイバ固定用フェルールにおいて、フェルールの凹部内壁面に形成された金属層が、ニッケル,コバルト,金または銅を含む場合には、はんだ層内の錫と合金を形成し、融点が320℃を超える第1はんだ層を形成させることができる。
本発明の一実施形態に係る光ファイバ固定具は、上記光ファイバ固定用フェルールと、先端外周面に第2金属層が形成され、貫通孔に挿通されるとともに、第2金属層と第2はんだ層とが接合されて気密封止された光ファイバとを具備し、前記はんだ層に、錫と第2金属層の金属成分との合金相を主成分とし、第2はんだ層よりも融点が高い第3はんだ層
が形成されていることにより、この光ファイバ固定具を鉛フリーの2次はんだを用いて光パッケージに接合する場合に、第3はんだ層は錫と第2金属層の金属成分との高融点合金相となっており、また第1はんだ層は錫と金属層の金属成分との高融点合金相となっており、残部はんだ層は融点が271℃のビスマス層を主成分とするので、封着温度が250℃程度の2次はんだの際にはんだ層が溶融することがない。したがって、光ファイバとフェルールとの気密信頼性を維持することが可能となる。
また、上記光ファイバ固定具において、光ファイバの先端外周面に形成された第2金属層の金属材料の金属成分が、ニッケル,コバルト,金および銅を含む場合には、はんだ層内の錫と合金を形成し、融点が320℃を超える第3はんだ層を形成させることができる。
本発明の光ファイバ固定用フェルールの実施の形態の一例を示す断面図である。 本発明の光ファイバ固定具の実施の形態の一例を示す断面図である。
本発明の光ファイバ固定用フェルールおよび光ファイバ固定具の実施の形態の一例について、添付の図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る光ファイバ固定用フェルール4を示す断面図である。図1において、フェルール1は、中心軸位置に光ファイバを挿通するための貫通孔1aを備えた円筒形状を有している。貫通孔1aの一端部(図1においては左側)には、貫通孔1aを太く拡径させ、フェルール1の一端面に開かれた凹部1bが形成されている。凹部1bの内壁面には金属層2が形成されている。さらに、凹部1bの内側に金属層2を覆うようにはんだ層3が接合されている。なお、図1に示す例においては、貫通孔1aの他端側(図1においては右側)は、光ファイバの被覆部を保持するために内径を太くした光ファイバ被覆保持部1cが形成されている。
また、図2は、本発明の一実施形態に係る光ファイバ固定具10の断面図である。図2に示す光ファイバ固定具10は、図1の光ファイバ固定用フェルール4に、光ファイバ5が気密封止されたものである。光ファイバ5は、その先端外周面に第2金属層6が形成されている。そして、貫通孔1aおよびはんだ層7を挿通させて、先端面がフェルール1の一端面に露出されている。この光ファイバ5は、はんだ層3の第2はんだ層3bを再溶融して凹部1b内に挿入した後に冷却して固化されたはんだ層7によって、光ファイバ固定用フェルール4に気密封止されたものである。なお、図2において、フェルール1の一端は斜め研磨加工が施されている例を示している。はんだ層7の表面も、これに合わせてフェルール1の軸方向に直交する面に対して斜めに傾斜している。
図2において、はんだ層7は、凹部1bの内壁面側に位置し、フェルール1の金属層2に接合される際に形成された第1はんだ層3a、中心軸側または光ファイバ5の先端外周面側に位置し、第2はんだ層3bと光ファイバ5の第2金属層6とが接合される際に形成された第3はんだ層7a、および第1はんだ層3aと第3はんだ層7aとの間に位置し、第3はんだ層7aが形成される際に第2はんだ層3bの成分が変化して形成された残部のはんだ層(以下、第4はんだ層7bと称する)とで構成されている。
フェルール1は、貫通孔1aを有した円筒形状である。貫通孔1aの一端部に凹部1bを有し、また他端側には光ファイバ被覆保持部1cを有する。フェルール1は、例えば、酸化アルミニウム質焼結体,窒化アルミニウム質焼結体,または酸化ジルコニウム質焼結体等のセラミックス、鉄−ニッケル−コバルト合金,鉄−ニッケル合金,銅,アルミニウ
ム等の金属材料、または樹脂やガラス材料等から成る。
なお、フェルール1の貫通孔1aは、上記のように光ファイバ5を通すため、少なくとも光ファイバ5の先端部の第2金属層の外径寸法より大きな内径で形成されている。また、図1および図2において、凹部1bは円筒形状の穴で示されているが、フェルール1の一端面に向けて次第に径が大きくなる曲面または直線状の錐体形状でもよい。
例えば、フェルール1が酸化アルミニウム質焼結体からなる場合であれば、酸化アルミニウムおよび無機添加剤を樹脂バインダおよび溶剤と混合してペースト状にしたものを所定形状に成形し、このフェルール1となる未焼成の成形体を焼成して形成される。なお、成形体の凹部1bの内壁面には、タングステン,モリブデン,またはモリブデン−マンガン等の金属粉末を有機溶剤,バインダとともに混練した金属ペーストを塗布しておき、フェルール1と同時焼成することによって、メタライズ層(図示せず)を被着させる。
このメタライズ層は、はんだの濡れ性が低いため、その表面にニッケル,コバルト,銅,または金等の金属をめっき等によって被着させるのがよい。このめっき層が金属層2となる。図1および図2において、凹部1bの底面(凹部1bの開口に対向する面)には金属層2が形成されていない。これは、メタライズ層を形成する際に、金属ペーストが貫通孔1aの内側に垂れ込んで、光ファイバ5を挿入できなくなる可能性を少なくするためである。したがって、メタライズ層が貫通孔1aをふさがないようにして金属層2を凹部1bの底面に形成しても良いし、凹部1bの底面外周側に金属層2を形成し、貫通孔1a開口付近の中心側に形成しないこともできる。なお、金属層2は、メタライズ層を形成せずに、例えば金属蒸着法等で直接セラミック表面に形成しても良い。
また、例えば、フェルール1が、鉄−ニッケル−コバルト合金等からなる場合であれば、この合金材料に旋盤加工等の加工を施して所定の形状および寸法に加工することにより製作することができる。なお、フェルール1が金属材料で形成されている場合でも、その表面の全面等にニッケルや金,銅等のめっき層を被着させて、フェルール1の酸化を抑制するようにするのがよい。
次に、金属層2の表面にはんだ層3が以下の方法で形成される。すなわち、凹部1bのニッケル,コバルト,金または銅等の金属層2の表面に、錫を6〜10質量%含む鉛フリーのビスマス−錫はんだペースト(図示せず)を塗布する。そして、このペーストを280〜300℃で1〜2分程度加熱する。すると、ビスマス−錫はんだの錫成分と、金属層2の金属成分とが互いに接合界面部分で合金相を形成し、第1はんだ層3aが析出する。また、はんだ層3の残りの部分は、一部の錫成分が第1はんだ層3aに拡散することによって、錫成分を2〜5質量%程度含む合金層、すなわち第2はんだ層3bとなる。
なお、はんだ層3は、フェルール1の一端面より盛り上がるように若干多めに用いてもよい。光ファイバ5を固定後に先端を斜めに研磨して、フェルール1の一端面と光ファイバ5の先端面とを面一状態に鏡面仕上げする場合にはこのような形状のほうが望ましい。
また、金属層2の厚さは、5〜20μmとするのが望ましい。5μm以下でははんだ層3によるはんだ食われが生じ、気密性を確保できなくなる傾向がある。20μm以上では金属層2の金属量が多くなり、はんだ層3中の錫成分の多くが金属層2との合金層である第1はんだ層3aとなってしまい、第2はんだ層3bの融点が約270℃と高融点になって
しまう傾向がある。
第1はんだ層3aは、錫と金属層2の金属成分との合金相を主成分としたものであり、融点が従来の鉛系高温はんだの融点275℃よりも高い320℃を超えたものとなる。なお、第
1はんだ層3aの全部が錫−金属成分の合金相からなるものであってもよく、ビスマス相やビスマスと金属層2の金属成分との合金相を含むものであってもよい。
また、第2はんだ層3bが、錫成分を約2〜5質量%含みビスマス−錫相を構成する組成において、錫成分は、一部が錫相や錫と金属材料との合金相として含まれていてもよい。また、上記組成のビスマス−錫はんだから成る第2はんだ層3bに、ビスマスと金属層2の金属成分との合金相を含んでいてもよい。ここで第2はんだ層3bはビスマスを含んでいるので、融点が271℃となり融点が320℃を超える第1はんだ層3aよりも低融点となる。
次に、本発明の光ファイバ固定具10は、凹部1bに光ファイバ5がはんだ層7を介して接合されたものである。光ファイバ5には、先端外周面にニッケル,コバルト,金,または銅等を蒸着して下地処理を行った後、その表面に更にニッケル,コバルト,金,銅等のめっき加工を行なった所定厚みの第2金属層6を形成する。そして、上記光ファイバ用フェルール4の第2はんだ層3bを加熱して溶融し、光ファイバ5をフェルール1の他端部から挿入して光ファイバ5の第2金属層6と第2はんだ層3bとを接合することによって作製される。
ビスマス相を主成分とする第4はんだ層7bは、ビスマスの融点271℃に近い融点とな
る。例えば、融点が223℃の錫―銀―銅はんだを2次はんだに用いた場合の封着温度240℃〜250℃で溶融することは無く、フェルール1と光ファイバ5とを接合することができる
。この光ファイバ固定具10を、封着温度が250℃の錫−銀系等の鉛フリーの2次はんだ
を用いて光パッケージに実装する場合でも第4はんだ層7bが溶融することはない。
また、はんだ層7の第1はんだ層3aは、光ファイバ固定用フェルール4を作製する際に形成されたものである。第1はんだ層3aおよび第3はんだ層7aは、融点が320℃を
超えて高いので、2次はんだを用いて光パッケージに実装するときに溶融することはない。そのため、はんだ層7の気密封止の信頼性の高い光ファイバ固定具10を提供することができる。
また、第3はんだ層7aは、錫と第2金属層6の金属成分との合金相を主成分とするものであり、その全部が錫−金属成分の合金相からなるものであってもよく、数質量%程度のビスマス相やビスマスと上記金属成分との合金相を含むものであってもよい。
第4はんだ層7bは、第2はんだ層3bの錫成分が第3はんだ層7aに移動して形成されたものである。すなわち、ビスマス相を主成分とし、融点がビスマスの融点程度の高融点金属に変化したものである。これによって、2次はんだを行なっても気密封止の信頼性が維持される光ファイバ固定具10とできる。第4ハンダ層7bは、その全部がビスマス相で形成されていてもよく、金属層2の金属成分や第2金属層6の金属成分とビスマスとの合金相を含むものであってもよい。
なお、ここで、光ファイバ固定用フェルール4の第2はんだ層3bの構成が、例えば、錫成分を約2〜5質量%含有するものであれば、加熱炉中での加熱条件を280〜300℃で1〜2分程度に設定すればよい。第2はんだ層3bの錫成分が第2金属層6の金属成分と反応して合金相を形成し、接合後の第4はんだ層7bを上記のようなビスマス相を主成分とする組成とすることができる。
この場合、第2はんだ層3bには錫−ビスマス合金相や錫相が存在することによって、比較的低い加熱温度から接合が開始され、第2はんだ層3bの第2金属層6に対する濡れ性が高まる。その後固化させると、第2はんだ層3bよりも高融点の第4はんだ層7bに
なる。金属層2の金属成分および第2金属層6の金属成分が、ニッケル,コバルト,金および銅の少なくとも1種である場合には、第1はんだ層3aおよび第3はんだ層7aの融点が高くなり、光ファイバ固定具10の気密封止に対する信頼性をより高くすることが可能となる。また、実用性も良好な光ファイバ固定具10を提供することができる。
ここで、第2金属層6の厚さは、5〜10μmとするのが望ましい。5μm以下でははんだ層によるはんだ食われが生じ、気密性を確保できなくなる傾向がある。10μm以上にすると、光ファイバ5の外周に均一に第2金属層6を形成しにくくなる傾向があり、貫通孔1aの中心に光ファイバ5の中心を配置することが困難になる。
また、本発明の一実施形態に係る光ファイバ固定具10によれば、光ファイバ5とフェルール1との間に、第4はんだ層7bが配置されるので、第4はんだ層7bが緩衝層となり、はんだ接合の際に光ファイバ5に加わる内部応力による破断の可能性を少なくできる。
以上より、本発明の一実施形態に係る光ファイバ固定用フェルール4および光ファイバ固定具10を用いることにより、従来の封止用鉛はんだに代えて、鉛フリーはんだによる封止が可能となり、はんだ接合時の光ファイバ5の破断の可能性が少ない、気密封止の信頼性の高い光ファイバ固定具10の提供が可能になる。
酸化アルミニウム質焼結体の先端に直径1.5mmの凹部1bを有する円筒形状のフェル
ール1を作製し、凹部1bの内周面にモリブデンーマンガンを含む金属ペーストを塗布して同時焼成した後、メタライズ層表面に厚さ10μmのニッケルめっきを施したものを準備した。この凹部1bに、錫を6質量%含有するビスマス−錫はんだペーストを塗布し290
℃で1分間加熱してフェルール1にはんだ層3を接合させた。
はんだ層3の第1はんだ層3aは、錫−ニッケルの合金相を主成分とし、第2はんだ層3bは、WDS解析によれば、ビスマス相の他に3.8質量%の錫を含有したビスマスの合
金相を含むものであった。SEM画像で確認すると、第1はんだ層3aおよび第2はんだ層3bは異なる濃淡で観察され、その境界を明確に確認できた。
また、コア径10μm、クラッド径125μmの石英ガラス性のシングルモード光ファイバ
5を用意し、先端外周部に厚さ0.1μmの銅を蒸着した上に厚さ0.8μmのニッケルを蒸着し、その表面に厚さ8μmのニッケルめっきを施した第2金属層6を形成した。そして、上記準備した光ファイバ固定用フェルール4を290℃に加熱し、第2はんだ層3bを再溶
融して、フェルール1の後端部から光ファイバ5を挿入し、1分間維持した後、15分間か
けて25℃まで自然冷却させた。
この後、フェルール1の先端部に斜め研磨を行うとともに鏡面仕上げを行ない、光ファイバ固定具10を100個作製した。
この光ファイバ固定具10に2次はんだとして錫−銀−銅はんだを用い、250℃−1分
で光パッケージに気密封止したものを、ヘリウムリーク試験によって封止性の確認をした。また、光ファイバ5が破断していないかを確認のために、400倍の金属顕微鏡にて光ファイバ5の先端面から覗いて内部に傷がないことを確認した。
なお、比較例として、融点183℃の鉛−錫はんだを用いて光ファイバ5とフェルール1
とを接合した光ファイバ固定具を10個準備し、上記実施例と同様に鉛を90%含有した鉛−錫高融点はんだで気密封止したものの封止性の信頼性を確認した。
その結果、試験した100個の光ファイバ固定具10において、リーク不良は発生せず、
気密封止の信頼性が高いことが確認された。また、光ファイバ5の破断は検知できなかった。なお、比較例の光ファイバ固定具は、同様にリーク不良は発生しなかったものの、光ファイバの破断が20個中5個発生していた。
なお、本発明は上述の実施の形態および実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更は可能である。
1・・・フェルール
1a・・貫通孔
1b・・凹部
1c・・光ファイバ被覆保持部
2・・・金属層
3・・・はんだ層
3a・・第1はんだ層
3b・・第2はんだ層
4・・・光ファイバ固定用フェルール
5・・・光ファイバ
6・・・第2金属層
7・・・はんだ層
7a・・第3はんだ層
7b・・第4はんだ層
10・・光ファイバ固定具

Claims (4)

  1. 中央部に光ファイバを挿通するための貫通孔を有し、該貫通孔の一端部に前記貫通孔を拡径させた凹部を有するフェルールと、前記凹部の内壁面に形成された金属層と、該金属層に該金属層の少なくとも一部を覆うように接合されたはんだ層とを備え、前記はんだ層は、前記凹部の内壁面側に配置され、錫と前記金属層の金属成分との合金相を主成分とする第1はんだ層と、ビスマス相を主成分とし、錫−ビスマス合金相を含んだ前記第1はんだ層よりも融点が低い第2はんだ層とから成ることを特徴とする光ファイバ固定用フェルール。
  2. 前記金属層が、ニッケル,コバルト,金,または銅を含むことを特徴とする請求項1記載の光ファイバ固定用フェルール。
  3. 請求項1または2記載の光ファイバ固定用フェルールと、先端外周面に第2金属層が形成され、前記貫通孔に挿通されるとともに、前記第2金属層と前記第2はんだ層とが接合されて気密封止された光ファイバとを具備し、前記はんだ層に、錫と前記第2金属層の金属成分との合金相を主成分とし、前記第2はんだ層よりも融点が高い第3はんだ層が形成されていることを特徴とする光ファイバ固定具。
  4. 前記第2金属層の金属成分が、ニッケル,コバルト,金または,または銅を含むことを特徴とする請求項3記載の光ファイバ固定具。



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