JP2005301180A - 光モジュール、光モジュール気密封止方法および光モジュール用金属フェルール付光ファイバ - Google Patents

光モジュール、光モジュール気密封止方法および光モジュール用金属フェルール付光ファイバ Download PDF

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章夫 渡辺
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Junji Iida
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Abstract

【課題】 金属フェルールと光ファイバとの半田固定部分が再溶融することなく、光ファイバ樹脂被覆部への熱的影響を抑えて、光モジュールの安定的な気密風刺を可能とする。
【解決手段】 素線が樹脂で被覆された樹脂被覆部と樹脂被覆部の先端から素線が露出した素線露出部からなる光ファイバと、樹脂被覆部が挿通可能な太穴と、素線露出部が挿通可能な細穴とが連通する貫通穴を設けた金属フェルールからなり、樹脂被覆部が太穴の一部に挿入され、素線露出部が太穴の残部から細穴に貫通しており、素線露出部が半田により細穴に固定され、樹脂被覆部が接着剤により太穴に固定され、かつ、太穴に樹脂被覆部と接着剤が存在する部分の金属フェルールの外周に放熱機構を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光ファイバ通信等に用いられる半導体レーザモジュール、半導体アンプモジュール、受光モジュール、およびMEMSデバイスといった光モジュールの気密封止構造に関し、具体的には、光ファイバをモジュール内に挿入して気密封止構造とした光モジュール、その気密封止方法、および光モジュール用フェルール付光ファイバに関する。
半導体レーザモジュールや、半導体アンプモジュール等の光モジュールは、パッケージ内で半導体素子と光ファイバとを光学的に結合させている。これらの光モジュールでは、パッケージが気密封止されていないと、外部から侵入した水分などで、パッケージ内の光学素子が劣化するなど、不具合が生じることがある。そのため、パッケージを気密封止構造とすることは重要である。
気密封止構造として、特開2001−183555号公報に示されるように、パッケージの内壁面に、レンズホルダを半田で取り付ける方法がある。このような光モジュールの気密封止構造では、レーザダイオード(LD)からの光を、第1レンズで平行光にし、第2レンズで集光し、光ファイバ端面に結合させている。
また、構成部材を少なくでき、小型化が可能となることから、特開2001−133664号公報に示されるように、光ファイバをパッケージ内に導入し、半導体レーザ素子とレンズと端面をテーパ状に加工した光ファイバとを、間隔を開けて収納する半導体レーザモジュールも、提案されている。このように光ファイバをモジュール内に導入すれば、パッケージの気密封止構造を簡単にすることができる。
光ファイバをパッケージ内に導入する気密封止構造として、特許第3126280号公報に、パッケージ内に導入する光ファイバに、予め金属フェルールを固定し、さらに半田にてパッケージの内壁面に金属フェルールを固定する気密封止構造が記載されている。
これらの従来の光モジュールの気密封止構造では、気密封止に用いられる半田として、融点が低いものから、In合金系、Bi合金系、Sn合金系が用いられているが、光通信モジュールの信頼性を考慮すれば、In合金系においても、融点が150℃以上のものが好ましく、よって、気密封止に用いられる半田の融点は150℃以上となる。一方、光ファイバ素線を保護している樹脂被覆は、一般的に190℃で軟化する。そのため、適切な半田付け温度である融点から30℃程度高い温度に加熱した場合、光ファイバの樹脂被覆を破損させてしまうおそれがあり、安定的に取り付けることができないという問題が生ずる。また、光ファイバと金属フェルールを、パッケージの内壁面に取り付ける際に、接着が軟化し、光ファイバを破損させるおそれもある。このように、従来の光モジュールの気密封止構造においては、光ファイバの破損を起こしやすく、信頼性が十分、高いものではなかった。
これに対して、特開2002−323645号公報では、パッケージの内壁面に取り付ける際に、光ファイバを破損させないように、金属フェルールを固定する方法が提案されている。この方法では、パッケージの内壁面に取り付ける際に、ペルチェモジュールを有する把持部材で金属フェルールを把持して、該金属フェルールを冷却させる。しかし、光ファイバ固定部の再溶解は妨げるものの、組立てのための設備や工程が増加し、光ファイバの取扱い時に破損を生じたり、組み立てられた光モジュールが高価となる問題がある。
以上のように、光モジュールの気密封止構造としては、パッケージの内壁面に取り付ける際の光ファイバと金属フェルールの半田による気密封止部分の再溶解がなく、光ファイバ樹脂被覆部への影響を如何に低減させるかが、大きな問題である。
特開2001−183555号公報
特開2001−133664号公報
特許第3126280号公報
特開2002−323645号公報
本発明の目的は、パッケージ内に、光ファイバが取り付けられた金属フェルールを半田付けする際に、各部材への影響を最小限に抑え、組立てを安定的に、かつ、安価に行うことを可能とする光モジュール、光モジュール気密封止方法および光モジュール用金属フェルール付き光ファイバを提供することである。
本発明に係る光モジュール用金属フェルール付き光ファイバは、素線が樹脂で被覆された樹脂被覆部と該樹脂被覆部の先端から素線が露出した素線露出部からなる光ファイバと、前記樹脂被覆部が挿通可能な太穴と、前記素線露出部が挿通可能な細穴とが連通する貫通穴を設けた金属フェルールからなり、前記樹脂被覆部が前記太穴の一部に挿入され、前記素線露出部が前記太穴の残部から細穴に貫通しており、前記素線露出部が半田により前記細穴に固定され、前記樹脂被覆部が接着剤により前記太穴に固定され、かつ、前記太穴に前記樹脂被覆部と接着剤が存在する部分の前記金属フェルールの外周に放熱機構を設けている。
前記金属フェルールから突出した前記素線露出部の先端に端末部品が固定される。
また、前記素線露出部に、下地層としてのNiめっき層と、表面層としてのAuめっき層とからなる金属膜が施されている。
本発明に係る光モジュールは、光ファイバ、金属フェルールおよびパッケージとからなり、光ファイバは、素線が樹脂で被覆された樹脂被覆部と該樹脂被覆部の先端から素線が露出した素線露出部からなり、前記金属フェルールは、前記樹脂被覆部が挿通可能な太穴と、前記素線露出部が挿通可能な細穴とが連通する貫通穴が設けられており、前記樹脂被覆部が前記太穴の一部に挿入され、前記素線露出部が前記太穴の残部から細穴に貫通しており、前記素線露出部が半田により前記細穴に固定され、前記樹脂被覆部が接着剤により前記太穴に固定され、前記太穴に前記樹脂被覆部と接着剤が存在する部分の前記金属フェルールの外周に放熱機構が設けられており、かつ、前記細穴が存在する部分の前記金属フェルールの外周に、パッケージの開口部の内壁に沿って摺動可能な半田固定部が設けられ、かつ、半田により該半田固定部がパッケージの開口部に固定される。
前記金属フェルールの半田固定部の外径と前記パッケージの開口部の内径との差が0.1mm以内であり、該半田固定部の軸方向長さが2.5mm以上であることが望ましい。
また、前記金属フェルールの細穴に前記光ファイバの素線露出部を固定する半田の融点が260℃以上であり、前記金属フェルールの半田固定部をパッケージの開口部に固定する半田の融点が230℃以下であることが望ましい。
本発明に係る光モジュールの製造方法は、光ファイバを金属フェルールにより光モジュールのパッケージに気密封止することにより光モジュールを製造するものであり、樹脂で被覆された光ファイバの先端から素線を露出させ、該素線露出部に、下地層としてのNiめっき層と、表面層としてのAuめっき層からなる金属膜を施し、該光ファイバの樹脂被覆部が挿通可能な太穴と、該光ファイバの素線露出部が挿通可能な細穴とが連通する貫通穴が設けられ、かつ、太穴のある部分の外周に放熱機構を設け、および細穴のある部分の外周に、パッケージの開口部内壁に沿って摺動可能な半田固定部を設けた金属フェルールに、前記光ファイバの樹脂被覆部を前記太穴の一部まで挿入して、前記素線露出部を前記太穴の残部から細穴に貫通させ、前記素線露出部を加熱により前記細穴に半田で固定し、前記樹脂被覆部を接着剤により前記太穴に固定し、把持具を用いることなく、前記半田固定部をパッケージの開口部内に挿入した後、該半田固定部を加熱により該開口部に半田で固定する。
前記金属フェルールから突出した前記素線露出部の先端に端末部品が加熱により半田でさらに固定される。
本発明により、金属フェルールと光ファイバとの半田固定部分が再溶融することなく、光ファイバ樹脂被覆部への熱的影響を抑えて、安定的に気密封止が可能となった。
本発明に係る光モジュールは、金属フェルール付き光ファイバとパッケージとからなり、該金属フェルール付き光ファイバが金属フェルールによりパッケージ内に気密封止される。具体的には、金属フェルール付き光ファイバは、金属フェルールに光ファイバが固定されている。本発明では、該光ファイバは、素線が樹脂で被覆された樹脂被覆部の先端から素線が露出した素線露出部を形成している。金属フェルールには、前記樹脂被覆部が挿通可能な太穴と、前記素線露出部が挿通可能な細穴とが連通する貫通穴を設けてある。前記光ファイバの樹脂被覆部を前記太穴の一部に挿入し、前記素線露出部を前記太穴の残部から細穴に貫通させる。
金属フェルールは、加熱による半田加工に耐える金属材料からなれば任意であるが、一般にはSUS304、コバールなどからなる。本実施の形態における光ファイバの樹脂被覆部の外径は0.9mmであり、素線の外径は125μmであるから、金属フェルールの細穴の内径は150μm程度、太穴の内径は1mm程度であるが、挿入する光ファイバに応じて変更される。
光ファイバ素線露出部の先端の処理は、光ファイバ素線露出部の所定の場所に、光ファイバの先端を光学素子と光学的に結合させ、光モジュール内に固定させるための端末部品を半田にて取り付けた後に、端末部品と共に光ファイバ先端を研磨により処理する。光ファイバ素線露出部の先端の処理は、前記研磨による処理のほかに、光ファイバクリーバによりクリーブカット処理を施すことも可能である。
また、前記素線露出部には、素線に対し、下地層としてのNiめっき層と、表面層としてのAuめっき層からなる金属膜を施すことが必要である。
下地層としてのNiめっき層は、第1層の無電解Niめっき層と第2層の電解Niめっきより構成する。第1層を無電解Niめっき層とするのは、素線露出部の材質である石英との付着力が良好であり、以降の電解めっきを施すことを可能にするためである。第2層を電解Niめっき層とするのは、電解Niが高純度であるため内部応力が低く柔軟性に富む素線露出部が得られるためである。表面層としてのAuめっき層を施すのは、下地層の酸化を防止し半田濡れ性を良好にするためである。
これらの膜厚については、下地層第1層の無電解Niめっき層の厚さは、0.01〜0.5μmが望ましい。0.05μm未満では薄すぎて、以後の電解めっきに支障があるからであり、0.5μmを超えると、内部応力および硬度が高いため、柔軟性が損なわれる。下地層第2層の電解Niめっき層の厚さは、0.5〜4.0μmが望ましい。0.5μm未満では、下地層第1層との全体の膜厚が薄すぎて、半田付けにめっき食われ等の支障があるからであり、4.0μmを超えると、素線露出部を曲げたときに曲げた状態が維持されるという、非可逆性が生じる。
電解Auめっき層の厚さについては、Niめっき層への酸化防止および半田濡れ性向上のために0.05μm以上が望ましい。ただし、1μm以上では、酸化防止および半田濡れ性の効果がさほど向上しないため、経済的観点からも1μm以下が好ましい。
前記光ファイバの素線露出部を加熱により前記金属フェルールの細穴に半田で固定し、前記樹脂被覆部を接着剤により前記太穴に固定する。これにより、金属フェルールの貫通穴に対する気密封止構造が形成される。当該半田には、融点が260℃以上のものを使用する。たとえば、Au/20Sn共晶半田やPb/Sn/Ag合金系半田が挙げられる。また、接着剤としては、軟化点が約170℃以上と高いものであればよく、たとえば、エポキシ系接着剤(炭化点温度190℃)が使用できる。
該金属フェルールの前記太穴のある部分の外周、具体的には、前記太穴内に前記樹脂被覆部と接着剤が存在する部分の前記金属フェルール外周には、放熱機構が設けられている。放熱機構としては、金属フェルール外周に複数のフィンを設けることが好ましい。
また、前記金属フェルールの細穴のある部分の外周には、他の部分の金属フェルールの外周(フィンの外周を除く)よりも大きく、挿入されるパッケージの開口部内壁に沿って摺動可能な外径を有する半田固定部が設けられる。好ましくは、前記金属フェルールの半田固定部の外径と前記パッケージの開口部の内径との差が0.1mm以内とし、該半田固定部の軸方向長さを2.5mm以上とする。これにより、把持具を使用することなく、該金属フェルールを前記パッケージの開口部に挿入し、光ファイバをパッケージ内に導入することができ、かつ、該金属フェルールを該開口部に固定するに際しても把持具を使用することなく、所定の取り付け位置に固定することが可能となる。
つまり、前記半田固定部の外周の外径と、パッケージの開口部内壁の内径との差、および、固定される軸方向の長さとにより、パッケージに対する光モジュールに取り付けられる金属フェルールの取り付け角度の誤差を抑制することが可能となる。
次に、金属フェルール付き光ファイバを金属フェルールにより光モジュール用パッケージに気密封止して、光モジュールを完成させる。このとき、前記半田固定部をパッケージの開口部内に挿入した後、該半田固定部を加熱により該開口部に半田で固定する。これにより、開口部と金属フェルールの間でも気密封止構造が形成される。当該半田には、融点が230℃以下のものを使用する。たとえば、Pb/37Sn共晶半田やSn/3.5Ag半田が挙げられる。
このように構成することにより、半田固定部を半田により固定するために加熱しても、前記素線露出部を細穴に半田で固定している部分が、その半田の融点以上に加熱されることはなく、また、金属フェルールの熱は、樹脂被覆部ではその外周に設けられた放熱機構により熱が逃がされるため、当該部分においても接着剤や被覆する樹脂の軟化点温度以上となることはなく、すでに固定された部分において半田や接着剤、樹脂が変形することにより気密封止構造が損なわれたり、光ファイバが損傷するといった問題を解消することができる。
前記金属フェルールの細穴に前記光ファイバの素線露出部を固定する半田に、融点が260℃以上のものを使用し、前記金属フェルールの半田固定部をパッケージの開口部に固定する半田に、融点が230℃以下のものを使用する、すなわち、融点の差を30℃以上とするのは、後者の半田付けの際の加熱温度が、最適半田付け温度である融点から30℃程度高い温度にした場合でも、前記細穴の存在する部分において金属フェルールが260℃以上となることがないからである。
加熱は、高周波誘導加熱を使用するのが一般である。しかし、本発明では、半田固定部の半田付けが長時間にわたっても、光ファイバの細穴のある部分や樹脂被覆部において、気密封止構造や光ファイバの破損につながる熱的影響を及ぼさないので、抵抗加熱なども使用できる。
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1は、本発明により金属フェルール付き光ファイバの先端がパッケージに気密封止された光モジュールの一実施例を示す断面図である。なお、パッケージの内部に存在する他の素子は省略してある。図2は、本発明による光モジュールに用いられる金属フェルール付き光ファイバの一実施例を示す断面図である。図3は、本発明により光モジュールを作製する際の、金属フェルールの半田固定部と光ファイバ樹脂被覆部の温度推移を示すグラフである。
まず、図2に示すように、光モジュール用に光ファイバ(10)の先端部に、金属フェルール(20)を取り付けた金属フェルール付き光ファイバを作製した。
光ファイバ(10)は、光ファイバ素線を一次被覆および二次被覆からなる樹脂で被覆したものを使用する。本発明で使用する光ファイバ(10)は、先端の樹脂被覆を除去し、露出した光ファイバ素線には、下地層のNiめっき層と、表面層のAuめっき層とからなる金属膜を施し、素線露出部(11)を形成した(図示せず)。具体的には、まず、無電解Niめっきにより下地層第1層を0.5μmで素線上に形成し、次に電解Niめっきにより下地層第2層を1.5μmで形成し、さらに、電解Auめっきにより表面層を0.2μmで形成した。すなわち、本発明の光ファイバ(10)は、樹脂被覆部(13)と、その先端に形成された素線露出部(11)とからなる。
金属フェルール(20)は、長さが9mmで、SUS304からなり、半田付けを可能にするように、以下に示した形状に形成した後、下地層としてNiめっき層を、表面層としてAuめっき層を設けた(図示せず)。なお、膜厚は、それぞれ3μmと1μmとした。
金属フェルール(20)には、光ファイバ(10)の樹脂被覆部(13)が挿通可能な太穴(20b)と、光ファイバ露出素線部(11)が挿通可能な細穴(20a)とが連通する貫通孔が開けられる。太穴(20b)は、内径1mm、長さ6mmとし、細穴(20a)は、光ファイバ素線部(11)を中心に保持するため、内径150μm、長さ1mmとした。
金属フェルール(20)は、前記細穴(20a)の外周において、光モジュールのパッケージ(30)の開口部(31)に半田により固定するための半田固定部(21)と、挿通した樹脂被覆部(13)を接着剤(24)で固定する樹脂被覆固定部(26)と、樹脂被覆固定部(26)の外周に設けられた放熱部(23)とが一体に成形された形状である。
半田固定部(21)の外周は、金属フェルール(20)の軸方向がパッケージ(30)の内壁面(図1の左端)に概ね垂直の方向に固定されるように、パッケージ(30)の開口部(31)の内径よりも約0.1mm小さい2.7mmとし、軸方向の長さを3mmとした。
太穴(20b)が存在する部分の外周は、外径を1.5mmとし、放熱部(23)は、樹脂被覆固定部(26)の外周に設けられ、幅が0.4mmで、外径を3.5mmとした円環形状のフィンを4枚、間隔が0.4mmとなるように配置、形成したものからなる。
図1に示すように、前記金属フェルール付き光ファイバを設置するパッケージ(30)を作製した。パッケージ(30)は、収納される各素子が熱的膨張の影響を受けにくくするために、一般的に使用されているコバール材にて作製した。さらに、開口部(31)を、内径を2.8mm、外径を3.5mm、軸方向の長さを4.5mmとしたコバール材からなるパイプを、ロウ材にてパッケージ(30)に取り付けて形成した。その後、金属フェルール(20)を半田付け可能とするために、全面に下地層にNiを、表面層にAuめっきを施した(図示せず)。なお、膜厚は、それぞれ3μmと、1μmとした。
図2に示すように、長さ約15mmの光ファイバ素線露出部(11)を、金属フェルール(20)の太穴(20b)から挿入し、樹脂被覆部(13)が、太穴(20b)内に3mm、挿入された状態で配置する。光ファイバ素線露出部(11)と金属フェルール(20)との固定は、Au/20Sn共晶半田(25)を用いて、ヒータ加熱によって行った。光ファイバ素線露出部(11)は、強度劣化を受けやすいため、これを保護するために、樹脂被覆部(13)と太穴(20b)の隙間には、エポキシ系の接着剤(24)を充填して、樹脂被覆部(13)と太穴(20b)内にある光ファイバ素線露出部(11)の該樹脂被覆部側の一部を金属フェルール(20)に固定する。光ファイバ素線露出部(11)の先端には、パッケージ(30)内の光学素子(図示せず)と、光学的に結合するために所定の位置に取り付けるための端末部品(12)を固定した。
次に、パッケージ(30)と金属フェルール(20)の固定について説明する。
図に示すように、パッケージ(30)内に、端末部品(12)を挿入し、金属フェルール(20)の半田固定部(21)をパッケージ(30)の開口部(31)に挿入し、半田による取付け位置に配置する。このとき、開口部の内径が2.8mmであり、金属フェルール(20)の半田固定部(21)の外径が2.7mmであり、かつ、その長さが3mmであることから、挿入した状態で金属フェルール(20)の軸方向が、パッケージ(30)の内壁面(図1の左端)に対し、概ね垂直の方向に配置される。本実施例における開口部の内径と、金属フェルール(20)の半田固定部(21)の外径との差は0.1mmであるが、0.1mmより大きい内外径差を持つ場合においても、半田付け自体は可能である。しかし、その場合においては、金属フェルール(20)を把持する部材が必要となり、工程を複雑にする。
次に、Pb/37Snからなる板状の共晶半田(32)を、高周波誘導加熱装置を用いて開口部の外側より非接触で加熱する。この際、フラックスを用いずに半田付けを行うため、半田の周りの雰囲気は、一般的に不活性雰囲気にしておくことが望ましい。
この実施例における半田付け時の半田固定部の温度と、光ファイバ(10)の樹脂被覆部(13)の温度推移を、図3に示す。詳述すれば、半田固定部とは、パッケージと金属スリーブとを半田固定する近傍であり、樹脂被覆部とは金属スリー部と光ファイバ樹脂被覆部とを接着剤で固定した近傍の温度である。添え字の1〜4の数字は、それぞれ高周波誘導加熱装置の設定電圧を変更した際の試験番号であり、1の場合の設定電圧が一番高く180Vに設定されており、以下2の場合は160V、3の場合が140V、4の場合が120Vと順に下げている。
図3から分かるように、パッケージの開口部と金属フェルール(20)とを半田付けする際に必要な温度が得られた場合においても、光ファイバ(10)の樹脂被覆部(13)の温度は、150℃にも達しておらず、光ファイバ(10)の破損に繋がるような熱的影響を与えない。また、半田付け作業の時間をより極端に長い時間、加熱を行ったとしても、樹脂被覆部(13)の温度が、150℃を超えることはないため、高周波誘導加熱以外で、各部材を直接、昇温させない抵抗加熱を使用した場合においても、有効である。
さらに、金属フェルール(20)と光ファイバ(10)を固定する半田は、Au/20Sn半田であり、その溶解温度が280℃であることから、光ファイバ固定部が再溶解することはない。
(比較例)
金属フェルール(20)に放熱部(23)を具備しない以外は、実施例と同様に気密封止光モジュールを作製した。
半田付け時の半田固定部の温度と、光ファイバ(10)の樹脂被覆部(13)の温度を、実施例と同様に測定したところ、樹脂被覆部(13)の温度が、200℃を超えてしまい、金属フェルール(20)に挿入された樹脂被覆部(13)の膨張、および接着剤(24)の剥離が起こり、光ファイバ素線露出部(11)の破損が観察される場合があった。
以上のように、本発明によれば、金属フェルール(20)をパッケージ(30)に取り付ける際に、光ファイバー(10)の破損が発生せず、安定した組立てが可能となった。
本発明の気密封止光モジュールの一実施例を示す断面図である。 本発明の気密封止用光モジュールの一実施例を示す断面図である。 本発明の気密封止方法において、金属フェルールの半田固定部と光ファイバ樹脂被覆部の温度推移を示すグラフである。
符号の説明
10 光ファイバ
11 素線露出部
12 端末部品
13 樹脂被覆部
20 金属フェルール
20a 細穴
20b 太穴
21 半田固定部
23 放熱部
24 接着剤
25 Au/20Sn共晶半田
26 樹脂被覆固定部
30 パッケージ
31 パッケージ開口部
32 Pb/37Sn共晶半田

Claims (8)

  1. 素線が樹脂で被覆された樹脂被覆部と該樹脂被覆部の先端から素線が露出した素線露出部からなる光ファイバと、前記樹脂被覆部が挿通可能な太穴と、前記素線露出部が挿通可能な細穴とが連通する貫通穴を設けた金属フェルールからなり、前記樹脂被覆部が前記太穴の一部に挿入され、前記素線露出部が前記太穴の残部から細穴に貫通しており、前記素線露出部が半田により前記細穴に固定され、前記樹脂被覆部が接着剤により前記太穴に固定され、かつ、前記太穴に前記樹脂被覆部と接着剤が存在する部分の前記金属フェルールの外周に放熱機構を設けていることを特徴とする光モジュール用金属フェルール付き光ファイバ。
  2. 前記金属フェルールから突出した前記素線露出部の先端に端末部品が固定された請求項1に記載の光モジュール用金属フェルール付き光ファイバ。
  3. 前記素線露出部に、下地層としてのNiめっき層と、表面層としてのAuめっき層からなる金属膜が施された請求項1または2に記載の光モジュール用金属フェルール付き光ファイバ。
  4. 光ファイバ、金属フェルールおよびパッケージとからなる光モジュールであって、光ファイバは、素線が樹脂で被覆された樹脂被覆部と該樹脂被覆部の先端から素線が露出した素線露出部からなり、前記金属フェルールは、前記樹脂被覆部が挿通可能な太穴と、前記素線露出部が挿通可能な細穴とが連通する貫通穴が設けられており、前記樹脂被覆部が前記太穴の一部に挿入され、前記素線露出部が前記太穴の残部から細穴に貫通しており、前記素線露出部が半田により前記細穴に固定され、前記樹脂被覆部が接着剤により前記太穴に固定され、前記太穴に前記樹脂被覆部と接着剤が存在する部分の前記金属フェルールの外周に放熱機構が設けられており、かつ、前記細穴が存在する部分の前記金属フェルールの外周に、パッケージの開口部の内壁に沿って摺動可能な半田固定部が設けられ、かつ、半田により該半田固定部がパッケージの開口部に固定されていることを特徴とする気密封止光モジュール。
  5. 前記金属フェルールの半田固定部の外径と前記パッケージの開口部の内径との差が0.1mm以内であり、該半田固定部の軸方向長さが2.5mm以上である請求項4に記載の気密封止光モジュール。
  6. 前記金属フェルールの細穴に前記光ファイバの素線露出部を固定する半田の融点が260℃以上であり、前記金属フェルールの半田固定部をパッケージの開口部に固定する半田の融点が230℃以下である請求項4または5に記載の気密封止光モジュール。
  7. 光ファイバを金属フェルールにより光モジュールのパッケージに気密封止する光モジュールの製造方法であって、樹脂で被覆された光ファイバの先端から素線を露出させ、該素線露出部に、下地層としてのNiめっき層と、表面層としてのAuめっき層からなる金属膜を施し、該光ファイバの樹脂被覆部が挿通可能な太穴と、該光ファイバの素線露出部が挿通可能な細穴とが連通する貫通穴が設けられ、かつ、太穴のある部分の外周に放熱機構を設け、および細穴のある部分の外周に、パッケージの開口部内壁に沿って摺動可能な半田固定部を設けた金属フェルールに、前記光ファイバの樹脂被覆部を前記太穴の一部まで挿入して、前記素線露出部を前記太穴の残部から細穴に貫通させ、前記素線露出部を加熱により前記細穴に半田で固定し、前記樹脂被覆部を接着剤により前記太穴に固定し、把持具を用いることなく、前記半田固定部をパッケージの開口部内に挿入した後、該半田固定部を加熱により該開口部に半田で固定する光モジュールの製造方法。
  8. 前記金属フェルールから突出した前記素線露出部の先端に端末部品を加熱により半田でさらに固定させる請求項7に記載の光モジュールの製造方法。
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