JP2011214508A - 気筒休止機構を備える多気筒内燃機関 - Google Patents

気筒休止機構を備える多気筒内燃機関 Download PDF

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Abstract

【課題】気筒休止機構を備える多気筒内燃機関において、休止している気筒における点火プラムのくすぶりを抑制する。
【解決手段】吸気バルブ11及び排気バルブ12を閉状態に維持して気筒を休止させる気筒休止機構を備える多気筒内燃機関において、気筒休止機構の作動時に休止気筒の点火プラグへの通電を休止する。
【選択図】図7

Description

本発明は、気筒休止機構を備える多気筒内燃機関に関する。
従来、気筒休止機構を備える多気筒内燃機関において、油圧によってバルブ休止機構を駆動することで、内燃機関の吸気バルブ及び排気バルブを制御するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−256879号公報
ところで、上記従来の気筒休止機構を備える多気筒内燃機関においては、気筒の休止期間が長くなると、燃焼室内にオイルが入り込む、いわゆるオイル上がりにより、潤滑オイルが燃焼室内に侵入し、侵入した潤滑油が点火プラグに付着して、点火プラグに付着し、点火プラグのくすぶりを生じるおそれがあった。
そこで、本発明の目的は、気筒休止機構を備える多気筒内燃機関において、休止している気筒における点火プラムのくすぶりを抑制することができる気筒休止機構を備える多気筒内燃機関を提供することにある。
上記課題を達成するため、本発明は、吸気バルブ(11)及び排気バルブ(12)を閉状態に維持して気筒を休止させる気筒休止機構(80)を備える多気筒内燃機関(10)において、前記気筒休止機構の作動時に休止気筒の点火プラグ(71−2、71−3)への通電を休止することを特徴とする。
上記構成によれば、気筒休止期間中は、吸気バルブ(11)及び排気バルブ(12)を閉状態に維持しているので、燃焼室内(シリンダ内)にオイルがたまり易くなるが、気筒休止中に点火プラグへの通電を休止するので、気筒休止期間中に燃焼室内にたまったオイルによる点火プラグのくすぶりを防止できる。
これとともに、これらのバルブを閉状態に維持せず開閉をさせる場合に生じるポンピングロスが発生しない。
この場合において、前記点火プラグへの通電を休止した休止気筒を稼働する際に、当該休止気筒の燃焼室(20−2、20−3)内のガスを新気(新しい外気)に入れ替えてから稼働するようにしてもよい。
上記構成によれば、休止気筒を稼働気筒に移行する際に燃焼室内のガスが新気に入れ替えられるので、点火プラグに付着したり、燃焼室内に残留するオイルの掃気と吸気ポート内に付着した燃料を掃気することができ、気筒稼動時においても、燃焼効率を向上させて休止されていた気筒の点火プラグのくすぶりを防止でき、適正な空燃比での稼働(運転)再開が可能となる。
また、前記燃焼室内のガスを入れ替える際には、燃料噴射を禁止するようにしてもよい。
上記構成によれば、燃焼室内には燃料が含まれないので、燃費を向上できるともに、稼働後の燃焼効率を向上させて休止していた気筒の点火プラグのくすぶりを防止できる。
また、低負荷低回転時に気筒休止を停止して、全気筒(C1〜C4)を稼動気筒とするようにしてもよい。
上記構成によれば、低負荷低回転時には、気筒休止を停止して、全気筒を稼動気筒とするので、低負荷低回転時における気筒の休止期間を実効的に短くでき、いわゆるオイル上がりによる潤滑油の燃焼室内への侵入を抑制して、点火プラグに付着した潤滑油による、休止していた気筒の点火プラグのくすぶりを防止できる。
また、低負荷低回転時には、一部気筒の気筒休止と、全気筒の気筒稼動とを交互に繰り返し行うようにしてもよい。
上記構成によれば、低負荷低回転時における気筒の休止期間を実効的に短くでき、いわゆるオイル上がりによる潤滑油の燃焼室内への侵入を抑制して、点火プラグに付着した潤滑油による、休止していた気筒の点火プラグのくすぶりを防止できる。
また、休止する気筒を交互に交代させて気筒休止を行うようにしてもよい。
上記構成によれば、各気筒の休止期間を実効的に短くでき、いわゆるオイル上がりによる潤滑油の燃焼室内への侵入を抑制して、点火プラグに付着した潤滑油による、休止していた気筒の点火プラグのくすぶりを防止できる。
本発明によれば、気筒休止中に点火プラグへの通電を休止するので、いわゆるオイル上がりにより点火プラグに付着した潤滑油により気筒休止期間中に点火プラグがくすぶるのを防止できる。
また、休止気筒を稼働する際に、当該休止気筒の燃焼室内のガスを新気に入れ替えているので、点火プラグに付着したり、燃焼室内に残留するオイルの掃気と吸気ポート内に付着した燃料を掃気することができ、気筒稼動時においても、燃焼効率を向上させて休止されていた気筒の点火プラグのくすぶりを防止でき、適正な空燃比での稼働(運転)再開が可能となる。
また、ガス入れ替え後の燃焼室内には燃料が噴射されないので、実効的な燃費を向上できるともに、稼働後の燃焼効率を向上させて休止していた気筒の点火プラグのくすぶりを防止できる。
また、低負荷低回転時には、気筒休止を停止して、全気筒を稼動気筒とするので、低負荷低回転時における気筒の休止期間を実効的に短くでき、いわゆるオイル上がりによる潤滑油の燃焼室内への侵入を抑制して、点火プラグに付着した潤滑油による、休止していた気筒の点火プラグのくすぶりを防止できる。
また、低負荷低回転時における気筒の休止期間を実効的に短くでき、いわゆるオイル上がりにより点火プラグに付着した潤滑油による、休止していた気筒の点火プラグのくすぶりを防止できる。
また、各気筒の休止期間を実効的に短くでき、いわゆるオイル上がりにより点火プラグに付着した潤滑油による、休止していた気筒の点火プラグのくすぶりを防止できる。
本発明の実施の形態に係る内燃機関を備えた自動二輪車を示す左側面図である。 内燃機関を示す断面図である。 内燃機関を上方から見た場合における構成を示す模式図である。 吸気側のバルブ休止機構の拡大断面図である。 制御系の概要構成ブロック図である。 気筒休止/稼動制御の処理フローチャートである。 より具体的な気筒休止/稼動制御の処理タイミングチャートである。 低負荷、低エンジン回転数時に全気筒を稼働気筒とする場合の処理フローチャートである。 低負荷、低エンジン回転数時に全気筒を稼働気筒とするとともに、気筒休止する気筒を随時変更する場合の処理フローチャートである。 気筒動作モードの状態遷移図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る内燃機関を備えた自動二輪車を示す左側面図である。なお、以下の説明中、前後左右及び上下といった方向の記載は車体に対してのものとする。
自動二輪車110の車体フレーム111は、車体前部に位置するヘッドパイプ112と、このヘッドパイプ112から車体中央まで後方に延びる左右一対のメインフレーム114と、メインフレーム114の後端部から下方に延びる左右一対のピボットプレート115と、メインフレーム114の後端部から車体後部まで延びるリヤフレーム(不図示)とを備えている。
ヘッドパイプ112には、フロントフォーク116が回動自在に取り付けられ、このフロントフォーク116の下端に前輪117が回転自在に支持されている。また、ヘッドパイプ112の上部には、操舵用ハンドル118が取り付けられている。
メインフレーム114の下方には、前後V型4気筒の内燃機関1が配置されている。この内燃機関1は、クランク軸2を左右水平方向に指向させる横置き配置のエンジンであって、OHC型の4ストロークの水冷式で、クランクケース3を備え、このクランクケース3から2気筒ずつ前後に傾いた前側バンクBfと、後側バンクBrとがV型に構成され、互いのバンク角が90度よりも小さい狭角V型エンジンである。
前側バンクBfの排気口には、左右一対の排気パイプ119の一端が接続され、排気パイプ119は、排気口から下側に延びた後に、車体後方に向かって引き回され、後側バンクBrの排気口から延びる左右一対の排気パイプ120に接続されて集合され、一本の排気管127(図3参照)を介して、内燃機関1の後方に設けられたマフラー(不図示)に連結されている。
内燃機関1の後方には、ピボット軸121が設けられており、このピボット軸121には、リヤフォーク122がピボット軸121を中心に上下方向に揺動自在に取り付けられている。リヤフォーク122の後端部には、後輪131が回転自在に支持されている。後輪131と内燃機関1とは、リヤフォーク122内に設けられたドライブシャフト123によって連結されており、内燃機関1からの回転動力がドライブシャフト123を介して後輪131へと伝達される。また、リヤフォーク122と車体フレーム111との間には、リヤフォーク122からの衝撃を吸収するリヤクッション124が掛け渡されている。
内燃機関1の後部には、車体を停めるためのスタンド125が設けられている。また、内燃機関1の左側面の下部には、サイドスタンド126が設けられている。
メインフレーム114の上部には、内燃機関1の上方を覆うようにして燃料タンク141が搭載されている。この燃料タンク141の後方には、シート142が位置し、該シート142は上記リヤフレームに支持されている。シート142の後方には、テールランプ143が配置され、テールランプ143の下方には、後輪131の上方を覆うリヤフェンダ144が配置されている。
また、自動二輪車110は、車体を覆う樹脂製の車体カバー150を有し、この車体カバー150は、車体フレーム111の前方から内燃機関1の前部までを連続的に覆うフロントカバー151と、シート142の下方を覆うリヤカバー152とを備えている。フロントカバー151の上部には、左右一対のミラー153が取り付けられている。また、フロントフォーク116には、前輪117の上方を覆うフロントフェンダ146が取り付けられている。
図2は、内燃機関1を示す断面図である。図3は、内燃機関1を上方から見た場合における構成を示す模式図である。なお、図2では、図の上下を内燃機関1の上下、図の左側を内燃機関1の前側、図の右側を内燃機関1の後側として説明する。
図2に示すように、前側バンクBfと後側バンクBrとの間には側面視でV字状に形成された空間であるVバンク空間Kが形成されている。
クランクケース3は上下割りで構成され、上クランクケース3Uと下クランクケース3Lとを有している。クランク軸2はクランクケース3U、3Lにより挟まれるようにして回転自在に軸支され、上クランクケース3Uには、それぞれ左右に2気筒が配列される前シリンダブロック3fと後シリンダブロック3rとが、側面視でV字をなすように斜め上方に延出されて一体に形成されている。
下クランクケース3Lの下部には、内燃機関1のオイルが貯留されるオイルパン3Gが下方に膨出するように設けられている。内燃機関1内にオイルを循環させるオイルポンプ50は、下クランクケース3L内においてクランク軸2の下方に位置している。
また、クランクケース3内には、クランク軸2とそれぞれ平行に配置されるメイン軸41、カウンタ軸42、及び、出力軸43が設けられている。クランク軸2を含むこれらの軸41、42、43は、クランク軸2の回転をメイン軸41、カウンタ軸42、及び、出力軸43の順に伝達する歯車伝達機構を構成している。カウンタ軸42とメイン軸41との間には、6段変速の変速歯車群が跨って配置され、これらによって変速装置が構成されている。出力軸43には、傘歯車(図示略)を介してドライブシャフト123(図1参照)が接続されている。
前シリンダブロック3fには、前シリンダヘッド4fが前方斜め上に重ねられて締結ボルト(不図示)により締結され、前シリンダヘッド4fの上を前シリンダヘッドカバー5fが覆っている。同様に、後シリンダブロック3rには後シリンダヘッド4rが後方斜め上に重ねられて締結ボルト(不図示)により締結され、後シリンダヘッド4rは後シリンダヘッドカバー(不図示)により覆われる。
前シリンダブロック3f及び後シリンダブロック3rには、一対のシリンダボア3aがそれぞれ形成され、各シリンダボア3aにはシリンダボア3a内を往復運動するピストン6が収容されている。各ピストン6は、各ピストン6に共通な1本のクランク軸2に対し、各コンロッド7f、7rを介して連結されている。
図3に示すように、内燃機関1おいては、ピストン6が収容される第1気筒C1、第2気筒C2、第3気筒C3、第4気筒C4が設けられている。詳細には、前側バンクBfの左側の気筒が第1気筒C1、右側の気筒が第4気筒C4であり、後側バンクBrの左側の気筒が第2気筒C2、右側の気筒が第3気筒C3である。
図2及び図3に示すように、前シリンダヘッド4f及び後シリンダヘッド4rには、4つの各シリンダボア3aの上方に位置する燃焼室20−1〜20−4がそれぞれ設けられている。前シリンダヘッド4fには、第1気筒C1の燃焼室20−1に連通する吸気ポート21f及び排気ポート22f、及び、第4気筒C4の燃焼室20−4に連通する吸気ポート21f及び排気ポート22fが設けられている。
後シリンダヘッド4rには、第2気筒C2の燃焼室20−2に連通する吸気ポート21r及び排気ポート22r、及び、第3気筒C3の燃焼室20−3に連通する吸気ポート21r及び排気ポート22rが設けられている。
前シリンダヘッド4fの各吸気ポート21f、21fには、吸気ポート21f、21fに流れる吸気の量を調整する前側スロットルボディ60fが接続され、後シリンダヘッド4rの各吸気ポート21r、21rには、吸気ポート21r、21rに流れる吸気の量を調整する後側スロットルボディ60rが接続されている。
図2に示すように、各気筒の燃焼室20の上面を形成する燃焼凹部20Aには、一対の吸気バルブ開口81及び一対の排気バルブ開口82が形成されている。吸気バルブ開口81は吸気バルブ11(バルブ)により開閉され、排気バルブ開口82は排気バルブ12(バルブ)により開閉される。
吸気バルブ11は、吸気バルブ開口81を塞ぐ弁体部11bと、弁体部11bを基端として延びるバルブステム11cとを有し、排気バルブ12は、排気バルブ開口82を塞ぐ弁体部12bと、弁体部12bを基端として延びるバルブステム12cとを有している。
バルブステム11c及びバルブステム12cは、吸気バルブ開口81及び排気バルブ開口82の上方に設けられたガイド筒83に摺動自在に嵌合されている。
バルブステム11c及びバルブステム12cの先端のバルブステムエンド11d、12dにはリテーナ84がそれぞれ設けられている。コイル状のバルブスプリング11a及びバルブスプリング12aは、各リテーナ84と吸気バルブ開口81及び排気バルブ開口82との間に設けられ、吸気バルブ11及び排気バルブ12を閉じる方向に付勢している。
これらの吸気バルブ11及び排気バルブ12は、図2に示すように、各シリンダヘッド4f、4rごとに1本ずつ配設されたカムシャフト25で駆動されるユニカム方式の動弁装置10によって開閉駆動される。
動弁装置10は、各シリンダヘッド4f、4rにおける吸気バルブ11の上方の支持部に回転自在に軸支されるカムシャフト25と、カムシャフト25と平行な軸線を有して各シリンダヘッド4f、4rに固定されるロッカシャフト26と、ロッカシャフト26に揺動可能に軸支されるロッカアーム27とを有している。
カムシャフト25は、カムシャフト25の外周側に突出した吸気カム30及び排気カム31を有し、クランク軸2の回転に同期して回転させられる。吸気カム30および排気カム31は、中心から外周までの距離(半径)が一定でないカムプロフィールを有し、吸気カム30及び排気カム31が回転した際の半径の変化によって、吸気バルブ11及び排気バルブ12を上下運動させる。
また、カムシャフト25と吸気バルブ11との間には、カムシャフト25の下方で各シリンダヘッド4f、4rに摺動可能に嵌合されるバルブリフタ13が設けられている。
ロッカシャフト26に軸支されたロッカアーム27の一端には排気カム31に転がり接触するローラ27aが設けられ、他端には排気バルブ12の上端に当接するタペットねじ27bが進退位置を調節可能として螺合されている。後側バンクBr側のタペットねじ27bと排気バルブ12との間には、バルブリフタ13が設けられている。
そして、カムシャフト25と一体に吸気カム30及び排気カム31が回転されると、吸気カム30がバルブリフタ13を介して吸気バルブ11を押し下げるとともに、ローラ27aに当接する排気カム31がロッカアーム27を介して排気バルブ12を押し下げ、吸気カム30及び排気カム31の回転の位相によって定まる所定のタイミングで各吸気ポート21f、22f及び各排気ポート22r、22rが開閉される。
図3に示すように、前側スロットルボディ60fは前側バンクBfの後部に設けられ、第1気筒C1及び第4気筒C4へ連通する一対の吸気通路61−1、61−4を一つのケース体62に備えて構成されている。吸気通路61−1には、バタフライ式のスロットルバルブ63−1が開閉可能に設けられ、吸気通路61−4には、バタフライ式のスロットルバルブ63−4が開閉可能に設けられている。
また、スロットルバルブ63−1、63−4は、吸気通路61−1、61−4に設けられるシャフト64によって支持されている。シャフト64は、シャフト64に接続された1つのモータ65によって駆動され、2つのスロットルバルブ63−1、63−4は同時に駆動される。すなわち、スロットルバルブ63−1、63−4は、一つのモータ65によって同時に駆動される前側バンクBfに共通のスロットルバルブである。
また、後側スロットルボディ60rは後側バンクBrの前部に設けられ、第2気筒C2及び第3気筒C3へ連通する一対の吸気通路61−2、61−3を一つのケース体68に備えて構成されている。吸気通路61−2には、バタフライ式のスロットルバルブ63−2が開閉可能に設けられ、吸気通路61−3には、バタフライ式のスロットルバルブ63−3が開閉可能に設けられている。スロットルバルブ63−2、63−3は、吸気通路61−2、61−3に設けられるシャフト64によって支持されている。シャフト64は、シャフト64に接続された1つのモータ65によって駆動され、2つのスロットルバルブ63−2、63−3は同時に駆動される。すなわち、スロットルバルブ63−2、63−3は、一つのモータ65によって同時に駆動される後側バンクBrに共通のスロットルバルブである。
スロットルバルブ63−1〜63−4は、運転者により操作されるアクセル開度、つまり、運転者の加速意思等に応じて対応する各モータ65に連係して電子制御により開閉動作する、いわゆるTBW(スロットル・バイ・ワイヤ)式のスロットルバルブである。各モータ65の駆動状態は、車両の電子制御ユニットとしてのECU76によってアクセル開度等に応じて制御される。
本実施の形態では、前側バンクBfのスロットルバルブ63−1、63−4は、一つのモータ65により共通の制御で駆動され、後側バンクBrのスロットルバルブ63−2、63−3は、一つのモータ65により共通の制御で駆動されており、4つの気筒のそれぞれに独立したスロットルバルブを設けていないため、吸気装置を簡単な構造にすることができる。
吸気通路61−1には、吸気通路61−1内に燃料を噴射する第1インジェクタ70−1が設けられ、吸気通路61−2には、吸気通路61−2内に燃料を噴射する第2インジェクタ70−2が設けられ、吸気通路61−3には、吸気通路61−3内に燃料を噴射する第3インジェクタ70−3が設けられ、吸気通路61−4には、吸気通路61−4内に燃料を噴射する第4インジェクタ70−4が設けられている。
ここで、第1インジェクタ70−1は、スロットルバルブ63−1の下流側に配置され、第2インジェクタ70−2は、スロットルバルブ63−2の下流側に配置され、第3インジェクタ70−3は、スロットルバルブ63−3の下流側に配置され、第4インジェクタ70−4は、スロットルバルブ63−4の下流側に配置されている。
燃焼室20−1の中央には、燃焼室20−1に供給される混合気に点火する第1点火プラグ71−1が設けられ、燃焼室20−2の中央には、燃焼室20−2に供給される混合気に点火する第2点火プラグ71−2が設けられ、燃焼室20−3の中央には、燃焼室20−3に供給される混合気に点火する第3点火プラグ71−3が設けられ、燃焼室20−4の中央には、燃焼室20−4に供給される混合気に点火する第4点火プラグ71−4が設けられている。
また、前側バンクBf及び後側バンクBrの右端部には、上下に延びるカムチェーン室35が設けられており、カムシャフト25は、クランク軸2により駆動されカムチェーン室35を通るカムチェーン(図示略)によって回転駆動される。
本実施の形態では、吸気バルブ11及び排気バルブ12を閉状態に維持して気筒を休止させる気筒休止機構80(可変動弁機構)が後側バンクBrに設けられている。気筒休止機構80は、吸気側においては、吸気バルブ11のバルブステムエンド11dと吸気カム30との間に設けられ、排気側においては、排気バルブ12のバルブステムエンド12dとロッカアーム27タペットねじ27bとの間に設けられている。
気筒休止機構80は、吸気カム30から吸気バルブ11への開弁方向の押圧力の作用・非作用、及び、ロッカアーム27から排気バルブ12への開弁方向の押圧力の作用・非作用を切り換え可能であり、内燃機関1の特定の運転域、例えば、低速運転域などの低負荷域では押圧力を非作用状態として、吸気バルブ11及び排気バルブ12を休止状態とするものである。すなわち、気筒休止機構80は、吸気バルブ11及び排気バルブ12を作動させるか否かを切り換え可能な可変動弁機構である。
図4は、吸気側の気筒休止機構80の拡大断面図である。
気筒休止機構80は、吸気側及び排気側で同様に構成されているため、ここでは、主として吸気側の気筒休止機構80について説明する。また、気筒休止機構80は、第2気筒C2及び第3気筒C3にそれぞれ設けられており、同一に構成されているため、ここでは、第2気筒C2の気筒休止機構80について説明する。
図4に示すように、気筒休止機構80は、バルブリフタ13に設けられており、カムシャフト25からの押圧力によりバルブステム11c(排気側ではバルブステム12c)の軸方向に上下に摺動するリフタ85と、リフタ85内に設けられ、バルブステムエンド11dの軸方向に直交する方向に摺動するスライドピン86(係合ピン)と、スライドピン86を保持するスライドピンホルダ87と、スライドピン86に油圧を作用させる油圧供給機構88と、スライドピン86に加わる油圧に抗してスライドピン86を付勢するリターンスプリング89と、リフタ85をカムシャフト25からの押圧力に抗して付勢する付勢ばね90とを備えて構成されている。
リフタ85は軸方向の上端が平面に形成された円筒状に構成され、下面が開口し、内部に円板状のスライドピンホルダ87を収容している。リフタ85の外周面にはリフタ85の内外を連通させる連通孔85aが形成されている。
リフタ85は、後シリンダヘッド4rの上部に設けられた円筒状のリフタ支持部91内に摺動自在に支持されている。リフタ支持部91の内周面には、リフタ85を囲うように油供給溝91aが形成されている。
油圧供給機構88は、作動油を送出するオイルポンプ50(図2参照)と、オイルポンプ50に接続される油路72(図3参照)と、油路72から第2気筒C2及び第3気筒C3に分岐する制御油路73、74と、制御油路73、74に流れる作動油を切り換える油圧切換え部75と、制御油路73、74の終端に位置する油供給溝91aとを備えている。
ここで、油路72には、油路72内の油温を検出する油温センサ99と、油路72内の油圧を検出する第1油圧センサ100−1と、が設けられ、制御油路73には、制御油路73における油圧を検出する第2油圧センサ100−2が設けられ、制御油路74には、制御油路74における油圧を検出する第3油圧センサ100−3が設けられている。
また、油圧切換え部75は、第2気筒C2の気筒休止機構80に供給される作動油の油圧のON/OFFを切り換える第1スプールバルブ75a、及び、第3気筒C3の気筒休止機構80に供給される作動油の油圧のON/OFFを切り換える第2スプールバルブ75bを有している。第1スプールバルブ75aと第2スプールバルブ75bとの切り換えは、内燃機関1の回転数(エンジン回転数)等の車両の運転状況に基づいてECU76によって制御される。
図4に示すように、スライドピンホルダ87は、その円板形状の径方向に延びるとともにバルブステム11cと直交する方向を向いて形成されたシリンダ孔87aと、スライドピンホルダ87の中央にバルブステム11cと同軸に設けられたステム孔87bとを有している。シリンダ孔87aの一端には開口87cが設けられ、他端には壁部87dが形成されている。また、シリンダ孔87aの開口87c側には、シリンダ孔87a内のスライドピン86の位置を規制するストッパピン92が設けられている。
また、スライドピンホルダ87の上面とリフタ85の被押圧面との間には、タペットクリアランス調整用のシム94が介装されている。付勢ばね90は、スライドピンホルダ87の下面に当接して設けられている。
スライドピン86は、シリンダ孔87a内に摺動自在に設けられ、その軸方向と直交する方向に貫通する逃げ孔93を有している。また、スライドピン86は、その外周面が内側に窪んだ受け部93aを有し、受け部93aは、逃げ孔93に連続して設けられている。シリンダ孔87a内において、スライドピン86の一端とリフタ85との間の空間は、上記作動油が作用する油圧室95となっている。
スライドピン86の他端とシリンダ孔87aの壁部87dとの間には、リターンスプリング89が設けられており、図4に示すように、リターンスプリング89は、スライドピン86を油圧室95側に付勢している。スライドピン86は、一端側に設けられた溝部にストッパピン92が嵌合することで軸方向の位置を規制されている。スライドピン86がストッパピン92側に押し付けられた状態では、逃げ孔93はステム孔87bよりも油圧室95側に位置している。
そして、油圧室95に作動油が供給されてスライドピン86がリターンスプリング89に抗して他端側にスライドすると、逃げ孔93はステム孔87bに対して同軸となり、ステム孔87bに連通する。逃げ孔93の径は、バルブステムエンド11dの径よりも大きく形成されている。
吸気バルブ11のバルブステムエンド11dは、ステム孔87bに挿通されるとともに、スライドピン86の受け部93aに係合した状態で設けられている。気筒休止機構80では、スライドピン86がスライドされることで、バルブリフタ13と、吸気バルブ11、排気バルブ12との係合状態が変化する。
気筒休止機構80では、第1スプールバルブ75aがOFF状態に制御され、スライドピン86に作用する油圧が低く、スライドピン86がリターンスプリング89に抗して他端側に移動されない状態では、バルブステムエンド11dが受け部93aに当接し、吸気バルブ11がリフタ85に連結される。このため、カムシャフト25の回転により吸気カム30を介してリフタ85が押圧されて下降すると、スライドピン86の受け部93aを介して吸気バルブ11に押圧力が作用して吸気バルブ11が開かれ、リフタ85の往復運動に伴って吸気バルブ11が開閉動作する気筒稼動状態となる。
また、気筒休止機構80が作動し、第1スプールバルブ75aがON状態に制御されて油圧室95に作動油が供給されると、スライドピン86がリターンスプリング89に抗して他端側に移動させられ、スライドピン86の逃げ孔93がステム孔87bに連通し、吸気バルブ11のバルブステムエンド11dは逃げ孔93に嵌入可能な状態となる。この状態において、カムシャフト25の回転により吸気カム30を介してリフタ85が押圧されて往復運動する場合、リフタ85は、吸気バルブ11のバルブステムエンド11dが嵌入された状態で単独で上下に往復するだけであり、吸気バルブ11に吸気カム30の押圧力は伝達されない。すなわち、吸気バルブ11は、カムシャフト25が回転してもカムシャフト25の押圧力が作用せず、閉弁状態が維持される気筒休止状態となる。
気筒休止機構80は、第2気筒C2内の全ての吸気バルブ11及び排気バルブ12に設けられており、第2気筒C2の気筒休止時には、第2気筒C2内の全ての吸気バルブ11及び排気バルブ12が休止状態とされる。また、第3気筒C3内にも第2気筒C2内と同様に、全ての吸気バルブ11及び排気バルブ12に気筒休止機構80が設けられており、第3気筒C3の気筒休止時には、第3気筒C3内の全ての吸気バルブ11及び排気バルブ12が休止状態とされる。すなわち、第2気筒C2及び第3気筒C3で構成される後側バンクBrは、休止可能な休止気筒である。また、内燃機関1は、4気筒の全てを運転させる4気筒運転、第2気筒C2及び第3気筒C3を休止する2気筒運転、及び、第2気筒C2或いは第3気筒C3のいずれかを休止する3気筒運転を行うことができる。
ECU76は、車両の運転状況に対応して気筒休止機構80の第1スプールバルブ75aと第2スプールバルブ75bと、を切り換えて後側バンクBrの気筒休止を制御し、気筒を休止する際には、休止する気筒のインジェクタ70の燃料供給を停止する。このため、内燃機関1の燃費を向上させることができる。
一方、第1気筒C1及び第4気筒C4は気筒休止機構80を有しておらず、前側バンクBfは、内燃機関1の運転時には常に吸気バルブ11及び排気バルブ12の開閉が行われる常時稼動気筒である。
ところで、内燃機関1には、油圧によって駆動される気筒休止機構80がECU76の指示通りに正常に動作しているか否かを確認するために、気筒休止機構80の作動状態を判定するバルブ動作判定部96が設けられている。
バルブ動作判定部96は、第2気筒C2に供給される吸気の圧力を検出する第2吸気圧センサ97−2と、第3気筒C3に供給される吸気の圧力を検出する第3吸気圧センサ97−3と、ECU76とを備えて構成されている。
また、前側バンクBfには、第1気筒C1及び第4気筒C4に供給される吸気の圧力を検出する第1吸気圧センサ97−1が設けられている。
第1吸気圧センサ97−1は、前側スロットルボディ60fに設けられ、スロットルバルブ63−1、63−4の下流側に配置されている。より詳細には、第1吸気圧センサ97−1は、前側スロットルボディ60fに共通で1個で設けられており、1個の第1吸気圧センサ97−1によって吸気通路61−1、61−4内におけるスロットルバルブ63−1、63−4の下流の吸気圧を測定する。すなわち、前側バンクBfでは、第1気筒C1及び第4気筒C4の吸気圧は、1個の第1吸気圧センサ97−1によって検出された検出値が前側バンクBfの吸気圧としてECU76に出力される。
第2吸気圧センサ97−2は、後側スロットルボディ60rに設けられ、スロットルバルブ63−2の下流側に配置されている。詳細には、第2吸気圧センサ97−2は、第2気筒C2の吸気通路61−2に1個が設けられ、第2気筒C2の吸気通路61−2内におけるスロットルバルブ63−2の下流の吸気圧を測定する。
第3吸気圧センサ97−3は、後側スロットルボディ60rに設けられ、スロットルバルブ63−3の下流側に配置されている。詳細には、第3吸気圧センサ97−3は、第3気筒C3の吸気通路61−3に1個が設けられ、第3気筒C3の吸気通路61−3内におけるスロットルバルブ63−3の下流の吸気圧を測定する。
すなわち、後側バンクBrでは、第2気筒C2あるいは第3気筒C3の吸気圧は、気筒毎に個別に設けられた第2吸気圧センサ97−2及び第3吸気圧センサ97−3によってそれぞれ検出され、ECU76に出力される。
第1吸気圧センサ97−1、第2吸気圧センサ97−2及び第3吸気圧センサ97−3で検出された各吸気圧は、ECU76によって処理され、ECU76は、検出された各吸気圧やアクセル開度等の運転状況に基づいて各インジェクタ70−1〜70−4の燃料噴射量を決定する。
また、ECU76は、第2吸気圧センサ97−2及び第3吸気圧センサ97−3で検出された各吸気圧に基づいて、第2気筒C2及び第3気筒C3の各気筒休止機構80の作動状態を判定する。
具体的には、第2吸気圧センサ97−2を例に挙げて説明すると、気筒休止機構80がOFF状態で、第2気筒C2が休止されていない場合、第2気筒C2の吸気通路61−2に吸気が連続的に流れるため、第2気筒C2の吸気通路61−2の吸気圧は、大気圧よりも低い負圧となる。一方、気筒休止機構80がON状態で、第2気筒C2が休止されている場合、吸気バルブ11が閉じられており第2気筒C2の吸気通路61−2には吸気が連続的に流れないため、第2気筒C2の吸気通路61−2の吸気圧は、大気圧に近くなる。
本実施形態では、ECU76は、第2吸気圧センサ97−2の検出値が所定の吸気圧よりも低い負圧である場合には、気筒休止機構80が非作動状態であると判定し、第2吸気圧センサ97−2の検出値が上記所定の吸気圧よりも高い場合には、気筒休止機構80が作動状態であると判定する。上記所定の吸気圧は、吸気通路66の吸気圧と気筒休止機構80の実際の作動状態との関係を予め実験等により明らかにし、両者の関係を対応づけておくことで決定される。上記所定の吸気圧は、運転状況に合わせて可変であっても良い。
また、第3気筒C3についても第2気筒C2と同様に構成されており、ECU76は、第3吸気圧センサ97−3の検出値が所定の吸気圧よりも低い負圧である場合には、気筒休止機構80が非作動状態であると判定し、第3吸気圧センサ97−3の値が所定の吸気圧よりも大きい場合には、第3気筒C3の気筒休止機構80が作動状態であると判定する。
このように、インジェクタ70−2、70−3の燃料噴射量の決定に用いられる第2吸気圧センサ97−2及び第3吸気圧センサ97−3を利用して、気筒休止機構80の作動状態を判定するため、専用の機構を設けることなく、気筒休止機構80の作動状態を検出でき、吸気バルブ11及び排気バルブ12の作動状態を確実に捉えることができる。
また、第2気筒C2及び第3気筒C3の吸気圧を検出することで、気筒休止機構80が実際に動作した結果として生じる吸気圧の変動に基づいて気筒休止機構80の作動状態を直接判定するため、正確に作動状態を判定することができる。例えば、気筒休止機構80の油圧を検出することで気筒休止機構80の作動状態を判定することが考えられるが、この場合、構造が複雑になるとともに、気筒休止機構80の作動状態を間接的に判定することとなる。
また、第2気筒C2に第2吸気圧センサ97−2を設け、第3気筒C3に第3吸気圧センサ97−3を設け、休止可能な気筒に独立して吸気圧センサをそれぞれ設けたため、3気筒運転する場合においても第2吸気圧センサ97−2或いは第3吸気圧センサ97−3を用いて気筒休止機構80の作動状態を確実に捉えることができる。
図5は、制御系の概要構成ブロック図である。
ECU76の入力側には、第1吸気圧センサ97−1、第2吸気圧センサ97−2、第3吸気圧センサ97−3、前側ノックセンサ98−1、後側ノックセンサ98−2、油温センサ99、第1油圧センサ100−1、第2油圧センサ100−2、第3油圧センサ100−3が接続されている。
また、ECU76の出力側には、第1インジェクタ70−1、第2インジェクタ70−2、第3インジェクタ70−3、第4インジェクタ70−4、第1点火プラグ71−1、第2点火プラグ71−2、第3点火プラグ71−3、第4点火プラグ71−4、第1スプールバルブ75a、第2スプールバルブ75bが接続されている。
ここで、第1点火プラグ71−1、第2点火プラグ71−2、第3点火プラグ71−3および第4点火プラグ71−4は、実際には、ECU76に直接接続されているわけではなく、それぞれ、図示しないイグニションコイル駆動部およびイグニションコイルを介してECU76に接続されており、ECU76は、イグニションコイル駆動部に後述する点火停止フラグ信号を含む駆動制御信号を出力することにより、点火制御を行っている。
次に車両走行時の実際の気筒休止/稼動制御について説明する。
図6は、気筒休止/稼動制御の処理フローチャートである。
まず、ECU76は、アクセルポジションセンサの101の出力信号に応じたアクセル開度(グリップ開度)およびエンジン回転数NEに応じて、第2気筒C2あるいは第3気筒C3の休止あるいは稼動を実施すべきか否かを判別する(ステップS10)。
続いて、ECU76は、気筒休止状態にすべき気筒(第2気筒C2あるいは第3気筒C3)が存在するか否かを判別する(ステップS11)。
ステップS11の判別において、気筒休止状態にすべき気筒が存在する場合には(ステップS11;Yes)、ECU76は、エンジン回転数NEと、油温センサ99により検出した油温と、に基づいて第2インジェクタ70−2あるいは第3インジェクタ70−3による燃料噴射を停止するタイミング(後述するステージに相当)を算出し、対応するタイミングにおいて、燃料噴射を停止するフラグをオン状態とする(ステップS12)。なお、本実施形態では、気筒休止に移行するに先立って、燃料の噴射及び点火を行わない空気サイクルを設けているので、燃料噴射を停止するフラグをオン状態とするタイミングは、上述した実際の燃料噴射タイミングに限らず、この空気サイクルに相当する周期の直前の4サイクル周期の吸気行程において、燃料を噴射した後であって、空気サイクルに相当する周期における吸気行程以前であればよい。
続いてECU76は、エンジン回転数NEと、油温センサ99により検出した油温と、に応じて、点火を停止するタイミング(ステージ)を検出するための点火停止待ちカウンタのカウントを開始し、点火停止待ちカウンタのカウント値に相当するタイミング(ステージ)で点火停止フラグ信号をオンにして図示しないイグニションコイル駆動部に出力する(ステップS13)。この結果、イグニションコイル駆動部は、イグニションコイルの駆動を休止して、点火プラグの点火を休止することとなる。
さらにECU76は、エンジン回転数NEと、油温センサ99により検出した油温と、に基づいて第2インジェクタ70−2あるいは第3インジェクタ70−3による燃料噴射を停止するタイミング(後述するステージに相当)から、気筒休止を実行するタイミング(ステージ)を検出するための気筒休止待ちカウンタのカウントを開始し、気筒休止待ちカウンタのカウントを開始し、気筒休止を実行するタイミング(ステージ)において、気筒休止を実行するために、気筒休止信号を出力し、気筒休止機構80を作動させる(ステップS14)。
一方、ステップS11の判別において、気筒稼動状態にすべき気筒が存在する場合には(ステップS11;No)、ECU76は、エンジン回転数NEと、油温センサ99により検出した油温と、に基づいて気筒稼動の実行を開始するタイミング(ステージ)を算出し、当該タイミングで気筒稼動信号を出力し、気筒休止機構80の作動を停止させる(ステップS15)。
続いて、ECU76は、エンジン回転数NEと、油温センサ99により検出した油温と、に基づいて、気筒稼動の実行を開始するタイミング(ステージ)から、第2点火プラグ71−2あるいは第3点火プラグ71−3による点火を開始するタイミング(ステージ)を検出するための点火開始待ちカウンタのカウントを開始し、点火開始待ちカウンタのカウント値に相当するタイミング(ステージ)で点火停止フラグをオフにして図示しないイグニションコイル駆動部に出力する(ステップS16)。この結果、イグニションコイル駆動部は、以降、イグニションコイルの駆動を再開して、点火プラグの点火を行うこととなる。この点火停止フラグ信号をオフにするタイミング、すなわち、点火プラグの点火の許可を開始するタイミングは、気筒稼動に移行する直前の膨張行程に相当する点火タイミング以降であって、気筒稼働後の膨張行程における点火タイミングに至るまでの期間であればよい。
さらにECU76は、エンジン回転数NEと、油温センサ99により検出した油温と、に基づいて、気筒稼動の実行を開始するタイミング(ステージ)から、第2インジェクタ70−2あるいは第3インジェクタ70−3による燃料噴射を再開するタイミング(ステージ)を検出するための噴射開始待ちカウンタのカウントを開始し、対応するタイミングにおいて、燃料噴射を停止するフラグをオフ状態とする(ステップS17)。
なお、上記ステップS10〜ステップS17の処理と並行して所定タイミング毎(例えば、2ms毎)に割り込み処理を行い、第1気筒C1および第4気筒C4に対応するTBW式のスロットルバルブ63−1、63−4(第1の系統)、第2気筒C2に対応するTBW式のスロットルバルブ63−2(第2の系統)及び第3気筒C3に対応するTBW式のスロットルバルブ63−3(第3の系統)の3系統のスロットルバルブ63−1〜63−4において、それぞれの系統に最適な目標スロットルバルブ開度を算出する目標スロットルバルブ開度算出ステップと、目標スロットルバルブ開度算出ステップにおいて算出されたスロットルバルブ開度となるように、3系統のスロットルバルブ63−1〜63−4を系統毎に制御するスロットルバルブ開度制御ステップが実行される。
次により具体的な気筒休止/稼動制御について説明する。
図7は、より具体的な気筒休止/稼動制御の処理タイミングチャートである。
図7においては、4サイクルエンジンとしての内燃機関1の連続する4行程(吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程)は、説明の便宜上、28ステージ(各行程7ステージずつ)で構成されているものとし、ステージ単位でタイミング制御が行われているものとする。
まず、図7(a)を参照して気筒稼動状態から気筒休止状態に移行する際の動作について説明する。
なお、以下の説明においては、初期状態において気筒稼動状態にある第2気筒C2の気筒休止を行う場合を例として説明する。
第2気筒C2における吸気行程において、時刻t1に第2インジェクタ70−2により燃料が噴射され、その後、圧縮行程および第2点火プラグ71−2による点火がなされる(爆発)膨張行程を経て、時刻t2において排気バルブ12が開いて、排気行程が実行される。
続いて、時刻t3において、吸気バルブ11が開いて、吸気行程に移行する。
ここで、第1スプールバルブ75aを駆動した場合に、第2気筒C2を気筒休止状態にするために、第2気筒C2の吸気バルブ11および排気バルブ12の双方をそれぞれに対応する気筒休止機構80により確実に閉状態にして、第2気筒C2を気筒休止状態とするためには、気筒休止機構80を作動させるための油圧系統のタイムラグを考慮して、第2気筒C2の吸気バルブ11を確実に閉状態にすることが可能な期間TM1および第2気筒C2の排気バルブ12を確実に閉状態にすることが可能な期間TM2に指示を出す必要がある。
ここで、気筒数の変更に伴うトルクショックを低減するために、吸気バルブ11および排気バルブ12が休止状態への移行を開始する前に、燃料噴射および点火プラグの点火が行われないようにしておく必要がある。
より詳細には、吸気バルブ11を確実に休止することが可能な期間(図7(a)中、上方に太実線TM1で示す期間)に休止の指示を出し、吸気バルブ11を確実には休止できない期間(図7(a)中に、太実線TM1で示す期間以外の期間)には、休止の指示を出さないようにする必要がある。ここで、吸気バルブ11を確実に休止することが可能な期間とは、燃焼室内に燃焼すべき燃料が残っている期間(燃料噴射後であって、点火前の期間)、あるいは、燃焼室内に燃焼後の排気が残っている期間(点火後であって、排気前の期間)を除く期間に吸気バルブ11を気筒休止のために休止することができる期間である。
同様に排気バルブ12を確実に休止することが可能な期間(図7(a)中、太実線TM2で示す期間)に休止の指示を出し、排気バルブ12を確実には休止できない期間(図7(a)中に、太実線TM2で示す期間以外の期間)には、休止の指示を出さないようにする必要がある。ここで、排気バルブ12を確実に休止することが可能な期間とは、燃焼室内に燃焼すべき燃料が残っている期間(燃料噴射後であって、点火前の期間)、あるいは、燃焼室内に燃焼後の排気が残っている期間(点火後であって、排気前の期間)を除く期間に排気バルブ12を気筒休止のために休止することができる期間である。
したがって、実際には、太実線TM1で示す期間と、太実線TM2で示す期間との共通の期間である、時刻t4〜時刻t7に対応する期間TE1内でECU76は、気筒休止の指示を出す必要がある。ここで、期間TE1内で実際に気筒休止の指示を出すタイミングは、油温センサ99の出力に対応する油温、エンジン回転数NE、第1〜第3油圧センサ100−1〜100−3により検出された油圧(特に第1油圧センサ100−1により検出された油圧)を基本として、クランク回転角、カム軸回転角、それらの角速度を考慮した油圧系統のタイムラグを考慮して決定される。なお、油温あるいは油圧が高ければ、油圧系統のタイムラグは小さくなる。
さらにこれに先立って、燃料噴射も停止させる必要がある。この燃料噴射の停止を開始するタイミングは、実際に気筒休止に移行させる4サイクルの周期に対して、少なくとも1周期前の吸気行程より前であって、最後に燃焼させた燃料を噴射した燃料噴射タイミング以降であればよい。これは、実際に気筒休止に移行させる4サイクルの周期に対して、少なくとも1周期前の吸気行程においては、燃料を含まない空気のみを取り込む後述の空気サイクルを設けるためであり、これにより、気筒休止中に無駄に燃料を消費させないためである。
このため、時刻t5において、ECU76は、第2インジェクタ70−2により燃料が噴射されるタイミング、すなわち、上述した28のステージのうち、第3番目のステージにおいて、第2インジェクタ70−2により燃料が噴射されないように、図6のステップS12において、燃料噴射の停止判断を行い、第3番目のステージで噴射停止フラグがオンするように設定しておくこととなる。この噴射停止フラグがオンの状態は、気筒休止が解除されて気筒稼動されるまでは継続されて、継続的に燃料噴射が停止される。
この結果、時刻t5に相当する第3番目のステージで第2インジェクタ70−2による燃料噴射が禁止される。その後、時刻t6において、ECU76は、気筒休止機構80を作動させるための油圧系統のタイムラグを考慮して、時刻t9に第2気筒C2が休止状態に移行できるように、休止指示を出力する。
これと並行して、時刻t6には、排気行程となって、排気バルブ12が開いて、排気がなされ、時刻t8には、吸気行程となって、吸気バルブ11が開いて、ガス交換としての吸気がなされる(空気サイクル)。この結果、シリンダ内には、導入された空気が取り込まれた状態となり、気筒休止から気筒稼動状態に移行した場合に、点火プラグ(第2気筒C2においては、第2点火プラグ71−2)に付着した潤滑油によるくすぶりを抑制することが可能となる。
そして、時刻t9において、ECU76が吸気行程において、時刻t5の第2インジェクタ70−2による燃料噴射を停止するタイミング(ステージ)から、気筒休止を実行する時刻t9に対応する第0ステージを検出するための気筒休止待ちカウンタのカウントを開始し、時刻t9において気筒休止待ちカウンタのカウントが完了すると、気筒休止機構80が作動状態となっており、第2気筒C2は、気筒休止状態となる。この場合において気筒休止待ちカウンタのカウント値は、ECU76が予測した気筒休止機構80を作動させるための油圧系統のタイムラグに相当するものであり、これ以降であれば、確実に気筒休止状態となっていることが保証されるものである。
この結果、時刻t10以降は、様々な条件により気筒休止が解除されるまで、図7(a)中、破線で示すように、排気バルブ12および吸気バルブ11は、閉状態を維持することとなる。
次に、図7(b)を参照して気筒休止状態から気筒稼動状態に移行する際の動作について説明する。
なお、以下の説明においても、初期状態において休止状態にある第2気筒C2の気筒稼動を行う場合を例として説明する。
気筒休止状態にある第2気筒C2において、時刻t21は、本来吸気バルブ11が開状態となって吸気行程へ移行するタイミングであるが、いまだ気筒休止状態であるので、吸気バルブ11は、閉状態のままである。
ところで、第1スプールバルブ75aの駆動を停止したとしても、気筒休止機構80の作動を停止し、第2気筒C2を気筒稼動状態にするためには、油圧系統のタイムラグの影響で、それなりの時間が必要となる。
すなわち、第2気筒C2を気筒稼動状態にするために、第2気筒C2の吸気バルブ11および排気バルブ12の双方をそれぞれに対応する気筒休止機構80により確実に稼動開始可能な状態にして、第2気筒C2を気筒稼動状態とするためには、気筒休止機構80を作動停止させるための油圧系統のタイムラグを考慮して、第2気筒C2の吸気バルブ11を確実に稼動開始させることが可能な期間および第2気筒C2の排気バルブ12を確実に稼動開始させることが可能な期間に指示を出す必要がある。
さらに気筒数の変更に伴うトルクショックを低減するために、吸気バルブ11および排気バルブ12が稼動状態への移行が完了する前に、燃料噴射および点火プラグの点火が行われないようにする必要がある。
また、吸気バルブ11および排気バルブ12の双方を稼動開始させるにあたって、排気バルブ12を先に稼動開始する必要がある。これは、第1回目の燃焼行程における充填効率ηvが気筒停止期間中の燃焼室内の空気量の影響を受けないようにするためである。
すなわち、第2気筒C2の吸気バルブ11を確実に稼動開始させることが可能な期間(図7(b)中、太実線TM11で示す期間)に稼動開始の指示を出し、吸気バルブ11を確実には稼動開始させることができない期間(図7(b)中に、太実線TM11で示す期間以外の期間)には、稼動開始の指示を出さないようにする必要がある。
より詳細には、吸気バルブ11を確実に稼動開始させることが可能な期間(図7(b)中、太実線TM11で示す期間)に稼動開始の指示を出し、吸気バルブ11を確実には稼動開始できない期間(図7(b)中に、太実線TM1の前後に太破線で示す期間)には、稼動開始の指示を出さないようにする必要がある。
ここで、吸気バルブ11を確実に稼動開始させることが可能な期間とは、先に排気バルブ12を稼動開始させ(排気行程に相当)、当該排気行程の直後の吸気行程において、確実に吸気バルブ11が稼動可能な状態とすることができる期間である。
同様に排気バルブ12を確実に休止することが可能な期間(図7(b)中、太実線TM12で示す期間)に稼動開始の指示を出し、排気バルブ12を確実には休止できない期間(図7(a)中に、太実線TM2に続く太破線で示す期間)には、稼動開始の指示を出さないようにする必要がある。
ここで、排気バルブ12を確実に稼動開始させることが可能な期間とは、油圧系統のタイムラグを考慮して、実際に気筒稼働の開始後に吸気バルブ11よりも先に排気バルブ12を稼動させることが可能となる期間である。
これは、実際の気筒稼働数の変更に先立って、空気サイクルを設ける必要があるからである。
したがって、実際には、太実線TM1で示す期間と、太実線TM12で示す期間との共通の期間である、時刻t22〜時刻t25に対応する期間TE2内でECU76は、気筒稼動開始の指示を出す必要がある。
この場合において、時刻t23は、本来排気バルブ12が開状態となって排気行程への移行を開始するタイミングであるが、いまだ気筒休止状態であるので、排気バルブ12は、閉状態のままである。
そして、時刻t24に相当する第26番目のステージでECU76は、気筒休止機構80を作動を停止させるため、油圧系統のタイムラグを考慮して、時刻t26、すなわち、気筒開始後の最初の排気行程より前のタイミングで第2気筒C2が稼動状態に移行できるように、稼動開始指示を出力する。稼動開始指示としての第1スプールバルブ75aの駆動停止信号が出され、時刻t26に至り、気筒稼動開始待ちカウンタのカウントが完了すると、気筒休止機構80が作動停止状態となっており、第2気筒C2は、気筒稼動状態となる。
そして、時刻t27において、排気行程に移行し、排気バルブ12が開いて、排気がなされ、時刻t28には、吸気バルブ11が開いて、吸気行程となって、ガス交換としての吸気がなされる(空気サイクル)。この結果、燃焼室(シリンダ)内には、外部より導入された空気が取り込まれ、燃焼室内の掃気が行われた状態となっている。この場合には、ガス交換に先立って、燃料噴射および点火プラグの点火も禁止されているので、ガス入れ替え後の燃焼室内には燃料が含まれないので、燃費を向上できるともに、稼働後の燃焼効率を向上させて休止していた気筒の点火プラグのくすぶりを防止できる。
また、ガス入れ替え後の燃焼室内には燃料が含まれないので、次回以降の燃料噴射で適正量の燃料が噴射されて燃費を向上できるともに、稼働後の燃焼効率を向上させて休止していた気筒の点火プラグのくすぶりを防止できる。
さらに、時刻t29において、第2インジェクタ70−2により燃料が噴射され、第2点火プラグ71−2により点火がなされて、燃料が燃焼し、第2気筒C2は、稼動状態となる。その後、時刻t30において排気バルブ12が開いて、排気行程が実行される。
続いて、時刻t31において、吸気バルブ11が開いて、吸気行程に移行し、以下、第2気筒C2は、気筒稼動状態となり、通常通りの動作となる。
以上の説明は、気筒休止状態と気筒稼動状態との間の通常の相互移行について説明したが、本実施形態のように気筒休止機構を備える内燃機関1においては、アイドリング時のように、低負荷、低エンジン回転数時に気筒休止を行うことで、燃費の向上を図ることが可能である。
しかしながら、低負荷、低エンジン回転数の期間が長くなると、オイル上がりにより燃焼室内に潤滑油が侵入し、この侵入した潤滑油が点火プラグ(本実施形態では、点火プラグ71−2,71−3)に付着する可能性が有り、このように潤滑油が付着した点火プラグにおいてくすぶりが発生する原因となっていた。
そこで、本実施形態においては、低負荷、低エンジン回転数時あるいは低車速時には、気筒休止を停止(中断)して、全気筒を稼働気筒とすることにより、膨張行程における燃焼で点火プラグに付着した潤滑油を除去する構成を採っている。
以下、具体的に点火プラグに付着した潤滑油を除去して、くすぶりを防止する構成について説明する。
図8は、低負荷、低エンジン回転数時に全気筒を稼働気筒とする場合の処理フローチャートである。
まず、ECU76は、内燃機関1であるエンジンの負荷およびエンジン回転数を検出する(ステップS20)。
続いて、ECU76は、検出したエンジン負荷及びエンジン回転数に基づいて、休止対象とすべき気筒があるか否かを判別する(ステップS21)。
ステップS21の判別において、休止対象とすべき気筒がない場合には、4気筒全てが稼働気筒であるので、処理を再び、ステップS20に移行して、以下、同様の処理を行う。
ステップS21の判別において、休止対象とすべき気筒がある場合には(ステップS21;Yes)、休止対象の気筒(本実施形態では、第2気筒C2あるいは第3気筒C3)を上述した方法により気筒休止状態とする(ステップS22)。
例えば、全4気筒C1〜C4のうち、3気筒を稼働状態としておけば十分な場合には、第3気筒C3を気筒休止とする(ステップS)。
次にECU76は、現在気筒休止状態にある気筒のうち、最初に気筒休止状態に移行した気筒が気筒休止状態に移行してから所定時間が経過したか否かを判別する(ステップS23)。
ステップS23の判別において、現在気筒休止状態にある気筒のうち、最初に気筒休止状態に移行した気筒が気筒休止状態に移行してから所定時間が経過していない場合には、待機状態となる。
また、ステップS23の判別において、現在気筒休止状態にある気筒のうち、最初に気筒休止状態に移行した気筒が気筒休止状態に移行してから所定時間が経過した場合には、全ての気筒を稼働状態として、燃焼室内に侵入した潤滑油が点火プラグに付着する可能性が有り、このように潤滑油が付着して点火プラグにおいてくすぶりが発生する原因とならないように、燃焼で点火プラグに付着した潤滑油を除去する。
したがって、点火プラグのメンテナンスを容易にするとともに、アイドリングを安定させ、燃焼効率を向上させて、燃費の向上が図れる。
以上の説明においては、気筒休止の対象となる気筒については、負荷およびエンジン回転数以外の制限を設けていなかったが、常に同一の気筒が気筒休止の対象となってしまうと、当該気筒においてより燃焼室内に侵入した潤滑油が点火プラグに付着する可能性が高くなる可能性がある。
そこで、本変形例は、気筒休止とする気筒を随時変更する場合のものである。
図9は、低負荷、低エンジン回転数時に全気筒を稼働気筒とするとともに、気筒休止する気筒を随時変更する場合の処理フローチャートである。図9において、図8と同様の部分には同一の符号を付すものとする。
まず、ECU76は、内燃機関1であるエンジンの負荷およびエンジン回転数を検出する(ステップS20)。
続いて、ECU76は、検出したエンジン負荷及びエンジン回転数に基づいて、休止対象とすべき気筒があるか否かを判別する(ステップS21)。
ステップS21の判別において、休止対象とすべき気筒がない場合には、4気筒全てが稼働気筒であるので、処理を再び、ステップS20に移行して、以下、同様の処理を行う。
ステップS21の判別において、休止対象とすべき気筒がある場合には(ステップS21;Yes)、ECU76は、休止対象の気筒(本実施形態では、第2気筒C2あるいは第3気筒C3)を変更あるいは選択する(ステップS31)。
例えば、全4気筒C1〜C4のうち、3気筒を稼働状態としておけば十分な場合には、第n回目(nは自然数)には、第3気筒C3を気筒休止とし、第n+1回目には、第2気筒C2を気筒休止とし、全ての気筒休止の対象となる気筒について、均等に気筒休止になるようにする。
そしてECU76は、ステップS31において変更あるいは選択した気筒を上述した方法により、気筒休止とする(ステップS32)。
次にECU76は、現在気筒休止状態にある気筒のうち、最初に気筒休止状態に移行した気筒が気筒休止状態に移行してから所定時間が経過したか否かを判別する(ステップS23)。
ステップS23の判別において、現在気筒休止状態にある気筒のうち、最初に気筒休止状態に移行した気筒が気筒休止状態に移行してから所定時間が経過していない場合には、待機状態となる。
また、ステップS23の判別において、現在気筒休止状態にある気筒のうち、最初に気筒休止状態に移行した気筒が気筒休止状態に移行してから所定時間が経過した場合には、全ての気筒を稼働状態として、燃焼室内に侵入した潤滑油が点火プラグに付着する可能性が有り、このように潤滑油が付着して点火プラグにおいてくすぶりが発生する原因とならないように、燃焼で点火プラグに付着した潤滑油を除去する。
したがって、点火プラグのメンテナンスを容易にするとともに、アイドリングを安定させ、燃焼効率を向上させて、燃費の向上が図れる。
図10は、内燃機関の状態遷移図である。
内燃機関の動作モードは、大別すると、5つの動作モードから構成されている。
具体的には、内燃機関1の動作モードは、停止モードM0、待機モードM1、暖機前の常時4気筒モードM2、通常動作モードM3およびフェイルモードM4を備えている。
まず、内燃機関1の非駆動状態(停止状態)においては、停止モードM0となっており、キーポジションはスイッチオフ(あるいはハンドルロック)になっている。
このとき、気筒休止機構80は、非動作状態とされ、スロットルバルブ63−1、63−4(第1の系統)、スロットルバルブ63−2(第2の系統)及びスロットルバルブ63−3(第3の系統)の3系統のスロットルバルブ63−1〜63−4は、その目標開度が全て同一とされている。
停止モードM0において、メインスイッチが操作され、キーポジションがスイッチオン(=IGPオン)の状態となると、待機モードM1に遷移する。このとき、気筒休止機構80は、非動作状態とされ、スロットルバルブ63−1、63−4(第1の系統)、スロットルバルブ63−2(第2の系統)及びスロットルバルブ63−3(第3の系統)の3系統のスロットルバルブ63−1〜63−4は、その目標開度が全て同一とされている。
待機モードM1において、メインスイッチが操作され、キーポジションがイグニションオンとなると、冷間始動した場合には、暖機前の常時4気筒モードM2に遷移する。この暖機前の常時4気筒モードM2は、油温センサ99により検出された油温が40℃未満の場合に遷移するモードであり、このとき、気筒休止機構80は、非動作状態とされ、スロットルバルブ63−1、63−4(第1の系統)、スロットルバルブ63−2(第2の系統)及びスロットルバルブ63−3(第3の系統)の3系統のスロットルバルブ63−1〜63−4は、その目標開度が全て同一とされている。
そして、この常時4気筒モードM2において、油温センサ99により検出された油温が40℃以上となると、通常動作モードM3に遷移する。
また、待機モードM1において、メインスイッチが操作され、キーポジションがイグニションオンとなると、暖機始動した場合には、通常動作モードM3に遷移する。
通常動作モードM3は、大別すると、暖機後の常時4気筒モードM31と、稼動気筒数を自動的に変更可能な可変気筒モードM32と、を備えている。そして、ユーザが所定の切替スイッチで何れかを予め選択しておくことにより、何れかのモードが排他的に選択される。
この暖機後の常時4気筒モードM31は、油温センサ99により検出された油温が40℃以上の場合のモードであり、このとき、気筒休止機構80は、非動作状態とされ、スロットルバルブ63−1、63−4(第1の系統)、スロットルバルブ63−2(第2の系統)及びスロットルバルブ63−3(第3の系統)の3系統のスロットルバルブ63−1〜63−4は、その目標開度が全て同一とされている。
一方、可変気筒モードM32は、負荷の大きさやエンジン回転数、車両速度などに応じて稼動気筒数が変更されるモードであり、このとき、気筒休止機構80は、動作状態と、非動作状態のいずれかが選択され、スロットルバルブ63−1、63−4(第1の系統)、スロットルバルブ63−2(第2の系統)及びスロットルバルブ63−3(第3の系統)の3系統のスロットルバルブ63−1〜63−4は、その目標開度が系統毎に個別に算出されている。さらに休止されている気筒においては、燃料噴射が停止される。また、図示しないインジケータにより可変気筒モードM32が選択されている旨をライダーに通知するようになっている。
さらに、可変気筒モードM32は、低負荷側から高負荷側に向かって、第1気筒C1〜第4気筒C4の全てが稼動気筒となる4気筒モード(1速/2速)M321、第1気筒C1及び第4気筒C4が稼動気筒となる2気筒モードM322、第1気筒C1及び第4気筒C4並びに第2気筒C2あるいは第3気筒C3の何れか一方が稼働気筒となる3気筒モードM323、第1気筒C1〜第4気筒C4の全てが稼動気筒となる4気筒モードM324の4つの気筒モードが存在している。
したがって、最も低負荷低回転数時には、4気筒モード(1速/2速)M321に移行し、気筒休止を停止して、すなわち、2気筒モードM322あるいは3気筒モードM323で行っていた気筒休止を停止するので、低負荷低回転時における気筒の休止期間を実効的に短くでき、いわゆるオイル上がりによる潤滑油の燃焼室内への侵入を抑制して、点火プラグに付着した潤滑油による、休止気筒の点火プラグのくすぶりを防止できる。
また、第1気筒C1及び第4気筒C4並びに第2気筒C2あるいは第3気筒C3のいずれか一方が稼働気筒となる3気筒モードM323においては、図9を用いて説明したように、休止する気筒を交互に交代させて休止することにより、すなわち、第2気筒C2あるいは第3気筒C3を交互に交代させて休止することにより、各気筒C2、C3の休止期間を実効的に短くでき、各気筒C2、C3においていわゆるオイル上がりによる潤滑油の燃焼室内への侵入を抑制して、点火プラグに付着した潤滑油による、休止気筒の点火プラグのくすぶりを防止できる。
また、2気筒モードM322あるいは3気筒モードM323で動作しているときに、所定時間が経過した時点で全気筒C1〜C4の気筒稼動、すなわち、4気筒モードM324に移行し、所定時間が経過した時点で再びそのときの負荷状態に応じて2気筒モードM322あるいは3気筒モードM323に移行するという動作を交互に繰り返し行うことで、低負荷低回転時における気筒の休止期間を実効的に短くでき、いわゆるオイル上がりによる潤滑油の燃焼室内への侵入を抑制して、点火プラグに付着した潤滑油による、休止気筒の点火プラグのくすぶりを防止できる。
以上の説明のように、本実施形態によれば、エンジンである内燃機関の低負荷低回転数時に長期間気筒が停止し、いわゆるオイル上がりにより燃焼室内に侵入した潤滑油が点火プラグに付着して点火プラグのくすぶりの原因となることを防止することができる。
1 内燃機関
10 動弁装置
11 吸気バルブ
12 排気バルブ
20 燃焼室
70−1〜70−4 第1インジェクタ〜第4インジェクタ
71−1〜71−4 第1点火プラグ〜第4点火プラグ
72 油路
73、74 制御油路
75a 第1スプールバルブ
75b 第2スプールバルブ
76 ECU
80 気筒休止機構
97−1〜97−3 第1吸気圧センサ〜第3吸気圧センサ
99 油温センサ
100−1〜100−3 第1油圧センサ〜第3油圧センサ
110 自動二輪車(車両)
C1〜C4 第1気筒〜第4気筒
M0 停止モード
M1 待機モード
M2 常時4気筒モード
M3 通常動作モード
M4 フェイルモード
M31 常時4気筒モード
M32 可変気筒モード
M321 4気筒モード(1速/2速)
M322 2気筒モード
M323 3気筒モード
M324 4気筒モード
Vsw 切換油圧

Claims (6)

  1. 吸気バルブ(11)及び排気バルブ(12)を閉状態に維持して気筒を休止させる気筒休止機構(80)を備える多気筒内燃機関(10)において、
    前記気筒休止機構の作動時に休止気筒の点火プラグ(71−2、71−3)への通電を休止することを特徴とする気筒休止機構を備える多気筒内燃機関。
  2. 前記点火プラグへの通電を休止した休止気筒を稼働する際に、当該休止気筒の燃焼室(20−2、20−3)内のガスを新気に入れ替えてから稼働することを特徴とする気筒休止機構を備える多気筒内燃機関。
  3. 前記燃焼室内のガスを入れ替える際には、燃料噴射を禁止することを特徴とする請求項2記載の気筒休止機構を備える多気筒内燃機関。
  4. 低負荷低回転時に気筒休止を停止して、全気筒(C1〜C4)を稼動気筒とすることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の気筒休止機構を備える多気筒内燃機関。
  5. 低負荷低回転時には、一部気筒の気筒休止と、全気筒の気筒稼動とを交互に繰り返し行うことを特徴とする請求項4記載の気筒休止機構を備える多気筒内燃機関。
  6. 休止する気筒を交互に交代させて気筒休止を行うことを特徴とする請求項5記載の気筒休止機構を備える多気筒内燃機関。
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