JP2011214446A - 内燃機関 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブローバイガス還元装置を備えた内燃機関において、簡易な構成でありながら、吸気系へ戻される燃料の濃度の安定化を図る。
【解決手段】シリンダ5の内面5aとピストン51の外面51aとの隙間からクランク室61内に吹き抜けた燃料を吸気系に導くブローバイガス還元装置9を備え、クランク室61の下側にオイルを貯留するオイルパン7が設けられたエンジンEにおいて、クランク室61には、上向きに開放する凹部10aを有する容器10が設けられ、この容器10は、シリンダ5の内面5aの鉛直下方に配置されている。
【選択図】図1
【解決手段】シリンダ5の内面5aとピストン51の外面51aとの隙間からクランク室61内に吹き抜けた燃料を吸気系に導くブローバイガス還元装置9を備え、クランク室61の下側にオイルを貯留するオイルパン7が設けられたエンジンEにおいて、クランク室61には、上向きに開放する凹部10aを有する容器10が設けられ、この容器10は、シリンダ5の内面5aの鉛直下方に配置されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、ブローバイガス還元装置を備えた内燃機関に関する。
自動車等に搭載される内燃機関(エンジン)には、シリンダの内面とピストンの外面との隙間からクランク室内に吹き抜けた(漏れた)燃料をブローバイガスとして吸気系に導くためのブローバイガス還元装置が備えられている。ブローバイガス還元装置によって、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)等を含むブローバイガスをエンジンの吸気系を経て燃焼室に送り込み、ブローバイガスの大気中への放出を防止している。また、クランク室内に新気(外気)を導入して換気することで、ブローバイガスによるオイル(エンジンオイル)の劣化を抑制し、その潤滑性能等の長期維持も図っている。
ところで、クランク室内に漏れた燃料(ブローバイガス)は、内燃機関の冷間時(始動初期時)には、液化してクランク室の下側に設けられるオイルパン内のオイル中に混入しオイルを希釈する。オイル中に混入した燃料は、オイル温度が低い間は、ほとんど気化せず、オイルパン内に蓄積される。しかし、内燃機関の暖機後、オイル温度が上昇すると、オイルパン内に蓄積された燃料は一斉に気化してしまう。そして、大量のブローバイガスが吸気系に戻されるため、エミッションが悪化するおそれがある。
そこで、従来では、吸気系へ戻される燃料の濃度を安定化させつつ、クランク室内の未燃燃料を効率よく除去して吸気系へ還流することが可能な未燃燃料還流システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この未燃燃料還流システムによれば、エミッションの低減を図ることが可能である。しかし、クランク室と吸気管との間にキャニスタやポンプ等を別途設ける必要があるため、構成が複雑になり、コストが増大することが懸念される。
本発明は、上述のような問題点に鑑みてなされたものであり、ブローバイガス還元装置を備えた内燃機関において、簡易な構成でありながら、吸気系へ戻される燃料の濃度の安定化を図ることを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明は、シリンダの内面とピストンの外面との隙間からクランク室内に吹き抜けた燃料(ブローバイガス)を吸気系に導くブローバイガス還元装置を備え、上記クランク室の下側にオイルを貯留するオイルパンが設けられた内燃機関であって、上記クランク室には、上向きに開放する凹部を有する容器が設けられ、上記容器は、上記シリンダの内面の鉛直下方に配置されていることを特徴としている。
上記構成では、内燃機関の運転時、ピストンに装着されたピストンリング(オイルリング)により掻き落とされて、シリンダの内面に沿って流下してきたオイルが、オイルパンに戻される前、容器内に一時的に貯留される。そして、この容器内に貯留されたオイル中には、シリンダの内面とピストンの外面との隙間からクランク室内に漏れた燃料が混入される。
上記構成によれば、容器がオイルパンよりも燃焼室に近い位置に設けられているので、内燃機関の運転時には、容器はオイルパンよりも高温になる。このため、容器内のオイルがオイルパン内のオイルよりも高温になる。そして、容器内のオイルの熱によって、容器内のオイル中に混入した燃料の蒸発(気化)が促進される。このため、内燃機関の暖機中において、容器内のオイル中に燃料が混入したとしても、その燃料は気化されて内燃機関の吸気系へ戻されることになる。したがって、容器内のオイルの熱によって気化された燃料に相当する分だけ、内燃機関の暖機中に、オイルパン内のオイル中に蓄積される燃料の量を低減することが可能になる。
これにより、内燃機関の暖機後、オイルパン内に蓄積された燃料が一斉に気化することに起因する燃料の濃度の悪化を抑制することができる。したがって、シリンダの内面の直下に容器を設けるという簡易な構成でありながら、内燃機関の吸気系へ戻される燃料の濃度の安定化を図ることができる。その結果、ブローバイガス還元装置を備えた内燃機関において、低エミッション化および低コスト化の両立を図ることができる。
本発明の内燃機関において、上記容器は、上記クランク室の上端部に配置されていることが好ましい。
この構成によれば、容器がクランク室のうち燃焼室に最も近い位置に配置されているので、混合気の燃焼により生じた熱を容器に効率的に伝えることができ、容器内に貯留されたオイルの温度を効率的に上昇させることができる。したがって、容器内のオイルの熱によって気化される燃料の量を効率的に増加させることができ、内燃機関の吸気系へ戻される燃料の濃度の安定化を効率的に図ることができる。
また、本発明の内燃機関において、上記容器は、上記ピストンのスラスト側および反スラスト側の部分の鉛直下方の領域を避けて配置されていることが好ましい。
この構成によれば、ピストンのスカート部が下死点でシリンダの下端よりも下方に突出する内燃機関においても、容器をクランク室のできるだけ上方に配置することが可能になる。つまり、容器を燃焼室にできるだけ近付けて配置することが可能になる。これにより、容器内に貯留されるオイルの温度を高め、このオイル中に混入する燃料の気化を促進する上で有利となる。
本発明の内燃機関によれば、シリンダの内面の直下に容器を設けるという簡易な構成でありながら、内燃機関の吸気系へ戻される燃料の濃度の安定化を図ることができる。これにより、ブローバイガス還元装置を備えた内燃機関において、低エミッション化および低コスト化の両立を図ることができる。
本発明を具体化した実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
以下では、自動車用の直列多気筒(例えば4気筒)内燃機関に本発明を適用した実施形態について説明する。
まず、実施形態に係る内燃機関(エンジン)Eの概略構成について、図1を参照して説明する。図1は、エンジンEをクランクシャフトCの軸心に沿った方向から見たエンジンEの内部および吸気系の概略構成を示す図である。
図1に示すように、エンジンEは、シリンダブロック1の上端部に設置されたシリンダヘッド3と、このシリンダヘッド3の上端に取り付けられたヘッドカバー4とを備えている。シリンダブロック1には、複数(例えば4つ)のシリンダ5が配設されており、これらシリンダ5の内部には、ピストン51が往復移動可能に収容されている。ピストン51は、ピストンピン53によってコネクティングロッド52の小端部52a(図3参照)に連結されている。また、コネクティングロッド52の大端部52bがクランクシャフトCに連結されている。そして、ピストン51の往復運動がコネクティングロッド52を介してクランクシャフトCの回転運動に変換されるようになっている。
シリンダブロック1の下側には、クランクケース6が取り付けられており、シリンダブロック1内の下部からクランクケース6の内部に亘る空間がクランク室61となっている。クランク室61の下側には、オイル貯留部となるオイルパン7が配設されている。
シリンダヘッド3には、吸気ポート31を開閉するための吸気バルブ32および排気ポート33を開閉するための排気バルブ34がそれぞれ組み付けられている。そして、シリンダヘッド3とヘッドカバー4との間に形成されているカム室(シリンダヘッド内部空間)3Aに配置されたカムシャフト35,36の回転によって、各バルブ32,34の開閉動作が行われるようになっている。
シリンダヘッド3に形成されている吸気ポート31には、吸気マニホールド8が接続されている。吸気マニホールド8の上流側は、サージタンク81およびスロットルバルブ82を備えた吸気管83に連通されており、吸気管83の上流側にはエアクリーナ84が設けられている。これにより、エアクリーナ84から吸気管83内に導入された空気は、サージタンク81を通じて吸気マニホールド8に導入される。シリンダヘッド3には、インジェクタ(燃料噴射弁)37が設けられており、吸気ポート31に導入された空気は、このインジェクタ37から噴射された燃料と混合されて混合気となり、吸気バルブ32の開弁にともなって燃焼室38へ導入されることになる。
燃焼室38の頂部には、点火プラグ39が配設されている。燃焼室38において、点火プラグ39の点火にともなう混合気の燃焼によりピストン51が往復運動する。このピストン51の往復運動は、コネクティングロッド52を介してクランクシャフトCに伝達され、ここで回転運動に変換されて、エンジンEの出力として取り出される。
そして、混合気の燃焼により生じた燃焼ガスは、排気バルブ34の開弁にともない排気ガスとして、排気ポート33を経た後、図示しない排気マニホールドに排出され、排気管を通過して外部に排出されるようになっている。なお、排気管には、触媒コンバータが設けられており、排気ガス中に含まれる炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、酸化窒素成分(NOx)などが浄化されるようになっている。
次に、エンジンEに備えられるブローバイガス還元装置9について、図1を参照して説明する。このブローバイガス還元装置9は、シリンダ5の内面5aとピストン51の外面51aとの隙間からクランク室61内に吹き抜けた燃料(ブローバイガス)をエンジンEの吸気系に導くとともに、このクランク室61内に新気を導入して換気するためのものである。
ブローバイガス還元装置9は、クランク室61内に吹き抜けたブローバイガスをカム室3A内部に向けて抜き出すためのブローバイガス回収通路91と、このブローバイガス回収通路91によって抜き出されたブローバイガスがカム室3Aを経て導入され、このブローバイガスからオイルミストを分離するための第1オイルセパレータ(負圧側オイルセパレータ)92と、主として外気(新気)を導入する機能を有する第2オイルセパレータ(大気側オイルセパレータ)93と、第1オイルセパレータ92からブローバイガスを吸気系に導くためのブローバイガス供給配管94と、主として第2オイルセパレータ93に向けて新気を導入する機能を有する新気導入配管95と、カム室3A内からクランク室61内に向けて新気を導入するための新気導入通路96とを備えている。
ブローバイガス回収通路91は、シリンダブロック1からシリンダヘッド3に亘って略鉛直方向に延びる通路として形成されている。つまり、シリンダブロック1に形成された通路91aとシリンダヘッド3に形成された通路91bとがともに同一軸心上で鉛直方向に延びて連通されており、このブローバイガス回収通路91を介してクランク室61とカム室3Aとが連通されている。これにより、ブローバイガス回収時には、クランク室61内のブローバイガスがブローバイガス回収通路91を経てカム室3Aに導入されるようになっている。
第1オイルセパレータ92は、ヘッドカバー4の内面における一方側(図1における左側)に取り付けられており、セパレータケース(ブリーザケース)92aと、このセパレータケース92a内に配置された複数のバッフルプレート(図示省略)とを備えている。
セパレータケース92aは、上側が開放された金属製または樹脂製で略直方体形状の箱形部材であって、この開放側がヘッドカバー4の内面に取り付けられることによって、このヘッドカバー4との間で略密閉されたセパレータ室(ブローバイガス流路)92bを形成している。このセパレータケース92aには、ブローバイガス導入孔92c、オイル回収部92dがそれぞれ形成されているとともに、PCV(Positive Crankcase Ventilation)バルブ92eが取り付けられている。
ブローバイガス導入孔92cは、セパレータケース92aの長手方向(ヘッドカバー4に取り付けられた状態での気筒配列方向)の一方寄りの底面に形成されている。第1オイルセパレータ92の内部空間(セパレータ室92b)は、このブローバイガス導入孔92cによりカム室3Aに連通している。
オイル回収部92dは、セパレータケース92aの底面に設けられた所謂オイルプールとして構成されている。つまり、このオイル回収部92dは、セパレータケース92aの底面の一部分が凹陥され、且つこの凹陥部分の底面に比較的小径の開口が形成された構成となっている。これにより、セパレータケース92aの内部空間とカム室3Aとを連通しているとともに、このオイルプールにオイルが貯留されることで、カム室3A内のオイルミスト等がこのオイル回収部92dからセパレータケース92aの内部空間に流れ込むことを阻止している。
PCVバルブ92eは、セパレータケース92aの内部空間の圧力と吸気系の吸入負圧とに応じて開弁する。このPCVバルブ92eの開弁時には、セパレータケース92a内でオイルが分離除去された後のブローバイガスが、このPCVバルブ92eを経てエンジンEの吸気系(この実施形態では、スロットルバルブ82の下流側の吸気管83)に導入されることになる。なお、PCVバルブ92eとして、開閉自在な電磁弁を用いてもよい。
第2オイルセパレータ93も、上述した第1オイルセパレータ92と略同様の構成となっている。つまり、第2オイルセパレータ93は、ヘッドカバー4の内面における他方側(図1における右側)に取り付けられており、セパレータケース93aと、このセパレータケース93a内に配置された複数のバッフルプレート(図示省略)とを備えている。そして、セパレータケース93aは、ヘッドカバー4との間で略密閉されたセパレータ室93bを形成している。このセパレータケース93aには、新気導入孔93cが形成されている。この新気導入孔93cは、セパレータケース93aの底面であってカム室3Aに対応する位置に形成されている。つまり、この新気導入孔93cによって第2オイルセパレータ93のセパレータ室93bとカム室3Aとが連通している。
ブローバイガス供給配管94は、第1オイルセパレータ92のセパレータケース92a内においてオイルが分離除去された後のブローバイガスを吸気系に導くための配管である。このブローバイガス供給配管94の上流端がPCVバルブ92eに接続されている一方、下流端が吸気管83におけるスロットルバルブ82の直下流側に接続されている。これにより、PCVバルブ92eの開放にともない、ブローバイガスがサージタンク81を介してエンジンEの吸気系に戻されるようになっている。
新気導入配管95は、一端が吸気管83におけるスロットルバルブ82の直上流側に接続され、他端が第2オイルセパレータ93のセパレータ室93bに連通している。この新気導入配管95は、主に、クランク室61内を換気するための外気(新気)を吸気系から導入する機能を果たす。
新気導入通路96は、シリンダヘッド3からシリンダブロック1に亘って略鉛直方向に延びる通路として形成されている。つまり、シリンダヘッド3に形成された通路96aとシリンダブロック1に形成された通路96bとがともに同一軸心上で鉛直方向に延びて連通されており、この新気導入通路96を介してカム室3Aとクランク室61とが連通されている。これにより、第2オイルセパレータ93からカム室3Aに導入された新気が新気導入通路96を経てクランク室61内に導入され、このクランク室61内が換気されるようになっている。また、新気導入通路96はオイル戻し通路も兼用している。つまり、第1オイルセパレータ92において分離除去され且つカム室3Aに流下してきたオイルを、その自重によりオイルパン7に回収するようになっている。
−実施形態の特徴部分−
この実施形態では、上述のようなブローバイガス還元装置9を備えたエンジンEにおいて、クランク室61には、上向きに開放する凹部10aを有する容器10が設けられ、容器10は、シリンダ5の内面5aの鉛直下方に配置されていることを特徴としている。以下、この実施形態の特徴部分について、図1〜図3を参照して説明する。
この実施形態では、上述のようなブローバイガス還元装置9を備えたエンジンEにおいて、クランク室61には、上向きに開放する凹部10aを有する容器10が設けられ、容器10は、シリンダ5の内面5aの鉛直下方に配置されていることを特徴としている。以下、この実施形態の特徴部分について、図1〜図3を参照して説明する。
図2は、エンジンEのシリンダブロック1のクランク室61の上部を拡大して示す断面図である。図3は、図1のX−X線断面の矢視図である。なお、図3では、主に容器10について示しており、エンジンEの他の部分(シリンダ5の内面5a、ピストンピン53、およびコネクティングロッド52の小端部52a)については二点鎖線で示している。
図1〜図3に示すように、容器10は、平面視で、円環状に形成されている。容器10は、例えばアルミニウムや、アルミニウム合金のような熱伝導性に優れた金属によって形成されている。容器10には、上向きに開放する凹部10aが形成されている。凹部10aは、平面視で、円環状に形成されており、容器10の上面の全周にわたって設けられている。
より具体的には、容器10は、鉛直方向に延びる円筒状の内周壁10bと、この内周壁10bの下端から内方に向かって水平方向に延びる円環状の底壁10cと、この底壁10cの内端から鉛直上方に延びる円筒状の外周壁10dとによって構成されている。そして、これら内周壁10bと底壁10cと外周壁10dとによって、凹部10aが形成されている。
容器10は、図1、図2に示すように、シリンダブロック1のクランク室61内に設けられており、シリンダ5の内面5aの鉛直下方に配置されている。例えば直列4気筒のエンジンEの場合、4つのシリンダ5の内面5aの鉛直下方にそれぞれ容器10が設けられる。詳細には、容器10は、クランク室61のクランクシャフトCおよびピストン51と干渉しない位置に配置されている。そして、底壁10cが、シリンダ5の内面5aの鉛直下方に位置している。また、平面視で、内周壁10bが、シリンダ5の内面5aよりも内方に位置する一方、外周壁10dが、シリンダ5の内面5aよりも外周側に位置している。
また、この実施形態では、容器10は、図2に示すように、クランク室61の上端部61aに取り付けられている。外周壁10dの上面10eが、クランク室61の上端部61aの内面61bに当接されている。そして、ボルトまたはネジによって、容器10がクランク室61の上端部61aに固定されている。なお、他の固定手段を用いて、容器10をクランク室61の上端部61aに固定してもよい。
上記構成の容器10内には、エンジンEの運転時、ピストン51に装着されたピストンリング(オイルリング)により掻き落とされて、シリンダ5の内面5aに沿って流下してきたオイルが貯留される。容器10内に貯留されたオイルの量が増えると、容器10内がオイルで満たされ、容器10からオイルが溢れ出るようになる。容器10から溢れ出たオイルは、オイルパン7に戻される。つまり、容器10内には、オイルがオイルパン7に戻される前に一時的に貯留される。そして、この容器10内に貯留されたオイル中には、上述のクランク室61内に漏れた燃料が混入される。
この実施形態では、容器10がオイルパン7よりも燃焼室38に近い位置に設けられているので、エンジンEの運転時には、容器10はオイルパン7よりも高温になる。このため、容器10内のオイルが、オイルパン7内のオイルよりも高温になる。この実施形態では、容器10が熱伝導性に優れた金属によって形成されており、また、容器10がクランク室61の上端部61aに配置されている。つまり、容器10がクランク室61のうち燃焼室38に最も近い位置に配置されている。これにより、混合気の燃焼により生じた熱を容器10に効率的に伝えることができ、容器10内に貯留されたオイルの温度を効率的に上昇させることができる。
そして、容器10内のオイルの熱によって、容器10内のオイル中に混入した燃料の蒸発(気化)が促進される。このため、エンジンEの暖機中において、容器10内のオイル中に燃料が混入したとしても、その燃料は気化されてブローバイガス回収通路91を流れ、エンジンEの吸気系へ戻されることになる。したがって、容器10内のオイルの熱によって気化された燃料に相当する分だけ、エンジンEの暖機中に、オイルパン7内のオイル中に蓄積される燃料の量を低減することが可能になる。
これにより、エンジンEの暖機後、オイルパン7内に蓄積された燃料が一斉に気化することに起因する燃料の濃度の悪化を抑制することができる。したがって、シリンダ5の内面5aの直下に容器10を設けるという簡易な構成でありながら、エンジンEの吸気系へ戻される燃料の濃度の安定化を図ることができる。その結果、ブローバイガス還元装置9を備えたエンジンEにおいて、低エミッション化および低コスト化の両立を図ることができる。
−他の実施形態−
本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内および当該範囲と均等の範囲で包含されるすべての変形や応用が可能である。
本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内および当該範囲と均等の範囲で包含されるすべての変形や応用が可能である。
上述したブローバイガス還元装置9の構成は一例であって、シリンダ5の内面5aとピストン51の外面51aとの隙間からクランク室61内に吹き抜けた燃料をエンジンEの吸気系に還流することが可能であれば、それ以外の構成を採用してもよい。
また、上述した容器10の構成は一例であって、オイルがオイルパン7に戻される前に一時的に貯留されることが可能であれば、それ以外の構成を採用してもよい。例えば、容器10の形状や、凹部10aの形状などを適宜変更することが可能である。上記実施形態では、容器10の凹部10aの形状を、平面視で円環状としたが(図3参照)、例えば、図4に示すような形状としてもよい。
図4に示す例では、容器10は、ピストン51のスラスト側および反スラスト側の部分の鉛直下方の領域A1,A1(図4のドットを施した領域)を避けて配置されている。この実施形態では、容器10の上向きに開放する凹部10aが2つに分割されている点で上記実施形態とは異なっているが、その他の構成は、上記実施形態と同様となっている(図1〜図3参照)。
この実施形態では、図4に示すように、2つの凹部10a,10aは、平面視で、ともに円弧状に形成されている。2つの凹部10a,10aは、上記領域A1,A1以外の領域に設けられており、シリンダ5の中心軸に関し、点対称な位置に配置されている。
具体的には、上記領域A1,A1以外の領域では、内周壁10bと、底壁10c(図2参照)と、外周壁10dとが一体的に設けられており、これら内周壁10bと底壁10cと外周壁10dとによって、2つの凹部10a,10aが形成されている。
一方、上記領域A1,A1では、内周壁10bおよび底壁10cが設けられておらず、凹部が形成されないようになっている。詳細には、内周壁10bおよび底壁10cは、上記領域A1,A1には設けられていない。内周壁10bおよび底壁10cは、周方向で上記領域A1,A1間の2つの領域にそれぞれ1つずつ設けられており、各領域に設けられる内周壁10bおよび底壁10cは、それぞれ円弧状に形成されている。外周壁10dは、上記領域A1,A1の外周側にも設けられており、平面視で、円環状に形成されている。
ここで、容器10を上記領域A1,A1を避けて設ける理由について説明する。容器10は、容器10内に貯留されるオイルの温度を高め、このオイル中に混入する燃料の気化を促進する観点から、クランク室61のできるだけ上方に設けられるほうが好ましい。つまり、容器10を燃焼室38にできるだけ近付けて配置することが好ましい。一方、エンジンEによっては、ピストン51のスラスト側および反スラスト側の下部にスカート部51bがそれぞれ設けられ(図1参照)、スカート部51bがピストン51の下死点においてシリンダ5の下端よりも下方に突出する場合がある。そこで、このようなエンジンEにおいて、ピストン51のスカート部51bと容器10との干渉を避けるために、この例では、容器10の形状(凹部10aの形状)を、図4に示すような形状としている。
こうすれば、ピストン51のスカート部51bが下死点でシリンダ5の下端よりも下方に突出するエンジンEにおいても、容器10をクランク室61のできるだけ上方に配置することが可能になる。つまり、容器10を燃焼室38にできるだけ近付けて配置することが可能になる。これにより、容器10内に貯留されるオイルの温度を高め、このオイル中に混入する燃料の気化を促進する上で有利となる。
上記実施形態では、クランク室61の上端部61aに容器10を配置したが、シリンダ5の内面5aの鉛直下方に配置されていれば、クランク室61における容器10の配置位置は特に限定されない。なお、既に述べたように、容器10内に貯留されるオイルの温度を高め、このオイル中に混入する燃料の気化を促進する観点からは、容器10をクランク室61のできるだけ上方に設けたほうが好ましい。
本発明は、シリンダの内面とピストンの外面との隙間からクランク室内に吹き抜けた燃料を吸気系に導くブローバイガス還元装置を備えた内燃機関に利用可能である。
E エンジン
1 シリンダブロック
5 シリンダ
5a 内面
51 ピストン
51a 外面
6 クランクケース
61 クランク室
7 オイルパン
83 吸気管
9 ブローバイガス還元装置
10 容器
10a 凹部
1 シリンダブロック
5 シリンダ
5a 内面
51 ピストン
51a 外面
6 クランクケース
61 クランク室
7 オイルパン
83 吸気管
9 ブローバイガス還元装置
10 容器
10a 凹部
Claims (3)
- シリンダの内面とピストンの外面との隙間からクランク室内に吹き抜けた燃料を吸気系に導くブローバイガス還元装置を備え、
上記クランク室の下側にオイルを貯留するオイルパンが設けられた内燃機関において、
上記クランク室には、上向きに開放する凹部を有する容器が設けられ、
上記容器は、上記シリンダの内面の鉛直下方に配置されていることを特徴とする内燃機関。 - 請求項1に記載の内燃機関において、
上記容器は、上記クランク室の上端部に配置されていることを特徴とする内燃機関。 - 請求項2に記載の内燃機関において、
上記容器は、上記ピストンのスラスト側および反スラスト側の部分の鉛直下方の領域を避けて配置されていることを特徴とする内燃機関。
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---|---|---|---|
JP2010081231A JP2011214446A (ja) | 2010-03-31 | 2010-03-31 | 内燃機関 |
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---|---|---|---|
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JP (1) | JP2011214446A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014061086A1 (ja) * | 2012-10-15 | 2014-04-24 | トヨタ自動車株式会社 | ブローバイガス還流装置を備える内燃機関 |
WO2015060123A1 (ja) * | 2013-10-22 | 2015-04-30 | アイシン精機株式会社 | ブローバイガス還流装置 |
DE102021002894A1 (de) | 2021-06-05 | 2022-12-08 | Ford Global Technologies, Llc | Direkteinspritzende Brennkraftmaschine mit Drainagevorrichtung und Verfahren zum Betreiben einer derartigen Brennkraftmaschine |
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2010
- 2010-03-31 JP JP2010081231A patent/JP2011214446A/ja not_active Withdrawn
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