JP2011213987A - 熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、モンモリロナイト、マイカ等の層状化合物等からなる粉体、及び、オレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂からなる粉体を、熱可塑性樹脂の軟化点以下、且つ、剪断速度20〜400sec−1の条件下で、固相混合する第1工程と、固相混合物を溶融混練する第2工程と、を備え、アスペクト比が5〜100であり、厚さが1〜100nmである板状結晶が、熱可塑性樹脂相に分散されてなる熱可塑性樹脂組成物を製造する方法である。
【選択図】図3
Description
製造方法によって、例えば、組成物の製造時に用いた充填材用原料と、製造後に得られた組成物に含まれる充填材とを同一とすることができれば、異なるようにすることもできる。後者においては、充填材用原料と、得られた充填材を構成する材料とが異なるようにする場合、両者の構成材料が同一であり且つ両者の形状等を異なるようにする場合、等がある。
このような複合材料の製造方法として、特許文献1には、熱可塑性樹脂、及び、ベントナイト等からなる層状珪酸塩の粉体混合物を調製した後、熱可塑性樹脂の軟化温度未満の温度条件下で、剪断速度500sec−1以上の剪断及び圧縮力を同時に印加して粉体複合体とし、次いで、この粉体複合体を溶融混合し、熱可塑性樹脂組成物を製造する方法が開示されている(特許文献1等参照)。また、膨潤状態の層状珪酸塩の存在下、単量体を重合して製造する方法や、重合体を、直接、層間に挿入して製造する方法等が知られている。
本発明の目的は、アスペクト比の高い板状結晶が、微小化されることなく、また、凝集することなく、熱可塑性樹脂相に分散されてなる熱可塑性樹脂組成物及びその効率的な製造方法を提供することにある。
1.アスペクト比が5〜100であり、厚さが1〜100nmである板状結晶が、熱可塑性樹脂相に分散されてなる熱可塑性樹脂組成物を製造する方法であって、
上記板状結晶を含む粉体、及び、熱可塑性樹脂からなる粉体を、熱可塑性樹脂の軟化点以下、且つ、剪断速度20〜400sec−1の条件下で、固相混合する第1工程と、
固相混合物を溶融混練する第2工程と、
を備えることを特徴とする、熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
2.上記板状結晶が珪酸塩からなる上記1に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
3.上記珪酸塩の結晶構造中に、有機カチオンが含まれている上記2に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
4.上記板状結晶を含む粉体が、上記板状結晶の積層物である上記1乃至3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
5.上記熱可塑性樹脂がオレフィン系樹脂を含む上記1乃至4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
6.上記第1工程において、上記板状結晶を含む粉体の使用量が、上記熱可塑性樹脂からなる粉体の使用量を100質量部とした場合に、0.01〜20質量部である上記1乃至5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
7.アスペクト比が5〜100であり、厚さが1〜100nmである板状結晶が、熱可塑性樹脂相に分散されてなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、溶融状態における流動性が良好であることから、成形加工性に優れ、引張強さ、弾性率、荷重たわみ温度、ガスバリア性、電磁波シールド性、電気伝導性、透明性、難燃性、耐薬品性、平滑性等に優れた成形品を得ることができる。
ここで、アスペクト比は、その厚さWに対する長手方向の長さYの比(Y/W)を意味する。
トリアルキルメチルアンモニウムイオンとしては、トリオクチルメチルアンモニウムイオン、トリドデシルメチルアンモニウムイオン、トリヘキサデシルメチルアンモニウムイオン等が挙げられる。
アルキルトリメチルアンモニウムイオンとしては、トリメチルオクチルアンモニウムイオン、トリメチルドデシルアンモニウムイオン、トリメチルオクタデシルアンモニウムイオン、トリメチルココアルキルアンモニウムイオン等が挙げられる。
ジメチルジアルキルアンモニウムイオンとしては、ジメチルジオクチルアンモニウムイオン、ジメチルジドデシルアンモニウムイオン、ジメチルジオクタデシルアンモニウムイオン、ジメチルジココアルキルアンモニウムイオン等が挙げられる。
上記1:1型粘土鉱物としては、カオリナイト、ディッカイト、ハロイサイト、アンチゴナイト、クリソタイル等が挙げられる。
上記2:1型粘土鉱物としては、モンモリロナイト、ヘクトライト、フッ素ヘクトライト、サポナイト、バイデライト、スチブンサイト、バーミキュライト、等のスメクタイト類、白雲母、金雲母等の雲母類、フッ素金雲母、フッ素白雲母、K型フッ素テニオライト、K型四珪素雲母等の非膨潤性合成雲母類、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母、Li型四珪素フッ素雲母等の膨潤性合成雲母類、マーガライト、パイロフィライト、タルク、緑泥石等が挙げられる。
また、上記層状ポリ珪酸塩としては、α−Na2Si2O5、β−Na2Si2O5、KHSi2O5、K2Si2O5、NaHSi2O5・3水塩(カネマイト)、Na2Si4O9・5水塩(マカタイト)、Na2Si8O17の水和物、Na2Si14O29の水和物(マガディアイト)、Na2Si20O41の水和物(ケニヤイト)等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂としては、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリアリーレンスルフィド系樹脂、塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いてよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、オレフィン系樹脂が好ましい。
ンテレフタレート/エチレンイソフタレート)共重合体、ポリ(ブチレンテレフタレート/ブチレンイソフタレート)共重合体等のポリアルキレンフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリアルキレンナフタレート、ポリ(ブチレンテレフタレート/ブチレンドデカジオエート)共重合体等の脂肪族ジカルボン酸を含むポリアルキレンテレフタレート等が挙げられる。
この第1工程は、上記原料(A)及び(B)を固相混合する工程であるが、固相混合装置に、原料(A)及び(B)を供給してよいし、予め、加熱等を行わない条件で調製した、原料(A)及び(B)の混合物(ドライブレンド物等)を供給してもよい。
また、固相混合の際には、必要に応じて、従来、公知の添加剤(後述)を供給してもよい。
上記第2工程における溶融混練は、用いるすべての熱可塑性樹脂が溶融し、原料(A)が溶融しない温度で、原料成分を混合することを意味する。好ましい混練温度は、熱可塑性樹脂の溶融温度をT1(℃)とした場合に、T1(℃)から(T1+20)(℃)の範囲である。
従って、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、機械部品用資材、自動車部品用資材、電気機器ハウジング用資材、電磁波シールドフィルム用資材、包装用資材、液体容器用資材、光学機器用資材等の幅広い用途に有用である。
熱可塑性樹脂組成物の製造に用いた原料成分は、以下のとおりである。
1−1.板状結晶を含む粉体
(1)有機修飾モンモリロナイト粉体(A1)
層間に存在するナトリウムイオンをヘキサデシルトリブチルホスホニウムカチオンでイオン交換した有機修飾モンモリロナイト(板状結晶)からなる積層物を用いた。粉体の平均厚さは100nmであり、結晶1層あたりの長手方向の平均長さは100nmである。
(2)有機修飾マイカ粉体(A2)
層間に存在するナトリウムイオンをジオクタデシルジメチルアンモニウムカチオンでイオン交換した有機修飾マイカ(板状結晶)の積層物を用いた。粉体の平均厚さは100nmであり、結晶1層あたりの長手方向の平均長さは120nmである。
(3)有機修飾モンモリロナイト粉体(A3)
層間に存在するナトリウムイオンをジオクタデシルジメチルアンモニウムカチオンでイオン交換した有機修飾モンモリロナイト(板状結晶)からなる積層物を用いた。粉体の平均厚さは100nmであり、結晶1層あたりの長手方向の平均長さは100nmである。
(4)有機修飾モンモリロナイト粉体(A4)
層間に存在するナトリウムイオンをオクタデシルジメチルベンジルアンモニウムカチオンでイオン交換した有機修飾モンモリロナイト(板状結晶)からなる積層物を用いた。粉体の平均厚さは100nmであり、結晶1層あたりの長手方向の平均長さは100nmである。
(5)有機修飾マイカ粉体(A5)
層間に存在するナトリウムイオンをココアルキルビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムカチオンでイオン交換した有機修飾マイカ(板状結晶)の積層物を用いた。粉体の平均厚さは100nmであり、結晶1層あたりの長手方向の平均長さは100nmである。
(1)ポリプロピレン粉体(B1)
平均粒径5μmのポリプロピレン粉体を用いた。
(2)ポリエチレンテレフタレート粉体(B2)
平均粒径25μmのポリエチレンテレフタレート粉体を用いた。
実施例1
有機修飾モンモリロナイト粉体(A1)5質量部と、ポリプロピレン粉体(B1)95質量部とを、容器内でドライブレンドした。その後、得られた混合物を、混練装置である東洋精機製作所社製「ラボプラストミル」(商品名)に導入して、混練室の温度を50℃とし、剪断速度257sec−1、スクリュー回転数50rpm及び撹拌トルク30N・mの条件で、固相混合を5時間行った。
次に、この固相混合物を、同じ装置を用い、混練室の温度を180℃として、溶融混練を3分間行い、熱可塑性樹脂組成物(ペレット)を得た。
(1)偏光顕微鏡
ニコン社製「UFX−DXII」(型式名)を用いて、倍率200倍で観察した。
(2)透過電子顕微鏡
日本電子社製「2000EX」(型式名)を用いた。
(3)X線回折
リガク社製「UltimaIV」(型式名)を用いた。
図1及び図2によれば、熱可塑性樹脂相に、原料として用いた有機修飾モンモリロナイト粉体(A1)がそのまま残存していないこと、及び、劈開した有機修飾モンモリロナイト(A1)の板状結晶が凝集していないことが明らかである。即ち、有機修飾モンモリロナイト(A1)の板状結晶が微分散していることが分かる。有機修飾モンモリロナイト(A1)の板状結晶の大きさを、図2の画像から測定したところ、板状結晶の大部分は、厚さが、約10〜40nmであり、アスペクト比の平均が15〜20であった。また、一部に、厚さが1〜4nm等と薄い結晶も含まれていた。
また、図3において、上段の回折像で見られた、2θが2〜4degree域のピーク(有機修飾モンモリロナイト粉体(A1)に由来する)が、下段の回折像における同じ範囲では、ほぼ消失しており、劈開した有機修飾モンモリロナイト(A1)の板状結晶が凝集していないことが明らかである。
固相混合時において、剪断速度及び撹拌トルクを、それぞれ、25.7sec−1及び34N・mとした以外は、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物を製造した。
上記で得られた熱可塑性樹脂組成物について、偏光顕微鏡による観察、及び、X線回折の測定を行った。その画像及び回折像を図4及び図5に示す。
固相混合時において、剪断速度及び撹拌トルクを、それぞれ、68.6sec−1及び34N・mとした以外は、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物を製造した。
上記で得られた熱可塑性樹脂組成物について、偏光顕微鏡による観察、及び、X線回折の測定を行った。その画像及び回折像を図6及び図7に示す。
固相混合時において、剪断速度及び撹拌トルクを、それぞれ、154sec−1及び17N・mとした以外は、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物を製造した。
上記で得られた熱可塑性樹脂組成物について、偏光顕微鏡による観察、及び、X線回折の測定を行った。その画像及び回折像を図8及び図9に示す。
固相混合時において、剪断速度及び撹拌トルクを、それぞれ、257sec−1及び20N・mとした以外は、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物を製造した。
上記で得られた熱可塑性樹脂組成物について、偏光顕微鏡による観察、及び、X線回折の測定を行った。その画像及び回折像を図10及び図11に示す。
有機修飾モンモリロナイト粉体(A1)及びポリプロピレン粉体(B1)の使用量を、それぞれ、99質量部及び1質量部とし、固相混合時において、剪断速度、撹拌トルク及び混合時間を、それぞれ、257sec−1、17N・m及び10分間とした以外は、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物を製造した。
上記で得られた熱可塑性樹脂組成物について、偏光顕微鏡による観察を行った。その画像及び回折像を図12に示す。
有機修飾モンモリロナイト粉体(A1)及びポリプロピレン粉体(B1)の使用量を、それぞれ、90質量部及び10質量部とし、固相混合時において、剪断速度、撹拌トルク及び混合時間を、それぞれ、257sec−1、14N・m及び10分間とした以外は、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物を製造した。
上記で得られた熱可塑性樹脂組成物について、偏光顕微鏡による観察を行った。その画像及び回折像を図13に示す。
有機修飾モンモリロナイト粉体(A1)及びポリプロピレン粉体(B1)の使用量を、それぞれ、85質量部及び15質量部とし、固相混合時において、剪断速度、撹拌トルク及び混合時間を、それぞれ、257sec−1、10N・m及び10分間とした以外は、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物を製造した。
上記で得られた熱可塑性樹脂組成物について、偏光顕微鏡による観察を行った。その画像及び回折像を図14に示す。
有機修飾モンモリロナイト粉体(A1)及びポリプロピレン粉体(B1)の使用量を、それぞれ、80質量部及び20質量部とし、固相混合時において、剪断速度、撹拌トルク及び混合時間を、それぞれ、257sec−1、25N・m及び10分間とした以外は、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物を製造した。
上記で得られた熱可塑性樹脂組成物について、偏光顕微鏡による観察を行った。その画像及び回折像を図15に示す。
有機修飾モンモリロナイト粉体(A1)及びポリプロピレン粉体(B1)の使用量を、それぞれ、75質量部及び25質量部とし、固相混合時において、剪断速度、撹拌トルク及び混合時間を、それぞれ、257sec−1、34N・m及び10分間とした以外は、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物を製造した。
上記で得られた熱可塑性樹脂組成物について、偏光顕微鏡による観察を行った。その画像及び回折像を図16に示す。
固相混合時において、剪断速度及び撹拌トルクを、それぞれ、17.1sec−1及び8N・mとした以外は、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物を製造した。
上記で得られた熱可塑性樹脂組成物について、偏光顕微鏡による観察、及び、X線回折の測定を行った。その画像及び回折像を図17及び図18に示す。
有機修飾モンモリロナイト粉体(A1)5質量部と、ポリプロピレン粉体(B1)95質量部とを、容器内でドライブレンドした。その後、得られた混合物を、混練装置である東洋精機製作所社製「ラボプラストミル」(商品名)に導入して、混練室の温度を180℃として、溶融混練を3分間行い、熱可塑性樹脂組成物(ペレット)を得た。
上記で得られた熱可塑性樹脂組成物について、偏光顕微鏡及び透過型電子顕微鏡による観察、並びに、X線回折の測定を行った。偏光顕微鏡による画像、及び、透過型電子顕微鏡による画像を、図19及び図20に示す。また、X線回折像を図22に示す。
図19及び図20によれば、熱可塑性樹脂相に、原料として用いた有機修飾モンモリロナイト粉体(A1)が劈開することなく、凝集状態で存在していることが明らかである。
有機修飾マイカ粉体(A2)5質量部と、ポリプロピレン粉体(B1)95質量部とを、容器内でドライブレンドした。その後、得られた混合物を、混練装置である東洋精機製作所社製「ラボプラストミル」(商品名)に導入して、混練室の温度を50℃とし、剪断速度257sec−1、スクリュー回転数150rpm及び撹拌トルク20N・mの条件で、固相混合を10分間行った。
次に、この固相混合物を、同じ装置を用い、混練室の温度を180℃として、溶融混練を3分間行い、熱可塑性樹脂組成物(ペレット)を得た。
上記で得られた熱可塑性樹脂組成物について、偏光顕微鏡による観察、及び、X線回折の測定を行った。その画像及び回折像を図22及び図23に示す。
有機修飾モンモリロナイト粉体(A3)5質量部と、ポリプロピレン粉体(B1)95質量部とを、容器内でドライブレンドした。その後、得られた混合物を、混練装置である東洋精機製作所社製「ラボプラストミル」(商品名)に導入して、混練室の温度を50℃とし、剪断速度257sec−1、スクリュー回転数150rpm及び撹拌トルク20N・mの条件で、固相混合を10分間行った。
次に、この固相混合物を、同じ装置を用い、混練室の温度を180℃として、溶融混練を3分間行い、熱可塑性樹脂組成物(ペレット)を得た。熱可塑性樹脂組成物(ペレット)を得た。
上記で得られた熱可塑性樹脂組成物について、偏光顕微鏡及び透過型電子顕微鏡による観察、並びに、X線回折の測定を行った。偏光顕微鏡による画像、及び、透過型電子顕微鏡による画像を、図24及び図25に示す。また、X線回折像を図26に示す。
有機修飾モンモリロナイト粉体(A3)5質量部と、ポリプロピレン粉体(B1)95質量部とを、容器内でドライブレンドした。その後、得られた混合物を、混練装置である東洋精機製作所社製「ラボプラストミル」(商品名)に導入して、混練室の温度を180℃として、溶融混練を3分間行い、熱可塑性樹脂組成物(ペレット)を得た。
上記で得られた熱可塑性樹脂組成物について、偏光顕微鏡による観察、及び、X線回折の測定を行った。偏光顕微鏡による画像を、図27に示す。また、X線回折像を図28に示す。
図27によれば、熱可塑性樹脂相に、原料として用いた有機修飾モンモリロナイト粉体(A3)が劈開することなく、凝集状態で存在していることが明らかである。
有機修飾モンモリロナイト粉体(A4)5質量部と、ポリプロピレン粉体(B1)95質量部とを、容器内でドライブレンドした。その後、得られた混合物を、混練装置である東洋精機製作所社製「ラボプラストミル」(商品名)に導入して、混練室の温度を50℃とし、剪断速度257sec−1、スクリュー回転数150rpm及び撹拌トルク20N・mの条件で、固相混合を10分間行った。
次に、この固相混合物を、同じ装置を用い、混練室の温度を180℃として、溶融混練を3分間行い、熱可塑性樹脂組成物(ペレット)を得た。熱可塑性樹脂組成物(ペレット)を得た。
上記で得られた熱可塑性樹脂組成物について、偏光顕微鏡及び透過型電子顕微鏡による観察、並びに、X線回折の測定を行った。偏光顕微鏡による画像、及び、透過型電子顕微鏡による画像を、図29及び図30に示す。また、X線回折像を図31に示す。
有機修飾モンモリロナイト粉体(A4)5質量部と、ポリプロピレン粉体(B1)95質量部とを、容器内でドライブレンドした。その後、得られた混合物を、混練装置である東洋精機製作所社製「ラボプラストミル」(商品名)に導入して、混練室の温度を180℃として、溶融混練を3分間行い、熱可塑性樹脂組成物(ペレット)を得た。
上記で得られた熱可塑性樹脂組成物について、偏光顕微鏡による観察、及び、X線回折の測定を行った。偏光顕微鏡による画像を、図32に示す。また、X線回折像を図33に示す。
図32によれば、熱可塑性樹脂相に、原料として用いた有機修飾モンモリロナイト粉体(A4)が劈開することなく、凝集状態で存在していることが明らかである。
有機修飾モンモリロナイト粉体(A3)5質量部と、ポリエチレンテレフタレート粉体(B2)95質量部とを、容器内でドライブレンドした。その後、得られた混合物を、混練装置である東洋精機製作所社製「ラボプラストミル」(商品名)に導入して、混練室の温度を50℃とし、剪断速度257sec−1、スクリュー回転数150rpm及び撹拌トルク20N・mの条件で、固相混合を10分間行った。
次に、この固相混合物を、同じ装置を用い、混練室の温度を275℃として、溶融混練を3分間行い、熱可塑性樹脂組成物(ペレット)を得た。熱可塑性樹脂組成物(ペレット)を得た。
上記で得られた熱可塑性樹脂組成物について、偏光顕微鏡による観察、及び、X線回折の測定を行った。偏光顕微鏡による画像を、図34に示す。また、X線回折像を図35に示す。
有機修飾モンモリロナイト粉体(A3)5質量部と、ポリエチレンテレフタレート粉体(B2)95質量部とを、容器内でドライブレンドした。その後、得られた混合物を、混練装置である東洋精機製作所社製「ラボプラストミル」(商品名)に導入して、混練室の温度を275℃として、溶融混練を3分間行い、熱可塑性樹脂組成物(ペレット)を得た。
上記で得られた熱可塑性樹脂組成物について、偏光顕微鏡による観察、及び、X線回折の測定を行った。偏光顕微鏡による画像を、図36に示す。また、X線回折像を図37に示す。
図36によれば、熱可塑性樹脂相に、原料として用いた有機修飾モンモリロナイト粉体(A3)が劈開することなく、凝集状態で存在していることが明らかである。
有機修飾マイカ粉体(A2)5質量部と、ポリエチレンテレフタレート粉体(B2)95質量部とを、容器内でドライブレンドした。その後、得られた混合物を、混練装置である東洋精機製作所社製「ラボプラストミル」(商品名)に導入して、混練室の温度を50℃とし、剪断速度257sec−1、スクリュー回転数150rpm及び撹拌トルク20N・mの条件で、固相混合を10分間行った。
次に、この固相混合物を、同じ装置を用い、混練室の温度を275℃として、溶融混練を3分間行い、熱可塑性樹脂組成物(ペレット)を得た。熱可塑性樹脂組成物(ペレット)を得た。
上記で得られた熱可塑性樹脂組成物について、偏光顕微鏡による観察、及び、X線回折の測定を行った。偏光顕微鏡による画像を、図38に示す。また、X線回折像を図39に示す。
有機修飾マイカ粉体(A2)5質量部と、ポリエチレンテレフタレート粉体(B2)95質量部とを、容器内でドライブレンドした。その後、得られた混合物を、混練装置である東洋精機製作所社製「ラボプラストミル」(商品名)に導入して、混練室の温度を275℃として、溶融混練を3分間行い、熱可塑性樹脂組成物(ペレット)を得た。
上記で得られた熱可塑性樹脂組成物について、偏光顕微鏡による観察、及び、X線回折の測定を行った。偏光顕微鏡による画像を、図40に示す。また、X線回折像を図41に示す。
図40によれば、熱可塑性樹脂相に、原料として用いた有機修飾マイカ粉体(A2)が劈開することなく、凝集状態で存在していることが明らかである。
有機修飾マイカ粉体(A5)5質量部と、ポリエチレンテレフタレート粉体(B2)95質量部とを、容器内でドライブレンドした。その後、得られた混合物を、混練装置である東洋精機製作所社製「ラボプラストミル」(商品名)に導入して、混練室の温度を50℃とし、剪断速度257sec−1、スクリュー回転数150rpm及び撹拌トルク20N・mの条件で、固相混合を10分間行った。
次に、この固相混合物を、同じ装置を用い、混練室の温度を275℃として、溶融混練を3分間行い、熱可塑性樹脂組成物(ペレット)を得た。熱可塑性樹脂組成物(ペレット)を得た。
上記で得られた熱可塑性樹脂組成物について、偏光顕微鏡による観察、及び、X線回折の測定を行った。偏光顕微鏡による画像を、図42に示す。また、X線回折像を図43に示す。
有機修飾マイカ粉体(A5)5質量部と、ポリエチレンテレフタレート粉体(B2)95質量部とを、容器内でドライブレンドした。その後、得られた混合物を、混練装置である東洋精機製作所社製「ラボプラストミル」(商品名)に導入して、混練室の温度を275℃として、溶融混練を3分間行い、熱可塑性樹脂組成物(ペレット)を得た。
上記で得られた熱可塑性樹脂組成物について、偏光顕微鏡による観察、及び、X線回折の測定を行った。偏光顕微鏡による画像を、図44に示す。また、X線回折像を図45に示す。
図44によれば、熱可塑性樹脂相に、原料として用いた有機修飾マイカ粉体(A5)が劈開することなく、凝集状態で存在していることが明らかである。
Claims (7)
- アスペクト比が5〜100であり、厚さが1〜100nmである板状結晶が、熱可塑性樹脂相に分散されてなる熱可塑性樹脂組成物を製造する方法であって、
前記板状結晶を含む粉体、及び、熱可塑性樹脂からなる粉体を、該熱可塑性樹脂の軟化点以下、且つ、剪断速度20〜400sec−1の条件下で、固相混合する第1工程と、
固相混合物を溶融混練する第2工程と、
を備えることを特徴とする、熱可塑性樹脂組成物の製造方法。 - 前記板状結晶が珪酸塩からなる請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
- 前記珪酸塩の結晶構造中に、有機カチオンが含まれている請求項2に記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
- 前記板状結晶を含む粉体が、該板状結晶の積層物である請求項1乃至3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
- 前記熱可塑性樹脂がオレフィン系樹脂を含む請求項1乃至4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
- 前記第1工程において、前記板状結晶を含む粉体の使用量が、前記熱可塑性樹脂からなる粉体の使用量を100質量部とした場合に、0.01〜20質量部である請求項1乃至5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
- アスペクト比が5〜100であり、厚さが1〜100nmである板状結晶が、熱可塑性樹脂相に分散されてなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
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