JP2011213964A - 油汚れ除去機能を有する水溶液タイプの撥水剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)ガラス表面に露出したシラノール基と共有結合する変性シリコーンオイルを5〜20重量%、(B)研磨剤を1〜10重量%、(C)ヒュームドシリカを0.2〜4重量%、(D)アルコールを10〜40重量%、(E)酸を前記変性シリコーンオイルの5〜30重量%、および(F)残部として水を含む油汚れ除去機能を有する撥水剤。
【選択図】なし
Description
また、本出願人らは、シリコーンオイル、微粒子、微粒子の結合剤、水系溶剤および水を含有させた撥水剤を提案した(特許文献17)。しかし、この撥水剤は油汚れを除去する機能を有していない。
さらに、本発明者は、変性シリコーンオイルと研磨剤を含む酸性アルコール水溶液に分散剤として層状珪酸塩を配合させ、油汚れを除去する機能を有する水溶液タイプの撥水剤を提案した(特許文献18)。しかし、この撥水剤は塗布作業に特殊なマイクロファイバー製雑巾を使用しないとガラス表面にムラが現れしやすく、産業界への応用が制限された。特に自動車のフロントガラスなどへの応用には支障をきたしていた。
本発明は上記知見に基づきなされたもので、次のとおりである。
(1)(A)ガラス表面に露出したシラノール基と共有結合する変性シリコーンオイルを5〜20重量%、(B)研磨剤1〜10重量%、(C)ヒュームドシリカ0.2〜4重量%、(D)アルコールを10〜40重量%、(E)酸を前記変性シリコーンオイルの5〜30重量%、および(F)残部として水を含む油汚れ除去機能を有する撥水剤。
(2)上記変性シリコーンオイルが下記一般式化1または化2で表されるものであって、これらの1種以上からなるものである上記(1)に記載の油汚れ除去機能を有する撥水剤。
(3)上記研磨剤が酸化セリウムである上記(1)または(2)のいずれかに記載の油汚れ除去機能を有する撥水剤。
(4)上記アルコールがメタノール、エタノール、イソプロパノール、1‐プロパノール、1‐ブタノール、または2‐ブタノールから選択される1種以上である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の油汚れ除去機能を有する撥水剤。
(5)上記酸が、硫酸、燐酸、または塩酸から選択される1種以上である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の油汚れ除去機能を有する撥水剤。
研磨剤の粒子の大きさは、油分の効率的な除去のためには、0.5〜10μmの範囲のものが好ましく、特には1〜5μmの範囲のものが好ましい。この研磨剤は、油分の効率的な除去をおこなうために、撥水剤組成物の全量に対して1〜10重量%、特には、2〜4重量%とすることが好ましい。
酸化セリウムは、市販品である三井金属鉱業(株)製のミレーク/MIREK(登録商標)E30、E40、ES3‐6、ESS‐6、昭和電工(株)製のショウロックス/SHOROX(登録商標)N‐5、H‐4などを用いると簡便である。
なお、この研磨剤は、上述したものを複数種類混合して用いてもよい。
ヒュームドシリカは、酸水素火炎中で、例えばテトラクロロシランを気相加水分解させると得られ、一次粒子径は5〜55nm、比表面積が50〜500m2/gで非晶質である。本発明では、市販のヒュームドシリカのいずれをも用いることができるが、特には、変性シリコーンオイルの分散効果に優れている、疏水化処理が施されていない親水性フュームドシリカが好ましい。
このヒュームドシリカの配合量は、変性シリコーンオイルの分散性を考慮し、撥水剤組成物の全量に対して0.2〜4重量%の範囲から適宜選定するが、特には約0.5〜2重量%とすることが好ましい。
なお、このアルコールは、酸及び水とともに酸性水溶液を構成して、アルコール−酸の中間物、いわゆる「半エステル」を生成し、シリコーンオイルはこの溶液に容易に均一的に分散し、一部溶解する(特許文献2参照)。
本発明の撥水剤は、雑巾などに含ませてガラス表面に擦り付けるように塗布する。ガラス表面に油分などの汚れが付着している場合、汚れは撥水剤に含まれる研磨剤の研磨機能により除去される。塗布作業後、5〜20分間風乾し、雑巾などで拭き上げる。本発明の撥水剤の撥水性、油膜除去機能、耐水洗性の評価を次の実施例などで詳細に説明する。
表1に、実施例1、2と比較例1、2に用いた組成を示す。
この清浄なガラス表面に、表1に示した組成の撥水剤を綿製の雑巾を用いて塗布し、5〜20分間風乾後した後、綿製の雑巾で拭き上げて、撥水性評価をおこなった。この結果を表2に示した。
なお、撥水膜の撥水性は水との接触角及び水滴の転落角で評価した。測定用装置は協和界面科学(株)製の固液界面解析装置DropMaster300を用いた。
油汚れ除去機能は撥水剤塗布前後でのガラスの透過率変化で評価した。測定用装置は日本分光(株)製の紫外可視近赤外分光光度計V-630 Spectrophotometerを用いた。
一方、比較例1は、撥水性が全くないことが分かる。
次に、上記撥水剤を塗布したガラスを超音波水槽に入れ、超音波で1時間、洗浄処理後の撥水効果の変化を表3に示す。
次に、市販の菜種油を清浄なスライドガラスに塗布し、乾燥器中、110℃で、30分間加熱処理して、ガラス表面に油膜が付着した油膜付着ガラスを調製した。
この油膜付着ガラスの表面に、表1に示した撥水剤を、綿製の雑巾で塗布し、5〜20分間風乾後した後、綿製の雑巾で拭き上げた。塗布、拭き上げ後の撥水性と油膜除去機能の評価を表4に示す。
一方、比較例1では、ガラスに付着した油膜が完全に除去され、油膜除去機能は有しているが、油膜から由来する撥水性が完全になくなっていることが分かる。
なお、比較例2は、上記小面積(25×75mm)スライドガラスを用いた撥水効果では、実施例1と遜色はなかった。しかし、比較例2の撥水剤を大面積(100×200mm)ガラスに、上記と同様の方法で塗布、拭き上げたものは、ガラス表面にムラが観察された。このガラスの透過率の測定結果を図7に示した。この図に示された複数の可視スペクトルは同一ガラス表面の異なる6箇所で測定したものである。
一方、ヒュームドシリカを用いた実施例1の撥水剤を、同様に大面積(100×200mm)ガラスに塗布し、拭き上げたものは、ムラが観察されなかった。その透過率を図8に示した。比較例2と同様に、図に示された複数の可視スペクトルは、同一ガラス表面の異なる6箇所で測定したものである。
この結果、本発明のヒュームドシリカを用いたものがムラを発生させず、透過率に優れていることが分かる。
次に、油膜付着ガラスの表面に、撥水剤を塗布、拭き上げたガラスを超音波水槽に入れ、超音波で1時間処理後の撥水効果の変化を表5に示す。
〔比較例3〕
市販品RAIN‐X(登録商標)撥水剤の撥水性は、米国特許第7,138,186号に記載されたデータから、接触角が95〜105°で、転落角(60μL水滴)が20〜25°である。
以上のことより、本発明の撥水剤は、市販品RAIN‐X(登録商標)と同様な撥水効果を有し、かつ油膜除去機能を有する新規な水溶液タイプの撥水剤であることが検証された。
2 撥水剤処理後のガラスの透過率曲線(実線)
3 菜種油膜付着ガラスの透過率曲線(点線)
Claims (5)
- (A)ガラス表面に露出したシラノール基と共有結合する変性シリコーンオイルを5〜20重量%、(B)研磨剤を1〜10重量%、(C)ヒュームドシリカを0.2〜4重量%、(D)アルコールを10〜40重量%、(E)酸を前記変性シリコーンオイルの5〜30重量%、および(F)残部として水を含む油汚れ除去機能を有する撥水剤。
- 前記研磨剤が酸化セリウムである請求項1または2に記載の油汚れ除去機能を有する撥水剤。
- 前記アルコールがメタノール、エタノール、イソプロパノール、1-プロパノール、1-ブタノール、または2−ブタノールであって、これらの1種以上からなるものである請求項1〜3に記載の油汚れ除去機能を有する撥水剤。
- 前記酸が硫酸、燐酸、または塩酸であって、これらの1種以上を含むものである請求項1〜4のいずれかに記載の油汚れ除去機能を有する撥水剤。
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