JP2011213493A - セラミックデバイスの製造方法およびセラミックデバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】反りが抑制されたセラミックデバイスを提供する。
【解決手段】複数のセラミックスグリーンシートの積層体を焼成することによりセラミックデバイスを製造する方法が、積層体の表面および裏面となるセラミックスグリーンシートに、アルミナを主成分とし、焼成時において積層体の焼成収縮挙動に対する拘束能を有するペーストを塗布する工程と、ペーストが塗布された積層体を焼成することによって、ペーストの焼成収縮挙動の拘束下で積層体をあらかじめ定められた収縮率で焼成収縮させてセラミックデバイスを得る工程と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、ガスセンサのセンサ素子などのセラミックデバイスの製造方法に関する。
従来より、被測定ガス中の所望ガス成分の濃度を知るために、各種の測定装置が用いられている。例えば、燃焼ガス等の被測定ガス中のNOx濃度を測定する装置として、ジルコニア(ZrO2)等の酸素イオン伝導性を有する固体電解質層が複数積層されてなるセンサ素子を備えたガスセンサが公知である。
係るセンサ素子は、例えば、各層に対応するセラミックスグリーンシートに所定の加工および回路パターンの印刷などを行った後にそれらを積層し、さらに、焼成して一体化させることによって製造される。
センサ素子を含め、上述と同様のプロセスで作成される積層セラミックスデバイスには、総じて、焼成時に反りが生じ得るという共通の問題がある。この焼成時における反り抑制のため、積層に使用する複数のセラミックスグリーンシートには、一般に、焼成収縮率が略等しいものが使用される。しかし、各セラミックスグリーンシートの焼成収縮率を完全に一致させることは困難であり、多少の製造バラツキは起こり得る。加えて、回路パターン形成のために導電性ペーストが塗布されるなどして、セラミックスグリーンシートとは焼成収縮率の異なる異種材料からなる層が積層体に含まれている場合、焼成によって得られるデバイスに反りが生じやすい。
積層セラミックスデバイスにこのような反りが生じることを抑制するために、様々な製造方法が開示されている。例えば、各セラミックスグリーンシートよりも小さい焼成収縮率を有する絶縁体セラミックスによって積層体を挟み込み、焼成することで、各セラミックスグリーンシートの焼成収縮率を絶縁体セラミックスの収縮率と同等にして、焼成後のデバイスに生じる反りを抑制する方法が公知である(特許文献1)。また、積層体の外形周辺部が内部よりも薄くなるように加圧処理を行い、周辺部の焼成収縮率を内部よりも小さくすることで、該積層体の焼成時に発生する反りを抑制する方法が公知である(特許文献2)。その他、一度目の焼成によって得られた焼成体を上下反転させて二度目の焼成を行うことで、いったん生じていた反りを解消する方法などが公知である。
特開平11−55058号公報 特開2002−198648号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている手法は、積層セラミックデバイスの面方向(セラミックシートの面内方向)の収縮を抑える代わりに面方向に垂直な方向には当該デバイスを大きく収縮させるものであることから、当該デバイスを等方的に収縮させる必要がある場合には使用不可能である。また絶縁体セラミックスシート等、別種の収縮制御用グリーンシートを別途作成する必要があるため、該収縮制御用グリーンシートの分だけコストが増大するとともに、本来の機能発現には不必要なグリーンシートを付加し積層体を形成するため、全体としての厚みが増大し、設計上の小型化が困難になるという問題がある。
また、特許文献2に開示されている、積層体外周部を内部よりも薄くするように加圧処理を行う方法では、焼成後に切断加工の必要がある。ZrO2等、強靭なセラミックスを構成材料とするデバイスの作製に当該方法を適用する場合には、切断加工時のバリ・カケや切断刃物の磨耗に対処する必要があり、現実的には難しい。また、デバイス形状が小型になった場合に、グリーンシート積層体を個片に分割して後焼成するといった、一つの積層体で複数のデバイスを取り出す場合には適用できない。
また、上下反転させて2回焼成する方法は、エネルギー使用量や焼成時間が増大し、これによりコストが増大してしまうことや、電極・センサ素子に焼成ダメージが生じるという問題がある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、セラミックデバイスの反りが抑制される製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、複数のセラミックスグリーンシートの積層体を焼成することによりセラミックデバイスを製造する方法であって、a)前記積層体の表面および裏面となるセラミックスグリーンシートに、アルミナを主成分とし、焼成時において前記積層体の焼成収縮挙動に対する拘束能を有するペーストを塗布する工程と、b)前記ペーストが塗布された前記積層体を焼成することによって、前記ペーストの焼成収縮挙動の拘束下で前記積層体をあらかじめ定められた収縮率で焼成収縮させてセラミックデバイスを得る工程と、を備えることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載のセラミックデバイスの製造方法であって、前記工程a)における前記積層体の表面および裏面での前記反り抑制ペーストの塗布面積比率が68%以上であることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のセラミックデバイスの製造方法であって、前記工程a)における前記積層体の表面および裏面への前記反り抑制ペーストの塗布厚みが5μm以上20μm以下であることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のセラミックデバイスの製造方法であって、前記工程a)における前記ペースト中の添加剤の割合が3重量%以上20重量%以下であることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のセラミックデバイスの製造方法であって、前記工程b)において得られる前記センサ素子が、表面および裏面に気孔率が5%以上25%以下の多孔質層を備えることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載のセラミックデバイスの製造方法であって、前記セラミックデバイスが酸素イオン伝導性固体電解質セラミックスからなるセンサ素子であることを特徴とする。
請求項7の発明は、セラミックデバイスが、請求項1から請求項5のいずれかに記載の製造方法によって製造されたものである。
請求項1ないし請求項7の発明によれば、従来のセラミックデバイスの製造プロセスに、ペーストを塗布するという簡便かつ低コストな工程を追加することで、反りが抑制された良好なセラミックデバイスを得ることができる。
特に、請求項5の発明によれば、多孔質層がセラミックデバイスにおける内部応力を吸収するので、内部応力の存在に起因したクラックの発生が抑制される。
センサ素子101の構成の一例を概略的に示した断面模式図である。 センサ素子101を作成する際の処理の流れを示す図である。 センサ素子101の反り量を測定する方法を示した図である。 実施例に係るセンサ素子の条件と反り検査の結果を一覧にして示す図である。
<センサ素子の概略構成>
はじめに、本発明の製造方法により製造されるセラミックデバイスの一例であるセンサ素子101を含む、ガスセンサ100の概略構成について説明する。
図1は、センサ素子101の構成の一例を概略的に示した断面模式図である。センサ素子101は、それぞれがジルコニア(ZrO2)等の酸素イオン伝導性固体電解質層からなる第1基板層1と、第2基板層2と、第3基板層3と、第1固体電解質層4と、スペーサ層5と、第2固体電解質層6との6つの層が、図面視で下側からこの順に積層された構造を有する細長な長尺の板状体形状の素子である。また、これら6つの層を形成する固体電界質は緻密な気密のものである。係るセンサ素子101は、各層に対応するセラミックスグリーンシートに所定の加工および回路パターンの印刷などを行った後にそれらを積層し、これによって得られた積層体を、所定のサイズにカットした上で焼成して一体化させることによって、製造される。
さらに、センサ素子101の上下面(すなわち、第2固体電解質層6の上面と第1基板層1の下面)には、アルミナを主成分とし、気孔率が5%以上25%以下である多孔質層90が設けられている。より好ましくは、多孔質層90の気孔率は10%以上20%以下である。なお、本実施の形態において、気孔率とは、多孔質層90において気孔が占める領域の体積分率(体積%)を表すものとする。多孔質層90は、センサ素子101の焼成時の反りを抑制するべく塗布された反り抑制ペーストが、焼結固化した層である。反り抑制ペーストによるセンサ素子101の反りの抑制についての詳細は後述する。また、多孔質層90は、センサ素子101に残存する内部応力を吸収する機能を有している。多孔質層90が内部応力を吸収することで、センサ素子101においては、内部応力の存在に起因したクラックの発生が抑制されてなる。なお、多孔質層90の気孔率が5%より小さい場合、または25%より大きい場合は、多孔質層90が剥離する可能性があるため好ましくない。
センサ素子101の一先端部であって、第2固体電解質層6の下面と第1固体電解質層4の上面との間には、ガス導入口10と、第1拡散律速部11と、緩衝空間12と、第2拡散律速部13と、第1内部空所20と、第3拡散律速部30と、第2内部空所40とが、この順に連通する態様にて隣接形成されてなる。
ガス導入口10と、緩衝空間12と、第1内部空所20と、第2内部空所40とは、スペーサ層5をくり抜いた態様にて設けられた上部を第2固体電解質層6の下面で、下部を第1固体電解質層4の上面で、側部をスペーサ層5の側面で区画されたセンサ素子101内部の空間である。
第1拡散律速部11と、第2拡散律速部13と、第3拡散律速部30とはいずれも、2本の横長の(図面に垂直な方向に開口が長手方向を有する)スリットとして設けられる。なお、ガス導入口10から第2内部空所40に至る部位をガス流通部とも称する。
また、ガス流通部よりも先端側から遠い位置には、第3基板層3の上面と、スペーサ層5の下面との間であって、側部を第1固体電解質層4の側面で区画される位置に基準ガス導入空間43が設けられている。基準ガス導入空間43には、NOx濃度の測定を行う際の基準ガスとして、例えば大気が導入される。
大気導入層48は、多孔質アルミナからなる層であって、大気導入層48には基準ガス導入空間43を通じて基準ガスが導入されるようになっている。また、大気導入層48は、基準電極42を被覆するように形成されている。
基準電極42は、第3基板層3の上面と第1固体電解質層4とに挟まれる態様にて形成される電極であり、上述のように、その周囲には、基準ガス導入空間43につながる大気導入層48が設けられている。また、後述するように、基準電極42を用いて第1内部空所20内や第2内部空所40内の酸素濃度(酸素分圧)を測定することが可能となっている。
ガス流通部において、ガス導入口10は、外部空間に対して開口してなる部位であり、該ガス導入口10を通じて外部空間からセンサ素子101内に被測定ガスが取り込まれるようになっている。
第1拡散律速部11は、ガス導入口10から取り込まれた被測定ガスに対して、所定の拡散抵抗を付与する部位である。
緩衝空間12は、第1拡散律速部11より導入された被測定ガスを第2拡散律速部13へと導くために設けられた空間である。
第2拡散律速部13は、緩衝空間12から第1内部空所20に導入される被測定ガスに対して、所定の拡散抵抗を付与する部位である。
被測定ガスが、センサ素子101外部から第1内部空所20内まで導入されるにあたって、外部空間における被測定ガスの圧力変動(被測定ガスが自動車の排気ガスの場合であれば排気圧の脈動)によってガス導入口10からセンサ素子101内部に急激に取り込まれた被測定ガスは、直接第1内部空所20へ導入されるのではなく、第1拡散律速部11、緩衝空間12、第2拡散律速部13を通じて被測定ガスの濃度変動が打ち消された後、第1内部空所20へ導入されるようになっている。これによって、第1内部空間へ導入される被測定ガスの濃度変動はほとんど無視できる程度のものとなる。
第1内部空所20は、第2拡散律速部13を通じて導入された被測定ガス中の酸素分圧を調整するための空間として設けられている。係る酸素分圧は、主ポンプセル21が作動することによって調整される。
主ポンプセル21は、第1内部空所20に面する第2固体電解質層6の下面のほぼ全面に設けられた天井電極部22aを有する内側ポンプ電極22と、第2固体電解質層6の上面の天井電極部22aと対応する領域に外部空間に露出する態様にて設けられた外側ポンプ電極23と、これらの電極に挟まれた第2固体電解質層6とによって構成されてなる電気化学的ポンプセルである。
内側ポンプ電極22は、第1内部空所20を区画する上下の固体電解質層(第2固体電解質層6および第1固体電解質層4)、および、側壁を与えるスペーサ層5にまたがって形成されている。具体的には、第1内部空所20の天井面を与える第2固体電解質層6の下面には天井電極部22aが形成され、また、底面を与える第1固体電解質層4の上面には底部電極部22bが形成され、そして、それら天井電極部22aと底部電極部22bとを接続するように、側部電極部(図示省略)が第1内部空所20の両側壁部を構成するスペーサ層5の側壁面(内面)に形成されて、該側部電極部の配設部位においてトンネル形態とされた構造において配設されている。
内側ポンプ電極22と外側ポンプ電極23とは、多孔質サーメット電極(例えば、Auを1%含むPtとZrO2とのサーメット電極)として形成される。なお、被測定ガスに接触する内側ポンプ電極22は、被測定ガス中のNOx成分に対する還元能力を弱めた材料を用いて形成される。
主ポンプセル21においては、内側ポンプ電極22と外側ポンプ電極23との間に所望のポンプ電圧Vp0を印加して、内側ポンプ電極22と外側ポンプ電極23との間に正方向あるいは負方向にポンプ電流Ip0を流すことにより、第1内部空所20内の酸素を外部空間に汲み出し、あるいは、外部空間の酸素を第1内部空所20に汲み入れることが可能となっている。
また、第1内部空所20における雰囲気中の酸素濃度(酸素分圧)を検出するために、内側ポンプ電極22と、第2固体電解質6と、スペーサ層5と、第1固体電解質4と、第3基板層3と、基準電極42によって、電気化学的なセンサセル、すなわち、主ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル80が構成されている。
主ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル80における起電力V0を測定することで第1内部空所20内の酸素濃度(酸素分圧)がわかるようになっている。さらに、起電力V0が一定となるようにVp0をフィードバック制御することでポンプ電流Ip0が制御されている。これによって、第1内部空所内20内の酸素濃度は所定の一定値に保つことができる。
第3拡散律速部30は、第1内部空所20で主ポンプセル21の動作により酸素濃度(酸素分圧)が制御された被測定ガスに所定の拡散抵抗を付与して、該被測定ガスを第2内部空所40に導く部位である。
第2内部空所40は、第3拡散律速部30を通じて導入された被測定ガス中の窒素酸化物(NOx)濃度の測定に係る処理を行うための空間として設けられている。NOx濃度の測定は、主として、補助ポンプセル50により酸素濃度が調整された第2内部空所40において、さらに、測定用ポンプセル41の動作によりNOx濃度が測定される。
第2内部空所40では、あらかじめ第1内部空所20において酸素濃度(酸素分圧)が調整された後、第3拡散律速部を通じて導入された被測定ガスに対して、さらに補助ポンプセル50による酸素分圧の調整が行われるようになっている。これにより、第2内部空所40内の酸素濃度を高精度に一定に保つことができるため、係るセンサ素子101を備えるガスセンサにおいては精度の高いNOx濃度測定が可能となる。
補助ポンプセル50は、第2内部空所40に面する第2固体電解質層6の下面の略全体に設けられた天井電極部51aを有する補助ポンプ電極51と、外側ポンプ電極23(外側ポンプ電極23に限られるものではなく、センサ素子101と外側の適当な電極であれば足りる)と、第2固体電解質層6とによって構成される、補助的な電気化学的ポンプセルである。
係る補助ポンプ電極51は、先の第1内部空所20内に設けられた内側ポンプ電極22と同様なトンネル形態とされた構造において、第2内部空所40内に配設されている。つまり、第2内部空所40の天井面を与える第2固体電解質層6に対して天井電極部51aが形成され、また、第2内部空所40の底面を与える第1固体電解質層4には、底部電極部51bが形成され、そして、それらの天井電極部51aと底部電極部51bとを連結する側部電極部(図示省略)が、第2内部空所40の側壁を与えるスペーサ層5の両壁面にそれぞれ形成されたトンネル形態の構造となっている。
なお、補助ポンプ電極51についても、内側ポンプ電極22と同様に、被測定ガス中のNOx成分に対する還元能力を弱めた材料を用いて形成される。
補助ポンプセル50においては、補助ポンプ電極51と外側ポンプ電極23との間に所望の電圧Vp1を印加することにより、第2内部空所40内の雰囲気中の酸素を外部空間に汲み出し、あるいは、外部空間から第2内部空所40内に汲み入れることが可能となっている。
また、第2内部空所40内における雰囲気中の酸素分圧を制御するために、補助ポンプ電極51と、基準電極42と、第2固体電解質層6と、スペーサ層5と、第1固体電解質層4と、第3基板層3とによって電気化学的なセンサセル、すなわち、補助ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル81が構成されている。
なお、この補助ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル81にて検出される起電力V1に基づいて電圧制御される可変電源52にて、補助ポンプセル50がポンピングを行う。これにより第2内部空所40内の雰囲気中の酸素分圧は、NOxの測定に実質的に影響がない低い分圧にまで制御されるようになっている。
また、これとともに、そのポンプ電流Ip1が、主ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル80の起電力の制御に用いられるようになっている。具体的には、ポンプ電流Ip1は、制御信号として主ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル80に入力され、その起電力V0が制御されることにより、第3拡散律速部30から第2内部空所40内に導入される被測定ガス中の酸素分圧の勾配が常に一定となるように制御されている。NOxセンサとして使用する際は、主ポンプセル21と補助ポンプセル50との働きによって、第2内部空所40内での酸素濃度は約0.001ppm程度の一定の値に保たれる。
測定用ポンプセル41は、第2内部空所40内において、被測定ガス中のNOx濃度の測定を行う。測定用ポンプセル41は、第2内部空所40に面する第1固体電解質層4の上面であって第3拡散律速部30から離間した位置に設けられた測定電極44と、外側ポンプ電極23と、第2固体電解質層6と、スペーサ層5と、第1固体電解質層4とによって構成された電気化学的ポンプセルである。
測定電極44は、多孔質サーメット電極である。測定電極44は、第2内部空所40内の雰囲気中に存在するNOxを還元するNOx還元触媒としても機能する。さらに、測定電極44は、第4拡散律速部45によって被覆されてなる。
第4拡散律速部45は、アルミナ(Al23)を主成分とする多孔体にて構成される膜である。第4拡散律速部45は、測定電極44に流入するNOxの量を制限する役割を担うとともに、測定電極44の保護膜としても機能する。
測定用ポンプセル41においては、測定電極44の周囲の雰囲気中における窒素酸化物の分解によって生じた酸素を汲み出して、その発生量をポンプ電流Ip2として検出することができる。
また、測定電極44の周囲の酸素分圧を検出するために、第2固体電界質層6と、スペーサ層5と、第1固体電解質層4と、第3基板層3と、測定電極44と、基準電極42とによって電気化学的なセンサセル、すなわち、測定用ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル82が構成されている。測定用ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル82にて検出された起電力V2に基づいて可変電源46が制御される。
第2内部空所40内に導かれた被測定ガスは、酸素分圧が制御された状況下で第4拡散律速部45を通じて測定電極44に到達することとなる。測定電極44の周囲の被測定ガス中の窒素酸化物は還元されて(2NO→N2+O2)酸素を発生する。そして、この発生した酸素は測定用ポンプセル41によってポンピングされることとなるが、その際、測定用ポンプ制御用酸素分圧検出センサセル82にて検出された制御電圧V2が一定となるように可変電源の電圧Vp2が制御される。測定電極44の周囲において発生する酸素の量は、被測定ガス中の窒素酸化物の濃度に比例するものであるから、測定用ポンプセル41におけるポンプ電流Ip2を用いて被測定ガス中の窒素酸化物濃度が算出されることとなる。
また、測定電極44と、第1固体電解質層4と、第3基板層3と、基準電極42とを組み合わせて、電気化学的センサセルとして酸素分圧検出手段を構成するようにすれば、測定電極44の周りの雰囲気中のNOx成分の還元によって発生した酸素の量と基準大気に含まれる酸素の量との差に応じた起電力を検出することができ、これによって被測定ガス中のNOx成分の濃度を求めることも可能である。
また、第2固体電解質層6と、スペーサ層5と、第1固体電解質層4と、第3基板層3と、外側ポンプ電極23と、基準電極42とから電気化学的なセンサセル83が構成されており、このセンサセル83によって得られる起電力Vrefによりセンサ外部の被測定ガス中の酸素分圧を検出可能となっている。
このような構成を有するセンサ素子101においては、主ポンプセル21と補助ポンプセル50とを作動させることによって酸素分圧が常に一定の低い値(NOxの測定に実質的に影響がない値)に保たれた被測定ガスが測定用ポンプセル41に与えられる。したがって、被測定ガス中のNOxの濃度に略比例して、NOxの還元によって発生する酸素が測定用ポンプセル41より汲み出されることによって流れるポンプ電流Ip2に基づいて、被測定ガス中のNOx濃度を知ることができるようになっている。
さらに、センサ素子101は、固体電解質の酸素イオン伝導性を高めるために、センサ素子101を加熱して保温する温度調整の役割を担うヒータ部70を備えている。ヒータ部70は、ヒータ電極71と、ヒータ72と、スルーホール73と、ヒータ絶縁層74と、圧力放散孔75と、を備えている。
ヒータ電極71は、第1基板層1の下面に接する態様にて形成されてなる電極である。ヒータ電極71を外部電源と接続することによって、外部からヒータ部70へ給電することができるようになっている。
ヒータ72は、第2基板層2と第3基板層3とに上下から挟まれた態様にて形成される電気抵抗体である。ヒータ72は、スルーホール73を介してヒータ電極71と接続されており、該ヒータ電極71を通して外部より給電されることにより発熱し、センサ素子101を形成する固体電解質の加熱と保温を行う。
また、ヒータ72は、第1内部空所20から第2内部空所40の全域に渡って埋設されており、センサ素子101全体を上記固体電解質が活性化する温度に調整することが可能となっている。
ヒータ絶縁層74は、ヒータ72の上下面に、アルミナ等の絶縁体によって形成されてなる絶縁層である。ヒータ絶縁層74は、第2基板層2とヒータ72との間の電気的絶縁性、および、第3基板層3とヒータ72との間の電気的絶縁性を得る目的で形成されている。
圧力放散孔75は、第3基板層3を貫通し、基準ガス導入空間43に連通するように設けられてなる部位であり、ヒータ絶縁層74内の温度上昇に伴う内圧上昇を緩和する目的で形成されてなる。
<センサ素子の製造プロセス>
次に、センサ素子101を製造するプロセスについてより詳細に説明する。
図2は、センサ素子101を作成する際の処理の流れを示す図である。まず、ジルコニアなどの酸素イオン伝導性固体電解質をセラミックス成分として含むグリーンシートを用意する(ステップ1)。本実施の形態の場合、各層に対応させて6枚のグリーンシートが用意される。なお、センサ素子101は、グリーンシートの積層体が焼成収縮した結果として得られるものであることから、最終的に得られるセンサ素子101が所定の設計寸法を有するものとなるように、グリーンシートとしては、焼成収縮率あらかじめ所定の範囲に調整されたものを用いる。なお、本実施の形態においては、積層体の焼成収縮率が10%〜30%程度に定められる場合を前提として説明する。ただし、個々のグリーンシートの焼成収縮率の具体的な目標値は、どの層の形成に用いるグリーンシートであるのかによって定められればよく、必ずしも、全てのグリーンシートについて同じである必要はない。
次に、内部空間やスルーホール73を構成する層に対応するグリーンシートについて、パンチング装置による打ち抜き処理などで、該内部空間やスルーホール73に対応する貫通部を形成する(ステップ2)。
各層に対応したグリーンシートが用意できると、それぞれのグリーンシートに対してパターン印刷・乾燥処理を行う(ステップ3)。このときの印刷処理および乾燥処理については、公知の印刷手段および乾燥手段を利用可能である。
パターン印刷が終わると、第2固体電解質層6に対応するグリーンシートの上面および第1基板層1に対応するグリーンシートの下面に、反り抑制ペーストを塗布する(ステップ4)。換言すれば、積層体を構成した際にその表面および裏面となる面に、反り抑制ペーストを塗布する。好ましくは、センサ素子101において外側ポンプ電極23その他の外部に露出する電極を被覆する態様にて反り抑制ペーストを塗布する。
反り抑制ペーストとしては、焼成後の反りを抑制して良好な形状のセンサ素子101を形成することを可能とするものであれば、適宜のものを用いることができるが、例えば、主にアルミナを含む混合粉末と、樹脂溶液とを、ポットミルおよびらいかい機等によって混合すること調製されたペーストを用いるのが好適な一例である。
係る場合、混合粉末は、アルミナを主成分とし、無機化合物(ガラス原料成分)を従成分(添加剤)として添加するのが好適である。より好ましくは、アルミナを主成分とし、珪石粉末、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、マグネサイト粉末などを従成分として、従成分が合計で混合粉末全体の3重量%以上20重量%以下となるように添加する。更に好ましくは従成分が合計で3重量%以上15重量%以下となるように添加する。従成分が合計で20重量%より大きくなると、焼成後に形成される多孔質層90においてピンホールの発生が増加する可能性があり好ましくない。積層体の焼成収縮率が上述の範囲に定められる場合であれば、具体的な混合粉末中の各成分の割合としては、該混合粉末全体を100重量%としたとき、アルミナが90重量%以上97重量%以下、珪石粉末が10重量%以下、炭酸バリウムが10重量%以下、炭酸カルシウムが10重量%以下、マグネサイト粉末が5重量%以下であることが好適である。例えば、アルミナが95重量%、珪石粉末が2.6重量%、炭酸バリウムが1.6重量%、炭酸カルシウムが1.8重量%、マグネサイト粉末が0.6重量%であるのがその一例である。なお、混合粉末の解砕度および比表面積を適宜に違えることで、多孔質層90における気孔率を調整することが可能である。
樹脂溶液としては、ブチラール樹脂からなる樹脂粉末と、ブチルカルビトールからなる溶剤と、可塑剤とを混合し、さらに、分散剤と、アセトン溶剤とを混合したものを用いる。樹脂粉末は、混合粉末100gに対して乾燥樹脂粉末が1〜35gとなる量を用いるのが好適であり、より好ましくは混合粉末100gに対して乾燥樹脂粉末が20〜25gである。
反り抑制ペーストは、5μm以上20μm以下の厚みとなるように塗布する。厚みが5μm未満であると、反りを抑制する効果が十分に得られないため好ましくない。また、塗布厚みが20μmを超えると、生成された多孔質体90に剥がれや割れが生じる可能性があり好ましくない。より好ましくは、7μm以上13μm以下の厚みとなるように塗布する。
また、反り抑制ペーストは、塗布面積が、被塗布面の全面積に対して68%以上となるように塗布する。塗布面積が68%未満であると、反りを抑制する効果が十分に得られないため好ましくない。より好ましくは、塗布面積が、被塗布面の全面積に対して75%以上となるように塗布する。
反り抑制ペーストの塗布が終わると、次に、各層に対応するグリーンシート同士を積層・接着するための接着用ペーストの印刷・乾燥処理を行う(ステップ5)。このときの印刷処理および乾燥処理についても、公知の印刷手段および乾燥手段を利用可能である。
続いて、接着剤が塗布されたグリーンシートを所定の順序に積み重ねて、所定の温度・圧力条件を与えることで圧着させ、一つの積層体とする圧着処理を行う(ステップ6)。具体的には、公知の油圧プレス機などの積層機によって積層治具ごと加熱・加圧することによって行う。加熱・加圧を行う圧力・温度・時間については、用いる積層機にも依存するものであるが、良好な積層が実現できるよう、適宜の条件が決まればよい。
上述のようにして積層体が得られると、続いて、公知の切断装置によって係る積層体の複数箇所を切断し、それぞれがセンサ素子101の個体に対応する積層体である素子体に切り出す(ステップ7)。
そして、切り出された素子体を、大気雰囲気下で、焼成温度を1200〜1400℃程度とし、焼成時間を1時間以上として焼成すると、有機成分が蒸発して、素子本体部分を構成するセラミックス成分の焼結やおよび電極や配線などの回路パターン部分での金属の焼結が進行することにより、センサ素子101が生成される(ステップ8)。
<反り抑制ペースト塗布の効果>
以上のようなプロセスを経ることで、所定の設計寸法をみたすとともに、素子厚に対する反り量の比率が10%以内に抑制されたセンサ素子101を、得ることが出来る。なお、本実施の形態において、反り量とは、図3に示すように、センサ素子101の最下端部(図3では長手方向の両端102,103)をテーブル400で支持したときの最下端部から最上端部104までの距離L3と、センサ素子101の板厚L4との差(L3−L4)のことである。一般的に、素子厚に対する反り量の割合が10%以内であれば、センサ素子は、図示しないコネクタなどの外部部品への組み付けその他に際して良好な形状を有しているといえるところ、本実施の形態によって得られるセンサ素子101は、この要件を満たしている。すなわち、本実施の形態に係る製造方法によれば、反りが良好に抑制されたセンサ素子101が実現される。これは、反り抑制ペーストを塗布したことの効果である。
特に、混合粉末における添加剤の割合が合計で3重量%以上15重量%以下である場合、反り抑制ペーストの塗布面積が被塗布面の全面積に対して75%以上である場合、あるいは反り抑制ペーストの塗布厚みが7μm以上13μm以下である場合には、さらに反りが抑制された、素子厚に対する反り量の比率が2.5%以内にまで抑制されたセンサ素子101を、得ることが出来る。
すなわち、反り抑制ペーストを塗布した上で焼成を行うことで、積層体(素子体)を構成するそれぞれのグリーンシートは、焼成過程において、反り抑制ペーストの焼成収縮の影響を受けつつ収縮する。このことは、それぞれのグリーンシートの収縮挙動が、反り抑制ペーストの収縮によって、規制(あるいは拘束)されていることを意味している。
具体的には、反り抑制ペーストを塗布しておくことによって、焼成時には、不塗布時には相対的に収縮しやすいグリーンシートの収縮が阻害されること、あるいは相対的に収縮しにくいグリーンシートの収縮が促進されることの、少なくとも一方が生じている。
さらに言えば、焼成後のセンサ素子101が設計寸法を満たすものとなっており、しかも、焼成に際しては積層体表面に塗布された反り抑制ペースト自体も収縮して多孔質層90となっていることから、反り抑制ペーストには、単なる反り抑制効果のみならず、自らが収縮することで積層体(素子体)全体の焼成収縮挙動を拘束する(制御する)効果があるということもできる。これはすなわち、反り抑制ペースト自体が、あらかじめ定められた積層体の焼成収縮率と略同一の焼成収縮率で収縮するように、調製されたものであることを意味している。換言すれば、本実施の形態においては、積層体の焼成収縮率と略同一の焼成収縮率を有するペーストを上述した態様によって調製し、該ペーストを用いることによって、センサ素子101の反り抑制を行っているともいえる。
また、反り抑制ペーストが焼成収縮することで焼成後のセンサ素子101に形成される多孔質層90の気孔率が、5%以上25%以下である場合に、センサ素子101においては、素子厚に対する反り量の比率が10%以内となっている。このことは、多孔質層90の気孔率を5%以上25%以下の範囲に制御することで、センサ素子101における反りが抑制されることを意味している。換言すれば、焼成後に係る気孔率を有する多孔質層90を備えるセンサ素子101こそが、反り抑制ペーストによって上述したセンサ素子101の収縮挙動の制御と反り抑制とが実現されたものであるといえる。特に、多孔質層90の気孔率が10%以上20%以下の範囲に制御される場合には、素子厚に対する反り量の比率が2.5%以内にまで抑制されたセンサ素子101が実現される。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、反り抑制ペーストを積層体の表裏面に塗布したうえで焼成を行うことにより、反りが抑制された良好なセンサ素子を得ることができる。すなわち、従来のセンサ素子の製造プロセスに、反り抑制ペーストを塗布するという簡便かつ低コストな工程を追加することで、従来よりも反りが抑制されたセンサ素子を得ることが出来る。
なお、ここまでの説明は、酸素イオン伝導性の固体電解質セラミックスからなるセンサ素子を対象として行っているが、反り抑制ペーストを塗布することによる作用効果は、当該センサ素子と同様のグリーンシートプロセスを用いて作製される他の積層セラミックデバイスにおいても得られるものである。すなわち、本発明の手法は、積層セラミックデバイス一般に同様に適用可能である。
<変形例>
上述の実施の形態においては、反り抑制ペーストを積層体の表裏面に塗布する場合について説明したが、本発明の適用はこれに限られるものではなく、積層体の表裏面のいずれか一方に塗布する態様であってもよい。
また、上述の実施の形態においては、セラミックスグリーンシートに電極パターン等を印刷した後に反り抑制ペーストを塗布する場合について説明したが、これに代わり、セラミックスグリーンシートを積層した後に積層体の表裏面に反り抑制ペーストを塗布する態様であってもよいし、該積層体を素子体に切り出した後、個々の素子体に対して反り抑制ペーストを塗布する態様であってもよい。
多孔質層の気孔率、反り抑制ペースト中における混合粉末中の添加剤の割合、塗布面積、および塗布厚みを種々に違えたセンサ素子を作製し、それぞれについて反り検査を行った。
具体的には、多孔質層を備えないセンサ素子を1種類(実験例1)作製したほか、混合粉末の解砕度および比表面積を違えることで気孔率のみを違えた試料を5水準(実験例2〜実験例6)、添加剤の割合のみを違えた試料を5水準(実験例7〜実験例11)、塗布面積のみを違えた試料を4水準(実験例12〜実験例15)、塗布厚みのみを違えた試料を5水準(実験例16〜実験例20)、それぞれ作製した。なお、気孔率は、水銀ポロシメータによって測定した。反り抑制ペーストの塗布面積は、塗布に用いる製版の仕様として設定した。反り抑制ペーストの塗布厚みはダイヤルゲージによって測定した。そして、レーザー測定器を用いてそれぞれのセンサ素子の反り量と素子厚とを求めた。
図4は、それぞれの試料についての条件と、反り検査の結果を示した図である。なお、図4においては、反り検査の結果を、センサ素子の素子厚に対する反り量の割合として示している。図4に示すように、実験例1においてはセンサ素子の反り量が素子厚の22%にまで達するのに対して、気孔率が5%以上25%以下、添加剤の割合が3重量%以上20重量%以下、塗布面積が68%以上、または塗布厚みが5μm以上20μm以下である場合には、センサ素子の反り量が素子厚の5%以内に抑制されることが確認された。
さらには、気孔率のみを違えた実験例2〜実験例6を対比した結果、添加剤の割合のみを違えた実験例7〜実験例11を対比した結果、反り抑制ペーストの塗布面積のみを違えた実験例12〜実験例15を対比した結果、および、反り抑制ペーストの塗布厚みのみを違えた実験例16〜実験例20を対比した結果から、気孔率が10%以上20%以下である場合、添加剤の割合が3重量%以上15重量%以下である場合、該塗布面積が75%以上である場合、あるいは、該塗布厚みが7μm以上13μm以下である場合には、センサ素子の反り量が素子厚の2.5%以下に抑制されることが確認された。
1 第1基板層
2 第2基板層
3 第3基板層
4 第1固体電解質層
5 スペーサ層
6 第2固体電解質層
90 多孔質層
100 ガスセンサ
101 センサ素子

Claims (7)

  1. 複数のセラミックスグリーンシートの積層体を焼成することによりセラミックデバイスを製造する方法であって、
    a)前記積層体の表面および裏面となるセラミックスグリーンシートに、アルミナを主成分とし、焼成時において前記積層体の焼成収縮挙動に対する拘束能を有するペーストを塗布する工程と、
    b)前記ペーストが塗布された前記積層体を焼成することによって、前記ペーストの焼成収縮挙動の拘束下で前記積層体をあらかじめ定められた収縮率で焼成収縮させてセラミックデバイスを得る工程と、
    を備えることを特徴とするセラミックデバイスの製造方法。
  2. 請求項1に記載のセラミックデバイスの製造方法であって、
    前記工程a)における前記積層体の表面および裏面での前記ペーストの塗布面積比率が68%以上であることを特徴とするセラミックデバイスの製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載のセラミックデバイスの製造方法であって、
    前記工程a)における前記積層体の表面および裏面への前記ペーストの塗布厚みが5μm以上20μm以下であることを特徴とするセラミックデバイスの製造方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のセラミックデバイスの製造方法であって、
    前記工程a)における前記ペースト中の添加剤の割合が3重量%以上20重量%以下であることを特徴とするセラミックデバイスの製造方法。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のセラミックデバイスの製造方法であって、
    前記工程b)において得られる前記セラミックデバイスが、表面および裏面に気孔率が5%以上25%以下の多孔質層を備えることを特徴とするセラミックデバイスの製造方法。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載のセラミックデバイスの製造方法であって、
    前記セラミックデバイスが酸素イオン導電性固体電解質セラミックスからなるセンサ素子であることを特徴とするセラミックデバイスの製造方法。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の製造方法によって製造されたセラミックデバイス。
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