JP2011213178A - トルク制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ハイブリッド車両が、電動機による走行中に内燃機関の始動を行なうときに、駆動輪の向きが変化したときでも、車両の縦方向への駆動力を一定に維持するようにして、車両の挙動の変化を抑制できるトルク制御装置を提供する。
【解決手段】 制御手段21a1は、内燃機関の始動時に、車両の進行方向に対し横方向の加速度が加速度センサ23で検知されると、その加速度が車両に作用する影響を抑制するように駆動源の出力トルクを補正する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車両の走行中に当該車両の駆動源が出力するトルクを制御するトルク制御装置に関する。
例えば、下記特許文献1に開示された電動機と内燃機関(エンジン)を駆動源とするハイブリッド車両においては、電動機の駆動による走行中に、電動機の出力トルクをエンジンのクランクシャフトに入力してエンジンを始動するようにしている。
このようにエンジンを始動する際には、始動後にエンジンが停止しないようなエンジン回転数に相当する走行速度まで車両を加速するためのトルクと、クランクシャフトをこの回転数まで回転させるためのトルクとを合わせたトルクが必要となる。
従って、電動機の駆動による走行中に、エンジンを始動して駆動源を切り替える場合には、車両を駆動するためのトルクと共に上述したエンジンを始動するためのトルクを考慮して、電動機の出力トルクを適切に制御することが重要である。
特開2009−166567号公報
しかしながら、上記のようなハイブリッド車両が、前述のように電動機の駆動による走行中にエンジンの始動を行なうとき、地面の凹凸などの外的要因により、車両の駆動輪の向きが変化する(所謂、地面にハンドルを取られる)ことがある。このとき、車両の進行方向に対して横方向(以下、「車両の横方向」という)の加速度が車両に作用して、車両の縦方向への駆動力が減少する。このため、乗員の意図に関わらず、車両が横滑りして車両の進行速度が減少する等、車両の挙動が変化することになる。
本発明は、上記ハイブリッド車両が、電動機の駆動による走行中に内燃機関の始動を行なうとき、駆動輪の向きが変化したときでも、車両の縦方向への駆動力を一定に維持するようにして、車両の挙動の変化を抑制できるトルク制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、駆動源として電動機及び内燃機関を有すると共に、前記電動機の出力トルク又は前記内燃機関の出力トルクが入力される自動変速機と、締結しているときに、前記内燃機関の出力トルクを前記自動変速機に入力するクラッチとを備え、前記クラッチが締結しているとき、前記電動機の出力トルクで前記内燃機関を駆動することができる車両のトルク制御装置であって、前記車両の進行方向に対し横方向の加速度を検知する加速度検知手段と、前記クラッチを締結することにより前記電動機の出力トルクを前記内燃機関及び前記自動変速機の入力トルクとして分配して前記内燃機関を始動するときに、前記横方向の加速度による前記車両に作用する影響を抑制するように前記電動機の出力トルクを制御する制御手段とを備えることを特徴とする(第1発明)。
本発明によれば、クラッチが締結状態のときは、内燃機関の出力トルクが自動変速機に入力される。また、クラッチが締結状態のときは、電動機の出力トルクで内燃機関を駆動することができる。また、内燃機関が停止しているときに、クラッチを締結することによって、電動機の出力トルクを内燃機関と自動変速機との入力トルクとして分配することで内燃機関の始動が行なえる。
このような車両において、加速度検知手段により車両の横方向の加速度を検知する。ここで、車両の横方向とは、車両の操舵角が0度のときの進行方向に垂直な方向である。この横方向の加速度が検知されると、制御手段は、横方向の加速度が当該車両に作用する影響を抑制するように補正する。これにより、電動機の駆動による走行中に内燃機関の始動を行なうときに、車両の駆動輪の向きが変化した場合でも、横方向の加速度による影響を抑えて車両の縦方向への駆動力を一定に保持し、車両の挙動の変化を抑制することができる。ここで、車両の縦方向とは、車両の操舵角度が0度のときの進行方向である。
上記第1発明において、前記制御手段は、前記横方向の加速度が所定の値を超えた場合には、前記電動機の出力トルクを抑制するように補正することが好ましい(第2発明)。
本発明の装置を搭載する車両において、横方向の加速度が所定の値を超えた場合には、車両の横方向への力が作用することによって車両の横滑りが発生する可能性がある。そこで、制御手段が電動機の出力トルクを抑制するように補正することにより、車両の挙動の変化を抑制できる。
上記第1発明において、前記制御手段は、前記内燃機関の始動中に前記車両の走行が停止した場合には、前記内燃機関の始動が完了するまで前記車両を停止状態に保持するように制御することが好ましい(第3発明)。
これによれば、前記内燃機関の始動中に前記車両の走行が停止した場合には、前記内燃機関の始動が完了するまで前記車両を停止状態に保持することができる。
上記第1発明において、前記制御手段は、前記車両の縦方向に直進して走行しているときの走行抵抗に基づいて、前記車両が等速度で走行するために必要な力を決定する第1の決定手段と、前記横方向の加速度及び前記電動機の出力トルクに基づいて前記車両の縦方向に働く力を決定する第2の決定手段とを備え、前記第2の決定手段によって決定された力の大きさが、前記第1の決定手段によって決定された力の大きさと等しくなるように前記電動機の出力トルクを補正することが好ましい(第4発明)。
これによれば、車両の縦方向に働く力の大きさが、車両が等速度で走行するために必要な力の大きさと等しくなるように電動機の出力トルクを制御することによって、車両の挙動の変化を抑制できる。
上記第4発明において、前記第2の決定手段によって決定された力の大きさが、前記第1の決定手段によって決定された力の大きさと等しくなるように、前記クラッチの締結状態を制御することが好ましい(第5発明)。
これによれば、車両の縦方向に働く力の大きさが、車両が等速度で走行するために必要な力の大きさと等しくなるようにクラッチの締結状態を制御することによって、車両の挙動の変化を抑制できる。
上記第4発明又は第5発明において、前記制御手段は、前記電動機が前記内燃機関に対して出力したトルクの値と前記変速機に対して出力したトルクの値との和が、前記電動機の出力トルクの最大値を超えた場合、又は前記横方向の加速度が所定の値を超えた場合に、前記内燃機関を始動するためのトルクを減少させるように補正することが好ましい(第6発明)。
これによれば、内燃機関を始動するときに、電動機の最大出力トルクを超えそうな場合、又は車両の横方向への力が作用することによって車両の横滑りが発生する可能性がある場合には、内燃機関を始動するためのトルクを減少させることで、変速機の入力トルクへの影響を抑制している。従って、走行中に内燃機関の始動を行なうとき、車両の駆動輪の向きが変化しても、車両の縦方向への駆動力を一定に保ち、車両の挙動の変化を抑制できる。
更に、上記第1発明〜第6発明のいずれかにおいて、前記車両の前輪の操舵角度を検知する操舵角度検知手段を備え、前記制御手段は、前記操舵角度が所定の角度より大きい場合に、前記内燃機関の始動を中止し、前記電動機の出力トルクを一定にするように制御することが好ましい(第7発明)。
これによれば、操舵角度検知手段によって決定された操舵角が所定の角度より大きい場合は、前記内燃機関の始動を中止し、前記電動機の出力トルクの増加を抑制する。従って、車両の横方向への加速度の増加が抑制されるので、走行中に内燃機関の始動を行なうときに、車両の駆動輪の向きが変化しても、車両の縦方向への駆動力を一定に保ち、車両の挙動の変化を抑制できる。
本発明の実施形態に係るトルク制御装置を含む駆動装置の概略構成を示す図。(a)操舵角度が0度のときの一例を示す図、(b)操舵角度が0度より大きいときの一例を示す図。 図1の駆動装置10の概略構成を示す図。 図2のECU21のCPU21aが実行するモータトルクTQMTの制御処理の手順を示すフローチャート。
本発明の実施形態に係るトルク制御装置について、図面を参照して説明する。本実施形態では、電動機(モータ)及び内燃機関(エンジン)を駆動源とするハイブリッド車両に、トルク制御装置が搭載されている。
図1は、本発明の実施形態に係るトルク制御装置を含む駆動装置の概略構成を示す図である。図1(a)は車両の操舵角度が0度のとき、図1(b)は車両の操舵角度が0度より大きいときのトルク制御装置を含む駆動装置を示している。
図1において、車両の左右の駆動輪1は、駆動輪1を回転させる駆動軸(以下、足軸という)2に接続されている。足軸2は、後述する駆動装置10の出力トルクを伝達するトルク伝達装置3に接続されている。トルク伝達装置3は、入力されるトルクを伝達可能な歯車機構で構成されている。当該車両は、トルク伝達装置3が、駆動装置10の出力トルクに応じて、足軸2にトルクを伝達し、駆動輪1が回転することによって走行している。
また、駆動輪1は、運転者が操舵装置(図示省略)を操作することで、向きが変化するように構成されており、駆動輪1の向きが変化することによって、車両の進行方向も変化する。例えば、図1(b)では、駆動輪1の向きが操舵角度θだけ右方向に向いているため、この車両の進行方向は、操舵角度θだけ右方向になる。
尚、図1においてa、p、q、x、y、zは、後述のように力の大きさと向きを表すベクトルである。
次に、図2を参照して、駆動装置10の構成を説明する。
図2に示すように、ハイブリッド車両は、エンジンからなる内燃機関ENG、電動機(モータ)MG、モータMGと電力を授受する二次電池からなる蓄電装置BATT、自動変速機31、及びエンジンENG、モータMG、自動変速機31、車両の走行速度を減速させる制動装置(図示省略)の各部を制御する電子制御装置ECU(Electronic Control Unit)21を備える。
ECU21は、各種演算処理を実行するCPU21aとこのCPU21aで実行される各種演算プログラム、各種テーブル、演算結果などを記憶するROM及びRAMからなる記憶装置(メモリ)21bとを備え、各種電気信号を入力すると共に、演算結果などに基づいて駆動信号を外部に出力する。
本実施形態では、ECU21のCPU21aが、本発明における制御手段21a1、第1の決定手段21a2、第2の決定手段21a3、操舵角度検知手段21a4として機能する。
ECU21には、アクセルペダル(図示省略)の操作量を検知するアクセル開度センサ22の出力信号、車両の前後及び上下左右の方向の加速度を検知する加速度センサ23の出力信号が供給される。この加速度センサ23が、本発明の加速度検知手段に相当する。
自動変速機31は、エンジンENGの駆動力(出力トルク)が伝達されるエンジン出力軸32と、図外のディファレンシャルギヤを介して駆動輪としての左右の前輪に動力を出力する出力ギヤからなる出力部材33と、変速比の異なる複数のギヤ列G2〜G5とを備える。
また、自動変速機31は、変速比順位で奇数番目の各変速段を確立する奇数番ギヤ列G3,G5の駆動ギヤG3a,G5aを回転自在に軸支する第1入力軸34と、変速比順位で偶数番目の変速段を確立する偶数番ギヤ列G2,G4の駆動ギヤG2a,G4aを回転自在に軸支する第2入力軸35と、リバースギヤGRを回転自在に軸支するリバース軸36を備える。尚、第1入力軸34はエンジン出力軸32と同一軸線上に配置され、第2入力軸35及びリバース軸36は第1入力軸34と平行に配置されている。
また、自動変速機31は、第1入力軸34に回転自在に軸支されたアイドル駆動ギヤGiaと、アイドル軸37に固定されアイドル駆動ギヤGiaに噛合する第1アイドル従動ギヤGibと、第2入力軸35に固定された第2アイドル従動ギヤGicと、リバース軸36に固定され第1アイドル駆動ギヤGibに噛合する第3アイドル従動ギヤGidとで構成されるアイドルギヤ列Giを備える。尚、アイドル軸37は第1入力軸34と平行に配置されている。
自動変速機31は、油圧作動型の乾式摩擦クラッチ又は湿式摩擦クラッチからなる第1クラッチC1及び第2クラッチC2を備える。第1クラッチC1は、エンジン出力軸32に伝達されたエンジンENGの駆動力を第1入力軸34に伝達度合いを変化させて伝達させることができる伝達状態と、この伝達を断つ開放状態とに切換自在に構成されている。第2クラッチC2は、エンジン出力軸32に伝達されたエンジンENGの駆動力を第2入力軸35に伝達度合いを変化させて伝達させることができる伝達状態と、この伝達を断つ開放状態とに切換自在に構成されている。第2クラッチC2を締結させて伝達状態とすると、エンジン出力軸32は第1アイドル駆動ギヤGib及び第2アイドル駆動ギヤGicを介して第2入力軸35に連結される。
両クラッチC1,C2は、素早く状態が切り換えられるように電気式アクチュエータにより作動されるものであることが好ましい。尚、両クラッチC1,C2は、油圧式アクチュエータにより作動されるものであってもよい。
また、自動変速機31には、エンジン出力軸32と同軸上に位置させて、差動回転機構である遊星歯車機構PGが配置されている。遊星歯車機構PGは、サンギヤSaと、リングギヤRaと、サンギヤSa及びリングギヤRaに噛合するピニオンPaを自転及び公転自在に軸支するキャリアCaとからなるシングルピニオン型で構成される。
遊星歯車機構PGのサンギヤSa、キャリアCa、リングギヤRaからなる3つの回転要素を、速度線図(各回転要素の相対的な回転速度を直線で表すことができる図)におけるギヤ比に対応する間隔での並び順にサンギヤSa側からそれぞれ第1回転要素、第2回転要素、第3回転要素とすると、第1回転要素はサンギヤSa、第2回転要素はキャリアCa、第3回転要素はリングギヤRaとなる。
そして、遊星歯車機構PGのギヤ比(リングギヤRaの歯数/サンギヤSaの歯数)をgとして、第1回転要素たるサンギヤSaと第2回転要素たるキャリアCaの間の間隔と、第2回転要素たるキャリアCaと第3回転要素たるリングギヤRaの間の間隔との比が、g:1となる。
第1回転要素たるサンギヤSaは、第1入力軸34に固定されている。第2回転要素たるキャリアCaは、3速ギヤ列G3の3速駆動ギヤG3aに連結されている。第3回転要素たるリングギヤRaは、ロック機構R1により変速機ケース等の不動部に解除自在に固定される。
ロック機構R1は、リングギヤRaが不動部に固定される固定状態、又はリングギヤRaが回転自在な開放状態の何れかの状態に切換自在なシンクロメッシュ機構で構成されている。
尚、ロック機構R1は、シンクロメッシュ機構に限らず、スリーブ等による摩擦係合解除機構の他、湿式多板ブレーキ、ハブブレーキ、バンドブレーキ等のブレーキや、ワンウェイクラッチ、2ウェイクラッチなどで構成してもよい。また、遊星歯車機構PGは、サンギヤと、リングギヤと、互いに噛合し一方がサンギヤ、他方がリングギヤに噛合する一対のピニオンPa、Pa’を自転及び公転自在に軸支するキャリアとからなるダブルピニオン型で構成してもよい。この場合、例えば、サンギヤ(第1回転要素)を第1入力軸34に固定し、リングギヤ(第2回転要素)を3速ギヤ列G3の3速駆動ギヤG3aに連結し、キャリア(第3回転要素)をロック機構R1で不動部に解除自在に固定するように構成すればよい。
遊星歯車機構PGの径方向外方には、中空のモータMGが配置されている。換言すれば、遊星歯車機構PGは、中空のモータMGの内方に配置されている。モータMGは、ステータMGaとロータMGbとを備える。
また、モータMGは、ECU21の指示信号に基づき、パワードライブユニットPDUを介して制御される。ECU21は、パワードライブユニットPDUを、蓄電装置BATTの電力を消費してモータMGを駆動させる駆動状態と、ロータMGbの回転力を抑制させて発電し、発電した電力をパワードライブユニットPDUを介して蓄電装置BATTに充電する回生状態とに適宜切り換える。
出力部材33を軸支する出力軸33aには、2速駆動ギヤG2a及び3速駆動ギヤG3aに噛合する第1従動ギヤGo1が固定されている。出力軸33aには、4速駆動ギヤG4a及び5速駆動ギヤG5aに噛合する第2従動ギヤGo2が固定されている。
このように、2速ギヤ列G2と3速ギヤ列G3の従動ギヤ、及び4速ギヤ列G4と5速ギヤ列G5の従動ギヤとをそれぞれ1つのギヤGo1,Go2で構成することにより、自動変速機の軸長を短くすることができ、FF(前輪駆動)方式の車両への搭載性を向上させることができる。
また、第1入力軸4には、リバースギヤGRに噛合するリバース従動ギヤGRaが固定されている。
また、出力軸33aには、パーキングギヤGPが固定されている。パーキングギヤGPは、パーキング機構Pにより不動部に解除自在に固定される。パーキング機構PによりパーキングギヤGPが不動部に固定された固定状態であるとき、出力軸33aの回転が制動され、車両は停止し続ける。
また、出力軸33aは、図1のトルク伝達装置3にトルクを伝達するように接続されている。
第1入力軸34には、シンクロメッシュ機構で構成され、3速駆動ギヤG3aと第1入力軸34とを連結した3速側連結状態、5速駆動ギヤG5aと第1入力軸34とを連結した5速側連結状態、3速駆動ギヤG3a及び5速駆動ギヤG5aと第1入力軸34との連結を断つニュートラル状態の何れかの状態に切換選択自在な第1選択手段である第1噛合機構SM1が設けられている。
第2入力軸35には、シンクロメッシュ機構で構成され、2速駆動ギヤG2aと第2入力軸35とを連結した2速側連結状態、4速駆動ギヤG5aと第2入力軸35とを連結した4速側連結状態、2速駆動ギヤG2a及び4速駆動ギヤG5aと第2入力軸35との連結を断つニュートラル状態の何れかの状態に切換選択自在な第2選択手段である第2噛合機構SM2が設けられている。
リバース軸36には、シンクロメッシュ機構で構成され、リバースギヤGRとリバース軸36とを連結した連結状態と、この連結を断つニュートラル状態の何れかの状態に切換選択自在な第3噛合機構SM3が設けられている。
次に、上記の如く構成される自動変速機31の作動について説明する。
自動変速機31では、第1クラッチC1を係合させることにより、モータMGの駆動力を用いてエンジンENGを始動させるIMA始動を行うことができる。
エンジンENGの駆動力を用いて1速段を確立する場合には、ロック機構R1により遊星歯車機構PGのリングギヤRaを固定状態とし、第1クラッチC1を締結させて伝達状態とする。
エンジンENGの駆動力は、エンジン出力軸32、第1クラッチC1、第1入力軸34を介して、遊星歯車機構PGのサンギヤSaに入力され、エンジン出力軸32に入力されたエンジンENGの回転数が1/(g+1)に減速されて、キャリアCaを介し3速駆動ギヤG3aに伝達される。
3速駆動ギヤG3aに伝達された駆動力は、3速駆動ギヤG3a及び第1従動ギヤGo1で構成される3速ギヤ列G3のギヤ比(3速駆動ギヤG3aの歯数/第1従動ギヤGo1の歯数)をiとして、1/i(g+1)に変速されて第1従動ギヤGo1及び出力軸33aを介し出力部材33から出力され、1速段が確立される。
このように、自動変速機31では、遊星歯車機構PG及び3速ギヤ列で1速段を確立できるため、1速段専用の噛合機構が必要なく、これにより、自動変速機の軸長の短縮化を図ることができる。
尚、1速段において、車両が減速状態にあり、且つ蓄電装置BATTの残容量(充電率)SOCに応じて、ECU21は、モータMGでブレーキをかけることにより発電を行う減速回生運転を行う。また、蓄電装置BATTの残容量SOCに応じて、モータMGを駆動させて、エンジンENGの駆動力を補助するHEV(Hybrid Electric Vehicle)走行、又はモータMGの駆動力のみで走行するEV(Electric Vehicle)走行を行うことができる。
また、EV走行中であって車両の減速が許容された状態であり且つ車両速度が一定速度以上の場合には、第1クラッチC1を徐々に締結させることにより、モータMGの駆動力を用いることなく、車両の運動エネルギーを用いてエンジンENGを始動させることができる。
また、1速段で走行中に2速段にアップシフトされることをECU21が車両速度やアクセルペダルの開度等の車両情報から予測した場合には、第2噛合機構SM2を2速駆動ギヤG2aと第2入力軸35とを連結させる2速側連結状態又はこの状態に近付けるプリシフト状態とする。
エンジンENGの駆動力を用いて2速段を確立する場合には、第2噛合機構SM2を2速駆動ギヤG2aと第2入力軸35とを連結させた2速側連結状態とし、第2クラッチC2を締結して伝達状態とする。これにより、エンジンENGの駆動力が、第2クラッチC2、アイドルギヤ列Gi、第2入力軸35、2速ギヤ列G2及び出力軸33aを介して、出力部材33から出力される。
尚、2速段において、ECU21がアップシフトを予測している場合には、第1噛合機構SM1を3速駆動ギヤG3aと第1入力軸34とを連結した3速側連結状態又はこの状態に近付けるプリシフト状態とする。
逆に、ECU21がダウンシフトを予測している場合には、第1噛合機構SM1を、第3駆動ギヤG3a及び第5駆動ギヤG5aと第1入力軸34との連結を断つニュートラル状態とする。
これにより、アップシフト又はダウンシフトを、第1クラッチC1を伝達状態とし、第2クラッチC2を開放状態とするだけで行うことができ、変速段の切り換えを駆動力が途切れることなくスムーズに行うことができる。
また、2速段においても、車両が減速状態にある場合、蓄電装置BATTの残容量SOCに応じて、ECU21は、減速回生運転を行う。2速段において減速回生運転を行う場合には、第1噛合機構SM1が3速側連結状態であるか、ニュートラル状態であるかで異なる。
第1噛合機構SM1が3速側連結状態である場合には、第2駆動ギヤG2aで回転される第1従動ギヤGo1によって回転する第3駆動ギヤG3aが第1入力軸34を介してモータMGのロータMGbを回転させるため、このロータMGbの回転を抑制しブレーキをかけることにより発電して回生を行う。
第1噛合機構SM1がニュートラル状態である場合には、ロック機構R1を固定状態とすることによりリングギヤRaの回転数を「0」とし、第1従動ギヤGo1に噛合する3速駆動ギヤG3aと共に回転するキャリアCaの回転数を、サンギヤSaに連結させたモータMGにより発電させることによりブレーキをかけて、回生を行う。
また、2速段においてHEV走行する場合には、例えば、第1噛合機構SM1を3速駆動ギヤG3aと第1入力軸34とを連結させた3速側連結状態として、ロック機構R1を開放状態とすることにより遊星歯車機構PGを各回転要素が相対回転不能な状態とし、モータMGの駆動力を3速ギヤ列G3を介して出力部材33に伝達することにより行うことができる。または、第1噛合機構SM1をニュートラル状態として、ロック機構R1を固定状態としてリングギヤRaの回転数を「0」とし、モータMGの駆動力を1速段の経路で第1従動ギヤGo1に伝達することによっても、2速段によるHEV走行を行うことができる。
エンジンENGの駆動力を用いて3速段を確立する場合には、第1噛合機構SM1を3速駆動ギヤG3aと第1入力軸34とを連結させた3速側連結状態として、第1クラッチC1を締結させて伝達状態とする。これにより、エンジンENGの駆動力は、エンジン出力軸32、第1クラッチC1、第1入力軸34、第1噛合機構SM1、3速ギヤ列G3を介して、出力部材33に伝達され、1/iの回転数で出力される。
3速段においては、第1噛合機構SM1が3速駆動ギヤG3aと第1入力軸34とを連結させた3速側連結状態となっているため、遊星歯車機構PGのサンギヤSaとキャリアCaとが同一回転となる。
従って、遊星歯車機構PGの各回転要素が相対回転不能な状態となり、モータMGでサンギヤSaにブレーキをかければ減速回生となり、モータMGでサンギヤSaに駆動力を伝達させれば、HEV走行を行うことができる。また、第1クラッチC1を開放して、モータMGの駆動力のみで走行するEV走行も可能である。
3速段において、ECU21は、車両速度やアクセルペダルの開度等の車両情報に基づきダウンシフトが予測される場合には、第2噛合機構SM2を2速駆動ギヤG2aと第2入力軸35とを連結する2速側連結状態、又はこの状態に近付けるプリシフト状態とし、アップシフトが予測される場合には、第2噛合機構SM2を4速駆動ギヤG4aと第2入力軸35とを連結する4速側連結状態、又はこの状態に近付けるプリシフト状態とする。
これにより、第2クラッチC2を締結させて伝達状態とし、第1クラッチC1を開放させて開放状態とするだけで、変速段の切換えを行うことができ、駆動力が途切れることなく変速をスムーズに行うことができる。
エンジンENGの駆動力を用いて4速段を確立する場合には、第2噛合機構SM2を4速駆動ギヤG4aと第2入力軸35とを連結させた4速側連結状態とし、第2クラッチC2を締結させて伝達状態とする。
4速段で走行中は、ECU21が車両情報からダウンシフトを予測している場合には、第1噛合機構SM1を3速駆動ギヤG3aと第1入力軸34とを連結した3速側連結状態、又はこの状態に近付けるプリシフト状態とする。
逆に、ECU21が車両情報からアップシフトを予測している場合には、第1噛合機構SM1を5速駆動ギヤG5aと第1入力軸34とを連結した5速側連結状態、又は、この状態に近付けるプリシフト状態とする。これにより、第1クラッチC1を締結させて伝達状態とし、第2クラッチC2を開放させて開放状態とするだけで、ダウンシフト又はアップシフトを行うことができ、駆動力が途切れることなく変速をスムーズに行うことができる。
4速段で走行中に減速回生又はHEV走行を行う場合には、動力伝達装置ECU21がダウンシフトを予測しているときには、第1噛合機構SM1を3速駆動ギヤG3aと第1入力軸34とを連結した3速側連結状態とし、モータMGでブレーキをかければ減速回生、駆動力を伝達すればHEV走行を行うことができる。
ECU21がアップシフトを予測しているときには、第1噛合機構SM1を5速駆動ギヤG5aと第1入力軸34とを連結した5速側連結状態とし、モータMGによりブレーキをかければ減速回生、モータMGから駆動力を伝達させればHEV走行を行うことができる。
エンジンENGの駆動力を用いて5速段を確立する場合には、第1噛合機構SM1を5速駆動ギヤG5aと第1入力軸34とを連結した5速側連結状態とする。5速段においては、第1クラッチC1が伝達状態とされることによりエンジンENGとモータMGとが直結された状態となるため、モータMGから駆動力を出力すればHEV走行を行うことができ、モータMGでブレーキをかけ発電すれば減速回生を行うことができる。
尚、5速段でEV走行を行う場合には、第1クラッチC1を開放状態とすればよい。また、5速段でのEV走行中に、第1クラッチC1を徐々に締結させることにより、エンジンENGの始動を行うこともできる。
ECU21は、5速段で走行中に車両情報から4速段へのダウンシフトが予測される場合には、第2噛合機構SM2を4速駆動ギヤG4aと第2入力軸35とを連結させた4速側連結状態、又はこの状態に近付けるプリシフト状態とする。これにより、4速段へのダウンシフトを駆動力が途切れることなくスムーズに行うことができる。
エンジンENGの駆動力を用いて後進段を確立する場合には、ロック機構R1を固定状態とし、第3噛合機構SM3をリバースギヤGRとリバース軸36とを連結した連結状態として、第2クラッチC2を締結させて伝達状態とする。これにより、エンジン出力軸32の駆動力が、第2クラッチC2、アイドルギヤ列Gi、リバースギヤGR、リバース従動ギヤGRa、サンギヤSa、キャリアCa、3速ギヤ列G3及び出力軸3aを介して後進方向の回転として、出力部材33から出力され、後進段が確立される。
本実施形態では、自動変速機31を2つの入力軸を備えたデュアルクラッチで構成しているが、1つの入力軸で構成されていてもよい。
次に、EV走行とHEV走行について説明する。
それぞれの走行方法は、車両の状態によって選択される。例えば、車両の発進時には、モータMGのみで走行し、車両の走行速度(以下、「車速」という)が所定の速度を超えたときには、エンジンENGを始動してモータMGとエンジンENGで走行する。更に車速が高くなったときには、モータMGを停止してエンジンENGのみで走行する。
これは、モータMGは、車両が低速のときは出力トルクが高く、高速になるに従って出力トルクが低くなる特性を持つことに加え、エンジンENGは、低速時より高速時の方がエネルギーの効率が高いため、上述のように走行方法を選択することで、エネルギー効率を向上している。
また、モータMGの電源である蓄電装置BATTのSOCが低くなった状態で、EV走行を続けると、車両を走行するほどの電力が蓄電池から供給できず、EV走行を続行できなくなる。
従って、EV走行時に、蓄電装置BATTのSOCがある程度の値になったときには、SOCの減少を抑制するために、ECU21は上述のようにエンジンENGの始動を行なう。
このとき、モータMGには、車両を駆動するためのトルクに加え、エンジンENGの始動に必要なトルク(以下、「エンジン始動トルク」という)TQENGSTも必要になる。
エンジン始動トルクTQENGSTは、エンジン始動の回転数に相当する車速まで加速するためのトルクや、エンジン始動のために、エンジンENGのクランクシャフトを回転させるトルクを合計したトルクである。
例えば、本実施形態では、エンジン始動の回転数を800rpmに設定しており、この回転数に相当する車速は6km/hとしている。
また、上述のように車両を駆動するためのトルクに加え、エンジン始動トルクTQENGSTが必要になるため、モータMGの最大出力トルクを超えてしまうことがある。
この場合は、エンジン始動トルクTQENGSTを減らしてて始動を行なう(以下、「減トルク始動」という)。
減トルク始動は、エンジン始動トルクTQENGSTを減らすことによって、エンジンENGの始動に時間がかかる可能性が高くなるが、車両を駆動するためのトルクの減少は抑制されるため、車両の減速感などは発生しない。
また、例えば、車速が低い状態で走行中にエンジンENGを始動する場合には、モータMGとエンジンENGとが第1クラッチC1を介して直結されているため、モータMGの回転数をエンジンENGの始動の回転数に合わせて車両を走行させる必要があり、車両を駆動するトルクが足りなくなり、車両が停止してしまう可能性がある。特に、上り坂走行時には、車速が低いときは、車両が停止する可能性が高い。この場合には、車両停止後に、後方に下がる可能性があるため、ECU21は、制動装置を作動させる必要がある。
この始動時に車両が停止した場合、エンジンENGの始動が完了するまでの間、車両が停止を停止状態に保持するために、ECU21が制動装置を作動させる制御を行なうことは、本発明における、第3発明での制御に相当する。
次に、トルク制御装置としてのECU21のCPU21aによって実行されるトルク制御処理について説明する。本実施形態では、CPU21aが、本発明における制御手段21a1、第1の決定手段21a2、第2の決定手段21a3、及び操舵角度検知手段21a4として動作する。
図3は、CPU21aが実行するトルク制御処理の手順を示すフローチャートである。本フローチャートで示される制御処理プログラムは、所定時間(例えば、10msec)毎に呼び出されて実行される。
最初のステップST1では、運転者の要求トルクTQDRRQを決定する。これは、車両のアクセルペダルの操作量を検知したアクセル開度センサ22の出力信号に応じて決定される。
また、このときに、走行抵抗に基づいて運転者要求トルクTQDRRQの補正を行なう。具体的には、等速度で車両の縦方向に走行しているときの車速(走行抵抗と釣り合っている状態)と駆動源の出力トルクとの対応関係を、予めテーブルとして用意しておき、実際の車速に基づいてテーブルから検索した駆動源の出力トルクと実際の駆動源の出力トルクとの差を求める。この求めた差を運転者要求トルクTQDRRQに加算する。この処理が、本発明における第1の決定手段21a1に相当する。
次にステップST2に進み、エンジンENGの始動を行なうか否かの判定を行なう。ここでは、例えば、モータMGの電源である蓄電装置BATTのSOCが所定の値V1以下であるか否か、車速が所定の速度V2以上であるか否かの判定をそれぞれ行なっている。これらの判定のどちらか片方がYESの場合に本ステップST2の判定結果がYESになる。
ここで、所定値V1は、モータMGの電源である蓄電装置BATTのSOCが、EV走行を続けるにあたって充分であるか否かを判定可能な値に設定される。また、所定速度V2は、前述のモータMG及びエンジンENGの速度及び出力トルクの関係に基づいて、エンジンENGを始動した方がよい車速か否かを判定可能な値に設定される。
ステップST2の判定結果がYESのときは、ステップST3に進み、エンジン始動トルクTQENGSTを決定する。本実施形態では、回転数や変速比とトルクとの対応関係を予めテーブルとして用意しておき、ここから検索することによって決定している。
次にステップST4に進み、ステップST1で決定した運転者要求トルクTQDRRQにステップST3で決定したエンジン始動トルクTQENGSTを加算したトルクを、モータMGの出力トルク(以下、「モータトルク」という)TQMTに設定する。
前記ステップST2の判定結果がNOのときは、ステップST5に進み、ステップST1で決定した運転者要求トルクTQDRRQをモータトルクTQMTに設定する。
ステップST4及びST5の処理が終了したらステップST6に進み、車両の操舵角度θを検知する。
操舵角度θは、以下のように検知される。加速度センサ23の検知結果の中から、車両の横方向の加速度と車両の重量とを積算することによって、図1(b)のベクトルzで表された車両の横方向に働く力が求められる。
ベクトルyは、変速機26の出力トルクに応じて決まる車両の駆動力である。その大きさ(値)は、図1(a)のベクトルaと同じである(方向は異なる)。
図1(a)は操舵角度が0度であるため、ベクトルaは車両の縦方向と同じ方向になっているが、図1(b)は操舵角度が0度より大きいため、ベクトルyはベクトルaと同じ大きさであるが、方向はベクトルaより角度θ異なっている。
従って、操舵角度θは、次式によって求めることができる。
θ=sin−1(|z|/|y|)
ここで、|y|、|z|は、それぞれベクトルyの大きさ、ベクトルzの大きさを表す。以降、ベクトルの大きさを表すときは、「|」で囲んで表記を行なう。
本実施形態では、上述のように車両の横方向の加速度と、駆動源の出力トルクに応じて検知しているが、加速度センサによって得られる車両の縦方向及び横方向の加速度に応じて求められる車両の縦方向の力ベクトルx、車両の横方向の力ベクトルzから、次式によって求めてもよい。
θ=tan−1(|z|/|x|)
また、車両走行中に地面の凹凸を車両に伝えないために設けられたサスペンションなどにより加速度の変化が抑制されるなどの理由で、加速度に基づいて操舵角度θを検知すると誤差が大きくなる状況では、車両のパワーステアリング(ハンドル操作に要する力を減少させる装置)の角度検知センサの出力を検知してもよい。
本ステップST6の処理が、本発明における操舵角度検知手段21a4に相当する。
次に、ステップST7に進み、操舵角度θが所定の角度αを超えているか否かの判定を行ない、超えていない場合には、ステップST8に進む。操舵角度θが大きいときに、モータMGの出力トルクを大きくすると、車両の横方向への加速度が大きくなり、車両の挙動が変化し、横滑りが発生する可能性がある。そのため、所定角度αは、車両の挙動が変化しないか否かを判定できるように設定される。所定角度αは、車速が大きくなるに従って、小さくなるように設定してもよい。
ステップST8では、横滑り防止制御が行なわれているか否かの判定を行なう。横滑り防止制御とは、車両の挙動安定化制御の一つであり、車両の横方向への加速度が所定の値を超えたときに制御が開始される。すなわち、車両の横方向に作用する力の大きさが所定の大きさを超えることによって、ユーザが意図しない車両の横方向への移動が発生し、進路を大きく外れる(例えば、道路外に飛び出す)可能性が高いときに、横滑り防止制御が開始される。
ステップST8の判定結果がNOのときは、ステップST9に進み、次式1によって、モータトルクTQMTを再度決定する。
TQMT=TQMT/cosθ …(式1)
式1で新たに補正されたモータトルクTQMTは、図1(b)のベクトルpで表される。以下、式1について説明する。
車両の縦方向に対して操舵角度θだけ向きが異なるベクトルyが、駆動源の出力トルクによって得られる車両の駆動力を表している。このとき、車両の縦方向の駆動力はベクトルxで表される。ベクトルxは、ベクトルqに比べて大きさが小さい。ベクトルqは図1(a)のベクトルaと同じ大きさ及び向きを持つベクトルである。また、駆動源の出力トルクが同じ場合には、ベクトルyはベクトルaと同じ大きさで、向きは操舵角度θだけ異なっている。
すなわち、車両の縦方向の駆動力(ベクトルx)は、操舵角度θが0より大きいときは、操舵角度θが0のとき(ベクトルa)に比べて小さい。この車両の縦方向の駆動力の減少を補正する(ベクトルqにする)ためには、駆動源の出力トルクによって得られる駆動力をベクトルyからベクトルpに増加する必要がある。
ステップST9の開始時点のモータトルクTQMTは、ステップST4又はST5で決定されたモータトルクTQMTであり、この操舵角度θが0より大きいときは、このモータトルクTQMTで得られる駆動力は、ベクトルyで表される。
すなわち、ベクトルqとベクトルpの関係式
|q|=|p|×cosθ
に対して、ベクトルqとベクトルyの大きさが同じになるため、
|p|=|y|/cosθ
となり、ステップST9開始時点のモータトルクTQMTで得られる駆動力は、ベクトルyで表されるため、
|p|=TQMT/cosθ
となり、新たなモータトルクTQMTを求める式1が導出される。
次に、ステップST10に進み、ステップST9で得られたモータトルクTQMTが、モータMGが出力可能な最大トルクを超えているか否かの判定を行ない、超えていたときは、ステップST11に進み、エンジン始動トルクTQENGSTをΔTQ1だけ小さくし、ステップST4に戻る。
ここで、ΔTQ1は、補正を行なう目的の値であり、エンジン始動トルクTQENGSTを少しずつ減らしていく目的を達成できるように設定されていればよく、予め決定された値でもよいし、車速など車両の状態によって変更可能になっていてもよい。
この、ステップST10、ST11による処理が、前記第6発明での出力トルクの補正に相当する。
ステップST7又はST8の判定結果がYESのときは、ステップST12に進み、モータトルクTQMTをΔTQ2だけ小さくし、ステップST15に進む。
ここでΔTQ2は、補正を行なう目的の値であり、車両の状態によって変更可能になっている。例えば、θの大きさによってΔTQ2の値を変動させてもよいし、θがαに近いときは、0に設定されていてもよい。また、横滑り防止制御が行なわれているときは、車両の挙動を早く安定にするために、モータトルクTQMTを大きく減少させるようにしてもよい(第2発明の出力トルクの補正に相当)。
ステップST10の判定結果がNOのとき、又はステップST12の処理が終了したときは、ステップST13に進み、エンジンENGの始動制御を開始する。
エンジン始動制御は、前述したように、第1クラッチC1を締結することによって行なう。また、前記ステップST2でエンジン始動制御の実行判定がNOだった場合には、本ステップST13ではエンジンENGの始動は行なわないため、第1クラッチC1の締結は行なわない。
後述するステップST14で、モータトルクTQMTによって、エンジンENGを始動するだけの回転数が得られたら点火して、エンジンENGを始動する。
このとき、第1クラッチC1の締結状態を制御してエンジンENGの出力トルクを補正してもよい(第5発明のクラッチの締結状態の制御に相当)。これによって、エンジン始動時のエンジンENGの出力トルクの変化をクラッチの締結状態を制御することによって、自動変速機31に入力するトルクを調整して、車両の駆動力を一定に保つことができる。
次に、ステップST14に進み、上述のステップで決定されたモータトルクTQMTがモータMGの出力トルクとなるようにモータを制御して、本処理を終了する。
以上のように、式1によって、第1の決定手段によって決定されたベクトルyの大きさと等しいベクトルqが決定され(第4発明の出力トルクの補正に相当)、ステップST14で、モータMG(駆動源)の出力トルクとして制御されている。
また、ステップST6で加速度に基づいて操舵角度θを検知し、車両の要求加速度に基づいて決定される車両の縦方向から操舵角度θだけ向きが異なるベクトルを、式1のようにcosθで除算して、車両の縦方向のベクトルの大きさを決定することが、第2の決定手段21a3に相当する。
また、ステップST8の判定結果がYESのとき(加速度が所定の値を超えた場合)に、ステップST12に進まずに、ステップST11に進み、エンジン始動トルクTQENGSTを減少させてもよい(第6発明の出力トルクの補正に相当)。
また、ステップST13では、ステップST7の判定結果がYESのときは、エンジンENGの始動を行なわないようにしてもよい。このとき、ステップST12によってモータトルクTQMTを増加せず一定にする(第7発明の出力トルクの補正に相当)。
以上のように、本実施形態では、車両が縦方向に直進しているときの走行抵抗に基づいて運転者要求トルクTQDRRQを補正する(ステップST1)。そして、車両がエンジンENGを始動するべき状態かを判定し(ステップST2)、始動する場合には、エンジン始動トルクTQENGSTを決定し(ステップST3)、運転者要求トルクTQDRRQにエンジン始動トルクTQENGSTを加えてモータトルクTQMTを決定している(ステップST4)。
その後、加速度センサ23によって検知した加速度に基づいて操舵角度θを検知している(ステップST6)。操舵角度θが所定の値以下で、横滑り防止制御が行なわれていないときには、運転者要求トルクTQDRRQ、操舵角度θに基づいて、モータトルクTQMTを決定し(ステップST9)、このモータトルクTQMTになるようにモータMGを制御する。
また、このモータトルクTQMTを操舵角度θによって新たに決定し(ステップST9)、エンジンENGの始動を制御する(ステップST13)。
従って、走行中に内燃機関の始動を行なうときに、車両の駆動輪の向きが変化したときに、車両の縦方向への駆動力を一定に保ち、車両の挙動の変化を抑制できる。
21…ECU、21a…CPU、21a1…制御手段、21a2…第1の決定手段、21a3…第2の決定手段、21a4…操舵角度検知手段、21b…メモリ、23…加速度センサ、31…自動変速機、C1…第1クラッチ、C2…第2クラッチ、ENG…エンジン(内燃機関)、MG…モータ(電動機)

Claims (7)

  1. 駆動源として電動機及び内燃機関を有すると共に、
    前記電動機の出力トルク又は前記内燃機関の出力トルクが入力される自動変速機と、
    締結しているときは、前記内燃機関の出力トルクを前記自動変速機に入力するクラッチとを備え、
    前記クラッチが締結しているときは、前記電動機の出力トルクで前記内燃機関を駆動することができる車両のトルク制御装置であって、
    前記車両の進行方向に対し横方向の加速度を検知する加速度検知手段と、
    前記クラッチを締結することにより、前記電動機の出力トルクを前記内燃機関及び前記自動変速機の入力トルクとして分配して前記内燃機関を始動するときに、前記横方向の加速度による前記車両に作用する影響を抑制するように、前記電動機の出力トルクを制御する制御手段と
    を備えることを特徴とするトルク制御装置。
  2. 請求項1に記載のトルク制御装置において、前記制御手段は、前記横方向の加速度が所定の値を超えた場合には、前記電動機の出力トルクを抑制するように補正することを特徴とするトルク制御装置。
  3. 請求項1に記載のトルク制御装置において、
    前記制御手段は、前記内燃機関の始動中に前記車両の走行が停止した場合には、前記内燃機関の始動が完了するまで前記車両を停止状態に保持するように制御することを特徴とするトルク制御装置。
  4. 請求項1に記載のトルク制御装置において、
    前記制御手段は、
    前記車両の縦方向に直進して走行しているときの走行抵抗に基づいて、前記車両が等速度で走行するために必要な力を決定する第1の決定手段と、
    前記横方向の加速度及び前記電動機の出力トルクに基づいて前記車両の縦方向に働く力を決定する第2の決定手段とを備え、
    前記第2の決定手段によって決定された力の大きさが、前記第1の決定手段によって決定された力の大きさと等しくなるように前記電動機の出力トルクを補正することを特徴とするトルク制御装置。
  5. 請求項4に記載のトルク制御装置において、前記第2の決定手段によって決定された力の大きさが、前記第1の決定手段によって決定された力の大きさと等しくなるように、前記クラッチの締結状態を制御することを特徴とするトルク制御装置。
  6. 請求項4又は5に記載のトルク制御装置において、前記制御手段は、前記電動機が前記内燃機関に対して出力したトルクの値と前記変速機に対して出力したトルクの値との和が、前記電動機の出力トルクの最大値を超えた場合、又は前記横方向の加速度が所定の値を超えた場合に、前記内燃機関を始動するためのトルクを減少させるように補正することを特徴とするトルク制御装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のトルク制御装置において、
    前記車両の前輪の操舵角度を検知する操舵角度検知手段を備え、
    前記制御手段は、前記操舵角度が所定の角度より大きい場合に、前記内燃機関の始動を中止し、前記電動機の出力トルクを一定にするように制御することを特徴とするトルク制御装置。
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