JP2011213017A - 印字装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】サーマルヘッドに対して新たな通電補正がなされた熱履歴制御を行うことによって、高速印字を可能にした印字装置を提供すること。
【解決手段】サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子41Aの中で、次の印加周期(Q(N+1))でインクリボン上のインクを溶融或いは昇華させるための主加熱となるメインパルスが印加される第1発熱素子41Cに隣接する発熱素子41A毎に、インクリボン上のインクを溶融或いは昇華させない現在の印加周期(Q(N))の直後においてもインクリボン上のインクを溶融或いは昇華させない次の印加周期(Q(N+1))が続く場合に、次の印加周期(Q(N+1))内で印加されるメインパルスを補うためのサブパルス(S)を現在の印加周期内(Q(N))で印加させる。
【選択図】図12

Description

本発明は、サーマルヘッドを搭載した印字装置に関するものである。
サーマルヘッドを構成する各発熱素子に対する温度制御では、印字媒体に1個の印字ドットが形成される印加周期内において、発熱素子を加熱して印字を行うためにメインパルスを印加する加熱時間と、加熱された発熱素子を冷却させるための非加熱時間とが存在する。
もっとも、印字を開始するときや、印字中でも孤立した印字ドットを印字媒体に形成させるときは、メインパルスの印加により発熱素子が加熱されても、その熱の一部はその発熱素子周辺に逃げてしまうため、発熱が不足気味となる。
また、メインパルスの印加により発熱素子が加熱されても、その加熱された発熱素子に隣接する発熱素子が印字を行わないときは、その印字を行わない発熱素子に加熱された発熱素子の熱が逃げてしまうため、同様にして、発熱が不足気味となる。
また、メインパルスの印加により発熱素子が加熱されても、その発熱素子が直前の印加周期内で加熱されていないときは、その発熱素子が直前の印加周期内で加熱されたときと比較すると、メインパルスの印加が開始されるときの発熱素子の温度は低く、その発熱素子の温度上昇が遅れるため、発熱が不足気味となる。
そこで、これらのようなケースが当てはまる印加周期内では、その発熱の不足分を補うために、発熱素子を補助加熱するサブパルスを印加する。このサブパルスによる補助加熱時間が、メインパルスによる加熱時間の直後に追加される(例えば、下記特許文献1参照)。
従って、メインパルスによる加熱時間と、サブパルスによる加熱時間と、非加熱時間とが、一つの印加周期内に含まれることがある。
尚、これらのようなケースの中で、メインパルスの印加により発熱素子が加熱されても、その加熱された発熱素子に隣接する発熱素子が印字を行わないときは、その印字を行わない発熱素子に対して、印字に至らない程度の加熱を与えるためのパルスが印加されることにより、その印加エネルギーの不足分を補うこともある(下記特許文献2参照)。
特開平7−137327号公報 特開平7−276695号公報
しかしながら、印字速度を上げようとすると、それに伴って印加周期が短くなっていくので、印加周期が短ければ短い程、その短くなった印加周期に対して、メインパルスやサブパルスによる各加熱時間を適合させることが難しくなる。
通常の解決策としては、メインパルスやサブパルスによる各加熱時間をその短くなった印加周期に対応させて短くすればよい。これによって、時間的な側面は解決されるが、短くした加熱時間で発熱量に不足が生じないように発熱素子を加熱するために、印加電圧を高くしたり、あるいは、サーマルヘッドの発熱素子の抵抗値を小さくしてサーマルヘッドの発熱素子に流れる電流を増やす必要がある。そのためには、サーマルヘッドの駆動回路を構成するICに対し、耐電圧性や電流容量の向上が要求される。
その他の解決策としては、サーマルヘッドの発熱素子で発生した熱を印字媒体に伝える効率を向上させることが挙げられる。そのためには、発熱素子が含まれるサーマルヘッドの薄膜部分の印字媒体に対する伝熱性能の向上が要求される。
但し、いずれの解決策においても、通常当然に行われている検討の枠を超えているので、結果として、コスト上昇を避けることができない。
従って、これらのような解決策がとれない場合にあっても、印字速度を上げようとすれば、印加周期を短くしなければならず、その短くなった印加周期内においては、印字に必要な発熱量を確保するために、メインパルスやサブパルスによる各加熱時間が占める割合を増やさなければならず、非加熱時間が占める割合はどうしても減ってしまうことになる。そのため、温度上昇させたサーマルヘッドの発熱素子を冷却させる時間が短くなることから、印字が連続すると蓄熱が起こってサーマルヘッドの発熱素子の温度上昇を抑えきれなくなり、所謂「印字ツブレ」・「印字尾引」などの印字品質面で不具合が発生するようになる。
そこで、本発明は、上述した点を鑑みてなされたものであり、サーマルヘッドに対して新たな通電補正がなされた熱履歴制御を行うことによって、高速印字を可能にした印字装置を提供することを課題とする。
この課題を解決するためになされた請求項1に係る発明は、複数の発熱素子が直線的に並んだラインヘッドを設けたサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドのラインヘッドとは直交関係にある副走査方向に印字媒体を搬送する搬送装置と、前記搬送装置と前記サーマルヘッドとを制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、連続的に繰り返される印加周期毎に、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子を選択的に発熱させるための印加処理を行うことにより、前記サーマルヘッドの副走査方向に前記搬送装置で搬送させている印字媒体に印字ドットを形成して印字を行う印字装置であって、各印加周期は、前記サーマルヘッドの副走査方向に連続した印字ドットを印字媒体に形成させるために、印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスの印加が前記サーマルヘッドのラインヘッドで開始される主加熱開始時点から次の主加熱開始時点までの一定時間とされ、前記制御装置は、単独印加では印字媒体を発色させられないが次の印加周期内で印加されるメインパルスによる主加熱を補うことによって印字媒体を発色させられる補助加熱となるサブパルスの印加を、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で、次の印加周期で印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスが印加される第1発熱素子に隣接する第2発熱素子毎に以下(1)の制約、(1)印字媒体を発色させない現在の印加周期の直後においても印字媒体を発色させない次の印加周期が続く場合にのみ、印字媒体を発色させない現在の印加周期内でサブパルスを印加すること、の下で実行することを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載する印字装置であって、前記制御装置は、単独印加では印字媒体を発色させられないが次の印加周期内で印加されるメインパルスによる主加熱を補うことによって印字媒体を発色させられる補助加熱となるサブパルスの印加を、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子毎に以下(2)の制約、(2)印字媒体を発色させない現在の印加周期の直後において印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスが印加される次の印加周期が続く場合に、印字媒体を発色させない現在の印加周期内でサブパルスを印加すること、の下で実行することを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、複数の発熱素子が直線的に並んだラインヘッドを設けたサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドのラインヘッドとは直交関係にある副走査方向に印字媒体を搬送する搬送装置と、前記搬送装置と前記サーマルヘッドとを制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、連続的に繰り返される印加周期毎に、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子を選択的に発熱させるための印加処理を行うことにより、前記サーマルヘッドの副走査方向に前記搬送装置で搬送させている印字媒体に印字ドットを形成して印字を行う印字装置であって、各印加周期は、前記サーマルヘッドの副走査方向に連続した印字ドットを印字媒体に形成させるために、印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスの印加が前記サーマルヘッドのラインヘッドで開始される主加熱開始時点から次の主加熱開始時点までの一定時間とされ、前記制御装置は、単独印加では印字媒体を発色させられないが次の印加周期内で印加されるメインパルスによる主加熱を補うことによって印字媒体を発色させられる補助加熱となるサブパルスの印加を、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で、次の印加周期で印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスが印加される第1発熱素子に隣接する第2発熱素子毎に以下(1)(1’)の制約、(1)印字媒体を発色させない現在の印加周期の直後においても印字媒体を発色させない次の印加周期が続く場合に、印字媒体を発色させない現在の印加周期内でサブパルスを印加するが、(1’)次の印加周期で印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスが印加される2個の第1発熱素子と両側から隣接する第2発熱素子については、前記(1)の制約から除外され、印字媒体を発色させない現在の印加周期の直後においても印字媒体を発色させない次の印加周期が続く場合でも、印字媒体を発色させない現在の印加周期内でサブパルスを印加することを実行しないこと、の下で実行することを特徴とする。
また、請求項4に係る発明の印字装置は、複数の発熱素子が直線的に並んだラインヘッドを設けたサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドのラインヘッドとは直交関係にある副走査方向に印字媒体を搬送する搬送装置と、前記搬送装置と前記サーマルヘッドとを制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、連続的に繰り返される印加周期毎に、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子を選択的に発熱させるための印加処理を行うことにより、前記サーマルヘッドの副走査方向に前記搬送装置で搬送させている印字媒体に印字ドットを形成して印字を行う印字装置であって、各印加周期は、前記サーマルヘッドの副走査方向に連続した印字ドットを印字媒体に形成させるために、印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスの印加が前記サーマルヘッドのラインヘッドで開始される主加熱開始時点から次の主加熱開始時点までの一定時間とされ、前記制御装置は、単独印加では印字媒体を発色させられないが次の印加周期内で印加されるメインパルスによる主加熱を補うことによって印字媒体を発色させられる補助加熱となるサブパルスの印加を、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で、次の印加周期で印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスが印加される第1発熱素子に隣接する第2発熱素子毎に以下(1)(1’)の制約、(1)印字媒体を発色させない現在の印加周期の直後においても印字媒体を発色させない次の印加周期が続く場合に、印字媒体を発色させない現在の印加周期内でサブパルスを印加するが、(1’)次の印加周期で印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスが印加される2個の第1発熱素子と両側から隣接する第2発熱素子については、前記(1)の制約から除外され、印字媒体を発色させない現在の印加周期の直後においても印字媒体を発色させない次の印加周期が続く場合でも、印字媒体を発色させない現在の印加周期内でサブパルスを印加しないこと、の下で実行し、さらに、前記制御装置は、単独印加では印字媒体を発色させられないが次の印加周期内で印加されるメインパルスによる主加熱を補うことによって印字媒体を発色させられる補助加熱となるサブパルスの印加を、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子毎に以下(2)の制約、(2)印字媒体を発色させない現在の印加周期の直後において印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスが印加される次の印加周期が続く場合、印字媒体を発色させない現在の印加周期内でサブパルスを印加すること、の下で実行する、ことを特徴とする。
すなわち、請求項1に係る発明の印字装置では、サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で、次の印加周期で印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスが印加される第1発熱素子に隣接する第2発熱素子毎に、印字媒体を発色させない現在の印加周期の直後においても印字媒体を発色させない次の印加周期が続く場合にのみ、次の印加周期内で印加されるメインパルスを補うためのサブパルスを現在の印加周期内で印加させており、その第2発熱素子に印加されたサブパルスによる補助加熱は、その第2発熱素子に隣接する第1発熱素子に対して、次の印加周期内で印加されるメインパルスによる主加熱を補うことから、印字媒体に孤立して形成された印字ドット又はサーマルヘッドの主走査方向で印字媒体に連続的に形成された印字ドットの端において、印加エネルギーの流出による所謂「印字カスレ」などの印字品質面で不具合を起こすことを防止する第1の効果を奏する。また、一つの発熱素子に対して印加されるメインパルスとサブパルスの双方が一つの印加周期内に一緒に存在することはないので、一定時間である印加周期の短縮が可能となる。さらに、一定時間である印加周期が短縮され、メインパルス又はサブパルスが印加されても、メインパルス及びサブパルスが印加されていない非加熱時間を十分に確保することができるので、印字が連続しても、印字品質に悪影響を与えるような蓄熱を防止できる。このようにして、サーマルヘッドに対して新たな通電補正がなされた熱履歴制御が行われることにより、高速印字が可能となる。さらに、各印加周期内での各パルス印加のタイミングを変更させるだけで、サーマルヘッドに対して新たな通電補正がなされた熱履歴制御が行われ、サーマルヘッドの改良が伴わないことから、コスト上昇を招くことはない。以上より、第2の効果を奏する。
また、請求項2に係る発明の印字装置では、請求項1に係る発明の印字装置に対し、サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子毎に、印字媒体を発色させない現在の印加周期の直後において印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスが印加される次の印加周期が続く場合に、次の印加周期内で印加されるメインパルスを補うためのサブパルスを現在の印加周期内で印加させており、このようにしても、上記の第2の効果を奏する。
また、請求項3に係る発明の印字装置では、サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で、次の印加周期で印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスが印加される第1発熱素子に隣接する第2発熱素子毎に、印字媒体を発色させない現在の印加周期の直後においても印字媒体を発色させない次の印加周期が続く場合に、次の印加周期内で印加されるメインパルスを補うためのサブパルスを現在の印加周期内で印加させており、その第2発熱素子に印加されたサブパルスによる補助加熱は、その第2発熱素子に隣接する第1発熱素子に対して、次の印加周期内で印加されるメインパルスによる主加熱を補うことから、印字媒体に孤立して形成された印字ドット又はサーマルヘッドの主走査方向で印字媒体に連続的に形成された印字ドットの端において、印加エネルギーの流出による所謂「印字カスレ」などの印字品質面で不具合を起こすことを防止する第1の効果を奏する。また、一つの発熱素子に対して印加されるメインパルスとサブパルスの双方が一つの印加周期内に一緒に存在することはないので、一定時間である印加周期の短縮が可能となる。さらに、一定時間である印加周期が短縮され、メインパルス又はサブパルスが印加されても、メインパルス及びサブパルスが印加されていない非加熱時間を十分に確保することができるので、印字が連続しても、印字品質に悪影響を与えるような蓄熱を防止できる。このようにして、サーマルヘッドに対して新たな通電補正がなされた熱履歴制御が行われることにより、高速印字が可能となる。さらに、各印加周期内での各パルス印加のタイミングを変更させるだけで、サーマルヘッドに対して新たな通電補正がなされた熱履歴制御が行われ、サーマルヘッドの改良が伴わないことから、コスト上昇を招くことはない。以上より、第2の効果を奏する。
但し、請求項3に係る発明の印字装置では、次の印加周期で印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスが印加される2個の第1発熱素子と両側から隣接する第2発熱素子については、その両側の2個の第1発熱素子から流出するメインパルスの印加エネルギーの一部がそれぞれ流入してくるため、その両側の2個の第1発熱素子から流出するメインパルスの印加エネルギーの流れを鈍くでき、もって、単独印加では印字媒体を発色させられないが次の印加周期内で印加されるメインパルスによる主加熱を補うことによって印字媒体を発色させられる補助加熱となるサブパルスの印加が省略できる。よって、そのような第2発熱素子については、印字媒体を発色させない現在の印加周期の直後においても印字媒体を発色させない次の印加周期が続く場合でも、次の印加周期内で印加されるメインパルスを補うためのサブパルスを現在の印加周期内で印加させなくても、サーマルヘッドの主走査方向で印字媒体に断続的に形成された各印字ドットにおいて、印加エネルギーの流出による所謂「印字カスレ」などの印字品質面で不具合を起こすことを防止できる。
また、請求項4に係る発明の印字装置では、サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で、次の印加周期で印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスが印加される第1発熱素子に隣接する第2発熱素子毎に、印字媒体を発色させない現在の印加周期の直後においても印字媒体を発色させない次の印加周期が続く場合に、次の印加周期内で印加されるメインパルスを補うためのサブパルスを現在の印加周期内で印加させており、その第2発熱素子に印加されたサブパルスによる補助加熱は、その第2発熱素子に隣接する第1発熱素子に対して、次の印加周期内で印加されるメインパルスによる主加熱を補うことから、印字媒体に孤立して形成された印字ドット又はサーマルヘッドの主走査方向で印字媒体に連続的に形成された印字ドットの端において、印加エネルギーの流出による所謂「印字カスレ」などの印字品質面で不具合を起こすことを防止する第1の効果を奏する。また、一つの発熱素子に対して印加されるメインパルスとサブパルスの双方が一つの印加周期内に一緒に存在することはないので、一定時間である印加周期の短縮が可能となる。さらに、一定時間である印加周期が短縮され、メインパルス又はサブパルスが印加されても、メインパルス及びサブパルスが印加されていない非加熱時間を十分に確保することができるので、印字が連続しても、印字品質に悪影響を与えるような蓄熱を防止できる。このようにして、サーマルヘッドに対して新たな通電補正がなされた熱履歴制御が行われることにより、高速印字が可能となる。さらに、各印加周期内での各パルス印加のタイミングを変更させるだけで、サーマルヘッドに対して新たな通電補正がなされた熱履歴制御が行われ、サーマルヘッドの改良が伴わないことから、コスト上昇を招くことはない。以上より、第2の効果を奏する。
但し、請求項4に係る発明の印字装置では、次の印加周期で印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスが印加される2個の第1発熱素子と両側から隣接する第2発熱素子については、その両側の2個の第1発熱素子から流出するメインパルスの印加エネルギーの一部がそれぞれ流入してくるため、その両側の2個の第1発熱素子から流出するメインパルスの印加エネルギーの流れを鈍くでき、もって、単独印加では印字媒体を発色させられないが次の印加周期内で印加されるメインパルスによる主加熱を補うことによって印字媒体を発色させられる補助加熱となるサブパルスの印加が省略できる。よって、そのような第2発熱素子については、印字媒体を発色させない現在の印加周期の直後においても印字媒体を発色させない次の印加周期が続く場合でも、次の印加周期内で印加されるメインパルスを補うためのサブパルスを現在の印加周期内で印加させなくても、サーマルヘッドの主走査方向で印字媒体に断続的に形成された各印字ドットにおいて、印加エネルギーの流出による所謂「印字カスレ」などの印字品質面で不具合を起こすことを防止できる。
これに加え、請求項4に係る発明の印字装置では、サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子毎に、印字媒体を発色させない現在の印加周期の直後において印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスが印加される次の印加周期が続く場合に、次の印加周期内で印加されるメインパルスを補うためのサブパルスを現在の印加周期内で印加させており、このようにしても、上記の第2の効果を奏する。
本発明の一実施形態のテープ印刷装置のサーマルヘッドを駆動制御するための制御プログラムを示したフローチャート図である。 同テープ印刷装置のサーマルヘッドを駆動制御する際に行われるサブパルス発生条件履歴制御の制御プログラムを示したフローチャート図である。 同テープ印刷装置のサーマルヘッドを駆動制御する際に行われるサブパルス発生条件主走査縦ドットの制御プログラムを示したフローチャート図である。 同テープ印刷装置の外観斜視図である。 同テープ印刷装置のカセット収納部周辺を示した上面図である。 同テープ印刷装置のサーマルヘッドを拡大して示した図である。 同テープ印刷装置の制御系を示すブロック図である。 条件(α)+(β)が現れた2ラインの印字例を表した図である。 条件(α)+(β)が現れた4ラインの印字例を表した図である。 条件(γ)+(β)が現れた2ラインの印字例を表した図である。 条件(γ)+(β)が現れた4ラインの印字例を表した図である。 同テープ印刷装置のサーマルヘッドにおいて、補助加熱が駆動される条件を示した説明図である。 同テープ印刷装置のサーマルヘッドにおいて、補助加熱が駆動される条件を示した説明図である。 同テープ印刷装置のサーマルヘッドにおいて、補助加熱が駆動される条件を示した説明図である。 同テープ印刷装置のサーマルヘッドにおいて、主加熱と補助加熱による熱履歴制御を、サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子に対する印加パルス制御の観点から説明した図である。 同テープ印刷装置のサーマルヘッドにおいて、主加熱と補助加熱による熱履歴制御を、サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子に対する印加パルス制御の観点から説明した図である。 同テープ印刷装置のサーマルヘッドにおいて、主加熱と補助加熱による熱履歴制御を、サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子に対する印加パルス制御の観点から説明した図である。 同テープ印刷装置のサーマルヘッドにおいて、主加熱と補助加熱による熱履歴制御を、サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子に対する印加パルス制御の観点から説明した図である。
[1.本発明の概要]
以下、本発明の実施の形態を図面を参照にして説明する。図6は、本発明の一実施形態に係るテープ印刷装置のサーマルヘッド41を拡大して示した図である。
図6に示すように、サーマルヘッド41は、複数(例えば、1024個や2048個)の発熱素子41Aを1列に列設させたラインヘッド41B等で構成される。発熱素子41Aが1列に並んだ方向が「サーマルヘッド41の主走査方向D1」である。これに対して、「サーマルヘッド41の主走査方向D1」に垂直な方向が「サーマルヘッド41の副走査方向D2」である。尚、符号42は、サーマルヘッド41が配設されたプレートである。
本実施形態では、サーマルヘッド41が駆動されて、ラインヘッド41Bによる1ライン毎の印字処理が行われる際には、ラインヘッド41Bを構成する複数の発熱素子41Aは、図12乃至図14に示すように、以下の(1)〜(3)のいずれかの駆動状態にされる。
(1)主加熱された第1発熱素子41C。
(2)補助加熱された第2発熱素子41D。
(3)駆動(主加熱も補助加熱も)されていない第3発熱素子41E。
尚、図12乃至図14では、横軸は時間を示し、縦軸は「サーマルヘッド41の主走査方向D1」を示す。従って、左から右に向かって時間が経過し、印字処理の1ライン分の一部が縦方向の1列で表されている。また、第2発熱素子41D上の楕円Sは補助加熱のイメージを示している。補助加熱のイメージSが右側の1ラインに隣接しているのは、補助加熱が次のライン分の印字処理が行われる直前でなされることを表している。これらの点は、後述する図8乃至図11でも同様である。
主加熱とは、印字媒体を発色させることができるエネルギーを与えることをいう。この点、本実施形態に係るテープ印刷装置では、後述するように、インクリボンを使用するので、主加熱が行われることによって第1発熱素子41Cの駆動状態になる発熱素子41Aには、インクリボン上のインクを溶融或いは昇華させることができるエネルギーが与えられる。
補助加熱とは、単独では印字媒体を発色させられないが主加熱と相俟って印字媒体を発色させることができるエネルギーを与えることをいう。この点、本実施の形態に係るテープ印刷装置では、後述するように、インクリボンを使用するので、補助加熱が行われることによって第2発熱素子41Dの駆動状態になる発熱素子41Aには、インクリボン上のインクを溶融或いは昇華させることができるエネルギーまでは与えられない。
そこで、補助加熱は、図12と図13で示されているような条件(α)+(β)を満たすものに限られる。すなわち、現在の1ラインの印字処理Q(N)で補助加熱が行われるものは、サーマルヘッド41のラインヘッド41Bを構成する各発熱素子41Aのうち、
(α) 次の1ラインの印字処理Q(N+1)で主加熱されて第1発熱素子41Cの駆動状態となるものに隣接し、次の1ラインの印字処理Q(N+1)でも現在の1ラインの印字処理Q(N)でも主加熱されていないもの。
(β) 次の1ラインの印字処理Q(N+1)で主加熱されて第1発熱素子41Cの駆動状態となるが、現在の1ラインの印字処理Q(N)では主加熱されていないもの。
図12の左側と図13の左側は、条件(α)を示した一例を示している。図12の右側と図13の右側は、条件(α)+(β)を示した一例を示している。
また、補助加熱は、図14で示されているような条件(γ)が課せられる。すなわち、現在の1ラインの印字処理Q(N)で補助加熱が行われるものは、上記(α)を満たすものであっても、
(γ) 次の1ラインの印字処理Q(N+1)で主加熱されて第1発熱素子41Cの駆動状態となるものに両側から隣接する(挟まれる)ものは、次の1ラインの印字処理Q(N+1)でも現在の1ラインの印字処理Q(N)でも主加熱されないものであれば、補助加熱が行われない。
図14の左側は、条件(γ)を示した一例を示している。図14の右側は、条件(β)+(γ)を示した一例を示している。図14の両側において、補助加熱のイメージSが点線で表したのは、条件(α)では補助加熱は印加されるが、条件(γ)によって補助加熱が印加されなくなることを示している。
図8は、条件(α)+(β)が現れた2ラインの印字例を表した図である。このケースでは、次の1ラインの印字処理Q(N+1)において、主加熱されて第1発熱素子41Cの駆動状態になるものが主走査方向に4個連続することによって、4個の印字ドットが縦に並んだ縦の印字線が所謂「印字カスレ」を起こすことなく印字媒体に形成される。この点、現在の1ラインの印字処理Q(N)で補助加熱されて第2発熱素子41Dの駆動状態になっているものの中で、上端と下端で第2発熱素子41Dの駆動状態になっているものの補助加熱は、次の1ラインの印字処理Q(N+1)で4個連続して第1発熱素子41Cの駆動状態になるものの両側から印加エネルギーが逃げていくことを防止する働きをしているとも言える。
図9は、条件(α)+(β)が現れた4ラインの印字例を表した図である。このケースでは、3つの1ラインの印字処理Q(N+1)(N+2)(N+3)において、主加熱されて第1発熱素子41Cの駆動状態になるものが副走査方向に3個連続することによって、3個の印字ドットが横に並んだ横の印字線が所謂「印字カスレ」を起こすことなく印字媒体に形成される。この点、1ラインの印字処理Q(N+2)で第2発熱素子41Dの駆動状態になっているものの補助加熱は、次の1ラインの印字処理Q(N+3)で第1発熱素子41Cの駆動状態になるものの両側から印加エネルギーが逃げていくことを防止する働きをしているとも言える。同様なことが、3つの1ラインの印字処理Q(N)(N+1)(N+2)においても言える。
図10は、条件(γ)+(β)が現れた2ラインの印字例を表した図である。このケースでは、次の1ラインの印字処理Q(N+1)において、主加熱されて第1発熱素子41Cの駆動状態になるものが主走査方向に3個連続することによって、さらに、主加熱されて第1発熱素子41Cの駆動状態になるものが主走査方向の両端に孤立することによって、3個の印字ドットが縦に並んだ縦の印字線とその印字線の両端にそれぞれ孤立した1個の印字ドットとが所謂「印字カスレ」を起こすことなく印字媒体に形成される。この点、次の1ラインの印字処理Q(N+1)で主加熱されて第1発熱素子41Cの駆動状態になっているものに両側から挟まれた第3発熱素子41Eについては、現在の1ラインの印字処理Q(N)では、条件(α)によれば補助加熱されて第2発熱素子41Dの駆動状態になるが、条件(γ)によれば駆動(補助加熱も主加熱も)されてない第3発熱素子41Eのままである。これは、その第3発熱素子41Eに対しては、次の1ラインの印字処理Q(N+1)で主加熱されて第1発熱素子41Cの駆動状態になっているものの両側の2個の第1発熱素子41Cから流出するメインパルスMPの印加エネルギーの一部がそれぞれ流入することが、その両側の2個の第1発熱素子41Cから流出するメインパルスMPの印加エネルギーの流れを鈍くする働きをするので、現在の1ラインの印字処理Q(N)において、補助加熱となるサブパルスSPの印加が省略できたとも言える。
図11は、条件(γ)+(β)が現れた4ラインの印字例を表した図である。このケースでは、4つの1ラインの印字処理Q(N)(N+1)(N+2)(N+3)において、主加熱されて第1発熱素子41Cの駆動状態になるものが副走査方向に4個連続することによって、4個の印字ドットが横に並んだ横の印字線が所謂「印字カスレ」を起こすことなく印字媒体に形成される。さらに、2つの1ラインの印字処理Q(N+2)(N+3)において、主加熱されて第1発熱素子41Cの駆動状態になるものが主走査方向に上端又は下端で孤立することによって、2個の孤立印字ドットが所謂「印字カスレ」を起こすことなく印字媒体に形成される。この点、1ラインの印字処理Q(N+3)で主加熱されて第1発熱素子41Cの駆動状態になっているものに両側から挟まれた第3発熱素子41Eについては、前の1ラインの印字処理Q(N+2)では、条件(α)によれば補助加熱されて第2発熱素子41Dの駆動状態になるが、条件(γ)によれば駆動(補助加熱も主加熱も)されてない第3発熱素子41Eのままである。これは、その第3発熱素子41Eに対しては、次の1ラインの印字処理Q(N+3)で主加熱されて第1発熱素子41Cの駆動状態になっているものの両側の2個の第1発熱素子41Cから流出するメインパルスMPの印加エネルギーの一部がそれぞれ流入することが、その両側の2個の第1発熱素子41Cから流出するメインパルスMPの印加エネルギーの流れを鈍くする働きをするので、前の1ラインの印字処理Q(N+2)において、補助加熱となるサブパルスSPの印加が省略できたとも言える。同様なことが、2つの1ラインの印字処理Q(N+1)(N+2)においても言える。
このような主加熱と補助加熱による熱履歴制御(サーマルヘッド41の駆動制御)を、サーマルヘッド41のラインヘッド41Bを構成する各発熱素子41Aに対する印加パルス制御の観点から図15と図16を用いて説明する。図15と図16でも、横軸は時間を示し、縦軸は印加パルスの電圧値又は電流値を示す。この点、左から右に向かって時間が経過し、印加パルスはロウ・アクティブで表示される。
サーマルヘッド41のラインヘッド41Bを構成する各発熱素子41Aのうち、図15や図16の上段で示すように、現在の1ラインの印字処理Q(N)でも次の1ラインの印字処理Q(N+1)でも主加熱されて第1発熱素子41Cの駆動状態にある発熱素子41Aに対しては、現在の1ラインの印字処理Q(N)でもメインパルスMPが印加され、次の1ラインの印字処理Q(N+1)でもメインパルスMPが印加される。つまり、メインパルスMPは、発熱素子41Aに対して印加されることによって主加熱を行うものであり、その発熱素子41Aに印字媒体を発色させることができるエネルギーを与えることによって、その発熱素子41Aを第1発熱素子41Cの駆動状態にさせる。
ここで、図15や図16の上段で示すように、一つの発熱素子41Aにおいて、現在の1ラインの印字処理Q(N)でメインパルスMPの印加が開始された主加熱開始時点ms0から次の1ラインの印字処理Q(N+1)でメインパルスMPが印加が開始された主加熱開始時点ms1までの間の時間を印加周期Fと定義する。印加周期Fは、一定時間とし、且つ、各1ラインの印字処理…,Q(N),Q(N+1),…の時間と一致し、印字中は、連続して繰り返される。
一方、サーマルヘッド41のラインヘッド41Bを構成する各発熱素子41Aのうち、図15の下段で示すように、現在の1ラインの印字処理Q(N)で補助加熱されて第2発熱素子41Dの駆動状態にあり、次の1ラインの印字処理Q(N+1)では主加熱されて第1発熱素子41Cの駆動状態にある発熱素子41Aに対しては、すなわち、上記の条件(β)を満たした発熱素子41Aに対しては、現在の1ラインの印字処理Q(N)ではサブパルスSPが印加され、次の1ラインの印字処理Q(N+1)ではメインパルスMPが印加される。このサブパルスSPは、発熱素子41Aに対して印加されることによって補助加熱を行うものであり、単独では印字媒体を発色させられないが、次の1ラインの印字処理Q(N+1)(すなわち、次の印加周期F)でのメインパルスMPの印加による主加熱と相俟って印字媒体を発色させることができるエネルギーをその発熱素子41Aに与えることによって、その発熱素子41Aを第2発熱素子41Dの駆動状態にさせる。
ここで、サブパルスSPについては、その印加が終了される補助加熱終了時点が現在の印加周期Fの終了時点(すなわち、次の印加周期Fの開始時点)と一致される。図15の下段に示された例では、現在の1ラインの印字処理Q(N)でサブパルスSPの印加が終了される補助加熱終了時点se0は、現在の1ラインの印字処理Q(N)に相当する印加周期Fの終了時点(すなわち、次の印加周期Fの開始時点)と一致する。尚、上述した印加周期Fの定義より、現在の1ラインの印字処理Q(N)でサブパルスSPの印加が終了される補助加熱終了時点se0は、次の1ラインの印字処理Q(N+1)でメインパルスMPの印加が開始される主加熱開始時点ms1に一致する。
尚、図15の下段に示された例では、説明の便宜上、サブパルスSPとメインパルスMPとが連続しているものの、サブパルスSPとメインパルスMPとの間が一瞬的に非駆動様態になっている。しかしながら、サブパルスSPとメインパルスMPとが連続している場合は、ロウ・アクティブの状態を維持したままで、サブパルスSPの駆動状態からメインパルスMPの駆動状態に移行する。この点は、後述する図17や図18でも同様である。
また、サーマルヘッド41のラインヘッド41Bを構成する各発熱素子41Aのうち、図16の下段で示すように、次の1ラインの印字処理Q(N+1)で主加熱されて第1発熱素子41Cの駆動状態となるものに隣接し、次の1ラインの印字処理Q(N+1)でも現在の1ラインの印字処理Q(N)でも主加熱されていないものに対しては、すなわち、上記の条件(α)を満たした発熱素子41Aに対しては、現在の1ラインの印字処理Q(N)ではサブパルスSPが印加され、次の1ラインの印字処理Q(N+1)ではメインパルスMPもサブパルスSPも印加されない。このサブパルスSPは、当該発熱素子41Aに対して印加されることによって補助加熱を行うものであり、単独では印字媒体を発色させられないが、当該発熱素子41Aに隣接する発熱素子41Aに対して次の1ラインの印字処理Q(N+1)(すなわち、次の印加周期F)で印加されるメインパルスMPによる主加熱と相俟って印字媒体を発色させることができるエネルギーを当該発熱素子41Aに与えることによって、当該発熱素子41Aを第2発熱素子41Dに駆動状態させる。
つまり、本実施の形態で行われるサーマルヘッド41の駆動制御の決まりを印加パルス制御の観点からまとめると、以下(A)〜(H)となる。
(A)印加周期Fは、具体的に言えば、一つの発熱素子41Aに対し、現在の1ラインの印字処理Q(N)でメインパルスMPの印加が開始された主加熱開始時点ms0から次の1ラインの印字処理Q(N+1)でメインパルスMPが印加が開始された主加熱開始時点ms1までの間の一定時間である。
(B)印加周期Fは、印字中は、連続して繰り返される。
(C)メインパルスMPの印加が開始される主加熱開始時点は、常に、印加周期Fの開始時点と一致する。
(D)サブパルスSPの印加が終了される補助加熱終了時点は、印加周期Fの終了時点と一致する。
(E)現在の印加周期Fで印加されるサブパルスSPと次の印加周期Fで印加されるメインパルスMPは連続する。
(F)一つの発熱素子41Aに着目すれば、一つの印加周期F内に、メインパルスMPとサブパルスSPが一緒に存在しない。
(G)一つの印加周期F内に着目すれば、ある発熱素子41Aに印加されるメインパルスMPと別の発熱素子41Aに印加されるサブパルスMPとが一緒に存在することはあり得る。
(H)一つの発熱素子41Aに着目すれば、次の印加周期FでメインパルスMPが印加されない場合でも、現在の印加周期FでサブパルスSPが印加されることがある。
さらに、本実施の形態で行われるサーマルヘッド41の駆動制御では、サーマルヘッド41のラインヘッド41Bを構成する各発熱素子41A毎に、メインパルスMPの印加パルス幅WMやサブパルスSPの印加パルス幅WSを変化させることができる。その変化処理は、その変化が行われる印加周期F内でメインパルスMPが印加される予定の発熱素子41A(すなわち、第1発熱素子41C)の総数nや、その変化が行われる印加周期F内でのサーマルヘッド41の温度・電圧等の環境データ等に基づいて行われるが、それらに基づくことなく行ってもよい。
尚、各印加周期F内において、メインパルスMPの印加パルス幅WMやサブパルスSPの印加パルス幅WSが存在しない時間帯は、発熱素子41Aを冷却させるための非加熱時間Gとして使用される。
図15では、現在の1ラインの印字処理Q(N)に相当する印加周期Fにおいて、図15の上段に示されたメインパルスMPの印加が終了された主加熱終了時点me0と、図15の下段に示されたサブパルスSPの印加が開始された補助加熱開始時点ss0とが一致している。しかしながら、本実施の形態で行われるサーマルヘッド41の駆動制御では、上述したように、メインパルスMPの印加パルス幅WMやサブパルスSPの印加パルス幅WSを変化させることができる。すなわち、図17に示された例で言えば、図17の上段に示されたメインパルスMPの印加が終了される主加熱終了時点me0や、図17の下段に示されたサブパルスSPの印加が開始される補助加熱開始時点ss0を変えることができる。
よって、図17に示すように、図17の下段に示されたサブパルスSPの印加が開始された補助加熱開始時点ss0が、図17の上段に示されたメインパルスMPの印加が終了された主加熱終了時点me0よりも先になって、メインパルスMPの印加パルス幅WMとサブパルスSPの印加パルス幅WSとが重なる重複時間帯MSが存在することがある。
逆に、図18に示すように、図18の下段に示されたサブパルスSPの印加が開始された補助加熱開始時点ss0が、図18の上段に示されたメインパルスMPの印加が終了された主加熱終了時点me0よりも後になって、メインパルスMPの印加パルス幅WMとサブパルスSPの印加パルス幅WSとが離れる離間時間帯SMが存在することがある。
[2.本発明の外部構成]
次に、本実施形態に係るテープ印刷装置1の概略構成について、図4及び図5を参照しつつ説明する。図4は、テープ印刷装置1の外観斜視図である。図5は、テープ印刷装置1のカセット収納部周辺を示した上面図である。
図4に示すように、テープ印刷装置1は、筐体内部に内蔵されたテープカセット5(図5参照)から排出されるテープに対して印刷を行う印刷装置であり、筐体上面にキーボード3と液晶ディスプレイ4を有している。また、同じく筐体上面には平面視矩形状のテープカセット5を収納するカセット収納部8(図5参照)が収納カバー9で覆われて配設されている。また、このキーボード3の下側には、制御回路部が構成される制御基板(図示せず)が配設されている。また、カセット収納部8の左側面部には、印字されたテープが排出されるテープ排出口10が形成されている。また、テープ印刷装置1の右側面部には、接続インターフェイス(図示せず)が配設されている。この接続インターフェースは、外部機器(例えば、パーソナルコンピュータ等)と有線または無線接続をする際に用いられる。従って、テープ印刷装置1は、外部機器から送信された印字データを印刷することも可能である。
ここで、キーボード3は、文字入力キー3A、印刷キー3B、カーソルキー3C、電源キー3D、設定キー3E、リターンキー3R等の複数種類の入力キーを備えている。文字入力キー3Aは、文書データからなるテキストを作成する際の文字入力に用いられる。印刷キー3Bは、作成されたテキスト等からなる印字データの印刷実行を指令する際に用いられる。そして、カーソルキー3Cは、液晶ディスプレイ4上に表示されるカーソルを、上下左右に移動する際に用いられる。また、電源キー3Dは装置本体の電源をON又はOFFする際に用いられる。また、設定キー3Eはテープ印刷装置1の各種設定(印刷密度の設定など)を行う際に用いられる。また、リターンキー3Rは、改行指令や各種処理の実行、選択決定を指令する際に用いられる。
一方、液晶ディスプレイ4は、文字等のキャラクタを複数行に渡って表示する表示装置であり、キーボード3によって作成される印字データ等を表示しうる。
そして、図5に示すように、テープ印刷装置1は、内部のカセット収納部8に対してテープカセット5を装着可能に構成されている。更に、テープ印刷装置1の内部には、テープ駆動印刷機構16及びカッター17を含むテープ切断機構が配設されている。テープ印刷装置1は、テープ駆動印刷機構16により、テープカセット5から引き出されたテープに対して、所望の印字データに基づく印刷を施すことができる。そして、テープ印刷装置1は、テープ切断機構のカッター17により、印刷されたテープを切断することができる。切断されたテープは、テープ印刷装置1の左側側面に形成されたテープ排出口10から排出される。
そして、テープ印刷装置1の内部には、カセット収納部フレーム18が配設されている。図5に示すように、このカセット収納部フレーム18には、テープカセット5が着脱自在に装着される。
テープカセット5は、その内部に、テープスプール32、リボン供給スプール34、巻取スプール35、基材供給スプール37、接合ローラ39を備えており、夫々回転自在に軸支されている。テープスプール32には、表層テープ31(「印字媒体」に相当するもの)が巻回されている。表層テープ31は、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等からなる透明なテープである。そして、リボン供給スプール34には、インクリボン33が巻回されている。このインクリボン33には、インク加熱により溶融或いは昇華するインクが塗布され、インク層を形成している。巻取スプール35は、印刷に使用されたインクリボン33を巻き取る。そして、基材供給スプール37には、二重テープ36が巻回されている。この二重テープ36は、表層テープ31と同一幅で両面に接着剤層を有する両面接着テープの片面に対して、剥離テープを貼り合わせて構成されている。また、当該二重テープ36は、剥離テープが外側に位置するように、基材供給スプール37に巻回されている。そして、接合ローラ39は、二重テープ36と表層テープ31とを重ねて接合させる際に用いられる。
図5に示すように、カセット収納部フレーム18には、アーム20が、軸20Aを中心として揺動可能に配設されている。アーム20の先端には、プラテンローラ21、搬送ローラ22が回動可能に軸支されている。プラテンローラ21、搬送ローラ22は、何れもゴム等の可撓性部材を表面に有している。
アーム20が最も時計回りに揺動すると、プラテンローラ21は、表層テープ31及びインクリボン33を、後述するサーマルヘッド41に対して圧接する。また、この時、搬送ローラ22は、表層テープ31及び二重テープ36を、接合ローラ39に対して圧接する。
また、カセット収納部フレーム18には、プレート42が立設されている。このプレート42のプラテンローラ21側側面には、サーマルヘッド41が配設されている。サーマルヘッド41は、図6に示すように表層テープ31及び二重テープ36の幅方向と同方向に、複数(例えば、1024個や2048個)の発熱素子41Aを1列に列設させたラインヘッド41B等で構成される。
すなわち、発熱素子41Aが1列に並んだ方向が「サーマルヘッド41の主走査方向D1」である。これに対して、「サーマルヘッド41の副走査方向D2」は、サーマルヘッド41上を表層テープ31及びインクリボン33が移動する方向と一致する。
図5に戻り、テープカセット5が所定位置に装着されると、プレート42は、テープカセット5の凹部43に嵌め込まれる。
また、図5に示すように、カセット収納部フレーム18には、リボン巻取ローラ46、接合駆動用ローラ47が立設されている。テープカセット5が所定位置に装着されると、リボン巻取ローラ46は、テープカセット5の巻取スプール35内に挿入される。同様に、接合駆動用ローラ47は、テープカセット5の接合ローラ39内に挿入される。
また、カセット収納部フレーム18には、テープ搬送モータ2(後述する図7参照)が配設されている。テープ搬送モータ2による駆動力は、カセット収納部フレーム18に沿って配設されたギア列を介して、プラテンローラ21、搬送ローラ22、リボン巻取ローラ46及び接合駆動用ローラ47等に夫々伝達される。
従って、テープ搬送モータ2に対する電力供給により、テープ搬送モータ2の出力軸の回転が開始されると、巻取スプール35、接合ローラ39、プラテンローラ21、搬送ローラ22も連動して回転を開始する。これにより、テープカセット5内の表層テープ31、インクリボン33、二重テープ36は、テープスプール32、リボン供給スプール34、基材供給スプール37からそれぞれ巻き解かれ、下流方向(テープ排出口10、巻取スプール35方向)へと搬送される。
その後、表層テープ31及びインクリボン33は、互いに重ね合わされてからプラテンローラ21とサーマルヘッド41との間を通過する。従って、当該テープ印刷装置1において、表層テープ31、インクリボン33は、プラテンローラ21とサーマルヘッド41とによって挟まれた状態で搬送される。この時、サーマルヘッド41に配列された多数の発熱素子41Aは、制御部60(図7参照)によって、印字データ及び後述する制御プログラムに基づいて選択的かつ間欠的に通電(パルス印加)される。
ここで、各発熱素子41Aは、通電により発熱し、インクリボン33に塗布されているインクを溶融或いは昇華させるので、インクリボン33に形成されたインク層のインクは、表層テープ31にドット単位(「印字ドット」に相当するもの)で転写される。この結果、表層テープ31には、印字データに基づくユーザ所望のドット画像が鏡像で形成される。
その後、インクリボン33は、サーマルヘッド41を通過すると、リボン巻取ローラ15によって巻き取られる。一方、表層テープ31は、二重テープ36と重ねられ、搬送ローラ22と接合ローラ39との間を通過する。この時、表層テープ31と二重テープ36は、搬送ローラ22、接合ローラ39により圧接され、積層テープ38となる。ここで、当該積層テープ38は、ドット印刷済みの表層テープ31の印刷面側が二重テープ36と強固に重ね合わされる。従って、ユーザは、表層テープ31の印刷面の裏面側(即ち、積層テープ38の表面側)から印刷画像の正像を視認可能である。
その後、積層テープ38は、搬送ローラ22の更に下流に搬送され、カッター17を含むテープ切断機構に到達する。テープ切断機構は、カッター17と、切断用モータ72(図7参照)により構成されている。そして、カッター17は、固定刃17Aと、回動刃17Bを備えており、固定刃17Aに対して回動刃17Bを回動させることで切断対象物を剪断する鋏形式のカッターである。そして、回動刃17Bは、切断用モータ72によって支点を中心に往復揺動可能に配設されている。従って、切断用モータ72の駆動により、積層テープ38は、固定刃17A、回動刃17Bに剪断される。
切断された積層テープ38は、テープ排出口10を介して、テープ印刷装置1の外部へ排出される。そして、当該積層テープ38は、二重テープ36の剥離紙を剥がし、接着剤層を露出させれば、任意の場所に貼り付けることが可能な粘着ラベルとして使用可能である。尚、サーマルヘッド41による熱転写の構成の詳細については後述する。
[3.本発明の内部構成]
次に、テープ印刷装置1の制御構成について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図7は、テープ印刷装置1の制御系を示すブロック図である。
テープ印刷装置1内には、制御基板(図示せず)が配設されており、この制御基板上には、制御部60、タイマ67、ヘッド駆動回路68、切断用モータ駆動回路69、搬送モータ駆動回路70が配設されている。
そして、制御部60は、CPU61、CG−ROM62、EEPROM63、ROM64、RAM66により構成されている。また、当該制御部60は、タイマ67、ヘッド駆動回路68、切断用モータ駆動回路69、搬送モータ駆動回路70と接続されている。更に、制御部60は、液晶ディスプレイ4、カセットセンサ7、サーミスタ73、キーボード3、接続インターフェース71にも接続されている。
CPU61は、テープ印刷装置1における各種制御の中枢を担う中央演算処理装置である。従って、このCPU61は、キーボード3等からの入力信号及び後述する各種制御プログラム等に基づいて、液晶ディスプレイ4等の各周辺装置を制御する。
CG−ROM62は、印刷される文字や記号の画像データをコードデータと対応させてドットパターンで記憶するキャラクタージェネレータ用メモリである。また、EEPROM63は、記憶内容の書込・消去ができる不揮発性メモリであり、当該テープ印刷装置1におけるユーザ設定等を示すデータを格納している。
そして、ROM64には、テープ印刷装置1における各種制御プログラムやデータが格納されている。従って、後述する制御プログラムは、このROM64に格納されている。
また、RAM66は、CPU61での演算結果等を一時的に格納する記憶装置である。このRAM66には、キーボード3の入力により生成された印字データや、外部機器78から接続インターフェース71を介して取り込まれた印字データも格納される。
そして、タイマ67は、テープ印刷装置1の制御を実行する際に所定期間の経過を計時する計時装置である。具体的には、タイマ67は、後述する制御プログラムにおいて、サーマルヘッド41の発熱素子41Aに対する通電(パルス印加)等の開始・終了を判断する際に参照される。また、サーミスタ73はサーマルヘッド41の温度を検出する為のセンサであり、サーマルヘッド41に取り付けられている。
ヘッド駆動回路68は、CPU61からの制御信号に基づいて、後述する制御プログラムに基づいて、サーマルヘッド41に駆動信号を供給し、サーマルヘッド41の駆動状態を制御する回路である。この時、ヘッド駆動回路68は、発熱素子41A毎に対応付けられたストローブ番号に関連付けられた信号(ストローブ(STB)信号)に基づいて、各発熱素子41Aの通電(パルス印加)の有無を制御することで、サーマルヘッド41全体の発熱態様を制御する。そして、切断用モータ駆動回路69は、CPU61からの制御信号に基づいて切断用モータ72に駆動信号を供給し、切断用モータ72の駆動制御を行う回路である。また、搬送モータ駆動回路70は、CPU61からの制御信号に基づいてテープ搬送モータ2に駆動信号を供給し、テープ搬送モータ2の駆動制御を行う制御回路である。これにより、「搬送装置」が構成される。
[4−1.本発明の第1動作]
次に、テープ印刷装置1のサーマルヘッド41の駆動制御について説明する。図1は、テープ印刷装置1のサーマルヘッド41を駆動制御するための制御プログラムを示したフローチャート図である。尚、図1のフローチャートで示された制御プログラムは、ROM64等に記憶されており、CPU61により実行される。
図1に示すように、サーマルヘッド41の駆動制御では、先ず、S201において、CPU61は、RAM66から印字データの先読みを行い、「サーマルヘッド印字列データ」を作成する。このとき、CPU61は、補助加熱条件に適合するドットを確認しながら、「サーマルヘッド印字列データ」を作成する。その後は、CPU61は、S202に進む。
S202では、CPU61は、サブパルス発生条件履歴制御を行う。この処理では、CPU61は、上記(β)の条件によってサブパルスSPを印加するか否かを特定する2次元印加データを生成する。尚、サブパルス発生条件履歴制御の詳細は後述する。その後、CPU61は、S203に進む。
S203では、CPU61は、サブパルス発生条件主走査縦ドットを行う。この処理では、CPU61は、上記(γ)の条件によってサブパルスSPを印加するか否かを特定する2次元印加データを生成する。尚、サブパルス発生条件主走査縦ドットの詳細は後述する。その後、CPU61は、S204に進む。
S204では、CPU61は、サブパルスSPの開始タイミングであるか、又は、パルス休止時間が無いか否かを判断する。この判断は、タイマ67等を使用して行われる。すなわち、サブパルスSPの印加が開始される「補助加熱開始時点ss」であるか否か等が判断される。ここで、サブパルスSPの開始タイミングでない場合、且つ、パルス休止時間が有る場合には(S204:NO)、CPU61は、S204に戻ることによって、サブパルスSPの開始タイミングが到来するまで、又は、パルス休止時間が無くなるまで待機する。一方、サブパルスSPの開始タイミングである場合、又は、パルス休止時間が無い場合には(S204:YES)、CPU61はS205に進む。
S205では、CPU61は、サブパルスSPの印加を開始する。すなわち、CPU61は、ヘッド駆動回路68に対して、この時点で転送されているサブパルスデータをラッチさせ、補助加熱対象の発熱素子41AにサブパルスSPを印加させて第2発熱素子41Dの駆動状態にする。その後は、CPU61はS206に進む。
S206では、CPU61は、印加周期Fの開始時点又は終了時点であるか否かを判断する。この判断は、タイマ67等を使用して行われる。すなわち、サブパルスSPの印加が終了される「補助加熱終了時点se」又はメインパルスMPの印加が開始される「主加熱開始時点ms」であるか否かが判断される。ここで、印加周期Fの開始時点及び終了時点でない場合には(S206:NO)、CPU61はS207に進む。
S207では、CPU61は、この時点での転送対象であるメインパルスデータをヘッド駆動回路68に対して1回に限り転送する。その後は、CPU61はS206に戻る。一方、そのS206において、印加周期Fの開始時点又は終了時点である場合には(S206:YES)、CPU61はS208に進む。
S208では、CPU61は、サーミスタ73でサーマルヘッド41の温度を検出し、その検出温度Zに基づいて「温度情報」を決定する。その後、CPU61はS209に進む。
S209では、CPU61は、1ライン分の発熱ドット数(すなわち、この印加周期Fでのサーマルヘッド41のラインヘッド41Bにおける主加熱対象の発熱素子41Aの総数n)をカウントし、「縦ドットランク」を決定する。その後、CPU61はS210に進む。
S210では、CPU61は、メインパルスMPの印加を開始する。すなわち、CPU61は、ヘッド駆動回路68に対して、上記S207で転送されたメインパルスデータをラッチさせ、主加熱対象の発熱素子41AにメインパルスMPを印加させて第1発熱素子41Cの駆動状態にする。このときの駆動状態について、CPU61は、ヘッド駆動回路68に対して、上記S208の「温度情報」や上記S209の「縦ドットランク」から決定したメインパルスMPの印加パルス幅WMを反映させる。その後は、CPU61はS211に進む。
S211では、CPU61は、メインパルスMPとサブパルスSPとが重なる否かを判断する。この判断は、メインパルスMPの印加が終了される「主加熱終了時点me」とサブパルスSPの印加が開始される「補助加熱開始時点ss」とを比較して行われる。ここで、メインパルスMPとサブパルスSPとが重ならない場合には(S211:NO)、後述するS215に進む。一方、メインパルスMPとサブパルスSPとが重なる場合には(S211:YES)、CPU61はS212に進む。
S212では、CPU61は、サブパルスSPの開始タイミングであるか否かを判断する。この判断は、タイマ67等を使用して行われる。すなわち、サブパルスSPの印加が開始される「補助加熱開始時点ss」であるか否かが判断される。ここで、サブパルスSPの開始タイミングでない場合には(S212:NO)、CPU61はS213に進む。
S213では、CPU61は、メインパルスMPとサブパルスSPとの「ORデータ」(この時点での転送対象)をヘッド駆動回路68に対して1回に限り転送する。その後は、CPU61はS212に戻る。一方、そのS212において、サブパルスSPの開始タイミングである場合には(S212:YES)、CPU61はS214に進む。
S214では、CPU61は、ヘッド駆動回路68に対して、メインパルスMPとサブパルスSPとの「ORデータ」をラッチさせる。その後は、CPU61はS215に進む。
S215では、CPU61は、メインパルスMPの印加終了時間であるか否かを判断する。この判断は、タイマ67等を使用して行われる。すなわち、メインパルスMPの印加が終了される「主加熱終了時点me」であるか否かが判断される。ここで、メインパルスMPの印加終了時間でない場合には(S215:NO)、メインパルスMPの印加終了時間になるまで1回に限り、CPU61は以下のS216乃至S218を行う。
S216では、CPU61は、RAM66から印字データの先読みを行い、サブパルスデータを確認する。その後は、CPU61はS217に進む。
S217では、CPU61は、サブパルス発生条件履歴制御を行う。この処理では、CPU61は、上記(β)の条件によってサブパルスSPを印加するか否かを特定する印加データを生成する。尚、サブパルス発生条件履歴制御の詳細は後述する。その後、CPU61は、S218に進む。
S218では、CPU61は、サブパルス発生条件主走査縦ドットを行う。この処理では、CPU61は、上記(γ)の条件によってサブパルスSPを印加するか否かを特定する印加データを生成する。尚、サブパルス発生条件主走査縦ドットの詳細は後述する。その後、CPU61は、S215に戻る。
そのS215において、メインパルスMPの印加終了時間である場合には(S215:YES)、CPU61はS219に進む。S219では、CPU61は、メインパルスMPの印加を終了する。つまり、CPU61は、ヘッド駆動回路68に対して、主加熱対象の発熱素子41Aに対するメインパルスMPの印加を終了させる。その後、CPU61はS220に進む。
S220では、CPU61は、印字が終了したか否かを判断する。ここで、印字が終了しない場合には(S220:NO)、CPU61は、S221に進む。S211では、CPU61は、ヘッド駆動回路68に対して、上記S216で確認されたサブパルスデータをラッチさせる。その後は、CPU61は、S222に進む。S222では、CPU61は、メインパルスデータとサブパルスデータの準備を行う。その後は、CPU61は、S204に戻って、S204以降の処理を繰り返す。
一方、上記S220において、印字が終了した場合には(S220:YES)、CPU61は、このプログラムを終了させる。
[4−2.本発明の第2動作]
次に、上記S202,S217のサブパルス発生条件履歴制御について説明する。図2は、テープ印刷装置1のサーマルヘッド41を駆動制御する際に行われるサブパルス発生条件履歴制御の制御プログラムを示したフローチャート図である。尚、図2のフローチャートで示された制御プログラムは、ROM64等に記憶されており、CPU61により実行される。
ここでは、サーマルヘッド41のラインヘッド41Bを構成する各発熱素子41Aについて、補助加熱を行うか否か、すなわち、サブパルスSPを印加するか否かを特定する2次元印加データを生成する。2次元印加データはq(ライン)×p(個)の配列で構成される。すなわち、2次元印加データには、p個の発熱素子41Aで構成されるラインヘッド41Bによる1ライン毎のサブパルス印加処理が、qライン分含まれている。また、2次元印加データを生成する際には、q(個)×p(個)の2次元印字データが使用される。
そこで、2次元印加データをsub_data(x,y)で表す一方、2次元印字データをdata(x,y)で表し、両者を区別する。
2次元印加データのsub_data(x,y)では、「0」はサブパルスSPが印加されないことを表し、「1」はサブパルスSPが印加されることを表す。
2次元印字データのdata(x,y)では、「0」は印字されないことを表し、「1」は印字されることを表す。「1」は、印字されることを表すので、メインパルスMPが印加されることも表している。尚、印刷前の余白データを示すdata(0,1)〜data(0,p)の全てには「0」が代入されており、印字されないことを示している。
サブパルス発生条件履歴制御では、先ず、S251において、CPU61は、2次元印加データのsub_data(x,y)に「0」をそれぞれ代入してクリアする。その後は、CPU61はS252に進む。S252では、CPU61は、変数aに「1」を代入し、変数bに「1」を代入する。その後は、CPU61はS253に進む。
S253では、2次元印字データのdata(a,b)が「1」であるか否かを判断する。ここで、2次元印字データのdata(a,b)が「1」でない場合には(S253:NO)、CPU61は、後述するS256に進む。一方、2次元印字データのdata(a,b)が「1」である場合には(S253:YES)、CPU61はS254に進む。
S254では、2次元印字データのdata(a−1,b)が「0」であるか否かを判断する。ここで、2次元印字データのdata(a−1,b)が「0」でない場合には(S254:NO)、CPU61は、後述するS256に進む。一方、2次元印字データのdata(a−1,b)が「0」である場合には(S254:YES)、CPU61はS255に進む。
S255では、CPU61は、2次元印加データのsub_data(a−1,b)に「1」を代入する。その後は、CPU61はS256に進む。S256では、CPU61は、変数bをインクリメントする。その後は、CPU61はS257に進む。
S257では、CPU61は、変数bが「p」以上であるか否かを判断する。ここで、変数bが「p」以上でない場合には(S257:NO)、S253に戻って、S253以降の処理を繰り返す。一方、変数bが「p」以上である場合には(S257:YES)、CPU61はS258に進む。
S258では、CPU61は、変数aをインクリメントする。その後は、CPU61はS259に進む。S259では、CPU61は、変数aが「q」以上であるか否かを判断する。ここで、変数aが「q」以上でない場合には(S259:NO)、S253に戻って、S253以降の処理を繰り返す。一方、変数aが「q」以上である場合には(S259:YES)、CPU61は図1の制御プログラムに戻る。
[4−3.本発明の第3動作]
次に、上記S203,S218のサブパルス発生条件主走査縦ドットについて説明する。図3は、テープ印刷装置1のサーマルヘッド41を駆動制御する際に行われるサブパルス発生条件主走査縦ドットの制御プログラムを示したフローチャート図である。尚、図3のフローチャートで示された制御プログラムは、ROM64等に記憶されており、CPU61により実行される。
サブパルス発生条件主走査縦ドットでも、2次元印加データをsub_data(x,y)や2次元印字データをdata(x,y)を使用する。それらは、上述したサブパルス発生条件履歴制御の場合と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
サブパルス発生条件主走査縦ドットでは、先ず、S281において、CPU61は、変数aに「1」を代入し、変数bに「1」を代入する。その後は、CPU61はS282に進む。
S282では、2次元印字データのdata(a,b)が「1」であるか否かを判断する。ここで、2次元印字データのdata(a,b)が「1」でない場合には(S282:NO)、CPU61は、後述するS293に進む。一方、2次元印字データのdata(a,b)が「1」である場合には(S282:YES)、CPU61はS283に進む。
S283では、2次元印字データのdata(a−1,b−1)が「0」であるか否かを判断する。ここで、2次元印字データのdata(a−1,b−1)が「0」でない場合には(S283:NO)、CPU61は、後述するS288に進む。一方、2次元印字データのdata(a−1,b−1)が「0」である場合には(S283:YES)、CPU61はS284に進む。
S284では、2次元印加データのsub_data(a,b−1)が「1」であるか否かを判断する。ここで、2次元印加データのsub_data(a,b−1)が「1」である場合には(S284:YES)、CPU61は、後述するS288に進む。一方、2次元印加データのsub_data(a,b−1)が「1」でない場合には(S284:NO)、CPU61はS285に進む。
S285では、2次元印加データのsub_data(a−1,b−1)が「1」であるか否かを判断する。ここで、2次元印加データのsub_data(a−1,b−1)が「1」である場合には(S285:YES)、CPU61はS286に進む。S286では、CPU61は、2次元印加データのsub_data(a−1,b−1)に「0」を代入する。その後は、CPU61は、後述するS288に進む。
一方、上記のS285において、2次元印加データのsub_data(a−1,b−1)が「1」でない場合には(S285:NO)、CPU61はS287に進む。S287では、CPU61は、2次元印加データのsub_data(a−1,b−1)に「1」を代入する。その後は、CPU61はS288に進む。
S288では、2次元印字データのdata(a−1,b+1)が「0」であるか否かを判断する。ここで、2次元印字データのdata(a−1,b+1)が「0」でない場合には(S288:NO)、CPU61は、後述するS293に進む。一方、2次元印字データのdata(a−1,b+1)が「0」である場合には(S288:YES)、CPU61はS289に進む。
S289では、2次元印加データのsub_data(a,b+1)が「1」であるか否かを判断する。ここで、2次元印加データのsub_data(a,b+1)が「1」である場合には(S289:YES)、CPU61は、後述するS293に進む。一方、2次元印加データのsub_data(a,b+1)が「1」でない場合には(S289:NO)、CPU61はS290に進む。
S290では、2次元印加データのsub_data(a−1,b+1)が「1」であるか否かを判断する。ここで、2次元印加データのsub_data(a−1,b+1)が「1」である場合には(S290:YES)、CPU61はS291に進む。S291では、CPU61は、2次元印加データのsub_data(a−1,b+1)に「0」を代入する。その後は、CPU61は、後述するS293に進む。
一方、上記のS290において、2次元印加データのsub_data(a−1,b+1)が「1」でない場合には(S290:NO)、CPU61はS292に進む。S292では、CPU61は、2次元印加データのsub_data(a−1,b+1)に「1」を代入する。その後は、CPU61はS293に進む。S293では、CPU61は、変数bをインクリメントする。その後は、CPU61はS294に進む。
S294では、CPU61は、変数bが「p」以上であるか否かを判断する。ここで、変数bが「p」以上でない場合には(S294:NO)、S282に戻って、S282以降の処理を繰り返す。一方、変数bが「p」以上である場合には(S294:YES)、CPU61はS295に進む。
S295では、CPU61は、変数aをインクリメントする。その後は、CPU61はS296に進む。S296では、CPU61は、変数aが「q」以上であるか否かを判断する。ここで、変数aが「q」以上でない場合には(S296:NO)、S282に戻って、S282以降の処理を繰り返す。一方、変数aが「q」以上である場合には(S296:YES)、CPU61は図1の制御プログラムに戻る。
[5.まとめ]
すなわち、本実施形態に係るテープ印刷装置1では、条件(α)に基づき、サーマルヘッド41のラインヘッド41Bを構成する各発熱素子41Aの中で、次の印加周期Fでインクリボン33上のインクを溶融或いは昇華させるための主加熱となるメインパルスMPが印加される第1発熱素子41Cに隣接する第2発熱素子41D毎に、インクリボン33上のインクを溶融或いは昇華させない現在の印加周期Fの直後においてもインクリボン33上のインクを溶融或いは昇華させない次の印加周期Fが続く場合に、次の印加周期F内で印加されるメインパルスMPを補うためのサブパルスSPを現在の印加周期内Fで印加させている(図12及び図13の左側、図16の下段参照)。
従って、その第2発熱素子41Dに印加されたサブパルスSPによる補助加熱は、その第2発熱素子41Dに隣接する第1発熱素子41Cに対して、次の印加周期内Fで印加されるメインパルスMPによる主加熱を補うことから、表層テープ31に孤立して形成された印字ドット又はサーマルヘッド41の主走査方向D1で表層テープ31に連続的に形成された印字ドットの端において、印加エネルギーの流出による所謂「印字カスレ」などの印字品質面で不具合を起こすことを防止する第1の効果を奏する(図8,図9参照)。
また、一つの発熱素子41Aに対して印加されるメインパルスMPとサブパルスSPの双方が一つの印加周期内Fに一緒に存在することはないので(上記(D)の決まり参照)、一定時間である印加周期Fの短縮が可能となる。
さらに、一定時間である印加周期Fが短縮され、メインパルスMP又はサブパルスSPが印加されても、メインパルスMP及びサブパルスSPが印加されていない非加熱時間Gを十分に確保することができるので(図17,図18参照)、印字が連続しても、印字品質に悪影響を与えるような蓄熱を防止できる。このようにして、サーマルヘッド41に対して新たな通電補正がなされた熱履歴制御が行われることにより、高速印字が可能となる。さらに、各印加周期F内での各パルス印加のタイミングを変更させるだけで(図1乃至図3参照)、サーマルヘッド41に対して新たな通電補正がなされた熱履歴制御が行われ、サーマルヘッド41の改良が伴わないことから、コスト上昇を招くことはない。以上より、第2の効果を奏する。
また、本実施形態に係るテープ印刷装置1では、条件(β)に基づき、サーマルヘッド41のラインヘッド41Bを構成する各発熱素子41A毎に、インクリボン33上のインクを溶融或いは昇華させない現在の印加周期Fの直後においてインクリボン33上のインクを溶融或いは昇華させるための主加熱となるメインパルスMPが印加される次の印加周期Fが続く場合に、次の印加周期F内で印加されるメインパルスMPを補うためのサブパルスSPを現在の印加周期内Fで印加させている(図12乃至図14の右側、図15の下段参照)。このようにしても、上記の第2の効果を奏する。
但し、本実施形態に係るテープ印刷装置1では、次の印加周期Fでインクリボン33上のインクを溶融或いは昇華させるための主加熱となるメインパルスMPが印加される2個の第1発熱素子41Cと両側から隣接する第2発熱素子41Dについては、その両側の2個の第1発熱素子41Cから流出するメインパルスMPの印加エネルギーの一部がそれぞれ流入してくるため、その両側の2個の第1発熱素子41Cから流出するメインパルスMPの印加エネルギーの流れを鈍くできる。
従って、条件(γ)に基づき、単独印加ではインクリボン33上のインクを溶融或いは昇華させられないが次の印加周期F内で印加されるメインパルスMPによる主加熱を補うことによってインクリボン33上のインクを溶融或いは昇華させられる補助加熱となるサブパルスSPの印加が省略できる(図14の右側)。よって、そのような第2発熱素子41Dについては、インクリボン33上のインクを溶融或いは昇華させない現在の印加周期Fの直後においてもインクリボン33上のインクを溶融或いは昇華させない次の印加周期Fが続く場合でも、次の印加周期内Fで印加されるメインパルスMPを補うためのサブパルスSPを現在の印加周期F内で印加させなくても、サーマルヘッド41の主走査方向で表層テープ31に断続的に形成された各印字ドットにおいて、印加エネルギーの流出による所謂「印字カスレ」などの印字品質面で不具合を起こすことを防止できる(図10,図11参照)。
[6−1.その他]
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、図1の制御プログラムにおいて、S202やS217を行わなければ、図12乃至図14の右側で示されているような条件(γ)のみを満たすものに限って補助加熱を行うことができる。
[6−2.その他]
また、図1の制御プログラムにおいて、S203やS218を行わなければ、図12と図13の左側で示されているような条件(α)のみを満たすものに限って補助加熱を行うことができる。
[6−3.その他]
また、本実施形態では、「印字装置」としてテープ印刷装置1が説明されていたが、サーマルヘッド41を搭載する種々のサーマルプリンターであっても、本発明を適用することができる。そして、例えば、印字媒体が感熱紙であるサーマルプリンターの場合には、主加熱とは、印字媒体である感熱紙を発色させることができるエネルギーを与えることであり、補助加熱とは、単独では印字媒体である感熱紙を発色させられないが主加熱と相俟って印字媒体である感熱紙を発色させることができるエネルギーを与えることである。
1 テープ印刷装置
2 テープ搬送モータ
31 表層テープ
41 サーマルヘッド
41A 発熱素子
41B ラインヘッド
41C 第1発熱素子
41D 第2発熱素子
60 制御部
68 ヘッド駆動回路
70 搬送モータ駆動回路
73 サーミスタ
D1 サーマルヘッドの主走査方向
D2 サーマルヘッドの副走査方向
F 印加周期
MP メインパルス
SP サブパルス
Z サーマルヘッドの検出温度
n 第1発熱素子の総数

Claims (4)

  1. 複数の発熱素子が直線的に並んだラインヘッドを設けたサーマルヘッドと、
    前記サーマルヘッドのラインヘッドとは直交関係にある副走査方向に印字媒体を搬送する搬送装置と、
    前記搬送装置と前記サーマルヘッドとを制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、連続的に繰り返される印加周期毎に、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子を選択的に発熱させるための印加処理を行うことにより、前記サーマルヘッドの副走査方向に前記搬送装置で搬送させている印字媒体に印字ドットを形成して印字を行う印字装置であって、
    各印加周期は、前記サーマルヘッドの副走査方向に連続した印字ドットを印字媒体に形成させるために、印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスの印加が前記サーマルヘッドのラインヘッドで開始される主加熱開始時点から次の主加熱開始時点までの一定時間とされ、
    前記制御装置は、単独印加では印字媒体を発色させられないが次の印加周期内で印加されるメインパルスによる主加熱を補うことによって印字媒体を発色させられる補助加熱となるサブパルスの印加を、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で、次の印加周期で印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスが印加される第1発熱素子に隣接する第2発熱素子毎に以下(1)の制約、
    (1)印字媒体を発色させない現在の印加周期の直後においても印字媒体を発色させない次の印加周期が続く場合にのみ、印字媒体を発色させない現在の印加周期内でサブパルスを印加すること、
    の下で実行することを特徴とする印字装置。
  2. 請求項1に記載する印字装置であって、
    前記制御装置は、単独印加では印字媒体を発色させられないが次の印加周期内で印加されるメインパルスによる主加熱を補うことによって印字媒体を発色させられる補助加熱となるサブパルスの印加を、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子毎に以下(2)の制約、
    (2)印字媒体を発色させない現在の印加周期の直後において印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスが印加される次の印加周期が続く場合に、印字媒体を発色させない現在の印加周期内でサブパルスを印加すること、
    の下で実行することを特徴とする印字装置。
  3. 複数の発熱素子が直線的に並んだラインヘッドを設けたサーマルヘッドと、
    前記サーマルヘッドのラインヘッドとは直交関係にある副走査方向に印字媒体を搬送する搬送装置と、
    前記搬送装置と前記サーマルヘッドとを制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、連続的に繰り返される印加周期毎に、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子を選択的に発熱させるための印加処理を行うことにより、前記サーマルヘッドの副走査方向に前記搬送装置で搬送させている印字媒体に印字ドットを形成して印字を行う印字装置であって、
    各印加周期は、前記サーマルヘッドの副走査方向に連続した印字ドットを印字媒体に形成させるために、印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスの印加が前記サーマルヘッドのラインヘッドで開始される主加熱開始時点から次の主加熱開始時点までの一定時間とされ、
    前記制御装置は、単独印加では印字媒体を発色させられないが次の印加周期内で印加されるメインパルスによる主加熱を補うことによって印字媒体を発色させられる補助加熱となるサブパルスの印加を、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で、次の印加周期で印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスが印加される第1発熱素子に隣接する第2発熱素子毎に以下(1)(1’)の制約、
    (1)印字媒体を発色させない現在の印加周期の直後においても印字媒体を発色させない次の印加周期が続く場合に、印字媒体を発色させない現在の印加周期内でサブパルスを印加するが、
    (1’)次の印加周期で印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスが印加される2個の第1発熱素子と両側から隣接する第2発熱素子については、前記(1)の制約から除外され、印字媒体を発色させない現在の印加周期の直後においても印字媒体を発色させない次の印加周期が続く場合でも、印字媒体を発色させない現在の印加周期内でサブパルスを印加することを実行しないこと、
    の下で実行することを特徴とする印字装置。
  4. 複数の発熱素子が直線的に並んだラインヘッドを設けたサーマルヘッドと、
    前記サーマルヘッドのラインヘッドとは直交関係にある副走査方向に印字媒体を搬送する搬送装置と、
    前記搬送装置と前記サーマルヘッドとを制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、連続的に繰り返される印加周期毎に、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子を選択的に発熱させるための印加処理を行うことにより、前記サーマルヘッドの副走査方向に前記搬送装置で搬送させている印字媒体に印字ドットを形成して印字を行う印字装置であって、
    各印加周期は、前記サーマルヘッドの副走査方向に連続した印字ドットを印字媒体に形成させるために、印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスの印加が前記サーマルヘッドのラインヘッドで開始される主加熱開始時点から次の主加熱開始時点までの一定時間とされ、
    前記制御装置は、単独印加では印字媒体を発色させられないが次の印加周期内で印加されるメインパルスによる主加熱を補うことによって印字媒体を発色させられる補助加熱となるサブパルスの印加を、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で、次の印加周期で印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスが印加される第1発熱素子に隣接する第2発熱素子毎に以下(1)(1’)の制約、
    (1)印字媒体を発色させない現在の印加周期の直後においても印字媒体を発色させない次の印加周期が続く場合に、印字媒体を発色させない現在の印加周期内でサブパルスを印加するが、
    (1’)次の印加周期で印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスが印加される2個の第1発熱素子と両側から隣接する第2発熱素子については、前記(1)の制約から除外され、印字媒体を発色させない現在の印加周期の直後においても印字媒体を発色させない次の印加周期が続く場合でも、印字媒体を発色させない現在の印加周期内でサブパルスを印加しないこと、
    の下で実行し、
    さらに、前記制御装置は、単独印加では印字媒体を発色させられないが次の印加周期内で印加されるメインパルスによる主加熱を補うことによって印字媒体を発色させられる補助加熱となるサブパルスの印加を、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子毎に以下(2)の制約、
    (2)印字媒体を発色させない現在の印加周期の直後において印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスが印加される次の印加周期が続く場合、印字媒体を発色させない現在の印加周期内でサブパルスを印加すること、
    の下で実行する、ことを特徴とする印字装置。
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