JP2011212753A - チャック - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ワーク載置台60と、ワーク載置台60の周囲に配置された複数の爪51を備え、複数の爪51がワーク載置台60の径方向に動き、複数の爪51を個別に動かすアクチュエータ20を備える。チャックの回転中でも爪51を動かすことができ、ワークWを掴み替えることができる。そのため、加工を中断することなくワークWを偏心させることができ、作業効率が向上する。
【選択図】図2
Description
ワークを定盤に対して高速回転させることは、回転駆動される主軸にチャックを設け、そのチャックにワークを保持することで実現できる。しかしこの場合、ワークの回転中心付近は他の部分に比べて運動軌跡が短くなるため、十分な研磨を行うことができない。そのため、ワークの回転中心を偏心させてチャックに保持し直し、ラップ加工を行う必要がある。
そのため、ラップ加工中にワークを偏心させるには、ラップ加工を中断しチャックに保持し直す作業を行う必要があり、平面精度の高いラップ加工を行うにはこの作業を何度も行う必要があった。つまり、非常に作業効率が悪いものであった。
第2発明のチャックは、第1発明において、前記アクチュエータはエアシリンダであり、該エアシリンダのロッドには雄ネジが形成されており、該ロッドに回転自在な回転部材が螺合されており、該回転部材にアームが連結されており該アームに前記爪が設けられていることを特徴とする。
第3発明のチャックは、第2発明において、前記エアシリンダのシリンダケースとピストンとはメタルタッチで当接していることを特徴とする。
第4発明のチャックは、第2または第3発明において、前記シリンダを収縮する方向に付勢するバネを備えることを特徴とする。
第5発明のチャックは、第1,第2,第3または第4発明において、前記複数の爪のうち、同期させて動かす組を構成する爪同士が歯車列で連結されていることを特徴とする。
第2発明によれば、アクチュエータがエアシリンダであるので、軽量でありチャックが回転しやすい。また、簡単な機構によりエアシリンダの伸縮動作を爪の移動に変換することができる。
第3発明によれば、エアシリンダがメタルタッチであるので、チャックの回転による遠心力がピストンに働いても、ゴムシールとする場合に比べてシリンダケースとの摩擦が大きくなることがなく、スムーズに伸縮動作を行うことができる。
第4発明によれば、シリンダを収縮する方向に付勢するバネを備えるので、バネを圧縮した反力により、爪の把持力を一定とすることができる。
第5発明によれば、組を構成する爪同士が歯車列で連結されているので、動作を正確に同期させることができる。
まず、本発明に係るチャックが取り付けられるラップ盤の基本構造について説明する。
図1に示すように、ラップ盤はフレームFに回転自在に軸支されている主軸Sを備えており、その主軸SはモータMにより回転駆動できるようになっている。主軸Sの先端には本発明に係るチャックAが固定されており、チャックAによってワークWが保持されている。また、フレームFに固定された加圧シリンダPの先端には定盤Lが取り付けられており、定盤LをワークWに当接し加圧できるようになっている。定盤LとフレームFとの間にはガイドロッドGが設けられており、定盤Lが主軸Sに対して垂直となるように維持し、定盤LがワークWに対して水平に当接するようになっている。
このラップ盤において、定盤LをワークWに当接し加圧した状態で、主軸Sを回転させれば、ワークWが定盤Lに接した状態で回転するのでラップ加工を施すことができる。
つぎに、本発明の第1実施形態に係るチャックAについて説明する。
図2および図3に示すように、チャックAの本体10はおよそ円柱形をしており、その底面が主軸Sの先端に形成されたフランジにボルト等で固定されている。主軸Sおよび本体10の底面はベアリング等を介してフレームFに支持されているため回転自在となっており、主軸Sを回転させることにより本体10を回転できるようになっている。
また、シリンダケース21にはシリンダボトム24が固定されており、ピストン22とシリンダボトム24との間にはコイルバネ25が挿入されている。このコイルバネ25によりエアシリンダ20a,・・・,20fは収縮する方向に付勢されている。
また、上段の周回溝31aは本体10内に形成された通路33a,33c,33eを介してエアシリンダ20a,20c,20eに通じており、下段の周回溝31bは本体10内に形成された通路33b,33d,33fを介してエアシリンダ20b,20d,20fに通じている。したがって、上段のエア導入路32aにエアを供給すると、第1組のエアシリンダ20a,20c,20eが伸長し、下段のエア導入路32bにエアを供給すると、第2組のエアシリンダ20b,20d,20fが伸長するようになっている。
なお、本実施形態では回転部材40a,・・・,40fは一回転する必要がないため、またエアシリンダ20a,・・・,20fにかかる負荷を低減するため、ロッド23に形成された雄ネジおよび回転部材40a,・・・,40fに形成された雌ネジのリード角を大きくすることが好ましい。
より詳細には、図5に示すように、第1組のエアシリンダ20a,20c,20eに接続されている第1組の回転部材40a,40c,40eは、下段の太陽歯車42aに噛み合い、同期して回転するようになっており、第2組のエアシリンダ20b,20d,20fに接続されている第2組の回転部材40b,40d,40fは、上段の太陽歯車42bに噛み合い、同期して回転するようになっている。
また、第1組を構成する爪51a,51c,51e同士は太陽歯車42aで連結されているので、これらの動作を正確に同期することができ、同様に第2組を構成する爪51b,51d,51f同士は太陽歯車42bで連結されているので、これらの動作を正確に同期することができる。
予めアーム50a,・・・,50fの取り付け角度を調節し、第1組の爪51a,51c,51eでワークWを掴んだときと、第2組の爪51b,51d,51fでワークWを掴んだときとで、ワークWの中心Oがずれるようにしておく。
このワークWの偏心動作は、爪51a,・・・,51fがエアシリンダ20a,・・・,20fで動作するから、チャックAの回転中でも行うことができる。そのため、加工を中断することなくワークWを偏心させることができ、手作業を行う必要がないので、作業効率が向上する。
しかし、エアシリンダは比較的大きな把持力を発揮できる上に軽量であるので、チャックAの慣性モーメントを小さくすることができ、回転しやすいので好適である。また、電動モータに必要な電線を回転するチャックAに配線する場合に比べて構造が単純である等、エアシリンダを用いればチャックAの構造を単純にすることができる。さらに、ロータリージョイント30等においてエア漏れが生じても、圧油を使用する場合に比べて安全で清浄である。そして、エアシリンダは制御が単純である。
このようにしても、第1組の爪51a,51c,51e同士は太陽歯車42aで連結されており、第2組の爪51b,51d,51f同士は太陽歯車42bで連結されているので、問題なくワークW保持動作および偏心動作を行うことができる。
この場合、エアシリンダを本体10の中心を挟んで対称の位置に設けて、チャックAの重心が偏らないようにした方が、重心と回転中心がずれることがないので好適である。
つぎに、本発明の第2実施形態に係るチャックBを図8に基づき説明する。
第1実施形態に係るチャックAは、6つの爪51a,・・・,51fを第1組と第2組に分けて、それぞれ同期させて動作するようにしたが、本実施形態に係るチャックBは、6つの爪51a,・・・,51fがそれぞれ個別に動作するところに特徴がある。
より詳細には、図8に示す本体10の外周面には6つの周回溝31a,31b,31c,31d,31e,31fが6段形成されている。これら周回溝31a,・・・,31fの周囲を囲むようにロータリージョイント30が設けられている。ロータリージョイント30はフレームFに固定されており、本体10とは空気が漏れないように接しつつ、摩擦を低くして本体10の回転に影響しないようなっている。
また、周回溝31a,・・・,31fはそれぞれ本体10内に形成された通路を介してエアシリンダ20a,・・・,20fに通じている。したがって、エア導入路32aにエアを供給するとエアシリンダ20aのみが伸長するようになっており、6つのエアシリンダ20a,・・・,20fを別々に動作させることができるようになっている。
その余の構成は第1実施形態にかかるチャックAと同様であるので、同一部材に同一符号を付して説明を省略する。
チャックBにおいても、エア供給源を同期的に制御することにより、6つの爪51a,・・・,51fを第1組と第2組に分けて、それぞれ同期させて動作するようにし、チャックAと同様のワークW保持動作および偏心動作を実現することができる(図7参照)。
つぎに、本発明の第3実施形態に係るチャックCについて説明する。
本実施形態に係るチャックCは6つの爪51a,・・・,51fが全て同期して動作するところに特徴がある。
ロータリージョイント30には周回溝31に通ずるエア導入路32が形成されており、エア導入路32はエア供給源に接続されている。また、周回溝31は本体10内に形成された通路を介してエアシリンダ20a,・・・,20fに通じている。したがって、エア導入路32にエアを供給すると、全てのエアシリンダ20a,・・・,20fが伸長するようになっている。
また、太陽歯車42の上面にはワーク載置台60がボルト等で取り付けられている。
その余の構成は第1実施形態にかかるチャックAと同様であるので、同一部材に同一符号を付して説明を省略する。
つぎに、本発明の第4実施形態に係るチャックDについて説明する。
図11に示すように、チャックDは第1実施形態に係るチャックAにおいて、回転部材40a,・・・,40fの上面にアーム50a,・・・,50fが取り付けられておらず、回転部材40a,・・・,40fの周囲に形成された歯車に噛み合う歯車部材43a,43b,43c,43d,43e,43fが設けられている。そして、歯車部材43a,・・・,43fの上面にアーム50a,・・・,50fが取り付けられている。
歯車部材43a,・・・,43fは本体10に回転自在に取り付けられており、本体10の中心から離れた位置に配置されている。そのため、チャックAに比べて、爪51a,・・・,51fが本体10の中心から離れた位置に配置されるようになっている。
その余の構成は第1実施形態にかかるチャックAと同様であるので、同一部材に同一符号を付して説明を省略する。
20 エアシリンダ
30 ロータリージョイント
40 回転部材
42 太陽歯車
43 歯車部材
50 アーム
51 爪
60 ワーク載置台
A,B,C,D チャック
S 主軸
W ワーク
Claims (5)
- ワーク載置台と、該ワーク載置台の周囲に配置されたワークを掴む複数の爪を備え、
該複数の爪が前記ワーク載置台の径方向に動くチャックであって、
前記複数の爪を個別に動かすアクチュエータを備える
ことを特徴とするチャック。 - 前記アクチュエータはエアシリンダであり、
該エアシリンダのロッドには雄ネジが形成されており、
該ロッドに回転自在な回転部材が螺合されており、
該回転部材にアームが連結されており
該アームに前記爪が設けられている
ことを特徴とする請求項1記載のチャック。 - 前記エアシリンダのシリンダケースとピストンとはメタルタッチで当接している
ことを特徴とする請求項2記載のチャック。 - 前記シリンダを収縮する方向に付勢するバネを備える
ことを特徴とする請求項2または3記載のチャック。 - 前記複数の爪のうち、同期させて動かす組を構成する爪同士が歯車列で連結されている
ことを特徴とする請求項1,2,3または4記載のチャック。
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