JP2011210779A - ショットキダイオードおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】確実なノーマリオフ動作とリーク電流の少ないショットキダイオードを提供する。
【解決手段】基板31表面にバッファ層32とUID-GaN層33とUID-AlGaN層34とが順次積層され、UID-GaN層とUID-AlGaN層との界面のUID-GaN層側に2DEG層35が発生するエピタキシャル基板と、UID-AlGaN層の表面に形成されたオーミックアノード電極39とオーミックカソード電極40と、オーミックアノード電極とオーミックカソード電極との間のオーミックアノード電極の側面に隣接して形成されたショットキアノードリセス36を少なくとも覆う熱CVDSiNショットキアノード絶縁膜37と、絶縁膜の表面のショットキアノードリセス内に形成されたショットキアノード電極41とを少なくとも備え、オーミックアノード電極とショットキアノード電極とが接続されている。
【選択図】図3
【解決手段】基板31表面にバッファ層32とUID-GaN層33とUID-AlGaN層34とが順次積層され、UID-GaN層とUID-AlGaN層との界面のUID-GaN層側に2DEG層35が発生するエピタキシャル基板と、UID-AlGaN層の表面に形成されたオーミックアノード電極39とオーミックカソード電極40と、オーミックアノード電極とオーミックカソード電極との間のオーミックアノード電極の側面に隣接して形成されたショットキアノードリセス36を少なくとも覆う熱CVDSiNショットキアノード絶縁膜37と、絶縁膜の表面のショットキアノードリセス内に形成されたショットキアノード電極41とを少なくとも備え、オーミックアノード電極とショットキアノード電極とが接続されている。
【選択図】図3
Description
この発明は、AlGaN/GaNヘテロ接合構造を有するエピタキシャル基板を用いたショットキダイオードおよびその製造方法に関する。
従来、AlGaN/GaNヘテロ接合構造を有するショットキダイオードについては、例えば、非特許文献1に開示されている技術がある。図6を参照して、この開示技術のショットキダイオードの構造と製造方法について説明する。
AlGaN/GaNヘテロ接合構造を有するショットキダイオードを作製するために、図6(a)に示すエピタキシャル基板500を用意する。このエピタキシャル基板500は、SiC、Si、サファイアなどの基板51の表面に有機金属化学気相成長(Metal-Organic Chemical Vapor Deposition:MOCVD)法または分子線エピタキシ(Molecular Beam Epitaxy:MBE)法を用いて、順次積層されたバッファ層52、Un-Intentionally Doped (以後、UIDと略称する。)−GaN電子走行層(以後、UID−GaN層と略称する。)53、および、UID−AlGaN電子供給層(以後、UID−AlGaN層と略称する。)54を備えて構成される。
このような構成にすることで、エピタキシャル基板500のUID−AlGaN層54とUID−GaN層53とのヘテロ界面のUID−GaN層53側に、2次元的なエネルギバンドの谷が生成され、これに沿って電子が走行する2次元電子ガス(Two Dimensional Electron Gas(以後、2DEGと略称する。))層55が形成される。
そして、図6(b)に示すように、エピタキシャル基板500の基板51と反対側のUID−AlGaN層54の表面側からイオン注入法により素子分離のためのアイソレーション領域56を形成して素子領域を区画形成した後、UID−AlGaN層54の表面に素子領域とアイソレーション領域56とを含み間隔を設けてオーミックアノード電極57とオーミックカソード電極58とを形成する。ついで、オーミックアノード電極57とオーミックカソード電極58との間のオーミックアノード電極57側のUID−AlGaN層54表面から、ショットキアノード電極形成予定部にフッ素(F)プラズマ処理によりフッ素(F)プラズマ照射部59を形成する。
そして、図6(c)に示すように、このフッ素(F)プラズマ照射部59の表面にオーミックアノード電極57と同電位に接続されたショットキアノード電極60を形成することで、AlGaN/GaNヘテロ構造を有するショットキダイオード550が作製される。
このAlGaN/GaNヘテロ接合構造を有するショットキダイオード550は、オーミックアノード電極57とUID−AlGaN層54とのオーミック接合と、ショットキアノード電極60とフッ素(F)プラズマ照射部59とのショットキ接合とを組み合わせた構成にすることで、0Vから電流が立ち上がる整流特性を有するショットキダイオードとなる。
このショットキ接合は、フッ素(F)プラズマ照射部59の深さによって、フッ素(F)プラズマ照射部59の直下の2DEG層55に発生するキャリアを制御することで、0V以上のターンオン電圧においてノーマリオフ動作するショットキ接合である。
高谷 他、「フッ素系プラズマ処理を用いたAlGaN/GaN電界効果ダイオード」:2008年第69回応用物理学会講演予稿集4a−P14−14.
背景技術のショットキダイオード550は、特に、ショットキ接合においては、フッ素(F)プラズマ照射部59の深さによって、フッ素(F)プラズマ照射部59の直下の2DEG層55に発生するキャリアを制御することで、0V以上のターンオン電圧においてノーマリオフ動作させる。
しかしながら、このショットキ接合において、AlGaN/GaNヘテロ構造の2DEG層55のノーマリオフ動作を制御するときに、UID−AlGaN層54内に形成されたフッ素(F)プラズマ照射部59の照射されたフッ素(F)プラズマイオンが可動イオンとなることで高温動作時において不安定になるという問題があった。また、リーク電流の発生や場合によってはノーマリオフ動作しない等の問題があった。
しかしながら、このショットキ接合において、AlGaN/GaNヘテロ構造の2DEG層55のノーマリオフ動作を制御するときに、UID−AlGaN層54内に形成されたフッ素(F)プラズマ照射部59の照射されたフッ素(F)プラズマイオンが可動イオンとなることで高温動作時において不安定になるという問題があった。また、リーク電流の発生や場合によってはノーマリオフ動作しない等の問題があった。
本発明は、前記問題点を解決するために創案されたものであり、確実なノーマリオフ動作とリーク電流の少ないショットキ接合とを有するショットキダイオードおよびその製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のショットキダイオードは、基板表面にバッファ層とUID−GaN電子走行層とUID−AlGaN電子供給層とが順次積層され、前記UID−GaN電子走行層と前記UID−AlGaN電子供給層との界面の前記UID−GaN電子走行層側に2次元電子ガス層が発生するエピタキシャル基板と、前記エピタキシャル基板の前記UID−AlGaN電子供給層の表面に形成されたオーミックアノード電極とオーミックカソード電極と、前記オーミックアノード電極と前記オーミックカソード電極との間の前記オーミックアノード電極の側面に隣接して形成されたショットキアノードリセスを少なくとも覆い、前記UID−AlGaN電子供給層に前記2次元電子ガス層のキャリアピーク密度よりも高いキャリア密度のキャリアが発生するSiNショットキアノード絶縁膜と、前記SiNショットキアノード絶縁膜の表面の前記ショットキアノードリセス内に形成されたショットキアノード電極とを少なくとも備え、前記オーミックアノード電極と前記ショットキアノード電極とが接続されていることを特徴とする。
そして、前記SiNショットキアノード絶縁膜は、熱CVD法により形成されたSiN膜であることが好適である。
このような構成にすることで、フッ素(F)プラズマ照射部等を介さずに、ショットキ接合を、ショットキアノード電極とショットキアノードリセス上のSiNショットキアノード絶縁膜とが直接接続されたMIS構造とすることができ、リーク電流の少ない確実なノーマリオフ動作が可能となる。さらに、熱CVD法により形成されたSiNショットキアノード絶縁膜を設けることで、UID−AlGaN電子供給層に2次元電子ガス層のキャリアピーク密度よりも高いキャリア密度のキャリアを発生させることができるため、高耐圧電圧を有するMIS構成のショットキダイオードとすることができる。
また、前記目的を達成するために、本発明のショットキダイオードの製造方法は、基板表面にバッファ層とUID−GaN電子走行層とAlGaN電子供給層とが順次エピタキシャル成長されたエピタキシャル基板の前記UID−AlGaN電子供給層の表面にショットキアノードリセスがドライエッチングにより形成されるショットキアノードリセス形成工程と、前記ショットキアノードリセスを少なくとも覆うSiNショットキアノード絶縁膜が成膜されるショットキアノード絶縁膜成膜工程と、前記ショットキアノードリセスの両側の前記UID−AlGaN電子供給層の表面にオーミックアノード電極とオーミックカソード電極とが、前記オーミックアノード電極の側面を前記ショットキアノードリセスに隣接させて形成されるオーミック電極形成工程と、前記SiNショットキアノード絶縁膜の表面の前記ショットキアノードリセス内にショットキアノード電極を形成させるショトキ電極形成工程と、前記オーミックアノード電極と前記ショットキアノード電極とが接続される接続工程とを少なくとも備える。
そして、前記SiNショットキアノード絶縁膜の成膜方法は、熱CVD法を用いることが好適である。
このような製造方法によれば、フッ素(F)プラズマ照射部等を介さずに、ショットキアノード電極とショットキアノードリセス上のSiNショットキアノード絶縁膜とが直接接続されたリーク電流の少ない確実なノーマリオフ動作が可能なMIS構造のショットキダイードを製造することができる。さらに、熱CVD法により形成されたSiNショットキアノード絶縁膜を熱CVD法により形成することで、高耐圧電圧を有するMIS構成のショットキダイオードを製造することができる。
また、前記目的を達成するために、本発明の他のショットキダイオードは、基板表面にバッファ層とUID−GaN電子走行層とUID−AlGaN電子供給層とが順次積層され、前記UID−GaN電子走行層と前記UID−AlGaN電子供給層との界面の前記UID−GaN電子走行層側に2次元電子ガス層が発生するエピタキシャル基板と、前記エピタキシャル基板の前記UID−AlGaN電子供給層の表面に形成されたオーミックアノード電極とオーミックカソード電極と、前記オーミックアノード電極と前記オーミックカソード電極との間の前記オーミックアノード電極の側面に隣接して形成されたショットキアノードリセスの表面に形成されたショットキアノード電極とを少なくとも備え、前記オーミックアノード電極と前記ショットキアノード電極とが接続されていることを特徴とする。
このような構成にすることで、フッ素(F)プラズマ照射部等を介さずに、ショットキ接合を、ショットキアノード電極とショットキアノードリセスとが直接接続されたMES構造とすることができ、リーク電流の少ない確実なノーマリオフ動作が可能なMES構造のショットキダイオードとすることができる。
本発明によれば、確実なノーマリオフ動作とリーク電流の少ないショットキ接合とを有するショットキダイオードおよびその製造方法を提供することができる。
本発明の第1の実施形態および第2の実施形態のショットキダイオードおよびその製造方法について図1乃至図5を参照して説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態のショットキダイオードは、ショットキ接合の形態として、ショットキアノードリセスにショットキアノード電極が埋め込まれた形態のノーマリオフ動作を得るためのMES(Metal Semiconductor)型のショットキダイオードである。
本実施形態のショットキダイオードは、ショットキ接合の形態として、ショットキアノードリセスにショットキアノード電極が埋め込まれた形態のノーマリオフ動作を得るためのMES(Metal Semiconductor)型のショットキダイオードである。
図1(a)乃至図1(c)を参照して、本実施形態のショットキダイオード150を説明する。
エピタキシャル基板100は、図1(a)に示すように、SiC、Si、サファイアなどの基板11の表面に、MOCVD法により、1000℃程度の温度で、バッファ層12、UID−GaN層13、UID−AlGaN層14を順次エピタキシャル成長して積層したものである。
エピタキシャル基板100は、図1(a)に示すように、SiC、Si、サファイアなどの基板11の表面に、MOCVD法により、1000℃程度の温度で、バッファ層12、UID−GaN層13、UID−AlGaN層14を順次エピタキシャル成長して積層したものである。
次に、エピタキシャル基板100のUID−AlGaN層14の表面から、例えばArイオンのイオン注入を行い、素子分離のためのアイソレーション領域16を形成した後、Ti/Alを周知のフォトリソグラフィとリフトオフ法とを用いて、オーミックアノード電極17およびオーミックカソード電極18を形成する(図1(b))。
つぎに、オーミックアノード電極17とオーミックカソード電極18との間のオーミックアノード電極17側のUID−AlGaN層14の表面から基板側に向かって、ショットキアノードリセス19を形成する。このとき誘導結合プラズマ反応性イオンエッチング法(Inductive Coupled Plasma Reactive Ion Etching:ICP−RIE)等のドライエッチングによってショットキアノードリセス19が形成される。具体的には、2DEG層15から5nm程度表面側までUID−AlGaN層14をエッチングすることで、ノーマリオフ動作、すなわち、ショットキアノード電極20への印加電圧が0V以上でショットキアノード電極20直下にキャリアが発生する深さまでエッチングすることで、ショットキアノードリセス19が形成される(図1(b))。
つぎに、ショットキアノード電極20としてNi/Auを周知のフォトリソグラフィとリフトオフ法とを用いてショットキアノードリセス19の内部表面に形成することで、ショットキアノード電極20とショットキアノードリセス19表面とがショットキ接合となる。そして、このショットキアノード電極20とオーミックアノード電極17とを接続することにより、ショットキアノードリセス19表面とオーミックアノード電極17とが同電位となり、ショットキアノード電極20をアノード電極とし、オーミックカソード電極18をカソード電極としたMES構造のショットキダイオード150が作製される(図1(c))。
なお、図示しないが、ショットキアノード電極20とオーミックアノード電極17とをアイソレーション領域16外部まで引き出して接続したアノード配線を別途設け、カソード電極としてのオーミックカソード電極18とすることで、ショットキダイオードを構成することもできる。
本実施形態のショットキダイオードによれば、ショットキアノードリセス19の深さによって正確にオーミックアノード、カソード間電流の立ち上がり電圧を制御することができる。
また、フッ素(F)プラズマ照射部等を介さずに、ショットキ接合をショットキアノード電極20とショットキアノードリセス19とが直接接続されたMES構造とすることができ、リーク電流の少ない確実なノーマリオフ動作が可能なMES構造のショットキダイオード150とすることができる。
また、フッ素(F)プラズマ照射部等を介さずに、ショットキ接合をショットキアノード電極20とショットキアノードリセス19とが直接接続されたMES構造とすることができ、リーク電流の少ない確実なノーマリオフ動作が可能なMES構造のショットキダイオード150とすることができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態のショットキダイオードは、ショットキ接合の形態として、第1の実施形態のショットキアノードリセス構造と、さらに熱CVD成長SiN絶縁膜とを備えたMIS(Metal Insulator Semiconductor)型のショットキダイオードである。
第2の実施形態のショットキダイオードは、ショットキ接合の形態として、第1の実施形態のショットキアノードリセス構造と、さらに熱CVD成長SiN絶縁膜とを備えたMIS(Metal Insulator Semiconductor)型のショットキダイオードである。
図2および図3を参照して、本実施形態のショットキダイオード350の構成および動作を説明する。前記第1の実施形態と特に異なる点を中心に説明する。
エピタキシャル基板300は、図2(a)に示すように、SiC、Si、サファイアなどの基板31の表面に、MOCVD法により、1000℃程度の温度で、バッファ層32、UID−GaN層33、UID−AlGaN層34を順次エピタキシャル成長して積層したものである。
つぎに、エピタキシャル基板300のUID−AlGaN層34の表面のショットキアノード形成部分にショットキアノードリセス36を形成する。このショットキアノードリセス36の形成方法は、前記のICP−RIE等のドライエッチング法を用いて形成し、2DEG層35から5nm〜9nm程度表面側までUID−AlGaN層34をエッチングして、ノーマリオフ動作が得られる深さまでUID−AlGaN層34をリセスエッチングすることで、ショットキアノードリセス36が形成される(図2(b))。
ついで、図2(c)に示すように、熱CVD法によって成膜した熱CVDSiNショットキアノード絶縁膜37を、ショットキアノードリセス36を含むUID−AlGaN層34の全表面に成膜した後、Arイオンのイオン注入法により素子分離のためのアイソレーション領域38を形成する。
熱CVDSiNショットキアノード絶縁膜37は、常圧においてチャンバ(反応装置)内を、水素(H2)および窒素(N2)雰囲気中で、エピタキシャル基板300を700℃乃至800℃の温度で加熱した後、適当な時間後に、反応ガスとして、窒素(N2)ベース0.7重量%のシラン(SiH4)ガスを100sccm、および、100%のアンモニア(NH3)ガスを6slmの流量で反応させることにより成膜される。
そして、図3に示すように、オーミックアノード電極39およびオーミックカソード電極40として、Ti/Alが形成箇所の熱CVDSiNショットキアノード絶縁膜37を除去したUID−AlGaN層34の表面に、周知のフォトリソグラフィとリフトオフ法により形成される。そして、ショットキアノード電極41として、Ni/Auがショットキアノードリセス36上のSiNショットキアノード絶縁膜37の表面に、周知のフォトリソグラフィとリフトオフ法により形成される。このショットキアノード電極41とオーミックアノード電極39とを接続することにより、ショットキアノードリセス36上のSiNショットキアノード絶縁膜37の表面とオーミックアノード電極39とが同電位となり、ショットキアノード電極41をアノード電極とし、オーミックカソード電極40をカソード電極としたMIS構造のショットキダイオード350が作製される。
本実施形態のショットキダイオード350においては、熱CVD法により成膜した熱CVDSiN膜ショットキアノード絶縁膜37をショットキアノード電極41の直下のショットキアノードリセス36の表面に設けることによって、熱CVDSiNショットキアノード絶縁膜37とショットキアノードリセス36のUID−AlGaN層34との界面に高濃度のキャリアが発生する。
図4にC−V測定結果から計算した、AlGaN層34の膜厚が6nmを有する表面に、本実施形態の熱CVDSiNショットキアノード絶縁膜37として、膜厚10nmの熱CVD−SiN膜を成膜した際のキャリア密度プロファイルを実線で示す。また、比較として、PE−CVDSiN膜を形成した場合のキャリア密度プロファイルも点線で示した。
なお、PE−CVDSiN膜の成膜条件としては、例えば、圧力900mTorr、基板温度300℃、RF(13.56MHz)出力45W、反応ガス流量として、窒素(N2)ベース0.7重量%のシラン(SiH4)ガスを31sccm、100%のアンモニア(NH3)ガスを5.5sccm、そして、キャリアガスとして窒素(N2)ガスを1500sccmとした。
図4に示すように、本実施形態による熱CVD法により成膜したSiN膜を有するキャリア密度プロファイルは、2DEGのキャリア密度ピーク(約5×1019cm−3)に加えて熱CVD−SiN膜/AlGaN層界面に高濃度のキャリア密度ピーク(約2×1021cm−3)が存在することがわかる。一方、PE−CVDSiN膜を形成した場合のキャリア密度プロファイルは、2DEGピークよりも浅い領域にはキャリアの存在が認められなかった。
図4の結果は、本実施形態における熱CVD法により成膜した熱CVDSiNショットキアノード絶縁膜37の有効性を特徴付ける点である。
次に、SiN膜/AlGaN層の界面に高濃度の界面電荷を配置した際のコンダクションバンド構造のシミュレーション結果を図5に示す。図5において、点線は、本実施形態における熱CVDSiNショットキアノード絶縁膜37を想定して、SiN膜/AlGaN層の界面に1×1013cm−2のシートキャリア密度の界面電荷を配置した場合のバンドシミュレーション結果を示した。また、実線は、前記比較として記載したPE−CVDSiN膜を想定して、SiN/AlGaN層界面に界面電荷が無い場合のバンドシミュレーション結果を示す。横軸は、SiN膜表面からAlGaN層方向の深さ(単位:nm)示し、縦軸は、コンダクションバンドのポテンシャルエネルギ(単位:V)を示す。
図5に示すように、本実施形態における熱CVDSiNショットキアノード絶縁膜37を想定したSiN/AlGaN層界面に1×1013cm−2のシートキャリア密度の界面電荷を配置した場合には、コンダクションバンドが高エネルギ側に持ち上がり三角ポテンシャルの底V1がポテンシャル値0Vのフェルミエネルギよりも高くなりノーマリオフ状態となることがわかる。
一方、SiN/AlGaN層界面に界面電荷が無い場合には、三角ポテンシャルの底V2がポテンシャル値0Vのフェルミエネルギよりも低くなりノーマリオン状態となることがわかる。
一方、SiN/AlGaN層界面に界面電荷が無い場合には、三角ポテンシャルの底V2がポテンシャル値0Vのフェルミエネルギよりも低くなりノーマリオン状態となることがわかる。
本実施形態のショットキダイオードによれば、第1の実施形態のショットキダイオード150におけるショットキアノードリセス19の効果に加えて、熱CVDSiNショットキアノード絶縁膜37を設けたMIS型のショットキダイオード350とすることで、ショットキ接合となるショットキアノード電極41、熱CVDSiNショットキアノード絶縁膜37、および、UID−AlGaN層34内のショットキアノードリセス19間の逆方向リーク電流を抑制することができ、さらに高耐圧化が可能なショットキダイオード350とすることが可能となる。
(変形例)
前記第1の実施形態および第2の実施形態の構成は、GaAs等の他の半導体に用いることも可能である。
前記第1の実施形態および第2の実施形態の構成は、GaAs等の他の半導体に用いることも可能である。
11、31、51 基板
12、32、52 バッファ層
13、33、53 UID−GaN層
14、34、54 UID−AlGaN層
15、35、55 2DEG層
16、38、56 アイソレーション領域
17、39、57 オーミックアノード電極
18、40、58 オーミックカソード電極
19、36 ショットキアノードリセス
59 フッ素(F)プラズマ照射部
37 熱CVDSiNショットキアノード絶縁膜
20、41、60 ショットキアノード電極
100、300、500 エピタキシャル基板
150、350、550 ショットキダイオード
12、32、52 バッファ層
13、33、53 UID−GaN層
14、34、54 UID−AlGaN層
15、35、55 2DEG層
16、38、56 アイソレーション領域
17、39、57 オーミックアノード電極
18、40、58 オーミックカソード電極
19、36 ショットキアノードリセス
59 フッ素(F)プラズマ照射部
37 熱CVDSiNショットキアノード絶縁膜
20、41、60 ショットキアノード電極
100、300、500 エピタキシャル基板
150、350、550 ショットキダイオード
Claims (5)
- 基板表面にバッファ層とUID−GaN電子走行層とUID−AlGaN電子供給層とが順次積層され、前記UID−GaN電子走行層と前記UID−AlGaN電子供給層との界面の前記UID−GaN電子走行層側に2次元電子ガス層が発生するエピタキシャル基板と、
前記エピタキシャル基板の前記UID−AlGaN電子供給層の表面に形成されたオーミックアノード電極とオーミックカソード電極と、
前記オーミックアノード電極と前記オーミックカソード電極との間の前記オーミックアノード電極の側面に隣接して形成されたショットキアノードリセスを少なくとも覆い、前記UID−AlGaN電子供給層に前記2次元電子ガス層のキャリアピーク密度よりも高いキャリア密度のキャリアが発生するSiNショットキアノード絶縁膜と、
前記SiNショットキアノード絶縁膜の表面の前記ショットキアノードリセス内に形成されたショットキアノード電極と
を少なくとも備え、
前記オーミックアノード電極と前記ショットキアノード電極とが接続されている
ことを特徴とするショットキダイオード。 - 前記SiNショットキアノード絶縁膜は、熱CVD法により形成されたSiN膜であることを特徴とする請求項2に記載のショットキダイオード。
- 基板表面にバッファ層とUID−GaN電子走行層とAlGaN電子供給層とが順次エピタキシャル成長されたエピタキシャル基板の前記UID−AlGaN電子供給層の表面にショットキアノードリセスがドライエッチングにより形成されるショットキアノードリセス形成工程と、
前記ショットキアノードリセスを少なくとも覆うSiNショットキアノード絶縁膜が成膜されるショットキアノード絶縁膜成膜工程と、
前記ショットキアノードリセスの両側の前記UID−AlGaN電子供給層の表面にオーミックアノード電極とオーミックカソード電極とが、前記オーミックアノード電極の側面を前記ショットキアノードリセスに隣接させて形成されるオーミック電極形成工程と、
前記SiNショットキアノード絶縁膜の表面の前記ショットキアノードリセス内にショットキアノード電極が形成されるショトキ電極形成工程と、
前記オーミックアノード電極と前記ショットキアノード電極とが接続される接続工程と
を少なくとも備えることを特徴とするショットキダイオードの製造方法。 - 前記SiNショットキアノード絶縁膜を成膜させる成膜方法は、熱CVD法であることを特徴とする請求項3に記載のショットキダイオードの製造方法。
- 基板表面にバッファ層とUID−GaN電子走行層とUID−AlGaN電子供給層とが順次積層され、前記UID−GaN電子走行層と前記UID−AlGaN電子供給層との界面の前記UID−GaN電子走行層側に2次元電子ガス層が発生するエピタキシャル基板と、
前記エピタキシャル基板の前記UID−AlGaN電子供給層の表面に形成されたオーミックアノード電極とオーミックカソード電極と、
前記オーミックアノード電極と前記オーミックカソード電極との間の前記オーミックアノード電極の側面に隣接して形成されたショットキアノードリセスの表面に形成されたショットキアノード電極と
を少なくとも備え、
前記オーミックアノード電極と前記ショットキアノード電極とが接続されていることを特徴とするショットキダイオード。
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