JP2011210673A - フロントライト装置および液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、反射型液晶表示装置や看板などに好適なフロントライトおよびそれを用いる液晶表示装置を提供することを目的とする
【解決手段】本発明に係るフロントライトは、光拡散粒子を含有する透明基材を用いた導光式面発光体を備え、被照射体を前記面発光体を透過して観察するものであって、前記面発光体は前記透明基材の厚み方向に光を散乱しながら前記透明基材の長さ方向に光が導光し、前記光拡散粒子と透明基材との屈折率差が0.4以下であり、且つ透明基材は、厚み方向のヘイズ値が10%以下のものである。
【選択図】 図5

Description

本発明は液晶表示装置や看板などの観察側に設置して使用されるフロントライト装置に関する。特に前記のフロントライト装置を備えた反射型液晶表示装置に関する。
薄型の表示装置として、液晶表示装置が広く用いられるようになっている。一般的な液晶表示装置には、透過型液晶表示装置および反射型液晶表示装置がある。
透過型液晶表示装置の場合、バックライト装置が必要であり、バックライト装置が点灯しない時は映像を見ることができない。
反射型液晶表示装置の場合は裏面に反射板を設けており、外光を利用する事ができるので、バックライトなしで映像を見る事ができるものの、暗所で利用する事ができない。そこで反射型液晶表示装置を暗所で利用するために、表示装置の観察側にフロントライトを設ける場合もあった(例えば特許文献1)。しかしフロントライトに設けられたプリズム列などの微細凹凸が映像の視認を妨げる、といった問題があった。
特開2003−255343号公報
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、反射型液晶表示装置や看板などに好適なフロントライトとして用いられる発光体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るフロントライトは、光拡散粒子を含有する透明基材を用いた導光式面発光体を備え、被照射体を前記面発光体を透過して観察するものであって、前記面発光体は前記透明基材の厚み方向に光を散乱しながら前記透明基材の長さ方向に光が導光し、前記光拡散粒子と透明基材との屈折率差が0.4以下であり、且つ透明基材は、厚み方向のヘイズ値が10%以下のものである。
この発光体は、消灯時には低いヘイズ値の透明基材を用いることによって透明板として働くため、反射型液晶表示装置などのフロントライトとして使用した場合にも表示が明瞭である。
また光拡散粒子と透明基材との屈折率差およびヘイズ値が特定の範囲であるため、発光時には眩しくなく、かつムラがなく明るいフロントライトとして使用できる。
また、本発明に係る発光体の一態様において、光拡散粒子の濃度が0.00001重量%以上0.005重量%以下であることが好ましい。
この発光体は、上述した屈折率差Δnと光拡散粒子の濃度とを満たす透明基材を用いることにより、消灯時には、透明板として働き、点灯時には、照明対象を視認しやすい光放出を実現する。
また、透明基材は、厚み方向の粒子層数Sが0.05以内となる様に構成されることが好ましい。さらに 前記光拡散粒子は、前記屈折率差Δnの絶対値と、粒子の重量平均直径d(mm)との積が0.0001(mm)以上となる重量平均直径を有する粒子からなることが好ましい。
さらに透明基材の板厚をt(mm)、透明基材の端面から光を供給する光源の、透明基材の厚み方向における大きさをD(mm)とするとき、板厚tは、D/2≦t≦20Dの範囲にあることが好ましい。
そして本発明は、前記被照射体として反射型液晶素子を用いた液晶表示装置である。
本発明の発光体の一態様によれば、光源消灯時には厚み方向のヘイズ値を低くすることにより透明性を確保し、光源点灯時には照明対象を視認しやすい光放出を可能とすることができる。従って、明るくかつ透明性の高いフロントライトを提供できる。
本発明の実施形態1にかかる面発光体及びその輝度分布の一例を示す図である。 本発明の比較例にかかる面発光体及びその輝度分布の一例を示す図である。 本発明の実施形態1にかかる面発光体の層数を説明する図である。 本発明の実施形態1にかかる面発光体において、導光板の厚さ(t)と光拡散粒子の濃度との関係を説明する図である。 本発明の実施形態1にかかる面発光体において、導光板の厚さ(3t)と光拡散粒子の濃度との関係を説明する図である。 本発明の発光体によるフロントライトを用いた反射型液晶表示装置の構成の一例を示す図である。
(実施形態1)
以下、図面を参照して本発明の実施形態1について、長方形板状の面発光体を発光体の一例として説明する。本発明の実施形態1にかかる面発光体は、光拡散粒子を含有する導光板を用いる。導光板は、光源から光を供給すると、導光板の厚み方向に光を散乱しながら導光板の長さ方向に光を導光させる。導光板の長さ方向は、光源から光を供給する端面(入射端面)から、対向する端面への方向であり、供給された導光光が直進する方向と平行となる。導光板の厚み方向は、導光板の厚さを示す方向であり、長さ方向と垂直となる。また導光板の長さ方向および導光板の厚さ方向の両方に垂直な方向を導光板の幅方向とする。また、導光板は、板状である場合を用いて説明する。導光板の形状は長さ方向、幅方向にその厚みが変わる形態(断面楔状)であっても良い。厚みが変わる形態の場合、本発明における厚みとは有効面積内の平均値とする
図1に面発光体の一例を示す。図1では、光源1が、面発光体2の端部に配置されている。また、光源1の周囲には光を効率よく利用するための反射カバー6が配置されている。図1では、面発光体2の左側に光源1を配置し、光を面発光体2の入射端面から入射面に対向する端面へ導光させる。
また、図1中、面発光体2の両側に示す矢印群は、光が拡散する様子を模式的に示したものである。光源1から面発光体2の入射端面に入光した光は、面発光体2の入射面に対向する端面へ導光される。その間に、該光は、光拡散粒子によって拡散され、面発光体2の正面及び背面から出射される。出射される光の量は導光距離が長くなることに応じて少なくなる。
本実施形態の導光板は、透明基材と光拡散粒子との屈折率差が0.4以下と小さいため、基材内部を伝播する光は導光方向に対し比較的小さな角度で散乱される。散乱された光の一部は導光板の主面側へ進み、入射角が臨界角より小さい場合は主面から出射する。ここで、上記の通り散乱角は比較的小さいため、主面から出射する散乱光は図1に示すように主面に沿って傾いた方向に強くなる。従って、発光している本実施形態の導光板を正面から観察した場合、出射光が直接観察されないため眩しくない。
一方本発明と異なり、透明基材と光拡散粒子との屈折率差が0.4より大きい場合、基材内部を伝播する光は導光方向に対し比較的大きな角度で散乱される。そのため主面から出射する散乱光は図2に示すように主面に対し垂直な方向に強くなる。従って、発光している導光板を正面から観察した場合、眩しい。
また本実施形態の導光板を表示装置などのフロントライトとして用いた場合、表示装置側に出射した光は表示装置の表面や内部で散乱反射される。ここで本発明においては、表示装置などの映像の明るさに対して、観察者側へ出射する光が直接観察者の方向に出射されないため充分少ないため、良好なコントラストの映像を観察することができる。
さらに本実施形態の導光板は、導光板の厚み方向のヘイズ値が10%以下である、という特徴を有するため、表示装置などのフロントライトとして用いた場合、消灯時は透明感が高く、表示装置などの映像を視認する妨げになりにくい。
まず、ヘイズ値を検討する。ヘイズ値が10%より大きくなると透明感を失ってしまう。ヘイズは8%以下が好ましく、5%以下が特に好ましい。下限は特にないが、高い輝度を実現するため、光拡散粒子無添加の透明板の場合が含まれないという意味合いから0.01%以上とする。しかしながら、高効率の光放出が実現できる場合、0.01%未満のヘイズ値を有する導光板を用いることが可能である。
次に本発明で定義する層数Sについて説明する。層数Sは面発光体2に存在する光拡散粒子の総断面を、その発光面に射影した面積に相当する。これにより光拡散粒子の厚み方向の密度を評価することができる。より具体的には、導光板の厚み方向の粒子層数Sは式(2)で定義される。例えば底面に隙間なく敷き詰められる状態の粒子層数Sは1である。図3に、導光板が含有する光拡散粒子の総断面を導光板(面発光体2)の底面に射影した例を示す。
Figure 2011210673
ここで、nは粒子個数密度(/mm)、t(mm)は板厚、Vは粒子体積率、d(mm)は重量平均粒子直径、a(mm)は平均粒子半径である。
なお本発明の実施形態において、粒子直径は、重量平均粒子直径、粒子半径は重量平均粒子半径である。
面発光体2において、透明性を確保し、高効率での光放出を可能するためには、この層数Sを小さくする必要がある。具体的には、面発光体2の透明性を確保することによって、消灯時に面発光体2が透明板として機能することが可能になる。透明性は、面発光体2を構成する導光板のヘイズ値を小さくすることが必要であり、図3に示す層数Sを小さくすることによって実現できる。
本発明の実施形態において、面発光体2の面内でヘイズ値が異なる場合、面発光体2の面のうち、最もヘイズ値の大きい場所でヘイズ値を評価するものとする。
本発明の実施形態の面発光体2は光拡散粒子の濃度が厚み方向について一定であっても良いし、例えば光拡散粒子含有層と透明層からなる複層構成、あるいは光拡散粒子含有濃度が異なる2層以上からなる複層構成であっても良い。複層構成である場合も上記と同様に、測定されたヘイズ値を求める。
本発明者等は拡散材の種類や濃度の異なる発光体を種々検討した結果、ヘイズ値を10%以下とするためには、透明基材と光拡散粒子との屈折率差が0.4以下、かつ層数Sを0.05以下にする事が好ましいことが判った。特に0.03以下とすることが好ましい。
本発明の実施形態で使用される拡散粒子の平均直径が小さい場合、レイリー散乱現象に起因すると思われる着色など、色目の変化が起きる場合がある。また、屈折率差Δnが小さい場合でもレイリー散乱現象に起因すると思われる着色など、色目の変化が起きる場合がある。具体的には、光源付近では散乱光が青みを帯び、光源から離れた位置では黄味を帯びる場合がある。
そこで、レイリー散乱現象に起因すると思われる着色を抑制するため、粒子の平均直径(mm)と屈折率差絶対値との積が0.0001(mm)以上であることが好ましい。
また、面発光体2の板厚t(mm)は光源の板厚方向の大きさD(mm)に対し、D/2≦t≦20Dの範囲にあることが好ましい。
この理由を、図4A、4Bを用いて説明する。図4Aに、光拡散粒子22の濃度C(重量%)、基板の厚さt(mm)の導光板21aから構成される面発光体2aの模式図を示す。図4Bに、光拡散粒子22の濃度C(重量%)、板厚3t(mm)の導光板bから構成される面発光体2bの例を示す。導光板21bの板厚は、導光板21aの板厚の3倍となっている。
導光板21aが含有する光拡散粒子22より、導光板21bが含有する光拡散粒子22の総量が多いため、発光強度も大きいように思われる。しかしながら、図4A、4Bに示す面発光体2a、2bでは、導光光は全反射を繰り返しながら面発光体2a、2bの内部を進む。このため、光拡散粒子の濃度が同じ場合、導光光が光拡散粒子によって拡散される確率は、図4Aおよび図4Bの場合とで同じである。例えば、図4Aでは、光拡散粒子22pによって光が拡散される場合を示し、図4Bでは、光拡散粒子22qによって光が拡散される場合を示している。このように、発光面の輝度は、図4Aと図4Bとで同一となる。
一方、図4Aの面発光体2aの板厚tは、図4Bの面発光体2bの板厚3tより薄いため、ヘイズ値が小さく透明感が高い。従って、本発明の面発光体は薄い方が好ましい。
しかしながら、板厚が光源の大きさより小さくなると、端面に入射する光の割合が小さくなるため、光の利用効率が小さくなる場合がある。従って、面発光体の板厚t(mm)は光源の板厚方向の大きさD(mm)に対し、D/2≦t≦20Dの範囲にあることが好ましい。D≦t≦15Dの範囲にあることがより好ましい。
また面発光体の基材がアクリル樹脂などの透明プラスチックで構成される場合、その剛性を考慮すると、厚みtは0.5mm以上であることが好ましい。また導光板の長さL(mm)に対し、t≧L/400の範囲にあることがより好ましい。
また本発明の面発光体を例えば押出し成形で製造する場合、製造の容易さからその厚みは20mm以下であることが好ましい。
以上説明したように、本発明に係る実施形態1の面発光体の一態様は、光拡散粒子を含有する導光板を用いた面発光体であって、前記導光板の厚み方向のヘイズ値が10%以下であり、かつ透明基材と光拡散粒子との屈折率差が0.4以下である。この面発光体は、消灯時には、低いヘイズ値の導光板を用いることによって透明板として働き、点灯時には、導光板に含有する光拡散粒子によって映像の視認を妨げない光放出を実現し、フロントライトとして働く表示装置が実現できる。
本発明者等は拡散材の種類や濃度の異なる発光体を種々検討した結果、特定範囲の屈折率差を持ち、特定範囲の濃度を添加した発光体が消灯時の透明性と点灯時の輝度のバランスが優れていることを見出した。
本発明に好適な発光体の基材および拡散材の組み合せとしては、例えばアクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂などの透明樹脂に酸化アルミニウム、架橋ポリスチレンなどの光拡散材微粒子を採用することができる。
さらに、光拡散粒子の濃度は、0.00001重量%以上0.005重量%以下であることが好ましい。光拡散粒子の濃度が高くなるにつれ、発光体の透明度が低下する。このため、発光体の低いヘイズ値を維持するためには、光拡散粒子の濃度を低く抑えることが必要となる。一方、光拡散粒子の濃度が低すぎる場合、光を十分に散乱させることができず、発光体の輝度が小さすぎる場合がある。
(実施例1)
以下に実施例および比較例を示す。面発光体は射出成型機を用いて作製した。実施例及び比較例で共通の条件を以下に示す。
<共通条件>
ベース樹脂:PMMA(アクリル樹脂) (株式会社クラレ製 「パラペット」)
屈折率:1.494(nD)
サンプルサイズ:5mm厚み × 導光長200mm × 幅70mm
使用光源:日亜化学工業株式会社製 「LED NFSW036BT」
使用個数:7個
配置間隔:10mm
印加電圧:2.8V/1光源
光源1個の大きさ:3mm(発光部)
実施例および比較例の材料構成と測定結果を表1に示す。横軸のヘイズ値は上述の通り、5mm厚みあたりのヘイズ値である。
また、表1の結果からヘイズ値を10%以下にするためには透明基材と光拡散粒子との屈折率差が0.4以下、かつSの値を0.05以下とすることが好ましいことが分かった。
Figure 2011210673
上記実施例の発光体および比較例の発光体を使用し、図5に示すようなフロントライト付き反射型液晶表示装置を作製した。
消灯時の透明感及び点灯時の明るさを目視評価により5段階評価した。最も優れるものが5、最も劣るものが1であり、本評価では3以上を良好なものとした。その結果を表2にまとめた。
表2に示す通り、反射型液晶表示装置の観察側に本発光体を設置し、発光体の光源を点灯しないで使用した場合、実施例および比較例のうち透明感の評価が3〜5の発光体を使用した表示装置は明るい表示であったが、比較例1および2では、透明感が3未満の評価となり、これらの発光体を使用した表示装置は透明感に欠けたものであった。
次に発光体の光源を点灯し、発光体を反射型液晶表示装置のフロントライトとして使用した場合、実施例および比較例のうち明るさが3〜5の発光体を使用した表示装置は明るい表示であったが、比較例3および4ではコントラストの評価が3未満となっている。これらの発光体を使用した表示装置は、フロントライトから観察者側に出射する光が直接観察者の方向に出射するため、眩しいものとなったためであるに。
Figure 2011210673
以上に示したように、本発明によれば、フロントライトに好適に使用できる、透明で明るくコントラストの良い面発光体を提供できる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
1 光源
2、2a、2b 面発光体
6 反射カバー
10 反射板
11 液晶表示素子
21a、21b 導光板
22、22p、22q 光拡散粒子
7a 発光体

Claims (6)

  1. 光拡散粒子を含有する透明基材を用いた導光式面発光体と該面発光体の端面に配置される光源とを備え、該面発光体を透過して被照射体を観察するフロントライト装置であって、
    前記面発光体は前記透明基材の厚み方向に光を散乱しながら前記透明基材の長さ方向に光が導光し、
    前記光拡散粒子と透明基材との屈折率差が0.4以下であり、
    且つ透明基材は、厚み方向のヘイズ値が10%以下であるフロントライト装置。
  2. 前記光拡散粒子の濃度が0.00001重量%以上0.005重量%であることを特徴とする請求項1記載のフロントライト装置。
  3. 前記透明基材は、前記厚み方向の粒子層数Sが0.05以内となる様に構成したことを特徴とする請求項1乃至2のいずれか一項に記載のフロントライト装置。
  4. 前記光拡散粒子は、前記屈折率差Δnの絶対値と、粒子の重量平均直径d(mm)との積が0.0001(mm)以上となる重量平均直径を有する粒子からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のフロントライト装置。
  5. 前記透明基材の板厚をt(mm)、前記透明基材の端面から光を供給する光源の、前記厚み方向における大きさをD(mm)とするとき、板厚tは、D/2≦t≦20Dの範囲にあることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のフロントライト装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のフロントライト装置を用いた表示装置であって、前記被照射体が反射型液晶表示素子である液晶表示装置。
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