JP2011210534A - 膜電極接合体の作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】無負荷状態〜低負荷状態における出力電圧を改善する。
【解決手段】ガス拡散層の一方の面に第1の触媒インクを塗布することによって、ガス拡散層上に第1の触媒層が形成された第1の接合体を作製する。第1の電解質膜の一部である第1の電解質膜部分に第1の触媒層が接するように第1の電解質膜と第1の接合体とを重ねて圧縮することによって、第2の接合体を作製する。第2の電解質膜の一部である第2の電解質部分の一方の面に第2の触媒インクを塗布することによって、第2の電解質膜上に第2の触媒層が形成された第3の接合体を作製する。第2の接合体と第3の接合体とを、第1の電解質膜部分と第2の電解質膜部分とが接するように重ねて圧縮することによって、膜電極接合体を作製する。
【選択図】図3

Description

本発明は、固体高分子電解質型燃料電池に用いられる膜電極接合体の作製方法に関する。
燃料電池は、燃料ガスとしての水素と酸化ガスとしての酸素との電気化学反応によって発電する装置である。なお、以下では、燃料ガスや酸化ガスを、特に区別することなく単に「反応ガス」あるいは「ガス」と呼ぶ場合もある。燃料電池は、通常、燃料電池セルを、セパレータを介して複数個積層して構成される。1つの燃料電池セルは、プロトン(H)伝導性を有する固体高分子電解質膜(以下、単に「電解質膜」とも呼ぶ)の両面に触媒電極層(以下、単に「触媒層」とも呼ぶ)を接合した膜電極接合体(MEA:Membrane-Electrode Assembly)の両面に、さらに、ガス拡散層を配置した膜電極ガス拡散層接合体(MEGA:Membrane Electrode&Gas Diffusion Layer Assembly)により構成される場合が多い。
この膜電極ガス拡散層接合体の作製方法としては、MEAの触媒層の上にガス拡散層をホットプレスして接合させることにより作製する方法や、ガス拡散層が形成された触媒層を電解質膜上にホットプレスして接合させることにより作製する方法が知られている。
特開2009−231123号公報 特開2009−170201号公報
しかしながら、膜電極ガス拡散層接合体を用いた燃料電池セルは、発電による生成水の排水性が高く、高負荷状態(高電流域)において良好な発電特性を示す反面、以下で説明する理由から、無負荷(OC:Open Circuit)状態〜低負荷状態(低電流域)における出力電圧が低いという問題がある。
図8は、従来の作製方法により作製された膜電極ガス拡散層接合体の問題点について示す説明図である。図8(A)は1枚の電解質膜の場合を示し、図8(B)は2枚の電解質膜を重ねた場合を示している。図8(A)に示すように、膜電極接合体にガス拡散層をホットプレスする際に、ガス拡散層16のエッジ部分、より具体的には触媒層14のエッジ部分にかかる圧縮力に応じて引張応力が発生して電解質膜12に加わり、引張応力が加わった電解質膜12の部分が劣化する。電解質膜を2枚重ねた場合でも、図8(B)に示すように、引張応力が下側の電解質膜12−2に加わって劣化し、次に上側の電解質膜12−1に加わって劣化する。以上のようにして、電解質膜が劣化した結果として、無負荷状態〜低負荷状態における出力電圧が低くなる、と考えられる。
本発明は、無負荷状態〜低負荷状態における出力電圧を改善することが可能な技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
膜電極接合体の作製方法であって
i)ガス拡散層の一方の面に第1の触媒インクを塗布することによって、前記ガス拡散層上に第1の触媒層が形成された第1の接合体を作製する工程と、
ii)第1の電解質膜の一部である第1の電解質膜部分に前記第1の触媒層が接するように前記第1の電解質膜と前記第1の接合体とを重ねて圧縮することによって、第2の接合体を作製する工程と、
iii)第2の電解質膜の一部である第2の電解質部分の一方の面に第2の触媒インクを塗布することによって、前記第2の電解質膜上に第2の触媒層が形成された第3の接合体を作製する工程と、
iv)前記第2の接合体と前記第3の接合体とを、前記第1の電解質膜部分と前記第2の電解質膜部分とが接するように重ねて圧縮することによって、膜電極接合体を作製する工程と、
を備えることを特徴とする膜電極接合体の作製方法。
適用例1の作製方法によれば、ガス拡散層が接合された第1の触媒層と第1の電解質膜部分との接合を先に実施した後で、第1の電解質膜部分と第2の電解質膜部分とを接合させているので、ガス拡散層が接合された第1の触媒層を第1の電解質膜部分に接合するための圧縮の圧力に応じた引張応力が第2の電解質膜部分には働かなくなるので、第1の触媒層を第1の電解質膜部分に接合するための圧縮の圧力に応じた引張応力により第2の電解質部分が劣化することを抑制することができる。
[適用例2]
適用例1記載の膜電極接合体の作製方法であって
前記工程iv)における圧縮の圧力は前記工程ii)における圧縮の圧力よりも小さくすることを特徴とする膜電極接合体の作製方法。
適用例2の作製方法によれば、第2の接合体と第3の接合体を接合させる際に第1の電解質膜部分および第2の電解質膜部分の劣化を抑制することができる。
[適用例3]
適用例1または適用例2記載の膜電極接合体の作製方法であって、
前記工程ii)は、
電解質膜形成シート上に電解質溶液を塗布し乾燥させて前記第1の電解質膜を作製する工程と、
前記第2の接合体のうち、前記第1の接合体の接合された前記第1の電解質膜部分の端部から所定の幅の周囲部分のみを残して前記第1の電解質膜をカットするとともに前記電解質膜形成シートを剥がして、前記第2の接合体を作製する工程と、
を含むことを特徴とする膜電極接合体の作製方法。
適用例3の作製方法によれば、工程iv)において、第2の接合体を構成する第1の接合体の端部から第1の電解質膜部分に加わる引張応力が第3の接合体の第2の電解質膜第部分に伝播して第2の電解質膜部分が劣化することを抑制することができる。
[適用例4]
適用例3の膜電極接合体の作製方法であって、
前記所定の幅は、前記工程iv)における前記第2の接合体側の圧縮面から前記第3の接合体の前記第2の電解質膜までの長さの2倍以下であることを特徴とする膜電極接合体の作製方法。
適用例4の作製方法によれば、工程iv)において第1の電解質膜部分の外側の部分が圧縮面側に変形した後、再び第2の電解質膜側に変形して、第2の電解質膜に融着してしまうことを防止することができるので、第2の接合体を構成する第1の接合体に含まれる第1の触媒層の端部から第1の電解質膜部分に加わる引張応力が第3の接合体の第2の電解質膜第部分に伝播して第2の電解質膜部分が劣化することを抑制することができる。
[適用例5]
適用例3または適用例4記載の膜電極接合体の作製方法であって、
前記電解質膜形成シートの弾性率は、前記第1の電解質膜の弾性率よりも大きいことを特徴とする膜電極接合体の作製方法。
適用例5の作製方法によれば、工程ii)における第1の電解質膜の変形部位を第1の接合体が接合される第1の電解質膜部分の外側に限定することができ第1の触媒層と第1の電解質膜部分との接合性を高めることができる。また、第1の電解質膜部分の端部から外側の部分が第1の触媒層側へ変形することにより、工程iv)における接合時に第1の電解質膜部分から第2の電解質膜部分へ伝播する応力を緩和することができ、第2の電解質膜部分の劣化を抑制することができる。また、第1の電解質膜が再び第2の電解質膜側へ変形して融着することを抑制することができる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、膜電極接合体の作製方法だけでなく、この作製方法により作製された膜電極接合体、この膜電極接合体を用いた燃料電池、この燃料電池を用いた燃料電池システム等の種々の形態で実現することが可能である。
膜電極接合体の作製方法の一実施形態を示す説明図である。 膜電極接合体の作製方法の一実施形態を示す説明図である。 膜電極接合体の作製方法の一実施形態を示す説明図である。 工程2で用いられる電解質膜形成シートについて示す説明図である。 工程4において触媒層用部材の触媒層の周囲に残される電解質膜第1部分の幅について示す説明図である。 作製された膜電極接合体の効果について示す説明図である。 実施例として製造した膜電極接合体の発電特性を示すグラフである。 従来の作製方法により作製された膜電極ガス拡散層接合体の問題点について示す説明図である。
図1〜図3は、膜電極接合体の作製方法の一実施形態を示す説明図である。この実施形態の膜電極接合体の作製方法は、以下で説明する6つの工程からなる。
[工程1]
工程1では、カソードのガス拡散層16Cとなる拡散層用部材16pを用意し、この拡散層用部材16pの一方の面上に触媒電極層(以下、単に「触媒層」と略す)14Cとなる触媒インク14pを塗布してカソード側の触媒層用部材(ガス拡散層付)14CGを作製する。拡散層用部材16pとしては、ガス透過性を有する導電性部材、例えば、カーボンペーパーやカーボンクロス、あるいは金属メッシュや発砲金属を用いることができる。また、触媒インク14pとしては、電解質溶液と、Pt触媒を担持したカーボン(例えば、カーボンブラック)と、を混合したものを用いることができる。なお、電解質溶液としては、例えば、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなるフッ素系樹脂材料(例えば、ナフィオン、デュポン社製)を、水およびアルコール類を溶媒として溶解させたものを用いることができる。
[工程2]
工程2では、電解質膜形成シートMS上に電解質溶液12pを塗布し乾燥させることにより、カソード側の第1の電解質膜12Cが形成された第1の電解質膜部材12Cpおよびアノード側の第2の電解質膜12Aが形成された第2の電解質膜部材12Apを作製する。電解質溶液12pとしては、触媒インクで用いた電解質溶液と同種のもの、すなわち、例えば、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなるフッ素系樹脂材料(例えば、ナフィオン、デュポン社製)を、水およびアルコール類を溶媒として溶解させたものを用いることができる。なお、電解質膜形成シートMSは、後述するように、電解質膜形成シートMS上に形成された電解質膜部分の弾性率よりも大きい部材を用いている。
[工程3]
工程3では、工程1で作製されたカソード側の触媒層用部材14CGに含まれる触媒層14Cと、工程2で作製された第1の電解質膜部材12Cpに含まれる第1の電解質膜12Cの第1の電解質膜部分12Cbとが接するように重ね合わせた積層体を、圧縮用機械にセットして圧縮することにより、触媒層14Cと第1の電解質膜12Cとを接合して、カソード側の膜電極接合体用部材10Cpを作製する。なお、カソード側の触媒層用部材14CGと、圧縮用機械の圧縮部(上側)との間には、保護シートPSが挿入されている。保護シートPSとしては、例えば、PTFEシート等の剥離性および耐熱性の高い部材が用いられる。
[工程4]
工程4では、カソード側の膜電極接合体用部材10Cpを構成する第1の電解質膜部材12Cpに含まれる第1の電解質膜12Cを、触媒層用部材14CGが接合された第1の電解質膜部分12Cbの端部から外側の周囲(幅Le)のみを残してカットした後、電解質膜形成シートMSを剥がして、カソード側の膜電極接合体部分10Cを作製する。このとき、第1の電解質膜部分12Cb外側の周囲に残された第1の電解質膜12Cの部分は、後述するように、冷却のし易さの違いにより触媒層14C側に変形(カール)する。
[工程5]
工程5では、第2の電解質膜部材12Apの第2の電解質膜12Aの第2の電解質膜部分12Ab上に、カソード側の触媒層14Cの形成に用いられたものと同じ触媒インク14pを塗布し、電解質膜形成シートMSを剥がして、アノード側の膜電極接合体部分10Aを作製する。
[工程6]
工程6では、カソード側の膜電極接合体部分10Cの第1の電解質膜12Cの第1の電解質膜部分12Cbと、アノード側の膜電極接合体部分10Aの第2の電解質膜12Aの第2の電解質膜部分12Abとが接するように重ね合わせた積層体を、圧縮用機械に保護シートPSを介してセットして圧縮することにより、カソード側の膜電極接合体部分10Cの第1の電解質膜部分12Cbと、アノード側の膜電極接合体部分10Aの第2の電解質膜部分12Abと、を接合して、カソード側の触媒層14Cにのみガス拡散層16Cが形成された膜電極接合体10を作製する。
ところで、図4は、工程2で用いられる電解質膜形成シートMSについて示す説明図である。工程3において、第1の電解質膜部材12Cpの第1の電解質膜12C上に触媒層用部材14CGの触媒層14Cを接合させた場合には、第1の電解質膜12Cのうち、触媒層用部材14CG側の層は早く冷え、電解質膜形成シートMS側の層は遅く冷えることになる。このとき、早く冷える層は遅く冷える層により収縮しようとし、遅く冷える層は早く冷える層により拡張しようとする。この冷却過程において、仮に、図4(A)に示すように、電解質膜形成シートMSが外れてしまったとすると、早く冷えた層の収縮および遅く冷えた層の拡張により、第1の電解質膜12Cは全体にカールしてしまうことになる。このように第1の電解質膜12Cが全体にカールしてしまうと、触媒層用部材14CGの接合が不十分となってしまうという問題が発生する。ここで、図4(B)に示すように、電解質膜形成シートMSの弾性率≦電形質膜第1部分12Cの弾性率弾性とした場合には、電解質膜形成シートMSが外れてしまうことは無いが、第1の電解質膜12Cの変形に合わせて、電解質膜形成シートMSも変形してしまう。一方、図4(C)に示すように、電解質膜形成シートMSの弾性率≧第1の電解質膜12Cの弾性率とした場合には、冷却過程においても、電解質膜形成シートMSによって第1の電解質膜12Cの変形を抑制して、触媒層用部材14CGの接合性を確保することができる。そして、冷却後、工程4において、第1の電解質膜部分12Cbの外側の周囲(幅Le)のみを残してカットした後、電解質膜形成シートMSを剥がしても、触媒層用部材14CGと接合した第1の電解質膜部分12Cbの変形が触媒層用部材14CGによって制限され、周囲の第1の電解質膜12Cのみが変形(カール)することになる。この第1の電解質膜12Cのカールにより、後述するように、工程6において膜電極接合体を作製する際に、触媒層用部材14CGと接合している部分以外で、第1の電解質膜12Cが第2の電解質膜12Aと融着することを抑制することができる。
図5は、工程4において、周囲に残される第1の電解質膜12Cの幅Leについて示す説明図である。図5(A)に示すように、工程6において、カソード側の膜電極接合体部分10Cと、アノード側の膜電極接合体部分10Aを重ねて圧縮用機械にセットし、圧縮して接合する場合において、圧縮用機械の上側の圧縮部からアノード側の膜電極接合体部分10Aの第2の電解質膜12Aまでの幅をLsとする。このとき、Le>2・Lsの場合には、カソード側の膜電極接合体部分10Cと、アノード側の膜電極接合体部分10Aとを圧縮接合させた場合に、第1の電解質膜12Cが、図2(B)に示すように、再び、第2の電解質膜12A側に変形して融着してしまう場合が発生する。このように、カールしていた第1の電解質膜12Cが、再び変形して、第2の電解質膜12Aに融着してしまうと、触媒層用部材14CGのエッジ部にかかる圧縮力に対応する引張応力が伝播して、第2の電解質膜12Aの劣化を招くことになる。そこで、第1の電解質膜12Cの触媒層用部材14CGの周囲に残される幅Leは、幅Lsの2倍以下として、第1の電解質膜12Cが第2の電解質膜12Aに再び融着しないようにすることが好ましい。
図6は、上記作製方法により作製された膜電極接合体の効果について示す説明図である。工程6において、触媒層用部材14CGに圧力に応じた荷重がかかると、対応する圧縮力が触媒層用部材14CGのエッジ部分に加わり、これに応じた応力として第1の電解質膜12Cに引張力が発生し、第1の電解質膜12Cの周囲の端部はカールの度合いが大きくなり、応力としての引張力が緩和される。これにより、電解質膜第1部分の劣化を抑制することができる。また、第2の電解質膜12Aに伝播する引張力が緩和されるので、第2の電解質膜12Aの劣化を抑制することもできる。
なお、工程6において、アノード側の膜電極接合体10Aの第2の電解質膜12Aをカソード側の膜電極接合体10Cに接合する前に、工程3において、カソード側の触媒層用部材14CGを第1の電解質膜12Cに接合しているので、この接合時に発生する応力としての引張力がアノード側の膜電極接合体10Aの第2の電解質膜12Aに伝播することはなく、第2の電解質膜12Aの劣化を招くことを防止することができる。
だだし、工程6における圧縮圧力(圧縮力)は、工程3における圧縮圧力よりも小さくすることが好ましく、例えば、工程2における圧縮圧力は0.5〜2.0MPaであるのに対し、工程6における圧縮圧力は0〜1.0MMPaとすることが好ましい。このようにすれば、工程6における第1の電解質膜12Cと第2の電解質膜12Aの接合の際に応力として発生する引張力による第1の電解質膜12Cおよび第2の電解質膜12Aの劣化を抑制することができる。
図7は、実施例として製造した膜電極接合体の発電特性を示すグラフである。実施例および比較例の作製条件,評価条件は、以下に示す通りである。
(実施例)
1)作製条件
・ガス拡散層部材としては炭素繊維からなる撥水処理されたカーボンペーパーを用いる。
・電解質膜の弾性率0.4MPaに対して、電解質膜形成シートMSとして弾性率が1.4MPaのPETフィルムを用いる。
・電解質膜形成シート(PETフィルム)MS上に塗布される電解質溶液の厚さを10μmとする。
・触媒インク14pは、Ptを担持したカーボンブラック(全重量に対するPt重量比50%)と電解質溶液とを混合して作製する。触媒担時カーボンと電解質の質量比は1.0:0.3とする。
・工程3における圧縮用機械による接合は、温度120℃,圧力2MPaで実行する。
・第1の電解質膜12Cを残す幅Leは1mmとした。
・工程6における圧縮用機械による接合は、温度120℃,圧力0.3MPaで実行する。
2)評価条件
作製した膜電極接合体10のアノード側に、カソード側の触媒層14Cに接合されているガス拡散層16Cと同じ部材をガス拡散層として配置して、下記の条件で評価を行った。
・反応ガスの流し方 :カウンターフロー
・セル温度 :80℃
・酸化ガス :化学量論比 空気150%,湿度50%
・燃料ガス :化学量論比 水素150%,湿度50%
(比較例)
1)作製条件
・電解質膜形成シートとしてPETフィルムを用い、この上に電解質溶液を厚さ10μmで塗布し乾燥させて電解質膜を作製する。電解質溶液は実施例と同じである。
・電解質膜形成シートを剥がさずに電解質膜上に触媒インクを塗布した後、電解質膜形成シートを剥がして、触媒層が形成された膜電極接合体部分を2つ作製する。触媒インクは実施例と同じである。
・2つの膜電極接合体部分を、それぞれの電解質膜が接するように重ねて、圧縮用機械にセットし、120℃,0.3MPaで圧縮して接合し、膜電極接合体を作製する。
・膜電極接合体の2つの触媒層上にそれぞれガス拡散層を重ねて、圧縮用機械にセットし、120℃,2.0MPaで圧縮して膜電極ガス拡散層接合体を作製する。なお、ガス拡散層に用いられる部材は実施例と同じである。
2)評価条件
評価条件は実施例と同様に下記の通りである。
・反応ガスの流し方 :カウンターフロー
・セル温度 :80℃
・酸化ガス :化学量論比 空気150%,湿度50%
・燃料ガス :化学量論比 水素150%,湿度50%
図8に示すように、実施例の膜電極接合体を用いた燃料電池セルは、比較例の膜電極ガス拡散層接合体を用いた燃料電池セルに比べて、無負荷状態(開放状態)から低負荷状態(低電流域)における電圧が向上していることがわかる。
以上説明したように、本実施例の膜電極接合体の作製方法によれば、接合時に発生する膜電極接合体の劣化を抑制することができ、無負荷状態〜低負荷状態における出力電圧を改善することが可能である。
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
例えば、上記実施例では、電解質膜形成シートとしてPETフィルムを用いた場合を例に示しているが、PPSフィルム(弾性率:2.0MPs)を用いることも可能である。すなわち、電解質膜の弾性率よりも高い弾性率を有する部材を電解質膜形成シートとして用いるようにすればよい。
10…膜電極接合体
10A…アノード側の膜電極接合体部分
10C…カソード側の膜電極接合体部分
10Cp…カソード側の膜電極接合体用部材
12…電解質膜
12A…電解質膜第2部分
12C…電解質膜第1部分
12p…電解質溶液
12−1…電解質膜
12−2…電解質膜
12Ap…第2の電解質膜部材
12Cp…第1の電解質膜部材
14…触媒層
14C…カソート側の触媒層
14A…アノード側の触媒層
14p…触媒インク
14CG…触媒層用部材
16C…カソード側のガス拡散層
16p…拡散層用部材

Claims (5)

  1. 膜電極接合体の作製方法であって
    i)ガス拡散層の一方の面に第1の触媒インクを塗布することによって、前記ガス拡散層上に第1の触媒層が形成された第1の接合体を作製する工程と、
    ii)第1の電解質膜の一部である第1の電解質膜部分に前記第1の触媒層が接するように前記第1の電解質膜と前記第1の接合体とを重ねて圧縮することによって、第2の接合体を作製する工程と、
    iii)第2の電解質膜の一部である第2の電解質部分の一方の面に第2の触媒インクを塗布することによって、前記第2の電解質膜上に第2の触媒層が形成された第3の接合体を作製する工程と、
    iv)前記第2の接合体と前記第3の接合体とを、前記第1の電解質膜部分と前記第2の電解質膜部分とが接するように重ねて圧縮することによって、膜電極接合体を作製する工程と、
    を備えることを特徴とする膜電極接合体の作製方法。
  2. 請求項1記載の膜電極接合体の作製方法であって
    前記工程iv)における圧縮の圧力は前記工程ii)における圧縮の圧力よりも小さくすることを特徴とする膜電極接合体の作製方法。
  3. 請求項1または請求項2記載の膜電極接合体の作製方法であって、
    前記工程ii)は、
    電解質膜形成シート上に電解質溶液を塗布し乾燥させて前記第1の電解質膜を作製する工程と、
    前記第2の接合体のうち、前記第1の接合体の接合された前記第1の電解質膜部分の端部から所定の幅の周囲部分のみを残して前記第1の電解質膜をカットするとともに前記電解質膜形成シートを剥がして、前記第2の接合体を作製する工程と、
    を含むことを特徴とする膜電極接合体の作製方法。
  4. 請求項3の膜電極接合体の作製方法であって、
    前記所定の幅は、前記工程iv)における前記第2の接合体側の圧縮面から前記第3の接合体の前記第2の電解質膜までの長さの2倍以下であることを特徴とする膜電極接合体の作製方法。
  5. 請求項3または請求項4記載の膜電極接合体の作製方法であって、
    前記電解質膜形成シートの弾性率は、前記第1の電解質膜の弾性率よりも大きいことを特徴とする膜電極接合体の作製方法。
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JP2017037759A (ja) * 2015-08-07 2017-02-16 日産自動車株式会社 電極シートの製造方法

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