JP2011210496A - 集束イオンビーム装置及びチップ先端構造検査方法 - Google Patents

集束イオンビーム装置及びチップ先端構造検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】FIM像取得のためのシステムを導入することなく、エミッターの先端構造の確認を図ること。
【解決手段】チップ1にガスを供給するガス供給部と、イオンビーム11を引き出す引出電極4と、イオンビーム11の照射方向を調整するガンアライメント電極9とを有する集束イオンビーム装置であり、チップ1の先端の一つの原子から放出されたイオンビームを通過させる開口部10aを有するアパーチャ10と、開口部10aを通過したイオンビーム11の電流量を測定する電流測定部と、を有する集束イオンビーム装置を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、チップ形状のビーム源から荷電粒子ビームを試料に照射し観察する荷電粒子ビーム装置に関するものである。
従来、集束イオンビーム装置のイオン源として液体金属ガリウムが用いられている。また、近年では、微細なチップにイオン源ガスを供給して、チップ先端に形成された強力な電界により、チップに吸着したイオン源ガス種をイオン化し、イオンビームを引き出す電界電離型イオン源を用いた集束イオンビームが開発されている。
先端を先鋭化した第一の金属、例えばW(111)に第二の金属、例えばパラジウムを真空蒸着、メッキしたチップを使用するガスイオン源、もしくは電子源を備えた荷電粒子ビーム装置が開示されている(非特許文献1参照)。
ここでは、イオン源、もしくは電子源はチップを1000から1100Kで加熱を行うことで(211)面のファセットがおこり、先端が1原子で終端されたピラミッド構造となることを利用している。このピラミッド構造は熱的に安定であり、先端原子が破損しても、再度加熱することでピラミッド構造が再生する。
エミッター(ガスイオン源、もしくは電子源)の光源径が原子サイズと小さいことから、より小さなビーム径を持つイオンビーム、電子ビーム装置を実現することができる。
また、エミッターの構造を確認する手段として、イオンビーム光軸上にマルチチャンネルプレート(MCP)、ミラーを配置しエミッターから放出されるイオンを検出し、CCDカメラで電界イオン顕微鏡(FIM)像を取得してエミッターの先端構造を確認することが開示されている(特許文献1参照)。
特開平7−272652号公報
Tsu−Yi Fu,Physical Review B 64(2001)113401
しかしながら、従来の装置では、エミッターの先端構造の確認のために、MCP、ミラー、CCDカメラなどのシステムをイオンビーム照射系に設定する必要があり、複雑な装置構成となっていた。このため、結果としてコストが高くなっていた。また、これらを導入するためにエミッターとレンズ系との距離が遠くなるため、光学調整が困難であった。さらに、FIM像によりエミッターの先端構造を確認するには、FIMに関する専門的な知識も必要となるため、ユーザーにとって必ずしも簡易なシステムとはならない。
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、FIM像取得のためのシステムを導入することなく、エミッターの先端構造を確認可能な集束イオンビーム装置を提供することである。
上記の目的を達成するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明に係る集束イオンビーム装置は、針状のチップと、チップにガスを供給するガス供給部と、チップとの間で電圧を印加しチップ表面に吸着したガスをイオン化してイオンビームを引き出す引出電極と、イオンビームの照射方向を調整するアライメント電極と、試料にイオンビームを集束させるレンズ系とを有する集束イオンビーム装置であり、チップの先端の一つの原子から放出されたイオンビームを通過させる開口部を有し、アライメント電極よりも試料側に設置されたアパーチャと、開口部を通過したイオンビームの電流量を測定する電流測定部と、を有する。これにより、チップの先端の一つの原子から放出されたイオンビームのビーム電流を測定することができる。
本発明に係る集束イオンビーム装置は、アパーチャが、通過させるイオンビームの電流量を制限する径の異なる複数の開口部を有する。また、開口部をイオンビームの照射軸上に移動可能なアパーチャ駆動部を有する。これによりアパーチャ開口部を通過するイオンビームを調整することができる。
本発明に係る集束イオンビーム装置は、電流測定部が、イオンビームの照射軸上に移動可能で、アパーチャよりも試料側に設置され、イオンビームの電流量を測定するためのファラデーカップを有する。これによりイオンビームの照射条件を変更することなく、ビーム電流測定を行うことができる。
本発明に係る集束イオンビーム装置は、電流測定部が、アパーチャよりも試料側に設置されたブランキング電極で偏向したイオンビームを測定するビーム測定電極を有する。
本発明に係るチップ先端構造検査方法は、チップにガスを供給し、チップと引出電極との間に電圧を印加し、チップの先端部からイオンビームを放出し、イオンビームの第一の電流量を測定する工程と、チップにガスを供給し、チップと引出電極との間に電圧を印加し、チップからイオンビームを放出し、チップの先端の一つの原子から放出され、アパーチャの開口部を通過したイオンビームの第二の電流量を測定する工程と、第一の電流量と第二の電流量を比較しチップの先端構造を検査する工程と、からなる。これにより第一の電流量と第二の電流量の大きさを比較することでチップの先端構造の終端原子の数を判定することができる。また、チップ先端がピラミッド構造を形成しているか否かを判定することができる。
本発明に係る集束イオンビーム装置によれば、FIM像取得のためのシステムを導入することなく、エミッターの先端構造を確認することができる。
本発明に係る集束イオンビーム装置の構成図である。 本発明に係る集束イオンビーム装置のイオン銃部の構成図である。 本発明に係るチップ先端付近の模式図である。 本発明に係るアパーチャ径の説明図である。 本発明に係る集束イオンビーム装置の構成図である。 本発明に係る引出電圧とイオンビームの電流値の関係図である。 本発明に係る集束イオンビーム装置の構成図である。
以下、本発明に係る集束イオンビーム装置の実施形態について説明する。
本実施形態の集束イオンビーム装置は、図1に示すように、針状のチップ1(エミッター)と、チップ1にガスを供給するイオン源用ガスノズル2とイオン源用ガス供給源3からなるガス供給部と、チップ1との間で電圧を印加し、チップ1の表面に吸着したガスをイオン化してイオンを引き出す引出電極4と、イオンを試料13に向けて加速させるカソード電極5からなるイオン銃部19を備えている。また針状のチップ1はチップ1を支持するフィラメント(図示せず)に電流を流すことにより加熱する機構を備えている。そして、イオン銃部19とレンズ系の間に配置された第二のアパーチャ10と、第二のアパーチャ10を移動させるアパーチャ駆動部110と、試料13にイオンビーム11を集束させる集束レンズ電極6と対物レンズ電極8からなるレンズ系を備えている。これによりイオン銃部19から放出されたイオンビーム11を制限することができる。また、集束レンズ電極6と対物レンズ電極8の間に開口部7aを有する第一のアパーチャ7を備えている。また、第一のアパーチャ7は開口径の異なる開口部を備えている(図示せず)。異なる大きさの開口径を選択し、ビーム軸上に設置することで、通過するイオンビーム11のビーム量を調整することができる。そして、イオン銃部19を装置の外側からレンズ系に対して相対的に移動可能な調整機構20を備える。
また、イオン銃部19より試料13側に位置し、イオン銃部19から放出されたイオンビーム11の照射方向を調整するガンアライメント電極9を有している。そして、試料室15の内部は真空状態になっており、試料13を載置し移動可能な試料ステージ12と試料13にデポジションやエッチングガスを供給するガス銃18と、試料13から発生する二次荷電粒子を検出する検出器14を備えている。ここで、図示していないが、試料室15とイオン銃19の真空を仕切るバルブを備えている。また、集束イオンビーム装置を制御する制御部16を備え、検出器14で検出した検出信号とイオンビームの走査信号より観察像を形成する画像形成部(図示せず)を制御部16内に有しており、形成した観察像を表示部17に表示する。
(1)電界電離型イオン源
電界電離型イオン源は、図2に示すように、イオン発生室21と、チップ1と、引出電極4と、冷却装置24とを備えている。
イオン発生室21の壁部に冷却装置24が配設されており、冷却装置24のイオン発生室21に臨む面に針状のチップ1が装着されている。冷却装置24は、内部に収容された液体窒素、液体ヘリウム等の冷媒によってチップ1を冷却するものである。また冷却装置24としてGM型、パルスチューブ型等のクローズドサイクル式冷凍機、ガスフロー型の冷凍機を使用しても良い。さらに温調機能を備えてイオン種に応じて最適な温度に調整可能とする。そして、イオン発生室21の開口端近傍に、チップ1の先端1aと対向する位置に開口部を有する引出電極4が配設されている。
イオン発生室21は、図示略の排気装置を用いて内部が所望の高真空状態に保持されるようになっている。図示していないが、試料室15とイオン銃20の真空度の差を作るためのオリフィスを複数個備えている。このオリフィスにより、試料室へのイオン化ガスの流入、また試料室に導入するガスのイオン銃室への流入を防いでいる。イオン発生室21には、イオン源用ガスノズル2を介してイオン源用ガス供給源3が接続されており、イオン発生室21内に微量のガス(例えば、Arガス)を供給するようになっている。
なお、イオン源用ガス供給源3から供給されるガスは、Arガスに限られるものではなく、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)、水素(H2)、酸素(O2)、窒素(N2)等のガスであってもよい。また、イオン源用ガス供給源3から複数種のガスを供給可能に構成し、用途に応じてガス種を切り替えたり、1種類以上を混合したりすることができるようにしてもよい。
チップ1は、タングステンやモリブデンからなる針状の基材に、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、金等の貴金属を被覆したものからなる部材であり、その先端1aは原子レベルで尖鋭化されたピラミッド状になっている。別にチップ1は、タングステンやモリブデンからなる針状の基材を図示しない窒素ガスや酸素ガスを導入することにより、その先端1aを原子レベルで尖鋭化したものを使用しても良い。またチップ1は、イオン源の動作時には冷却装置24によって100K程度以下の低温に保持される。チップ1と引出電極4との間には、電圧供給部27によって引き出し電圧が印加されるようになっている。
チップ1と引出電極4との間に電圧が印加されると、鋭く尖った先端1aにおいて非常に大きな電界が形成されるとともに、分極してチップ1に引き寄せられたガス分子25が、先端1aのうちでも電界の高い位置で電子をトンネリングにより失ってガスイオンとなる。そして、このガスイオンが正電位に保持されているチップ1と反発して引出電極4側へ飛び出し、引出電極4の開口部からレンズ系へ射出されたイオン11aがイオンビーム11を構成する。ここで、引出電極4とチップ1の先端の中心位置は10ミクロンメートル以内であることが好ましい。またチップ1と引出電極4の間に、チップ1に対して負電位を与える抑制電極を設けても良い。
チップ1の先端1aは極めて尖鋭な形状であり、ガスイオンはこの先端1a上方の限られた領域でイオン化されるため、イオンビーム11のエネルギー分布幅は極めて狭く、例えば、プラズマ型ガスイオン源や液体金属イオン源と比較して、ビーム径が小さくかつ高輝度のイオンビームを得ることができる。
なお、チップ1への印加電圧が大きすぎると、ガスイオンとともにチップ1の構成元素(タングステンや白金)が引出電極4側へ飛散するため、動作時(イオンビーム放射時)にチップ1に印加する電圧は、チップ1自身の構成元素が飛び出さない程度の電圧に維持される。
一方、このようにチップ1の構成元素を操作できることを利用して、先端1aの形状を調整することができる。例えば、先端1aの最先端に位置する元素を故意に取り除いてガスをイオン化する領域を広げ、イオンビーム径を大きくすることができる。
またチップ1は、加熱することで表面の貴金属元素を飛び出させることなく再配置させることができるため、使用により鈍った先端1aの尖鋭形状を回復することもできる。
(2)イオン銃部
図1に示すように、イオン銃部19は、上記電界電離型イオン源と引出電極4を通過したイオン11aを試料13に向けて加速させるカソード電極5とを備えている。そして、イオン銃部19は調整機構20と接続されている。調整機構20は真空外部からイオン銃部19をレンズ系に対して相対的に移動する。これによりレンズ系に入射するイオンビーム11の位置を調整することができる。
(3)レンズ系
レンズ系は、チップ1側から試料13側に向けて順に、イオンビーム11を集束する集束レンズ電極6と、イオンビーム11を絞り込む第一のアパーチャ7と、イオンビーム11の光軸を調整するアライナ(図示せず)と、イオンビーム11の非点を調整するスティグマ(図示せず)と、イオンビーム11を試料13に対して集束する対物レンズ電極8と、試料上でイオンビーム11を走査する偏向器(図示せず)とを備えて構成される。
このような構成の集束イオンビーム装置では、ソースサイズ1nm以下、イオンビームのエネルギー広がりも1eV以下にできるため、ビーム径を1nm以下に絞ることができる。図示していないがイオンの原子番号を選別するためのExB等のマスフィルターを備えていても良い。
(4)ガス銃
ガス銃18は、試料13表面にデポジション膜の原料ガス(例えば、フェナントレン、ナフタレンなどのカーボン系ガス、プラチナやタングステンなどの金属を含有する金属化合物ガスなど)を原料容器からノズルを通して供給する構成になっている。
また、エッチング加工を行う場合は、エッチングガス(例えば、フッ化キセノン、塩素、ヨウ素、三フッ化塩素、一酸化フッ素、水など)を原料容器からノズルを通して供給することができる。
(5)チップ先端構造
図3に示すように、チップ1から放出されるイオンビーム11の照射方向は、チップ1の先端1aの構造(終端原子の配置)によって異なる。図3(a)は、チップ1の先端の終端原子1bが一つの原子である場合のチップ1の模式図である。図3(a)のように一つの終端原子からイオンビーム11が放出される。このときチップ1の先端1aは図3(b)のようにピラミッド構造になっており、先端が一つの原子で終端されている。図3(c)は、チップ1の先端の終端原子1bが三つの原子である場合のチップ1の模式図である。図3(c)のように三つの終端原子からそれぞれイオンビーム11が放出される。このときチップ1の先端1aは図3(d)のようにピラミッド構造になっており、先端が三つの原子で終端されている。チップ1の終端原子数の制御は、チップ1と引出電極4との間の供給電圧により制御することができる。
(6)アパーチャ
チップ先端の構造を確認するために、チップ1の先端の一つの原子から放出されたイオンビームのみを通過させる開口部を有するアパーチャを用いる。この開口部は次のように設計する。図4(a)に示すように、チップ1の先端の曲率半径40をrとし、終端原子1bの原子半径41をaとする。また、図4(b)に示すように、チップ1の先端と第二のアパーチャ10との距離をLとし、第二のアパーチャ10上におけるイオンビーム半径10cをbとする。すると、第二のアパーチャ10上でのチップ1の終端原子1bの原子像の倍率はM=L/rで表すことができる。そして、第二のアパーチャ上におけるイオンビーム半径は、b=aM=aL/rで表すことができる。従って、チップ1の先端の一つの原子から放出されたイオンビームのみを通過させる第二のアパーチャ10の開口部10aは、aL/rよりも大きく、かつ、終端原子1bが三つの原子であるときに放出される他のイオンビームが通過可能な径よりも小さいものとする。これにより、チップ1の先端の一つの原子から放出されたイオンビームのみを通過させることができる。例えば、チップ1の曲率半径が10nm、50nm、100nmの場合、終端原子1bの原子半径を0.3nm、チップ1とアパーチャ10の距離を50mmとすれば、開口部10aの半径をそれぞれ1.5mm、0.3mm、0.15mmに設定すればよい。また、第二のアパーチャ10は、開口径の異なる開口部を備え、通過させるイオンビームの電流量を調整することが可能である。
<実施例1>
図5に示すように、第二のアパーチャ10よりも試料13側に配置したファラデーカップ113を用いてチップ1の先端構造を検査する手法について説明する。イオンビーム11がチップ1の先端の一つの原子から放出されたイオンビームのみを通過させる開口部を通過するようにアパーチャ駆動部110により第二のアパーチャ10を移動する。また、イオンビーム11が照射されるように、ファラデーカップ駆動部114を用いてファラデーカップ113を移動させる。そして、チップ1からイオンビーム11を照射させる。ファラデーカップに照射されたビーム電流を電流測定部111で測定する。測定した電流値を、制御部16を介して表示部17に表示する。イオンビーム11が開口部10aを通過するように調整を行う。
調整方法は、ガンアライメント電極9に走査信号入力してイオンビーム11を第二のアパーチャ10上に走査照射する。このとき表示部17に表示される電流値が最大になる位置にガンアライメント電極9でイオンビーム11の照射位置を調整する。または、第二のアパーチャ10を移動させながら表示部17に表示される電流値を確認し、電流値が最大になる位置に第二のアパーチャ10を移動させる。これにより、イオンビーム11が開口部10aを通過するように調整することができる。
次に、イオンビーム11が開口部10aを通過する状態でイオンビーム11のビーム電流測定を行う。そして、測定した電流値とあらかじめ測定したチップ1の終端原子1bが一つのときのイオンビーム11の標準電流値と比較する。このとき、ガス種、ガス圧力、引出電圧を同じ条件で測定した標準電流値と測定電流値とを比較する。また、標準電流値は上述したチップ1の先端の一つの原子から放出されたイオンビームのみを通過させる開口部よりも大きな径の開口部、もしくは、第二のアパーチャを用いずに測定したものを用いる。
図6は引出電圧とイオンビームの電流値の関係図である。横軸は引出電圧、縦軸は測定したイオンビームのビーム電流である。あらかじめ第二のアパーチャを用いずに測定したチップ1の終端原子1bが一つのときのイオンビーム11の電流値を標準電流値73で示す。先端構造がピラミッド構造であり、チップ1の終端原子が一つになっている場合、測定した電流値74は標準電流値73とほぼ一致する。なぜなら、チップ1に供給されたガスはチップ1の一つの終端原子でのみイオン化されて、イオンビームとして放出されるからである。一方、先端構造がピラミッド構造であり、チップ1の終端原子が三つになっている場合、ある引出電圧における電流値は、標準電流値74aに対して測定電流値75aのように約三分の一になっている。なぜなら、チップ1の先端の一つの原子から放出されたイオンビームのみを通過させる開口部を有する第二のアパーチャ10を用いることにより、チップ1の終端原子が三つになっている場合は、終端原子のうち一つの原子から放出されたイオンビームだけが開口部を通過して電流測定されるからである。チップ1に供給されたガスはチップ1の三つの終端原子でのみイオン化されて、イオンビームとして放出されるので、全ビーム電流の約三分の一になる。また、測定電流値76のように標準電流値73の三分の一よりも小さな値となる場合、チップ1の先端構造は終端原子が一つまたは三つのピラミッド構造になっていないと判定することができる。
このように、FIM像を取得することなく、チップ1の先端構造が、終端原子が一つまたは三つのピラミッド構造になっているか否かを判定することができる。また、終端原子の個数が一つか三つかの判定をすることができる。
<実施例2>
図7に示すように、ビームブランキングによりイオンビーム電流を測定しチップ1の先端構造を検査する手法について説明する。イオンビーム11がチップ1の先端の一つの原子から放出されたイオンビームのみを通過させる開口部を通過するようにアパーチャ駆動部110により第二のアパーチャ10を移動する。また、電流測定電極112を構成するブランキング電極112aによりイオンビーム11をビーム測定電極112bに照射されるように偏向する。そして、ファラデーカップに照射されたビーム電流を電流測定部111で測定する。測定したイオンビーム11の電流値を用いて上述したとおりチップ1の先端構造の検査を実施する。
1…チップ
2…イオン源用ガスノズル
3…イオン源用ガス供給源
4…引出電極
5…カソード電極
6…集束レンズ電極
7…第一のアパーチャ
7a…開口部
8…対物レンズ電極
9…ガンアライメント
10…第二のアパーチャ
10a…開口部
11…イオンビーム
12…試料ステージ
13…試料
14…検出器
15…試料室
16…制御部
17…表示部
18…ガス銃
19…イオン銃部
20…調整機構
21…イオン発生室
24…冷却装置
25…ガス分子
27…電圧供給部

Claims (6)

  1. 針状のチップと、チップにガスを供給するガス供給部と、チップとの間で電圧を印加しチップ表面に吸着したガスをイオン化してイオンビームを引き出す引出電極と、イオンビームの照射方向を調整するアライメント電極と、試料にイオンビームを集束させるレンズ系とを有する集束イオンビーム装置において、
    前記チップの先端の一つの原子から放出されたイオンビームを通過させる開口部を有し、前記アライメント電極よりも前記試料側に設置されたアパーチャと、
    前記開口部を通過した前記イオンビームの電流量を測定する電流測定部と、を有する集束イオンビーム装置。
  2. 前記アパーチャは、通過させる前記イオンビームの電流量を制限する径の異なる複数の開口部を有する請求項1に記載の集束イオンビーム装置。
  3. 前記開口部を前記イオンビームの照射軸上に移動可能なアパーチャ駆動部を有する請求項2に記載の集束イオンビーム装置。
  4. 前記電流測定部は、前記イオンビームの照射軸上に移動可能で、前記アパーチャよりも前記試料側に設置され、前記イオンビームの電流量を測定するためのファラデーカップを有する請求項1から3のいずれか一つに記載の集束イオンビーム装置。
  5. 前記電流測定部は、前記アパーチャよりも前記試料側に設置されたブランキング電極で偏向したイオンビームを測定するビーム測定電極を有する請求項1から3のいずれか一つに記載の集束イオンビーム装置。
  6. チップにガスを供給し、前記チップと引出電極との間に電圧を印加し、前記チップの先端部からイオンビームを放出し、前記イオンビームの第一の電流量を測定する工程と、
    前記チップに前記ガスを供給し、前記チップと前記引出電極との間に前記電圧を印加し、前記チップからイオンビームを放出し、前記チップの先端の一つの原子から放出され、アパーチャの開口部を通過したイオンビームの第二の電流量を測定する工程と、
    前記第一の電流量と前記第二の電流量を比較し前記チップの先端構造を検査する工程と、からなるチップ先端構造検査方法。
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