JP2011208762A - 真空断熱材 - Google Patents

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Abstract

【課題】貫通孔を有する真空断熱材において、長期に渡って優れた断熱性能を維持しつつ、貫通孔による芯材の面積減少を抑制した真空断熱材を提供すること。
【解決手段】真空断熱材1は、貫通孔を有する芯材2と、芯材2を覆う少なくともガスバリア層と熱溶着層とを有し芯材2の貫通孔に対応する部分に穴を設けた外被材3とを有し、外被材3の熱溶着層同士を熱溶着して芯材2を減圧密封したものある。そして、芯材2の貫通孔の縁と外被材3の穴との間の外被材3同士が熱溶着された熱溶着部7に、ガスバリア層に挟まれた熱溶着層の厚みが部分的に薄くなった薄肉部8を、穴の周方向に連続して有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、家電製品、車両、住宅等の断熱材に適用可能な真空断熱材に関するものである。
近年、真空断熱材は、芯材や外被材の高性能化、及び製造設備の高性能化により年々、断熱性能が向上している。外被材は高性能バリアフィルムの開発により、表面からの浸入ガスが減少し、また、表面のこすれや衝撃、衝突によるガスバリア性の劣化も改善されてきている。その一方で、断熱部分の被覆面積を拡大し被覆率の向上の要望が増えてきている。
しかしながら、長方形などの形状はまだしも、一つでも貫通孔を有する形状では、この貫通孔の周囲の外被材の熱溶着部分を確保しなければならず、もし、この熱溶着部の幅を小さくして芯材の面積を大きく確保すると、被覆率は向上するものの、この熱溶着部からのガス浸入量が増大し、長期に渡って優れた断熱性能を維持できないという課題があった。つまり、芯材に貫通孔のある場合、芯材の面積が大きく減少し、被覆率を向上させることは困難であった。
ここで、外気から真空断熱材内部へ侵入するガス経路について説明する。
真空断熱材は、通常、2枚の長方形の外被材を重ね合わせて長方形の外被材の3辺の周縁近傍の外周部を熱溶着して作製した3方シール袋内へ袋の開口部から芯材を挿入し、真空包装機を用いて外被材の袋内部を真空引きしながら、3方シール袋の開口部を熱溶着することによって製造される。貫通孔を設けるには芯材の貫通孔部分の外被材を貫通孔に沿って一定の幅以上を確保して熱溶着しその後一定の幅以上の溶着部を残して外被材を切り取り貫通孔を設ける(例えば、特許文献1参照)。
外被材には、通常、最外層にナイロンフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルムなどの表面保護の役割を果たすフィルムを接着剤を介して積層した表面保護層、そして中間層にはアルミニウム箔やアルミニウム蒸着フィルムなどのバリア性を有する材料からなるガスバリア層、そして最内層には低密度ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂からなる熱溶着層を用いる。
この場合、外気から真空断熱材内部へ透過する大気ガスは、外被材表面から透過してくる成分と、外被材周縁の端面(貫通孔を設けたものは貫通孔部分の外被材周縁の端面を含む)の熱溶着層が露出している部分から溶着部を通って内部に透過してくる成分との2つに分類される。
このうち、熱溶着層を構成している熱可塑性樹脂は、ガスバリア層と比べると気体透過度および透湿度が極めて高いことから、真空断熱材内部へ経時的に侵入する大気ガス量のうち、外被材周縁の端面の熱溶着層が露出している部分から溶着部を通って内部に透過したものが大半を占める。
ここで断熱部分の被覆面積を拡大し被覆率の向上の観点からみると、真空断熱材の芯材の外周部には外被材を熱溶着したヒレ部が出来てしまうが、芯材に沿って折りたためばほぼ芯材と同じ外周サイズになる。
しかしながら、貫通孔のまわりに出来る外被材の溶着部のヒレは芯材に沿って折りたたむことができず芯材の無い部分が大きくできてしまい、断熱部の被覆面積を少なくして被覆率を下げてしまう結果となる。
よって、長期にわたって優れた断熱性能を維持しつつ芯材面積の大きい、つまり断熱部分の被覆率を向上させた真空断熱材の提供には、外被材周縁の端面の熱溶着層が露出している部分、特に貫通孔部分の外被材周縁の端面からの大気ガス浸透量抑制が不可欠であり、その効果的な手法が課題とされている。
図4は、従来の真空断熱材の平面図である。図5は、従来の真空断熱材の断面図である。図6は、従来の真空断熱材の熱溶着部の要部拡大断面図である。
図5及び図6に示すように、真空断熱材9は、貫通孔を有する芯材10と表面保護層12とガスバリア層13と熱溶着層14とを有する外被材11からなり、外被材11が芯材10の外周及び貫通孔の周囲に沿って熱溶着された溶着部15が形成されている。
特開平8−303686号公報
しかしながら、上記従来の構成では、外気から真空断熱材の内部へ透過する大気ガスは、貫通孔部分の外被材の周縁の端面の熱溶着層が露出している部分から溶着部を通って内部に透過してくる。
このうち、熱溶着層を構成している熱可塑性樹脂は、ガスバリア層と比べると気体透過度および透湿度が極めて高いことから、真空断熱材の内部へ経時的に侵入する大気ガス量のうち、外被材の周縁の端面の熱溶着層が露出している部分から溶着部を通って内部に透過したものが大半を占める。
ここで断熱部分の被覆面積を拡大し被覆率の向上の観点からみると、真空断熱材の芯材の貫通孔のまわりに出来る外被材の溶着部のヒレは芯材に沿って折りたたむことができず大きな芯材の無い部分ができてしまい、断熱部の被覆面積を小さくして被覆率を下げてしまう課題があった。
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、貫通孔を有する真空断熱材において、長期に渡って優れた断熱性能を維持しつつ、貫通孔による芯材の面積減少を抑制し、断熱部の被覆率を向上させることが出来る真空断熱材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の真空断熱材は、貫通孔を有する芯材と、前記芯材を覆う少なくともガスバリア層と熱溶着層とを有し前記芯材の貫通孔に対応する部分に穴を設けた外被材とを有し、前記外被材の熱溶着層同士を熱溶着して前記芯材を減圧密封した真空断熱材において、前記芯材の貫通孔の縁と前記外被材の穴との間の前記外被材同士が熱溶着された部分に、前記ガスバリア層に挟まれた前記熱溶着層の厚みが部分的に薄くなった薄肉部を、前記穴の周方向に連続して有するのである。
これによって、外被材の穴の周囲の熱溶着部の幅を小さくして芯材の面積を大きく確保しても、この熱溶着部からのガス浸入量が増大せず、長期に渡って優れた断熱性能を維持できる。つまり、芯材に貫通孔があっても、芯材の面積が大きくすること出来ができ、断熱部の被覆率を向上させることが可能となる。
本発明の真空断熱材は、外被材の穴の周囲の熱溶着部の幅を小さくして芯材の面積を大きく確保しても、この熱溶着部からのガス浸入量が増大せず、長期に渡って優れた断熱性能を維持できる。つまり、芯材に貫通孔があっても、芯材の面積が大きくすることができ、断熱部の被覆率を向上させることが出来る真空断熱材を提供できる。
本発明の実施の形態1における真空断熱材の平面図 同実施の形態における真空断熱材の断面図 同実施の形態における真空断熱材の薄肉部を含む熱溶着部の要部拡大断面図 従来の真空断熱材の平面図 従来の真空断熱材の断面図 従来の真空断熱材の熱溶着部の要部拡大断面図
第1の発明は、貫通孔を有する芯材と、前記芯材を覆う少なくともガスバリア層と熱溶着層とを有し前記芯材の貫通孔に対応する部分に穴を設けた外被材とを有し、前記外被材の熱溶着層同士を熱溶着して前記芯材を減圧密封した真空断熱材において、前記芯材の貫通孔の縁と前記外被材の穴との間の前記外被材同士が熱溶着された部分に、前記ガスバリア層に挟まれた前記熱溶着層の厚みが部分的に薄くなった薄肉部を、前記穴の周方向に連続して有することを特徴とする真空断熱材である。
上記構成において、真空断熱材内部へ経時的に侵入する大気ガスは、外被材周縁の端面の熱溶着層が露出している部分から熱溶着部を通って内部に透過するが、芯材の貫通孔の縁と外被材の穴との間の外被材同士が熱溶着された部分に、ガスバリア層に挟まれた熱溶着層の厚みが部分的に薄くなった薄肉部を、穴の周方向に連続して有するので、穴の周囲の熱溶着層の薄肉部において、外被材の端面から侵入する気体および水分の透過面積が縮小され、気体および水分の透過抵抗が増大し、気体および水分の透過速度が低減されることから、経時的に透過する気体および水分量が抑制され、長期にわたって優れた密封性能を発揮できる。
従って、外被材の穴の周囲の熱溶着部の幅を小さくして芯材の面積を大きく確保しても、この熱溶着部からのガス浸入量が増大せず、長期に渡って優れた断熱性能を維持できる。つまり、芯材に貫通孔があっても、芯材の面積が大きくすること出来ができ、被覆率を向上させることが可能となる。
外被材を構成する熱溶着層としては、特に指定されるものではないが、低密度ポリエチレンフィルム、直鎖低密度ポリエチレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルム、中密度ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等の熱可塑性樹脂あるいはそれらの混合フィルム等が使用できる。
外被材に使用するラミネート接着剤については、特に指定するものではないが、2液硬化型ウレタン接着剤等の従来公知のラミネート用接着剤もしくはエポキシ系樹脂接着剤が使用できる。
外被材の袋形状は、四方シール袋、ガゼット袋、三方シール袋、ピロー袋など、特に指定するものではない。
以上により、貫通孔を有する真空断熱材において、長期に渡って優れた断熱性能を維持しつつ、貫通孔による芯材の面積減少を抑制した真空断熱材を提供できる。
以下、本発明の真空断熱材の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における真空断熱材の平面図であり、図2は、同実施の形態における真空断熱材の断面図であり、図3は、同実施の形態における真空断熱材の薄肉部を含む熱溶着部の要部拡大断面図である。
図1から図3に示すように、本実施の形態の真空断熱材1は、貫通孔を有する芯材2と、2枚の長方形のラミネートフィルムを重ね合わせ、芯材2の貫通孔に対応する部分に穴を有する外被材3からなる。
外被材3は、外層側から、表面保護層4と、ガスバリア層5と、熱溶着層6とが積層されてなる。また、外被材3にはの長方形の周囲辺(外周部)及び芯材2の貫通孔の周囲部分に、外被材3の有する熱溶着層6同士を溶融し貼り合わせた熱溶着部7があり少なくとも芯材2の貫通孔の周囲部分の熱溶着部7には薄肉部8を有している。
次に、薄肉部8を有する熱溶着部7の詳細形状について説明する。
図3に示すように、熱溶着層6とガスバリア層5との境界面が形成する波の形状により波のもっとも低い底の部分(凹部の最深部)が薄肉部8に位置している。
次に、本実施の形態において、真空断熱材1の製造方法の一例を述べる。
まず、2枚の長方形のラミネートフィルムの外被材3の熱溶着層6同士を対向するように配置し重ね合わせ、外被材3の周囲辺の3辺を熱溶着して3方シールの袋状とする。この後、袋状になった外被材3内に芯材2を挿入し、袋内部を減圧しながら、外被材3の袋の残りの一辺の開口部を熱溶着させて密封することにより真空断熱材1を得る。
次に芯材2の貫通孔部分の外被材3を芯材2の貫通孔の端にに沿って一定の幅以上を確保して熱溶着し貫通孔部分の熱溶着部7を設ける。この熱溶着時には、金属製凸形状を有するの加圧加熱治具と平板のシリコンゴムヒーターとで2枚のラミネートフィルムを重ね合わせた外被材3を挟むように加圧加熱溶着し、図3に示す薄肉部8を有する形状の熱溶着部7を形成する。その後、熱溶着部7を残して芯材2の貫通孔部分の外被材3を切り取り外被材3に穴を設ける。
尚、ここでは、熱溶着されていない2枚の外被材3を加圧加熱治具9で加圧加熱溶着することにより簿肉部8を有する熱溶着部7を熱溶着と同時に形成したが、2枚の外被材3に通常の平板の加圧加熱治具を用いて簿肉部8を有さない厚みが略均一な熱溶着層6からなる熱溶着部7を形成した後、追加の加工で熱溶着部7上を加圧加熱治具で加圧加熱して簿肉部8を形成してもよい。
本実施の形態の真空断熱材1は、芯材2の貫通孔の周縁近傍の外周部における外被材3の熱溶着層6同士が加圧加熱溶着されてできる熱溶着部7を周縁に垂直な平面で切断した場合の断面を見た時、熱溶着部7に位置する熱溶着層6の厚みが周辺部よりも薄い薄肉部8が少なくとも1箇所以上形成されている。
また、本実施の形態の真空断熱材1は、貫通孔を有する芯材2と、芯材2を覆う少なくともガスバリア層5と熱溶着層6とを有し芯材2の貫通孔に対応する部分に穴を設けた外被材3とを有し、外被材3の熱溶着層6同士を熱溶着して芯材2を減圧密封した真空断熱材1であって、芯材2の貫通孔の縁と外被材3の穴との間の外被材3同士が熱溶着された熱溶着部7に、ガスバリア層5に挟まれた熱溶着層6の厚みが部分的に薄くなった薄肉部8を、穴の周方向に連続して有する。
以上のように構成された真空断熱材1について、以下その動作、作用を説明する。
外被材3は、熱可塑性樹脂やガスバリア性を有する金属箔や樹脂フィルム等から成るラミネートフィルムであり、外部から真空断熱材1内部への大気ガス侵入を抑制する役割を果たすものである。
表面保護層4は、外被材3が有する層のうち、ガスバリア層5よりも外層側に位置し、外力から外被材3、特にガスバリア層5の傷つきや破れを防ぐ役割を果たすものである。
表面保護層4としては、ナイロンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム等従来公知の材料が使用でき、同一種類でも2種類以上でも、表面保護層4に複数枚重ねて使用してもよい。
ガスバリア層5は、高いバリア性を有する1種類もしくは2種以上のフィルムから構成される層であり、外被材3に優れたガスバリア性を付与するものである。
ガスバリア層5としては、アルミニウム箔、銅箔、ステンレス箔などの金属箔や、ポリエチレンテレフタレートフィルムやエチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムへアルミニウムや銅等の金属原子もしくはアルミナやシリカ等の金属酸化物を蒸着したフィルムや、金属原子や金属酸化物を蒸着した面にコーティング処理を施したフィルム等が使用できる。
熱溶着層6は、ラミネートフィルム同士を熱溶着し、真空断熱材1内部の密封性を保持する役割に加えて、芯材2による真空断熱材1内部からの突刺し等からガスバリア層5を保護する役割を果たすものである。
熱溶着層6としては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、メタロセン触媒系直鎖状低密度ポリエチレンフィルム、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートフィルム等従来公知の材料が使用でき、1種類でも2種類以上重ねて使用してもよい。
熱溶着部7は、外被材3のラミネートフィルムの熱溶着層6同士を熱溶着することにより構成され、真空断熱材1内部と外部とを遮断する役割を果たしている。
薄肉部8は、外被材3周縁の端面から熱溶着部7を通って真空袋体1内部へ侵入する大気ガスの透過速度を抑制し、真空断熱材1の密封性を維持する役割を果たしている。
以上のように、本実施の形態においては、熱溶着部7における熱溶着層6とガスバリア層5との境界面が形成する熱溶着層6を通過する大気ガス侵入経路の少なくとも一部に薄肉部8が設けられているため、真空断熱材1内部への経時的な大気ガス侵入が抑制される。
本実施の形態の真空断熱材1は、芯材2を挿入して真空密封する2枚の外被材3の周縁近傍の外周部同士が加圧加熱溶着された真空断熱材1において、外被材3の外周部同士が加圧加熱溶着された熱溶着部7の少なくとも一部を周縁に垂直な平面で切断した場合の断面を見た時、熱溶着部7に位置する熱溶着層6が少なくとも1つの凹部、つまり薄肉部8が形成されている。
上記構成において、外被材3の周縁部同士が熱溶着された熱溶着部7の少なくとも一部を周縁に垂直な平面で切断した場合の断面を見た時、熱溶着部7の熱溶着層6の厚みが局所的に薄い薄肉部8を設けていることにより、熱溶着層6の薄肉部8において、外被材3周縁の端面から侵入する気体および水分の透過断面積が縮小され、気体および水分の透過抵抗が増大し、気体および水分の透過速度が低減されることから、経時的に透過する気体および水分量が抑制され、長期にわたって優れた断熱性能を発揮できる。従って、薄肉部8を有する熱溶着部7の幅を狭くすることができ、芯材2の面積を大きくすることが出来る。つまり、断熱部の被覆率を向上させることが可能となる。
以上により、熱溶着部7に設けた熱溶着層6の薄肉部8及びその近傍において、クラック発生や熱溶着部7破断が極めて起きにくい、長期に渡って優れた密封性能を維持する真空断熱材1を提供できる。
また、本実施の形態の真空断熱材1は、貫通孔を有する芯材2と、芯材2を覆う少なくともガスバリア層5と熱溶着層6とを有し芯材2の貫通孔に対応する部分に穴を設けた外被材3とを有し、外被材3の熱溶着層6同士を熱溶着して芯材2を減圧密封した真空断熱材1であって、芯材2の貫通孔の縁と外被材3の穴との間の外被材3同士が熱溶着された熱溶着部7に、ガスバリア層5に挟まれた熱溶着層6の厚みが部分的に薄くなった薄肉部8を、穴の周方向に連続して有する。
上記構成において、真空断熱材1内部へ経時的に侵入する大気ガスは、外被材3周縁の端面の熱溶着層6が露出している部分から熱溶着部7を通って内部に透過するが、芯材2の貫通孔の縁と外被材3の穴との間の外被材3同士が熱溶着された熱溶着部7に、ガスバリア層5に挟まれた熱溶着層6の厚みが部分的に薄くなった薄肉部8を、穴の周方向に連続して有するので、穴の周囲の熱溶着層6の薄肉部8において、外被材3の端面から侵入する気体および水分の透過面積が縮小され、気体および水分の透過抵抗が増大し、気体および水分の透過速度が低減されることから、経時的に透過する気体および水分量が抑制され、長期にわたって優れた密封性能を発揮できる。
従って、外被材3の穴の周囲の熱溶着部7の幅を小さくして芯材2の面積を大きく確保しても、この熱溶着部7からのガス浸入量が増大せず、長期に渡って優れた断熱性能を維持できる。つまり、芯材2に貫通孔があっても、芯材2の面積が大きくすること出来ができ、被覆率を向上させることが可能となる。
以上のように、本発明にかかる真空断熱材は、貫通孔を有しているにもかかわらず、断熱部の被覆率を高めつつ、長期にわたる使用にも耐えうる断熱性能を有しているものであり、家電製品、車両、住宅等の断熱材にも適用できる。
1 真空断熱材
2 芯材
3 外被材
5 ガスバリア層
6 熱溶着層
7 熱溶着部
8 薄肉部

Claims (1)

  1. 貫通孔を有する芯材と、前記芯材を覆う少なくともガスバリア層と熱溶着層とを有し前記芯材の貫通孔に対応する部分に穴を設けた外被材とを有し、前記外被材の熱溶着層同士を熱溶着して前記芯材を減圧密封した真空断熱材において、前記芯材の貫通孔の縁と前記外被材の穴との間の前記外被材同士が熱溶着された部分に、前記ガスバリア層に挟まれた前記熱溶着層の厚みが部分的に薄くなった薄肉部を、前記穴の周方向に連続して有することを特徴とする真空断熱材。
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