JP2011207070A - テープ印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コア部に巻かれたテープを引き出してテープ印刷を行うテープ印刷装置において、簡易にテープエンドの検出を可能とするテープ印刷装置を提供すること。
【解決手段】モータードライバー71a及びエンコーダー80で構成されるモーター監視装置90によって監視された送りモーター55の動作状態の監視結果に基づいて、テープエンド検出装置77aがテープのテープエンドを検出するので、テープのテープエンド検出を比較的簡易かつ確実に行うことができる。また、この場合、送りモーター55の動作状態を監視するモータードライバー71a等は、送りモーター55を一定速度に調整する等のために設けられた既存のものであるので、テープエンド検出のための新たなセンサー等を別途設ける必要がなく簡易な構成にできる。
【選択図】図4

Description

本発明は、コア部にエンド部分を貼り付けて巻き取られたテープを徐々に引き出して各種印刷を行うテープ印刷装置に関する。
従来のテープ印刷装置として、熱転写印字用のインクリボンのエンド部を透明のものとし光センサーによってエンド部を感知することで、エンド及びニアエンドを検出するものが知られている(特許文献1参照)。また、同様の技術として、光センサーにエンドを検出させるために、インクリボンや印字テープに複数本のセンサーマークを施すものも知られている(特許文献2参照)。
特開平6−99651号公報 特開平9−300764号公報
しかし、上記のような方法により、テープエンドを検出する場合、テープ印刷装置において検出のためのセンサー等の部材の追加が必要となる。また、例えば上記特許文献1のように、センサーにテープエンドを検出させるためにテープのエンド部分に透光性のフィルムのように印刷できない部分を付加したり、上記特許文献2のように、センサー用のマークをつけたりする必要があり、テープの構造が複雑になる。なお、センサー用のマークを付けた場合、誤作動を防ぐため、例えばテープ全体に模様を付すといったことが制限される可能性がある。
そこで、本発明は、コア部に巻かれたテープを引き出してテープ印刷を行うテープ印刷装置において、簡易にテープエンドの検出を可能とするテープ印刷装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るテープ印刷装置は、コア部にエンド部分を貼り付けて巻かれたテープ状部材に印刷を行う印刷部と、テープ状部材を印刷部に搬送する搬送部と、搬送部を駆動する搬送部駆動モーターと、搬送部駆動モーターの動作状態を監視するモーター監視装置と、モーター監視装置での監視結果に基づいてテープ状部材のエンド部分の搬送に対応するテープエンドを検出するテープエンド検出装置と、を備える。
上記テープ印刷装置によれば、モーター監視装置によって監視された搬送部駆動モーターの動作状態の監視結果に基づいて、テープエンド検出装置がテープ状部材のテープエンドを検出するので、テープ状部材のテープエンド検出を比較的簡易かつ確実に行うことができる。また、この場合、搬送部駆動モーターの動作状態を監視するモーター監視装置は、既存のものを適用できるので、テープエンド検出のためにセンサー等の部品を別途設ける必要がない。
本発明の具体的な側面では、テープエンド検出装置は、モーター監視装置により搬送部駆動モーターの負荷が所定値以上上昇したことが確認された場合に、テープエンドを検出する。この場合、テープ状部材のエンド部分とコア部との接着のために、搬送部駆動モーターの負荷が上昇する状態を監視することになる。テープエンド検出装置は、このような負荷の上昇の監視結果に基づいて、テープエンドを検出できる。
本発明のさらに別の側面では、テープエンド検出装置は、モーター監視装置により搬送部駆動モーターの負荷が所定値以上上昇した状態を維持していることが確認された場合に、テープエンドを検出する。この場合、テープ状部材のエンド部分がコア部から剥離されずに貼り付けられた状態にあることで搬送部駆動モーターの負荷が上昇した状態を維持している状態を監視することになる。テープエンド検出装置は、このような負荷の上昇維持の監視結果に基づいて、テープエンドを検出できる。
本発明のさらに別の側面では、テープエンド検出装置は、モーター監視装置において搬送部駆動モーターの負荷が所定値以上に下降したことが確認された場合に、テープエンドを検出する。この場合、テープ状部材のエンド部分がコア部から剥離されることで、搬送部駆動モーターの負荷が下降する状態を監視することになる。テープエンド検出装置は、このような負荷の下降の監視結果に基づいて、テープエンドを検出できる。
本発明のさらに別の側面では、テープエンド検出装置は、モーター監視装置において搬送部駆動モーターの負荷が所定値以上に上昇した後下降したことにより、テープエンドを検出する。この場合、テープ状部材のエンド部分をコア部から剥離させるために、搬送部駆動モーターの負荷が一旦上昇し、エンド部分がコア部から剥離されると、搬送部駆動モーターの負荷が下降する、という状態の変動を監視することになる。テープエンド検出装置は、このような負荷の一連の変動の監視結果に基づいて、テープエンドを検出できる。
本発明のさらに別の側面では、モーター監視装置が、搬送部駆動モーターの回転を監視し、テープエンド検出装置が、当該回転数の維持に必要な負荷に基づいてテープエンドを検出する。この場合、比較的簡易かつ確実に搬送部駆動モーターの負荷の変化を感知してテープエンドを検出できる。
本発明のさらに別の側面では、搬送部駆動モーターが、DCモーターであり、モーター監視装置が、DCモーターの回転速度の情報を出力するエンコーダーを有し、エンコーダーから出力される回転速度の情報に基づきPWM波形のデューティー比を変更するフィードバック制御を行い、テープエンド検出装置が、PWM波形のデューティー比の変化からテープエンドを判断する。この場合、DCモーターにかかる負荷が変化しても、フィードバック制御により搬送部駆動モーターの回転速度を一定に保つことができ、フィードバック制御に付随するデューティー比に関する情報に基づいて簡易かつ的確にテープエンドであるか否かを判断できる。
本発明のさらに別の側面では、印刷部が、テープエンドが検出された場合に、テープエンドに関する情報をテープ状部材に印刷する。この場合、例えばテープエンド検出後にテープ印刷装置の電源がオフとなっても、テープエンドに関する情報がテープ状部材に印刷された状態で残るため、当該情報を確実に確認できる。
第1実施形態に係るテープ印刷装置の外観斜視図である。 (A)は、テープ印刷装置の開蓋状態を示す外観斜視図であり、(B)は、テープ印刷装置に装填されるテープカートリッジを示す外観斜視図である。 搬送時のテープの状態について模式的に示す図である。 (A)は、テープ印刷装置の制御系全体のブロック図であり、(B)は、制御系のうちテープエンドの検出に係る部分のブロック図である。 (A)は、テープ搬送時の負荷の変化を示すグラフであり、(B)〜(D)は、負荷の変化におけるテープエンドの様子を示す模式図である。 テープエンドの検出処理の一例を示すフローチャートである。 (A)、(B)は、テープエンド時の情報印刷をしたテープの例について示す図である。 (A)は、第2実施形態に係るテープ印刷装置のテープ搬送時の負荷の変化を示すグラフであり、(B)は、テープエンドの様子を示す模式図である。 テープエンドの検出処理の一例を示すフローチャートである。
〔第1実施形態〕
以下、図面を参照して、第1実施形態に係るテープ印刷装置について説明する。
図1は、本実施形態におけるテープ印刷装置の全体を示した斜視図である。また、図2(A)は、図1のテープ印刷装置の開閉蓋を開蓋したときの斜視図であり、図2(B)は、テープ印刷装置に装填されるテープカートリッジを示す斜視図である。
図1、2(A)及び2(B)に示すように、このテープ印刷装置10は、上下2分割の装置ケース20により外殻が形成され、開閉蓋となる上側ケース21と、テープカートリッジCが装填されるポケット41等の機構部が配設された下側ケース22とにより構成されている。
上側ケース21の上面には、その手前側にキーボード33が、右奥側にディスプレイ34がそれぞれ配設されており、テープカートリッジCの脱着時以外は、閉蓋状態で使用される。
キーボード33は、下側ケース22内に内蔵された制御系であるマイコンチップ等に対するデータ、指令等の情報を入力するためのものとなっている。このキーボード33には、文字、記号、数字等を含むテキスト情報を入力するための文字キー群31の他、各種の動作モードなどを指定するための機能キー群32等が配列されている。
ディスプレイ34は、任意の文字列等を横方向及び縦方向にn列×m行(n,mは適当な自然数)で表示可能な表示画面36を有し、下側ケース22内に内蔵された制御系であるマイコンチップ等による処理結果や指令等を表示できるようになっている。すなわち、ディスプレイ34は、ユーザーがキーボード33からデータや各種指令・指示等を入力して文字列等を選択・編集したり、その結果等を視認したりする際などに用いられる。
下側ケース22には、テープカートリッジCを装着するためのポケット41が設けられており、テープカートリッジCは、上側ケース(開閉蓋)21を開放した状態でポケット41に対して着脱される。テープカートリッジCには、カートリッジケース51の内部に一定の幅のテープTとインクリボンRとが収容されている他、ポケット41に配設されたヘッドユニット42を差し込むための貫通孔53が形成されている。
また、テープTは、印刷対象であるテープ状部材の本体を構成するものであり、裏面に接着面が形成され、それが剥離紙によって覆われた構成になっている。テープTとインクリボンRは、貫通孔53の位置で相互に重なり合った状態で走行するとともに、テープTのみが外部に排出され、インクリボンRは内部で巻き取られるようになっている。
ポケット41の適所に設けたヘッドユニット42には、サーマルヘッドから成る印刷ヘッド42aが内蔵されており、テープカートリッジCがポケット41に装填された状態で、印刷ヘッド42aが、テープカートリッジCの貫通孔53から露出しているインクリボンRの裏面に当接するようになっている。そして、印刷ヘッド42aを発熱駆動することにより、所望の文字などがテープTの表面に印刷される。
また、下側ケース22の左側部には、ポケット41と装置外部とを連通するテープ排出口44が形成され、このテープ排出口44には、送り出したテープTを切断するテープカッター45が臨んでいる。また、ポケット41には、装着されたテープカートリッジCの被駆動部が係合するリボン駆動軸47及びローラー駆動軸48が設けられており、内蔵された送りモーター55(図4(B)等参照)を駆動源として、これらの駆動軸47,48により、テープカートリッジC内のインクリボンR及びテープTの送りが行われ、かつ、これらに同期して印刷ヘッド42aを駆動することで、印刷が行われる。また、印刷完了後、テープTの送りが続行されテープTに設定された切断位置がテープカッター45の位置まで送られる。
このように構成されたテープ印刷装置10の一般的な使用方法は、ユーザーが、ポケット41にテープカートリッジCを装填した後、ディスプレイ34により入力・編集結果を確認しながらキーボード33を用いて所望の文字や記号等の印刷情報を入力し、印刷を指示する。この指示により、テープカートリッジCからテープTが繰り出され、印刷ヘッド42aによりテープTに所望の印刷が行われた後、印刷済み部分はテープ排出口44から随時外部に送り出される。そして、印刷が完了すると、余白分を含むテープ長さの位置までテープ送りが行われ、所定の位置でテープTがカットされることによりラベルが作成される。
以下、図3を参照して、図2(B)のテープカートリッジC内に収納されるテープTや、これを本体とするテープ状部材である巻きテープ50について説明する。巻きテープ50は、コア部CRと、両面テープBBと、テープTとを備える。このうち、長い帯状のテープTは、エンド部分EP(図5(B)参照)において両面テープBBによってコア部CRに対してある程度の接着力で貼り付けられて、コア部CRのまわりに巻きつけられている。このように巻きつけられた状態のテープTは、テープ印刷装置10のローラー駆動軸48により引き出される。具体的に説明すると、テープTは、テープカートリッジCの被駆動部でありローラー駆動軸48に係合するプラテンローラー60と、プラテンローラー60側に付勢される印刷ヘッド42aとによって先端側TPを挟持され、ローラー駆動軸48の駆動によりプラテンローラー60が回転動作することで引き出される。つまり、プラテンローラー60は、ローラー駆動軸48によって駆動され、ローラー駆動軸48とともにテープTの搬送部として機能する。
次に、図4(A)を参照して、図1等に示すテープ印刷装置10の制御系の構成について説明する。テープ印刷装置10は、ユーザーとのインターフェースになるキーボード33やディスプレイ34のほかに、印刷ヘッド42aや搬送部駆動モーターとしての送りモーター55を駆動する印刷部駆動回路71と、送りモーター55の回転軸に固定されて回転軸の回転状態を検出可能にするエンコーダーディスク81と、エンコーダーディスク81の回転に対応するオン・オフのタイミングを検出して印刷部駆動回路71のモータードライバー71aに送信するフォトセンサー82と、テープカッター45に切断動作を行わせる切断部駆動回路72と、データや演算結果等を保管するための記憶部73と、以上の回路部分を制御しつつ適宜動作させる制御部77とを備える。
なお、以上において、印刷ヘッド42a及び印刷部駆動回路71は、テープTに印刷を行うための印刷部として機能する。また、エンコーダーディスク81及びフォトセンサー82は、送りモーター55の回転速度の状態を検出するエンコーダー80として機能する。
印刷部駆動回路71のうち、モータードライバー71aは、フォトセンサー82からの信号に基づいて、印刷対象のテープTを送る速度を一定に保つように送りモーター55の調整を行っている。つまり、モータードライバー71aは、エンコーダー80により、DCモーターである送りモーター55のフィードバック制御を行っている。
制御部77は、マイコンチップ等で構成され、記憶部73は、ROMやRAMを備えるICで構成されており、記憶部73に設けたROM内の制御プログラムに従って動作し、キーボード33等から各種指令、各種検出信号等の入力を受け、記憶部73に設けたRAMからの各種データ等を処理し、ディスプレイ34、印刷部駆動回路71、切断部駆動回路72等に制御信号を出力することにより、表示画面36に必要な表示を行わせるとともに、印刷ヘッド42aを制御して所定の印刷条件でテープTに印刷するなど、テープ印刷装置10全体を制御している。特に、制御部77は、モータードライバー71aからフィードバック制御に関する情報、具体的には送りモーター55の負荷に関する情報等を取得している。また、制御部77は、当該情報に基づいて、巻かれていたテープTが全部引き出されエンド部分EPが搬送されてまもなく巻きテープ50が使い切られることに対応するテープエンドの状態になったか否かを検出するテープエンド検出装置77aを備える。
以下、図4(B)を参照して、テープ印刷装置10における印刷のための動作のうち、テープ印刷装置10の送りモーター55の監視動作及び監視結果に基づくテープエンドの検出動作の一例について説明する。なお、図4(B)は、図4(A)に示す制御系全体のブロック図のうち、送りモーター55の監視及びテープTの使い切りに対応するテープエンドの検出に係る制御系の部分について示すものである。
図4(B)の回路部分のうち、モータードライバー71aは、エンコーダー80から取得された情報に基づきフィードバック制御を行っている。具体的には、まず、エンコーダーディスク81は、送りモーター55の回転軸とともに軸回転し、フォトセンサー82は、エンコーダーディスク81の回転を検出することで送りモーター55の回転速度(回転数)に関する情報をモータードライバー71aに出力している。モータードライバー71aは、フォトセンサー82からの検出情報に基づき演算を行い、その演算結果に対応したPWM波形の制御信号を出力する。つまり、送りモーター55の回転速度(回転数)が目標値からずれた場合、このようなずれを補償するようにPWM波形のデューティー比の値即ち電源オンの割合を変更する。具体的には、回転速度が低下した場合、低下分に対応してPWM波形のデューティー比を適宜増加させ、回転速度が増加した場合、増加分に対応してPWM波形のデューティー比を適宜減少させる。
以上のように、モータードライバー71aは、フォトセンサー82から出力された検出情報と送りモーター55の規格や搬送部の抵抗等の条件とに基づいて、必要となるPWM波形のデューティー比の標準値を設定し、その値を回転速度の増減がないように適宜変化させて送りモーター55を駆動することで、送りモーター55の回転数を一定に保つ制御を行っている。つまり、モータードライバー71aは、搬送部駆動モーターである送りモーター55の負荷状態を制御することで、送りモーター55の回転速度つまりテープTの送り速度を略一定に保っている。また、この場合、モータードライバー71a及びエンコーダー80は、送りモーター55の負荷状態を監視するモーター監視装置90として機能する。
制御部77のテープエンド検出装置77aは、モーター監視装置90から送りモーター55の回転に関する情報を、監視結果として受け取る。つまり、テープエンド検出装置77aは、モータードライバー71aにおけるPWM波形のデューティー比の値を送りモーター55の負荷として逐次読み出し、当該情報によりテープTがテープエンドの状態となっているか否かを判断する。
図5(A)は、コア部CRに巻きついている巻きテープ50のエンド部分EPが、両面テープBBから剥離される際の負荷の変動を示すグラフである。図5(A)の横軸は、テープTの走行時間を示し、これはテープTの走行長に相当するものである。また、縦軸は、モーターにかかる負荷の大きさの一例であるデューティー比の値を示すものである。
テープTの搬送を完了しテープエンドとなる場合、テープエンド検出装置77aで検出される送りモーター55の負荷は、図5(A)に示すように変化する。また、この際の巻きテープ50の状態は、図5(B)〜5(D)に示すように段階的に変化している。つまり、コア部CRに巻きついているテープTのうちエンド部分EPが両面テープBBから徐々に剥離され、最終的には、コア部CR及び両面テープBBのみが残存する。従って、テープTは、エンド部分EPを含めて略全て使用可能となっている。
以下、テープエンドの状態におけるテープTと送りモーター55の負荷との関係について具体的に説明する。
まず、図5(B)は、テープTの搬送において、テープTと両面テープBBとの接着による負荷への影響が出始める状態を示している。これは、図5(A)では時間的なポイントaからポイントbにかけての期間T2の状態に相当する。つまり、テープTと両面テープBBとの剥離を行うために必要な負荷が加わり始める。このため、負荷が短期間に上昇することがモータードライバー71aで検出される。
次に、図5(C)は、テープTのエンド部分EPが両面テープBBから剥離されている状態を示している。これは、図5(A)ではポイントbからポイントcにかけての期間T3の状態に相当する。この場合、エンド部分EPの剥離を続けるために負荷が上昇した状態が維持されていることがモータードライバー71aで検出される。
次に、図5(D)は、テープTのエンド部分EPが両面テープBBから剥離しコア部CRから分離されたテープエンドの状態を示している。これは、図5(A)ではポイントc以後の期間T4での状態に相当する。この場合、テープTと両面テープBBとが剥離されたため負荷がなくなるとともに、通常の搬送において必要なテープTを引き出すために巻きテープ50を回転させるのに必要な負荷もなくなる。従って、ポイントc以後の負荷は、通常の負荷であるポイントa以前の負荷よりも値が小さくなることがモータードライバー71aで検出される。
テープエンド検出装置77aは、上記のようなモータードライバー71aで検出される負荷の変化から巻きテープ50即ちテープTがテープエンドの状態であるか否かを検出している。
以下、図6を参照して、テープエンド時におけるテープエンド検出処理の動作の一例について説明する。まず、制御部77のテープエンド検出装置77aは、デューティー比の値の変化を常時検出している(ステップS11)。具体的には、デューティー比の値について閾値を定めておき、送りモーター55によるテープ送りの例えば5ステップごとに閾値以上であるか否かを検出することで負荷増加の有無を確認する。
ステップS11において、デューティー比の値が所定の閾値以上であることが検出されると(ステップS11:Y)、テープエンド検出装置77aは、図5(A)の期間T2のような負荷増加が生じテープエンドとなる可能性があると判断し、次段階のテープTの剥離のために負荷上昇が保持される期間T3のような状態となるか否かを判断する。このため、まず、テープエンド検出装置77aは、カウンターをスタートさせる処理を行い(ステップS12)、次に、デューティー比の値を読み出し(ステップS13)、この値が閾値以上に保たれているか否かを判断する(ステップS14)。以上のステップS13、S14の動作を期間T3に示すような期間即ち所定カウント数に達するまで検出する(ステップS15)。ここでは、一例として、1カウントをテープ送りの5ステップとし、所定カウント数を20とする。カウント数が20に達する前に(ステップS15:N)、ステップS14においてデューティー比の値が下降したと判断されると(ステップS14:Y)、ステップS11で検出されたデューティー比の値の上昇は、テープエンドの兆しによるものではなく他の影響によって一時的に負荷に変動が生じただけであると判断し、エンド表示は行わず、処理を終了する。
一方、ステップS14において、デューティー比の値が下降していないと判断され続けたまま(ステップS14:N)ステップS15において所定カウント数に達すると(ステップS15:Y)、テープエンド検出装置77aは、図5(A)の期間T3のような状態が生じていると判断し、次段階のテープTが剥離した期間T4のような状態となるか否かを判断する。なお、期間T3の状態から期間T4の状態に変化する即ちテープTが剥離されるタイミングには多少の誤差があると考えられる。このため、再びデューティー比の値を読み出し(ステップS16)デューティー比の値が閾値以下に下降したか否かを判断する(ステップS17)が、この際、ステップS16,S17の動作を所定時間継続して繰り返す。
ステップS17において、下降したと判断されると(ステップS17:Y)、テープエンド検出装置77aは、図5(A)の期間T4のようなテープエンドの状態にあると判断し、テープエンドである旨の表示動作の処理を開始する(ステップS18)。つまり、制御部77がディスプレイ34等を適宜動作させてテープエンドをユーザーに通知する。
一方、ステップS17において、下降していないと判断されると(ステップS17:N)、テープエンド検出装置77aは、テープTが剥離されるタイミングの誤差を加味して予め定めた限界カウント数に達したか否かを確認する(ステップS19)。ここでは、一例として、ステップS15でカウントされるカウント数20からさらに30だけ経過したときを限界カウント数とする。限界カウント数に達する前(ステップS19:N)の時には、テープエンド検出装置77aは、限界カウント数に達するまでデューティー比の値を読み出して下降したか否かを確認し(ステップS16、S17)、デューティー比の値の下降を確認すれば(ステップS17:Y)、テープTが図5(A)の期間T4のようなテープエンドの状態になったと判断し、テープエンドである旨の表示処理をする(ステップS18)。デューティー比の値の下降が確認されないまま(ステップS17:N)、限界カウント数に達すると(ステップS19:Y)、テープエンド検出装置77aは、テープ詰まり等何らかの異常が発生して高い負荷がかかったままになっていると判断し、エラー表示処理をする(ステップS20)。
以上において、ステップS18のテープエンド表示動作として、ディスプレイ34のほかに、例えば図7(A)に示すように、テープTのエンド部分EPの印刷面ES上にテープTが終了した旨を印刷することでユーザーに通知してもよい。また、連続印刷している途中でテープTがなくなった場合には、例えば図7(B)に示すように、連続して印刷すべき10枚のうち8枚までの印刷が完了したことを印刷面ES上の印刷内容として示してもよい。この場合、例えばテープエンド検出後にテープ印刷装置10の電源がオフとなりディスプレイ34上の表示等が消えてしまっても、テープエンドが検出されていたことがテープTに印刷された状態で残るため、ユーザーがテープエンドであることを確認できる。
以上のように、本実施形態に係るテープ印刷装置10では、モータードライバー71a及びエンコーダー80で構成されるモーター監視装置90によって監視された送りモーター55の動作状態の監視結果に基づいて、テープエンド検出装置77aがテープTのテープエンドを検出するので、テープTのテープエンド検出を比較的簡易かつ確実に行うことができる。また、この場合、送りモーター55の動作状態を監視するモータードライバー71a等は、送りモーター55を一定速度に調整する等のために設けられた既存のものであるので、テープエンド検出のための新たなセンサー等を別途設ける必要がなく簡易な構成にできる。
なお、上記では、テープエンド検出装置77aは、モータードライバー71aによるデューティー比の値の監視結果に基づいて検出をしているが、監視結果はデューティー比の値に限らず、送りモーター55の実効値電圧の変化等をモニターした結果等、送りモーター55の回転に関する情報であってその負荷の変化について的確に感知できるものであれば、種々のものをテープエンドの検出のための情報として適用することができる。
また、上記の例では、図5(A)のうち、期間T1から期間T4までの間における負荷の変化を検出することで、テープエンドであるか否かを判断しているが、送りモーター55の負荷が所定値以上上昇したことにより、期間T1の状態から期間T3の状態となったと判断しテープエンドを検出するものとしてもよい。つまり、テープエンド検出装置77aは、負荷の上昇から、巻きテープ50が図5(B)から図5(C)にかけての状態になるテープエンドの状態であることを検出し、制御部77がその旨の表示動作を行わせるものとしてもよい。
また、送りモーター55の負荷が所定値以上に下降したことにより、図5(A)の期間T3の状態から期間T4の状態となったと判断しテープエンドを検出するものとしてもよい。つまり、テープエンド検出装置77aは、負荷の下降から、巻きテープ50が図5(C)から図5(D)の状態になるテープエンドの状態であることを検出し、制御部77がその旨の表示動作を行わせるものとしてもよい。例えば、両面テープBBの粘着力が比較的弱く、負荷の上昇が顕著には捉えられず、図5(D)のようにエンド部分EPが剥離され巻きテープ50の回転モーメントがなくなることで負荷が下降することのみが顕著に捉えられる場合には、このような態様とすることでテープエンドを的確に検出できる。
〔第2実施形態〕
以下、図8(A)等を参照して、第2実施形態に係るテープ印刷装置について説明する。なお、本実施形態に係るテープ印刷装置は、図1等に示す第1実施形態のテープ印刷装置10の制御に関する変形例であり、特に説明のないものは第1実施形態と同様である。
図8(A)は、本実施形態に係るテープ印刷装置のテープ搬送時の負荷の変化を示すグラフである。つまり、図5(A)の場合と同様に、図8(A)の横軸は、テープTの走行時間或いはテープTの走行長に相当するものであり、縦軸は、モーターにかかる負荷の大きさ即ちデューティー比の値を示すものである。図8(B)は、テープエンドの様子を示す模式図である。図8(B)に示すように、巻きテープ150において、テープTのエンド部分EPは、直接コア部CRに貼り付けられて巻きついている。ここでは、エンド部分EPとコア部CRとの接着力が、送りモーター55によってテープTを引き出す力よりも大きくなっており、テープエンド時においてもエンド部分EPがコア部CRから剥離されない。このため、図8(A)の期間T3において、送りモーター55の負荷が所定値以上上昇した状態が維持される。つまり、通常の動作時には期間T1のように略一定であった負荷がテープエンド時には期間T2のように短期間で上昇し、期間T3のように最大負荷となった状態が維持され、結果としてテープ送りがロック状態となる。本実施形態では、テープエンド検出装置77aは、このような状態が発生していることをテープエンドとして検出する。
以下、テープエンド時におけるテープエンド検出処理の動作の一例について、図9のフローチャートにより説明する。テープエンド検出装置77aは、送りモーター55によるテープ送りの5ステップごとにデューティー比の値を読み出し、この値が閾値以上であることが検出されると(ステップS111:Y)、カウンターをスタートさせる処理を行い(ステップS112)、デューティー比の値を読み出し(ステップS113)、この値が閾値以上に保たれているか否かを判断し(ステップS114)、この動作を所定カウント数に達するまで続ける(ステップS115)。ステップS114においてデューティー比の値が下降したと判断されると(ステップS114:Y)、ステップS111での検出結果は、テープエンドの兆しによるものではなく他の影響によって一時的に負荷に変動が生じただけであると判断し、エンド表示は行わず、処理を終了する。一方、ステップS114において、デューティー比の値が下降していないと判断され続けたまま(ステップS114:N)ステップS115において所定カウント数に達すると(ステップS115:Y)、図8(A)の期間T3のような状態が生じていると判断し、テープエンドである旨の表示処理をする(ステップS118)。
以上のように、本実施形態に係るテープ印刷装置においても、送りモーター55の動作状態の監視結果に基づいて、テープTのテープエンド検出を比較的簡易かつ確実に行うことができる。
〔その他、変形例等〕
以上実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態では、デューティー比の値の変化を監視することで、負荷の変動を確認し、テープエンド検出を行っているが、実効値電圧の変化や電流、消費電力の変化等を監視することでテープエンド検出を行ってもよい。
また、上記実施形態のうち例えば第1実施形態では、ステップS11において、送りモーター55によるテープ送りの5ステップごとにデューティー比の値を確認しているが、これは一例であり、変化の有無の確認の頻度は用いる送りモーター55の駆動力とテープTのエンド部分EPの接着力との関係やエンド部分EPの長さ等により適宜定めることができる。また、デューティー比の増減をチェックするための閾値やカウント数の値等についても同様である。
10…テープ印刷装置、 33…キーボード、 34…ディスプレイ、 36…表示画面、 41…ポケット、 42…ヘッドユニット、 42a…印刷ヘッド、 48…ローラー駆動軸、 50…巻きテープ、 51…カートリッジケース、 55…送りモーター、 71…印刷部駆動回路、 73…記憶部、 77…制御部、 77a…テープエンド検出装置、 80…エンコーダー、 81…エンコーダーディスク、 82…フォトセンサー、 90…モーター監視装置、 C…テープカートリッジ、 R…インクリボン、 T…テープ

Claims (8)

  1. コア部にエンド部分を貼り付けて巻かれたテープ状部材に印刷を行う印刷部と、
    前記テープ状部材を前記印刷部に搬送する搬送部と、
    前記搬送部を駆動する搬送部駆動モーターと、
    前記搬送部駆動モーターの動作状態を監視するモーター監視装置と、
    前記モーター監視装置での監視結果に基づいて前記テープ状部材の前記エンド部分の搬送に対応するテープエンドを検出するテープエンド検出装置と、
    を備えるテープ印刷装置。
  2. 前記テープエンド検出装置は、前記モーター監視装置により前記搬送部駆動モーターの負荷が所定値以上上昇したことが確認された場合に、前記テープエンドを検出する、請求項1に記載のテープ印刷装置。
  3. 前記テープエンド検出装置は、前記モーター監視装置により前記搬送部駆動モーターの負荷が所定値以上上昇した状態を維持していることが確認された場合に、前記テープエンドを検出する、請求項2に記載のテープ印刷装置。
  4. 前記テープエンド検出装置は、前記モーター監視装置において前記搬送部駆動モーターの負荷が所定値以上に下降したことが確認された場合に、前記テープエンドを検出する、請求項1に記載のテープ印刷装置。
  5. 前記テープエンド検出装置は、前記モーター監視装置において前記搬送部駆動モーターの負荷が所定値以上に上昇した後下降したことにより、前記テープエンドを検出する、請求項4に記載のテープ印刷装置。
  6. 前記モーター監視装置は、前記搬送部駆動モーターの回転を監視し、前記テープエンド検出装置は、当該回転数の維持に必要な負荷に基づいて前記テープエンドを検出する、請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のテープ印刷装置。
  7. 前記搬送部駆動モーターは、DCモーターであり、
    前記モーター監視装置は、前記DCモーターの回転速度の情報を出力するエンコーダーを有し、前記エンコーダーから出力される前記回転速度の情報に基づきPWM波形のデューティー比を変更するフィードバック制御を行い、
    前記テープエンド検出装置は、前記PWM波形のデューティー比の変化から前記テープエンドを判断する、請求項6に記載のテープ印刷装置。
  8. 前記印刷部は、前記テープエンドが検出された場合に、前記テープエンドに関する情報を前記テープ状部材に印刷する、請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載のテープ印刷装置。
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