JP2011205778A - ブラシレスモータおよびブラシ付きモータ - Google Patents

ブラシレスモータおよびブラシ付きモータ Download PDF

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Abstract

【課題】 ブラシレスモータあるいはブラシ付きモータにおいて、少なくとも正転方向の出力トルクを簡単な構造で増加させる。
【解決手段】 ブラシレスモータの磁極センサ46の取付位置をモータ軸41の逆転方向に所定角度オフセットすることで、制御手段47がステータ45の回転磁界を制御する際に相互に引き合うロータ43およびステータ45の異種極間の位相差を90°+前記所定角度に設定するので、モータ軸41の正転時の出力トルクを逆転時の出力トルクよりも大きくすることができる。このとき、制御手段47によるステータ45の回転磁界を制御する制御プログラムを何ら変更することなく、磁極センサ46の取付位置を所定角度オフセットするだけで済むため、極めて低コストで実現可能である。ブラシ付きモータの場合は、ブラシの取付位置をモータ軸41の逆転方向に所定角度オフセットすることで、同様の作用効果を達成することができる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、正逆転が可能であって外部から逆転方向のトルクを受けるモータ軸と、前記モータ軸に支持されたロータと、前記ロータを囲むように固定されたステータと、前記ロータの回転位置を検出する磁極センサと、前記磁極センサで検出した前記ロータの回転位置に応じて前記ステータに発生させる回転磁界を制御する制御手段とを備えるブラシレスモータに関する。また本発明は正逆転が可能であって外部から逆転方向のトルクを受けるモータ軸と、前記モータ軸に支持されたロータと、前記ロータを囲むように固定されたステータと、前記ロータのコイルに供給する電流の極性を切り換えるブラシとを備えるブラシ付きモータに関する。
シリンダヘッドに揺動自在に支持したコントロールアームにサブカムおよびロッカアームを設け、カムシャフトに設けた動弁カムでサブカムおよびロッカアームを介して機関弁を開閉駆動するとともに、電動モータでコントロールシャフトを介してコントロールアームを揺動させることで、機関弁のバルブリフトやバルブタイミングを変更する可変動弁機構が、下記特許文献1により公知である。
特開2009−036034号公報
ところで、かかる可変動弁機構のコントロールシャフトに設けたコントロールカムは、それが当接するコントロールアームのカムフォロワから駆動反力を受けるため、電動モータが正転してコントロールシャフトを一方向に駆動するときに受ける反力トルクが大きくなり、電動モータを逆転駆動してコントロールシャフトを他方向に駆動するときに受ける反力トルクが小さくなる。そのため、電動モータの正転時の回転数と逆転時の回転数とが異なってしまい、バルブリフトを増加させるときとバルブリフトを減少させるときとで、制御応答性に差が出る問題がある。この問題を解決するには、電動モータが大きな反力トルクを受けるときに、その出力トルクが大きくなるように制御する必要がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、ブラシレスモータあるいはブラシ付きモータにおいて、少なくとも正転方向の出力トルクを簡単な構造で増加させることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、正逆転が可能であって外部から逆転方向のトルクを受けるモータ軸と、前記モータ軸に支持されたロータと、前記ロータを囲むように固定されたステータと、前記ロータの回転位置を検出する磁極センサと、前記磁極センサで検出した前記ロータの回転位置に応じて前記ステータに発生させる回転磁界を制御する制御手段とを備えるブラシレスモータであって、前記磁極センサの取付位置を前記モータ軸の逆転方向に所定角度オフセットすることで、前記制御手段は相互に引き合う前記ロータおよび前記ステータの異種極間の位相差を90°+前記所定角度に設定することを特徴とするブラシレスモータが提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、正逆転が可能であって外部から逆転方向のトルクを受けるモータ軸と、前記モータ軸に支持されたロータと、前記ロータを囲むように固定されたステータと、前記ロータの回転位置を検出する磁極センサと、前記磁極センサで検出した前記ロータの回転位置に応じて前記ステータに発生させる回転磁界を制御する制御手段とを備えるブラシレスモータであって、前記制御手段は、前記ロータの回転方向が正転方向である場合には、前記磁極センサで検出した前記ロータの回転位置を進角方向に補正するとともに、前記ロータの回転方向が逆転方向である場合には、前記磁極センサで検出した前記ロータの回転位置を遅角方向に補正することを特徴とするブラシレスモータが提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、正逆転が可能であって外部から逆転方向のトルクを受けるモータ軸と、前記モータ軸に支持されたロータと、前記ロータを囲むように固定されたステータと、前記ロータのコイルに供給する電流の極性を切り換えるブラシとを備えるブラシ付きモータであって、前記ブラシの取付位置を前記モータ軸の逆転方向に所定角度オフセットすることで、相互に引き合う前記ロータおよび前記ステータの異種極間の位相差を90°+前記所定角度に設定することを特徴とするブラシ付きモータが提案される。
請求項1の構成によれば、ブラシレスモータの磁極センサの取付位置をモータ軸の逆転方向に所定角度オフセットすることで、制御手段がステータの回転磁界を制御する際に相互に引き合うロータおよびステータの異種極間の位相差を90°+前記所定角度に設定するので、モータ軸の正転時の出力トルクを逆転時の出力トルクよりも大きくすることができる。このとき、制御手段によるステータの回転磁界を制御する制御プログラムを何ら変更することなく、磁極センサの取付位置を所定角度オフセットするだけで済むため、極めて低コストで実現可能である。
また請求項2の構成によれば、磁極センサで検出したブラシレスモータのロータの回転位置に基づいて制御手段がステータの回転磁界を制御する際に、制御手段は、ロータの回転方向が正転方向である場合には、磁極センサで検出したロータの回転位置を進角方向に補正するとともに、ロータの回転方向が逆転方向である場合には、磁極センサで検出したロータの回転位置を遅角方向に補正するので、モータ軸の正転時にも逆転時にもロータおよびステータの異種極間の位相差を90°よりも大きくし、モータ軸の正転時の出力トルクおよび逆転時の出力トルクを共に大きくすることができる。このとき、磁極センサの取付位置を何ら変更することなく、制御手段の制御プログラムを変更するだけで済むため、極めて低コストで実現可能である。
また請求項3の構成によれば、ブラシ付きモータのブラシの取付位置をモータ軸の逆転方向に所定角度オフセットすることで、相互に引き合うロータおよびステータの異種極間の位相差を90°+前記所定角度に設定するので、モータ軸の正転時の出力トルクを逆転時の出力トルクよりも大きくすることができる。その際に、ブラシの取付位置を所定角度オフセットするだけで済むため、極めて低コストで実現可能である。
可変動弁装置の高リフト時の縦断側面図。(第1の実施の形態) 可変動弁装置の低リフト時の縦断側面図。(第1の実施の形態) 磁極センサのオフセット量を0°としたブラスレスモータを示す図。(第1の実施の形態) 磁極センサのオフセット量を−20°としたブラスレスモータを示す図。(第1の実施の形態) 磁極センサのオフセット量を変化させたときのモータ回転数およびモータトルクの関係を示すグラフ。(第1の実施の形態) 磁極センサのオフセット量を変化させたときのバルブリフト変更の応答性を示すグラフ。(第1の実施の形態) 磁極センサのオフセット量を変化させたときのモータ回転数およびモータトルクの関係を示すグラフ。(第2の実施の形態) 制御手段による電動モータの制御のフローチャート。(第2の実施の形態) ブラシ付きモータの縦断面図。(第3の実施の形態)
以下、図1〜図6に基づいて本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1および図2に示すように、機関本体11の一部を構成するシリンダヘッド12には、各気筒毎に一対の吸気弁13,13が開閉作動可能に支持される。吸気弁13,13を開閉駆動する可変動弁装置14は、吸気弁13,13を駆動する動弁カム15が設けられたカムシャフト16と、カムシャフト16の軸線L1に直交する平面内で変位可能なサブカムシャフト17で揺動可能に支持されて動弁カム15に従動して揺動するサブカム18と、サブカム18に従動して吸気弁13,13を駆動するロッカアーム19と、カムシャフト16の軸線L1と平行な軸線L2まわりに揺動可能に支持されて該軸線L2からオフセットした位置でサブカムシャフト17を支持するコントロールアーム20と、コントロールアーム20を揺動させる駆動手段21とを備えるものであり、コントロールアーム20の揺動に伴って前記サブカムシャフト17の位置を変位させることで、吸気弁13,13のリフト量を含む作動特性を変化させることができる。
コントロールアーム20は、その両側面部から前記軸線L2に沿って突出する一対の軸部20a,20aを備えており、軸部20a,20aはシリンダヘッド12に揺動可能に支持される。ロッカアーム19の一端部はロッカアームシャフト22を介してコントロールアーム20に揺動可能に支持される。またロッカアーム19の中間部には支軸23を介して第1ローラ24が軸支されており、第1ローラ24はサブカム18のカム面18aに転がり接触する。サブカム18にはロッカアーム19の第1ローラ24に当接するカム面18aが形成されるとともに、動弁カム15に当接する第2ローラ25が支軸26を介して回転自在に支持される。よってサブカム18は、カムシャフト16の動弁カム15に第2ローラ25が接触することでサブカムシャフトまわりに揺動する。
サブカムシャフト17の両端部とコントロールアーム20の内面との間に、一対の捩じりばねよりなるロストモーションスプリング27,27の本体部27aが巻き付けられており、各ロストモーションスプリング27の第1腕部27bがサブカム18に第2ローラ25を支持する支軸26に係止され、また各ロストモーションスプリング27の第2腕部27cがロッカアーム19を支持するロッカアームシャフト22に係止される。サブカム18はロストモーションスプリング27,27の弾発力で付勢され、サブカム18に設けた第2ローラ25が動弁カム15に弾発的に当接する。
前記駆動手段21は、サブカムシャフト17と平行なコントロールシャフト28と、コントロールシャフト28に設けられたコントロールカム29と、ロッカアームシャフト22に支持された第3ローラ30と、コントロールシャフト28を正逆両方向に回転駆動するブラシレスモータよりなる電動モータ31とで構成される。ロストモーションスプリング27,27の弾発力でサブカム18に設けた第2ローラ25が動弁カム15に当接することでコントロールアーム20が矢印b方向に付勢され、これにより第3ローラ30がコントロールカム29に弾発的に当接する。従って、電動モータ31を駆動するとコントロールカム29および第3ローラ30を介してコントロールアーム20が軸部20a,20aまわりに揺動し、サブカム18をコントロールアーム20に支持するサブカムシャフト17の位置が変化する。
次に、上記構成を備えた可変同弁機構の作用を説明する。
カムシャフト16に設けた動弁カム15で吸気弁13,13を開閉駆動しているとき、サブカム18はロストモーションスプリング27,27の弾発力でサブカムシャフト17まわりに付勢されることで、その第2ローラ25が動弁カム15に圧接される。即ち、ロストモーションスプリング27,27の第2腕部27c,27cがロッカアームシャフト22に当接し、ロッカアームシャフト22から受ける反力で第1腕部27b,27bが第2ローラ25を支持する支軸26を押圧することで、サブカム18はサブカムシャフト17まわりに図中矢印a方向に付勢される。
またコントロールアーム20は、ロストモーションスプリング27,27の弾発力で第2ローラ25が動弁カム15に圧接される反力で軸部20a,20aまわりに図中b方向に付勢されることで、その第3ローラ30がコントロールシャフト28のコントロールカム29に圧接される。またロッカアーム19は第1ローラ24をサブカム18のカム面18aに押圧されてロッカアームシャフト22まわりに図中c方向に付勢されることで、その先端が吸気弁13,13の上端に圧接される。
電動モータ31、コントロールシャフト28、コントロールカム29および第3ローラ30よりなる駆動手段21によりコントロールアーム20が図1に示す位置に駆動されるときには、サブカムシャフト17まわりに揺動するサブカム18のカム面18aはサブカムシャフト17から遠い部分でロッカアーム19を大きく揺動させるため、吸気弁13,13の上端の開弁方向への駆動量が大きくなって吸気弁13,13のリフト量が最大となる。
また駆動手段21によりコントロールアーム20が図2に示す位置に駆動されるときには、サブカムシャフト17まわりに揺動するサブカム18のカム面18aはサブカムシャフト17から近い部分でロッカアーム19を小さく揺動させるため、吸気弁13,13の上端の開弁方向への駆動量が小さくなって吸気弁13,13のリフト量が最小となる。
コントロールアーム20を駆動手段21で軸部20a,20aまわりに揺動させることにより吸気弁13,13のリフト量が変化するが、コントロールアーム20の揺動によって動弁カム15が第2ローラ32に接触するタイミングも変化するため、吸気弁13,13の開閉タイミングも変化することになる。
ところで、上述したように、ロストモーションスプリング27,27の弾発力でコントロールアーム20は矢印b方向に付勢されるため、コントロールアーム20に設けた第3ローラ30によってコントロールカム29を押圧されたコントロールシャフト28は矢印d方向のトルクを受けることになる。従って、コントロールシャフト20を矢印d′方向に駆動してバルブリフトを増加させるとき、電動モータ31はロストモーションスプリング27,27の弾発力に抗する分だけ大きなトルクを発生する必要があり、逆にコントロールシャフト20を矢印d方向に駆動してバルブリフトを減少させるとき、電動モータ31はロストモーションスプリング27,27の弾発力で付勢される分だけ小さなトルクを発生すれば良い。
そのために、電動モータ31がバルブリフトを増加させる正転時と、バルブリフトを減少させる逆転時とに同じトルクを発生すると、バルブリフトの増加時の制御応答性が低くなり、逆にバルブリフトの減少時の制御応答性が高くなるという問題が発生する。
本発明は上記問題を電動モータ31の出力トルク特性により補償するものである。
図3は従来例を示すもので、ブラシレスモータよりなる電動モータ31は、モータ軸41と、モータ軸41に固定されて外周に永久磁石42の磁極が配置されたロータ43と、ロータ43を囲む複数のコイル44を備えた環状のステータ45と、ロータ43の回転位置を検出する磁極センサ46と、磁極センサ46で検出した。ロータ43の回転位置に基づいてステータ45のコイル44に対する通電を制御する制御手段47とを備える。磁極センサ46はホール素子を用いたもので、ロータ43の永久磁石42が発生する磁界の方向からロータ43の回転位置を検出する。尚、モータ軸41の回転方向は、矢印で示す時計方向を正転方向とし、反時計方向を逆転方向とする。
図3(A)に示す状態では、ロータ43のN極が磁極センサ46(A)に対向しており、ロータ43がこの回転位置にあるときに、制御手段47はステータ45のコイル44(B),44(D)がS極となるように該コイル44(B),44(D)への通電を制御するととともに、ステータ45のコイル44(A),44(C)がN極となるように該コイル44(A),44(C)への通電を制御する。このとき、ロータ43のN極とステータ45のS極との位相差、あるいはロータ43のS極とステータ45のN極との位相差は90°となり、電動モータ31が回転を停止している状態ではロータ43に最大のトルクが発生する。
図3(A)に示す状態からモータ軸41が90°正転して図3(B)の状態になると、ロータ43のN極が磁極センサ46(B)に対向しており、ロータ43がこの回転位置にあるときに、制御手段47はステータ45のコイル44(A),44(C)がS極となるように該コイル44(A),44(C)への通電を制御するととともに、ステータ45のコイル44(B),44(D)がN極となるように該コイル44(B),44(D)への通電を制御する。このとき、ロータ43のN極とステータ45のS極との位相差、あるいはロータ43のS極とステータ45のN極との位相差は90°となり、電動モータ31が回転を停止している状態ではロータ43に最大のトルクが発生する。
このようにして、ロータ43の回転位置を磁極センサ46(A),46(B)で検出し、その回転位置に応じてステータ45のコイル44(A)〜44(D)の極性を順次変化させることで、ステータ45に回転磁界を発生させてロータ43を回転駆動することができる。その際に、ロータ43およびステータ45の異種極、つまりロータ43のN極とステータ45のS極との位相差、あるいはロータ43のS極とステータ45のN極との位相差が90°になるように、ステータ45の回転磁界が制御される。
しかしながら、上述した従来例では、ロータ43の正転方向の出力トルクと逆転方向の出力トルクとが等しくなるため、駆動負荷が大きくなる電動モータ31の正転時には制御応答性が低くなり、駆動負荷が小さくなる電動モータ31の逆転時には制御応答性が高くなるという問題が発生する。
この問題を解決するために、本実施の形態では、図4に示すように、磁極センサ46の取付位置を従来例に比べて逆転方向(反時計方向)に所定角度α(例えば、20°)ずらしている。従って、実施の形態の磁極センサ46は実際のロータ43の回転位置よりも角度α進角した位置をロータ43の回転位置として検出する。その結果、ロータ43が図4(A)の位置にあっても、制御手段47はロータ43が所定角度αだけ正転方向に回転した図4(B)の位置にあると認識する。つまり、制御手段47は磁極センサ46で検出したロータ43の回転位置を所定角度αだけ進角した位置として認識し、この所定角度αだけ進角した位置に基づいてステータ45の回転磁界を制御する。
図5は、磁極センサ46の取付位置のオフセット量が0°の場合と、磁極センサ46の取付位置のオフセット量が逆転方向に20°(−20°)の場合と、磁極センサ46の取付位置のオフセット量が正転方向に20°(+20°)の場合とについて、モータトルクがどのように変化するかを示すものである。
実線で示すオフセット量が0°の場合は、図3で説明した従来例に対応するものであり、モータ回転数が0の場合のモータトルクは最大になり、モータ回転数の増加に応じてモータトルクは次第に減少する。
破線で示すオフセット量が逆転方向に20°の場合は、図4で示した実施の形態においてロータ43が正転する場合に対応する。この場合、モータ回転数が0の場合のモータトルクは従来例よりも低くなるが、モータ回転数が増加したときのモータトルクの減少率は従来例よりも小さくなる。鎖線で示すオフセット量が正転方向に20°の場合は、図4で示した実施の形態でロータ43が逆転する場合に対応する。この場合、モータ回転数が0の場合のモータトルクは従来例よりも低くなり、しかもモータ回転数が増加したときのモータトルクの減少率は従来例よりも大きくなる。
従って、例えばモータ回転数がNであるとき、本実施の形態でロータ43が正転するとき、つまり電動モータ31が受ける駆動負荷が大きいときに、従来例よりもモータトルクをT1だけ増加させて大きい駆動負荷を補償し、制御応答性が目標値よりも低くなるのを防止することができる。逆に、本実施の形態でロータ43が逆転するときには、従来例よりもモータトルクがT2だけ減少してしまうが、このとき電動モータ31が受ける駆動負荷が小さくなっているために制御応答性に対する影響は問題とはならない。
図6は、バルブリフトの制御応答性を示すグラフであり、細い実線で示す矩形波が目標値である。太い実線は磁極センサ46のオフセット量が0°の場合(図3で説明した従来例)であり、バルブリフトの増加時の応答性が目標値に対して大きく遅れていることが分かる。破線は磁極センサ46のオフセット量が−20°の場合(図4で説明した実施の形態における正転時)であり、電動モータ31の出力トルクが増加したことでバルブリフトの増加時の応答性の遅れが小さくなっていることが分かる。
以上のように、本実施の形態によれば、ブラシレスモータよりなる電動モータ31の制御手段47によるステータ45の回転磁界の制御プログラムを従来と同じにしても、磁極センサ46の取付位置を逆転方向に所定角度αオフセット量する簡単な変更を施すだけで、電動モータ31の正転方向のトルクを増加させることができ、これによりバルブリフトの増加時の制御応答性の低下を補償することができる。
次に、図7および図8に基づいて本発明の第2の実施の形態を説明する。
図7は磁極センサ46のオフセット量を変化させたときのモータ回転数およびモータトルクの関係を示すグラフである。バルブリフトの変更時の制御応答性が問題になるのは電動モータ31を停止状態から起動したときであり、バルブリフトを増加させるべく電動モータ31を正転駆動するときは図7の第1象限に対応し、バルブリフトを減少させるべく電動モータ31を逆転駆動するときは図7の第3象限に対応する。
電動モータ31を正転駆動するとき(図7の第1象限参照)、電動モータ31の回転数が低い領域では、磁極センサ46のオフセット量が0°であるときにモータトルクの絶対値が最大になり、電動モータ31の回転数が高い領域では、磁極センサ46のオフセット量をマイナス方向、つまり電動モータ31の回転方向と逆方向に増加させるほどモータトルクの絶対値が大きくなることが分かる。同様に、電動モータ31を逆転駆動するとき(図7の第3象限参照)、電動モータ31の回転数が低い領域では、磁極センサ46のオフセット量が0°であるときにモータトルクの絶対値が最大になり、電動モータ31の回転数が高い領域では磁極センサ46のオフセット量をプラス方向、つまり電動モータ31の回転方向に増加させるほどモータトルクの絶対値が大きくなることが分かる。
第1の実施の形態では、磁極センサ46の取付位置を逆転方向にオフセットして電動モータ31の正転時のトルクを増加させていたが、第2の実施の形態は、図3に示すように磁極センサ46のオフセット量を0°に保持したまま、制御手段47において電動モータ31の回転数および回転方向に応じて、磁極センサ46が出力するロータ43の回転位置を補正することで、電動モータ31の正転方向および逆転方向の出力トルクを、電動モータ31の低回転数領域から高回転数領域まで高めるようになっている。
上記作用を図8のフローチャートに基づいて説明すると、先ずステップS1で磁極センサ46で検出したロータ43の回転位置をmotθとし、ステップS2で図示せぬモータ回転数センサで検出したモータ回転数をmotωとする。続くステップS3でモータ回転数motωをパラメータとするテーブル(表1参照)からロータ回転位置補正値motθosを検索し、ステップS4でロータ回転位置motθにロータ回転位置補正値motθosを加算した値を制御用ロータ回転位置をmotθとし、この制御用ロータ回転位置をmotθに基づいてステータ45の回転磁界を、図3で説明した従来例と同様にして制御する。
Figure 2011205778
表1はモータ回転数motωからロータ回転位置補正値motθosを検索するテーブルを示すもので、電動モータ31のモータ回転数motωが正転方向に増加するのに応じて、磁極位置補正値motθosを0°から正方向に+5°→+10°→+15°→+20°と次第に増加させ、電動モータ31のモータ回転数motωが逆転方向に増加するのに応じて、磁極位置補正値motθosを0°から負方向に−5°→−10°→−15°→−20°と次第に減少させる。
これにより、図3に示す従来の電動モータ31をそのまま使用し、制御手段47における制御プログラムを僅かに変更するだけで、電動モータ31の正転方向および逆転方向のトルクを全ての回転数領域で増加させることができ、特に電動モータ31が受ける駆動負荷が増加するバルブリフトの増加時の制御応答性の低下を補償することができる。
次に、図9に基づいて本発明の第3の実施の形態を説明する。
上述した第1、第2の実施の形態はブラシレスモータよりなる電動モータ31を対象としているが、第3の実施の形態はブラシ付きモータよりなる電動モータ31を対象とするものである。電動モータ31は、モータ軸41に固定されたロータ43と、ロータを囲むステータ45とを備えており、ロータ43は3個のコイル48を備えるとともに、ステータ45はそれぞれS極およびN極をロータ43に対向させた一対の永久磁石49を備える。ロータ43は3個のコイル48に接続された3個のコミュテータ50を備え、これらのコミュテータ50に2個のブラシ51が摺接する。
図9(A)は従来例を示すもので、2個のブラシ51の位相はステータ45の2個の永久磁石49の位相に一致している。図9(B)は本実施の形態を示すもので、2個のブラシ51の位相がステータ45の2個の永久磁石49の位相に対してロータ43の逆転方向に所定角度α(例えば20°)ずれている。
ブラシ51はコミュテータ50と協働してロータ43の回転位置を検出してコイル48の極性を切り換えるためのもので、第1の実施の形態の磁極センサ46に対応するものである。このブラシ51の位相をロータ43の逆転方向に所定角度αずらしたことで、ロータ43の位相が実際の位相よりも所定角度α進角したものとして制御されるため、第1の実施の形態と同様に、電動モータ31が受ける駆動負荷が増加する正転時に電動モータ31のトルクを増加させ、バルブリフトの増加時の制御応答性を高めることができる。
この実施の形態によっても、ブラシ51の位相をオフセットするだけの簡単な変更で電動モータ31の正転方向の出力トルクを増加させることができるため、極めて低コストで実現可能である。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、本発明の所定角度αは実施の形態の20°に限定されるものではない。
また本発明における電動モータ31の極数は任意であり、かつ本発明における角度は全て電気角である。
41 モータ軸
43 ロータ
44 コイル
45 ステータ
46 磁極センサ
47 制御手段
48 コイル
51 ブラシ
α 所定角度

Claims (3)

  1. 正逆転が可能であって逆転方向のトルクを受けるモータ軸(41)と、前記モータ軸(41)に支持されたロータ(43)と、前記ロータ(43)を囲むように固定されたステータ(45)と、前記ロータ(43)の回転位置を検出する磁極センサ(46)と、前記磁極センサ(46)で検出した前記ロータ(43)の回転位置に応じて前記ステータ(45)に発生させる回転磁界を制御する制御手段(47)とを備えるブラシレスモータであって、
    前記磁極センサ(46)の取付位置を前記モータ軸(41)の逆転方向に所定角度(α)オフセットすることで、前記制御手段(47)は相互に引き合う前記ロータ(43)および前記ステータ(45)の異種極間の位相差を90°+前記所定角度(α)に設定することを特徴とするブラシレスモータ。
  2. 正逆転が可能であって逆転方向のトルクを受けるモータ軸(41)と、前記モータ軸(41)に支持されたロータ(43)と、前記ロータ(43)を囲むように固定されたステータ(45)と、前記ロータ(43)の回転位置を検出する磁極センサ(46)と、前記磁極センサ(46)で検出した前記ロータ(43)の回転位置に応じて前記ステータ(45)に発生させる回転磁界を制御する制御手段(47)とを備えるブラシレスモータであって、
    前記制御手段(47)は、前記ロータ(43)の回転方向が正転方向である場合には、前記磁極センサ(46)で検出した前記ロータ(43)の回転位置を進角方向に補正するとともに、前記ロータ(43)の回転方向が逆転方向である場合には、前記磁極センサ(46)で検出した前記ロータ(43)の回転位置を遅角方向に補正することを特徴とするブラシレスモータ。
  3. 正逆転が可能であって逆転方向のトルクを受けるモータ軸(41)と、前記モータ軸(41)に支持されたロータ(43)と、前記ロータ(43)を囲むように固定されたステータ(45)と、前記ロータ(43)のコイル(48)に供給する電流の極性を切り換えるブラシ(51)とを備えるブラシ付きモータであって、
    前記ブラシ(51)の取付位置を前記モータ軸(41)の逆転方向に所定角度(α)オフセットすることで、相互に引き合う前記ロータ(43)および前記ステータ(45)の異種極間の位相差を90°+前記所定角度(α)に設定することを特徴とするブラシ付きモータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016120899A (ja) * 2014-12-25 2016-07-07 本田技研工業株式会社 車両用制動装置

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