JP2011204912A - レーザアニール処理体の製造方法およびレーザアニール装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被処理体表面にレーザ光を照射して該被処理体のアニール処理を行うレーザアニール装置において、レーザ光を前記被処理体に導いて照射する第1の光学系と、前記被処理体に照射されて反射したレーザ光を前記被処理体に導いて再照射する第2の光学系とを有するレーザアニール装置を用いて、レーザ光を前記被処理体に導いて照射するとともに、該被処理体に照射されて反射したレーザ光を前記被処理体に再照射してレーザアニールすることで、被処理体表面から反射されるレーザ光を利用してレーザエネルギー利用率を上げることができ、また、前記再照射を前提にしてラインビームの長軸の長さを長くしたり、最大エネルギー密度を上げたりすることができる。
【選択図】図1
Description
上記アニール処理では、アモルファス膜などの被処理体上にレーザ光を照射することでレーザ光が被処理体内に侵入して熱エネルギーを与えることで被処理体を結晶化させる方法が知られている。レーザ光は、レーザ発振器から出力され、レンズ、ミラー等で構成される光学系を通して被処理体に照射される。
また、アニール処理として、結晶質膜にレーザ光を照射して欠陥の除去や結晶性の改善などの改質を目的として行うものも知られている。
また、被処理体表面で反射したレーザ光が、上記光学系を通して逆進すると、レーザ発振器に照射されてレーザ発振器の損傷を招くおそれがある。このため、被処理体表面に対し、真直方向(入射角0度)からではなく、所定の入射角(>0)を設定して被処理体表面に斜め方向からレーザ光を照射する方法も提案されている。
なお、第2の光学系を通したレーザ光の再照射においては、第1の光学系を通して照射されるレーザ光とビーム形状が同じになるようにして再照射することができる。これにより被処理体表面を同一の形状および面積でアニール処理することができる。ただし、本発明としては、第1の光学系を通したレーザ光のビーム形状と第2の光学系を通したレーザ光のビーム形状とが異なるものであってもよく、所定の目的をもって第2の光学系を通したレーザ光のビーム形状を整形するものであってもよい。
なお、繰り返し再照射する際には、反射光のエネルギーも次第に小さくなるので、二度目以降の再照射では、それ以前の反射角と同じ角度で再照射しても逆進による問題は小さくなる。
図1にレーザアニール装置の概略構成、図2にレーザ光の照射位置周辺を示す。
レーザアニール装置1は、エキシマレーザを出力するレーザ発振器2を備えている。レーザ発振器2の出力先には、レーザ発振器2から出力されたレーザ光2aの出力を調整するアッテネータ3が配置されている。アッテネータ3は、例えばレーザ光の透過率を調整することでレーザ光の出力調整を行うことができる。アッテネータ3で出力調整されたレーザ光2aの進行先には、該レーザ光2aをラインビーム状のレーザ光100に整形し、処理室5内の被処理体に導く光学系4が設けられている。図では、光学系4のうち、凸形状のレンズ4a、ミラー4bのみ示されている。該光学系4は、本発明の第1の光学系に相当する。該光学系4の出射先に、ステージ6が位置する。
ステージ6は、図示しない駆動装置によって少なくとも水平方向一軸で往復移動が可能になっている。該ステージ6上には、アモルファスシリコン薄膜21が形成された基板20が設置される。前記アモルファスシリコン薄膜21は、本発明の被処理体に相当する。
該入射角φに対する反射角φ方向には、第2の光学系として、断面が凹面となる長尺な凹面鏡7が配置されており、凹面がアモルファスシリコン薄膜21における反射部位に向けられている。また、該凹面鏡7は、反射してアモルファスシリコン薄膜21に再照射されるレーザ光101がアモルファスシリコン薄膜21表面付近で収束するように焦点が設定されている。
先ず、処理室5内のステージ6上にアモルファスシリコン薄膜21が形成された基板20を設置する。
レーザ発振器2からは波長308nmのエキシマレーザ光であるレーザ光2aが出力される。該レーザ光2aは、アッテネータ3を透過して所望の出力に調整され、光学系4においてレンズ4aによる集光、ミラー4bによる反射などを経てラインビーム状のレーザ光100に整形される。該レーザ光100は、ステージ6に設置した基板20上のアモルファスシリコン薄膜21に入射角φで照射される。
この際に、ステージ6は、図示しない制御装置によって移動が制御され、レーザ照射時に、ラインビームの短軸方向に所定の送り速度で等速で移動される。
一方、アモルファスシリコン薄膜21に照射されたレーザ光100の約50%は表面で反射される。この際には、図1、2に示すように、レーザ光は入射角に従って反射角φで反射され、反射したレーザ光101は、その進行方向にある凹面鏡7に入射する。
この実施形態のレーザニール装置10では、上記実施形態と同様に、エキシマレーザを出力するレーザ発振器2、レーザ光2aの出力を調整するアッテネータ3、アッテネータ3で出力調整されたレーザ光2aをラインビーム状のレーザ光100に整形し、処理室5内の被処理体に導く光学系14を備えている。この図では、光学系14として、レンズ14a、ミラー14bのみが示されている。
該光学系14の出射先に、処理室5内のステージ6が位置する。ステージ6は、前記実施形態と同様に少なくとも水平方向一軸で往復移動が可能になっている。ステージ6には、上記実施形態と同様にアモルファスシリコン薄膜21が形成された基板20が設置される。
凹面鏡12の反射方向は、レーザ光100が照射されたアモルファスシリコン薄膜21の照射部位に向いており、凹面鏡12で反射されたレーザ光101の入射角はφ2(φ2>φ1>0)となるように設定されている。また該凹面鏡12は、アモルファスシリコン薄膜21に再照射されるレーザ光101がアモルファスシリコン薄膜21表面付近で収束するように焦点が設定されている。
上記ミラー11および凹面鏡12は、本発明における第2の光学系に相当する。
レーザ発振器2から照射され、アッテネータ3で所望の出力に調整されたレーザ光2aは、光学系14においてレンズ14aによる集光、ミラー14bによる反射などを経てラインビーム状のレーザ光100に整形される。該レーザ光100は、ステージ6に設置した基板20上のアモルファスシリコン薄膜21に入射角φ1で照射される。
この際に、ステージ6は、図示しない制御装置によって移動が制御され、レーザ照射時に、ラインビームの短軸方向に所定の送り速度で等速で移動される。
レーザ光101は、レーザ光100とは逆に、反射によって拡散しつつミラー11、凹面鏡12に入射し反射される。凹面鏡12における反射によって、レーザ光101はレーザ光100が入射したアモルファスシリコン薄膜21の入射部位に入射角φ2で照射され、凹面鏡12の湾曲面に従って集光され、レーザ光100と同じ位置、同じ形状でアモルファスシリコン薄膜21表面付近に収束する。
この実施形態のレーザニール装置10では、上記実施形態と同様に、エキシマレーザを出力するレーザ発振器2、レーザ光2aの出力を調整するアッテネータ3、アッテネータ3で出力調整されたレーザ光2aをラインビーム状のレーザ光100に整形し、処理室5内の被処理体に導く光学系14を備えている。また、上記実施形態と同様に、前記光学系14は、前記アモルファスシリコン薄膜21に対しレーザ光100が長軸方向を基準にして入射角φ1(φ1>0)で入射するように設定されており、レーザ光100は、光学系4の例えば対物レンズによって集光されつつ前記アモルファスシリコン薄膜21に照射されアモルファスシリコン薄膜21の表面付近に収束する。
上記ミラー11、凹面鏡12、凹面鏡13は、本発明の第2の光学系に相当する。
レーザ発振器2から照射され、アッテネータ3で所望の出力に調整されたレーザ光2aは、光学系14においてラインビーム状のレーザ光100に整形される。該レーザ光100は、ステージ6に設置した基板20上のアモルファスシリコン薄膜21に入射角φ1で照射される。
該反射においてレーザ光102はレーザ光100が入射したアモルファスシリコン薄膜21の照射部位に照射され、該凹面鏡13の湾曲面に従って集光され、レーザ光100と同じ位置、同じ形状でアモルファスシリコン薄膜21表面付近に収束する。
なお、この形態では、レーザ光100が入射した入射角φ1とレーザ光102が入射した入射角φ2とが異なる角度になっているが、その後の反射によってレーザ光101の一部が光学系14を逆進可能であるが、逆進するレーザ光のエネルギーは繰り返しの再照射によって相当程度低くなっており、レーザ発振器2に対する影響は殆どない。
以上、本発明について上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記各実施形態の内容に限定をされるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りは適宜の変更が可能である。
2 レーザ発振器
2a レーザ光
4 光学系
5 処理室
7 凹面鏡
10 レーザニール装置
11 ミラー
12 凹面鏡
13 凹面鏡
100 レーザ光
101 レーザ光
102 レーザ光
Claims (13)
- 被処理体表面にレーザ光を照射して該被処理体のアニール処理を行うレーザアニール装置において、レーザ光を前記被処理体に導いて照射する第1の光学系と、前記被処理体に照射されて反射したレーザ光を前記被処理体に導いて再照射する第2の光学系とを有することを特徴とするレーザアニール装置。
- 前記第2の光学系は、前記第1の光学系による前記被処理体表面の照射位置と同一の位置にレーザ光を再照射するものであることを特徴とする請求項1記載のレーザアニール装置。
- 前記第2の光学系は、前記被処理体で反射したレーザ光を前記前記第1の光学系によるレーザ光の入射角と異なる入射角で前記被処理体にレーザ光を再照射することを特徴とする請求項1または2に記載のレーザアニール装置。
- 前記第2の光学系は、前記被処理体に照射されて反射したレーザ光を繰り返し前記被処理体に導いて再照射するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のレーザアニール装置。
- 前記第2の光学系は、前記第1の光学系を通して前記被処理体に照射されるレーザ光のビーム形状と同一のビーム形状で前記被処理体にレーザ光を再照射するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のレーザアニール装置。
- 前記第2の光学系はレーザ光を集光する集光部材を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のレーザアニール装置。
- 前記第2の光学系はレーザ光を反射しつつ集光する凹面鏡を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のレーザアニール装置。
- 前記第1の光学系は、前記被処理体表面と直交する方向に対し、角度差を有して該被処理体にレーザ光が照射されるように設定されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のレーザアニール装置。
- 被処理体表面にレーザ光を照射して該被処理体のアニール処理を行うレーザアニール処理体の製造方法において、レーザ光を前記被処理体に導いて照射するとともに、該被処理体に照射されて反射したレーザ光を前記被処理体に再照射してレーザアニールを行うことを特徴とするレーザアニール処理体の製造方法。
- 前記再照射を2回以上、繰り返し行うことを特徴とする請求項9記載のレーザアニール処理体の製造方法。
- 前記再照射は、前記被処理体に対する最初の照射位置と同一の位置に行うことを特徴とする請求項9または10に記載のレーザアニール処理体の製造方法。
- 前記再照射は、前記被処理体に照射されるレーザ光と同一のビーム形状で行うことを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載のレーザアニール処理体の製造方法。
- 前記被処理体は、基板上に形成された半導体薄膜であることを特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載のレーザアニール処理体の製造方法。
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